JP3542813B2 - ビフェニルスルホニル尿素またはビフェニルスルホニルウレタン側鎖を有するイミダゾール誘導体、その製法およびそれからなる高血圧治療剤 - Google Patents
ビフェニルスルホニル尿素またはビフェニルスルホニルウレタン側鎖を有するイミダゾール誘導体、その製法およびそれからなる高血圧治療剤 Download PDFInfo
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Description
新規なアンジオテンシンII受容体アンタゴニストの開発は、新規な活性物質の提供に関して重要さを増大している。EP−A−28834は、例えば1−ベンジル−置換イミダゾール誘導体を開示しており、EP−A−253,310は、ジアリールカルボン酸官能基を有するイミダゾール誘導体を開示しており、そしてEP−A−324,377は、ジアリールテトラゾリル基を有するイミダゾール誘導体およびアンジオテンシンII受容体のアンタゴニストとして該化合物の使用を開示している。
【0002】
さらに、ビフェニルエステル尿素またはビフェニルスルホニルウレタン構造を有する2−n−ブチル−置換イミダゾール誘導体およびアンジオテンシンII受容体のアンタゴニストとして該化合物の使用が、EP−A−0,503,162に開示されている。
【0003】
本発明においては、イミダゾール環の2−位に特定の置換分R1を有しているビフェニルスルホニル尿素またはビフェニルスルホニルウレタン側鎖を有する新規なイミダゾール誘導体が記載されておりそしてこれらの化合物は、試験管内および生体内において驚くほど有効なアンジオテンシンII受容体アンタゴニストである。
【0004】
本発明は、式(I)
【化4】
の化合物およびその生理学的に許容し得る塩に関するものである。
【0005】
上記式において、それぞれの記号は、以下の意義を有する。
(a) R1は、(C1〜C3)−アルキル、好ましくはn−プロピルまたはエチル、特にn−プロピルであり、
(b) R2は、1.(C1〜C6)−アルキル、好ましくはメチル、
2.(C3〜C7)−シクロアルキル、
3.フェニルまたは
4.ベンジルであり、
(c) R3は、1.水素、
2.CH2OR5、
3.CO−R6または
4.O−R7であり、
(d) R4は、1.SO2NR7R8、
2.SO2−NR8−CO−NR7R9、
3.SO2−NH−COO−R7、
4.SO2−NH−SO2−NR7R9、
5.SO2−NH−CO−R7、
6.SO2−NH−SO2−R7または
7.SO2N=CH−N(CH3)2であり、
(e) R5は、1.水素または
2.(C1〜C6)−アルキルであり、
(f) R6は、1.水素または
2.OR7であり、
(g) R7およびR9は、同一または異なり、そして
1.水素、
2.(C1〜C6)−アルキル、好ましくはメチル、エチルまたはプロピル、
3.(C3〜C8)−シクロアルキル、
4.(C3〜C6)−シクロアルキル−(C1〜C3)−アルキル、
5.(C6〜C12)−アリール、好ましくはフェニル、
6.(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−アルキル、好ましくはベンジル、
7.部分的または完全に水素添加されていてもよい(C1〜C9)−ヘテロアリール、
8.(C1〜C9)−ヘテロアリール−(C1〜C3)−アルキル(ヘテロアリール部分は部分的または完全に水素添加されていてもよい)、
9.ハロゲン、ヒドロキシル、(C1〜C4)−アルキル、メトキシ、ニトロおよびシアノからなる系からの1個または2個の同一または異なる基により置換された5、6、7および8において上述した基、
10.(C2〜C6)−アルケニルまたは(C3〜C6)−アルケノイル、
11.(C3〜C8)−シクロアルケニル、
12.(C3〜C8)−シクロアルケニル−(C1〜C3)−アルキル、
13.(C6〜C10)−アリール−(C3〜C6)−アルケニル、
14.(C1〜C9)−ヘテロアリール−(C3〜C6)−アルケニルおよび
15.(C3〜C6)−アルキニルであり、
(h) R8は水素であり、
(i) nは0、1または2である。
【0006】
式(I)の好ましい化合物は、R1がエチルまたはn−プロピルである化合物またはその生理学的に許容し得る塩である。特に、R1はn−プロピルである。
【0007】
式(I)の好ましい化合物は、
R2が(C1〜C6)−アルキルであり、
R3がCOR6であり、
nが0に等しく、
R4がSO2−NH−CO−OR7、SO2−NHCO−NHR7またはSO2−NH−CO−R7であり、
R6が水素またはOR7であり、そして
R7が水素または(C1〜C6)−アルキルに等しい化合物およびその生理学的に許容し得る塩である。
【0008】
アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。
シクロアルキルは、また、アルキル−置換された環を意味するものとして理解されるものである。
(C6〜C12)−アリールは、例えばフェニル、ナフチルまたはビフェニル、好ましくはフェニルである。
【0009】
(C1〜C9)−ヘテロアリールは、特に1個または2個以上のCH基がNにより置換されたおよび(または)少なくとも2個の隣接CH基がS、NHまたはOによって置換された(5員芳香族環を形成)フェニルまたはナフチルから誘導された基を意味するものとして理解されるものである。さらに、二環式基の縮合位置の1個または2個の原子は、また(インドリジニルのように)窒素原子であってもよい。
【0010】
ヘテロアリールは、特にフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソチノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニルである。
【0011】
存在し得る立体中心は、(R)−配置および(S)−配置を有することができる。式(I)の化合物の生理学的に許容し得る塩は、RemingtonのPharmaceutical Sciences(17版、1418頁)(1985)に記載されているような有機および無機の塩を意味するものとして理解されるべきである。物理的および化学的安定性および溶解性のために、酸性基については、とりわけ、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩およびアンモニウム塩であることが好ましい。塩基性基については、とりわけ、塩酸、硫酸および燐酸の塩またはカルボン酸またはスルホン酸、例えば酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸の塩であることが好ましい。
【0012】
本発明は、また、式(I)の新規な化合物およびその生理学的に許容し得る塩の製法に関するものでありそして該方法は、式(II)
【化5】
(式中、R1、R2、R3およびnは上述した通りである)の化合物を式(III)
【0013】
【化6】
(式中、R4は上述した通りでありそしてUは除去基である)の化合物でアルキル化し、場合によっては一時的に導入された保護基を再び除去し、場合によっては得られた式(I)のスルホンアミドを式(I)のウレタンに変換し、場合によっては得られた式(I)のスルホンアミドまたは得られた式(I)のウレタンを式(I)のスルホニル尿素に変換しそして場合によっては得られた式(I)の化合物をその生理学的に許容し得る塩に変換することからなる。
【0014】
適当な除去基Uは、好ましくはハロゲン、o−トリエンスルホネート、メシレートまたはトリフレートのような離核性基である〔Angew. Chem. 72(1960)71参照〕。
【0015】
式(II)のプレカーサーの製法は、とりわけ、すでに上述した米国特許第4,355,044号、EP−A−324,377およびEP−A−323,841から既知である。
【0016】
さらに、他の方法は、G. Labbe〔Chem. Rew. 69. 345(1969)〕、T. Srodsky〔“The Chemistry of the Azido Group"、Wiley, New York, 1971, p. 331〕、H. Wamhoff(“Comprehensive Heterocyclic Chemistry")およびP. Katritzky〔Ed., Pergamon Press, New York(1984)〕により記載されている。
【0017】
式(II)の化合物の他の製造方法は、1−シアノグリオキシル酸−2−オキシム誘導体から出発しそして文献から知られている還元剤を使用したオキシムの還元および適当な保護基を使用したニトリル基に対するメルカプト化合物の付加後、プレカーサーを得る。この化合物は、水−除去条件下でイミダゾールに環化することができる。環化工程に対しては、とりわけ、PCl5およびジメチルアミノピリジン(DMAP)の混合物、POCl3およびSOCl3およびこれらの混合物とDMAPとの混合物を使用することができる。
【0018】
式(II)の化合物のアルキル化に対しては、例えば適当なベンジルハライド、トシレート、メシレートまたはトリフレートまたは適当なアルキルハライド、トシレート、メシレートまたはトリフレートが適している。
【0019】
これらの化合物は、それ自体既知の方法で、例えば相当するメチルプレカーサーのハロゲン化により製造される。N−ブロモサクシンイミドがこの目的に対して使用するのに好ましい。例えば、J. Org. Chem. 44, 4733(1979)およびHelv. Chim. Acta 62, 2661(1979)参照。
【0020】
ビフェニル誘導体は、例えば遷移金属触媒、特にパラジウムを使用した置換されたアリールハライドとのカップリングによって、アリールボロン酸誘導体から出発して合成することができる。適当な反応は、R.B. Miller等(Organometallics 1984, 3, 1261)によりまたはA. Zuzuki等〔Synthetic Commun, 11(7), 513(1981)〕によって記載されている。
【0021】
式(I)のスルホニルウレタン誘導体は、好ましくは適当な溶剤の沸点までの温度において不活性溶剤中でクロロ炭酸エステルおよび塩基、例えば炭酸カリウムと反応させることによって、式(I)の相当するスルホンアミドから得ることができる。
【0022】
式(I)のスルホニル尿素誘導体は、例えばDMSOのような不活性な高沸点溶剤中でイソシアネートまたは適当なアミンの2,2,2−トリクロロアセトアミド誘導体と反応させることにより式(I)の相当するスルホンアミドから、または、それぞれの溶剤の沸点までの温度において例えばトルエンのような不活性な高沸点溶剤中で相当するアミンと反応させることにより式(I)のスルホニルウレタンから製造することができる。
【0023】
同様に、スルホニルスルホンアミドは、塩化スルホニルまたは塩化スルファモイルとの反応によって、相当するスルホンアミドから製造することができる。
【0024】
必要ならば、スルホンアミド基は、Meerweinの転位によってアミノ基から出発して製造することができる。この目的のために、はじめに、アミンの塩酸塩をジアゾ化しそしてそれから銅触媒の存在下において氷酢酸中で二酸化硫黄と反応させる。次のアンモニアの作用によって、スルホンアミド基を得る。
【0025】
スルホンアミド基は、例えば2−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミド基に変換することにより一時的に保護される。この変換は、相当するスルホンアミド化合物をN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させることによってまたは脱水剤、例えばSOCl3、POCl3、PCl5またはクロロギ酸エチルの存在下でN,N−ジメチルホルムアミドで相当するスルホンアミド化合物を変換することによって、実施される。
【0026】
この保護基は、塩基性条件下および酸性条件下の両方の条件下で除去することができる。
このようにする代りに、適当なチオフェノールを、塩素による酸化および次のアンモニアの作用によってスルホンアミドに変換することができる。
【0027】
アルキル化は、原則的に同様な方法で既知の方法で実施する。
式(II)のイミダゾールは、例えば塩基の存在下において金属化する。好ましい塩基は、例えば溶剤としてのDMFまたはDMSO中の水素化リチウム、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムのような金属水酸化物または式MOR(式中Rはメチル、エチルまたはt−ブチルである)の金属アルコキシドであってそして反応は、相当するアルコール、DMFまたはDMSO中で実施される。この方法で形成されたイミダゾール誘導体の塩をDMFまたはDMSOのような非プロトン性溶剤に溶解しそして適当な量のアルキル化試薬で処理する。
【0028】
イミダゾール誘導体を脱プロトン化する他の可能性は、例えばDMFまたはDMSO中における炭酸カリウムとの反応である。
式(I)のチオ化合物(n=0)は、好ましくは、例えばCH2Cl2のような適当な溶剤中における過酸によって相当するスルホン(n=1)およびスルホキシド(n=2)に酸化される。
反応は、室温以下の温度〜反応混合物の沸点の温度、好ましくは+20°と反応混合物の沸点との間の温度で約1〜10時間実施される。
【0029】
本発明による式(I)の化合物は、アンジオテンシンII−受容体に対する拮抗作用を有しそしてそれ故に、例えばアンジオテンシンII−依存性高血圧の治療に使用することができる。さらに、適用の可能性は、心臓機能不全、心臓保護、心筋梗塞、心臓肥大症、動脈硬化症、ネフロパシー、腎不全症および移行性虚血発作および発作のような脳の心臓血管疾患に存する。
【0030】
レニンは、アスパルチルプロテアーゼ級の蛋白分解酵素であり、これは、種々な刺激(血液容量枯渇、ナトリウム欠損、β−受容体刺激)の結果として、腎臓の糸球体近接細胞により血液循環中に分泌される。それは、肝臓から排出されるアンジオテンシノゲンから、デカペプチドアンジオテンシンIを分解する。このアンジオテンシンIは、“アンジオテンシン−変換酵素”(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換される。アンジオテンシンIIは、血管収縮により血圧を直接的に増大するので、血圧調節において重要な役割を果たす。さらに、それは副腎からのアルドステロンの分泌を刺激しそしてこの方法において、ナトリウム排出の抑制を経て細胞外液容量を増大する。これは、血圧の増大に寄与する。
【0031】
受容体刺激後の作用は、とりわけ、ホスホイノシトール変換(Ca2+放出)の刺激、プロティンキナーゼCの活性化およびc−AMP−依存性ホルモン受容体の促進である。
アンジオテンシンII受容体に対する式(I)の化合物の親和性は、牛の副腎の糸球帯の膜上の受容体からの125I−アンジオテンシンIIまたは3H−アンジオテンシンII置換の測定によって決定される。このために、準備した膜をpH7.4の緩衝液中に懸濁する。
【0032】
培養中の放射リガンドの分解を阻止するために、ペプチダーゼ阻害剤であるアプロチニンを加える。さらに、74TBq/ミリモルの比活性を有するトレーサー(Amersham Buchler, Brunswick, FRGから商業的に入手できる)約14,000cpmおよびこのトレーサーの50%を結合する受容体蛋白の量を使用する。反応は、緩衝液+アプロチニン100μl、アンジオテンシンIIまたは受容体アンタゴニストを有しているかまたは有していない緩衝液50μlおよびトレーサー50μlの混合物に膜懸濁液50μlを添加することにより開始する。25℃の温度で60分の培養時間の後に、結合したおよび遊離の放射リガンドを濾過検査(例えばSkatronRセルコレクター上のWhatmanR GFICフイルターを使用)により分離する。
【0033】
0.3%のポリエチレンイミンpH10(例えば、Sigma, No.3143)でフイルターを処理することにより、非特異的結合を防止する。ガンマシンチレーションカウンターにおける放射能の測定により、受容体からの放射リガンドの置換の強度を測定する。
【0034】
リガンドの50%を置換する阻害剤の濃度であるIC50値を、J. Theor. Biol. 59, 253(1970)により測定する。式(I)の化合物について、これらのIC50値は、1×10-4〜1×10-9Mの範囲にある。
また、アンジオテンシンII受容体に対する式(I)の化合物の親和性は、種々な器官(肝臓、肺、副腎、脳など)からの受容体標本の125I−アンジオテンシンIIまたは3H−アンジオテンシンII置換の測定によって、決定することができる。
【0035】
この目的のために、準備した膜を培養緩衝液(例えば135mMのNaCl、10mMのKCl、10mMのMgCl2、5mMのグルコース、0.2%の牛血清アルブミンおよび0.3mMのプロテアーゼ阻害剤PMSFおよび0.1mMのバシトラシンを含有する20mMのトリス、pH7.4)中に懸濁しそして放射線標識したアンジオテンシンIIおよび種々な濃度の試験化合物と一緒に、25℃で90分培養する。それから、結合したおよび遊離の放射リガンドを、微小ガラス繊維フイルター〔例えば、GF51、Schleicher & Schuell, セルコレクター(SKATRON)上〕を通して濾過することにより分離する。
【0036】
ベーターまたはガンマスペクトロメーターによるフイルター上の受容体−結合放射能の測定によって、試験化合物による受容体からの放射リガンドの置換の程度を測定する。試験化合物による受容体からの放射リガンドの置換の強度は、IC50、すなわち、受容体から結合放射リガンドの50%を置換する阻害剤の濃度によって示される。IC50値は、PCソフトウエアー(例えば、Ligand, G.A. McPherson 1985, Elsevier-BIOSOFT, 68 Hills Road, Cambridge CB 2 ILA, U.K.)により計算される。式(I)の化合物に対して測定されたIC50値は、1×10-5〜1×10-11Mの範囲にある。
生体内の式(I)の化合物の拮抗作用を測定するために、骨髄除去されたSprague-Dawleyラット(Moellegard, Denmark)におけるアンジオテンシンII−誘発血圧増加に対する化合物の阻害作用を測定することができる。静脈内投与を、陰茎静脈において実施する。
【0037】
動物を準備しそして血行動態パラメーターを安定化するための20分の待ち時間の後に、水溶液0.1ml中のアンジオテンシンII 10、30および100mgの3回の連続した注射量を5分の間隔で投与する。式(I)の化合物は、もし必要ならば10%強度のエタノールおよび(または)塩基(pH<10)または酸(pH>3)を添加して、蒸留水に溶解しそして1〜300μg/kgの投与量で静脈内的にまたは5〜1000μg/kgの投与量で十二脂腸内的に投与する。
【0038】
十二脂腸内的投与の場合においては、アンジオテンシンII注射は、20、40および60分後に実施し、そして他方、静脈内投与の場合においては、昇圧応答連鎖(pressor response sequence)を、10分の間隔で行う。
式(I)の化合物は、特に1〜300μg/kgの範囲において静脈内的に活性でありまたは特に5〜300μg/kgの範囲において十二脂腸内的に活性である。本発明は、また実質的に式(I)の化合物および必要に応じて例えば利尿剤または非ステロイド性の抗炎症的に活性な物質のような他の活性物質を含有する医薬製剤に関するものである。式(I)の化合物は、また、レニン−アンジオテンシン系に対する診断剤として使用することもできる。
【0039】
医薬製剤は、無機または有機の医薬的に利用できる賦形剤および必要に応じて他の添加剤または補助剤と一緒に、式(I)の活性物質の有効量および必要に応じて他の活性物質を含有する。投与は、鼻内的、静脈内的、皮下的または経口的に実施することができる。活性物質の投与量は、温血動物の種類、体重、年令および投与方式に依存する。
本発明の医薬製剤は、それ自体既知の溶解、混合、顆粒化または被覆方法で製造される。
【0040】
経口投与形態においては、活性化合物を、賦形剤、安定剤または不活性稀釈剤のような慣用の添加剤と混合しそして慣用の方法によって錠剤、被覆錠剤、硬質ゼラチンカプセル、水性、アルコール性または油性の懸濁液または水性、アルコール性または油性の溶液のような適当な投与形態にする。使用し得る不活性の賦形剤は、例えばアラビヤゴム、マグネシヤ、炭酸マグネシウム、燐酸カリウム、ラクトース、グルコース、フマール酸ステアリルマグネシウムまたは澱粉、特にとうもろこし澱粉である。製造は乾式または湿性の顆粒として行うことができる。可能な油性賦形剤または溶剤は、例えば植物または動物油、例えばヒマワリ種子油および魚肝油である。
【0041】
皮下または静脈内投与に当っては、活性化合物またはその生理学的に許容し得る塩を、必要に応じて可溶化剤、乳化剤または他の補助剤のような慣用の物質を使用して、溶液、懸濁液または乳濁液にする。適当な溶剤は、例えば水、生理食塩溶液またはアルコール、例えばエタノール、プロパンジオールまたはグリセロール、および糖溶液、例えばグルコースまたはマンニトール溶液または上述した溶剤の混合物である。
【0042】
略号のリスト
Ac アセチル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DME ジメトキシエタン
EA 酢酸エチル
DCI 脱着−化学イオン化
FAB 速原子衝撃
RT 室温
M.P. 融点
h 時間
min. 分
本発明を、さらに以下の実施例によって説明する。
【0043】
実施例1
エチル1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化7】
【0044】
(a) エチル2−アミノ−2−シアノアセテート
亜ニチオン酸ナトリウム228g(1.3モル)を、水700mlおよび飽和NaHCO3溶液560ml中のエチル2−シアノグリオキシレート−2−オキシム70g(0.492モル)に、室温で20分にわたって少量ずつ加える。混合物を35℃で12時間撹拌し、そして冷却およびNaClによる飽和後、CH2Cl2で抽出する。Na2SO4で乾燥しそして濃縮乾固して油として標記化合物30gを得た。
Rf(CH2Cl2/CH3OH 9:1)=0.6
【0045】
(b) エチル2−シアノ−2−n−プロピルカルボニルアミノアセテート
CH2Cl2 25ml中の塩化ブチリル24.2ml(0.23モル)の溶液を、0〜5℃で、無水のCH2Cl2 250mlおよびピリジン18.9ml(0.233モル)中の1(a)からの化合物30g(0.233モル)に滴加する。それから、混合物を室温で12時間撹拌する。有機相を、H2O(3×)および飽和NaCl溶液(1×)で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥し次に濃縮する。ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、標記化合物29.5gを得た。
Rf(CH2Cl2/MeOH 9:1)=0.7
M.P. 106℃。
【0046】
(c) エチル3−アミノ−2−n−プロピルカルボニルアミノ−3−メチル−チオアクリレート
濃縮したメチルメルカプタン14.3g(0.297モル)を、RTで、エタノール500ml中の1(b)からの化合物29.5g(0.149モル)およびトリエチルアミン2.05ml(0.0145モル)に加える。RTで4日間放置した後、溶剤を除去しそして残留物をジイソプロピルエーテルから結晶化させて標記化合物36.2gを得た。
Rf(CH2Cl2/MeOH 9:1)=0.4
M.P. 119℃。
【0047】
(d) エチル−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
CH2Cl2 120ml中の4−ジメチルアミノピリジン19.3g(0.157モル)を、−78℃で、CH2Cl2 240ml中の五塩化燐29.16g(0.142モル)に滴加する。10分後に、CH2Cl2 200ml中の1(c)からの化合物17.6g(0.071モル)を滴加する。混合物を、RTに加温しそしてRTで2.5時間撹拌する。それから、1N NaHCO3溶液1.6リットルを氷冷下で加えそして混合物を1時間撹拌しそして一夜放置する。相を分離した後、水性相をEA(3×)で抽出しそして合した有機相をNa2SO4を使用して乾燥し次に濃縮する。CH2Cl2/EA(4:1)を使用してSiO2上でクロマトグラフィー処理して、油として標記化合物5.6gを得た。
Rf(CH2Cl2/EA 4:1)=0.4、
MS(DCI):229(M+H)。
【0048】
(e) スルホンアミドブロモベンゼン
O−ブロモアニリン51.6g(0.3モル)を、アルゴン雰囲気下において、濃HCl 100mlおよび氷酢酸30mlの溶液に加え、水30ml中の亜硝酸ナトリウム22.4gの溶液を−10℃で滴加しそして反応溶液を−5℃で60分撹拌する。得られた溶液を、SO2で飽和した氷酢酸300ml中のCuCl2×2H2O 7gおよびCuCl 0.5gの溶液に滴加し、混合物を、室温で60分撹拌した後、氷/水混合物に注加しそしてエーテルで抽出しそしてエーテル抽出液を飽和NaHCO3溶液および水で洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして濃縮する。得られたスルホニルクロライド化合物67.8gを、冷却しながら、アセトン500ml中の濃アンモニア300mlで処理する。アセトンの除去後、得られた懸濁液を水でうすめそして沈降した白色結晶を吸引濾去し、H2Oで洗浄しそして高真空中で乾燥する。標記化合物は、さらに精製することなしに次の反応に使用する。
M.P. 190℃。
【0049】
(f) 2−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミドブロモベンゼン
無水のDMF 150ml中の実施例1(e)からの化合物0.236モルを、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール40mlと一緒に、室温で2時間撹拌する。反応溶液を5%強度のNaHSO4溶液/氷(1:1)200mlに注加しそして沈降した沈澱を吸引濾去し、H2Oで洗浄しそして真空乾燥する。標記化合物67gが得られた。
M.P. 148℃、
Rf(SiO2、EA/ヘプタン 1:1)=0.1、
MS(DCI):291/293(M+H)。
【0050】
(g) 4′−メチルビフェニル−2−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミド
アルゴン下において、トルエン150mlおよびH2O 40ml中の実施例1(f)からの化合物11g(37.9ミリモル)、トリフェニルホスフィン1gおよびNa2CO3 8gに、はじめにPd(OAc)2 420mgそしてそれからエタノール100ml中のトリルボロン酸5.66g(41.9ミリモル)を加える。混合物を4時間加熱沸騰し、それから濃縮しそしてEA 500mlおよびH2O 500mlにとる。得られた沈澱を濾去しそして標記化合物として特徴づける。EA相を分離し、Na2SO4上で乾燥しそして濃縮する。EAを使用してSiO2上でクロマトグラフィー処理してさらに標記化合物の量を得た。
全体の収量:7.6g、
M.P. 181〜184℃、
Rf(SiO2、EA/ヘプタン 1:1)=0.2、
MS(DCI):303(M+H)。
【0051】
(h) 4′−ブロモメチルビフェニル−2−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミド
1(g)からの化合物7.4g(0.025モル)を、過酸化ベンゾイル300mgの存在下において、クロロベンゼン130ml中のN−ブロモサクシンイミド4.6g(0.026モル)とともに、2時間加熱還流する。冷却後、飽和Na2SO3溶液50mlを加えそして有機相を分離し、飽和Na2CO3溶液、水および飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥しそして濃縮する。残留物をEAとともに撹拌しそして標記化合物6.7gを吸引濾去した。
M.P. 168〜171℃、
Rf(SiO2、EA)=0.5、
MS(DCI) 381/383(M+H)。
【0052】
(i) エチル1−〔(2′−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミドビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
1(d)からの化合物2.0g(8.75ミリモル)、1(h)からの化合物(75%強度)4.15g(8.75ミリモル)およびK2CO3 1.25g(9.0ミリモル)を、無水のDMF 50ml中で、RTで一夜撹拌する。この混合物を、濃縮し、残留物をEA 400mlに溶解しそしてEA溶液を水で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥しそして濃縮する。残留物をエタノールおよびジイソプロピルエーテルとともに撹拌しそして標記化合物4.14gを沈降した沈澱として吸引濾去する。
M.P. 169〜171℃、
Rf(SiO2、EA)=0.4、
MS(FAB):529(M+H)。
【0053】
(j) エチル1−〔(2′−スルホンアミドビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
メタノール40ml中の1(i)からの化合物4g(7.60ミリモル)を、濃塩酸20mlと一緒に3時間還流下で沸騰させる。混合物をRTに冷却し、溶剤を蒸溜により除去し、水溶液のpHを、6N NaOH溶液により5〜6に調節しそして混合物をEAで数回抽出する。合したEA相をNa2SO4上で乾燥しそして濃縮する。得られたフォーム状物質をエタノールおよびジイソプロピルエーテルと一緒に撹拌しそして沈澱を吸引濾去する。標記化合物3gが得られた。
M.P. 125〜127℃、
Rf(SiO2、EA)=0.7、
MS(FAB):474(M+H)。
【0054】
(k) エチル1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニル−ビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
1(j)からの化合物2g(4.22ミリモル)を、無水のアセトン50ml中で無水のK2CO3 1.75g(12.66ミリモル)で処理する。30分還流下で加熱した後、溶液をイソシアン酸プロピル395μl(4.22ミリモル)で処理しそして還流下で1時間撹拌する。それから、それを冷却し、2N HCl 15mlで処理し、そして真空中で濃縮しそしてCH2Cl2で数回抽出する。Na2SO4上で乾燥し、濃縮しそしてEAから結晶化させて、標記化合物1.9gを得た。M.P. 160〜165℃、
Rf(SiO2、EA/ヘプタン 2:1)=0.25、
MS(FAB):559(M+H)。
【0055】
実施例2
1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化8】
メタノール40ml中の実施例1(k)からの化合物700mg(1.25ミリモル)を、2N NaOH溶液10mlと一緒にRTで3日間撹拌する。それから、溶剤を真空中で除去し、水溶液を2N塩酸でpH=6に調節しそして沈降した沈澱を吸引濾去しそして高真空中で乾燥する。標記化合物600mgが得られた。
M.P. 133〜135℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/メタノール 10:1)=0.19、
MS(FAB):531(M+H)。
【0056】
実施例3
エチル1−〔(2′−エトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化9】
アルゴン雰囲気下、無水のDME 25ml中の実施例1(j)からの化合物1.5g(3.17ミリモル)を、K2CO3 0.876g(6.34ミリモル)およびクロロギ酸エチル0.35ml(3.17ミリモル)と一緒に、3時間還流下で沸騰させる。それから、溶剤を大部分除去する。残留溶液のpHを、10%強度のKH2PO4溶液で約4に調節しそしてそれを、EAで数回抽出する。合したEA抽出液を、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥し次に濃縮し、そして残留物を、高真空中で乾燥する。標記化合物1.79gが、黄色のフォーム状物質として得られた。
Rf(SiO2、EA)=0.5、
MS(FAB):546(M+H)。
【0057】
実施例4
1−〔(2′−エトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化10】
エタノール3ml中の実施例3からの化合物500mg(0.92ミリモル)を、2N NaOH溶液2.5mlと一緒に、RTで24時間撹拌する。溶剤を真空中で除去し、残留水溶液を2N塩酸で約pH5に調節しそして沈降した沈澱を吸引濾去する。標記化合物380mgが、僅かに黄色に着色した固体生成物の形態で得られた。
M.P. 156〜160℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/CH3OH 9:1)=0.3、
MS(FAB):518(M+H)。
【0058】
実施例5
エチル1−〔(2′−メチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−4−カルボキシレート
【化11】
(a) エチル2−シアノ−2−エチルカルボニルアミノアセテート
標記化合物は、実施例1(b)に示した方法により製造される。この場合においては、塩化ブチリルの代りに塩化プロピオニルを実施例1(a)からの化合物と反応させる。実施例1(a)の化合物12.8g(0.1モル)から出発して、標記化合物11.4gが得られた。
M.P. 111〜113℃、
Rf(SiO2、EA)=0.6、
MS(DCI):185(M+H)。
【0059】
(b) エチル3−アミノ−2−エチルカルボニルアミノ−3−メチルチオアクリレート
この化合物は、実施例1(c)に示した方法と同様にして製造される。
M.P. 127℃、
Rf(SiO2、EA)=0.18、
MS(DCI):233(M+H)。
(c) エチル2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
この化合物は、実施例1(d)に示した方法と同様にして製造される。
M.P. 141〜143℃、
Rf(SiO2、EA)=0.4、
MS(DCI):215(M+H)。
(d) エチル1−〔(2′−N,N−ジメチルアミノホルミルスルホンアミドビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
標記化合物は、実施例1(i)に記載した方法によって実施例5(c)および化合物1(h)から製造される。
M.P. 189〜194℃、
Rf(SiO2、EA)=0.3、
MS(FAB):515(M+H)。
【0060】
(e) エチル1−〔(2′−スルホンアミドビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
標記化合物は、実施例1(j)の方法によって化合物5(d)の化合物から製造される。
M.P. 153〜155℃、
Rf(SiO2、EA)=0.5、
MS(FAB):460(M+H)。
(f) 2,2,2−トリクロロ−N−メチルアセトアミド
メチルアミン1.6g(51.5ミリモル)を凝縮させそして無水のジオキサン20ml中において、無水のジオキサン10mlに溶解したトリエチルアミン7.14ml(51.5ミリモル)および塩化トリクロロアセチル5.7ml(51.5ミリモル)で処理しそして得られた溶液を、RTで3時間撹拌する。それから、それを水で処理し、溶液のpHを2N塩酸で約1に調節しそして沈降した標記化合物を吸引濾去する。
M.P. 90〜95℃。
【0061】
(g) エチル1−〔(2′−メチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
無水のDMSO 2ml中の5(e)からの化合物135mg(0.316ミリモル)を、アルゴン雰囲気下80°で30分、粉末状のNaOH 38mg(0.1ミリモル)および5(f)からの化合物61mg(0.348ミリモル)と一緒に撹拌する。反応溶液を、氷水に注加し、2N塩酸で酸性にしそしてEAで数回抽出する。合したEA相を飽和NaCl溶液で洗浄しMgSO4上で乾燥しそして濃縮した後、得られた結晶性残留物を少量のEAと一緒に撹拌する。沈澱を吸引濾去して標記化合物97mgを得た。
M.P. 220〜223℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/CH3OH 9:1)=0.6、
MS(FAB):517(M+H)。
【0062】
実施例6
1−〔(2′−メチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化12】
標記化合物は、実施例2の方法によって5(g)の化合物から製造される。化合物5(g)50mg(0.1ミリモル)から出発して、標記化合物40.5mgが得られた。
M.P. 155℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/CH3OH/酢酸 9:1:0.2)=0.46、
MS(FAB):489(M+H)。
【0063】
実施例7
エチル1−〔(2′−エトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化13】
実施例5(e)からの化合物1.4g(3ミリモル)およびK2CO3 825mg(6ミリモル)を、無水のDME 25ml中において、クロロギ酸エチル0.3ml(3.05ミリモル)と一緒に、3時間還流下で沸騰させる。混合物を濃縮し、10%強度のKH2PO4溶液で約pH5に調節しそしてEAで抽出する。Na2SO4上で乾燥しそして濃縮した後、標記化合物1.45gを得た。
Rf(SiO2、EA)=0.3、
MS(FAB):532(M+H)。
【0064】
実施例8
エチル1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化14】
実施例7からの化合物300mg(0.56ミリモル)を、無水のトルエン7ml中において、n−プロピルアミン1.5mlと一緒に、3時間還流下で沸騰させる。濃縮および溶離剤としてEAを使用したSiO2上のクロマトグラフィー処理後、標記化合物130mgを得た。
M.P. 202〜203℃、
Rf(SiO2、EA)=0.24、
MS(FAB):545(M+H)。
【0065】
実施例9
1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−エチル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化15】
標記化合物は、実施例2の方法によって実施例8の化合物から製造される。化合物8 100mg(0.18ミリモル)から出発して標記化合物70mgが得られた。
M.P. 135〜140℃、
Rf(SiO2、EA)=0.1、
MS(FAB):517(M+M)。
【0066】
実施例10
1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルスルホキシルイミダゾール−5−カルボキシレート
【化16】
実施例1からの化合物95.0mg(0.17ミリモル)を、m−クロロ過安息香酸(50%濃度)59mg(0.17ミリモル)と一緒に、無水のCH2Cl2 10ml中において−78℃で20分撹拌する。混合物を、10%強度の酸性亜硫酸ナトリウム溶液10mlで処理し、室温に加温し、そして相分離後、EAで抽出する。合した有機相を、飽和Na2CO3溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥しそして濃縮する。標記化合物110mgが得られた。
M.P. 65〜68℃、
Rf(SiO2、EA)=0.1、
MS(FAB):575(M+M)。
【0067】
実施例11
1−〔(2′−n−プロピルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルスルホキシルイミダゾール−5−カルボン酸
【化17】
標記化合物は、実施例2の方法によって実施例10の化合物から得られる。実施例10からの化合物100mg(0.17ミリモル)から出発して、標記化合物83mgが得られた。
M.P. 105〜108℃、
Rf(SiO2、EA)=0.1、
MS(FAB):547(M+M)。
【0068】
実施例12
1−〔(2′−エトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルスルホニルイミダゾール−5−カルボキシレート
【化18】
実施例3からの化合物350mg(0.64ミリモル)を、無水のCH2Cl2 20ml中において、m−クロロ過安息香酸(50%濃度)443mg(1.28ミリモル)と一緒に1時間還流下で加熱する。処理を実施例10の方法と同様にして実施しそして無色のフォーム状物質として標記化合物364mgを得た。
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 9:1)=0.74、
MS(FAB):578(M+H)。
【0069】
実施例13
1−〔(2′−エトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルスルホニルイミダゾール−5−カルボン酸
【化19】
実施例12からの化合物120mg(0.2ミリモル)から出発して、実施例2の方法により標記化合物84mgを得た。
M.P.156〜159℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 9:1:0.2)=0.5、
MS(FAB):550(M+H)。
【0070】
実施例14
1−〔(2′−エチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化20】
実施例1(k)の方法によりイソシアン酸エチル34μl(0.42ミリモル)を使用した実施例1(j)からの化合物200mg(0.42ミリモル)の変換によって、標記化合物170mgを得た。
M.P.161〜162℃、
Rf(SiO2、EA)=0.43、
MS(FAB):545(M+H)。
【0071】
実施例15
1−〔(2′−エチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化21】
実施例2の方法によって、実施例14からの化合物61mg(0.11ミリモル)から出発して標記化合物56mgを得た。
M.P.131℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 10:1)=0.2、
MS(FAB):517(M+H)。
【0072】
実施例16
1−〔(2′−アリルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化22】
実施例1(k)の方法によりイソシアン酸アリル38μl(0.42ミリモル)を使用して実施例1(j)からの化合物200mg(0.42ミリモル)を変換して、標記化合物150mgを得た。
M.P.184℃、
Rf(SiO2、EA)=0.43、
MS(FAB):557(M+H)。
【0073】
実施例17
1−〔(2′−アリルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化23】
実施例16からの化合物60mg(0.1ミリモル)から出発して、実施例2の方法により標記化合物54mgを得た。
M.P.148℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 10:1)=0.3、
MS(FAB):529(M+H)。
【0074】
実施例18
1−〔(2′−メトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化24】
実施例1(j)からの化合物500mg(1.06ミリモル)を、ジエチレングリコールジメチルエーテル20ml中で、K2CO3 293mg(2.12ミリモル)、ジメチルジカーボネート106ml(1.06ミリモル)およびDMAP 53mgと一緒に2時間還流下で沸騰させる。溶剤を回転蒸発器中で除去し、残留物をEA/KH2PO4溶液で処理し、そして有機相を分離しそしてそれからNa2SO4上で乾燥した後、濃縮する。SiO2(EA/ヘプタン 2:1)上のクロマトグラフィー処理により、標記化合物225mgを得た。
M.P.146℃、
Rf(SiO2、EA)=0.37、
MS(FAB):532(M+H)。
【0075】
実施例19
1−〔(2′−メトキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化25】
実施例2の方法と同様にして実施例18からの化合物150mg(0.263ミリモル)を処理して、標記化合物110mgを得た。
M.P.131℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 10:1)=0.15、
MS(FAB):504(M+H)。
【0076】
実施例20
1−〔(2′−シクロプロピルメチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化26】
実施例1(j)からの化合物500mg(1.06ミリモル)を、無水のCH2Cl2 20ml中で、ジヒドロキシベンゾトリアゾリルカーボネート(70%強度)408mg(1.06ミリモル)およびピリジン85ml(1.06ミリモル)と一緒に、室温で2時間撹拌する。それから、反応溶液を、シクロプロピルメチルアミン塩酸塩114mg(1.06ミリモル)およびピリジン170ml(2.12ミリモル)と一緒に、再び2時間撹拌する。混合物を、回転蒸発器中で濃縮し、残留物をEAにとりそしてEA相をNaHCO3溶液およびNaHSO4溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥しそして濃縮する。SiO2(EA/ヘプタン 1:3)上でクロマトグラフィー処理して、標記化合物72mgを得た。
M.P.125℃、
Rf(SiO2、EA)=0.47
MS(FAB):571(M+H)。
【0077】
実施例21
1−〔(2′−シクロプロピルメチルアミノカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化27】
実施例2と同様に実施例20からの化合物45mg(0.08ミリモル)を加水分解して、標記化合物34mgを得た。
M.P.138℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 9:1)=0.1、
MS(FAB):543(M+H)。
【0078】
実施例22
1−〔(2′−プロピルオキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化28】
実施例3と同様にして、クロロギ酸プロピル70ml(0.63ミリモル)で実施例1(j)からの化合物200mg(0.42ミリモル)を変換して、SiO2(EA/ヘプタン 2:1)上のクロマトグラフィー処理後標記化合物200mgを得た。
M.P.144℃、
Rf(SiO2、EA)=0.54、
MS(FAB):560(M+H)。
【0079】
実施例23
1−〔(2′−プロピルオキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化29】
この化合物は、実施例2の方法によって実施例22の化合物から得られた。
M.P.124℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 10:1)=0.1、
MS(FAB):532(M+H)。
【0080】
実施例24
1−〔(2′−ベンジルオキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボキシレート
【化30】
実施例3と同様にしてクロロギ酸ベンジル89μl(0.633ミリモル)を使用して実施例1(j)からの化合物200mg(0.42ミリモル)を変換して、SiO2(EA/ヘプタン 2:1)上のクロマトグラフィー処理後標記化合物250mgを得た。
M.P.158℃、
Rf(SiO2、EA)=0.55、
MS(FAB):608(M+H)。
【0081】
実施例25
1−〔(2′−ベンジルオキシカルボニルアミノスルホニルビフェニル−4−イル)メチル〕−2−n−プロピル−4−メチルチオイミダゾール−5−カルボン酸
【化31】
標記化合物は、実施例2の方法によって実施例24の化合物から得られた。
M.P.115℃、
Rf(SiO2、CH2Cl2/MeOH 15:1)=0.1、
MS(FAB):580(M+H)。
Claims (6)
- 式(I)
上記式において、各記号は次の意義を有する。
(a) R1は、(C1〜C3)−アルキルであり、
(b) R2は、1.(C1〜C6)−アルキル、
2.(C3〜C7)−シクロアルキル、
3.フェニルまたは
4.ベンジルであり、
(c) R3は、1.水素、
2.CH2OR5、
3.CO−R6または
4.O−R7であり、
(d) R4は、1.SO2NR7R8、
2.SO2−NR8−CO−NR7R9、
3.SO2−NH−COO−R7、
4.SO2−NH−SO2−NR7R9、
5.SO2−NH−CO−R7、
6.SO2−NH−SO2−R7または
7.SO2N=CH−N(CH3)2であり、
(e) R5は、1.水素または
2.(C1〜C6)−アルキルであり、
(f) R6は、1.水素または
2.OR7であり、
(g) R7およびR9は、同一または異なり、そして
1.水素、
2.(C1〜C6)−アルキル、
3.(C3〜C8)−シクロアルキル、
4.(C3〜C6)−シクロアルキル−(C1〜C3)−アルキル、
5.(C6〜C12)−アリール、好ましくはフェニル、
6.(C6〜C10)−アリール−(C1〜C4)−アルキル、
7.部分的または完全に水素添加されていてもよい(C1〜C9)−ヘテロアリール、
8.(C1〜C9)−ヘテロアリール−(C1〜C3)−アルキル(ヘテロアリール部分は部分的または完全に水素添加されていてもよい)、
9.ハロゲン、ヒドロキシル、(C1〜C4)−アルキル、メトキシ、ニトロおよびシアノからなる系からの1個または2個の同一または異なる基により置換された5、6、7および8において上述したように定義された基、
10.(C2〜C6)−アルケニルまたは(C3〜C6)−アルケノイル、
11.(C3〜C8)−シクロアルケニル、
12.(C3〜C8)−シクロアルケニル−(C1〜C3)−アルキル、
13.(C6〜C10)−アリール−(C3〜C6)−アルケニル、
14.(C1〜C9)−ヘテロアリール−(C3〜C6)−アルケニルおよび
15.(C3〜C6)−アルキニルであり、
(h) R8は水素であり、
(i) nは0、1または2である。 - 式(I)において、R1がエチルまたはn−プロピルである請求項1記載の化合物またはその生理学的に許容し得る塩。
- 式(I)において、R1がn−プロピルである請求項1記載の化合物またはその生理学的に許容し得る塩。
- 式(I)において、
R2が(C1〜C6)−アルキルであり、
R3がCOR6であり、
nが0に等しく、
R4がSO2−NH−CO−OR7、SO2−NHCO−NHR7またはSO2−NH−CO−R7であり、
R6が水素またはOR7でありそして
R7が水素または(C1〜C6)−アルキルに等しいものである請求項1〜3の何れかの項記載の化合物およびその生理学的に許容し得る塩。 - 式(II)
- 請求項1〜4の何れかの項記載の化合物からなる高血圧治療剤。
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