JPS646345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はキヤブオーバ型車両等に塔載される
はね上げシートにおけるシートバツクの前倒し構
に関するものである。

従来車両のはね上げシートにはシートバツクを
前倒しすることのできるものはなかつた。この考
案はシートバツクを前倒しすることのできるはね
上げシートの提供を目的とする。

以下実施例を示す図面に基きこの考案を説明す
る。第１図乃至第４図はこの考案の第１実施例を
示す。同図において、１ははね上げシートを示
し、１ａ，１ｂはそれぞれシートバツク、シート
部を示す。シートバツク１ａは公知のヒンジ機構
２によりシート部１ｂと相対回動可能であり、シ
ート部１ｂは図示しない車両の床面に公知の手段
により取外し可能に取りつけられている。図示し
ない車両ボデーには同じ高さに位置する２個のＬ
型のブラケツト３，３がその一片３ａ，３ａに設
けたボルト孔３ｂ，３ｂに挿通される図示しない
ボルトにより取りつけられている。両ブラケツト
３，３の他片３ｃ，３ｃには水平方向の連動棒４
が回動可能に挿通されている。なお、他片３ｃ，
３ｃの間隔Ｄは少なくともシートバツク１ａの幅
Ｂと同じに設定されている。連動棒４の各端には
ロツクプレート５，５が固着されている。各ロツ
クプレート５とブラケツト３の下部に設けたアー
ム３ｄとの間にはテンシヨンスプリング６が取り
つけられ、これにより各ロツクプレート５は連動
棒４を軸とする反時計方向のモーメントを附与さ
れている。各ロツクプレート５の前端部には係止
溝５ａが設けられ、この係止溝５ａはシートバツ
ク１ａの側面の対向位置（すなわち同じ高さの位
置）から水平方向に外方に延出するロツクピン７
に係合している。各ロツクプレート５の後端面５
ｂは係止溝５ａがロツクピン７に係合している状
態ではブラケツト３の一片３ａに当接し、ロツク
プレート５のそれ以上の反時計方向の回動を防止
するストツパの役目をしている。なお、各ロツク
プレート５には外向きにレバー５ｃが設けられて
いる。

上記の構成においてはね上げシート１のはね上
げを行うにはシート部１ｂと車両床面との結合を
解いた後シート後方に設けた軸を回動中心として
シート部１ｂを押し上げると、シートバツク１ａ
も押し上げられ、ロツクプレート５はロツクピン
７に押されてテンシヨンスプリング６のばね力に
抗して上方に回動する。ここでシートバツク１ａ
を図示しない公知手段により車両に固定すればは
ね上げが完了する。

正規の位置にあるシートバツク１ａを前倒しす
るには第３図に示すようにロツクプレート５をテ
ンシヨンスプリング６の張力に抗しレバー５ｃを
掴んで反時計方向に回動し係止溝５ａとロツクピ
ン７との係合を解いてシートバツク１ａを前方に
倒せばよい。この時ロツクプレート５は反時計方
向に回動してロツクピン７と係合していた位置ま
で戻るがその位置で後端面５ｂがブラケツト３の
一片３ａに当接するのでそれ以上は回動しない。

前倒ししたシートバツク１ａを引き起こすには
シートバツク１ａをヒンジ機構２を介して第４図
のように時計方向に回動するとロツクピン７はロ
ツクプレート５の後下方に傾斜している前端面５
ｄに当接し、ロツクプレート５を時計方向に回動
させ係止溝５ａに係合する。これによりシートバ
ツク１ａは正規の位置に保持される。

第５図乃至第８図はこの考案の第２実施例を示
す。なお、第１実施例と同じ構成要素に対しては
同じ番号を附しその説明を省く。同じ高さに位置
する２ケのＬ型ブラケツト１３，１３はブラケツ
ト３，３と同じくその一片１３ａ，１３ａに設け
たボルト孔１３ｂ，１３ｂに挿通される図示しな
いボルトにより車両ボデーに取りつけられてい
る。ブラケツト１３，１３の他片１３ｃ，１３ｃ
には連動棒１４が回動可能に挿通され、その各端
にはともに逆Ｌ字状に折曲されたロツクピン１
７，１７が設けられている。そして一方（第５図
の左方）のブラケツト１３の他片１３ｃの外側に
は圧縮スプリング１６が連動棒１４に巻きつけら
れ、その一端は他片１３ｃに、その他端は連動棒
１４の屈曲部にそれぞれ取りつけられている。他
方（第５図の右方）のブラケツト１３の外側では
連動棒１４にはストツパ１８が設けられている。
一方シートバツク１ａの両側面の同じ高さの位置
にはガイドプレート１５が後方に向けて突設さ
れ、その後端部に係止孔１５ａが設けられてい
る。両ブラケツト１３，１３間において連動棒１
４にはハンドル１９が設けられている。

上記の構成においてシートバツク１ａが正規の
位置にある時はロツクピン１７，１７は第６図に
示すように圧縮スプリング１６のばね力によりガ
イドプレート１５の係止孔１５ａに嵌り込んでい
る。この時ストツパ１８はブラケツト１３の一片
１３ａに当接して連動棒１４の反時計方向の回動
を防止している。シート１をはね上げるには第１
実施例と同じくシート部１ｂと車両床面との結合
を解いた後シート後方に設けた軸を回動中心とし
てシート部１ｂを押し上げると、シートバツク１
ａも押し上げられ、ロツクピン１７は圧縮スプリ
ング１６の捩り力に抗して上方に回動する。ここ
でシートバツク１ａを公知の手段で車両に固定す
ればはね上げは完了する。

正規の位置にあるシートバツク１ａを前倒しす
るには第６図に示すようにハンドル１９を圧縮ス
プリング１６のばね力に抗して右方に点線の位置
まで動かしロツクピン１７をガイドプレート１５
の係止孔１５ａから抜くとシートバツク１ａはシ
ート部１ｂに対し回動自在となるのでシートバツ
ク１ａを前方に倒せばよい。

前倒ししたシートバツク１ａを引き起こすには
シートバツク１ａを時計方向に回動すると第８図
に示すようにロツクピン１７がガイドプレート１
５の前端部の斜面１５ｂに当接してガイドされ係
止孔１５ａに嵌り込む。これによりシートバツク
１ａは正規位置に保持される。

第９図乃至第１１図はこの考案の第３実施例を
示す。なお、第１実施例と同じ構成要素に対して
は同じ番号を附しその説明を省く。第３実施例に
おいて連動棒２４はほぼＣ型に形成され、対向す
るロツクピン２４ａ，２４ａ、ロツド部２４ｂ及
びロツド部２４ｂの両端をロツクピン２４ａ，２
４ａに連結する連結片２４ｃ，２４ｃとからなつ
ている。連結片２４ｃ，２４ｃは同長でロツド部
２４ｂに直角であり、ロツクピン２４ａはロツド
部２４ｂに平行である。シートバツク１ａの両側
面の対向する位置には平板状のロツクプレート２
５，２５が取りつけられ、これに取付孔２５ａ，
２５ａが設けられ、この両取付孔２５ａ，２５ａ
に連動棒２４の両ロツクピン２４ａ，２４ａが回
動可能に挿入されている。すなわち連動棒２４は
ロツクピン２４ａ，２４ａを軸として回動可能で
ある。シートバツク１ａの両側面と連動棒２４の
連結片２４ｃ，２４ｃとの間にはテンシヨンスプ
リング２６が設けられている。Ｌ型ブラケツト２
３，２３はその一片２３ａにより車両ボデーの同
高の位置に取りつけられ、他片２３ｃには係止溝
２３ｂが設けられている。シートバツク１ａが正
規の位置にある時は連動棒２４のロツド部２４ｂ
は第９図に示すようにブラケツト２３の係止溝２
３ｂに係止されている。

上記の構成においてシート１をはね上ぜるには
シート部１ｂと車両床面との結合を解いた後シー
ト後方に設けた軸を回動中心としてシート部１ｂ
を押し上げると、シートバツク１ａも押し上げら
れ、連動棒２４はロツド部２４ｂを軸としてテン
シヨンスプリング２６のばね力に抗して時計方向
に回動する。この際ロツド部２４ｂはテンシヨン
スプリング２６の作用でブラケツト２３の係止溝
２３ｂの底に押しつけられ、同溝から抜け出すこ
とはない。

シートバツク１ａを正規の位置から前倒しする
には第１１図に示すように連動棒２４のロツド部
２４ｂをブラケツト２３の係止溝２３ｂから外し
シートバツク１ａを前に倒せばよい。前倒しの状
態ではロツド部２４ｂはテンシヨンスプリング２
６の作用でシートバツク１ａの背面にたたまれ
る。折りたたたまれたシートバツク１ａを正規の
位置に戻すにはシートバツク１ａを引き起して連
動棒２４のロツド部２４ｂをブラケツト２３の係
止溝２３ｂに係合させればよい。なお、ブラケツ
ト２３は本実施例では２ケ設けられているが連動
棒２４のロツド部２４ｂのほぼ中央部に対応する
位置において車両ボデーに１ケだけ設けてもよ
い。

上述のようにこの考案ははね上げシートを備え
た車両において、シートバツクの両側面または車
両ボデーの一方には係止機構を設け、他方には、
前記係止機構に離脱可能に係合するとともに回動
可能な係合部材と、この係合部材を前記係止機構
に係合する方向に付勢するスプリングとからなる
弾性係合機構を設け、両機構の係合時にはシート
のはね上げは可能となり、両機構の離脱によりシ
ートバツクの前倒しが可能となるようにしたもの
であるから、シートのはね上げにより従来のよう
にエンジン点検、修理等が運転室で可能となると
ともにシートバツクを前倒しすることによりシー
トバツクの裏面を有効に利用することができる。
又従来はシートバツクとバツクパネルとの間に工
具等を設置していたがシートが前倒ししなかつた
ため工具等の出入れが面倒であつた。然しこの考
案によりシートの前倒しが可能となり、工具の出
し入れが容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案の第１実施例を示
し、第１図はシートバツクが正規位置にある時の
斜視図を、第２図はシートはね上げ時の側面図
を、第３図はシートバツク前倒し時の側面図を、
第４図はシートバツク引起こし時の側面図をそれ
ぞれ示す。第５図乃至第８図はこの考案の第２実
施例を示し、第５図はシートバツクが正規位置に
ある時の分解斜視図を、第６図はシートバツクが
正規位置にある時の平面図を、第７図はシートは
ね上げ時の側面図を、第８図はシートバツク引起
し時の平面図をそれぞれ示す。第９図乃至第１１
図はこの考案の第３実施例を示し、第９図はシー
トバツクが正規位置にある時の斜視図を、第１０
図はシートはね上げ時の側面図を、第１１図はシ
ートバツク前倒し時の側面図をそれぞれ示す。 １……はね上げシート、１ａ……シートバツ
ク、｛３……ブラケツト、４……連動棒、５……
ロツクプレート、６……テンシヨンスプリング｝
（弾性係合機構）、７……ロツクピン（係止機構）、
｛１３……ブラケツト、１４……連動棒、１６…
…圧縮スプリング、１７……ロツクピン｝（弾性
係合機構）、｛１５……ガイドプレート、１５ａ…
…係止孔｝（係止機構）、｛２４……連動棒、２４
ａ……ロツクピン、２５……ロツクプレート、２
６……テンシヨンスプリング｝（弾性係合機構）、
｛２３……ブラケツト、２３ａ……係止構｝（係止
機構）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の床板にはね上げ可能に取りつけられたシ
   ート部と、このシート部の後端部にシート部と相
   対回動可能に取りつけられたシートバツクとから
   なるはね上げシートにおいて、シートバツクの両
   側面または車両ボデーの一方には係止機構を設
   け、他方には、前記係止機構に離脱可能に係合す
   るとともに回動可能な係合部材と、この係合部材
   を前記係止機構に係合する方向に付勢するスプリ
   ングとからなる弾性係合機構を設けたことを特徴
   とするシートバツク前倒し機構。