JP3540454B2 - 厨芥処理機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は厨芥処理機に関する。さらに詳しくは、一般家庭や業務用の厨房から発生する生ゴミなどの厨芥を乾燥処理する厨芥処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より厨芥を撹拌し、乾燥処理する、屋内外両用の乾燥型厨芥処理機が種々提案されており、たとえば、厨芥を乾燥させる乾燥室と、厨芥を撹拌する撹拌手段と、触媒とヒータを備えた脱臭装置と、乾燥室から発生する水蒸気を処理する凝縮手段と、送風装置とからなり、各装置を循環経路で連絡しているものがある。そして前記乾燥室に投入された厨芥は、撹拌手段で撹拌されながら、加熱乾燥される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厨芥中に菓物などの糖分を多く含んでいるものやご飯などの炭水化物からなるものの占める割合が高くなると、粘りが強いため、ご飯などが撹拌手段である撹拌羽根や乾燥室内のゴミ容器にこびり付くため、それのみの処理が禁じられていたり、他の厨芥と混ぜて糖分や炭水化物の占める割合を低くして、処理しなければならなかった。そのため、多量の菓物やご飯を処理したくても、一度に処理できず、他の厨芥と混ぜて数回に分けて処理しなければならず、面倒であり、時間もかかっていた。
【0004】
本発明は、叙上の事情に鑑み、撹拌手段の制御を変えることにより、糖分の多い厨芥やご飯などの炭水化物からなる厨芥がこびり付かずに処理できる厨芥処理機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の厨芥処理機は、厨芥を乾燥する乾燥室と、該乾燥室内の厨芥を撹拌するための撹拌手段とを備え、糖分や炭水化物を多く含んだ通常の厨芥の処理と糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥の処理とを選択する選択スイッチを設け、該選択スイッチにより糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥処理を選択したばあいには、前記撹拌手段の撹拌周期を短くし、および/または撹拌速度を大きくすることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の厨芥処理機を説明する。
【0007】
図1は本発明の厨芥処理機の一実施例を示す縦断面図、図2は図1における蓋に設けられるスイッチパネルの一例を示す平面図、図3は図1における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図4は図1における厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図5は他の厨芥処理機の制御を示すブロック図、図6は他の厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図7はさらに他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図、図8は図7における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図9は図7における厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図10はさらなる他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図、図11は図10における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図12は図10における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【0008】
図1に示すように、厨芥処理機は、厨芥を加熱乾燥させる乾燥室2と、厨芥を撹拌する撹拌手段Aと、前記乾燥室2から発生する臭気ガスから水蒸気を回収する凝縮手段Bと、臭気ガスの臭気成分を脱臭する触媒脱臭手段Cと、前記乾燥室2から発生する臭気ガスを触媒脱臭手段Cへ強制的に通風させる送風手段Dとから構成されている。そして前記厨芥を乾燥処理させる乾燥室2は、処理機本体1内に形成され、厨芥を入れたゴミ容器3を収容する空間を有している。上部は支点4aを軸に、開閉できる蓋4で覆われている。この蓋4は蓋ロック4bにより確実に閉まるようになっている。そして開閉スイッチ4dにより蓋4の開閉状態を検出できるようになっている。また蓋4には吸気口として逆止弁4cが設けられており、臭気ガスを漏らすことなく外気を取り入れるようになっている。なお逆止弁4cを設けるのは、逆止弁4cがないと、厨芥を撹拌するとき多量のガスが発生し、外部に臭気が漏れる可能性があるからである。前記ゴミ容器3は乾燥室2と着脱可能に構成され、その底部に撹拌手段Aの撹拌羽根5が設けられ、この撹拌羽根5に底部を貫通した従動軸5aが設けられている。撹拌羽根5は駆動モータ10の回転がギヤ9、8、7、6を介して連結され、減速回転するようになっている。撹拌羽根5は駆動モータ10により間欠駆動され、正転、反転されてゴミ容器3内の厨芥を撹拌し、温度を均一に効率よく乾燥する。駆動モータ10の電源ラインには電流センサ10aがあり、駆動モータ10が受ける負荷量を知ることができる。つまり大きな負荷により駆動モータがロックしたことを検出することができる。ゴミ容器3の材質は腐食しにくいステンレススチールや厨芥の炭化物がこびりつかないようにポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施したものなどが好ましい。
【0009】
乾燥室2の底部には、発熱体が埋め込まれて面状に放熱面が形成されたシーズヒータ11が設けられており、ゴミ容器3の底面を広く加熱する下部加熱方式としている。そのため、厨芥を効率よく加熱し、少ない消費電力で効率よく乾燥できる。このシーズヒータ11によりゴミ容器3の底部温度を100〜120℃の範囲の温度に、通常は約105℃に制御する。加熱温度は高ければ高いほど、乾燥時間を短くできるが、高くしすぎると厨芥が炭化しやすくなる。またゴミ容器3内に塩化ビニル樹脂やナイロンなどの合成樹脂が混入しても105℃前後ではガス化することはないので、塩化ビニル樹脂の分解による塩素含有ガスの発生や、他のプラスチック材料の分解による有毒ガスの発生はない。またシーズヒータ11の温度コントロールを行なうための乾燥温度センサ11aがシーズヒータ11の内部に具備されている。
【0010】
逆止弁4cから取り入れられた外気は、乾燥室2に比べ絶対湿度が低いため、厨芥の乾燥速度が早められる。厨芥から発生した水蒸気やアルデヒド、酢酸、アンモニア、メルカプタンなどの臭気成分と逆止弁4cから吸入された外気との混合ガスは排気管12から乾燥室2を出る。
【0011】
混合ガスの凝縮は凝縮手段Bにより行なわれており、該凝縮手段Bは熱交換器13、ドレインパイプ14、冷却空気を送風する冷却ファン16から構成されている。熱交換器13は箱型、蛇管などでよく、熱伝導率、耐食性のよいアルミ合金、銅合金などでつくられている。熱交換器13の下端にはドレインパイプ14が接続され、ガス中の水蒸気など凝縮分を凝縮水タンク17に集められるようにされている。冷却ファン16により空気を送風して、熱交換器13で臭気ガスを冷却する。冷却空気は処理機本体1の取り入れ口1aから取り入れ、排出口1bから排出するようにして冷却効率を上げる。また熱交換器13の入り口付近には厨芥の乾燥処理の終了判定をするための判定温度センサ13aが備えられている。
【0012】
凝縮水タンク17は処理機本体1の底部に着脱可能に設けられ、連結部18により、ドレインパイプ14の下部に設けられた、水分とガスを分離するための分離室19と気密になるように接続される。また水蒸気が除去されたガスは、冷却・送風モータ15で駆動される送風手段Dの送風ファン20に吸引され、触媒脱臭手段Cである脱臭器21へ送られる。脱臭器21は、送られてきたガスを加熱する触媒ヒータ22と、臭気ガスを酸化分解する触媒層23とからなっている。送風ファン20としては、遠心ファン、軸流ファンなどの気体を送ることができる装置であればどのようなものを用いてもよい。触媒ヒータ22の後段には、ガスを加熱制御するための触媒温度センサ25が備えられている。また送風ファン20は常時ガスを送風できるようにされ、その送風量は、厨芥を処理するとき、厨芥から発生する水蒸気量以上となるように設定されている。あまり風量を多くすると乾燥室2の温度が下がったり、熱交換器13の能力低下になり、水分の回収を効率よくできない。逆に、風量が少なすぎると水蒸気の発生に伴って乾燥室2内の圧力が高まり、乾燥室2を密閉状態に保っているあらゆる接合部から蒸気が外気中に漏れ出してしまう。また、触媒ヒータ22の熱を触媒層23に運ぶガスが少なくなり、触媒層23の温度が充分に上がらず脱臭器21の触媒層23の脱臭能力が下がる惧れがある。なおこの位置に送風ファン20を取り付けるのは、触媒ヒータ22の温度の影響を受けないようにするためである。触媒層23は白金系、白金−パラジウム系、ニッケル系などの酸化触媒を使用している。触媒層23により酸化分解されたガスは排気口24より排気される。なお31は臭気センサである。
【0013】
前記蓋4の上には、図2に示すように選択スイッチを有するスイッチパネル26が設けられている。このスイッチパネル26には、通常、厨芥の処理を開始するための運転スイッチ27と、厨芥が占めるご飯などの炭水化物の割合(重量比率)により、厨芥の処理条件を変えた運転を選択するスイッチとしてのご飯少量運転スイッチ28が設けられている。すなわちご飯少量運転スイッチ28は、糖分や炭水化物が全く含まないかもしくは少量しか含まないときに選択される。なお本明細書において、少量とは厨芥における炭水化物の重量比率が約10%以下のことを意味している。そして厨芥の処理が終了すれば、ご飯少量運転スイッチ28および運転スイッチ27は自動的にオフする。
【0014】
つぎに、本発明の厨芥処理機の動作を説明する。図1〜4に示すように、厨芥処理機はすべてマイコン30により制御され、各センサ10a、11a、13a、25からのデータはマイコン30のA/D入力端子に接続されている。
【0015】
まずゴミ容器3に厨芥を入れて乾燥室2に装着し、蓋4を閉め、凝縮水タンク17を装着し、ついでスイッチパネル26の運転スイッチ27または、ご飯少量運転スイッチ28をオンし、厨芥処理機の運転を開始する。このとき、通常の厨芥(一般家庭から出る標準的な厨芥の内容は、野菜と果物60%、残飯30%、魚5%、肉5%で、残飯の30%のうち、さらにその約50%がご飯である。)を処理するときは、運転スイッチ27が選択され撹拌周期を正転側10秒オン→5分オフ→反転側10秒オン→5分オフで制御し、撹拌周期を長くし、破砕程度を低くしている。しかし、厨芥中のご飯や糖分など、粘りが強いゴミの比率が全く含まないかもしくは少量しな含まないときは、通常のゴミのときのような撹拌周期で撹拌を行なうと、ゴミの破砕程度が低く、処理時間が長くかかり、その結果消費電力がよけいにかかるという欠点がある。そこで厨芥中の粘りが強いゴミの比率が少ないときは、ご飯少量運転スイッチ28を選択し、撹拌の頻度を多くし、ゴミの破砕程度を高くして処理する。実験では、撹拌を正転側10秒オン→10秒オフ→反転側10秒オン→10秒オフにしてやれば、ゴミの処理時間を短縮することができた。さらに駆動モータ10の回転速度を大きくしてやれば、より破砕度合いは高まる。そのため、処理する厨芥にご飯やうどんなど粘りが強いゴミが約10%以下しか含まれていないようであれば、選択スイッチのご飯少量運転スイッチ28をオンにする。そして厨芥は乾燥温度センサ11aの入力にしたがい、シーズヒータ11を105℃に制御し、加熱乾燥される。処理中、厨芥は駆動モータ10によって駆動され、撹拌羽根5によって撹拌および破砕される。
【0016】
厨芥から発生したガスは、送風ファン20によって熱交換器13へ送られ、冷却ファン16により冷却され凝縮される。凝縮された水分は凝縮水タンク17に溜められ、臭気成分を含んだガスは、送風ファン20により、脱臭器21へ送られる。脱臭器21へ送られたガスは、触媒ヒータ22により、400℃に加熱され、触媒層23により酸化分解され、無臭となり外気へ放出される。そして判定温度センサ13aが約60℃まで下がったら乾燥を終了し、運転スイッチ27およびご飯少量運転スイッチ28を自動的にオフする。
【0017】
なお本発明では、撹拌手段にかかる負荷量を検出する負荷量検出手段を設け、該負荷量検出手段により、処理室内に厨芥が投入されたことを検知し、厨芥の処理を自動スタートさせることができる。これにより、処理開始の運転スイッチを押す手間を省くことができる。かかる厨芥処理機は、蓋が閉じられた直後に前記撹拌手段を運転するのが好ましい。また、前記厨芥が投入されたことを検知する手段は、前回の処理終了前後の負荷量と、現在の負荷量を比較することにより判断するのが好ましい。さらに、前回の処理終了前後の負荷量がない、すなわち電源投入後最初の処理時においては、ある一定の負荷量以上であるときに、処理を自動スタートするのが好ましい。また、前回の処理終了前後の負荷量に対し、現在の負荷量が、ある一定量以上増加したときに、厨芥の処理を自動スタートするのが好ましい。
【0018】
つぎにかかる厨芥処理機の動作を説明する。図1および図5〜6に示すように、生ゴミは連続投入可能で、前回の生ゴミ処理終了前後、駆動モータ10を駆動させ、そのときの電流センサ10aの値(A)をマイコン30に入力し、メモリに記憶させておく。このときの駆動モータ10の駆動時間は、撹拌羽根5が2〜3回転するぐらいでよい。開閉スイッチ4dの入力により、蓋4が開閉されたことが検知されると、再度駆動モータ10を駆動させ、そのときの電流センサ10aの値(B)をマイコン30に入力する。マイコン30の内部に記憶させておいた値(A)と値(B)を比較し、(B)>(A)ならば、撹拌羽根5にかかる負荷が増したことになり処理容器3内に生ゴミが投入されたと判断し、生ゴミの乾燥処理を開始する。しかし負荷4の開閉が行なわれたのち、駆動モータ10を駆動させても、電流センサ10aの値が(B)≦(A)であれば、単に蓋4の開閉だけが行なわれたと判断し、そのままつぎの蓋4の開閉が行なわれるまで待機する。
【0019】
また、処理された厨芥が一定時間放置されると、新たな厨芥の投入が無いにもかかわらず、負荷量が増すことがある。このとき、誤って自動スタートしないよう、前回の処理終了前後の負荷量に対し、現在の負荷量が、ある一定量以上増加したときに、厨芥の処理を自動スタートする方法が有効である。
【0020】
また、前記のように放置状態での負荷量の変化を検出するため、蓋が閉じているあいだ、一定時間ごとに負荷量検出を行ない、蓋の開閉の直前の負荷量比較を行ってもよい。
【0021】
図6には示していないが、処理容器3内に生ゴミが初めて投入されたときは、あらかじめ設定しておいたオフセット値(C)が、(B)>(C)ならば、生ゴミが投入されたと判断し、厨芥の乾燥処理を開始する。
【0022】
厨芥処理機は生ゴミの乾燥処理を、蓋の開閉の検知により、自動で乾燥処理を開始するので、生ゴミ投入後、運転スイッチを入れる手間が省け、また生ゴミに触れた汚れた手で厨芥処理機に触れる必要もないので、厨芥処理機も汚れる心配もない。
【0023】
さらに、電流センサ10aは駆動モータ10のロック検出用として、元々備えられているため、コストアップすることなく、便利な厨芥処理機を提供できる。
【0024】
つぎに本発明では、撹拌手段の制御と凝縮手段における冷却ファンの制御を変える低騒音モードを設けることができる。これにより、夜間に低騒音で厨芥を処理することができるようになる。このばあいに、前記低騒音モードへの制御を切りかえるスイッチを設けるのが好ましい。また前記低騒音モードは、前記撹拌手段の撹拌回数を減らし、および/または前記冷却ファンの回転数を下げるのが好ましい。
【0025】
つぎに低騒音モードを設けた厨芥処理機の動作を説明する。図1および図7〜9に示すように、ゴミ容器3に厨芥を入れて乾燥室2に装着し、蓋4を閉め、凝縮水タンク17を装着し、ついでスイッチパネル26の運転スイッチ27をオンし、厨芥処理機の運転を開始する。そのとき、処理時間が通常よりも長くかかっても、静かに処理したいときは、静音運転スイッチ28aをオンし、低騒音モードを選択する。
【0026】
厨芥は乾燥温度センサ11aの入力に従い、シーズヒータ11を105℃に、低騒音モードでは90℃に制御し、加熱乾燥される。
【0027】
駆動モータ10は、正転、反転を断続的に繰り返し、撹拌羽根5により、厨芥を撹拌する。通常の処理では、正転側10秒オン→5分オフ→反転側10秒オン→5分オフで撹拌される。しかし、静音運転スイッチ28aがオンされたときは、撹拌周期を10秒オン→10分オフにし、さらに撹拌羽根5の回転速度を、通常時は約40rpmで撹拌されているのを、静音運転スイッチ28aがオンされたときには、約25rpmまで回転速度を落とすことにより、撹拌時に発生するモータの電磁音、ギヤの噛み合い音、厨芥は破砕される音などの騒音を減らすことができる。
【0028】
このとき、シーズヒータ11を90℃に制御しているため、撹拌頻度が減っても、ゴミ容器3の底部にゴミが焦げ付くことはない。
【0029】
厨芥から発生したガスは、送風ファン20によって熱交換器13へ送られ、冷却ファン16により冷却され凝縮される。ここでも静音運転スイッチがオンされているばあいは、冷却・送風モータ15の回転数を小さくする(3000rpm→2000rpm)。厨芥処理機内部は静圧が高く、冷却ファン16を高速で回転させると、ブーンという耳障りなノイズが発生するが、回転数を小さくすることにより、ノイズを小さくすることができる。このとき、シーズヒータ11を90℃に制御しているため、処理中に厨芥から発生する水蒸気量は比較的少なく、小さくした回転数で送風される風量で充分に通風される。また、同様に、水蒸気量が少ないため、熱交換器13に対する冷却ファン16の回転数が小さくなっても充分に冷却できる。凝縮された水分は凝縮水タンク17に溜められ、臭気成分を含んだガスは、送風ファン20により、脱臭器21へ送られる。脱臭器21へ送られたガスは、触媒ヒータ22により、400℃に加熱され、触媒層23により酸化分解され、無臭となり外気へ放出される。判定温度センサ13aが60℃まで下がったら(低騒音モード時は55℃)、乾燥を終了し運転スイッチ27、静音運転スイッチ28aを自動的にオフする。
【0030】
本厨芥処理機では、撹拌能力、凝縮能力をおさえて厨芥を処理するため、処理に要する時間は長くなるが(通常4時間が低騒音モードでは7時間)、夜間に運転しても、問題がないレベルまで騒音を下げることができる。
【0031】
つぎに本発明では、屋内外で使用する際の切り換えスイッチを備え、屋内で使用するときと、屋外で使用するときのそれぞれで、触媒脱臭手段の制御温度を変える制御手段を設けることができる。これにより、屋外で厨芥処理機を使用するとき、触媒脱臭手段の触媒の加熱温度を屋内で使用するときよりも低めに制御することで、ランニングコストを減らすことができる。
【0032】
かかる切り換えスイッチを備えた厨芥処理機は、前記触媒脱臭手段内に設けられた臭気成分を検出する臭気検出手段と該臭気検出手段の出力に基づいて前記触媒脱臭手段の制御温度を変えるのが好ましい。
【0033】
また屋内外使用に応じた制御温度の変更に加え、前記臭気検出手段出力によって前記制御温度を補正するのが好ましい。
【0034】
つぎに本厨芥処理機の動作を説明する。図1および図10〜12に示すように、蓋4の上部にスイッチパネル26が設けられており、また該スイッチパネル26には、厨芥の処理を開始するための運転スイッチ27と、厨芥の処理を屋内で行なうか、屋外で行なうかを選択するための、使用場所の選択スイッチ28bが設けられている。
【0035】
また厨芥処理機を屋内で使用するばあいは、使用場所の選択スイッチ28bを屋内側にする。屋外で使用するばあいは、使用場所の選択スイッチ28bを屋外側にしておく。ゴミ容器3内に生ゴミを投入し、蓋4を閉め、運転スイッチ27を押して処理を開始する。
【0036】
ゴミ容器3内の生ゴミを加熱するシーズヒータ11は乾燥温度センサ11aの出力にしたがい、105℃になるように制御される。一般家庭で1日に出る生ゴミの量は約700gであり、本厨芥処理機では、700gの生ゴミを約4時間で処理できる。また撹拌羽根5を駆動モータ10により、10秒間正転側を駆動させ、5分間オフする。つぎに10秒間反転側を駆動させ、再び5分間オフする。この撹拌動作により、生ゴミを細かく破砕することができる。
【0037】
送風ファン20は処理中連続して駆動し、生ゴミから発生したガスを触媒層23により酸化分解する。
【0038】
屋内で使用するばあいは、室内に臭気成分が少しでも分解されずに排気されると、室内に不快な臭いが充満してしまう。そのため、人の鼻が臭気を検知できるレベル以下になるよう、ガス中の臭気成分を分解しなければならない。そのレベルを(A)とし、さらにそのレベルよりさらに低いレベル(A)′をマイコン30に記憶させておく。臭気センサ31により、触媒層23を通過して出てきたガスの臭気レベルが(A)′よりも小さければ、触媒層23は脱臭するのに充分なだけ加熱されているので触媒ヒータ22を400℃に制御する。逆に、触媒層23を通過して出てきたガスの臭気レベルが(A)′よりも大きければ、触媒層23の温度が低く、脱臭能力が不足しているということなので、触媒ヒータ22を450℃に制御する。これにより排気口24から排気されるガスの臭気レベルが(A)を超えることはない。
【0039】
屋外で使用するばあいは、ガスが大気中に放出されるので、臭気レベルが少々高くても、臭うことはない。屋外で臭気が検知できるレベルを(B)とし、さらにそのレベルよりさらに低いレベル(B)′をマイコン30に記憶させておく。あとは屋内と同じ方法で触媒ヒータ22を制御する。なお本厨芥処理機では、制御温度を変更しているが、触媒ヒータのON、OFFに対し、触媒の温度がすみやかに追従するばあいには、前記臭気レベル(A)′や(B)′との比較に応じて触媒ヒータのON、OFFを対応させてもよい。
【0040】
本厨芥処理機により、触媒の加熱を必要最小限におさえることができるため、ランニングコストを減らすことが可能になった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明では、ご飯などの炭水化物や、りんごなどの糖分を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥のばあい、選択スイッチにより、撹拌羽根の撹拌周期と撹拌速度の制御を変更し、処理時間を短縮して厨芥を乾燥処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨芥処理機の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1における蓋に設けられるスイッチパネルの一例を示す平面図である。
【図3】図1における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図4】図1における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図5】他の厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図6】他の厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図7】さらに他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図である。
【図8】図7における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図9】図7における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図10】さらなる他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図である。
【図11】図10における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図12】図10における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 処理機本体
2 乾燥室
3 ゴミ容器
4 蓋
5 撹拌羽根
28 ご飯少量運転スイッチ(選択スイッチ)
A 撹拌手段
B 凝縮手段
C 触媒脱臭手段
D 送風手段
【発明の属する技術分野】
本発明は厨芥処理機に関する。さらに詳しくは、一般家庭や業務用の厨房から発生する生ゴミなどの厨芥を乾燥処理する厨芥処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より厨芥を撹拌し、乾燥処理する、屋内外両用の乾燥型厨芥処理機が種々提案されており、たとえば、厨芥を乾燥させる乾燥室と、厨芥を撹拌する撹拌手段と、触媒とヒータを備えた脱臭装置と、乾燥室から発生する水蒸気を処理する凝縮手段と、送風装置とからなり、各装置を循環経路で連絡しているものがある。そして前記乾燥室に投入された厨芥は、撹拌手段で撹拌されながら、加熱乾燥される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厨芥中に菓物などの糖分を多く含んでいるものやご飯などの炭水化物からなるものの占める割合が高くなると、粘りが強いため、ご飯などが撹拌手段である撹拌羽根や乾燥室内のゴミ容器にこびり付くため、それのみの処理が禁じられていたり、他の厨芥と混ぜて糖分や炭水化物の占める割合を低くして、処理しなければならなかった。そのため、多量の菓物やご飯を処理したくても、一度に処理できず、他の厨芥と混ぜて数回に分けて処理しなければならず、面倒であり、時間もかかっていた。
【0004】
本発明は、叙上の事情に鑑み、撹拌手段の制御を変えることにより、糖分の多い厨芥やご飯などの炭水化物からなる厨芥がこびり付かずに処理できる厨芥処理機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の厨芥処理機は、厨芥を乾燥する乾燥室と、該乾燥室内の厨芥を撹拌するための撹拌手段とを備え、糖分や炭水化物を多く含んだ通常の厨芥の処理と糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥の処理とを選択する選択スイッチを設け、該選択スイッチにより糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥処理を選択したばあいには、前記撹拌手段の撹拌周期を短くし、および/または撹拌速度を大きくすることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の厨芥処理機を説明する。
【0007】
図1は本発明の厨芥処理機の一実施例を示す縦断面図、図2は図1における蓋に設けられるスイッチパネルの一例を示す平面図、図3は図1における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図4は図1における厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図5は他の厨芥処理機の制御を示すブロック図、図6は他の厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図7はさらに他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図、図8は図7における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図9は図7における厨芥処理機の動作を示すフローチャート、図10はさらなる他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図、図11は図10における厨芥処理機の制御を示すブロック図、図12は図10における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【0008】
図1に示すように、厨芥処理機は、厨芥を加熱乾燥させる乾燥室2と、厨芥を撹拌する撹拌手段Aと、前記乾燥室2から発生する臭気ガスから水蒸気を回収する凝縮手段Bと、臭気ガスの臭気成分を脱臭する触媒脱臭手段Cと、前記乾燥室2から発生する臭気ガスを触媒脱臭手段Cへ強制的に通風させる送風手段Dとから構成されている。そして前記厨芥を乾燥処理させる乾燥室2は、処理機本体1内に形成され、厨芥を入れたゴミ容器3を収容する空間を有している。上部は支点4aを軸に、開閉できる蓋4で覆われている。この蓋4は蓋ロック4bにより確実に閉まるようになっている。そして開閉スイッチ4dにより蓋4の開閉状態を検出できるようになっている。また蓋4には吸気口として逆止弁4cが設けられており、臭気ガスを漏らすことなく外気を取り入れるようになっている。なお逆止弁4cを設けるのは、逆止弁4cがないと、厨芥を撹拌するとき多量のガスが発生し、外部に臭気が漏れる可能性があるからである。前記ゴミ容器3は乾燥室2と着脱可能に構成され、その底部に撹拌手段Aの撹拌羽根5が設けられ、この撹拌羽根5に底部を貫通した従動軸5aが設けられている。撹拌羽根5は駆動モータ10の回転がギヤ9、8、7、6を介して連結され、減速回転するようになっている。撹拌羽根5は駆動モータ10により間欠駆動され、正転、反転されてゴミ容器3内の厨芥を撹拌し、温度を均一に効率よく乾燥する。駆動モータ10の電源ラインには電流センサ10aがあり、駆動モータ10が受ける負荷量を知ることができる。つまり大きな負荷により駆動モータがロックしたことを検出することができる。ゴミ容器3の材質は腐食しにくいステンレススチールや厨芥の炭化物がこびりつかないようにポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施したものなどが好ましい。
【0009】
乾燥室2の底部には、発熱体が埋め込まれて面状に放熱面が形成されたシーズヒータ11が設けられており、ゴミ容器3の底面を広く加熱する下部加熱方式としている。そのため、厨芥を効率よく加熱し、少ない消費電力で効率よく乾燥できる。このシーズヒータ11によりゴミ容器3の底部温度を100〜120℃の範囲の温度に、通常は約105℃に制御する。加熱温度は高ければ高いほど、乾燥時間を短くできるが、高くしすぎると厨芥が炭化しやすくなる。またゴミ容器3内に塩化ビニル樹脂やナイロンなどの合成樹脂が混入しても105℃前後ではガス化することはないので、塩化ビニル樹脂の分解による塩素含有ガスの発生や、他のプラスチック材料の分解による有毒ガスの発生はない。またシーズヒータ11の温度コントロールを行なうための乾燥温度センサ11aがシーズヒータ11の内部に具備されている。
【0010】
逆止弁4cから取り入れられた外気は、乾燥室2に比べ絶対湿度が低いため、厨芥の乾燥速度が早められる。厨芥から発生した水蒸気やアルデヒド、酢酸、アンモニア、メルカプタンなどの臭気成分と逆止弁4cから吸入された外気との混合ガスは排気管12から乾燥室2を出る。
【0011】
混合ガスの凝縮は凝縮手段Bにより行なわれており、該凝縮手段Bは熱交換器13、ドレインパイプ14、冷却空気を送風する冷却ファン16から構成されている。熱交換器13は箱型、蛇管などでよく、熱伝導率、耐食性のよいアルミ合金、銅合金などでつくられている。熱交換器13の下端にはドレインパイプ14が接続され、ガス中の水蒸気など凝縮分を凝縮水タンク17に集められるようにされている。冷却ファン16により空気を送風して、熱交換器13で臭気ガスを冷却する。冷却空気は処理機本体1の取り入れ口1aから取り入れ、排出口1bから排出するようにして冷却効率を上げる。また熱交換器13の入り口付近には厨芥の乾燥処理の終了判定をするための判定温度センサ13aが備えられている。
【0012】
凝縮水タンク17は処理機本体1の底部に着脱可能に設けられ、連結部18により、ドレインパイプ14の下部に設けられた、水分とガスを分離するための分離室19と気密になるように接続される。また水蒸気が除去されたガスは、冷却・送風モータ15で駆動される送風手段Dの送風ファン20に吸引され、触媒脱臭手段Cである脱臭器21へ送られる。脱臭器21は、送られてきたガスを加熱する触媒ヒータ22と、臭気ガスを酸化分解する触媒層23とからなっている。送風ファン20としては、遠心ファン、軸流ファンなどの気体を送ることができる装置であればどのようなものを用いてもよい。触媒ヒータ22の後段には、ガスを加熱制御するための触媒温度センサ25が備えられている。また送風ファン20は常時ガスを送風できるようにされ、その送風量は、厨芥を処理するとき、厨芥から発生する水蒸気量以上となるように設定されている。あまり風量を多くすると乾燥室2の温度が下がったり、熱交換器13の能力低下になり、水分の回収を効率よくできない。逆に、風量が少なすぎると水蒸気の発生に伴って乾燥室2内の圧力が高まり、乾燥室2を密閉状態に保っているあらゆる接合部から蒸気が外気中に漏れ出してしまう。また、触媒ヒータ22の熱を触媒層23に運ぶガスが少なくなり、触媒層23の温度が充分に上がらず脱臭器21の触媒層23の脱臭能力が下がる惧れがある。なおこの位置に送風ファン20を取り付けるのは、触媒ヒータ22の温度の影響を受けないようにするためである。触媒層23は白金系、白金−パラジウム系、ニッケル系などの酸化触媒を使用している。触媒層23により酸化分解されたガスは排気口24より排気される。なお31は臭気センサである。
【0013】
前記蓋4の上には、図2に示すように選択スイッチを有するスイッチパネル26が設けられている。このスイッチパネル26には、通常、厨芥の処理を開始するための運転スイッチ27と、厨芥が占めるご飯などの炭水化物の割合(重量比率)により、厨芥の処理条件を変えた運転を選択するスイッチとしてのご飯少量運転スイッチ28が設けられている。すなわちご飯少量運転スイッチ28は、糖分や炭水化物が全く含まないかもしくは少量しか含まないときに選択される。なお本明細書において、少量とは厨芥における炭水化物の重量比率が約10%以下のことを意味している。そして厨芥の処理が終了すれば、ご飯少量運転スイッチ28および運転スイッチ27は自動的にオフする。
【0014】
つぎに、本発明の厨芥処理機の動作を説明する。図1〜4に示すように、厨芥処理機はすべてマイコン30により制御され、各センサ10a、11a、13a、25からのデータはマイコン30のA/D入力端子に接続されている。
【0015】
まずゴミ容器3に厨芥を入れて乾燥室2に装着し、蓋4を閉め、凝縮水タンク17を装着し、ついでスイッチパネル26の運転スイッチ27または、ご飯少量運転スイッチ28をオンし、厨芥処理機の運転を開始する。このとき、通常の厨芥(一般家庭から出る標準的な厨芥の内容は、野菜と果物60%、残飯30%、魚5%、肉5%で、残飯の30%のうち、さらにその約50%がご飯である。)を処理するときは、運転スイッチ27が選択され撹拌周期を正転側10秒オン→5分オフ→反転側10秒オン→5分オフで制御し、撹拌周期を長くし、破砕程度を低くしている。しかし、厨芥中のご飯や糖分など、粘りが強いゴミの比率が全く含まないかもしくは少量しな含まないときは、通常のゴミのときのような撹拌周期で撹拌を行なうと、ゴミの破砕程度が低く、処理時間が長くかかり、その結果消費電力がよけいにかかるという欠点がある。そこで厨芥中の粘りが強いゴミの比率が少ないときは、ご飯少量運転スイッチ28を選択し、撹拌の頻度を多くし、ゴミの破砕程度を高くして処理する。実験では、撹拌を正転側10秒オン→10秒オフ→反転側10秒オン→10秒オフにしてやれば、ゴミの処理時間を短縮することができた。さらに駆動モータ10の回転速度を大きくしてやれば、より破砕度合いは高まる。そのため、処理する厨芥にご飯やうどんなど粘りが強いゴミが約10%以下しか含まれていないようであれば、選択スイッチのご飯少量運転スイッチ28をオンにする。そして厨芥は乾燥温度センサ11aの入力にしたがい、シーズヒータ11を105℃に制御し、加熱乾燥される。処理中、厨芥は駆動モータ10によって駆動され、撹拌羽根5によって撹拌および破砕される。
【0016】
厨芥から発生したガスは、送風ファン20によって熱交換器13へ送られ、冷却ファン16により冷却され凝縮される。凝縮された水分は凝縮水タンク17に溜められ、臭気成分を含んだガスは、送風ファン20により、脱臭器21へ送られる。脱臭器21へ送られたガスは、触媒ヒータ22により、400℃に加熱され、触媒層23により酸化分解され、無臭となり外気へ放出される。そして判定温度センサ13aが約60℃まで下がったら乾燥を終了し、運転スイッチ27およびご飯少量運転スイッチ28を自動的にオフする。
【0017】
なお本発明では、撹拌手段にかかる負荷量を検出する負荷量検出手段を設け、該負荷量検出手段により、処理室内に厨芥が投入されたことを検知し、厨芥の処理を自動スタートさせることができる。これにより、処理開始の運転スイッチを押す手間を省くことができる。かかる厨芥処理機は、蓋が閉じられた直後に前記撹拌手段を運転するのが好ましい。また、前記厨芥が投入されたことを検知する手段は、前回の処理終了前後の負荷量と、現在の負荷量を比較することにより判断するのが好ましい。さらに、前回の処理終了前後の負荷量がない、すなわち電源投入後最初の処理時においては、ある一定の負荷量以上であるときに、処理を自動スタートするのが好ましい。また、前回の処理終了前後の負荷量に対し、現在の負荷量が、ある一定量以上増加したときに、厨芥の処理を自動スタートするのが好ましい。
【0018】
つぎにかかる厨芥処理機の動作を説明する。図1および図5〜6に示すように、生ゴミは連続投入可能で、前回の生ゴミ処理終了前後、駆動モータ10を駆動させ、そのときの電流センサ10aの値(A)をマイコン30に入力し、メモリに記憶させておく。このときの駆動モータ10の駆動時間は、撹拌羽根5が2〜3回転するぐらいでよい。開閉スイッチ4dの入力により、蓋4が開閉されたことが検知されると、再度駆動モータ10を駆動させ、そのときの電流センサ10aの値(B)をマイコン30に入力する。マイコン30の内部に記憶させておいた値(A)と値(B)を比較し、(B)>(A)ならば、撹拌羽根5にかかる負荷が増したことになり処理容器3内に生ゴミが投入されたと判断し、生ゴミの乾燥処理を開始する。しかし負荷4の開閉が行なわれたのち、駆動モータ10を駆動させても、電流センサ10aの値が(B)≦(A)であれば、単に蓋4の開閉だけが行なわれたと判断し、そのままつぎの蓋4の開閉が行なわれるまで待機する。
【0019】
また、処理された厨芥が一定時間放置されると、新たな厨芥の投入が無いにもかかわらず、負荷量が増すことがある。このとき、誤って自動スタートしないよう、前回の処理終了前後の負荷量に対し、現在の負荷量が、ある一定量以上増加したときに、厨芥の処理を自動スタートする方法が有効である。
【0020】
また、前記のように放置状態での負荷量の変化を検出するため、蓋が閉じているあいだ、一定時間ごとに負荷量検出を行ない、蓋の開閉の直前の負荷量比較を行ってもよい。
【0021】
図6には示していないが、処理容器3内に生ゴミが初めて投入されたときは、あらかじめ設定しておいたオフセット値(C)が、(B)>(C)ならば、生ゴミが投入されたと判断し、厨芥の乾燥処理を開始する。
【0022】
厨芥処理機は生ゴミの乾燥処理を、蓋の開閉の検知により、自動で乾燥処理を開始するので、生ゴミ投入後、運転スイッチを入れる手間が省け、また生ゴミに触れた汚れた手で厨芥処理機に触れる必要もないので、厨芥処理機も汚れる心配もない。
【0023】
さらに、電流センサ10aは駆動モータ10のロック検出用として、元々備えられているため、コストアップすることなく、便利な厨芥処理機を提供できる。
【0024】
つぎに本発明では、撹拌手段の制御と凝縮手段における冷却ファンの制御を変える低騒音モードを設けることができる。これにより、夜間に低騒音で厨芥を処理することができるようになる。このばあいに、前記低騒音モードへの制御を切りかえるスイッチを設けるのが好ましい。また前記低騒音モードは、前記撹拌手段の撹拌回数を減らし、および/または前記冷却ファンの回転数を下げるのが好ましい。
【0025】
つぎに低騒音モードを設けた厨芥処理機の動作を説明する。図1および図7〜9に示すように、ゴミ容器3に厨芥を入れて乾燥室2に装着し、蓋4を閉め、凝縮水タンク17を装着し、ついでスイッチパネル26の運転スイッチ27をオンし、厨芥処理機の運転を開始する。そのとき、処理時間が通常よりも長くかかっても、静かに処理したいときは、静音運転スイッチ28aをオンし、低騒音モードを選択する。
【0026】
厨芥は乾燥温度センサ11aの入力に従い、シーズヒータ11を105℃に、低騒音モードでは90℃に制御し、加熱乾燥される。
【0027】
駆動モータ10は、正転、反転を断続的に繰り返し、撹拌羽根5により、厨芥を撹拌する。通常の処理では、正転側10秒オン→5分オフ→反転側10秒オン→5分オフで撹拌される。しかし、静音運転スイッチ28aがオンされたときは、撹拌周期を10秒オン→10分オフにし、さらに撹拌羽根5の回転速度を、通常時は約40rpmで撹拌されているのを、静音運転スイッチ28aがオンされたときには、約25rpmまで回転速度を落とすことにより、撹拌時に発生するモータの電磁音、ギヤの噛み合い音、厨芥は破砕される音などの騒音を減らすことができる。
【0028】
このとき、シーズヒータ11を90℃に制御しているため、撹拌頻度が減っても、ゴミ容器3の底部にゴミが焦げ付くことはない。
【0029】
厨芥から発生したガスは、送風ファン20によって熱交換器13へ送られ、冷却ファン16により冷却され凝縮される。ここでも静音運転スイッチがオンされているばあいは、冷却・送風モータ15の回転数を小さくする(3000rpm→2000rpm)。厨芥処理機内部は静圧が高く、冷却ファン16を高速で回転させると、ブーンという耳障りなノイズが発生するが、回転数を小さくすることにより、ノイズを小さくすることができる。このとき、シーズヒータ11を90℃に制御しているため、処理中に厨芥から発生する水蒸気量は比較的少なく、小さくした回転数で送風される風量で充分に通風される。また、同様に、水蒸気量が少ないため、熱交換器13に対する冷却ファン16の回転数が小さくなっても充分に冷却できる。凝縮された水分は凝縮水タンク17に溜められ、臭気成分を含んだガスは、送風ファン20により、脱臭器21へ送られる。脱臭器21へ送られたガスは、触媒ヒータ22により、400℃に加熱され、触媒層23により酸化分解され、無臭となり外気へ放出される。判定温度センサ13aが60℃まで下がったら(低騒音モード時は55℃)、乾燥を終了し運転スイッチ27、静音運転スイッチ28aを自動的にオフする。
【0030】
本厨芥処理機では、撹拌能力、凝縮能力をおさえて厨芥を処理するため、処理に要する時間は長くなるが(通常4時間が低騒音モードでは7時間)、夜間に運転しても、問題がないレベルまで騒音を下げることができる。
【0031】
つぎに本発明では、屋内外で使用する際の切り換えスイッチを備え、屋内で使用するときと、屋外で使用するときのそれぞれで、触媒脱臭手段の制御温度を変える制御手段を設けることができる。これにより、屋外で厨芥処理機を使用するとき、触媒脱臭手段の触媒の加熱温度を屋内で使用するときよりも低めに制御することで、ランニングコストを減らすことができる。
【0032】
かかる切り換えスイッチを備えた厨芥処理機は、前記触媒脱臭手段内に設けられた臭気成分を検出する臭気検出手段と該臭気検出手段の出力に基づいて前記触媒脱臭手段の制御温度を変えるのが好ましい。
【0033】
また屋内外使用に応じた制御温度の変更に加え、前記臭気検出手段出力によって前記制御温度を補正するのが好ましい。
【0034】
つぎに本厨芥処理機の動作を説明する。図1および図10〜12に示すように、蓋4の上部にスイッチパネル26が設けられており、また該スイッチパネル26には、厨芥の処理を開始するための運転スイッチ27と、厨芥の処理を屋内で行なうか、屋外で行なうかを選択するための、使用場所の選択スイッチ28bが設けられている。
【0035】
また厨芥処理機を屋内で使用するばあいは、使用場所の選択スイッチ28bを屋内側にする。屋外で使用するばあいは、使用場所の選択スイッチ28bを屋外側にしておく。ゴミ容器3内に生ゴミを投入し、蓋4を閉め、運転スイッチ27を押して処理を開始する。
【0036】
ゴミ容器3内の生ゴミを加熱するシーズヒータ11は乾燥温度センサ11aの出力にしたがい、105℃になるように制御される。一般家庭で1日に出る生ゴミの量は約700gであり、本厨芥処理機では、700gの生ゴミを約4時間で処理できる。また撹拌羽根5を駆動モータ10により、10秒間正転側を駆動させ、5分間オフする。つぎに10秒間反転側を駆動させ、再び5分間オフする。この撹拌動作により、生ゴミを細かく破砕することができる。
【0037】
送風ファン20は処理中連続して駆動し、生ゴミから発生したガスを触媒層23により酸化分解する。
【0038】
屋内で使用するばあいは、室内に臭気成分が少しでも分解されずに排気されると、室内に不快な臭いが充満してしまう。そのため、人の鼻が臭気を検知できるレベル以下になるよう、ガス中の臭気成分を分解しなければならない。そのレベルを(A)とし、さらにそのレベルよりさらに低いレベル(A)′をマイコン30に記憶させておく。臭気センサ31により、触媒層23を通過して出てきたガスの臭気レベルが(A)′よりも小さければ、触媒層23は脱臭するのに充分なだけ加熱されているので触媒ヒータ22を400℃に制御する。逆に、触媒層23を通過して出てきたガスの臭気レベルが(A)′よりも大きければ、触媒層23の温度が低く、脱臭能力が不足しているということなので、触媒ヒータ22を450℃に制御する。これにより排気口24から排気されるガスの臭気レベルが(A)を超えることはない。
【0039】
屋外で使用するばあいは、ガスが大気中に放出されるので、臭気レベルが少々高くても、臭うことはない。屋外で臭気が検知できるレベルを(B)とし、さらにそのレベルよりさらに低いレベル(B)′をマイコン30に記憶させておく。あとは屋内と同じ方法で触媒ヒータ22を制御する。なお本厨芥処理機では、制御温度を変更しているが、触媒ヒータのON、OFFに対し、触媒の温度がすみやかに追従するばあいには、前記臭気レベル(A)′や(B)′との比較に応じて触媒ヒータのON、OFFを対応させてもよい。
【0040】
本厨芥処理機により、触媒の加熱を必要最小限におさえることができるため、ランニングコストを減らすことが可能になった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明では、ご飯などの炭水化物や、りんごなどの糖分を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥のばあい、選択スイッチにより、撹拌羽根の撹拌周期と撹拌速度の制御を変更し、処理時間を短縮して厨芥を乾燥処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨芥処理機の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1における蓋に設けられるスイッチパネルの一例を示す平面図である。
【図3】図1における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図4】図1における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図5】他の厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図6】他の厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図7】さらに他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図である。
【図8】図7における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図9】図7における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【図10】さらなる他の厨芥処理機におけるスイッチパネルを示す平面図である。
【図11】図10における厨芥処理機の制御を示すブロック図である。
【図12】図10における厨芥処理機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 処理機本体
2 乾燥室
3 ゴミ容器
4 蓋
5 撹拌羽根
28 ご飯少量運転スイッチ(選択スイッチ)
A 撹拌手段
B 凝縮手段
C 触媒脱臭手段
D 送風手段
Claims (1)
- 厨芥を乾燥する乾燥室と、該乾燥室内の厨芥を撹拌するための撹拌手段とを備え、糖分や炭水化物を多く含んだ通常の厨芥の処理と糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥の処理とを選択する選択スイッチを設け、該選択スイッチにより糖分や炭水化物を全く含まないかもしくは少量しか含まない厨芥処理を選択したばあいには、前記撹拌手段の撹拌周期を短くし、および/または撹拌速度を大きくすることを特徴とする厨芥処理機。
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