JPH10230051A - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ｖ入賞口と一般入賞口とを設けたパチンコ機
の入賞装置であって、Ｖ入賞口へのパチンコ球の入賞確
率を規制するようにする。 【解決手段】 取付板２に形成した球入口３の前面に前
後方向へ開閉自在な開閉扉５を設けると共に、取付板２
裏面の箱枠４内部にＶ入賞口９と一般入賞口１０とを設
けてなる入賞装置１において、Ｖ入賞口９と一般入賞口
１０との間に、パチンコ球をＶ入賞口９に入賞させる第
１位置と一般入賞口１０に入賞させる第２位置とに変換
することができる球導板１９をその一端側で軸支し、Ｖ
入賞口９に１つのパチンコ球が入賞すると球導板１９を
直ちに第１位置から第２位置に変換させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、取付板に形成した
球入口の前面に前後方向へ開閉自在な開閉扉を設け、取
付板の裏面には箱枠を設けてその内部にＶ入賞口と一般
入賞口とを設けてなるパチンコ機の入賞装置に関し、特
にＶ入賞口へのパチンコ球の入賞確率を規制するように
したものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ機の入賞装置としては、
遊技盤の前面に取り付けられる取付板のほぼ中央に球入
口を開設し、該球入口の前面に前後方向へ開閉自在な開
閉扉を設け、取付板の裏面には箱枠を設けてその内部に
Ｖ入賞口と一般入賞口とを設けてなる構成を有するもの
が知られている。この入賞装置は、電気的駆動源の駆動
により遊技者にとって有利となる第１の状態の一例とし
て開閉扉を開き、不利となる第２の状態の一例として開
閉扉を閉じて球入口へのパチンコ球の受け入れを不可能
とするものである。

【０００３】一方、最近のパチンコ機では、遊技盤上に
始動入賞口と可変表示器と上述のような入賞装置とを配
設し、始動入賞口にパチンコ球が入賞すると可変表示器
の図柄や数字を変動させると共に、その停止時の表示が
特定の組み合わせになっているとき「大当たり」として
入賞装置の開閉扉を所定時間又は所定個数（例えば１０
個）のパチンコ球が入賞するまで開成し、さらにその入
賞球がＶ入賞口に入賞することを条件として開閉扉の開
閉動作を所定サイクル継続させるようにして、遊技者に
多大な利益を付与するようにしたいわゆるセブン機と称
されるものが人気を得ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のセ
ブン機或いはこれとほぼ同種の権利物タイプのパチンコ
機に使用される入賞装置にあっては、賭博性を少なくす
るという目的で開閉扉の開成動作を継続させるＶ入賞口
への入賞球の入賞確率が１／３以下となるように規制さ
れており、このためその条件を満たすべく種々の工夫や
改良がなされている。しかし、いずれも構造が複雑であ
ったり大型化したりして、大巾な設計変更を強いられど
うしても価格が高くなる等満足するものが得られていな
いというのが現状である。

【０００５】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、従来の入賞
装置に大巾な設計変更を加えることなく簡単な構造でか
つ大型化せずＶ入賞口への入賞球の入賞確率の規制を確
実にクリアすることができ、しかも作動確実性の高いパ
チンコ機の入賞装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、取付板に形成した球入口の前面に前後方向
へ開閉自在な開閉扉を設け、取付板の裏面には箱枠を設
けてその内部の左右両側にＶ入賞口と一般入賞口とを設
けてなる入賞装置において、前記Ｖ入賞口と一般入賞口
との間に、片側のみで軸支されて左右に傾動し球入口を
介して箱枠内に入賞したパチンコ球をＶ入賞口に入賞さ
せる第１位置と一般入賞口に入賞させる第２位置とに変
換することができる球導板を配置し、Ｖ入賞口に１つの
パチンコ球が入賞すると球導板を第１位置から第２位置
に変換させるようにしたものである。

【０００７】このように構成される本発明に係わる入賞
装置にあっては、開閉扉が開成されると、球導板は箱枠
内に入ったパチンコ球がＶ入賞口に入賞する第１位置に
保持される。この状態で箱枠内に入ったパチンコ球のう
ちその１つが球導板に乗ってＶ入賞口に入賞すると該球
導板が逆に傾動し第１位置から第２位置に変換してその
後球導板に乗るパチンコ球を一般入賞口に入賞するよう
にする。これによって、開閉扉の開成時におけるＶ入賞
口への入賞球の入賞確率を１／３以下に規制することが
可能になる。また、開閉扉の裏面にパチンコ球を球導板
の上面に誘導するための突条を設ける。例えば開閉扉
が、開成したときの裏面とＶ入賞口，一般入賞口とが連
なるような大きさである場合、開閉扉の裏面に受け止め
られ球入口に入るパチンコ球を球導板に確実に誘導する
ことができ、前記入賞確率を確保する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明に係わるパチンコ機の
入賞装置の実施の形態を図面と共に説明する。図１は入
賞装置の斜視図、図２はその平面断面図である。入賞装
置１は、遊技盤の前面に取り付けられる取付板２を有す
る。該取付板２の中央部分には横長の球入口３が形成さ
れる。また、取付板２の裏面には球入口３を囲うように
箱枠４が一体に形成されている。

【０００９】取付板２の球入口３の前面に開閉扉５が設
けられる。この開閉扉５は下部両側に軸ピン６，６が突
設され、これらの軸支ピン６，６を箱枠４の左右両側に
軸支させて前面側へ回動自在に支持されている。また、
該開閉扉５の両側には取付板２の裏面に当接する開角度
規制片７ａ，７ｂが設けられており、さらに一方の開角
度規制片７ｂの外側面には係合突起８が側方へ突設され
ている。

【００１０】前記箱枠４内の底部に図２に示されるよう
に球入口３の内側に位置するようにしてその左右両側に
Ｖ入賞口９と一般入賞口１０とが開設され、該各Ｖ入賞
口９及び一般入賞口１０にそれぞれ入賞したパチンコ球
を検出する入賞球検出器１１，１１が配設される。これ
ら入賞球検出器１１，１１はできるだけＶ入賞口９及び
一般入賞口１０の入口付近に設けることが望ましい。

【００１１】箱枠４の裏側一側に後方へ突出する支持板
１２が設けられ、該支持板１２に前記開閉扉５を開閉動
作させるためのソレノイド１３が取り付けられ、該ソレ
ノイド１３の下方へ突出されるプランジャ１４にはレバ
ー部材１５が装着される。レバー部材１５の垂直部１５
ａには上下に間隔を置いて上係合片１６ａ及び下係合片
１６ｂが前方へ突設されている。そして、垂直部１５ａ
は図３に示すように箱枠４の側壁にあけられたガイド長
孔１７から外方へ突出する係合突起８と上係合片１６ａ
及び下係合片１６ｂとが係合可能な位置配置となってい
る。

【００１２】前記ソレノイド１３は消磁した状態のと
き、図３実線のようにプランジャ１４が復帰用ばね１８
の付勢によって突出しレバー部材１５が下方に押し下げ
られており、該レバー部材１５の上・下係合片１６ａ，
１６ｂ間で係合突起８を係合した状態で開閉扉５を時計
回わり方向に回動付勢している。このため開閉扉５は閉
成状態に維持される。一方、ソレノイド１３が励磁され
ると図３鎖線のようにプランジャ１４が復帰ばね１８の
付勢に抗して吸引され、レバー部材１５を上方へ引き上
げると共に上・下係合片１６ａ，１６ｂ間の係合突起８
を上動させる。これによって、開閉扉５が反時計回わり
に回動されて開成する。即ち、ソレノイド１３の励磁に
より遊技者にとって有利となる第１の状態の一例として
開閉扉５を開き、不利となる第２の状態の一例として開
閉扉５を閉じて球入口３へのパチンコ球の受け入れを不
可能にするものである。

【００１３】しかして、本発明に係わる入賞装置１は、
箱枠４内の底部であって前記Ｖ入賞口９と一般入賞口１
０との間に上面に載るパチンコ球をＶ入賞口９または一
般入賞口１０のいずれかに導き入賞させる球導板１９が
配置される。この球導板１９は図２，４に示されるよう
にＶ入賞口９側の一端側に支軸２０が設けられ、該支軸
２０の両端を取付板２と箱枠４の後壁との間で支持して
いる。これにより、球導板１９が支軸２０を中心として
上下に傾動される。また、球導板１９の他端側には箱枠
４の後壁に開設される透孔２１を介して後方へ突出する
係合ピン２２が設けられる。

【００１４】一方、図５に示されるように箱枠４の後壁
裏面に支持杆２３，２３後端へビス２４止めすることに
より球導板１９を傾動させるためのソレノイド２５が取
り付けられ、該ソレノイド２５から下方へ突出するプラ
ンジャ２６にレバー片２７が連結されている。レバー片
２７の前部には前記係合ピン２２を嵌挿保持させる保持
部材２８が設けられる。

【００１５】そこで、開閉扉５が起立して球入口３を閉
成しているときは、ソレノイド２５が消磁しており、そ
のプランジャ２６が巻装された復帰用ばね２９の弾発付
勢によつて突出し、係合ピン２２を押し下げて球導板１
９を図８に示されるようにその上面が一般入賞口１０側
へ向って下向する第２位置に保持している。

【００１６】一方、開閉扉５が傾動して球入口３が開成
されると、ソレノイド２５が直ちに励磁し、図６に示さ
れるようにプランジャ２６が復帰用ばね２９の付勢に抗
して吸引され、保持部材２８に嵌挿保持される係合ピン
２２を介して球導板１９が図９に示されるように反時計
回わりの方向に回動する。これによって、球導板１９は
その上面がＶ入賞口９側へ下傾するように傾動して、球
導板１９上面に載るパチンコ球をＶ入賞口９へ導く。

【００１７】Ｖ入賞口９にパチンコ球が１個入賞し入賞
球検出器１１で検知されると直ちにソレノイド２５が消
磁し、図７に示されるようにプランジャ２６が復帰用ば
ね２９の付勢により下方へ突出する。これによつて、球
導板１９が元の位置に復帰し、その上面を図１０に示さ
れるように一般入賞口１０側へ下傾させ、球導板１９の
上面に載るパチンコ球をすべて一般入賞口１０へ導く。

【００１８】このように、Ｖ入賞口９へはパチンコ球を
１個のみ入賞させ残りのパチンコ球は総て一般入賞口１
０に入賞させる場合は、前記開閉扉５の裏面に該開閉扉
５に受け止められ球入口３に入るパチンコ球を必ず球導
板１９の上面を通過させ開閉扉５からは直接入賞しない
ように球導板１９にパチンコ球を誘導する斜めの突状部
３０を設ける。なお、例えば球入口３の横幅が球導板１
９とほぼ同じであるときは必要ない。３１，３１は開閉
扉５に受け止められたパチンコ球が斜めに流れて勢い球
導板１９を上に逆流してＶ入賞口９へ２個以上のパチン
コ球が入らないように、流速を殺して直っすぐ後方へ流
下させるための一対の平行な突条である。なお、１ａ，
１ａは取付板２の前面両側に設けられた入賞口である。

【００１９】図１１は以上説明した本発明に係る入賞装
置１が適用されるパチンコ機の正面図である。図におい
て、３２は機枠、３３は機枠３２の前面に開閉自在に装
着される前面枠で、その前面にはガラス扉枠３４と前面
板３５が開閉自在に装着される。前記ガラス扉枠３４の
後方には遊技盤３６が配設される。遊技盤３６の前面で
ガイドレール３７で囲われる遊技部には始動入賞口３
８，可変表示装置３９，本発明に係る入賞装置１等がそ
れぞれ配置されている。

【００２０】次に、入賞装置１の作用について図１１を
参照しつつ説明する。遊技盤３６の遊技部に打ち込まれ
たパチンコ球が始動入賞口３８を通過して内蔵されるパ
チンコ球検出器で検出されると、その検出信号によって
可変表示装置３９のデジタル表示が変動し、一定時間が
経過するとその変動を停止する。そして、その停止時の
表示が予め設定された表示（例えば、「７，７，７」等
のぞろ目に揃うと特別遊技状態（大当たり）となり、入
賞装置１のソレノイド１３を励磁して開閉扉５を一定時
間（例えば３０秒）又は所定個数（例えば１０個）のパ
チンコ球が入賞するまで開成し、さらにパチンコ球がＶ
入賞口９に入賞することを条件に開閉扉５の開成動作が
所定サイクル（例えば１６回）継続されることになって
遊技者に多大な利益を付与するようになっている。

【００２１】そこで、本発明に係わる入賞装置１にあっ
ては、「大当たり」が発生して開閉扉５が開成されると
ソレノイド２５が直ちに励磁し、球導板１９が図９に示
されるように反時計回わり方向に回動してその上面がＶ
入賞口９へ向けて下傾する第１位置に変換される。この
状態で、開閉扉５の突条部３０または突条３１，３１に
よりガイドされ球入口３に入り最初に球導板１９の上面
に乗ったパチンコ球は、その上面の傾きによって導かれ
Ｖ入賞口９に入賞する。そして、同時に該入賞球が入賞
球検出器１１で検出され、その検出信号によりソレノイ
ド２５が消磁される。これによって直ちに球導板１９が
図１０に示されるように時計回わり方向に回動して上面
が一般入賞口１０側へ下傾する第２位置へ変換される。
そして、Ｖ入賞口９へのパチンコ球の入賞を１個に止
め、残りは総て一般入賞口１０へ入賞させる。

【００２２】上記のようなゲーム構成において、本発明
に係わる入賞装置１は、開閉扉５が開成し、かつ、球導
板１９の上面がＶ入賞口９に向って下傾している第１位
置のとき、球入口３内に受け入れられるパチンコ球のう
ちその１つがＶ入賞口９に入賞すると直ちに球導板１９
を回動させてその後の球導板に乗るパチンコ球を一般入
賞口１０に入賞させる第２位置へ変換するようにしたか
ら、Ｖ入賞口９へのパチンコ球の入賞確率の規制を確実
にクリアすることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係わるパチン
コ機の入賞装置は、開閉扉が開成しているとき、Ｖ入賞
口に入賞するパチンコ球の個数は常に１つに限られるめ
た、開閉扉の開成時におけるＶ入賞口への入賞確率の規
制を確実にクリアすることができる。

【００２４】しかも、Ｖ入賞口と一般入賞口との間に配
置した球導板は片側のみで軸支して傾動を行なわせるよ
うにしたから、例えば中央で軸支されるシーソー式に傾
動する構成のものに比べ入賞装置の横幅が短くでき全体
構成をコンパクトにできる。さらに構成部品の点数が少
なく、しかも、従来の入賞装置を大幅に設計変更するこ
となく、入賞確率の規制をクリアすることができる等の
優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の入賞装置の斜視図。

【図２】入賞装置の平面図。

【図３】図２のＸ−Ｘ線断面図。

【図４】図２のＹ−Ｙ線断面図。

【図５】図２のＺ−Ｚ線断面図。

【図６】開閉扉を閉成した状態の入賞装置の要部側面断
面図。

【図７】同球導板が作動した状態を示す入賞装置の要部
側面断面図。

【図８】図５に対応する入賞装置の要部裏面断面図。

【図９】図６に対応する入賞装置の要部裏面断面図。

【図１０】図７に対応する入賞装置の要部裏面断面図。

【図１１】本発明が適用されるパチンコ機の正面図。

【符号の説明】

１ 入賞装置 ２ 取付板 ３ 球入口 ４ 箱枠 ５ 開閉扉 ９ Ｖ入賞口 １０ 一般入賞口 １９ 球導板 ２０ 支軸 ３０ 突条部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付板に形成した球入口の前面に前後方
   向へ開閉自在な開閉扉を設け、取付板の裏面には箱枠を
   設けてその内部の左右両側にＶ入賞口と一般入賞口とを
   設けてなる入賞装置において、 前記Ｖ入賞口と一般入賞口との間に、片側のみで軸支さ
   れて左右に傾動し球入口を介して箱枠内に入ったパチン
   コ球をＶ入賞口に入賞させる第１位置と一般入賞口に入
   賞させる第２位置とに変換することができる球導板を配
   置し、Ｖ入賞口に１つのパチンコ球が入賞すると球導板
   を第１位置から第２位置に変換させるようにしたことを
   特徴とするパチンコ機の入賞装置。
2. 【請求項２】 開閉扉の裏面に、該開閉扉が開成したと
   き、その上面で受け止められ球入口内に入賞するパチン
   コ球を球導板の上面に誘導するための突条部を設けた請
   求項１記載のパチンコ機の入賞装置。