JP3542474B2 - シート処理装置及びこれを備える画像形成装置 - Google Patents

シート処理装置及びこれを備える画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート処理装置に係り、詳細には、例えば、画像形成装置によって画像形成されたシートの綴じ操作等のシート処理を行うシート処理装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置としての複写機により画像を形成されたシートを、複数枚のコピー部数ごとに処理トレイ上でシートを整合したのち、ステイプル等のシート処理を行い、複数の積載トレイに排出するフィニッシャーと呼ばれるシート処理装置がある。
【0003】
このシート処理装置では、複数の積載トレイがあって、1対のラック上を上下方向に独立して複数のシート排出口に移動可能で、各排出口下方にそれぞれ配置された積載トレイ面、もしくは積載シート上面を検知する検知手段により、積載トレイを常に一定位置に停止させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、2つの排出口の上方の排出口から積載できる積載量には、下方の排出口にまで、積載トレイが移動してこないように制限を設けている。
【0005】
上記の上方の排出口から、ある一定のシートを上方の積載トレイに積載すると、シート上面検出手段により、常に一定位置を保っている下方側の積載トレイに積載されたシートを、ジョブ終了後に取り除く際、上方の積載トレイが邪魔でシートが取りにくく、かつ、2つのトレイ間隔が狭いため、下方のトレイに積載されているシートが、上方のトレイに邪魔されて見えにくいという問題があった。そこで、本発明は、積載トレイのシートを取り除き易く、かつ、出力シート全体が確認しやすくしたシート処理装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、排出されるシートを積載可能で上下方向に配置された複数の積載トレイと、該積載トレイをそれぞれ上下動に移動させる複数の駆動手段と、前記積載トレイへシートを排出するための少なくとも1つのシート排出手段と、該シート排出手段の下方の所定位置に配置されていて、前記シート積載手段の上面又は該シート積載手段上に排出されたシートの上面を検知するシート面検知手段と、該シート面検知手段の検知に基づいて前記シート積載手段の上下方向の位置を制御する制御手段と、を備え、前記シート積載手段へのシートの排出終了後、シートを積載したシート積載手段の上方のシート積載手段を上方へ移動させてシートを積載したシート積載手段とその上方のシート積載手段との間隔を拡開させることを特徴とする。
【0008】
請求項に係る発明は、排出されるシートを積載可能で上下方向に配置された複数の積載トレイと、該積載トレイをそれぞれ上下動に移動させる複数の駆動手段と、前記積載トレイへシートを排出するための複数のシート排出手段と、該シート排出手段の下方の所定位置に配置されていて、前記シート積載手段又は該シート積載手段上に排出されたシートの上面を検知するシート面検知手段と、該シート面検知手段の検知に基づいて前記シート積載手段の上下方向の位置を制御する制御手段と、を備え、前記シート積載手段へのシートの排出前に、シートを排出すべきシート積載手段の上方のシート積載手段をあらかじめ上昇させてシート積載手段間を拡開することを特徴とする。
【0009】
[作用]
以上構成に基づき、上下方向に配設されて上下動可能なシート積載手段のうち、下方のシート積載手段へのシートの排出が終了すると、排出完了のシートを積載したシート積載手段と、その上方のシート積載手段との間隔は拡開される。これにより、シート積載手段上のシートの視認性が良くなると共に、積載後のシートの取り出し等の取り扱いが容易となる。
【0010】
また、下方のシート積載手段にシートを積載する場合、シートの積載の開始前にあらかじめ上方のシート積載手段を上昇させて、上下のシート積載手段の間隔を拡開させてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面に沿って、本発明に係るシート処理装置及びこれを備えた画像形成装置の一例として、ステイプラ及びパンチを装備したシート処理装置と、これを電子写真複写機に接続して設けた場合の一実施形態を具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明に係るシート処理装置の構成を示す断面説明図、図2はシート処理装置が接続可能な画像形成装置としての電子写真複写機の縦断正面図である。
【0013】
図1において、1は画像形成装置本体300に接続された本発明に係るシート処理装置(フィニッシャー)であり、画像形成装置本体300の上部には循環式原稿給送装置(RDF)305が搭載されている。
【0014】
画像形成装置本体300は、図2に示すように、循環式原稿給送装置305により原稿が自動的に送られて画像読取部306により画像が読み取られる。そして、読み取った画像情報に応じて、図示しないコントローラによりレーザ発振器に信号が送られ、レーザ光が発せられる。
【0015】
次に、このレーザ光は、回転しているポリゴンミラー309に反射して、さらに反射ミラー310により再び折り返して、表面が一様に帯電された画像形成手段となる電子写真感光体ドラム312上に照射され、静電潜像が形成される。感光体ドラム312上の静電潜像は、現像器311により現像された後、紙やOHPシート等で構成されるシートP上にトナ一画像として転写される。
【0016】
シートPは、シート給送手段を構成するピックアップローラ313により、シートカセット351,352から適宜選択的に繰り出され、分離手段307により分離されて1枚ずつ給送され、レジ前ローラ対316,317によりレジストローラ対314,315まで搬送され、このレジストローラ対314,315により斜行が矯正されて、感光体ドラム312の回転に同期して、感光体ドラム312とこれに対向する転写装置との間に搬送される。この際に、前記転写装置の作用により、感光体ドラム312に形成されたトナー画像がシートPに転写される。
【0017】
その後、シートPは、定着ローラ対301,302に導かれ、この定着ローラ対301,302により加熱及び加圧処理されて、シートPに転写されたトナー画像が永久定着される。定着ローラ対301,302には、それぞれ定着上分離爪303、定着下分離爪304が接しており、これによりシートPは定着ローラ対301,302から分離される。
【0018】
分離されたシートPは、排出ローラ対(排出手段)399により画像形成装置本体300の外部へと搬送され、この画像形成装置本体300に接続されたシート処理装置1に導かれる。
【0019】
図1において、399は画像形成装置本体300の排出ローラ対であり、2はシート処理装置1の入口ローラ対である。画像形成装置本体300の排出ローラ対399により、この画像形成装置本体300から排出されたシートPは、シート処理装置1の入口ローラ対2に受け渡されてシート処理装置1の内部に導かれる。
【0020】
3は入口ローラ対2により搬送されたシートPをパンチユニット50に導く搬送ローラ対であり、31は入口ローラ対2により搬送されたシートPを検知するシート検知センサである。パンチユニット50は、搬送されてきたシートPの端部付近に孔あけをするためのものである。
【0021】
5は複数のシートPを重ねて巻き付け、シート束として搬送可能なシート搬送手段となる大径の搬送ローラからなるバッファローラであり、このバッファローラ5と、このバッファローラ5に圧接された搬送コロ12,13,14とによりシートP束を一体的に挟持して搬送する。
【0022】
10,11は切り換えフラッパであり、切り換えフラッパ11はノンソートパス21とソートパス22との切り換えを行い、切り換えフラッパ10はソートパス22とシートPを一時貯えるためのバッファパス23との切り換えを行う。
【0023】
6はソートパス22に設けられた搬送ローラ対であり、130はシート載置手段としての処理トレイである。この処理トレイ130は、シートPを一時的に集積し、整合、ステイプルを行うための中間トレイとして構成されている。7は処理トレイ130上にシートPを排出するためのシート排出手段としての排出ローラ対である。
【0024】
150は揺動ガイドであり、この揺動ガイド150が閉鎖位置に来た時にこの揺動ガイド150に回転可能に支持された束排出ローラ180bと、処理トレイ130に回転可能に支持された束排出ローラ180aとが協働して、処理トレイ130上のシートPを束搬送して、スタックトレイ200上に束排出する。
【0025】
次に、処理手段となるステイプルユニット100について図3〜図5を用いて説明する。
【0026】
同図において、ステイプラ101は、ホルダ102を介して移動台103に固定されている。移動台103に回転可能に支持された軸104には、それぞれコロ106,107が回転自在に組み付けられ、このコロ106,107は固定台108に形成された穴状のレール108a,108b,108cに嵌合している。
【0027】
コロ106,107は、共に固定台108のレール108a,108b,108cの穴よりも大きなフランジ106a,107aを有している。一方、移動台103の下方には、3ヶ所に支持コロl09が配設されている。これにより、ステイプラ101を支持する移動台103は、レール108a,108b,108cから外れることなく、このレール108a,108b,108cに沿って固定台108の上を移動可能になっている。
【0028】
レール108a,108b,108cは、図4に示すように、シート処理装置1の手前側(図4の下側)と奥側(図4の上側)において、途中から分岐され、並行する2本のレール108a,108b及びレール108a,108cからなる。このレール108a,108b,108cの形状により、ステイプラ101が手前側(図4の下側)に位置する時は、コロ106がレール108b側に、コロ107がレール108a側にそれぞれ嵌合されて、図4の下側に示すように、ステイプラ101が傾いた状態(位置120参照)となる。
【0029】
そして、ステイプラ101が中央部に位置する時は、コロ106,107が共にレール108aに嵌合されてシートPの後端に対して平行状態になる(図4の位置121参照)。さらに、ステイプラ101が奥側(図4の上側)に位置する時はコロ106がレール108a側に、コロ107がレール108c側にそれぞれ嵌合されて図4の上側に示すようにステイプラ101が手前側とは逆方向に傾いた状態(位置122参照)となる。
【0030】
2つのコロ106,107が平行な2本のレール108aとレール108b,108cとにそれぞれ嵌合された後は、その姿勢を保って移動するようになっており、レール108aとレール108b,108cとの分岐点で、ステイプラ101の向きを変える際には、図示しないカムが作用してステイプラ101の向きを変更するようになっている。
【0031】
次に、ステイプラ101の移動機構について説明する。
【0032】
図3及び図5に示すように、移動台103の一方のコロ106の軸104にはピニオンギア106b、ベルトプーリ106cが同軸上に固定されている。ベルトプーリ106cは、このベルトプーリ106cに張架されたベルト105を介して、モータ110の駆動軸と一体のプーリに連結されており、上記モータ110は、移動台103の上部に固定されている。
【0033】
一方、固定台108の下面には、レール108a,108b,108cに沿ってラックギア114が設けてあり、前記ピニオンギア106bがこのラックギア114に噛合している。そして、前記モータ110が正逆転することでピニオンギア106bがラックギア114に沿って移動し、これによって、移動台103がステイプラ101と共に、図4において上下方向に移動する。
【0034】
また、図3及び図4に示すように、移動台103の下面方向に伸びる軸111には、ストッパ倒しコロ112が配設されている。このストッパ倒しコロ112は、詳しくは、後述する処理トレイ130の後端ストッパ131とステイプラ101との衝突を回避するために、このストッパ倒しコロ112により後端ストッパ131を回動させて退避させるものである。
【0035】
なお、ステイプルユニット100には、ステイプラ101のホームポジションを検知するセンサが設けられており、通常、ステイプラ101はホームポジション(本実施形態では図4に示す位置121)にて待機している。
【0036】
次に、処理トレイ130上に載置されたシートPの後端を支持する後端ストッパ131について、図3及び図6を用いて説明する。
【0037】
後端ストッパ131は、処理トレイ130のシート載置面に対して垂直に起立していてシートPの後端を支持する支持面131aを有し、さらに、処理トレイ130に設けられた丸穴に嵌合して揺動するためのピン131bと、後述する連結リンク133と嵌合するためのピン131cとを有している。
【0038】
後端ストッパ131を回動退避するリンク機構は、移動台103に組み付けられたストッパ倒しコロ112が当接して押圧されるカム面132aを有する主リンク132と、この主リンク132の上端に配設されたピン132bと後端ストッパ131のピン131cとを連結する連結リンク133とにより構成される。なお、主リンク132は、図示しないフレームに固定されたシャフト134を支点として揺動可能に構成され、この主リンク132の下端にはシャフト134を中心にしてこの主リンク132を図3の時計回り方向に付勢する引っ張りバネ135が設けられており、一方、主リンク132は突き当て板136により係止されて位置決めされるようになっているため、通常、後端ストッパ131は処理トレイ130に対して垂直に起立した姿勢を保つようになっている。
【0039】
そして、ステイプラ101を搭載した移動台103が移動すると、図3の破線で示すように、ステイプラ101と干渉関係になる後端ストッパ131に連結リンク133を介して連結された主リンク132のカム面132aに、移動台103に設けられたストッパ倒しコロ112が当接して主リンク132をシャフト134を中心に回動させて押し倒し、後端ストッパ131は連結リンク133を介して引っ張られて、ステイプラ101と干渉しない位置まで回動されて退避する。
【0040】
ストッパ倒しコロ112は、ステイプラ101が移動している間、後端ストッパ131がこの退避位置を保持するように複数個設けられている。本実施形態では、図4に示すようにストッパ倒しコロ112が3個設けられている。
【0041】
そして、ステイプラ101を支持するホルダ102の両側面には、後端ストッパ131の支持面131aと同一形状の支持面を有するステイプラストッパ113(図3の2点鎖線)が設けられており、ステイプラ101が中央部でシートPの後端に対して平行な状態で後端ストッパ131を押し倒して退避させても、このステイプラストッパ113によりシートPの後端が支持される。
【0042】
次に、処理トレイユニット129の構成について、図6〜図8を用いて説明する。
【0043】
処理トレイユニット129は、画像形成装置本体300からのシートPを搬送する搬送部と、処理トレイ130で処理されたシートP束を受け取り収容するスタックトレイ200との間に配設されている。
【0044】
そして、処理トレイユニット129は、処理トレイ130、後端ストッパ131、整合手段140、揺動ガイド150、引き込みパドル160、出没トレイ170、束排出ローラ対180a,180bを有して構成されている。
【0045】
処理トレイ130は、図6に示すように、シート搬送方向下流側(図6の左側)を上方に、シート搬送方向上流側(図6の右側)を下方にした傾斜トレイであり、下方の端部には、前述した後端ストッパ131が設けられている。
【0046】
排出ローラ対7により排出されたシートPは、自重及び後述する引き込みパドル160の作用により、シートPの後端が後端ストッパ131に当接するまで処理トレイ130上を滑走する。
【0047】
また、処理トレイ130の上方端部には束排出ローラ180aが、また、後述する揺動ガイド150には、この束排出ローラ180aと当接する束排出ローラ180bがそれぞれ設けられ、モータ181からの駆動を受けて正逆回転可能となっている。
【0048】
次に、整合手段140について図6及び図7を用いて説明する。
【0049】
整合手段140は、手前側と奥側の整合部材141,142がそれぞれ独立してシート搬送方向と直交する方向(幅方向)に移動可能な構成となっている。整合手段140を構成する整合部材141,142には、処理トレイ130上に起立した状態でシートPの両側端に当接して規制する整合面141a,142aと、この整合面141a,142aから垂直に折れ曲がり、シートPの下面を支持する支持面141b,142bと、処理トレイ130幅方向に延びるラックギア141c,142cとが設けてある。
【0050】
整合部材141,142は、それぞれ処理トレイ130の幅方向に延びて形成されたガイド145に支持され、整合面141a,142aが処理トレイ130の上部に位置し、かつラックギア141c,142cが処理トレイ130の下部に配置されるように組み付けられている。
【0051】
そして、それぞれのラックギア141c,142cには、別々のピニオンギア143,144が噛合しており、このピニオンギア143,144は、図示しないプーリ、ベルト等を介して、それぞれモータ146,147と連結されている。
【0052】
これにより、モータ146,147の正逆転でピニオンギア143,144が回転し、このピニオンギア143,144にそれぞれ噛合しているラックギア141c,142cが移動して、整合部材141,142がシートPの幅方向に移動する。
【0053】
なお、それぞれの整合部材141,142には、ホームポジションを検知する図示しないセンサが設けられており、通常、整合部材141,142はホームポジションにおいて待機している。本実施形態では、整合部材141,142のホームポジションは、手前側の整合部材が最手前側、奥側の整合部材が最奥側に設定されている。
【0054】
揺動ガイド150は、シート搬送方向下流側(図6の左側)に、おいて束排出ローラ180bを回転可能に支持し、シート搬送方向上流側(図6の右側)は、揺動支点軸151を中心に揺動可能に支持されている。
【0055】
揺動ガイド150は、通常1枚ずつのシートPが処理トレイ130に排出される際には、図6の実線で示すように束排出ローラ対180a,180bが離間した開放状態にあって、シートPの処理トレイ130への排出、落下、整合動作の支障になることはなく、処理トレイ130からスタックトレイ200ヘシートP束を束排出する際には、図6の2点鎖線で示すように、束排出ローラ対180a,180bが圧接するような閉鎖状態に移動する。
【0056】
図6に示すように、揺動ガイド150の側面に対応した位置に、回転カム152が設けられており、この回転カム152が回動して揺動ガイド150の側面に当接し、この側面を押し上げると、揺動ガイド150は揺動支点軸151を中心に揺動しながら開放され、この状態から回転カム152が180°回動して揺動ガイド150の側面から離間すると、揺動ガイド150が閉鎖される。
【0057】
回転カム152の回転駆動は、図示しない駆動系を介して連結されたモータ153により行われる。また、揺動ガイド150は、閉鎖状態がホームポジションとされ、このホームポジションを検知する図示しないセンサが設けられている。次に、引き込みパドル160について図6を用いて説明する。
【0058】
引き込みパドル160は、パドル軸161に対して固定されており、このパドル軸161は、前後側板に対して回転自在に支持されている。パドル軸161は、モータ162に連結されており、モータ162からの駆動を受けると、引き込みパドル160は、パドル軸161と一体的にこのパドル軸161を中心にして図6の反時計方向に回動する。
【0059】
引き込みパドル160のパドル軸161を中心として回動する際のシート搬送方向の長さは、処理トレイ130に達するまでの距離よりも若干長く設定されており、引き込みパドル160のホームポジションは、排出ローラ対7により処理トレイ130上に排出されるシートPに当接することのない位置(図6の実線位置)に設定されている。
【0060】
この状態で、シートPの排出が完了し、シートPが処理ドレイ130上に着地すると、引き込みパドル160は、モータ162の駆動を受けてパドル軸161を中心にして図6の反時計方向に回動し、シートPを後端ストッパ131に当接するまで引き込む。その後、所定時間待って、引き込みパドル160はホームポジションで停止し、次のシートPの排出に備える。
【0061】
次に、出没トレイ170について図6及び図8を用いて説明する。
【0062】
出没トレイ170は、束排出ローラ180aの下側に位置し、処理トレイ130の傾斜に略沿いながら図6の矢印a方向(シート搬送方向)に進退する。出没トレイ170は、図6の2点鎖線で示す突出状態では、先端がスタックトレイ200側へ重なり出ており、図6の実線で示す退避状態では、先端が束排出ローラ180aよりも図6の右側に退避する。
【0063】
出没トレイ170のシート搬送方向の長さは、突出状態での先端位置に対し、処理トレイ130へ排出されたシートPの重心が超えないように設定されている。
【0064】
図8に示すように、出没トレイ170は、フレーム171に固定されたレール172に支持されており、このレール172に沿ってシート排出方向に移動可能になっている。
【0065】
また、軸174を中心に回転する回転リンク173が、出没トレイ170の下面に設けられた溝175に係合されており、回転リンク173の1回転で出没トレイ170は、上述のように進退動作を行うようになっている。回転リンク173の駆動は、図示しない駆動機構を介してモータ176により回転駆動される。出没トレイ170のホームポジションは、図6の実線で示す退避位置に設定され、このホームポジションは、図示しないセンサにより検知される。
【0066】
次に、スタックトレイ200とサンプルトレイ201との構成について、図9及び図10を用いて説明する。
【0067】
2つ設けられたスタックトレイ200とサンプルトレイ201とは、シートPの排出状況により使い分けられるようになっており、下方に配置されたスタックトレイ200は、コピー出力、プリンタ出力等を受け取る時に選択して使用され、上方に配置されたサンプルトレイ201は、サンプル出力、割り込み出力、スタックトレイ200での積載量のオーバーフロー時の出力、ファンクション仕分出力、ジョブ混載時出力等を受け取る時に選択して使用される。
【0068】
この2つのトレイ200,201は、図9に示すように、両方とも独立して上下方向に自走可能なように、それぞれ独立したステッピングモータ202を有し、シート処理装置1のフレーム250に上下方向に取り付けられたコロ受けを兼ねるラック210に取り付けられている。また、規制部材215により、トレイ200,201の手前側及び奥側のガタが規制されている。
【0069】
トレイ200,201の構成は、それぞれのトレイベースプレート211にステッピングモータ202がそれぞれ取り付けられ、このステッピングモータ202の出力軸上に圧入されているプーリ216からの回転駆動力は、タイミングベルト212によってプーリ203に伝達される。
【0070】
プーリ203に平行ピンで連結された軸213は、同じく平行ピンでこの軸213に連結されたラチェットギア205に回転駆動力を伝達し、ラチェットギア205は、ばね206によりアイドラギア204に付勢されている。これにより、ラチェットギア205がアイドラギア204に噛合して、回転駆動力が伝達される。
【0071】
トレイ200,201を、手前側と奥側でラック210に対して均一な駆動力が伝達されるように、軸208の両端に固定された1対のギア207の一方に前記アイドラギア204が噛合されており、前記ギア207にギア209が噛合してこのギア209はラック210のギア部に噛合している。
【0072】
トレイ200,201の固定は、片側に上下に2個ずつ配置されたコロ214が、コロ受けを兼ねるラック210の内部に納まって、このラック210に沿って回転自在に移動可能に構成されている。また、各トレイ200,201は、トレイベースプレート211の上に取り付けられて、トレイユニットを構成している。
【0073】
上記構成により、スタックトレイ200及びサンプルトレイ201は、ステッピングモータ202、プーリ216、タイミングベルト212、プーリ203、軸213、ラチェットギア205、アイドラギア204、ギア207、軸抑8及びギア209等の駆動伝達機構と一体的にラック210に沿って上下方向にそれぞれ独立して移動する。
【0074】
また、トレイ200,201の降下時に異物を挟んで駆動系が破損しないように、前記ラチェットギア205は、トレイ200,201が持ち上がる方向に移動する時に所定のトルク以上のトルクが加わった時、ばね206の押圧力に抗してこのばね206を押し退け空転するようになっている。
【0075】
この空転を行った時、直ちにステッピングモータ202の駆動を停止させるためのセンサ217がアイドラギア204に組み込まれたスリットを検知するようになっている。このセンサ217は、通常時には、ステッピングモータ202の脱調検知としても使用している。
【0076】
また、開口部を有する処理トレイ130を上下に横断可能なように、揺動ガイド150が閉鎖位置の時、この揺動ガイド150がトレイ200,201のシートPの載置壁の一部になっており、揺動ガイド150が閉鎖位置にあることを図示しないセンサが検知している時のみ、トレイ200,201が上下に移動可能になっている。
【0077】
図9に示すセンサ219は、エリア検知用センサであり、トレイ200,201の上昇し過ぎを止めるための、図10に示す上限センサ219aから処理トレイ130用のシート面検知センサ221までのエリアのフラグを検知する。
【0078】
サンプルトレイ201上に積載したシートPが1000枚の時のシート面の位置を検知するセンサ219bは、ノンソート用のシート面検知センサ220からシートPの積載量が1000枚相当の位置に配置され、サンプルトレイ201のシートPの積載量を高さで制限するためのものである。
【0079】
また、センサ219cは、サンプルトレイ201が処理トレイ130からシートPを受け取る時のこのシートPの積載量を高さで制限するためのものであり、処理トレイ130用のシート面検知センサ221からシートPの積載量が1000枚相当の位置に配置されている。
【0080】
センサ219dは、スタックトレイ200が処理トレイ130からシートPを受け取る時のこのシートPの積載量を高さで制限するためのものであり、処理トレイ130用のシート面検知センサ221からシートPの積載量が2000枚相当の位置に配置されている。
【0081】
センサ219eは、スタックトレイ200の下がり過ぎを防止する下限センサである。上記センサのうち、シート面検知センサ220,221のみ手前側と奥側に配置された光透過センサである。また、各トレイ200,201には、シート有無検知センサ222が配置されている。
【0082】
また、シート面を検知する方法として、各シート面検知センサ220,221の下方からこのシート面検知センサ220,221の光軸をシートPが覆うまでトレイ200,201を上昇した状態がイニシャル状態で、トレイ200,201上にシートPを積載した後、シート面検知センサ220,221の光軸が現れるまでこのトレイ200,201を降下させ、その後、再びシート面検知センサ220,221の光軸をシートPが覆うまでトレイ200,201を上昇させる動作を繰り返す。
【0083】
次に、パンチユニット50の構成について図13〜図17を用いて説明する。
【0084】
パンチユニット50は、穿孔手段60と横レジ検知手段80とを有している。穿孔手段60には、パンチ61とダイス62とがそれぞれケーシング63に軸支され、このパンチ61とダイス62のそれぞれの支軸72,73の一端に固定されたギア64,65が互いに噛合し、ギア65にパンチ駆動モータ66の出力軸に設けられたギア74が噛合している。そして、パンチ駆動モータ66の回転駆動により、パンチ61とダイス62とは、図13及び図14の矢印b,c方向に同期して回転可能に構成されている。
【0085】
通常は、パンチ61とダイス62とは、図13に示すホームポジション位置にある。そして、搬送ローラ対3よりもシート搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という)に配置されたシート検知センサ31が、シートPの後端を検知した後、所定のタイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダィス62とは、図13の矢印b,c方向にそれぞれ回転し、図14に示すように、シートPの端部周辺の所定位置に対応する位置で、パンチ61がダイス62に設けられたダイス孔62aに噛み合い、搬送中のシートPに穿孔する。
【0086】
この際、パンチ61とダイス62との支軸72,73を中心とする回転速度を、搬送ローラ対3の回転速度と一致させることで、搬送中のシートPに穿孔することが可能となる。
【0087】
図13及び図14において、67は穿孔手段60をシートPの搬送方向(図13及び図14の矢印d方向)と直交する方向に移動させるための1対のガイド部であり、68はガイド部67と当接して回転するコロである。コロ68は、コロ軸69によりケーシング63にカシメられている。
【0088】
図16及び図17において、63aは、ケーシング63の一部に形成されたラックギアであり、穿孔手段移動モータM70に設けられたピニオンギア70と噛合している。71はシートPの搬送方向と平行に設けられた受光部71aを有する穿孔手段イニシャル位置検知センサであり、ケーシング63に取り付けられている。
【0089】
このため、前記穿孔手段移動モータM70の駆動により穿孔手段60はシートPの搬送方向と直交する方向(図16及び図17の矢印e,f方向)に移動可能となっている。穿孔手段イニシャル位置検知センサ71を、図16及び図17の矢印f方向に移動することにより、シート処理装置1の本体フレームに設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52を受光部71aにより検知できる。ここで、穿孔手段イニシャル位置は、シートPの斜行や横レジのずれ量に相当するシート基準位置の数mm手前とする。
【0090】
横レジ検知手段80は、穿孔手段60に取り付けられている。横レジ検知手段80には、シートPの搬送方向と平行に設けられた受光部81aを有し、シートPの側端部を検知する横レジ検知センサ81が、センサアーム82の先端に取り付けられている。
【0091】
センサアーム82は、その一部にラックギア82aが形成されており、ケーシング63に取り付けられた横レジ移動モータM83に設けられたピニオンギア83と噛合している。また、センサアーム82の後端には受光部81aと平行に設けられた受光部84aを有する横レジイニシャル位置検知センサ84が取り付けられている。
【0092】
このため、前記横レジ移動モータの駆動M83により横レジ検知センサ81、横レジイニシャル位置検知センサ84は、シートPの搬送方向と直交する方向である図16及び図17の矢印e,f方向に移動可能に構成されている。
【0093】
横レジイニシャル位置検知センサ84を、図16及び図17の矢印f方向に移動することにより、ケーシング63に設けた横レジイニシャル位置規定部63bを受光部84aにより検知できる。また、横レジ検知センサ81を、図16及び図17の矢印e方向に移動することにより、選択されたシートPのサイズに対応する位置に横レジ検知センサ81をセットできる。
【0094】
ここで、シートPの側端部を検知する際は、シート検知センサ31がシートPの先端を検知した後、所定タイミングで穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60及び横レジ検知センサ81を図16及び図17の矢印e方向に移動し、横レジ検知センサ81の受光部81aがシートPの側端部によって遮られることで、シートPの端部位置を検知して停止する。このため、穿孔手段60の穿孔位置を、シートPの端部に揃えることが可能になる。
【0095】
次に、図18〜図27を用いてシート処理装置1におけるシートPの流れについて説明する。
【0096】
先ず、ユーザが画像形成装置本体300の図示しない操作部で、ノンソートモードを指定した時の動作について説明する。ユーザが循環式原稿搬送装置305に原稿をセットし、図示しないスタートキーをONすることで、画像形成装置本体300においてシートPに画像が形成され、図18に示すように、シート処理装置1の入口ローラ対2、搬送ローラ対3及びバッファローラ5が回転し、画像形成装置本体300の排出ローラ対399から出力されたシートPは、シート処理装置1に導かれて搬送される。
【0097】
切り換えフラッパ11は、図示しないソレノイドの働きにより図18に示す位置に回動し、シートPをノンソートパス21に搬送する。センサ33でシートPの後端を検知したら、排出ローラ対9はサンプルトレイ201上へのシートの載置に適した速度で回転し、シートPをサンプルトレイ201上に排出載置する。
【0098】
次に、ユーザがステイプルソートモードを指定した時の動作について説明する。
【0099】
ユーザが循環式原稿搬送装置305に原稿をセットし、図示しないスタートキーをONして画像形成装置本体300においてシートPに画像が形成され、図19に示すように、シート処理装置1の入口ローラ対2、搬送ローラ対3及びバッファローラ5が回転し、画像形成装置本体300の排出ローラ対399から出力されたシートPはシート処理装置1に導かれて搬送される。
【0100】
この時、切り換えフラッパ10,11は図19に示す位置で停止しており、バッファローラ5と搬送コロ12,13により搬送されたシートPは切り換えフラッパ11によりソートパス22に導かれ、バッファローラ5と搬送コロ14及び搬送ローラ対6、排出ローラ対7により処理トレイ130上に排出される。
【0101】
この時、出没トレイ170は突出位置にあるため、排出ローラ対7によりシートPを排出した際に、このシートPの先端が垂れ下がって戻り不良になるのを防止すると共に、処理トレイ130上でのシートPの整列性を高めている。
【0102】
排出されたシートPは、自重により後端ストッパ131へ移動し始め、加えてホームポジションで停止していた引き込みパドル160は、モータ162の駆動を受けて図6の反時計方向に回転し、前記シートPの後端ストッパ131方向への移動を助長する。
【0103】
シートPの後端が、後端ストッパ131に確実に当接して停止すると、引き込みパドル160の回転も停止され、後述する整合部材141,142が後端ストッパ131上に排出されたシートPを整合する。
【0104】
そして、シートP束の1部目のシートPが、全て処理トレイ130上に排出されて整合されたら、図20に示すように、揺動ガイド150が下降して束排出ローラ180bがシートP束上に当接し、ステイプラ101がこのシートP束をステイプルする。
【0105】
一方、その間に画像形成装置本体300から排出されてきた2部目のシートP束を構成する1枚目のシートPlは、図20に示すように、切り換えフラッパ10の回動により、バッファパス23に導かれてバッファローラ5に巻き付けられ、センサ32から所定距離進んだところで停止する。
【0106】
そして、後続する2枚目のシートP2が、シート検知センサ31から所定距離進んだら、図21に示すように、バッファローラ5が回転し、同様に2枚目のシートP2もバッファパス23に導かれて、1枚目のシートP1よりも2枚目のシートP2の方が所定距離だけ先行するように重ね合わせ、図22に示すように、バッファローラ5に巻き付け、所定位置で停止する。
【0107】
一方、処理トレイ130上のシート束は、図22に示すように、スタックトレイ200上に束排出される。この時、出没トレイ170は、シート束をスタックトレイ200上に落下させるために、ホームポジションヘ移動される。
【0108】
次に、図23に示すように、3枚目のシートP3が所定位置に到達したら、バッファローラ5が回転し、同様に、このシートP3が前記2枚目のシートP2よりも所定距離だけ先行するように重ね合わせられる。そして、切り換えフラッパ10が図23に示す位置に回動して、1枚目のシートP1、2枚目のシートP2及び3枚目のシートP3の3枚のシート束を重ねた状態で、ソートパス22に搬送する。
【0109】
図24(a)に示すように、揺動ガイド150が下降したまま、束排出ローラ対180a,180bで3枚のシート束を受け取り、図24(b)に示すように、シート束の後端が排出ローラ対7を抜けたら、束排出ローラ対180a,180bを逆転し、シート束の後端が後端ストッパ131に当接する前に、図24(c)に示すように、揺動ガイド150は上昇し、束排出ローラ180bはシート束から離間する。
【0110】
4枚目以降のシートPは、前述した1部目のシート束の動作と同様に、ソートパス22を通って処理トレイ130上に排出される。また、3部目以降のシート束は、前述の2部目のシート束と同じ動作を行って、設定された部数分だけ順次スタックトレイ200上に積載し、動作を終了する。
【0111】
ここで、束排出ローラ対180a,180bのシート束の戻し角度は、図24(d)に示すように、水平に対する処理トレイ130の角度に対して大きくなるように配置されている。これは、3枚重ねられたシート束が、後端ストッパ131に当接する際に、この後端ストッパ131の根本部分に当接させることで、シートPの座屈を防止し、カールしたシートPでも整合し易くしている。また、後端ストッパ131に当接したシートPが跳ね返らないように、この後端ストッパ131に当接力吸収部材を取り付けてもよい。
【0112】
上記複数枚のシートPの重ね搬送において、各シートPは、シート搬送方向にオフセットされており、2枚目のシートP2は、1枚目のシートP1に対して、シート搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という)にオフセットし、3枚目のシートP3は、2枚目のシートP2に対して下流側にオフセットされている。
【0113】
各シートPのオフセット量と、揺動ガイド150の上昇タィミングは、束排出ローラ対180a,180bのシート束戻し速度によるシート束の移動時間に関係する。これは、画像形成装置本体300の処理能力によって決まり、本実施形態では、シートPの搬送速度が750〔mm/s〕、オフセット量Lbが約20〔mm〕、束排出ローラ対180a,180bによるシート束戻し速度が500〔mm/s〕において、束排出ローラ180bの離間位置は、シートPlが後端ストッパ131に当接する40〔mm〕以下(図24(d)のLa)の適当な値に到達したタイミングに応じ設定している。
【0114】
また、処理トレイ130とシートPとの間の摩擦係数は、シートP相互間の摩擦係数よりも小さく、且つ、平滑に構成されており、これにより、後端ストッパ131にシートPが当接する際に、最下位に位置する1枚目のシートP1が、処理トレイ130から受ける摩擦抵抗により、2枚目以降のシートP2に抜かされないようにすることができる。
【0115】
上記のようなバッファパス23部のバッファローラ5に、3枚のシートPを巻き付ける動作は、ステイプルモードでも2ヶ所綴じモード(図4の101bの位置及び図32参照)、あるいは、奥1ヶ所綴じモード(図4の101cの位置及び図33参照)の時であり、ステイプラ101のホームポジション(図4の101aの位置)からの移動距離が長かったり、ステイプル綴じ時間が長かったりして、トータルの処理時間が比較的長くかかる場合の動作である。
【0116】
これに対して、手前1ヶ所綴じモード(図4の101aの位置及び図34参照)なら、ステイプラ101の移動距離はなく、かつ、綴じ時間も短いため、上述したバッファパス23部のバッファローラ5には、シートPの巻き付け枚数は2枚で足りる。この際、手前1ヶ所綴じモードが指定されたら、前述と略同様にして、バッファローラ5でのシートPの巻き付けが2枚になるように動作させる。
【0117】
このように、画像形成装置本体300による出力シートPの搬送速度、シートP間相互の間隔と、シート処理装置1の各処理モードにおける処理時間(排出時間を含む)により、バッファパス23部のバッファローラ5に巻き付けられるシートPの枚数を、最小にするように構成している。
【0118】
次に、本発明の特徴の構成について、図36を用いて説明する。
【0119】
OHPシートのように、静電吸着力の大きいシートPでは、上述したように複数枚をバッファローラ5で重ねて巻き付けられると、処理トレイ130に排出した後、除電針によるシートPの表裏面を除電しても、シートPの搬送方向及び幅方向に整合不良が発生するため、画像形成装置本体300内の搬送経路上の所定位置に、光透過検知手段となる光透過型センサ308を配置し、OHPシートのような透明、また、は、半透明なシートPを検知している。
【0120】
これにより、前記光透過型センサ308により透明、または、半透明なシートPを各セットの先頭から巻き付け枚数分、即ち、2枚目若しくは3枚目までに検知すると、図36に示す制御手段となる制御部4が、バッファローラ5の駆動源となるモータ8の回転駆動、及び、切り換えフラッパ10,11の駆動を制御して、シート処理装置1は、バッファローラ5においてシートPの巻き付け動作を行わないようになっている。
【0121】
特に、光透過型センサ308により、透明または半透明であると検知されたシートPだけを、バッファローラ5において巻き付け動作を行わずに、1枚ずつ搬送するように制御すれば好ましい。
【0122】
次に、図25〜図27を用いてソートモードの説明を行う。
【0123】
先ず、ユーザが、原稿を循環式原稿給送装置305にセットし、図示しない操作部上でソートモードを指定して、図示しないスタートキーをONする。シート処理装置1の入口ローラ対2、搬送ローラ対3は、前述のステイプルソートモードと同様に図25に示すように回転し、画像形成装置本体300から出力されたシートPを処理トレイ130上に積載する。
【0124】
整合手段140が、処理トレイ130上のシートPを整合しながら、処理トレイ130上に少数枚シートを積載した後、図5に示すように、揺動ガイド150が下降してきて、少数枚のシート束を束搬送する。次に、送られてきたシートPは、切り換えフラッパ10によりバッファパス23に導かれ、前述のステイプルソートモードと同様に、バッファローラ5に巻き付けられ、シート束排出終了後の処理トレイ130上に排出される。
【0125】
この際、バッファローラ5に巻き付けられる枚数は、処理トレイ130上のシートPを排出するのに要する時間があればよいので、本実施形態では2枚としている。束排出する少数枚束の枚数は、実験により20枚以下であることが望ましい。
【0126】
この枚数については、{原稿枚数≧束排出する枚数≦20枚}を満足する枚数になるようにする。従って、プログラムを組む時に束排出する枚数を5枚と設定したら、原稿枚数が4枚の時は4枚ずつ束排出する。原稿枚数が5枚以上の場合、例えば、14枚の場合は、「5枚」+「5枚」+「4枚」に分けて夫々整合し、束排出する。
【0127】
この際、所定枚数ずつ束排出しているため、その都度バッファローラ5での巻き付けを行っているが、出力中のシートPが、上述した光透過型センサ308により、OHPシート等の透明または半透明なシートPであると検知されると、その都度、バッファローラ5でのシートPの巻き付けを行わないように、制御部4から画像形成装置本体300の制御部318に信号を伝達し、制御部318により画像形成装置本体300を一旦、停止させ、シートPを送り出す動作を停止させるようにしている。なお、前記制御部4と制御部318とは同一の制御部で構成しても良い。
【0128】
ここで、図28〜図31を用いて整合手段140による整合動作について説明する。
【0129】
先ず、処理トレイ130上に1枚もシートPが無い場合、つまり、そのジョブの最初のシート束(3枚)が排出される際には、ホームポジションで待機していた手前及び奥側の整合部材141,142は、予めそれぞれ排出されるシートPの幅に対して若干逃げた位置PS11,PS21に移動する(図28参照)。
【0130】
そして、前述のように、3枚のシート束が、後端を後端ストッパ131、下面を整合部材141,142の支持面141b,142bで支持されると、整合部材141,142は、図29に示す位置PS12,PS22に移動すると共に、シート束を第1整合位置190に移動させて整合する。
【0131】
その後、手前側の整合部材141は、次に排出されるシートPに備えて位置PS11に移動して待機し、シートPの排出が完了すると、再び位置PS12に移動してシートPを第1整合位置190において整合する。この時、奥側の整合部材142は位置PS22で停止し続け、基準としての役割を果たす。以上の動作がそのシート束の最終シートPまで続けられる。
【0132】
上記のように、シートPは整合動作されるため、図30に示すような移動中のシートPの側端部が、奥側の整合部材142の支持面142bの端部に衝突して座屈するようなことがない。
【0133】
整合が完了した1部目のシート束は、必要に応じてスティプラ101によりステイプルされ、前述のようにして束排出されて、スタックトレイ200へ移送される。
【0134】
続いて2部目のシート束(3枚)が処理トレイ130上へ排出されるが、この時、整合部材141,142は前述の1部目と同様に、図28に示す位置PS11,PS21で待機するが、整合位置は図31に示す第2整合位置191に移動する。第2整合位置191は、前記第1整合位置190に対して所定量Lcだけ奥側に位置する(図31参照)。
【0135】
以降、シート束毎に整合位置を互い違いに変えながら、スタックトレイ200上にシート束の積載が行われ、オフセット量Lcの仕分け積載が可能となる(図27参照)。
【0136】
上記オフセット量Lcは、ソートモード、スティプルモードで変化させても良く、例えば、ステイプルモード時は、積載後、隣り合ったシート束のステイプル針同士の重なりが防止できる量Ld(約15mm)とし、ソートモードではシート束の識別が目視で確認出来、混載を防止できる程度の量Le(約20mm〜30mm)とすることで、スティプルモード時の整合移動距離が短縮され、処理速度の向上を図ることが出来る。
【0137】
ステイプルモード時は、ステイプラ101は、整合されたシート束に対して所望のクリンチ位置で予め待機しており、シート束の最終シートPの排出が完了するとステイプルするものである。なお、整合位置はシート束毎にオフセット量LCだけ変化するが、それに応じてステイプラ101も移動する。
【0138】
また、ステイプラ101が、綴じモード(図32〜図34に示す2ヶ所綴じ、奥斜め綴じ、手前斜め綴じ)に応じて、向き変え移動する構成については、前述した通りである。しかしながら、前記構成においては、同一のステイプル姿勢(水平及び傾斜状態)を維持できる範囲にも限界があり、更にステイプルを行うシートPの幅は異なる多数の種類が存在するため、上記異なる綴じモードに対し、同一の整合位置ではステイプルできない場合があるため、各綴じモードに応じて前記第1整合位置190及び第2整合位置191を変えても良い。
【0139】
図32は2ヶ所綴じモード、図33は奥斜め綴じモード、図34は手前斜め綴じモードのそれぞれの第1整合位置190、第2整合位置191を示し、各図中、2点鎖線が第1整合位置190、実線が第2整合位置191を示す。なお、この時、シート束の排出位置よりも手前側に整合位置がある場合には、奥側の整合部材142が、整合の基準となる手前側の整合部材141側にシート束を移送し、シート束の排出位置よりも奥側に整合位置がある場合には、前述の通りに整合動作を行う。
【0140】
このように、綴じモードによって整合部材141,142の整合位置を切り換えることにより、ステイプラ101に対応した位置ヘシート束を移動できるようになっている。
【0141】
次に、スタックトレイ200及びサンプルトレイ201の昇降動作について図9、図10及び図35を用いて説明する。
【0142】
各トレイ200,201は、通常、動作開始前は、図10に示す各シート面検知センサ220,221の位置で待機している。スタックトレイ200にシートを積載しない場合には(S11)、サンプルトレイ201に積載して(S23)ジョブを終了する。
【0143】
上述したように、通常、コピーもしくはプリンタ出力されたシートPを積載するのがスタックトレイ200であり(S12)、ステイプラ101等により綴じて処理されたものや、未綴じ状態で少数枚ずつ排出されるシート束を受け取ることが出来、最大で2000枚相当分の積載が可能であり、それをセンサ219dで検知している。
【0144】
この際、コピー中又はプリンタの出力がまだ続く時は(S13)、スタックトレイ200をセンサ219dの位置よりも1000枚相当分の高さ以上下降させる(図10のセンサ219d′の位置)(S15,S16)。
【0145】
続いて、サンプルトレイ201を処理トレイ130用のシート面検知センサ221の位置まで下降させて(S17)、再びシートPの受け取りを始める(S18)。この時、サンプルトレイ201は、最大で2000枚相当分の積載が可能であり、これをセンサ219cにより検知している(S19)。スタックトレイ200が、センサ219cの位置まで降下した場合、装置本体からシート処理装置1へのシートの排出を停止する。
【0146】
次に、2000枚相当分以下のジョブ中に割り込みをする時等は、処理操作は出来ないが、ノンソートパス21からサンプルトレイ201上に排出することが出来る。
【0147】
通常状態よりノンソートパス21を用いてサンプルトレイ201上に排出されるモードとしては、1部のみ処理無しでサンプル用出力をする時や、ファンクション仕分けでサンプルトレイ201上に出力が設定されている時等である。
【0148】
この様に、サンプルトレイ201、スタックトレイ200にシートを積載してジョブが終了すると、図10のスタックトレイ200上にシートを積載した状態、もしくは図11、図12のようにサンプルトレイ201とスタックトレイ200上にシートPが積載した状態になる。
【0149】
この際、スタックトレイ200上のシートPを取り除きやすくするため、図11の状態では、ジョブ終了後(S14)、スタックトレイ200は、センサ219d′の位置まで降下させている。
【0150】
また、図12の状態では、ジョブ終了後(S20)、サンプルトレイ201は、シー卜面検知センサ220の位置まで上昇させている(S22)。
【0151】
上記のように、上下方向に沿って配置されたスタックトレイ200とサンプルトレイ201とのうち、下方のスタックトレイ200へのシートの積載が終了した後に、両トレイ201、200の間隔を拡開させることで、スタックトレイ200上のシートの視認性が向上すると共に、シートの取り出し等の操作性を向上させることができる。
【0152】
また、本実施の形態において、積載トレイは2つで構成させているが、2つ以上の複数存在しても、ジヨブ終了後に、シートを積載したトレイとその上下少なくともどちらかの積載トレイとの間隔を広がるようにすれば、同様の効果が得られる。
【0153】
次に、図37に示すフローチャートに従って、パンチユニット50の動作シーケンスを中心にパンチモードの説明を行う。
【0154】
先ず、図37のステップS1において、シート処理装置1の電源がONされると、ステップS2において、パンチ駆動モータ66が駆動し、穿孔手段60を図16の矢印f方向に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサ71の受光部71aがシート処理装置1本体に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52により遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。
【0155】
同様に、横レジ移動モータM83も駆動し、センサアーム82を図16の矢印f方向に移動することにより、横レジイニシャル位置検知センサ84の受光部84aが、ケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bにより遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。そして、ステップS3において、入力待ち状態となる。
【0156】
次に、ユーザが画像形成装置本体300の図示しないパンチ使用の選択ボタンを選択して、図示しないスタートボタンを押すことにより(ステップS4)、画像形成装置本体300において、シートPの搬送が開始され、画像形成動作が行われる(ステップS6)。これと同時に、横レジ移動モータM83が駆動し、センサアーム82を図16の矢印e方向に移動し、横レジ検知センサ81を選択されたシートPのサイズに対応する位置まで移動する(ステップS5)。
【0157】
その後、画像形成されたシートPがシート処理装置1内に搬送され、シートPの先端がシート検知センサ31を通過すると(ステップS7)、このシート検知センサ31がシートPの先端を検知して、所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を駆動し、穿孔手段60及び横レジ検知センサ81を図16の矢印e方向に移動し、横レジ検知センサ81の受光部81aがシートPの側端部によって遮られると、シートPの側端部であると検知して停止する(ステップS8)。
【0158】
その後、シートPの後端がシート検知センサ31を通過すると、このシート検知センサ31がシートPの後端を検知して(ステップS9)、所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62とは、図13の矢印b,c方向に回転して、パンチ61がダイス62に設けられたダイス孔62aに噛み合い、搬送中のシートPに穿孔する(ステップS10)。その後は、前述の各排出処理モードに応じて、シートPを排出して終了する。
【0159】
次に、本発明に係るシート処理装置の実施の形態2について説明する。
【0160】
前記実施の形態1においては、ジョブ終了後に2つのトレイの間隔を広げていたが、本実施の形態では、画像形成装置本体300のスタートボタン(図示略)を押した直後、サンプルトレイ201をシート面検知センサ220により上方に移動できるように構成する。
【0161】
これにより、実施の形態1と同様に、スタックトレイ200にシートを積載後、積載シートの視認がよく、かつ、シートを取り除き易くなる。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上下方向に移動可能な複数のシート積載手段のうち、下方のシート積載手段へのシートの排出が終了したとき、シートを積載した下方のシート積載手段と、その上方のシート積載手段との間隔を拡開するようにしたので、シート積載手段上のシートの視認性が良くなると共に、積載したシートの取り出し等の取り扱いを容易にすることができる。
【0163】
また、下方のシート積載手段にシートを積載する場合、シートの積載の開始前にあらかじめ上方のシート積載手段を上昇させて、上下のシート積載手段の間隔を拡開させても、シートの視認性の向上及び取り扱いの容易化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート処理装置の全体構成を示す縦断正面図。
【図2】同じく、シート処理装置が接続可能な画像形成装置の縦断正面図。
【図3】同じく、ステイプラと処理トレイのシート後端ストッパ部の側面図。
【図4】同じく、ステイプラの移動機構を示し、図3の矢印A方向から見た平面図。
【図5】同じく、ステイプラ移動機構を示し、図3の矢印B視図。
【図6】同じく、揺動ガイド、処理トレイ、出没トレイ及びスタックトレイの構成を示す縦断側面図。
【図7】同じく、処理トレイに設けられた整合部材の移動機構を示し、図6の矢印C方向から見た図。
【図8】同じく、出没トレイ部の平面図。
【図9】同じく、トレイの移動機構を示す平面図。
【図10】同じく、スタックトレイの高さを検知するセンサの配置図。
【図11】同じく、シート積載後のトレイの位置を示す縦断側面図。
【図12】同じく、シート積載後のトレイの位置を示す縦断側面図。
【図13】同じく、パンチユニットの側面図。
【図14】同じく、パンチユニットの動作図。
【図15】同じく、穿孔手段部の平面図。
【図16】同じく、パンチャー横レジセンサの移動機構を示す平面図。
【図17】同じく、パンチャー横レジセンサの移動機構を示す平面図。
【図18】同じく、ノンソート時のフィニッシャの動作を示す縦断正面図。
【図19】同じく、ステイプルモード時のフィニッシャの動作図。
【図20】同じく、ステイプルモード時のフィニッシャの動作図。
【図21】同じく、ステイプルモード時のフィニッシャの動作図。
【図22】同じく、ステイプルモード時のフィニッシャの動作図。
【図23】同じく、ステイプルモード時のフィニッシャの動作図。
【図24】同じく、(a)図〜(d)図はシート処理装置のステイプルソートモード時の処理トレイ上でのシートの処理動作を示す図。
【図25】同じく、ソートモード時のシート処理装置の動作を示す図。
【図26】同じく、ソートモード時のシート処理装置の動作を示す図。
【図27】同じく、ソートモード時のスタックトレイのオフセット積載の動作図。
【図28】同じく、整合手段部のシート整合動作を示す平面図。
【図29】同じく、整合手段部のシート整合動作を示す平面図。
【図30】同じく、整合手段部のシート整合動作を示す平面図。
【図31】同じく、整合手段部のシート整合動作を示す平面図。
【図32】同じく、処理トレイ上のシートにステイプルする動作を示す平面図。
【図33】同じく、処理トレイ上のシートにステイプルする動作を示す平面図。
【図34】同じく、処理トレイ上のシートにステイプルする動作を示す平面図。
【図35】同じく、シート処理装置の動作に係るフローチャート。
【図36】同じく、シート処理装置の制御に係るブロック図。
【図37】同じく、パンチモードのシート処理装置の動作に係るフローチャート。
【符号の説明】
P シート
1 フィニシャ(シート処理装置)
4 制御部(シート処理装置の制御手段)
7 排出ローラ対(シート排出手段)
180 束排出ローラ対(シート排出手段)
200 スタックトレイ(積載トレイ)
201 サンプルトレイ(積載トレイ)
202 ステッピングモータ(トレイ駆動手段)
220 シート面検知センサ(シート面検知手段)
221 シート面検知センサ(シート面検知手段)
300 画像形成装置本体
312 感光体ドラム(画像形成手段)
318 画像形成装置本体の制御部
399 排出ローラ対(排出手段)

Claims (3)

  1. 排出されるシートを積載可能で上下方向に配置された複数の積載トレイと、
    該積載トレイをそれぞれ上下動に移動させる複数の駆動手段と、
    前記積載トレイへシートを排出するための少なくとも1つのシート排出手段と、
    該シート排出手段の下方の所定位置に配置されていて、前記シート積載手段の上面又は該シート積載手段上に排出されたシートの上面を検知するシート面検知手段と、
    該シート面検知手段の検知に基づいて前記シート積載手段の上下方向の位置を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記シート積載手段へのシートの排出終了後、シートを積載したシート積載手段の上方のシート積載手段を上方へ移動させてシートを積載したシート積載手段とその上方のシート積載手段との間隔を拡開させることを特徴とするシート処理装置。
  2. 排出されるシートを積載可能で上下方向に配置された複数の積載トレイと、
    該積載トレイをそれぞれ上下動に移動させる複数の駆動手段と、
    前記積載トレイへシートを排出するための複数のシート排出手段と、
    該シート排出手段の下方の所定位置に配置されていて、前記シート積載手段又は該シート積載手段上に排出されたシートの上面を検知するシート面検知手段と、
    該シート面検知手段の検知に基づいて前記シート積載手段の上下方向の位置を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記シート積載手段へのシートの排出前に、シートを排出すべきシート積載手段の上方のシート積載手段をあらかじめ上昇させてシート積載手段間を拡開することを特徴とするシート処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段により画像形成したシートを前記シート処理装置に排出する排出手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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