JP3544519B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技機に関し、特に、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は、切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機、例えば1種パチンコ機においては、遊技盤面に設けられた普通図柄作動ゲートを遊技球が通過すると普通図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した普通図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が当たり図柄であると、普通電動役物が作動して第1種始動口を所定時間開放する。そして、第1種始動口に遊技球が入賞すると特別図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物が作動して大入賞口を所定時間開口させる。
【0003】
また、特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞球払出に加えて大入賞口を連続して開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられていて、大当たり図柄のうちの特定の図柄が停止表示されたときは、大入賞口が開口されるとともに、所定時間が経過するかまたは大入賞口に概ね10個の遊技球が入賞するまでを1ラウンドとして、ラウンド中に特定領域を遊技球が通過した場合に最高例えば16ラウンドまで大当たりが継続して、大入賞口の開放状態が続き、ラウンド中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合には、そのラウンドで大当たりが終了し、通常遊技状態に戻る。
【0004】
こうした遊技機において、遊技球が特定領域を通過し、役物連続作動装置が作動すると、そのラウンドが終了するまでは再度特定領域を通過させる必要がなくなる。また、特定領域を通過する遊技球の数は、全体の入賞数の数の概ね1/3を越えてはならないという規則がある。そのため、こうした遊技機は、特定領域を遊技球が通過すると、ソレノイド駆動の切換手段により特定領域を塞いだり、入賞した遊技球が一般領域に向かうように流路を変えたりするような構成となっている。
【0005】
そして、例えば特定領域を塞ぐ切換手段の場合、その構成は具体的には、特定領域を塞ぐ部材とソレノイドとが連結されたもので、大入賞口開口と同時にソレノイドをON(通電)状態にすることにより特定領域を開口させ、遊技球が通過するとソレノイドをOFF(非通電)状態とすることにより特定領域を閉口させるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の切換手段のように特定領域を塞ぐ部材とソレノイドとが連結され、大入賞口開口と同時にソレノイドをON状態にすることにより特定領域を開口させ、遊技球が通過するとソレノイドがOFF状態となって特定領域を閉口させる構成では、大入賞口が開口されて、ソレノイドがON状態となり、特定領域を遊技球が通過可能な状態になっても、遊技釘の調整が悪かったり、発射装置の異常などで遊技球がいつまでも特定領域を通過しない場合があり、そうした場合に、ソレノイドが長時間ON状態のままとなって、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなくとともに、発熱により他の装置を損傷させる等の問題が生ずる。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機において、特定領域を塞ぐためのソレノイドの通電時間が長くなって、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなるとともに発熱により他の装置を損傷をさせるのを回避できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、遊技媒体が所定の始動領域を通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した特別図柄を停止表示する特別図柄表示装置と、この特別図柄表示装置が停止表示する特別図柄が所定の大当たり図柄となった時に大入賞口を開口させる特別電動役物とを備え、上記特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えてこの大入賞口を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられるとともに、遊技媒体が上記特定領域を通過するまでは上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が上記特定領域を通過した後は所定期間上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する切換手段が設けられた遊技機において、上記特別電動役物は大入賞口を開閉する大入賞口扉を備え、上記切換手段が、上記特定領域を開口する位置とこの特定領域を塞ぐ位置との間を移動自在な特別領域遮蔽部材を有するとともに、この特別領域遮蔽部材駆動用のソレノイドを有し、上記大入賞口扉が開口した状態でこのソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成するものである。
【0009】
上記遊技機は、遊技媒体が所定の普通図柄作動ゲートを通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した普通図柄を停止表示する普通図柄表示装置と、この普通図柄表示装置が停止表示する普通図柄が所定の当たり図柄となった時に特別図柄表示装置の図柄変動の契機を発生させる上記始動領域を遊技媒体が通過し易い状態に変換する普通電動役物を備えたものであってよい。
【0010】
こうした構成の遊技機においては、例えば遊技盤面の普通図柄作動ゲートを遊技媒体が通過すると普通図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した普通図柄を停止表示し、その停止表示した普通図柄が当たり図柄となった時に普通電動役物が作動して始動領域が遊技媒体が通過し易い開放等の状態に変換される。
【0011】
そして、始動領域を遊技媒体が通過すると特別図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した特別図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物が作動して大入賞口を開口させる。
【0012】
大入賞口内部の特別領域は、大入賞口が開口し遊技媒体が特別領域を通過するまではソレノイドが非通電とされることによって遊技媒体通過容易な状態に保持され、大入賞口が開口し遊技媒体が特別領域を通過すると、ソレノイドが通電されることにより切換手段が作動して遊技媒体通過困難な状態へ移行し、ソレノイドが再び非通電とされた後もその通過困難な状態に保持される。
【0013】
こうして特定領域は遊技媒体が通過するまでは通過容易な状態に保持し、遊技媒体が通過した後は所定期間(大入賞口が開口されてから例えば所定時間が経過するかまたは大入賞口に例えば10個の遊技球が入賞するまでの1ラウンドが終了するまでの期間)通過困難な状態に保持するようにできる。そして、その特定領域を遊技媒体が通過した後通過困難な状態へ変換する切換手段の駆動ソレノイドは、1回の通電で切換手段を作動させて特定領域を通過困難な状態に変換でき、その後非通電としてもその通過困難な状態を保持できるので、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなったり、発熱により他の装置を損傷させる等の問題を回避できる。
【0014】
この発明による上記遊技機は、特に、上記大入賞口扉が開口した状態で切換手段のソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成することを特徴とする。
【0015】
この場合、遊技媒体が特定領域を通過すると、ソレノイドが通電されることによって特別領域遮蔽部材が特定領域を塞ぐ位置に移動し、その後直ちにソレノイドを非通電状態としても特別領域遮蔽部材はその位置に保持される。そして、1ラウンドが終わり、開閉部材が閉じると、開閉部材の閉口動作に連動して特別領域遮蔽部材が特定領域を開口する位置に移動する。次回大入賞口開口時には、開閉部材が開いた後も特別領域遮蔽部材はこの位置に保持され、特定領域への遊技媒体の通過が可能である。
【0016】
また、この構成では、特定領域遮蔽部材とソレノイドとを連結しないため、保守やリユース等の際にソレノイドを取り外す作業が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図4は、1種パチンコ機に適用した本発明の実施の形態の一例を示している。図1は実施の形態の一例の遊技機の盤面図、図2はその特別電動役物の内部構造を大入賞口閉口時の状態で示す縦断面図である。また、図3は特定領域開口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)、図4は特定領域閉口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【0019】
図1において、1は遊技盤で、盤面にレール2によって遊技領域3が画定され、この遊技領域3の略中央に特別図柄表示装置4が設けられている。そして、特別図柄表示装置4の上部には、横一列の3個のLEDランプからなる普通図柄表示装置5と、左右2個ずつ上下に並べた普通図柄始動記憶表示ランプ6と、天入賞口7とが配置されている。
【0020】
また、特別図柄表示装置4の下方には第1種始動口8を備えた普通電動役物9が設けられ、その更に下方に、大入賞口10を備えた特別電動役物11が配設され、この特別電動役物11の下部には左右2個ずつ特別図柄始動記憶表示ランプ12が設けられ、また、左右側方に左下入賞口13および右下入賞口14が設けられている。
【0021】
また、特別図柄表示装置4の左右側方に普通図柄作動左ゲート15及び普通図柄作動右ゲート16が配置され、第1種始動口8の左右側方に左袖入賞口17及び右袖入賞口18が配置されている。
【0022】
普通図柄表示装置5は、左右のLEDランプが赤色で、中央のLEDランプが緑色である。
【0023】
特別図柄表示装置4は、右図柄表示領域、左図柄表示領域、中図柄表示領域の三つの図柄表示領域を有するもので、それら三つの領域に各々例えば0から9までの10種類の数字を表示し、それら数字の組み合わせによって特別図柄を表示する。
【0024】
特別電動役物11は、大入賞口10を開閉する大入賞口扉19を備えている。この大入賞口扉19は、相互に回動自在に連結された上下2枚の扉部材19a、19bからなり、下部扉部材19bが大入賞口10の入口下部に前後回動自在に支承され、上部扉部材19aが大入賞口10の入口側部両側に上下スライド自在に係止され、ソレノイド(図示せず)により開閉駆動されて、閉口時には上下の扉部材19a、19bが図2に示すように略一直線に立ち上がって大入賞口10を塞ぎ、開口時には上下の扉部材19a、19bが図3に示すように中折れ状態で前方に傾いて大入賞口10を開く。
【0025】
大入賞口扉19は、図3(a)及び(b)に示すように大入賞口10開口時に上扉部材19aの外面が遊技球の案内面として大入賞口10内側へ向け前方から後方へやや下降傾斜するよう構成され、また、その案内面となる外面は、大入賞口10開口時に左右両側から大入賞口10の幅方向中央に向けて下降傾斜して大入賞口10に入賞した遊技球を後部中央に案内する形状とされ、その外面後部の幅方向中央には、案内された遊技球を集めて大入賞口10の後部幅方向中央から落下させるよう溝部20が形成されている。
【0026】
また、特別電動役物11の内部には、前後に長い略矩形シャッター状の特定領域遮蔽部材21が配置されている。この特定領域遮蔽部材21には、中央に矩形の開口22が形成され、前端側には衝き板部23が形成され、後端側には幅方向中央の後端位置を頂点として前方及び左右両側の三方に傾斜する山型の遮蔽・案内部24が形成され、また、遮蔽・案内部24の先端には押し棒部25が連設されている。この特定領域遮蔽部材21は、特別電動役物本体ケースに設けられたガイド部に支持され、大入賞口10の幅方向中央下部にあって、上扉部材19aの溝部20の下方を前後に移動可能である。
【0027】
そして、特定領域遮蔽部材21の後方には、特定領域遮蔽部材21駆動用のソレノイド26が配設されている。このソレノイド26は、通電することにより前方へ伸張し通電カットにより収縮するプランジャ27を有するもので、図2に示すように大入賞口扉19の閉口時には、ソレノイド26が非通電でプランジャ27が収縮し、その収縮したプランジャ27の頭部が特定領域遮蔽部材21の押し棒部25に当接して、特定領域遮蔽部材21を衝き板部23が大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き当たった状態に保持する。この時、特定領域遮蔽部材21の開口22は図2に示すように全開状態である。
【0028】
大入賞口10の内部は、上記特定領域遮蔽部材21の開口22により区画される領域が特定領域とされ、その左右両側が一般領域とされる。一般領域は、賞球払出の契機を発生させる領域であり、特定領域は、賞球払出に加えて大入賞口10を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置(図示せず)の作動契機を発生させる領域である。
【0029】
大入賞口扉19が開口すると、ソレノイド26が通電されるまではプランジャ27は収縮したままで、図3(a)及び(b)に示すように特定領域遮蔽部材21は開口22が全開の位置を保つ。この時、遊技球は特定領域を通過可能である。
【0030】
また、大入賞口扉19が開口した状態でソレノイド26を通電すると、プランジャ27が伸張し、プランジャ27に押されて特定領域遮蔽部材21が前進し、中折れ状態で前方に傾いて開口した大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き板部23が衝き当たる。そして、図4(a)及び(b)に示すようにソレノイド26への通電がカットされプランジャ27が収縮した後も特定領域遮蔽部材21はそのまま前進位置を保つ。この時、特定領域遮蔽部材21の開口22は半分塞がれる。この状態では、遊技球は特定領域を通過できず、左右側方に案内され、一般領域を通過することとなる。
【0031】
この遊技機は、遊技球が大入賞口10へ流入(入賞)した時は、入賞球1個につき例えば15個の遊技球が獲得でき、それ以外の入賞口(第1種始動口8を含む)に入賞した時は例えば5個の遊技球が獲得できる。
【0032】
また、遊技球が普通図柄作動左ゲート15又は普通図柄作動右ゲート16を通過すると、その通過を作動契機として、普通図柄表示装置5により表示される普通図柄が赤図柄と緑図柄の2図柄で変動(赤色と緑色の交互点灯)を開始し、所定の停止時間(例えば30秒)が経過すると図柄変動が停止し、確定した普通図柄が停止表示される。
【0033】
そして、確定した普通図柄が赤図柄を表示した時は当たりとなり、当該図柄の組み合わせの表示を作動契機として、普通電動役物9が作動し、第1種始動口8が所定時間(例えば0.5秒)拡開する。
【0034】
また、遊技球が第1種始動口8に入賞すると、特別図柄表示装置4が図柄変動を開始して、所定時間(例えば平均約10秒)後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した特別図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物11の扉駆動用のソレノイドが作動して、大入賞口扉19を開駆動し、大入賞口10を開口させる。
【0035】
大入賞口10の内部は、上述のように特定領域遮蔽部材21の開口22により区画される領域が、賞球払出に加えて、この大入賞口10を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とされ、その左右両側が、賞球払出の契機を発生させる一般領域とされていて、大入賞口10の閉口時(大入賞口扉19の閉口時)には、特定領域遮蔽部材21は特定領域を遊技球が通過可能な状態に保持されている(図2)。そして、大入賞口扉19が開き大入賞口10が開口すると、当初、特別電動役物11の内部は遮蔽手段駆動用のソレノイド26が非通電でプランジャ27が収縮し、図3(a)及び(b)に示すように特定領域遮蔽部材21は後退位置にあって、開口22が全開され、遊技球が特定領域を通過可能な状態のままである。この時、大入賞口10に入賞した遊技球は、大入賞口扉19の上扉部材19aに形成された溝部20に案内され、この溝部20から特定領域遮蔽部材21の開口22によって区画された特定領域に導かれる。
【0036】
こうして遊技球が特定領域を通過すると、ソレノイド26は通電状態となり、プランジャ27が伸張する。そして、そのプランジャ27に押圧されて特定領域遮蔽部材21は前進し、衝き板部23が大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き当たり、開口22が半分塞がれて、遊技球が通過できない位置に移動する。そして、直ちにソレノイド26が非通電状態とされて、図4(a)及び(b)に示すようにプランジャ27は収縮して待機し、特定領域遮蔽部材21はそのまま前進位置に保持される。この時、大入賞口10に入賞した遊技球は、特定領域を通過できず、左右側方に位置する一般領域に導かれることとなる。
【0037】
こうして特定領域は遊技媒体が通過するまでは通過可能な状態に保持され、遊技媒体が通過した後は、大入賞口が開口されてから例えば所定時間が経過するか、または、大入賞口に例えば10個の遊技球が入賞するまでの1ラウンドが終了するまでの期間は、通過不可能な状態に変換されて、大入賞口10に入賞した遊技球は一般領域に導かれる。そして、所定時間経過するか10個の入賞が検出されると大入賞口扉19が閉口し、その閉口する大入賞口扉19に押されて特定領域遮蔽部材21は図2に示す元の特定領域開口位置に戻る。
【0038】
以上、実施の形態として図示の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の技術思想の範囲で適宜態様を変更して実施できるものである。
【0039】
また、本発明はパチンコ機に限定されるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも適用できることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は、切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機において、特定領域を塞ぐためのソレノイドの通電時間を短くでき、長時間駆動とならないようにできるため、ソレノイド自体の寿命を長くすることができるとともに、発熱により他の装置を損傷をさせるのを回避することができる。
【0041】
また、特定領域遮蔽部材とソレノイドとを連結しない構成とすることができ、保守やリユース等の際にソレノイドを取り外す作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の一例の遊技機の盤面図である。
【図2】特別電動役物の内部構造を大入賞口閉口時の状態で示す縦断面図である。
【図3】特定領域開口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【図4】特定領域閉口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【符号の説明】
4 特別図柄表示装置
8 第1種始動口
9 普通電動役物
10 大入賞口
11 特別電動役物
19 大入賞口扉(開閉部材)
20 溝部
21 特定領域遮蔽部材
22 開口(特定領域)
26 ソレノイド
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技機に関し、特に、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は、切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機、例えば1種パチンコ機においては、遊技盤面に設けられた普通図柄作動ゲートを遊技球が通過すると普通図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した普通図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が当たり図柄であると、普通電動役物が作動して第1種始動口を所定時間開放する。そして、第1種始動口に遊技球が入賞すると特別図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物が作動して大入賞口を所定時間開口させる。
【0003】
また、特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞球払出に加えて大入賞口を連続して開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられていて、大当たり図柄のうちの特定の図柄が停止表示されたときは、大入賞口が開口されるとともに、所定時間が経過するかまたは大入賞口に概ね10個の遊技球が入賞するまでを1ラウンドとして、ラウンド中に特定領域を遊技球が通過した場合に最高例えば16ラウンドまで大当たりが継続して、大入賞口の開放状態が続き、ラウンド中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合には、そのラウンドで大当たりが終了し、通常遊技状態に戻る。
【0004】
こうした遊技機において、遊技球が特定領域を通過し、役物連続作動装置が作動すると、そのラウンドが終了するまでは再度特定領域を通過させる必要がなくなる。また、特定領域を通過する遊技球の数は、全体の入賞数の数の概ね1/3を越えてはならないという規則がある。そのため、こうした遊技機は、特定領域を遊技球が通過すると、ソレノイド駆動の切換手段により特定領域を塞いだり、入賞した遊技球が一般領域に向かうように流路を変えたりするような構成となっている。
【0005】
そして、例えば特定領域を塞ぐ切換手段の場合、その構成は具体的には、特定領域を塞ぐ部材とソレノイドとが連結されたもので、大入賞口開口と同時にソレノイドをON(通電)状態にすることにより特定領域を開口させ、遊技球が通過するとソレノイドをOFF(非通電)状態とすることにより特定領域を閉口させるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の切換手段のように特定領域を塞ぐ部材とソレノイドとが連結され、大入賞口開口と同時にソレノイドをON状態にすることにより特定領域を開口させ、遊技球が通過するとソレノイドがOFF状態となって特定領域を閉口させる構成では、大入賞口が開口されて、ソレノイドがON状態となり、特定領域を遊技球が通過可能な状態になっても、遊技釘の調整が悪かったり、発射装置の異常などで遊技球がいつまでも特定領域を通過しない場合があり、そうした場合に、ソレノイドが長時間ON状態のままとなって、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなくとともに、発熱により他の装置を損傷させる等の問題が生ずる。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機において、特定領域を塞ぐためのソレノイドの通電時間が長くなって、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなるとともに発熱により他の装置を損傷をさせるのを回避できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、遊技媒体が所定の始動領域を通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した特別図柄を停止表示する特別図柄表示装置と、この特別図柄表示装置が停止表示する特別図柄が所定の大当たり図柄となった時に大入賞口を開口させる特別電動役物とを備え、上記特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えてこの大入賞口を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられるとともに、遊技媒体が上記特定領域を通過するまでは上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が上記特定領域を通過した後は所定期間上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する切換手段が設けられた遊技機において、上記特別電動役物は大入賞口を開閉する大入賞口扉を備え、上記切換手段が、上記特定領域を開口する位置とこの特定領域を塞ぐ位置との間を移動自在な特別領域遮蔽部材を有するとともに、この特別領域遮蔽部材駆動用のソレノイドを有し、上記大入賞口扉が開口した状態でこのソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成するものである。
【0009】
上記遊技機は、遊技媒体が所定の普通図柄作動ゲートを通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した普通図柄を停止表示する普通図柄表示装置と、この普通図柄表示装置が停止表示する普通図柄が所定の当たり図柄となった時に特別図柄表示装置の図柄変動の契機を発生させる上記始動領域を遊技媒体が通過し易い状態に変換する普通電動役物を備えたものであってよい。
【0010】
こうした構成の遊技機においては、例えば遊技盤面の普通図柄作動ゲートを遊技媒体が通過すると普通図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した普通図柄を停止表示し、その停止表示した普通図柄が当たり図柄となった時に普通電動役物が作動して始動領域が遊技媒体が通過し易い開放等の状態に変換される。
【0011】
そして、始動領域を遊技媒体が通過すると特別図柄表示装置が図柄変動を開始して、所定時間後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した特別図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物が作動して大入賞口を開口させる。
【0012】
大入賞口内部の特別領域は、大入賞口が開口し遊技媒体が特別領域を通過するまではソレノイドが非通電とされることによって遊技媒体通過容易な状態に保持され、大入賞口が開口し遊技媒体が特別領域を通過すると、ソレノイドが通電されることにより切換手段が作動して遊技媒体通過困難な状態へ移行し、ソレノイドが再び非通電とされた後もその通過困難な状態に保持される。
【0013】
こうして特定領域は遊技媒体が通過するまでは通過容易な状態に保持し、遊技媒体が通過した後は所定期間(大入賞口が開口されてから例えば所定時間が経過するかまたは大入賞口に例えば10個の遊技球が入賞するまでの1ラウンドが終了するまでの期間)通過困難な状態に保持するようにできる。そして、その特定領域を遊技媒体が通過した後通過困難な状態へ変換する切換手段の駆動ソレノイドは、1回の通電で切換手段を作動させて特定領域を通過困難な状態に変換でき、その後非通電としてもその通過困難な状態を保持できるので、長時間駆動によりソレノイド自体の寿命が短くなったり、発熱により他の装置を損傷させる等の問題を回避できる。
【0014】
この発明による上記遊技機は、特に、上記大入賞口扉が開口した状態で切換手段のソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成することを特徴とする。
【0015】
この場合、遊技媒体が特定領域を通過すると、ソレノイドが通電されることによって特別領域遮蔽部材が特定領域を塞ぐ位置に移動し、その後直ちにソレノイドを非通電状態としても特別領域遮蔽部材はその位置に保持される。そして、1ラウンドが終わり、開閉部材が閉じると、開閉部材の閉口動作に連動して特別領域遮蔽部材が特定領域を開口する位置に移動する。次回大入賞口開口時には、開閉部材が開いた後も特別領域遮蔽部材はこの位置に保持され、特定領域への遊技媒体の通過が可能である。
【0016】
また、この構成では、特定領域遮蔽部材とソレノイドとを連結しないため、保守やリユース等の際にソレノイドを取り外す作業が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図4は、1種パチンコ機に適用した本発明の実施の形態の一例を示している。図1は実施の形態の一例の遊技機の盤面図、図2はその特別電動役物の内部構造を大入賞口閉口時の状態で示す縦断面図である。また、図3は特定領域開口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)、図4は特定領域閉口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【0019】
図1において、1は遊技盤で、盤面にレール2によって遊技領域3が画定され、この遊技領域3の略中央に特別図柄表示装置4が設けられている。そして、特別図柄表示装置4の上部には、横一列の3個のLEDランプからなる普通図柄表示装置5と、左右2個ずつ上下に並べた普通図柄始動記憶表示ランプ6と、天入賞口7とが配置されている。
【0020】
また、特別図柄表示装置4の下方には第1種始動口8を備えた普通電動役物9が設けられ、その更に下方に、大入賞口10を備えた特別電動役物11が配設され、この特別電動役物11の下部には左右2個ずつ特別図柄始動記憶表示ランプ12が設けられ、また、左右側方に左下入賞口13および右下入賞口14が設けられている。
【0021】
また、特別図柄表示装置4の左右側方に普通図柄作動左ゲート15及び普通図柄作動右ゲート16が配置され、第1種始動口8の左右側方に左袖入賞口17及び右袖入賞口18が配置されている。
【0022】
普通図柄表示装置5は、左右のLEDランプが赤色で、中央のLEDランプが緑色である。
【0023】
特別図柄表示装置4は、右図柄表示領域、左図柄表示領域、中図柄表示領域の三つの図柄表示領域を有するもので、それら三つの領域に各々例えば0から9までの10種類の数字を表示し、それら数字の組み合わせによって特別図柄を表示する。
【0024】
特別電動役物11は、大入賞口10を開閉する大入賞口扉19を備えている。この大入賞口扉19は、相互に回動自在に連結された上下2枚の扉部材19a、19bからなり、下部扉部材19bが大入賞口10の入口下部に前後回動自在に支承され、上部扉部材19aが大入賞口10の入口側部両側に上下スライド自在に係止され、ソレノイド(図示せず)により開閉駆動されて、閉口時には上下の扉部材19a、19bが図2に示すように略一直線に立ち上がって大入賞口10を塞ぎ、開口時には上下の扉部材19a、19bが図3に示すように中折れ状態で前方に傾いて大入賞口10を開く。
【0025】
大入賞口扉19は、図3(a)及び(b)に示すように大入賞口10開口時に上扉部材19aの外面が遊技球の案内面として大入賞口10内側へ向け前方から後方へやや下降傾斜するよう構成され、また、その案内面となる外面は、大入賞口10開口時に左右両側から大入賞口10の幅方向中央に向けて下降傾斜して大入賞口10に入賞した遊技球を後部中央に案内する形状とされ、その外面後部の幅方向中央には、案内された遊技球を集めて大入賞口10の後部幅方向中央から落下させるよう溝部20が形成されている。
【0026】
また、特別電動役物11の内部には、前後に長い略矩形シャッター状の特定領域遮蔽部材21が配置されている。この特定領域遮蔽部材21には、中央に矩形の開口22が形成され、前端側には衝き板部23が形成され、後端側には幅方向中央の後端位置を頂点として前方及び左右両側の三方に傾斜する山型の遮蔽・案内部24が形成され、また、遮蔽・案内部24の先端には押し棒部25が連設されている。この特定領域遮蔽部材21は、特別電動役物本体ケースに設けられたガイド部に支持され、大入賞口10の幅方向中央下部にあって、上扉部材19aの溝部20の下方を前後に移動可能である。
【0027】
そして、特定領域遮蔽部材21の後方には、特定領域遮蔽部材21駆動用のソレノイド26が配設されている。このソレノイド26は、通電することにより前方へ伸張し通電カットにより収縮するプランジャ27を有するもので、図2に示すように大入賞口扉19の閉口時には、ソレノイド26が非通電でプランジャ27が収縮し、その収縮したプランジャ27の頭部が特定領域遮蔽部材21の押し棒部25に当接して、特定領域遮蔽部材21を衝き板部23が大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き当たった状態に保持する。この時、特定領域遮蔽部材21の開口22は図2に示すように全開状態である。
【0028】
大入賞口10の内部は、上記特定領域遮蔽部材21の開口22により区画される領域が特定領域とされ、その左右両側が一般領域とされる。一般領域は、賞球払出の契機を発生させる領域であり、特定領域は、賞球払出に加えて大入賞口10を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置(図示せず)の作動契機を発生させる領域である。
【0029】
大入賞口扉19が開口すると、ソレノイド26が通電されるまではプランジャ27は収縮したままで、図3(a)及び(b)に示すように特定領域遮蔽部材21は開口22が全開の位置を保つ。この時、遊技球は特定領域を通過可能である。
【0030】
また、大入賞口扉19が開口した状態でソレノイド26を通電すると、プランジャ27が伸張し、プランジャ27に押されて特定領域遮蔽部材21が前進し、中折れ状態で前方に傾いて開口した大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き板部23が衝き当たる。そして、図4(a)及び(b)に示すようにソレノイド26への通電がカットされプランジャ27が収縮した後も特定領域遮蔽部材21はそのまま前進位置を保つ。この時、特定領域遮蔽部材21の開口22は半分塞がれる。この状態では、遊技球は特定領域を通過できず、左右側方に案内され、一般領域を通過することとなる。
【0031】
この遊技機は、遊技球が大入賞口10へ流入(入賞)した時は、入賞球1個につき例えば15個の遊技球が獲得でき、それ以外の入賞口(第1種始動口8を含む)に入賞した時は例えば5個の遊技球が獲得できる。
【0032】
また、遊技球が普通図柄作動左ゲート15又は普通図柄作動右ゲート16を通過すると、その通過を作動契機として、普通図柄表示装置5により表示される普通図柄が赤図柄と緑図柄の2図柄で変動(赤色と緑色の交互点灯)を開始し、所定の停止時間(例えば30秒)が経過すると図柄変動が停止し、確定した普通図柄が停止表示される。
【0033】
そして、確定した普通図柄が赤図柄を表示した時は当たりとなり、当該図柄の組み合わせの表示を作動契機として、普通電動役物9が作動し、第1種始動口8が所定時間(例えば0.5秒)拡開する。
【0034】
また、遊技球が第1種始動口8に入賞すると、特別図柄表示装置4が図柄変動を開始して、所定時間(例えば平均約10秒)後に確定した特別図柄を停止表示し、その停止表示した特別図柄が大当たり図柄であると、特別電動役物11の扉駆動用のソレノイドが作動して、大入賞口扉19を開駆動し、大入賞口10を開口させる。
【0035】
大入賞口10の内部は、上述のように特定領域遮蔽部材21の開口22により区画される領域が、賞球払出に加えて、この大入賞口10を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とされ、その左右両側が、賞球払出の契機を発生させる一般領域とされていて、大入賞口10の閉口時(大入賞口扉19の閉口時)には、特定領域遮蔽部材21は特定領域を遊技球が通過可能な状態に保持されている(図2)。そして、大入賞口扉19が開き大入賞口10が開口すると、当初、特別電動役物11の内部は遮蔽手段駆動用のソレノイド26が非通電でプランジャ27が収縮し、図3(a)及び(b)に示すように特定領域遮蔽部材21は後退位置にあって、開口22が全開され、遊技球が特定領域を通過可能な状態のままである。この時、大入賞口10に入賞した遊技球は、大入賞口扉19の上扉部材19aに形成された溝部20に案内され、この溝部20から特定領域遮蔽部材21の開口22によって区画された特定領域に導かれる。
【0036】
こうして遊技球が特定領域を通過すると、ソレノイド26は通電状態となり、プランジャ27が伸張する。そして、そのプランジャ27に押圧されて特定領域遮蔽部材21は前進し、衝き板部23が大入賞口扉19の下扉部材19bに衝き当たり、開口22が半分塞がれて、遊技球が通過できない位置に移動する。そして、直ちにソレノイド26が非通電状態とされて、図4(a)及び(b)に示すようにプランジャ27は収縮して待機し、特定領域遮蔽部材21はそのまま前進位置に保持される。この時、大入賞口10に入賞した遊技球は、特定領域を通過できず、左右側方に位置する一般領域に導かれることとなる。
【0037】
こうして特定領域は遊技媒体が通過するまでは通過可能な状態に保持され、遊技媒体が通過した後は、大入賞口が開口されてから例えば所定時間が経過するか、または、大入賞口に例えば10個の遊技球が入賞するまでの1ラウンドが終了するまでの期間は、通過不可能な状態に変換されて、大入賞口10に入賞した遊技球は一般領域に導かれる。そして、所定時間経過するか10個の入賞が検出されると大入賞口扉19が閉口し、その閉口する大入賞口扉19に押されて特定領域遮蔽部材21は図2に示す元の特定領域開口位置に戻る。
【0038】
以上、実施の形態として図示の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の技術思想の範囲で適宜態様を変更して実施できるものである。
【0039】
また、本発明はパチンコ機に限定されるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも適用できることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて大入賞口を連続的に開放状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とを有し、遊技媒体が特定領域を通過するまでは特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が特定領域を通過した後は、切換手段により所定期間特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する特別電動役物を備えた遊技機において、特定領域を塞ぐためのソレノイドの通電時間を短くでき、長時間駆動とならないようにできるため、ソレノイド自体の寿命を長くすることができるとともに、発熱により他の装置を損傷をさせるのを回避することができる。
【0041】
また、特定領域遮蔽部材とソレノイドとを連結しない構成とすることができ、保守やリユース等の際にソレノイドを取り外す作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の一例の遊技機の盤面図である。
【図2】特別電動役物の内部構造を大入賞口閉口時の状態で示す縦断面図である。
【図3】特定領域開口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【図4】特定領域閉口時の特別電動役物の動作状態を示す縦断面図(a)及び分解斜視図(b)である。
【符号の説明】
4 特別図柄表示装置
8 第1種始動口
9 普通電動役物
10 大入賞口
11 特別電動役物
19 大入賞口扉(開閉部材)
20 溝部
21 特定領域遮蔽部材
22 開口(特定領域)
26 ソレノイド
Claims (2)
- 遊技媒体が所定の始動領域を通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した特別図柄を停止表示する特別図柄表示装置と、
この特別図柄表示装置が停止表示する特別図柄が所定の大当たり図柄となった時に大入賞口を開口させる特別電動役物とを備え、
上記特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えてこの大入賞口を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられるとともに、
遊技媒体が上記特定領域を通過するまでは上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が上記特定領域を通過した後は所定期間上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する切換手段が設けられた遊技機において、
上記特別電動役物は大入賞口を開閉する大入賞口扉を備え、
上記切換手段は、上記特定領域を開口する位置とこの特定領域を塞ぐ位置との間を移動自在な特別領域遮蔽部材を有するとともに、この特別領域遮蔽部材駆動用のソレノイドを有し、上記大入賞口扉が開口した状態でこのソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成したことを特徴とする遊技機。 - 遊技媒体が所定の普通図柄作動ゲートを通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した普通図柄を停止表示する普通図柄表示装置と、
遊技媒体が所定の始動領域を通過したことを契機として図柄変動を開始し所定時間後に確定した特別図柄を停止表示する特別図柄表示装置と、
上記普通図柄表示装置が停止表示する普通図柄が所定の当たり図柄となった時に上記始動領域を遊技媒体が通過し易い状態に変換する普通電動役物と、
上記特別図柄表示装置が停止表示する特別図柄が所定の大当たり図柄となった時に大入賞口を開口させる特別電動役物とを備え、
上記特別電動役物の大入賞口内部には、賞媒体払出の契機を発生させる一般領域と賞媒体払出に加えて該大入賞口を連続して開口状態に保持する役物連続作動装置の作動契機を発生させる特定領域とが設けられるとともに、
遊技媒体が上記特定領域を通過するまでは上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態に保持し、遊技媒体が上記特定領域を通過した後は所定期間上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する切換手段が設けられた遊技機において、
上記特別電動役物は大入賞口を開閉する大入賞口扉を備え、
上記切換手段は、上記特定領域を開口する位置とこの特定領域を塞ぐ位置との間を移動自在な特別領域遮蔽部材を有するとともに、この特別領域遮蔽部材駆動用のソレノイドを有し、上記大入賞口扉が開口した状態でこのソレノイドを通電することにより、上記特別領域遮蔽部材が上記特定領域を塞ぐ位置に移動して、上記特定領域を遊技媒体が通過容易な状態から通過困難な状態へ移行させ、このソレノイドを通電後非通電とした後も上記特定領域を遊技媒体が通過困難な状態に保持する一方で、上記大入賞口扉の閉口動作により、特定領域遮蔽部材が閉口する大入賞口扉に押されて上記特定領域を開口する位置に移動して、遊技媒体が特定領域を通過可能な状態に戻るよう構成したことを特徴とする遊技機。
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