JP3543472B2 - 田植機装備用の薬剤散布装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、田植機に装着された薬剤散布装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来は、特開平7−255223号公報に開示されたものがあった。この田植機に装備された薬剤散布装置は、下側のみ開口してそれ以外の外周部を包む左右方向に長い薬剤散布案内枠内の中央側内部に薬剤落下放出口を配置させ、この放出口から放出される薬剤を左右横外方に跳ね飛ばせる散布装置を構成したものであったが、この薬剤散布装置自体あるいは薬剤散布案内枠は上下に調節できない構成になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薬剤散布装置は、左右横方向の薬剤散布の拡がりを調節することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、走行車1の後部に、昇降作動機構7を介して上下作動可能に装着された田植装置9において、この田植装置9による苗植付け跡の圃場上面に薬剤を散布する薬剤散布装置21を田植装置9の機枠側に適宜装着し、該薬剤散布装置21を上箱体21aと下箱体21bとに分割し、前記上箱体21aを後方側へ回動して開放できる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤散布案内枠31を左右方向に長く前後方向幅狭の長方形状で下部を開放して構成し、この薬剤散布案内枠31の内部中央側に薬剤タンク29から定量づつ繰り出される薬剤を放出する薬剤落下放出口(ロ)を設け、この薬剤落下放出口(ロ)の下部側にはこの薬剤を横外側方向へ吹き飛ばして薬剤を散布する散布手段32を設けた構成となし、前記薬剤散布装置21の少なくとも前記薬剤散布案内枠31を上下調節可能に構成し、該薬剤散布案内枠31を左右スライド移動させて機体の左右中央側に寄せることができる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッター46を設け、上箱体21aを後方側へ回動すると前記シャッター46が閉じる構成とした田植機装備用の薬剤散布装置とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用型の走行車である。2は操舵用の駆動型前輪、3は駆動型の後輪である。4は操縦ハンドル、5は運転座席を示す。6はエンジンである。
7は昇降作動機構で、上下リンク杆の基部側が走行車1の機枠後部に立設の支柱に回動自在に取り付けられ、上下リンク杆の先端部側にはヒッチ部材8が設けられていて、上リンク杆が油圧装置で上下回動されるように構成されている。
【0006】
9は田植装置で、前記ヒッチ部材8に当該田植装置の左右中央部がロ−リング軸を介して左右側に傾き自由に装着されている。
この田植装置9について説明すると、フレ−ムを兼ねた伝動ケ−ス10の前側部分の上部に苗載置台11を左右往復作動するよう取付け、伝動ケ−ス10の後部側で左右に分岐して突出の植付部伝動ケ−ス10aに前記苗載置台11上に載置された苗Aを分離して下部圃場面に植付機構12を装着している。
【0007】
この植付機構12は、前後中心部を支軸として回転される回転ケ−ス13の前後先端外側に回転方向及び回転数が前記回転ケ−ス13の回転数と同一であって、角速度が一部分変化する回転軸14a,14bを突出させて、この各回転軸14に苗植付具15a,15bを装着し、この苗植付具15に取り付けた植付爪16a,16bが苗分割移植軌跡(イ)を描くよう構成している。
【0008】
17aは中央部フロ−ト、17bは前記中央部フロ−トの左右両側に配設した側部フロ−トであって、これらのフロ−ト17a,17b,17bは前記田植装置9の下側に配置され、後部を支点に前部が上下動自由となるよう植付部の伝動ケ−ス10側に装着さてれいる。そして、これら各フロ−ト17には圃場の表土面に溝を切る作溝器18が取り付けられ、前記走行車1の後部側に取り付けた施肥機19から繰り出される肥料をホ−ス20で移送して当該作溝器18で形成される溝内へ放出して側条施肥されるように構成されている。
【0009】
21は薬剤散布装置である。この薬剤散布装置21の下部側に転動輪22を取り付けてあり、前記田植装置9の植付部伝動ケ−ス10aの後端部側から後方側に延びた左右一対の支持杆23a,23bを介して支持ベ−ス24を装着し、この支持ベ−ス24の上部に上下調節用の支持体25を介して左右横方向に延びた支持レ−ル26を設け、この支持レ−ル26に前記薬剤散布装置21の転動輪22を嵌合して載置させ、左右移動可能に設けている。支持体25の図面に示した実施例は、支持ベ−ス24上に立設の支持棒24aと支持レ−ル26の下部に取り付けた筒軸24bとを嵌合させて、この両者にピン孔を穿設し、ピン27で両者の嵌合状態を上下調節して固定する手動型の支持体に構成している。尚、この上下調節構造は手動型に限らず、サ−ボモ−タによる伝動シリンダ−を介在した伸縮機構を介して支持するも、油圧装置で伸縮自在に支持してもよく、また、垂直状の上下に限らず回動リンク式の上下調節にしてもよく、要は、機枠部分に対して薬剤散布装置21自体あるいは、薬剤が散布案内される後述の薬剤散布案内枠31を上下に調節できる構成であればよい。
【0010】
薬剤散布装置21自体の実施例について詳述すると、前後方向に狭く、左右方向に長い箱状の上箱体21aと下箱体21bとに分割可能に上下重ね合わして脱着具28で上箱体21aを分離、あるいは後ろ側を枢支して前側を上方後方側へ回動開放できる構成にして、この上箱体21a側に薬剤タンク29とその下側に設けた薬剤繰出具30とを設け、下箱体21b側には、その後方側下部に左右方向に長く前後方向に狭い幅の薬剤散布案内枠31を一体的に構成し、この薬剤散布案内枠31の内部で左右中央側に前記薬剤繰出具30により薬剤が繰り出されて放出される薬剤落下放出口(ロ)を配置している。そして、この薬剤落下放出口(ロ)の下側には落下放出される薬剤を横外側方へ跳ね(又は吹き)飛ばせる散布手段としての起風ロ−タ32を設けている。33は伝動モ−タを示す。34は薬剤散布案内傾斜板、35は仕切板を示す。尚、前記薬剤散布案内枠31を下箱体21bと別体にして、薬剤散布案内枠31を下箱体21bに対して上下調節できる構成にしてもよい。
【0011】
薬剤繰出具30の構成について、簡単に説明すると、牡型フォ−クが軸方向に嵌合量を調節設定できる雌溝を穿った繰出ロ−ル36を前記薬剤タンク29の下部排出口(ニ)の下側に回転可能に軸架し、この回転軸37をラチェット歯車とラチェット爪とからなるラチェット回転機構38を介して矢印(ホ)側に駆動できる構成とする。39はラチェットレバ−を示す。
【0012】
前記ラチェットレバ−39は、前記植付装置12の苗植付具15a,15bの外側部を互いに板体40で枢結し、この板体40に取り付けた回転ケ−ス13の回転中心線状部から外れた偏心位置に設けたクランクピン41に枢着のクランクロッド42に連繋されている。そして、この回転ケ−ス13の回転によりラチェット回転機構38を介して薬剤繰出具30が伝動回転され、薬剤タンク29から薬剤が定量づつ繰り出される構成になっている。尚、前記クランクロッド42とラチェットレバ−39との連繋にあたり、ラチェットレバ−39側の連結点までの長さ調節をすれば、繰出ロ−ル36の回転数を調節でき、薬剤繰出量の変更調節ができる。また、前記クランクピン41を、前記板体40に穿った回転ケ−ス13の回転中心部を通る長孔43部分に取り付ける構成となし、ピン41の位置を調節して回転中心からの偏心寸法を変更調節することによっても繰出量を変えることができる。そして、ピン41の位置を回転中心(ヘ)に合致させるとクランクロッド42が作動せず、薬剤の繰出しを停止させることができる。尚、ラチェットレバ−39とクランクロッド42とは脱着可能に連繋されている。
【0013】
前記薬剤散布案内枠31は、薬剤を左右横方向の広い範囲に吹き飛ばせるための案内枠のために散布装値の本体部分の左右幅よりも相当広幅に形成され、田植装値12の横全幅よりも広くなる。したがって、田植機を路上走行させる場合や、格納時に邪魔になることがあるが、このような場合には薬剤散布装置21を車体の左右中央位置にセットして、更に、前記薬剤散布案内枠31の構成を第7図及び第8図で示したように左右スライド自由にして適宜所定位置にセットできるようにしておけば、外薬剤散布案内枠31の位置を機体の中央側に寄せて左右全幅を縮少させることができる。尚、図例では、5条型の田植装値であるから薬剤散布装値21を一基装備するものであるが、8条植え田植装値のように大型化したものでは二基装備することになり、左右側に所定幅の間隔で配設装着した薬剤散布装値21を共に左右中央側に寄せてセットならしめ、且つ薬剤散布案内枠31を幅狭になるよう移動させてセットすることになる。図例では、薬剤散布案内枠31aを下箱体21bに係止状態で左右スライド自在に構成している。即ち、下箱体21b側に固着のナット44に、螺合させたセットボルト43に薬剤散布案内枠31aに穿設の長孔45を挿通させてあり、該薬剤散布案内枠31aを移動させて固着できるようになっている。
【0014】
第9図の実施例は、薬剤タンク29に入れられた薬剤が作業終了時に余った場合に、これを簡単に取り出す構成に関する。前記薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッタ−46を設け、このシャッタ−46をスプリング47で閉じ方向へ弾持させると共に、開放させた状態に保持する係止凹部(ト)を有する骨子48をシャッタ−46の裏面に固着し、この係止凹部(ト)に係止ピン49を係止するようスプリング50で付勢するよう構成し、この係止ピン49を下箱体21b側に枢着するカム51に長孔を穿ってピン52で連結し、前記上箱体21aを回動支点ピン53の回りで後方側へ回動して下箱体21bから上箱体21aの前側を開く時に、上箱体21a側に設けた突起カム54が前記カム51に突き当たって係止ピン49を下方へ引き、該ピン49が係止凹部(ト)から外れてシャッタ−46が瞬時にスプリング47の張力で閉じられるように構成している。したがって、薬剤タンク29の上部口から容易に残りの薬剤が取り出せる。尚、該薬剤タンク29に薬剤取出口55を設けておけば、更に便利になる。
【0015】
図中56は薬剤タンクの上部に設けられたカバ−を示す。
上例の作用について説明すると、走行車1の後部に田植装置9及び薬剤散布装置21を装着した乗用型田植機を植付圃場に乗り入れて、田植装置9の下部側に装着した整地用の各フロ−ト17の下面が圃場の表土面に接地するよう田植装置9を下降ならしめ、この状態で各部を駆動して苗植付作業を開始する。
【0016】
すると、走行車1の推進と同時に植付装値12の回転ケ−ス13に取り付けられた植付爪16が苗載置台11から苗を分割して苗分割移植軌跡(イ)を描いて圃場表面に苗を植付る。また、これと同時に施肥機19により粒状の肥料がフロ−トに取り付けられて溝を形成する作溝器18に供給されて側条施肥が行われる。更に、薬剤散布装置21により薬剤タンク29中に収容した薬剤が薬剤繰出具30の繰出ロ−ル36で定量づつ下方へ繰り出され、この繰り出された薬剤が起風ロ−タ32で吹き飛ばされ、薬剤散布案内枠31内の上部に張設された天井傾斜板で上方への吹き上げが防止されながら下方側の横方向へ広げられながら落下排出され植えられた苗の上面部にも散布される。
【0017】
このようにして、除草剤あるいは病虫防除剤が圃場面に散布されて薬剤効果をあげることができる。ところが、この薬剤散布装置21で左右横方の薬剤散布幅を狭くする場合、或は広くする場合には、前記起風ロ−タ32の気風力を調節することで対応することになるが、この場合には気風力を強くすると外側方向の薬剤密度が高くなってロ−タ32の直下部分は殆ど薬剤が散布されな状態になり、逆に、弱くするといロ−タ32の直下部分の薬剤分布が高く外側ほど疎になって薬剤の邑が生じることになる。そこで、この発明の実施例の如く、この薬剤散布装置21の高さを支持体25により上下に適宜調節するとよい。即ち、高くすると全体的には薄くなるが左右の薬剤分布幅が広くなり、低くすると逆に左右の薬剤分布幅を狭くできる。この場合に、薬剤の散布量を調節する必要があるが、実施例ではラチェット回転機構38のラチェットレバ−39のレバ−作動寸法を調節あるいは苗植付具15に取り付けた板体40のクランクピン41の回転偏心寸法を調節することにより繰出ロ−ル36の回転角度を変更ならしめて薬剤の繰出量を調節するとよい。
【0018】
また、この薬剤散布装置21を、実施例の5条植え田植機よりも多条植えの8条型田植機や10条植え田植機に装着する場合にはこの散布装置21の取付け位置を高くして繰出量を多く調節すればよく、単一の薬剤散布装置を共用することも可能になる。
【0019】
【発明の作用効果】
この発明によれば、田植装置9に装着する除草剤や病虫防除剤を散布する薬剤散布装置21であって、左右横方向に薬剤をほぼ均一状態に散布させるものでありながら、この散布有効左右幅を薬剤散布案内枠31の上下動調節により簡単に調節できる。また、薬剤散布案内枠31を左右スライド移動させて機体の左右中央側に寄せることができる構成としたので、機体の左右全幅を縮小させることができる。更に、薬剤散布装置21の薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッター46を設け、上箱体21aを後方側へ回動すると前記シャッター46が閉じる構成としたので、薬剤タンク29から容易に残りの薬剤が取り出せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の側断面図
【図5】要部の一部断面した背面図
【図6】要部の側面図
【図7】要部の側断面図
【図8】第7図における要部の背面図
【図9】要部の側断面図
【符号の説明】
1 走行車
7 昇降作動機構
9 田植装置
21 薬剤散布装置
21a 上箱体
21b 下箱体
25 上下調節用の支持体
29 薬剤タンク
31 薬剤散布案内枠
32 散布手段
46 シャッター
ロ 薬剤落下放出口
ニ 下部排出口
【発明の属する技術分野】
この発明は、田植機に装着された薬剤散布装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来は、特開平7−255223号公報に開示されたものがあった。この田植機に装備された薬剤散布装置は、下側のみ開口してそれ以外の外周部を包む左右方向に長い薬剤散布案内枠内の中央側内部に薬剤落下放出口を配置させ、この放出口から放出される薬剤を左右横外方に跳ね飛ばせる散布装置を構成したものであったが、この薬剤散布装置自体あるいは薬剤散布案内枠は上下に調節できない構成になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薬剤散布装置は、左右横方向の薬剤散布の拡がりを調節することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、走行車1の後部に、昇降作動機構7を介して上下作動可能に装着された田植装置9において、この田植装置9による苗植付け跡の圃場上面に薬剤を散布する薬剤散布装置21を田植装置9の機枠側に適宜装着し、該薬剤散布装置21を上箱体21aと下箱体21bとに分割し、前記上箱体21aを後方側へ回動して開放できる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤散布案内枠31を左右方向に長く前後方向幅狭の長方形状で下部を開放して構成し、この薬剤散布案内枠31の内部中央側に薬剤タンク29から定量づつ繰り出される薬剤を放出する薬剤落下放出口(ロ)を設け、この薬剤落下放出口(ロ)の下部側にはこの薬剤を横外側方向へ吹き飛ばして薬剤を散布する散布手段32を設けた構成となし、前記薬剤散布装置21の少なくとも前記薬剤散布案内枠31を上下調節可能に構成し、該薬剤散布案内枠31を左右スライド移動させて機体の左右中央側に寄せることができる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッター46を設け、上箱体21aを後方側へ回動すると前記シャッター46が閉じる構成とした田植機装備用の薬剤散布装置とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用型の走行車である。2は操舵用の駆動型前輪、3は駆動型の後輪である。4は操縦ハンドル、5は運転座席を示す。6はエンジンである。
7は昇降作動機構で、上下リンク杆の基部側が走行車1の機枠後部に立設の支柱に回動自在に取り付けられ、上下リンク杆の先端部側にはヒッチ部材8が設けられていて、上リンク杆が油圧装置で上下回動されるように構成されている。
【0006】
9は田植装置で、前記ヒッチ部材8に当該田植装置の左右中央部がロ−リング軸を介して左右側に傾き自由に装着されている。
この田植装置9について説明すると、フレ−ムを兼ねた伝動ケ−ス10の前側部分の上部に苗載置台11を左右往復作動するよう取付け、伝動ケ−ス10の後部側で左右に分岐して突出の植付部伝動ケ−ス10aに前記苗載置台11上に載置された苗Aを分離して下部圃場面に植付機構12を装着している。
【0007】
この植付機構12は、前後中心部を支軸として回転される回転ケ−ス13の前後先端外側に回転方向及び回転数が前記回転ケ−ス13の回転数と同一であって、角速度が一部分変化する回転軸14a,14bを突出させて、この各回転軸14に苗植付具15a,15bを装着し、この苗植付具15に取り付けた植付爪16a,16bが苗分割移植軌跡(イ)を描くよう構成している。
【0008】
17aは中央部フロ−ト、17bは前記中央部フロ−トの左右両側に配設した側部フロ−トであって、これらのフロ−ト17a,17b,17bは前記田植装置9の下側に配置され、後部を支点に前部が上下動自由となるよう植付部の伝動ケ−ス10側に装着さてれいる。そして、これら各フロ−ト17には圃場の表土面に溝を切る作溝器18が取り付けられ、前記走行車1の後部側に取り付けた施肥機19から繰り出される肥料をホ−ス20で移送して当該作溝器18で形成される溝内へ放出して側条施肥されるように構成されている。
【0009】
21は薬剤散布装置である。この薬剤散布装置21の下部側に転動輪22を取り付けてあり、前記田植装置9の植付部伝動ケ−ス10aの後端部側から後方側に延びた左右一対の支持杆23a,23bを介して支持ベ−ス24を装着し、この支持ベ−ス24の上部に上下調節用の支持体25を介して左右横方向に延びた支持レ−ル26を設け、この支持レ−ル26に前記薬剤散布装置21の転動輪22を嵌合して載置させ、左右移動可能に設けている。支持体25の図面に示した実施例は、支持ベ−ス24上に立設の支持棒24aと支持レ−ル26の下部に取り付けた筒軸24bとを嵌合させて、この両者にピン孔を穿設し、ピン27で両者の嵌合状態を上下調節して固定する手動型の支持体に構成している。尚、この上下調節構造は手動型に限らず、サ−ボモ−タによる伝動シリンダ−を介在した伸縮機構を介して支持するも、油圧装置で伸縮自在に支持してもよく、また、垂直状の上下に限らず回動リンク式の上下調節にしてもよく、要は、機枠部分に対して薬剤散布装置21自体あるいは、薬剤が散布案内される後述の薬剤散布案内枠31を上下に調節できる構成であればよい。
【0010】
薬剤散布装置21自体の実施例について詳述すると、前後方向に狭く、左右方向に長い箱状の上箱体21aと下箱体21bとに分割可能に上下重ね合わして脱着具28で上箱体21aを分離、あるいは後ろ側を枢支して前側を上方後方側へ回動開放できる構成にして、この上箱体21a側に薬剤タンク29とその下側に設けた薬剤繰出具30とを設け、下箱体21b側には、その後方側下部に左右方向に長く前後方向に狭い幅の薬剤散布案内枠31を一体的に構成し、この薬剤散布案内枠31の内部で左右中央側に前記薬剤繰出具30により薬剤が繰り出されて放出される薬剤落下放出口(ロ)を配置している。そして、この薬剤落下放出口(ロ)の下側には落下放出される薬剤を横外側方へ跳ね(又は吹き)飛ばせる散布手段としての起風ロ−タ32を設けている。33は伝動モ−タを示す。34は薬剤散布案内傾斜板、35は仕切板を示す。尚、前記薬剤散布案内枠31を下箱体21bと別体にして、薬剤散布案内枠31を下箱体21bに対して上下調節できる構成にしてもよい。
【0011】
薬剤繰出具30の構成について、簡単に説明すると、牡型フォ−クが軸方向に嵌合量を調節設定できる雌溝を穿った繰出ロ−ル36を前記薬剤タンク29の下部排出口(ニ)の下側に回転可能に軸架し、この回転軸37をラチェット歯車とラチェット爪とからなるラチェット回転機構38を介して矢印(ホ)側に駆動できる構成とする。39はラチェットレバ−を示す。
【0012】
前記ラチェットレバ−39は、前記植付装置12の苗植付具15a,15bの外側部を互いに板体40で枢結し、この板体40に取り付けた回転ケ−ス13の回転中心線状部から外れた偏心位置に設けたクランクピン41に枢着のクランクロッド42に連繋されている。そして、この回転ケ−ス13の回転によりラチェット回転機構38を介して薬剤繰出具30が伝動回転され、薬剤タンク29から薬剤が定量づつ繰り出される構成になっている。尚、前記クランクロッド42とラチェットレバ−39との連繋にあたり、ラチェットレバ−39側の連結点までの長さ調節をすれば、繰出ロ−ル36の回転数を調節でき、薬剤繰出量の変更調節ができる。また、前記クランクピン41を、前記板体40に穿った回転ケ−ス13の回転中心部を通る長孔43部分に取り付ける構成となし、ピン41の位置を調節して回転中心からの偏心寸法を変更調節することによっても繰出量を変えることができる。そして、ピン41の位置を回転中心(ヘ)に合致させるとクランクロッド42が作動せず、薬剤の繰出しを停止させることができる。尚、ラチェットレバ−39とクランクロッド42とは脱着可能に連繋されている。
【0013】
前記薬剤散布案内枠31は、薬剤を左右横方向の広い範囲に吹き飛ばせるための案内枠のために散布装値の本体部分の左右幅よりも相当広幅に形成され、田植装値12の横全幅よりも広くなる。したがって、田植機を路上走行させる場合や、格納時に邪魔になることがあるが、このような場合には薬剤散布装置21を車体の左右中央位置にセットして、更に、前記薬剤散布案内枠31の構成を第7図及び第8図で示したように左右スライド自由にして適宜所定位置にセットできるようにしておけば、外薬剤散布案内枠31の位置を機体の中央側に寄せて左右全幅を縮少させることができる。尚、図例では、5条型の田植装値であるから薬剤散布装値21を一基装備するものであるが、8条植え田植装値のように大型化したものでは二基装備することになり、左右側に所定幅の間隔で配設装着した薬剤散布装値21を共に左右中央側に寄せてセットならしめ、且つ薬剤散布案内枠31を幅狭になるよう移動させてセットすることになる。図例では、薬剤散布案内枠31aを下箱体21bに係止状態で左右スライド自在に構成している。即ち、下箱体21b側に固着のナット44に、螺合させたセットボルト43に薬剤散布案内枠31aに穿設の長孔45を挿通させてあり、該薬剤散布案内枠31aを移動させて固着できるようになっている。
【0014】
第9図の実施例は、薬剤タンク29に入れられた薬剤が作業終了時に余った場合に、これを簡単に取り出す構成に関する。前記薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッタ−46を設け、このシャッタ−46をスプリング47で閉じ方向へ弾持させると共に、開放させた状態に保持する係止凹部(ト)を有する骨子48をシャッタ−46の裏面に固着し、この係止凹部(ト)に係止ピン49を係止するようスプリング50で付勢するよう構成し、この係止ピン49を下箱体21b側に枢着するカム51に長孔を穿ってピン52で連結し、前記上箱体21aを回動支点ピン53の回りで後方側へ回動して下箱体21bから上箱体21aの前側を開く時に、上箱体21a側に設けた突起カム54が前記カム51に突き当たって係止ピン49を下方へ引き、該ピン49が係止凹部(ト)から外れてシャッタ−46が瞬時にスプリング47の張力で閉じられるように構成している。したがって、薬剤タンク29の上部口から容易に残りの薬剤が取り出せる。尚、該薬剤タンク29に薬剤取出口55を設けておけば、更に便利になる。
【0015】
図中56は薬剤タンクの上部に設けられたカバ−を示す。
上例の作用について説明すると、走行車1の後部に田植装置9及び薬剤散布装置21を装着した乗用型田植機を植付圃場に乗り入れて、田植装置9の下部側に装着した整地用の各フロ−ト17の下面が圃場の表土面に接地するよう田植装置9を下降ならしめ、この状態で各部を駆動して苗植付作業を開始する。
【0016】
すると、走行車1の推進と同時に植付装値12の回転ケ−ス13に取り付けられた植付爪16が苗載置台11から苗を分割して苗分割移植軌跡(イ)を描いて圃場表面に苗を植付る。また、これと同時に施肥機19により粒状の肥料がフロ−トに取り付けられて溝を形成する作溝器18に供給されて側条施肥が行われる。更に、薬剤散布装置21により薬剤タンク29中に収容した薬剤が薬剤繰出具30の繰出ロ−ル36で定量づつ下方へ繰り出され、この繰り出された薬剤が起風ロ−タ32で吹き飛ばされ、薬剤散布案内枠31内の上部に張設された天井傾斜板で上方への吹き上げが防止されながら下方側の横方向へ広げられながら落下排出され植えられた苗の上面部にも散布される。
【0017】
このようにして、除草剤あるいは病虫防除剤が圃場面に散布されて薬剤効果をあげることができる。ところが、この薬剤散布装置21で左右横方の薬剤散布幅を狭くする場合、或は広くする場合には、前記起風ロ−タ32の気風力を調節することで対応することになるが、この場合には気風力を強くすると外側方向の薬剤密度が高くなってロ−タ32の直下部分は殆ど薬剤が散布されな状態になり、逆に、弱くするといロ−タ32の直下部分の薬剤分布が高く外側ほど疎になって薬剤の邑が生じることになる。そこで、この発明の実施例の如く、この薬剤散布装置21の高さを支持体25により上下に適宜調節するとよい。即ち、高くすると全体的には薄くなるが左右の薬剤分布幅が広くなり、低くすると逆に左右の薬剤分布幅を狭くできる。この場合に、薬剤の散布量を調節する必要があるが、実施例ではラチェット回転機構38のラチェットレバ−39のレバ−作動寸法を調節あるいは苗植付具15に取り付けた板体40のクランクピン41の回転偏心寸法を調節することにより繰出ロ−ル36の回転角度を変更ならしめて薬剤の繰出量を調節するとよい。
【0018】
また、この薬剤散布装置21を、実施例の5条植え田植機よりも多条植えの8条型田植機や10条植え田植機に装着する場合にはこの散布装置21の取付け位置を高くして繰出量を多く調節すればよく、単一の薬剤散布装置を共用することも可能になる。
【0019】
【発明の作用効果】
この発明によれば、田植装置9に装着する除草剤や病虫防除剤を散布する薬剤散布装置21であって、左右横方向に薬剤をほぼ均一状態に散布させるものでありながら、この散布有効左右幅を薬剤散布案内枠31の上下動調節により簡単に調節できる。また、薬剤散布案内枠31を左右スライド移動させて機体の左右中央側に寄せることができる構成としたので、機体の左右全幅を縮小させることができる。更に、薬剤散布装置21の薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッター46を設け、上箱体21aを後方側へ回動すると前記シャッター46が閉じる構成としたので、薬剤タンク29から容易に残りの薬剤が取り出せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】要部の側面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の側断面図
【図5】要部の一部断面した背面図
【図6】要部の側面図
【図7】要部の側断面図
【図8】第7図における要部の背面図
【図9】要部の側断面図
【符号の説明】
1 走行車
7 昇降作動機構
9 田植装置
21 薬剤散布装置
21a 上箱体
21b 下箱体
25 上下調節用の支持体
29 薬剤タンク
31 薬剤散布案内枠
32 散布手段
46 シャッター
ロ 薬剤落下放出口
ニ 下部排出口
Claims (1)
- 走行車1の後部に、昇降作動機構7を介して上下作動可能に装着された田植装置9において、この田植装置9による苗植付け跡の圃場上面に薬剤を散布する薬剤散布装置21を田植装置9の機枠側に適宜装着し、該薬剤散布装置21を上箱体21aと下箱体21bとに分割し、前記上箱体21aを後方側へ回動して開放できる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤散布案内枠31を左右方向に長く前後方向幅狭の長方形状で下部を開放して構成し、この薬剤散布案内枠31の内部中央側に薬剤タンク29から定量づつ繰り出される薬剤を放出する薬剤落下放出口(ロ)を設け、この薬剤落下放出口(ロ)の下部側にはこの薬剤を横外側方向へ吹き飛ばして薬剤を散布する散布手段32を設けた構成となし、前記薬剤散布装置21の少なくとも前記薬剤散布案内枠31を上下調節可能に構成し、該薬剤散布案内枠31を左右スライド移動させて機体の左右中央側に寄せることができる構成とし、薬剤散布装置21の薬剤タンク29の下部排出口(ニ)部にシャッター46を設け、上箱体21aを後方側へ回動すると前記シャッター46が閉じる構成とした田植機装備用の薬剤散布装置。
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