JP3541248B2 - 湯水混合水栓における温度設定機構 - Google Patents

湯水混合水栓における温度設定機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯と水とを混合して最適温度の温水を吐出させる湯水混合水栓に関する技術分野に属するもので、特にこの種の湯水混合水栓による温度を設定するための機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
湯水混合水栓は、例えばボイラー等の熱湯供給源からの湯と、水道等からの水とを適宜混合して、例えばお風呂やシャワー室において使用するのに最適な温度の湯水を吐出する非常に便利なものであり、近年種々なものが提案されている。このような湯水混合水栓は、その水栓本体内に感温体を組込んで、この感温体によって混合水温度の検知と、それに基づく湯及び水の混合室への流入量の自動的調整を行うようにしたものが一般的である。
【0003】
このような湯水混合水栓では、その吐出される湯水の温度を外部から簡単に設定できるようにした温度設定機構としては、例えば特公昭61−22195号公報に示された「サーモットスタットミキシングバルブ」において採用されているようなものがある。この従来のバルブにおける温度設定機構は、図6に概略的に示したように構成されているものであるが、この温度設定機構では、上記公報の第6欄に記載されているように、「ストッパー部30cが円弧状凹部24a側より係止突部25に当接している時には、制御弁体6が最も前進して湯側制御弁4の開度が最小、水側制御弁5の開度が最大であって、最低温度吐出位置(突出部220位置)に設定される。また、ストッパー部30cが円弧状凸部24b側より係止突部25に当接している時には、制御弁体6が最も後退して湯側制御弁4の開度が最大、水側制御弁5の開度が最小であって、最高温度吐出位置(係止段部11位置)に設定される」ものである。
【0004】
つまり、この従来の温度設定機構では、「ストッパーリング19の雌スプライン部22を、例えば円弧状凹部24aを前側に位置させた状態で上方に位置する段部23bを本体の上方に設けた指標に対応させてライナーの雄スプライン部に係合することによって、ハンドル17の回転規制位置が例えばハンドル17に施された42℃を示す目盛と指標とが対応する様に設定される。そして、この規制位置において、実際に吐出される混合水栓温度が42℃になる様に調整する。従って突出部220の位置から係止段部11位置方向にハンドル17を回転するとストッパー部30cが段部23bに当接し、安全釦を押圧しない限りハンドル17は回転せず、異常に高い温度、例えば72℃以上の湯が不意に排出しない。42℃以上の湯を吐出させる時には、安全釦30を押圧して、ストッパー部30cと段部23bとの当接を解除しハンドル17を係止段部11位置方向へ回転すればよい」ものである。
【0005】
そして、この従来の温度設定機構では、「ストッパー部30cが円弧状凸部24b内に位置すると、安全釦30の押圧を解除しても、ストッパー部30cの湾曲外面が円弧状凸部24b内周面に沿って摺動できるをもって、ハンドル17を係止段部11位置方向へ回転できる。そしてついにはストッパー部30cが係止突部25に当接し係止段部11位置に到り、ハンドル17のそれ以上の回転が阻止される」ことになるものである。
【0006】
つまり、この図6に示した従来の温度設定機構では、最適温度範囲を規定する段部23a・23bが両端に位置している円弧状凹部24aと、最適温度範囲を越えた最高温度を規定する係止突部25との位置関係が一定となっているのであり、最適温度範囲を変えようとすれば、係止突起25による最高温度設定も変わってしまうものとなっているのである。
【0007】
ところで、湯水の用途別最適使用温度は、空気調和・衛生工学便覧(社団法人空気調和・衛生工学会編)によると、例えば次の通りである。
浴用(成人) 42〜45℃
浴用(小児) 40〜42℃
浴用(治療用) 35℃
シャワー用 43℃
ひげそり用 46〜52℃
【0008】
なお、湯によって赤くなる程度の1度の火傷を負う場合の条件は、湯にさらされる時間と、その湯温とをとった場合に、次のような限界値が知られている。
[55.5℃で10秒]、[52.5℃で30秒]、[50.0℃で120秒]
【0009】
換言すると、使用する湯水の最適温度といっても、上記関係からすれば、35℃〜52℃の広い範囲にわたるものであり、特に冬場に成人の浴用として使用する最適湯温は、浴槽内に入れる間に冷却されることを考慮すると、場合によっては60℃にもなることがある。一方、例えばお風呂の冷めた湯温を高めるためには、60℃を越えた最高温度の湯を追加することによって行うのが効率的であることは言うまでもないが、この最高温度は最適温度範囲を越えた高温の湯温を規定しているものであるため、常に一定した高温であればその使用時において注意をすることができるから都合がよい。このため、図6に示した温度設定機構のように、最適温度範囲を規定する円弧状凹部24aと、最高温度を規定する突起25との位置関係が固定的であれば、最適湯温範囲を上げるように設定すると最高温度も上がってしまい、不具合が生ずることになる。
【0010】
すなわち、この種の湯水混合水栓では、通常の用途での使用が安全に行えるようにするために、その吐出される湯水の温度を、35度〜60度程度の範囲、つまり最適温度範囲内に設定できるようにしたものであり、この設定を行うのが水栓本体側のストッパリングと、ハンドル側のストッパ部との相対関係なのである。これに対して、上記最適温度範囲を越えた冷水あるいは熱湯を使用したい場合には、上記ストッパリング側に対するストッパ部の係合を解除するようにして、別の手段で上記最適温度範囲を越えた最高温度が設定できるようにしてあるのである。このように、以下で述べる「最高温度」は、「最適温度範囲」を越えた高温を言うものである。
【0011】
そこで、本発明者は、湯水の最高温度の設定は安全な範囲内で固定的に規定しておき、湯水の使用用途に応じた最適温度範囲を自由に設定・規定できるようにするにはどうしたらよいかについて種々研究をしてきた結果、本発明を完成したのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、湯水混合水栓から吐出される湯水について、その最高温度は常に一定にしておいて、使用用途に応じた湯水の最適温度範囲を自由に変えられるようにすることである。
【0013】
すなわち、本発明の目的とするところは、湯水混合水栓から吐出される湯水の最高温度設定を常に一定の値となるようにしながら、使用用途に応じた最適温度範囲設定の切換えを簡単かつ自由に行うことができて、設定最高温度の湯水を不用意に吐出させても安全性を維持することのできる湯水混合水栓における温度設定機構を簡単な構造により提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、以下の実施形態の説明において使用する符号を付して説明すると、
「水栓本体210内に水及び湯供給源からの水及び湯を供給して、当該水栓本体210内に組込んだ感温体にて設定された温度の湯水を吐出するようにした湯水混合水栓200において使用され、
水栓本体210外に回転可能に突出する感温体の温度設定軸221に取付けられる温度設定ハンドル40と、この温度設定ハンドル40の内側に設けたストッパ部50と、感温体の温度設定軸221の周囲に回転不能に突出する突出部220に取付けられるストッパリング10と、このストッパリング10に設けられてストッパ部50が当接することにより温水の高温側吐出温度を規制する係止段部11とを有する温度設定機構100であって、
ストッパリング10の内側に位置して係止段部11とは別体の係止部20を突出部220側に一体的に設けて、この係止部20に温度設定ハンドル40側のストッパ部50が係止したとき、感温体における設定温度が最高となるようにしたことを特徴とする温度設定機構100」
である。
【0015】
すなわち、この温度設定機構100においては、温度設定ハンドル40と一体的に回転するストッパ部50が水栓本体210外に突出する突出部220に固定されたストッパリング10の係止段部11内にて移動自在として、この係止段部11内、つまりその高温側係止端11aと低温側係止端11bとの間で最適温度範囲を設定し得るようにしたものであり、ここまでは従来のものとその基本構成を同じくするものである。
【0016】
この請求項1に係る温度設定機構100において、従来のものと根本的に異なる点は、湯水混合水栓200から突出する湯水の最高温度を規定する係止部20が、ストッパリング10あるいはこれに設けた係止段部11とは全く別体のものとして、かつこの係止部20を水栓本体210側の突出部220側に一体化したことである。これにより、係止部20によって規定される最高温度を常に一定に保ちながら、ストッパリング10の突出部220に対する取付位置(角度)を変えることにより、ストッパリング10の係止段部11による最適温度範囲を、湯水の使用用途に応じて変えられるようにしたものである。
【0017】
係止部20の突出部220側に対する一体化は種々考えることができるが、次の請求項2または3における係止リング30を採用する場合の他、突出部220に直接一体化したり、あるいはこの突出部220の外周面に軸方向の溝を形成していおいて、この溝内に収納する等の手段を構ずることができるものである。
【0018】
前述した課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に係る温度設定機構100について、
「感温体における設定温度を最高にする係止部20を、突出部220外周に回転不能に嵌合されるとともに、外周にストッパリング10が嵌合される係止リング30上に突設したこと」
である。
【0019】
すなわち、この請求項2の温度設定機構100では、係止部20と突出部220側に対する一体化を、ストッパリング10とは全く別体で突出部220に固定される係止リング30に一体的に形成することにより行っているものである。この場合には、突出部220側に対する係止部20の取付位置(角度)をも自由に変えられることになるから、この係止部20による最高温度の設定を、例えば老人や幼児が使用する湯水について、より低い方に行うことができるものである。
【0020】
さらに、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項2に係る温度設定機構100について、さらに、
「突出部220外周面に、軸方向のセレーション部222と半径方向の周溝223とを形成し、一方係止リング30の一部を切断するとともに、この係止リング30の内周面に、突出部220側のセレーション部222及び周溝223にそれぞれ係合するセレーション部32及び突起または突条33を形成したこと」
である。
【0021】
これにより、係止部20の突出部220に対する固定作業や位置調整作業を容易にするとともに、突出部220に対する係止部20の固定を確実なものとし得るようにしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、上記の各請求項に係る発明を、図面に示した実施形態に従って説明するが、この実施形態の温度設定機構100は、上記請求項に係る各発明を実質的に含むものであるため、以下ではこの実施形態の温度設定機構100を中心に説明していく。
【0023】
この温度設定機構100は、例えば図1に示したような形式の湯水混合水栓200において使用されるものであり、その温度設定ハンドル40を回動させて、温度設定ハンドル40上の温度設定目盛41を水栓本体210側の基準点211に合わせることにより、湯水混合水栓200の蛇口等から吐出される湯水の温度をその使用用途に応じた最適なものとするものである。そして、最適温度範囲を越えた最高温度の湯水を出したい場合には、使用者は押釦51を押しながら温度設定ハンドル40を回動させるのである。このように設定された湯水を生成するのは、湯水混合水栓200の水栓本体210内に収納されている図示しない感温体と、この感温体により開度調整がなされる弁機構なのである。
【0024】
湯水混合水栓200の水栓本体210内には、水道等の水供給源に接続される水供給管に連結する水室と、ボイラー等の湯供給源に接続される湯供給管に連通する湯室と、これらの水室及び湯室とは別の混合室とが区画形成してあり、混合室内には水及び湯が各制御弁を介して供給されるようになっている。そして、この水栓本体210内には、上記混合室内に一部が収納されて上記各制御弁を操作する感温体が組込んであるのである。
【0025】
感温体は、混合水温度に応じて伸縮する感温部を、例えばエレメントケース内に収納して構成した一般的なものであり、各制御弁と連動するスピンドルを、例えば水室と混合室とにわたって装着させる円筒状のライナー内に螺合させて、回転自在に支持したものである。そして、この感温体のライナーの一端を水栓本体210の側方に突出させて、これを突出部220としたものである。そして、上記ライナーに対して回転はするが軸方向には移動しないようにした副スピンドルの先端を突出部220から外方に突出させて、これを温度設定軸221としたものである。
【0026】
さて、以上のようにして、水栓本体210の一側部(図1では図示右側部)に突出した突出部220及び温度設定軸221に対して、本発明に係る温度設定機構100が、図5に示すように組付けられるのであるが、この温度設定機構100は、主として、水栓本体210に対して回転することのない突出部220側に固定されるストッパリング10と、このストッパリング10とは係止リング30等を利用して別体のものとされる係止部20と、温度設定軸221の先端に設けられてこの温度設定軸221を回動するための温度設定ハンドル40と、この温度設定ハンドル40の内側に設けられて、ストッパリング10側の係止段部11または係止部20に係止するストッパ部50とを有しているものである。
【0027】
ストッパリング10は、図1及び図3に示すように、その外端面側に係止段部11を有した円環状のものであり、本実施形態においては、湯水混合水栓200側の突出部220に係止リング30を介して回転不能に取付けられるものである。このストッパリング10の係止段部11は、湯水混合水栓200から吐出される湯水の使用用途に応じた最適温度範囲を規定するものであり、その両端に後述するストッパ部50が係止する高温側係止端11a及び低温側係止端11bを有しているものである。なお、本実施形態のストッパリング10においては、係止リング30の外周面に形成したセレーション部34に係合するセレーション部12が、その内面の軸方向に形成してあり、このセレーション部12と係止リング30側のセレーション部34との係合によって、係止リング30に対する当該ストッパリング10の一体化がなされるものである。
【0028】
係止リング30は、図1及び図2に示したように、一部に切断部31を有する円環状のものであり、その外端面に係止部20が一体的に形成してある。この係止部20は、図6に示した従来のものの「係止突部25」に対応するものであり、上記ストッパリング10内には入り得るが、温度設定ハンドル40側のストッパ部50が係止し得るのに十分な厚さと高さを有しているものである。
【0029】
また、この係止部20を一体的に有した係止リング30は、特に図2に示したように、その内側に、軸方向のセレーション部32と、半径方向の突起または突条33とを形成したものであり、これらのセレーション部32及び突起または突条33は、水栓本体210側の突出部220に対する一体化と位置決めとを確実にするためのものである。すなわち、本実施形態の突出部220においては、その外周面に、係止リング30側のセレーション部32に対応するセレーション部222と、係止リング30側の突起または突条33が係合する周溝223とが形成してあるものであり、これらの係合あるいは嵌合によって、係止リング30の位置決め及び固定を確実にするようにしてある。
【0030】
さらに、この係止リング30には、前述したように切断部31が形成してあるから、この係止リング30を突出部220に嵌合するに際しては、切断部31の存在によって簡単に拡径することができるのであり、特に係止リング30側の突起または突条33を突出部220側の周溝223に係合させる際の作業を容易にできるようにしている。このことは、係止部20の位置を変えて最高温度の設定変更を行う場合にも有利性を発揮するものとなっているのである。
【0031】
なお、前述した通り、この係止リング30の外周にはストッパリング10が回転不能に取着されるのであるから、ストッパリング10の内面側に形成したセレーション部12に対応するセレーション部34が、図2等において示したように、当該係止リング30の外周面に形成してある。
【0032】
以上のようなストッパリング10の係止段部11や係止リング30上の係止部20は、湯水混合水栓200側の突出部220に対して固定的に取着されるのであるが、これらの係止段部11または係止部20によって温度設定ハンドル40の回動範囲が規制され、水栓本体210側の温度設定軸221の回動範囲も規制されることになるのである。すなわち、水栓本体210側の温度設定軸221の先端には、図1及び図2に示したように、セレーションである取付部224が形成してあり、この取付部224に温度設定ハンドル40側の図示しないセレーションを嵌合することにより、温度設定ハンドル40と温度設定軸221とが一体的に回転するようにされるのである。勿論、温度設定軸221に組付けた温度設定ハンドル40は、図1に示したように、取付ネジ42を外側から温度設定軸221の先端に螺着することにより、その抜け止めがなされる。
【0033】
この温度設定ハンドル40の外周面には、図1及び図3に示したように、湯水混合水栓200の水栓本体210上に設けた基準点211に対向して、湯水混合水栓200から吐出される湯水の最適温度範囲を示す温度設定目盛41が形成してある。また、この温度設定目盛41の高温側終端に位置する温度設定ハンドル40の外周面には、上記最適温度範囲を越えて温度設定ハンドル40を回動させたい時に操作される押釦51が突出させてある。
【0034】
この押釦51の内側には、図3または図5に示すように、ストッパ部50が一体化してあり、このストッパ部50は通常はストッパリング10の係止段部11内に位置するように、スプリング等によって付勢されているものである。この通常状態のストッパ部50は、当該温度設定機構100を、図5に示したように、湯水混合水栓200の一側部に組付けたとき、ストッパリング10の係止段部11内に位置するものであり、この係止段部11の高温側係止端11aまたは低温側係止端11bによってそれぞれの位置が規制される。つまり、このストッパ部50が係止段部11の高温側係止端11aに当接したときには、湯水混合水栓200から吐出される湯水の温度が、最適温度範囲の内の高温部側温度に設定されるのであり、逆にストッパ部50が係止段部11の低温側係止端11bに当接したときには、低温部側温度に設定されるのである。
【0035】
また、このストッパ部50を付勢しているスプリングの力に押釦51を押圧すれば、このストッパ部50はストッパリング10の内側に位置することになる。従って、この状態で温度設定ハンドル40を回動すれば、ストッパリング10の内側に位置している係止部20に当接するまで回動されるのであり、これにより、湯水混合水栓200から吐出される湯水の温度を最高温度のものとすることができるのである。
【0036】
ところで、この種の湯水混合水栓200においては、次の二通りの設定変更を行いたい場合がある。すなわち、第一番目の設定変更は、以上の係止部20によって設定される最高温度は変えないで、ストッパリング10の係止段部11による最適温度範囲を変更するものであり、第二番目の設定変更は、ストッパリング10の係止段部11による最適温度範囲とは全く無関係に、最高温度の変更を行うものである。
【0037】
第一番目の設定変更を行うには、係止部20を一体化した係止リング30の突出部220に対する固定位置(図3参照)はそのままにしておいて、この係止リング30に対するストッパリング10の固定位置を、例えば図4に示したように変更すればよいものである。本実施形態の温度設定機構100においては、ストッパリング10を、図3の位置から図4の位置まで変更した場合には最適温度範囲を高温側に変更したことになる。
【0038】
第二番目の設定変更を行うには、まず係止リング30の突出部220に対する取付位置を、これと一体的な係止部20が希望方向へ移動するように変更する。この変更した係止リング30に対して、ストッパリング10をその係止段部11が変更前の位置となるようにしながら取着すればよいのである。勿論、係止部20による設定変更と同方向に係止段部11の設定変更をも行いたければ、ストッパリング10を外周に取着したままの係止リング30を、突出部220に対して位置変更しながら取着すればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上の通り、まず請求項1に係る発明においては、上記の実施形態において例示した如く、
「水栓本体210内に水及び湯供給源からの水及び湯を供給して、当該水栓本体210内に組込んだ感温体にて設定された温度の湯水を吐出するようにした湯水混合水栓200において使用され、
水栓本体210外に回転可能に突出する感温体の温度設定軸221に取付けられる温度設定ハンドル40と、この温度設定ハンドル40の内側に設けたストッパ部50と、感温体の温度設定軸221の周囲に回転不能に突出する突出部220に取付けられるストッパリング10と、このストッパリング10に設けられてストッパ部50が当接することにより温水の高温側吐出温度を規制する係止段部11とを有する温度設定機構100であって、
ストッパリング10の内側に位置して係止段部11とは別体の係止部20を突出部220側に一体的に設けて、この係止部20に温度設定ハンドル40側のストッパ部50が係止したとき、感温体における設定温度が最高となるようにしたこと」
にその特徴があり、これにより、湯水混合水栓から吐出される湯水の最高温度設定を常に一定の値となるようにしながら、使用用途に応じた最適温度範囲設定の切換えを簡単かつ自由に行うことができて、設定最高温度の湯水を不用意に吐出させても安全性を維持することのできる湯水混合水栓における温度設定機構を簡単な構造により提供することができるのである。
【0040】
また、請求項2に係る温度設定機構100によれば、上記請求項1に係る温度設定機構100と同様な効果を発揮することができる他に、係止部20の突出部220側に対する一体化を、より簡単な構造によって実現することができるのである。
【0041】
さらに、請求項3に係る温度設定機構100によれば、上記請求項2に係る温度設定機構100と同様な効果を発揮することができる他、係止リング30及びストッパリング10の突出部220に対する位置決め固定作業を、より一層簡単に行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度設定機構を湯水混合水栓に対して組付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した湯水混合水栓側の突出部及び温度設定軸と係止リングとの関係を示す部分拡大斜視図である。
【図3】本発明に係る温度設定機構の構成を示す拡大分解斜視図である。
【図4】図3に示したストッパリングと係止部との関係を変更したときの状態を示す拡大斜視図である。
【図5】本発明に係る温度設定機構を湯水混合水栓の先端部に組付けたときの部分拡大縦断面図である。
【図6】従来の温度設定機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
100 温度設定機構
10 ストッパリング
11 係止段部
11a 高温側係止端
11b 低温側係止端
20 係止部
30 係止リング
31 切断部
32 セレーション部
33 突起または突条
40 温度設定ハンドル
41 温度設定目盛
50 ストッパ部
51 押釦
200 湯水混合水栓
210 水栓本体
211 基準点
220 突出部
221 温度設定軸
222 セレーション部
223 周溝
224 取付部

Claims (3)

  1. 水栓本体内に水及び湯供給源からの水及び湯を供給して、当該水栓本体内に組込んだ感温体にて設定された温度の湯水を吐出するようにした湯水混合水栓において使用され、
    前記水栓本体外に回転可能に突出する感温体の温度設定軸に取付けられる温度設定ハンドルと、この温度設定ハンドルの内側に設けたストッパ部と、前記感温体の温度設定軸の周囲に回転不能に突出する突出部に取付けられるストッパリングと、このストッパリングに設けられて前記ストッパ部が当接することにより温水の高温側吐出温度を規制する係止段部とを有する温度設定機構であって、
    前記ストッパリングの内側に位置して前記係止段部とは別体の係止部を前記突出部側に一体的に設けて、この係止部に前記温度設定ハンドル側のストッパ部が係止したとき、前記感温体における設定温度が最高となるようにしたことを特徴とする温度設定機構。
  2. 前記感温体における設定温度を最高にする係止部を、前記突出部外周に回転不能に嵌合されるとともに、外周に前記ストッパリングが嵌合される係止リング上に突設したことを特徴とする請求項1に記載の温度設定機構。
  3. 前記感温体の突出部外周面に、軸方向のセレーション部と半径方向の周溝とを形成し、一方前記係止リングの一部を切断するとともに、この係止リングの内周面に、前記突出部側のセレーション部及び周溝にそれぞれ係合するセレーション部及び突起または突条を形成したことを特徴とする請求項2に記載の温度設定機構。
JP21691295A 1995-08-25 1995-08-25 湯水混合水栓における温度設定機構 Expired - Fee Related JP3541248B2 (ja)

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