JP5077512B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来において、パチンコ機には、始動口に遊技球が入球(入賞)すると、図柄表示装置の複数の表示領域、例えば左右方向に並んだ3つの表示領域に表示される図柄が各々変動し、停止後の図柄(停止図柄)が所定の図柄で揃っていると大当りになって大入賞口が開放するというものがある。また、特定種類の図柄、例えば「7、7、7」や「3、3、3」で停止したこと等を条件に大当りになる確率(大当り確率)を変化させ、遊技者の興趣を高めるようにした機種が一般的となっている。
そして、上記のような始動口の形態として、遊技盤の略中央に配置された図柄標示装置を採り取り囲むようにセンターフレームが設けられ、このセンターフレームには、上部に左右一対のセンターフレーム入り口が形成され、ここに導入された遊技球を夫々下方に導くワープ通路が左右側部に形成され、これらのワープ通路の出口は、ステージ面に繋がっている。
このステージ面は、遊技盤の横方向に延びるもので、遊技球1個分以上の幅を持ち、遊技盤の幅方向において、中央位置が緩やかな山状部分となり、且つステージ両端に向けて上り傾斜するように波型の緩やかな傾斜を形成し、ステージの奥側には図柄標示装置の液晶側への遊技球の転動規制する壁を形成してある。
また、ステージ中央の山状部分は、遊技球1個分以上の幅でもって奥側に向けて下り傾斜されており、その奥側対応位置には、落下孔が形成されている。そして、このステージ中央の山状部分の下方には、前記落下孔から手前側に連通する傾斜溝部が設けられている。また、ステージ中央の両横の2つの谷状部分は、手前側に向けて傾斜されている。そして、このステージ中央の山状部分の溝部の下方には、始動口が配置されている。
こうした基本構成を備えた機種としては次の文献が挙げられる(下記特許文献1参照)。
特開2004−130152号公報
上述した波型のステージ面は、始動口へ遊技球を入賞させる構成として、遊技球を直ちに始動口に導いて、その命釘だけによって入賞機会を決定付けされる単純な方式とは異なり、ステージの波型に沿って往復転動させる間に上記落下孔への落下の機会を増やし、落下スピードを殺して入賞の確率を向上させると共に遊技球の誘導に面白味を持たせることができた。
しかしながら、テージ面として波型上の遊技球の往復転動という遊技球の誘導形態は楽しめるが、このステージ面における変化は無く、遊技球の誘導形態として、今一つ面白味に欠けるものであった。
本発明は、遊技機におけるステージ面における変化が増し、遊技球の誘導形態としての面白みが増すことを目的とする。
本発明に係る遊技機は、
傾斜面によって山状部分及び谷状部分が形成され遊技球が転動可能なステージを備えた遊技機において、
前記ステージは、その山状部分に形成され遊技球が入球可能な開閉落下孔と、その開閉落下孔への遊技球の入球を規制する開閉部材とを備え、
該開閉部材は、遊技球の自重で押圧されても下方への変位が規制された態様であって遊技球を前記開閉落下孔内に導くことなく通過させる第1態様と、遊技球の自重を受けた場合に下方に向けて変位する態様であって遊技球を前記開閉落下孔内に導く第2態様とに変化するものであり、
前記開閉部材が第1態様に維持されている状態において、遊技球が開閉落下孔に導かれることなく通過して開閉部材の所定部位に到達すると、遊技球の自重を駆動力として開閉部材が変位して第2態様が出現すると共に、この第2態様の状態が維持され、
前記開閉部材が第2態様に維持されている状態において、遊技球が開閉落下孔に導かれると、遊技球の自重を駆動力として開閉部材が変位して第1態様が出現すると共に、この第1態様の状態が維持されることを特徴とする。
本発明によれば、遊技機におけるステージ面における変化が増し、遊技球の誘導形態としての面白みが増すことができる顕著な効果を奏するに至った。
段1の遊技機は、
遊技盤に図柄表示装置をセンターフレームで囲った構成を備え、該センターフレームに遊技球のセンターフレーム入り口を設け、これに連通するワープ通路を設け、該ワープ通路の出口にステージを設け、該ステージは、前後方向に遊技球1個分以上の幅を有しており、該ステージのステージ面は、ステージの両端に向けて上り傾斜し、且つ、夫々谷状部分を経て中央に向けて上り傾斜し、遊技球が該ステージ面を左右方向に往復転動できるように構成され、前記谷状部分は幅方向に向けて緩やかに手前側へ傾斜するように構成され、その中央の山状部分は、緩やかな後ろ下がり傾斜とされており、更に、ステージの奥側には、図柄表示装置の表面側への遊技球の転動を規制する壁を設け、該ステージ面の中央の山状部分の奥側に落下孔を設け、該落下孔を、前記山状部分の下方に形成した誘導通路に連通させ、該誘導通路に、手前側に傾斜した溝部を設け、該誘導通路の出口の下方に始動口を臨ませて配置してある遊技機において、
前記ステージ面の山状部分に、その直下に位置する前記溝部に連通する開閉落下孔を設け、
前記開閉落下孔と、奥側の落下孔とを開閉する第1板と第2板とを有する開閉部材を、遊技盤に平行な横軸回りに回転自在に設け、
前記第1板の表面を、前記ステージ面の山状部分の緩やかな後ろ下がり傾斜面に構成し、且つ、前記第2板を前記横軸の回転方向に角度を持たせて前記横軸に設け、
そして、前記開閉部材は、第1板がその裏面で前記開閉落下孔を閉塞し且つその表面がステージ面と略面一とされ、第2板がその裏面で奥側の前記落下孔を閉塞する第1態様と、該第1態様において遊技球が前記第2板上に至ると回転して第1板がその表面で奥側の前記落下孔を閉塞し、第2板がその裏面で前記開閉落下孔を閉塞する第2態様に切り替わり、且つ、第2態様において、遊技球が第2板の裏面に至ると反転して前記第1態様に切り替わるように構成してあることを特徴とする。
このように、奥側の落下孔とステージ面の山状部分の開閉落下孔とを開閉する第1板と第2板とを有する開閉部材を回動自在に設け、これらの第1板と第2板の表裏両面を有効利用し、且つ、遊技球の自重を利用することで、格別のスイッチ機構並びに駆動手段を設けることなく、少ない部品点数で、遊技球の始動口に対する奥側の落下孔から溝部に至る通常速度での入賞形態と、開閉落下孔から緩い速度で溝部に至る入賞確率を向上させた二つの誘導形態を択一的に採ることができて、既存のステージに対して面白味を持たせることができる。
手段2:手段1において、
前記第2板が、第1態様において、前記奥側の落下孔内において下り傾斜状態で前記第1板よりも下方に位置され、前記第1板が、第2態様において、前記奥側の落下孔において上り傾斜状態で前記奥側の落下孔に位置され、且つ、前記第1板に重りが設けられていることを特徴とする。
このように開閉部材を構成することで、第1態様において、奥側に落下した遊技球を、前記横軸よりも下方位置において第2板で受け止め、開閉部材を確実に回動させるモーメントを生み出すことが出来る。この際、第2板が所定の回転角だけ回転すると、第1板の重りによってその回転が進行し、逆戻りを来たすことがなく第2態様へ確実に移行させることが出来る。
そして、第2態様においては、第1板を上り傾斜状態とすることで、ステージ面上を転動してきた遊技球が奥側の落下孔に移動しようとしても、これを阻止して第2板上に戻し、これを回動させて開閉落下孔に落下し易くすることが出来ると共に、遊技球が開閉落下孔に落ちて第2板を反転させる際に、所定の回転角だけ回転させれば、後は第1板の重りによってその回転が自動的に継続され、完結されて第1態様に戻ることになる。
手段3:手段1又は手段2において、
前記第2態様において、第2板の裏面による開閉落下孔の開口部の閉塞を、第1態様の前記第1板の表面が形成する波型のステージ面の軌跡よりも下方において閉塞して凹部を形成し、第2形態における遊技球の転動を抑制するように構成されていることを特徴とする。
第2態様において、ステージ面を転動してきた遊技球が波型の山状部分に到達したときに、前記第2板によって形成された凹部により、該遊技球を確実に捕捉し、これを自重で回動させて開閉落下孔に落下せしめることが出来る。
手段4:手段1乃至手段3において、
前記第1板の重りが、第2態様において、遊技球の該第1板の裏面上への転動を第2板の裏面上に戻すよう規制するように、該第1板の裏面に突出する状態で設けられていることを特徴とする。
即ち、第1態様と第2態様との切り替えをより確実に行う為に第1板に備えた重りを利用して、第2態様において、遊技球の該第1板の裏面上への転動を第2板上に戻すように役立てることで、部材の兼用利用が出来る。
手段5:手段1乃至手段4において、
前記第2板の表面の端部に、第1態様において奥側の落下孔に落下した遊技球を係止し、且つ、反転回動に際して遊技球による回動力作用を長く維持させて開閉部材の反転を確実に行うための係止突起が設けられていることを特徴とする。
即ち、前記第2板の表面の端部の表面をフラットに構成する場合に比べ、遊技球が第2板を押して回動させるときに、遊技球が落下孔の壁面に接当したりして自重が分散されるのを防ぎ、第2板の係止突起でもって確実に受け止め、且つ、開閉部材の回動中も遊技球を長く係止させることができて、十分な回動を引き出すことが出来る。
手段6:手段5において、
前記係止突起が馬蹄形に構成されていることを特徴とする。
このように、係止突起を馬蹄形に形成することによって、遊技球を確実に捕捉し、遊技球の自重を確実に第2板に伝達することができ、且つ、開閉部材の回動中においても第2板と遊技球との係合状態を長く維持することができて、確実な回動を引き出すことが出来る。
手段7:手段1乃至手段6において、
前記第1板の表面に遊技球を前記奥側の落下孔に向けて案内する下り傾斜凹部が設けられていることを特徴とする。
この下り傾斜凹部によって、第1態様において、ステージ面上を転動してきた遊技球の奥側の落下孔への誘導確率を増大させることができる。
手段8:手段1乃至手段7において、
前記第1板の裏面の少なくとも両側部に、第1板の開閉落下孔の閉塞動作終了段階においてステージ面上を転動してくる遊技球の噛み込みを防止する衝突壁が垂下する状態で設けられていることを特徴とする。
この衝突壁を設けることによって、開閉部材の回動によって、第1板の開閉落下孔の閉塞動作終了段階においてステージ面上を遊技球が転動してきても、遊技球が前記衝突壁に衝突して、前記第1板の裏面と開閉落下孔との間に噛み込むのを未然に回避でき、以って、第1態様と第2態様との切り替わりに際しての球詰まり等のトラブルをより確実に防止することができる。
手段9:手段8において、
前記第1板が、平面視において逆U字型断面の形状に構成され、前記衝突壁が該第1板の逆U字型の直線部分をなす両側部に夫々設けられていることを特徴とする。
このように、前記衝突壁を、該第1板の逆U字型の直線部分に垂下させるように設ければ、多少に長く垂下させても、第1板が回動する際に、その衝突壁が開閉落下孔に引っ掛かるという問題も少なく、長く垂下させた衝突壁によって遊技球を確実に受け止め、より確実に噛み込みを防止することができる。即ち、衝突壁を第1板の端部側にまで延設すると、その衝突壁下端部の回動時の移動軌跡が大きな円弧を描いて、開閉落下孔よりも外側(手前側)になり、引っ掛かることになるためである。
〔第1の形態〕
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。本発明では、パチンコ遊技機として説明をしているが、本発明は、パチンコ機の入賞装置の他に、球体を用いて遊技盤上で遊技を行う遊技機一般の入賞装置を対象とすることができる。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、図示しない樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、後に言及する装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行うための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3〜図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図3は遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は大入賞口61付近を模式的に示す図であり、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動口33、第2の始動口34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33、第2の始動口34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入り口には、図5に示すように一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口61が配置されている。大入賞口61は常時はシャッタ62が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される。シャッタ62は遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL2によって駆動される。
前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置は、第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置は第2の始動口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置は2色のLEDで構成されており、後述する主制御装置により表示内容が制御される。各LEDは、例えば赤色と青色との可変表示がなされるようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)42は例えば10インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置41は、普通図柄用のランプ41a,41bを備えている。この実施例では、普通図柄用のランプ41aは、例えば、装飾図柄表示装置42の表示面の上方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、普通図柄用のランプ41bは、ランプ41aの右上側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えばランプ41a、41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、ランプ41a,41bが交互に光り、ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口31を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800a,801aにて点灯表示されるようになっている。なお、ランプ41a,41bは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となったこと(装飾図柄表示装置の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったこと)を条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば9個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプは、装飾図柄表示装置の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3及び図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3及び図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球を図示しないファール球通路に導くための役目をなす。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の遊技盤上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(センターフレームと開閉部材の構成)
ここでは、第1の始動口33に関わる基本形態として、図3、図5に示すように、遊技盤の略中央に配置された図柄標示装置を採り取り囲むように、樹脂製系のセンターフレーム201が設けられ、このセンターフレーム201には、上部乃至側部に左右一対のセンターフレーム入り口202,202が形成され、ここに導入された遊技球を夫々下方に導くワープ通路640,640が左右側部に夫々形成され、これらのワープ通路640,640の出口640a,640aは、ステージ面203aに繋がっている。
更に、図6から図12に基づいて説明すると、このステージ面203aは、遊技盤の横方向に延びるもので、遊技球1個分以上の幅を持ち、遊技盤の幅方向において、中央位置が緩やかな山状部分となり、且つ、夫々谷状部分を介してステージ203の両端に向けて上り傾斜するように波型の緩やかな傾斜を形成し、ステージ203の奥側には図柄標示装置42の液晶側、即ち表面側 への遊技球の転動を規制する壁204を形成してある。前記ステージ203も樹脂成型によって構成されている。このように、ステージ面203aは、遊技球がその上を左右方向に往復転動できる構成とされている。
また、ステージ203の中央の山状部分は、遊技球1個分以上の幅でもって奥側に向けて下り傾斜されており、その奥側対応位置には、落下孔205が形成されている。そして、このステージ203の中央の山状部分の下方には、前記落下孔205から手前側に連通するL字型(縦断側面視)のトンネル状の誘導通路206aが手前側に傾斜するように形成されており、該誘導通路206aの底部には手前側に傾斜する傾斜溝部206が設けられている。また、ステージ203の中央の両横の2つの谷状部分203b,203bは、手前側に向けて、手前側が掘り込みの深い底辺となる略三角形の凹部形状で、傾斜されている。そして、このステージ中央の山状部分下方の誘導通路206aの溝部206の出口下方には、上述した始動口33が配置されている。
そして、前記ステージ面203aの山状部分に、その直下に位置する誘導通路206aの前記溝部206に連通する開閉式落下孔207を設けてある。この開閉落下孔207と、奥側の落下孔205とを開閉して第1態様と第2態様とを現出するように、遊技盤に平行な横軸208回りに回動する開閉部材209を設けてある。
この開閉部材209は、前記ステージ203と同様に樹脂成型で構成されており、第1態様において、前記開閉落下孔207を、その裏面を用いて上側から閉塞する第1板209aと、前記第1板209aに対して前記横軸208の回転方向に角度を持たせて横軸208に設けられ、第1態様において奥側の落下孔205内に位置されてその裏面で閉塞させる第2板209bとからなり、且つ、第2板209bは、第2態様において前記開閉落下孔207を、その裏面を用いて下側から閉塞するように構成されている。これらの第1板209aと第2板209bは、共に、ここでは、平面視が前記横軸208を基端として逆U字型に構成されている。そして、前記第1板209aの表面は、前記ステージ面203aの山状部分の緩やかな後ろ下がり傾斜面に構成され、該ステージ面203aのスムースな面一(凹凸のない)の波型の連続面を構成している。
尚、前記開閉落下孔207を遊技球の直径に比べて非常に大きな径とし、第1板209aを大型に構成すれば、第2態様において遊技球の進入落下を容易なものとすることになるが、前記開閉落下孔207を遊技球の進入落下を許容する程度の直径に設定すれば、即ち、開閉落下孔207の開口の大きさを適宜に選定すれば、第2態様において遊技球はステージ面203aの山状部分上を1回又は2回往復して失速してから落下させるという状態を生み出すことができて、この第2態様における遊技球の前記開閉落下孔207に対する進入落下の程度を調整することが可能である。
更に、開閉部材209は、第1態様において、前記第2板209bが奥側の落下孔205の内部に位置して遊技球の自重によって回動するのを許容し、且つ、第2態様の前記開閉部材209の回転時に前記第2板209bの裏面が開閉落下孔207を閉塞した状態において、遊技球が該第2板209b上に至った際に該第2板209bの回動を許容し且つ前記第1板209aの裏面による開閉落下孔207の閉塞を確保するように構成されている。
ここでは、遊技球の自重が前記第1板209aと第2板209bに作用し、開閉部材209を回転させる作用をより確実なものとする手段として、記第1板209aの裏面に重り210を設けている。しかし、第1板209aを重く構成するのに、別途重り210を設けるのではなく、例えば、第2板209bを軽量の合成樹脂で成型し、第1板209aを金属製として重量を増加させるようにしてもよく、また、共に同じ素材の合成樹脂で成型しても、その厚み、大きさに差異を持たせて、実質的に第1板209aの方を重く構成するようにしてもよいものである。
また、この重り210は、図示のごとく、前記横軸208と平行な軸心を持つ円筒状の形状に構成され、第2態様において、遊技球の該第1板209aの裏面上への転動を第2板の裏面上に戻す役目を果たすように、第1板209aの裏面の先端側近くで、該第1板の裏面に突出する状態で設けられている。そして、この重り210の付け根部から、前記横軸208側に向けて上り勾配の傾斜板201aが設けられ、第2態様時に、遊技球が第1板209aの裏面の先端側へ移動するのを防止し、第2板209b側に戻すように構成してある。また、この遊技球の戻し作用が確実に行われ、且つ、遊技球が重り210と横軸208との間に滞留するのを確実に防止するべく、前記横軸208と重り210の設置位置との間隔が、遊技球1個分の直径寸法よりも小さく設定されている。尚、前記傾斜板201aとしては、ここでは1枚板を用いているが、これに代えて、傾斜板201aと同様の勾配を有する2本或いは3本といったレール状体を用いてもよい。
また、前記第2板209bは、第1態様において、前記奥側の落下孔205内において下り傾斜状態で前記第1板209aよりも下方に位置され、前記第1板209が、第2態様において、前記奥側の落下孔205において上り傾斜状態で前記奥側の落下孔205に位置されるように構成されている。更に、前記第2態様において、第2板209bの裏面による開閉落下孔207の開口部の下側からの閉塞を、第1態様の前記第1板209aの表面が形成する波型のステージ面の軌跡よりも下方において閉塞して凹部214を形成し、第2形態における遊技球の転動を抑制するように構成されている。
ここで、前記開閉落下孔207の構造について言及すると、図9〜図11に示されているように、該開閉落下孔207の開口の上面側は、上側から下側に向けて窄まる漏斗状のテーパー面207aに形成され、且つ、そのテーパー面207aの下側に続いて前記第1板を受け止める第1段部207bが形成れており、この第1段部207bの裏面には、第2態様において第2板を受け止めるための第2段部207cが形成されている。
このようなテーパー面207aの形成は、遊技球の落下を下方の誘導通路206aの幅方向中央位置に落下させて、始動口33に対する入賞効率を高めるためのものであり、上述したように開閉落下孔207を比較的大径のものとした場合では、より一層その効果を発揮することができる。従って、同じ目的で、前記第2段部207cについても、これを前記テーパー面207aに連続した下側に窄まる漏斗状のものとすることができる。
また、前記第2板209bの端部の表面に、第1形態において奥側の落下孔205に落下した遊技球を係止し、且つ、反転回動に際して遊技球による回動力作用を長く維持させて開閉部材209の反転を確実に行うための係止突起211が設けられている。そして、この係止突起211は、ここでは、馬蹄形に構成され、第2板209bの端部の円弧に沿うように敷設されている。
このように、係止突起211を馬蹄形に形成することによって、その馬蹄形の円弧内側において遊技球を確実に捕捉し、遊技球の自重を確実に第2板209bに伝達することができ、且つ、開閉部材209の回動中においても第2板209bと遊技球との係合状態を長く維持することができて、確実な回動を引き出すことが出来る。また、この係止突起211は、第2態様にいて、開閉落下孔207を下側から閉塞する際に、その開口部に接当して回動を停止させるストッパーの役目も兼ねており、前記重り210による回転モーメントによる開閉部材209の回動を所定位置でストップさせる。
また、前記第1板209aに,遊技球を前記奥側の落下孔205に向けて案内する下り傾斜凹部212が設けられている。この傾斜凹部212は、前記第1板209aの端部側が細く、且つ浅い掘り込みで、前記横軸208の側に向けて末広がりで深くなる掘り込みとなる平面視で略銃弾形状に構成されている。そして、この下り傾斜凹部212への遊技球の落ち込みによって、第1態様において、ステージ面203a上を転動してきた遊技球の奥側の落下孔205へ向けた転動の誘導確率を更に増大させる(ステージ面203aの奥側への傾斜と合わせて)。
更に、前記開閉落下孔207に対応するステージ面203aの山状部分の手前側に、ステージ面203aよりも上方に延びたガイド板213が設けられている.このガイド板213を設けることによって、第2態様におけるステージ面203aでの遊技球の転動奇跡をステージ面203aの幅方向中間位置に誘導することができて、第2板209bの閉塞により形成された前記凹部214上に遊技球を誘導できる。これは、第1態様においても同様であり、遊技球をステージ面203aの幅方向中間位置に誘導することができて、この第1板209aの上面に形成された下り傾斜凹部212へ遊技球を誘導できる。
(第1態様と第2態様とに切り替える開閉部材の作動について)
作用について、図6から図11を参照して説明すると、上述のワープ通路640を経てステージ面203aに至った遊技球は、図6及び図9に示す第1態様の状態にある開閉部材209の上面、即ち、開閉部材209の第1板209aによって開閉落下孔207を閉塞している状態の開閉部材209上面に至って速度を失うと、その上面の下り傾斜凹部212に沿って奥側へと誘導され、奥側の落下孔205に入る。
この落下孔205には、開閉部材209の第2板209bが、開閉部材の回動の横軸208よりも下方に位置するように下り傾斜状態で位置されており、この上に落ち込んだ遊技球は、図7及び図10に示すように、その自重によって開閉部材209の第2板の表面に受け止められて、これを回動させることになる。このように、遊技球の運動エネルギーは、開閉部材209の回動に費やされ、且つ、開閉部材の回動という円弧上の移動軌跡を辿るように方向が規制されるために、落下孔205に突入した遊技球は、従来の如く垂直落下による速いスピードで傾斜溝部206の底部に衝突することがなく、比較的緩いスピードでこの溝部206の底に到達するので、この底部の破損を未然に回避することが出来る。
この結果、開閉部材209は回動し、図8及び図11に示すように、その第2板209bが、その裏面を用いて下側から開閉落下孔207を閉塞し、第1板209aは,上り傾斜状態で奥側の落下孔205に位置し、該落下孔207をその表面で閉塞する。この状態は、格別の外力が作用しない限り、第1板209aの裏面に設けた重り210のモーメントによって維持される。この状態が第2態様の状態である。即ち、第1態様から第2態様へ変化する場合に第2板209bと遊技球との接触が解除される時点で第1板209aは落下孔の上に位置しており、更に、第1板209aは第2板209bよりも重くなっている(第1板のほうが大きい、又は第1板に重り210が付いている)ので、遊技球により途中まで回動した後は重力により第2態様となる位置まで回動するのである。
上記第2態様の状態において、ステージ面203上を遊技球が転動して来て、第2板209bの裏面により下側から閉塞されている開閉落下孔207に至ると、第2板209bの裏面による開閉落下孔207の開口部の閉塞が、第1態様の前記第1板209aの表面が形成する波型のステージ面203aの軌跡よりも下方において閉塞して凹部を形成しているので、遊技球の転動を抑制し、捕捉し易いのであり、この遊技球の自重を第2板209bに確実に作用させて、開閉部材209を回動させて開閉落下孔207に落下せしめることが出来る。
従って、第2態様から第1態様へ変化する場合に、遊技球の第2板209bとの接触が解除される時点で、第1板209aは開閉落下孔207の上に位置しており、さらに、第1板209aは第2板209bよりも重くなっている(第1板のほうが大きい/第1板に重り210が付いている)ので、遊技球により途中まで回動した後は重力により第1態様となる位置まで回動するのである。
このように、遊技球は、第2板209bを介して開閉部材209を回動させるという運動エネルギーの消費の下で、ステージ面203aの直下の傾斜溝部206に緩いスピードで落下することになり、第1態様時と同様に、やはり傾斜溝部206の破損を未然に回避出来るのみならず、緩い速度で傾斜溝部206の終端近傍(出口近傍)に落下してから始動口33に向けて外方に排出されることになるので、奥側の落下孔205に落下した場合に比べて更に緩い速度で排出されることとなり、始動口33の命釘に対する当たりも緩やかとなって入賞確率がより改善される。
このような第2態様における遊技球の始動口33に対する入賞率の向上は、例えば、前記第1板209a、第2板209bを長く、大きく構成し、これに合わせて開閉落下孔207も大きく構成することによって、遊技球の第2板209bを押しのけて開閉落下孔207に落ち込む時の第2板209bの回動傾斜の角度を小さなものとすることが可能であり、こうした場合には、遊技球の開閉落下孔207への落下を許容はするが、第2板209bが回動を続けて第1態様に復帰するとは限らず、遊技球の落下を許す少しの回動の後に、再び第2態様に戻ってしまうという現象が生じる。その結果、入賞確率の高い第2態様の状態が繰り返し行われることも有り得て、このようなバリエーションも実施することが可能である。
また、第1態様時における奥側の落下孔205から誘導通路206aの全体を経由して始動口33にいたる所要時間と、第2態様時における開閉落下孔207から誘導通路206aの途中に落下して始動口33に至る所要時間が異なることになり、この結果として、
従来においては奥側の落下孔205から始動口33に至る所要時間が一定であることを利用し、入賞確率を高めるために遊技球の遊技盤への打ち込みタイミングをハンドル操作で調節するといった所謂止め打ちの手法が採られることが多々あったが、本発明のように始動口33に対する入賞に要する2種類の所要時間が予測不能の状態で現出されることによって、こうしたタイミングの調節が実質的に不可能となり、止め打ちを未然に回避させることが出来るといった利点も期待できる。
次に、開閉部材の構造と重りとの構成関係について、その回動動作の力学的関係を図12の模式図を参考に、次式を導いたので参考に供する。
図12において、開閉部材209の第1板209bが開閉落下孔207を閉塞した状態から、開閉部材209が確実にA方向に回動するには、遊技球PBが開閉落下孔207の先端(横軸208から最も遠い部位)を通過する際に、以下の数1の関係を満たす必要がある。尚、下記式においては開閉部材209の質量は無視しており、且つ遊技球は垂直に落下するものとする。また、θは垂線と第2板209bとの成す角度、L1は開閉落下孔207の長さ、L2は第2板209bの長さ、rは遊技球PBの半径である。

但し、L1≒L2の関係にある。
(開閉部材の変形例)
図13から図16に基づいて説明する。但し、先の実施例の説明と重複する箇所については、ここではその詳細を省略している。
この変形例では、前記第1板209aの裏面の両側部に、第1板209aの開閉落下孔207の閉塞動作終了段階(第2態様から第1態様への変化時)において、ステージ面203aを転動してくる遊技球の噛み込みを防止する衝突壁215が、垂下する状態で設けられている(第2態様の反転開始時には、上向きに立設された状態となる)。
そして、前記第1板209aが、平面視において逆U字型の形状に構成され、前記衝突壁215が該第1板209aの逆U字型の直線部分をなす両側部209c,209cに、遊技球の直径よりも狭い間隔で夫々設けられている。
この衝突壁215を設けることによって、開閉部材209の回動によって、第1板209aの開閉落下孔207の閉塞動作終了段階(第2態様から第1態様への変化時)において、ステージ面203a上を遊技球が転動してきても、遊技球は、前記衝突壁215に衝突することとなり、遊技球が前記第1板209aの裏面と開閉落下孔207の開口周縁部との間に噛み込まれるのを未然に回避できる確率が非常に高くなり、以って、第1態様と第2態様との切り替わりに際して、開閉落下孔207の開口周縁部での球詰まり、トラブルをより確実に防止することができる。
また、前記衝突壁215を、該第1板209aの逆U字型の直線部分209c,209cに垂下させるように設ければ、多少に長く垂下させても、第1板209aが回動する際に、その垂下端部の移動軌跡は、前記横軸208の中心から大きく変化することがなく、従って、その衝突壁209c,209cが開閉落下孔207に引っ掛かるという問題も少なく、長く垂下させた衝突壁215によって遊技球を確実に受け止め、より確実に噛み込みを防止することが出来る。即ち、前記衝突壁215を、該第1板209aの逆U字型の先端側にまで延設すると、前記横軸208を回動軸芯として回動したときに、その先端側において長く垂下して設けた衝突壁215の最下端部の回動軌跡は大きな円を描くことになって、前記開閉落下孔214からはみ出し、その結果、前記開閉落下孔214に引っ掛かり、上方に抜け出なくなるため好ましくないのである。勿論、この衝突壁215の垂下を短くすれば、かかる問題は発生しないが、遊技球に対する衝突が十分に得られず、遊技球が第1板の下側に入り込むのを排除する作用が少なくなる。
尚、前記衝突壁215の形状として、該第1板209aの逆U字型の直線部分をなす両側部209c,209cに分離した形状でなく、連続させた、例えば、馬蹄形を成す形状に構成しても差し支えない。
また、前記衝突壁215の形状として、前記両側部209c,209cに相当する側壁を有する船底形状の立体的なものを採用し、遊技球が衝突したときにその曲面の側壁によって確実に側方に排斥するか、勢いのある運動エネルギーの大きな遊技球が衝突したときには、この船底形状の衝突壁215の曲面に作用して、その第1板209aを押し上げてその下を通過させ、以って、この第1板209aと開閉落下孔207との間に遊技球が挟まれて詰まりを来たすことがないようにしてもよい。
本発明は、遊技機として波型のステージを備え、このステージの山状部の奥側に落下孔が備えられたたるものであれば、適宜に応用できる広い応用範囲の発明である。
パチンコ機の正面図。 パチンコ機の斜視図。 遊技盤の構成を示す正面図。 大入賞口付近を模式的に示す図。 遊技盤の構成を示す斜視図。 ステージ要部の第1形態の斜視図。 ステージ要部の一作動状態を示す斜視図。 ステージ要部の第2形態の斜視図。 ステージ要部の第1形態の縦断側面図。 ステージ要部の一作動状態を示す縦断側面図。 ステージ要部の第2形態の縦断側面図。 開閉部材の位置作動状態についての模式図。 開閉部材の一部変形例を示す斜視図。 開閉部材の一部変形例の一作動状態を示す縦断側面図。 開閉部材の一部変形例の一作動状態を示す縦断側面図。 開閉部材の一部変形例の一作動状態を示す縦断側面図。
201:センターフレーム
202:センターフレーム入り口
203:ステージ
203a:ステージ面
203b:谷状部分
203c:
204:壁
205:奥側の落下孔
206:傾斜溝部
207:開閉落下孔
208:横軸
209:開閉部材
209a:第1板
209b:第2板
210:重り
211:係合突起
212:下り傾斜凹部
213:ガイド板
214:凹部(第2板209bによる閉塞時形成)

Claims (1)

  1. 傾斜面によって山状部分及び谷状部分が形成され遊技球が転動可能なステージを備えた遊技機において、
    前記ステージは、その山状部分に形成され遊技球が入球可能な開閉落下孔と、その開閉落下孔への遊技球の入球を規制する開閉部材とを備え、
    該開閉部材は、遊技球の自重で押圧されても下方への変位が規制された態様であって遊技球を前記開閉落下孔内に導くことなく通過させる第1態様と、遊技球の自重を受けた場合に下方に向けて変位する態様であって遊技球を前記開閉落下孔内に導く第2態様とに変化するものであり、
    前記開閉部材が第1態様に維持されている状態において、遊技球が開閉落下孔に導かれることなく通過して開閉部材の所定部位に到達すると、遊技球の自重を駆動力として開閉部材が変位して第2態様が出現すると共に、この第2態様の状態が維持され、
    前記開閉部材が第2態様に維持されている状態において、遊技球が開閉落下孔に導かれると、遊技球の自重を駆動力として開閉部材が変位して第1態様が出現すると共に、この第1態様の状態が維持されることを特徴とする遊技機。
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