JP2004291793A - シートブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート6を取り付けた回動部材3は、バッテリー室の前側板2aに回動可能に支持されている。当て板11は前側板2aに配設されている。捻りバネSは前側板2aに支持され、捻りバネSの一方の巻端S1は回動部材3に当接し、捻りバネSの他方の巻端S2は当て板11に当接されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートブレーキ装置を備えた産業車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、産業車両、例えばフォークリフトには、オペレータが運転席(シート)を離れた時にブレーキがかかるシートブレーキ装置を備えたものがある。この種のシートブレーキ装置は、オペレータがシートを離れると同時に同シートを前方に回動させてその回動力を利用してパーキングブレーキをかけるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このシートブレーキ装置は、バッテリー室の上部に形成されたフードに対して前後方向に回動可能に支持された揺動アームにシートが設置されている。この揺動アームは、前記バッテリー室内に設けたリンク機構及びそのリンク機構を作動させるスプリングによって常に前方に回動する力が付与されている。そして、オペレータがシートから離れ同シートがオペレータの体重から解放されると、前記スプリングの力によって揺動アームをシートとともに前側に回動させるとともに、パーキングブレーキを作動させる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−203397号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記シートブレーキ装置は、バッテリー室のリンク機構は車幅(左右)方向に作動し、その車幅方向に作用する力(スプリング力)を前記揺動アームを前後方向に回動させる力に変換しなければならないため、部品点数も多く構造も複雑であった。その結果、組付けも複雑となり組付けに時間がかかっていた。しかも、これらリンク機構等は、バッテリー室内に設けられスペースをとるため、搭載するバッテリーが制限される問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、部品点数も少なく構成が簡単なシートブレーキ装置を備えた産業車両を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シートをバッテリー室の上側に配置されるように取り付けた回動部材を、バッテリー室の側板に回動可能に支持し、シートがそのシートにかかる体重から解放されると、回動部材が前記側板から離間する方向に回動されてブレーキ装置を作動させるようにしたシートブレーキ装置において、側板を介して回動部材と相対向するように当て板を配設するとともに、回動部材と当て板との間に捻りバネを配設し、捻りバネの一端を回動部材に当接し、捻りバネの他端を当て板に当接させた。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシートブレーキ装置において、当て板を側板に対して相対移動させる移動部材と、側板に対して相対移動される当て板を、捻りバネの他端が当て板の上端に当接した位置から、回動部材と協働して捻りバネが縮設される位置まで案内し保持する案内部材とを設けた。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシートブレーキ装置において、 移動部材は、側板に設けた雌ねじ部材と、その雌ねじ部材と螺合して当て板を上動させる位置調整ボルトからなり、案内部材は、前記当て板に上下方向に形成された長孔に挿通し側板に螺合されるボルトである。
【0010】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、回動部材と相対向位置に当て板を配置し、その回動部材と当て板との間に捻りバネを縮設させるという簡単な構造で、運転者がシートから離れたとき、回動部材を回動させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、当て板がスライド案内されることによって、捻りバネが回動部材と当て板との間にセットされる。その結果、特別な治具を必要とすることなく、簡単に捻りバネを縮設状態に取り付けることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、位置調整ボルトを雌ねじ部材に螺合させると、当て板は上動する。このとき、当て板は長孔に挿通され側板に螺合したボルトに沿って上方に案内されていく。その結果、特別な治具を必要とすることなく、簡単に捻りバネを縮設状態にさせながら取り付けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をフォークリフトに具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。図1は本実施形態のシートの取り付け構造を説明するための説明図を示す。
【0014】
図1において、ハンドル1の後方には、バッテリー室2が設けられている。そのバッテリー室2を形成する前側板2aには回動部材3の基端部が前後方向に回動可能に連結されている。回動部材3は、互いに連結された回動アーム部4と支持アーム部5とから構成されていて、その回動アーム部4の基端部が前側板2aに対して回動可能に連結されている。回動アーム部4の先端部には支持アーム部5の基端部が連結固定され、その支持アーム部5は、図1に2点鎖線で示すように、前側板2aに沿って延び、バッテリー室2の天板2bを超えたところで後方に屈曲形成されている。支持アーム部5には、オペレータが着座するシート6が連結固定されている。従って、回動部材3が前側板2aに対して図1に2点鎖線で示す位置と実線で示す位置との間を回動すると、シート6も回動部材3と共に回動する。
【0015】
次に、上記のように構成されたシート6と連動するシートブレーキ装置について説明する。図2はシートブレーキ装置の原理を説明するための原理図を示す。図2において、回動部材3の回動アーム部4の基端部には、連結アーム7が固着され、回動アーム部4の回動と共に回動する。連結アーム7の先端部は、フォークリフトの床8の下に配設した連結桿9を介してパーキングブレーキ装置の操作レバーに連動するリンク10に連結されている。
【0016】
前記前側板2aには前記回動アーム部4と相対向するように当て板11が配設されている。そして、前側板2a側に設けた当て板11と回動アーム部4との間に、捻りバネSを配設する。この捻りバネSの一方の巻端S1は回動アーム部4に、他方の巻端S2は当て板11にそれぞれ当接されている。
【0017】
そして、シート6が図1に2点鎖線で示す状態であるとき、回動アーム部4と当て板11との間隔が狭くなって捻りバネSは縮設され、回動アーム部4を離間させる方向に弾性力を付与している。このとき、シート6にオペレータが着座しているとき、オペレータの体重がシート6を介して回動部材3(回動アーム部4)にかかるため、回動部材3は回動されない。反対に、オペレータがシート6から離れるとオペレータの体重から解放されるため、回動部材3は捻りバネSの弾性力によって前方に回動する。回動部材3が前方に回動すると、連結アーム7が回動し連結桿9を介してリンク10を駆動させパーキングブレーキ装置を作動させる。従って、オペレータがシート6から離れると、シート6がバッテリー室2から前方に回動するとともに、パーキングブレーキがかかることになる。
【0018】
図3は、シートブレーキ装置の詳細を説明するための斜視図を示す。図3において、前記前側板2aには、3個の捻りバネSを配設するための凹部21が形成され、その凹部21には3個の捻りバネSを貫通支持する軸22が取着されている。
【0019】
前記回動部材3の回動アーム部4は、断面コ字状をなし、左右方向に作動バー23が取着されている。この作動バー23には、各捻りバネSの一方の巻端S1がそれぞれ当接されるようになっている。各捻りバネSの他方の巻端S2は当て板11にそれぞれ当接されるようになっている。
【0020】
当て板11は、断面コ字状をなし、その左右両側部にはガイド部11aを延出形成されている。左右ガイド部11aには、上下方向に長孔24が貫通形成されていて、その長孔24を介して案内部材としての上下一対のボルトB1が前記前側板2aに螺着されるようになっている。つまり、ボルトB1を緩めた状態にすれば、当て板11は前側板2aに対してボルトB1に沿って上下動可能となる。また、ボルトB1を締結すれば、当て板11は前側板2aに対して固定されることになる。
【0021】
当て板11の下部には、下板25が設けられている。下板25の中央には図示しない貫通穴が形成され、下方から位置調整ボルトB2が挿通されている。位置調整ボルトB2は、前記前側板2aに固設した移動部材を構成する雌ねじ部材26と螺合するようになっている。従って、ボルトB1を若干緩めた状態で、移動部材を構成する位置調整ボルトB2を締め付ける方向に螺合させると、下板25(当て板11)はスライドしながら上動する。
【0022】
次に、上記のように構成したシートブレーキ装置の作用について説明する。
今、回動部材3(回動アーム部4)を図1に実線で示す位置まで回動させた状態にする。当て板11も最も下方位置に配置された状態に配置する。従って、この状態では、前側板2aの軸22に支持されている各捻りバネSは、緩んだ状態にあり、捻りバネSの両巻端S1,S2は開いた状態で、巻端S1は作動バー23に当接し、巻端S2は当て板11の上縁に当接している。
【0023】
そして、ボルトB1を若干緩めた状態で、位置調整ボルトB2を雌ねじ部材26に対して締め付ける方向に螺合させると、当て板11は前側板2aに対してボルトB1に沿って上動する。このとき、当て板11は、捻りバネSの巻端S2を作動バー23側の巻端S1に向かって押圧しながら上動する。やがて、捻りバネSの巻端S2が当て板11の面に当接して上方に向いたとき、ボルトB1にて当て板11を前側板2aに固定する。これによって、当て板11は固定され、各捻りバネSは、当て板11と回動部材3(作動バー23)の間にセットされる。
【0024】
そして、オペレータが、回動部材3を図1に2点鎖線で示す位置まで回動させ、シート6に着座すると、捻りバネSは縮設されて回動部材3を回動させようとする力を蓄圧した状態となる。オペレータがシート6から離れると、オペレータの体重から解放され、回動部材3は捻りバネSの弾性力によって前方に回動する。回動部材3が前方に回動すると、連結アーム7が回動し連結桿9を介してリンク10を駆動させパーキングブレーキ装置を作動させる。
【0025】
次に、上記のように構成したシートブレーキ装置の特徴を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、回動アーム部4に連結した作動バー23と相対向位置に当て板11を配設し、その作動バー23と当て板11との間において捻りバネSを縮設させただけの簡単な構造で、オペレータがシート6から離れるとき、回動部材3を回動させパーキングブレーキかけることができる。
【0026】
しかも、従来のリンク機構に比べて部品点数も少なく簡単な構成なので、組み立て工数に低減が図れるとともに、スペースをとらないためバッテリー室をより効率よく使用することができる。
【0027】
(2)本実施形態によれば、当て板11を上方に案内するだけで、捻りバネSを作動バー23と当て板11の間にセットできるようにした。その結果、特別な治具を必要とすることなく、簡単に捻りバネSを縮設状態に取り付けることができる。
【0028】
本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○前記実施形態では、前記実施形態では、捻りバネSを3個用いたが、その数を適宜変更して実施してもよい。
【0029】
○前記実施形態では、回動アーム部4に作動バー23を設け、その作動バー23に捻りバネSの一方の巻端S1を当接させたが、これを回動アーム部4に直接巻端S1を当接させて実施させてもよい。
【0030】
○前記実施形態では、ボルトB1を当て板11の長孔24に挿通し前側板2aに螺合することによって、当て板11を上方に案内するようにしたが、これに限定されるものではなく、要は当て板11を上方に案内するものであるならば適宜変更して実施してもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、部品点数を少なくでき構成を簡単にできる。請求項2及び3に記載の発明によれば、組み付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のシートの取り付け構造を説明するための説明図。
【図2】同じくシートブレーキ装置の原理を説明するための原理図。
【図3】同じく本実施形態のシートブレーキ装置を説明するための要部斜視図。
【符号の説明】
S…捻りバネ、S1,S2…巻端、B1…案内部材としてのボルト、B2…移動部材を構成する位置調整ボルト、2…バッテリー室、2a…側板としての前側板、3…回動部材、6…シート、11…当て板、24…長孔、25…下板、26…移動部材を構成する雌ねじ部材。
Claims (3)
- シートをバッテリー室の上側に配置されるように取り付けた回動部材を、前記バッテリー室の側板に回動可能に支持し、前記シートがそのシートにかかる体重から解放されると、前記回動部材が前記側板から離間する方向に回動されてブレーキ装置を作動させるようにしたシートブレーキ装置において、
前記側板を介して前記回動部材と相対向するように当て板を配設するとともに、前記回動部材と前記当て板との間に捻りバネを配設し、前記捻りバネの一端を前記回動部材に当接し、前記捻りバネの他端を前記当て板に当接させたことを特徴とするシートブレーキ装置。 - 請求項1に記載のシートブレーキ装置において、
前記当て板を前記側板に対して相対移動させる移動部材と、
前記側板に対して相対移動される前記当て板を、前記捻りバネの他端が前記当て板の上端に当接した位置から、前記回動部材と協働して前記捻りバネが縮設される位置まで案内し保持する案内部材と、
を設けたことを特徴とするシートブレーキ装置。 - 請求項2に記載のシートブレーキ装置において、
前記移動部材は、前記側板に設けた雌ねじ部材と、その雌ねじ部材と螺合して前記当て板を上動させる位置調整ボルトからなり、
前記案内部材は、前記当て板に上下方向に形成された長孔に挿通し前記側板に螺合されるボルトであることを特徴とするシートブレーキ装置。
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