JP3540126B2 - 抵抗溶接方法及び該方法に用いる装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば一方の電線の撚られた複数の線材からなる芯線と他方の電線の撚られた複数の線材からなる芯線同士を重ね合わせて一対の電極間で加圧し、大電流の短時間通電による抵抗発熱を利用して抵抗溶接する抵抗溶接方法(スポット溶接法等の重ね抵抗溶接法)及び該方法に用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の抵抗溶接装置として、図6(a)に示す交流サイリスタ方式(電源開閉器としてサイリスタを用い、溶接電流をサイリスタなどの点弧位相を変えて連続的に電流調整を行う方式)のものがある。この抵抗溶接装置1は、被溶接材としての一対の絶縁被覆電線30,30′(以下電線と称する)の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接するものであり、側面略コ字形で箱形の装置本体2を有している。この装置本体2の中央には電線セット治具3が配置されていると共に、該装置本体2の上部前側にはエアシリンダ4が取り付けられている。これら電線セット治具3とエアシリンダ4の下方には、上記各芯線31,31′の溶接部分に溶接電流を流すと共に所定の加圧力をかける上下一対の電極5A,5Bが設けられている。
【0003】
上側の電極5Aは電極ホルダ6を介して上記エアシリンダ4のピストンロッド4aに連結されて上下方向に移動するようになっていると共に、溶接電流を供給する溶接トランス(電源)7にオンス銅板8を介して接続されている。さらに、下側の電極5Bは装置本体2の中央部に固定されていて上記溶接トランス7に接続されている。さらに、この溶接トランス7は溶接電流の電流値及び通電時間を設定する溶接タイマ9に接続されていて、該溶接タイマ9からの通電開始及び通電終了信号により上記エアシリンダ4の電磁弁4Aが開閉されるようになっている。尚、各電極5A,5Bは、円柱状のクロム銅体5aと直方体状のタングステンチップ5bとでそれぞれ構成されている。
【0004】
この交流サイリスタ方式の抵抗溶接装置1を用いて、図7に示すように、一対の電線30,30′の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接する工程を図8に示すフローチャートに従って説明する。まず、一対の電極5A,5B間に電線セット治具3を介して一対の電線30,30′の露出した各芯線31,31′を挿入した後で起動入力スイッチ9Aをオンすると、溶接タイマ9が始動し(ステップS1)、図示しない圧縮エア源に接続された電磁弁4Aが開いてエアシリンダ4により上側の電極5Aが下降する。そして、一対の電極5A,5B間の各芯線31,31′同士の初期加圧が完了する(ステップS2)と、溶接トランス7より溶接電流が一対の電極5A,5B間に上下交互に流され(ステップS3)、予め設定(固定)された通電時間まで溶接電流が流されて該溶接電流の通電による抵抗発熱を利用し、各芯線31,31′同士を溶融させて抵抗溶接した後通電を停止する(ステップS4)。次に、一対の電極5A,5B間の加圧状態を一定時間保持して冷却する(ステップS5)。これらステップS2からステップS5の動作は、溶接タイマ9のシーケンス制御により自動的に行われる。その後、上記加圧状態を解除することにより抵抗溶接が終了する(ステップS6)。尚、この類似技術は、特開平4−22584号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の抵抗溶接装置1では、溶接トランス7と溶接タイマ9による定電流制御のもとで溶接電流の通電時間が一定時間に固定されているため、一対の電極5A,5Bの二次側抵抗値に変化が生じた場合に発熱量が同様に変化してしまい、撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′同士の溶接強度(固着力)等の溶接状態(溶接品質)がバラツキ易かった。即ち、上記発熱量をQとすると該発熱量Qは、Q=I2 ・R・Tで表される。ここで、電流Iは一定、時間Tは一定で、抵抗Rが撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′の酸化抵抗によるバラツキやタングステン製等の各電極5A,5Bの形状変化による抵抗変化、各電極5A,5Bの各タングステンチップ5bの接合面の酸化皮膜の状態又は各電極5A,5B間の加圧力のバラツキ等で変化するため、溶接品質を安定させるのは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、溶接品質を高品質に常に安定させることができる抵抗溶接方法及び該方法に用いる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一対の電極間に被溶接材の溶接部分を加圧した状態で該溶接部分に溶接電流を通電し、この溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を熱圧着させ、前記一対の電極間の加圧下で前記溶接部分の抵抗溶接を行うようにした抵抗溶接方法において、前記溶接部分の溶接幅を測定し、この測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを演算し、この演算された基準溶接高さに前記溶接部分の高さが達するまで前記溶接電流の通電を行うことを特徴とする。
【0008】
この抵抗溶接方法では、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて溶接電流の通電時間が調整されて被溶接材の溶接部分の隙間がなくなる時点で溶接電流の通電が停止される。これにより、電極の二次側抵抗値の変化に影響されず、溶接品質が安定する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の抵抗溶接方法であって、前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【0010】
この抵抗溶接方法では、各芯線の線間同士の隙間がなくなって線間周囲が密に抵抗溶接される。これにより、芯線の整列状態に関係せずに線間の固着力(溶接強度)が安定する。
【0011】
請求項3の発明は、被溶接材の溶接部分に溶接電流を通電すると共に所定の加圧力をかける一対の電極と、前記溶接電流の通電時間を制御する溶接タイマと、前記溶接電流を供給する溶接トランスとを備え、前記被溶接材の溶接部分を前記一対の電極によって加圧し、前記溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を抵抗溶接するようにした抵抗溶接装置において、前記溶接部分の溶接幅を測定する幅測定手段と、この幅測定手段により測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを逆算して求める演算手段と、前記溶接部分の高さが前記基準溶接高さに達したか否かを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段による前記溶接部分の前記基準溶接高さの検出時に前記溶接タイマを制御して前記溶接電流の通電を停止させるインターフェースとを備えたことを特徴とする。
【0012】
この抵抗溶接装置では、被溶接材(溶接対象)毎に溶接タイマにより溶接電流の通電時間が可変されるので、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて発熱量が可変され、溶接品質のバラツキがなくなって溶接品質が向上する。また、溶接棒のような消耗資材を必要としないため、低コストであり、生産性がよい。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3記載の抵抗溶接装置であって、前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この抵抗溶接装置では、各芯線の線間同士が隙間なく密に溶接されるため、各芯線の整列状態に関係せずに溶接強度が安定し、溶接品質が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1(a)は本発明の一実施形態の抵抗溶接装置を示す側面図、図1(b)は抵抗溶接装置の要部の構成図、図2(a)は抵抗溶接装置により抵抗溶接される一対の電線を示す斜視図、図2(b)は同抵抗溶接時の一対の電極と一対の電線の各芯線との積層関係を示す説明図である。
【0017】
図1(a)に示す抵抗溶接装置10は、交流サイリスタ方式(電源開閉器としてサイリスタを用い、溶接電流をサイリスタなどの点弧位相を変えて連続的に電流調整を行う方式)のものであり、被溶接材としての一対の電線30,30′の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接するものである。この抵抗溶接装置10は、側面略コ字形で箱形の装置本体11を有している。この装置本体11の中央には電線セット治具12が配置されていると共に、該装置本体11の上部前側にはエアシリンダ(駆動手段)13が取り付けられている。これら電線セット治具12とエアシリンダ13の下方には各芯線31,31′の溶接部分に溶接電流を流すと共に所定の加圧力をかける上下一対の電極15A,15Bが設けられている。この各電極(電極チップ)15A,15Bは、円柱状のクロム銅体15aと直方体状のタングステンチップ15bとでそれぞれ構成されている。
【0018】
上側の電極15Aは電極ホルダ16を介してエアシリンダ13のピストンロッド13aに連結されて上下方向に移動するようになっていると共に、溶接電流を供給する溶接トランス(電源)17にオンス銅板18を介して接続されている。また、下側の電極15Bは装置本体11の中央部に固定されていて上記溶接トランス17に接続されている。さらに、溶接トランス17には溶接電流の通電時間を制御する溶接タイマ19が接続されていて、該溶接タイマ19には図示しないシーケンス制御回路等を備えたシーケンサ(インターフェース)20が接続されている。このシーケンサ20からの通電開始及び通電終了信号により上記エアシリンダ13の電磁弁14が開閉されると共に、上記溶接タイマ19が制御(通電開始及び通電停止)されるようになっている。尚、エアシリンダ13のピストンロッド13aによる一対の電極15A,15B間の加圧力は例えば100〜200kgf前後に設定されている。また、溶接トランス17は低電圧(例えば2V程度)、大電流(例えば4000〜6000A)を得るために図示しない一次,二次巻線等を有している。
【0019】
図1(a)に示すように、電線セット治具12には各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを測定する幅変位センサ(幅測定手段)21が設けられている。図3(a),(b)に示すように、この幅変位センサ21で測定された各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wより予め定められた溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて該溶接部分の基準溶接高さHを逆算(S÷W=H)して求める図示しない演算回路等を備えた演算部(演算手段)22が上記シーケンサ20に接続されている。また、演算部22には溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間等を表示する表示器(表示手段)23が設けられている。さらに、電極ホルダ16には、上記溶接部分の高さH′が上記基準溶接高さHに達したか否かを検出する高さ変位センサ(高さ検出手段)24が設けられていて、この高さ変位センサ24による上記溶接部分の基準溶接高さHの検出時にシーケンサ20により溶接タイマ19を制御して溶接電流の通電を停止させるようになっている。
【0020】
幅変位センサ21は前後方向に移動する接触測定子21aを備えていて、該接触測定子21aの移動距離により各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを測定するものである。また、表示器23は図示しない液晶パネル等を備えていて、該液晶パネルに溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間等の情報が表示されるようになっている。さらに、高さ変位センサ24は上下方向に移動すると共に電線セット治具12の基準板部12aに当接する接触測定子24aを備えていて、該接触測定子24aの移動距離により各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達したか否かが検出されるようになっている。
【0021】
以上実施形態の交流サイリスタ方式の抵抗溶接装置10を用いて、一対の電線30,30′の撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接する工程を図4に示すフローチャートによって説明する。まず、図2(b)に示すように、電線セット治具12に一対の電線30,30′の露出した各芯線31,31′を上下重ね合わせてセットした後で該各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを幅変位センサ21で測定し(ステップS11)、この測定された溶接幅Wより予め定められた各芯線31,31′の溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて該溶接部分の基準溶接高さHを演算部22で演算する(ステップS12)と、シーケンサ20が溶接スタート入力の指示を出す(ステップS13)。これにより、溶接タイマ19が始動する(ステップS14)と共に、図示しない圧縮エア源に接続された電磁弁14が開いて上側の電極15Aが下降する。この一対の電極15A,15B間の各芯線31,31′同士の初期加圧が完了する(ステップS15)と、溶接トランス17より溶接電流が一対の電極15A,15B間に上下交互に流され(ステップS16)、上記溶接電流の通電による抵抗発熱を利用し、各芯線31,31′同士を熱圧着(又は拡散接合)させて抵抗溶接する。
【0022】
そして、高さ変位センサ24が各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達したこと(H′=H)を検出する(ステップS17)と、シーケンサ20が溶接タイマ19を介して上記溶接電流の通電を停止させる(ステップS18)。即ち、高さ変位センサ24が各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達するのを検出するまで溶接電流を流し続けて各芯線31,31′同士を抵抗溶接させる。この溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間は表示器23に図5(b)に示すように表示され、また、この表示器23には通電時間が適正範囲か否か等が表示される。次に、一対の電極15A,15B間の加圧状態を一定時間保持して冷却し(ステップS19)、その後、上記加圧状態を解除することにより抵抗溶接が終了する(ステップS20)。
【0023】
例えば、一対の電線30,30′の各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅WがW=2.5mm、基準溶接断面積SがS=7.5mm2 、基準溶接高さHがH=3.0mm、溶接部分の溶接前の高さH′がH′=5.0mm、一対の電極15a,15bの加圧力が150kgf、溶接電流が4000Aで、上記各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHになるまで溶接電流の通電を行った場合の実験データを図5(a),(b),(c)に示す。これにより、各芯線31,31′の抵抗溶接された溶接部分は図3(b)に示すように線間同士の隙間がなくなって線間同士の周囲が密に接続溶接された状態(各芯線31,31′間の隙間率がゼロの状態)となり、各芯線31,31′の整列状態に関係せずに溶接強度(線間同士の固着力)は図5(c)に示すように安定する。これは、定電流制御のもとで溶接電流の通電時間を一定時間に固定した従来の場合の実験データである図5(d)と比較すれば明らかである。
【0024】
このように、各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを幅変位センサ21で測定し、この測定された溶接幅Wより予め定められた溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて上記溶接部分の基準溶接高さHを演算し、この演算された基準溶接高さHに溶接部分の高さH′が達する(各芯線31,31′の線間同士の隙間がなくなる時点)まで溶接電流の通電を行って各芯線31,31′の溶接部分を抵抗溶接するようにしたので、即ち、定電流制御のもとで各芯線31,31′の溶接対象毎に溶接電流の通電時間を可変するようにしたので、一対の電極15A,15Bの二次側抵抗値のバラツキ(各芯線31,31′の溶接部分の酸化抵抗によるバラツキやタングステン製等の各電極15A,15Bの形状変化による抵抗変化、各電極15A,15Bの各タングステンチップ15bの接合面の酸化皮膜の状態又は各電極15A,15B間の加圧力のバラツキ等)に応じて発熱量を可変させることができ、溶接品質のバラツキをなくして溶接品質を安定させることができる。その結果、品質保証としての抜き取り検査による破壊検査の実施が不要となり、一対の電線30,30′の各芯線31,31′の抵抗溶接した溶接部分の全数検査が非破壊検査にて可能となる。
【0025】
尚、前記実施形態によれば、一対の電極の上側の電極を駆動させる手段としてエアシリンダを用いたが、油圧シリンダ等の他のアクチュエータを電極の駆動手段としてもよい。また、幅測定手段及び高さ検出手段は機械式のセンサを用いたが、反射型や透過型の光センサ等を用いてもよい。さらに、溶接対象毎に溶接部分の溶接幅と基準溶接断面積及び基準溶接高さはそれぞれ異なるものである。さらにまた、抵抗溶接以外の超音波溶接等にも応用できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて溶接電流の通電時間を調整して被溶接材の溶接部分の隙間がなくなった時点で溶接電流の通電を停止するようにしたので、電極の二次側抵抗値の変化に影響されずに、溶接品質を安定させて一定にすることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、各芯線の線間同士の隙間を減少させて線間周囲を密に溶接できるため、芯線の整列状態に関係せずに線間の固着力を安定させることができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、溶接対象毎に溶接タイマにより溶接電流の通電時間が可変されるので、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて発熱量を可変することができ、溶接品質のバラツキを少なくして該溶接品質を向上させることができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、各芯線の線間同士を隙間なく密に溶接できるため、各芯線の整列状態に関係せずに溶接強度を安定させることができ、溶接品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の抵抗溶接装置を示す側面図、(b)は同抵抗溶接装置の要部の構成図である。
【図2】(a)は上記抵抗溶接装置により抵抗溶接される一対の電線の各芯線を示す斜視図、(b)は同抵抗溶接時の一対の電極と一対の電線の各芯線との積層関係を示す説明図である。
【図3】(a)は上記一対の電線の各芯線の溶接前の状態を示す説明図、(b)は同各芯線の溶接後の状態となる基準溶接断面積を示す説明図である。
【図4】上記抵抗溶接装置による一対の電線の各芯線の抵抗溶接を順を追って説明するためのフローチャートである。
【図5】(a)は上記抵抗溶接装置による各芯線の線間同士の隙間がなくなった溶接状態における溶接部分の沈み込み量(H′−H)の変位(電圧波形V)と時間(例えばサンプリング周波数500Hzのとき2msec/1Point)の関係を示す特性図、(b)は同溶接状態における一対の電極のチップ間抵抗(mΩ)と通電時間(サイクル)の関係を示す特性図、(c)は同抵抗溶接装置による溶接電流の通電時間を変位させた場合の各芯線の線間同士の固着力(kgf)と溶接部分の沈み込み量の変位(V)の関係を示す特性図、(d)は従来の抵抗溶接装置による溶接電流の通電時間を固定させた場合の各芯線の線間同士の固着力(kgf)と溶接部分の沈み込み量の変位(V)の関係を示す特性図である。
【図6】(a)は従来例の抵抗溶接装置の側面図、(b)は同抵抗溶接装置の要部の構成図である。
【図7】上記従来例の抵抗溶接装置の一対の電極間において一対の電線の各芯線を溶接する際の説明図である。
【図8】上記従来例の抵抗溶接装置による一対の電線の各芯線の抵抗溶接を順を追って説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 抵抗溶接装置
15a,15b 一対の電極
17 溶接トランス
19 溶接タイマ
20 シーケンサ(インターフェース)
21 幅変位センサ(幅測定手段)
22 演算部(演算手段)
24 高さ変位センサ(高さ検出手段)
30,30′ 一対の電線
31,31′ 芯線(被溶接材)
W 溶接幅
S 基準溶接断面積
H 基準溶接高さ
H′ 溶接部分の高さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば一方の電線の撚られた複数の線材からなる芯線と他方の電線の撚られた複数の線材からなる芯線同士を重ね合わせて一対の電極間で加圧し、大電流の短時間通電による抵抗発熱を利用して抵抗溶接する抵抗溶接方法(スポット溶接法等の重ね抵抗溶接法)及び該方法に用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の抵抗溶接装置として、図6(a)に示す交流サイリスタ方式(電源開閉器としてサイリスタを用い、溶接電流をサイリスタなどの点弧位相を変えて連続的に電流調整を行う方式)のものがある。この抵抗溶接装置1は、被溶接材としての一対の絶縁被覆電線30,30′(以下電線と称する)の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接するものであり、側面略コ字形で箱形の装置本体2を有している。この装置本体2の中央には電線セット治具3が配置されていると共に、該装置本体2の上部前側にはエアシリンダ4が取り付けられている。これら電線セット治具3とエアシリンダ4の下方には、上記各芯線31,31′の溶接部分に溶接電流を流すと共に所定の加圧力をかける上下一対の電極5A,5Bが設けられている。
【0003】
上側の電極5Aは電極ホルダ6を介して上記エアシリンダ4のピストンロッド4aに連結されて上下方向に移動するようになっていると共に、溶接電流を供給する溶接トランス(電源)7にオンス銅板8を介して接続されている。さらに、下側の電極5Bは装置本体2の中央部に固定されていて上記溶接トランス7に接続されている。さらに、この溶接トランス7は溶接電流の電流値及び通電時間を設定する溶接タイマ9に接続されていて、該溶接タイマ9からの通電開始及び通電終了信号により上記エアシリンダ4の電磁弁4Aが開閉されるようになっている。尚、各電極5A,5Bは、円柱状のクロム銅体5aと直方体状のタングステンチップ5bとでそれぞれ構成されている。
【0004】
この交流サイリスタ方式の抵抗溶接装置1を用いて、図7に示すように、一対の電線30,30′の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接する工程を図8に示すフローチャートに従って説明する。まず、一対の電極5A,5B間に電線セット治具3を介して一対の電線30,30′の露出した各芯線31,31′を挿入した後で起動入力スイッチ9Aをオンすると、溶接タイマ9が始動し(ステップS1)、図示しない圧縮エア源に接続された電磁弁4Aが開いてエアシリンダ4により上側の電極5Aが下降する。そして、一対の電極5A,5B間の各芯線31,31′同士の初期加圧が完了する(ステップS2)と、溶接トランス7より溶接電流が一対の電極5A,5B間に上下交互に流され(ステップS3)、予め設定(固定)された通電時間まで溶接電流が流されて該溶接電流の通電による抵抗発熱を利用し、各芯線31,31′同士を溶融させて抵抗溶接した後通電を停止する(ステップS4)。次に、一対の電極5A,5B間の加圧状態を一定時間保持して冷却する(ステップS5)。これらステップS2からステップS5の動作は、溶接タイマ9のシーケンス制御により自動的に行われる。その後、上記加圧状態を解除することにより抵抗溶接が終了する(ステップS6)。尚、この類似技術は、特開平4−22584号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の抵抗溶接装置1では、溶接トランス7と溶接タイマ9による定電流制御のもとで溶接電流の通電時間が一定時間に固定されているため、一対の電極5A,5Bの二次側抵抗値に変化が生じた場合に発熱量が同様に変化してしまい、撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′同士の溶接強度(固着力)等の溶接状態(溶接品質)がバラツキ易かった。即ち、上記発熱量をQとすると該発熱量Qは、Q=I2 ・R・Tで表される。ここで、電流Iは一定、時間Tは一定で、抵抗Rが撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′の酸化抵抗によるバラツキやタングステン製等の各電極5A,5Bの形状変化による抵抗変化、各電極5A,5Bの各タングステンチップ5bの接合面の酸化皮膜の状態又は各電極5A,5B間の加圧力のバラツキ等で変化するため、溶接品質を安定させるのは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、溶接品質を高品質に常に安定させることができる抵抗溶接方法及び該方法に用いる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一対の電極間に被溶接材の溶接部分を加圧した状態で該溶接部分に溶接電流を通電し、この溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を熱圧着させ、前記一対の電極間の加圧下で前記溶接部分の抵抗溶接を行うようにした抵抗溶接方法において、前記溶接部分の溶接幅を測定し、この測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを演算し、この演算された基準溶接高さに前記溶接部分の高さが達するまで前記溶接電流の通電を行うことを特徴とする。
【0008】
この抵抗溶接方法では、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて溶接電流の通電時間が調整されて被溶接材の溶接部分の隙間がなくなる時点で溶接電流の通電が停止される。これにより、電極の二次側抵抗値の変化に影響されず、溶接品質が安定する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の抵抗溶接方法であって、前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【0010】
この抵抗溶接方法では、各芯線の線間同士の隙間がなくなって線間周囲が密に抵抗溶接される。これにより、芯線の整列状態に関係せずに線間の固着力(溶接強度)が安定する。
【0011】
請求項3の発明は、被溶接材の溶接部分に溶接電流を通電すると共に所定の加圧力をかける一対の電極と、前記溶接電流の通電時間を制御する溶接タイマと、前記溶接電流を供給する溶接トランスとを備え、前記被溶接材の溶接部分を前記一対の電極によって加圧し、前記溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を抵抗溶接するようにした抵抗溶接装置において、前記溶接部分の溶接幅を測定する幅測定手段と、この幅測定手段により測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを逆算して求める演算手段と、前記溶接部分の高さが前記基準溶接高さに達したか否かを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段による前記溶接部分の前記基準溶接高さの検出時に前記溶接タイマを制御して前記溶接電流の通電を停止させるインターフェースとを備えたことを特徴とする。
【0012】
この抵抗溶接装置では、被溶接材(溶接対象)毎に溶接タイマにより溶接電流の通電時間が可変されるので、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて発熱量が可変され、溶接品質のバラツキがなくなって溶接品質が向上する。また、溶接棒のような消耗資材を必要としないため、低コストであり、生産性がよい。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3記載の抵抗溶接装置であって、前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この抵抗溶接装置では、各芯線の線間同士が隙間なく密に溶接されるため、各芯線の整列状態に関係せずに溶接強度が安定し、溶接品質が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1(a)は本発明の一実施形態の抵抗溶接装置を示す側面図、図1(b)は抵抗溶接装置の要部の構成図、図2(a)は抵抗溶接装置により抵抗溶接される一対の電線を示す斜視図、図2(b)は同抵抗溶接時の一対の電極と一対の電線の各芯線との積層関係を示す説明図である。
【0017】
図1(a)に示す抵抗溶接装置10は、交流サイリスタ方式(電源開閉器としてサイリスタを用い、溶接電流をサイリスタなどの点弧位相を変えて連続的に電流調整を行う方式)のものであり、被溶接材としての一対の電線30,30′の各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接するものである。この抵抗溶接装置10は、側面略コ字形で箱形の装置本体11を有している。この装置本体11の中央には電線セット治具12が配置されていると共に、該装置本体11の上部前側にはエアシリンダ(駆動手段)13が取り付けられている。これら電線セット治具12とエアシリンダ13の下方には各芯線31,31′の溶接部分に溶接電流を流すと共に所定の加圧力をかける上下一対の電極15A,15Bが設けられている。この各電極(電極チップ)15A,15Bは、円柱状のクロム銅体15aと直方体状のタングステンチップ15bとでそれぞれ構成されている。
【0018】
上側の電極15Aは電極ホルダ16を介してエアシリンダ13のピストンロッド13aに連結されて上下方向に移動するようになっていると共に、溶接電流を供給する溶接トランス(電源)17にオンス銅板18を介して接続されている。また、下側の電極15Bは装置本体11の中央部に固定されていて上記溶接トランス17に接続されている。さらに、溶接トランス17には溶接電流の通電時間を制御する溶接タイマ19が接続されていて、該溶接タイマ19には図示しないシーケンス制御回路等を備えたシーケンサ(インターフェース)20が接続されている。このシーケンサ20からの通電開始及び通電終了信号により上記エアシリンダ13の電磁弁14が開閉されると共に、上記溶接タイマ19が制御(通電開始及び通電停止)されるようになっている。尚、エアシリンダ13のピストンロッド13aによる一対の電極15A,15B間の加圧力は例えば100〜200kgf前後に設定されている。また、溶接トランス17は低電圧(例えば2V程度)、大電流(例えば4000〜6000A)を得るために図示しない一次,二次巻線等を有している。
【0019】
図1(a)に示すように、電線セット治具12には各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを測定する幅変位センサ(幅測定手段)21が設けられている。図3(a),(b)に示すように、この幅変位センサ21で測定された各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wより予め定められた溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて該溶接部分の基準溶接高さHを逆算(S÷W=H)して求める図示しない演算回路等を備えた演算部(演算手段)22が上記シーケンサ20に接続されている。また、演算部22には溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間等を表示する表示器(表示手段)23が設けられている。さらに、電極ホルダ16には、上記溶接部分の高さH′が上記基準溶接高さHに達したか否かを検出する高さ変位センサ(高さ検出手段)24が設けられていて、この高さ変位センサ24による上記溶接部分の基準溶接高さHの検出時にシーケンサ20により溶接タイマ19を制御して溶接電流の通電を停止させるようになっている。
【0020】
幅変位センサ21は前後方向に移動する接触測定子21aを備えていて、該接触測定子21aの移動距離により各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを測定するものである。また、表示器23は図示しない液晶パネル等を備えていて、該液晶パネルに溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間等の情報が表示されるようになっている。さらに、高さ変位センサ24は上下方向に移動すると共に電線セット治具12の基準板部12aに当接する接触測定子24aを備えていて、該接触測定子24aの移動距離により各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達したか否かが検出されるようになっている。
【0021】
以上実施形態の交流サイリスタ方式の抵抗溶接装置10を用いて、一対の電線30,30′の撚られた複数の線材からなる各芯線31,31′同士を重ね合わせて抵抗溶接する工程を図4に示すフローチャートによって説明する。まず、図2(b)に示すように、電線セット治具12に一対の電線30,30′の露出した各芯線31,31′を上下重ね合わせてセットした後で該各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを幅変位センサ21で測定し(ステップS11)、この測定された溶接幅Wより予め定められた各芯線31,31′の溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて該溶接部分の基準溶接高さHを演算部22で演算する(ステップS12)と、シーケンサ20が溶接スタート入力の指示を出す(ステップS13)。これにより、溶接タイマ19が始動する(ステップS14)と共に、図示しない圧縮エア源に接続された電磁弁14が開いて上側の電極15Aが下降する。この一対の電極15A,15B間の各芯線31,31′同士の初期加圧が完了する(ステップS15)と、溶接トランス17より溶接電流が一対の電極15A,15B間に上下交互に流され(ステップS16)、上記溶接電流の通電による抵抗発熱を利用し、各芯線31,31′同士を熱圧着(又は拡散接合)させて抵抗溶接する。
【0022】
そして、高さ変位センサ24が各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達したこと(H′=H)を検出する(ステップS17)と、シーケンサ20が溶接タイマ19を介して上記溶接電流の通電を停止させる(ステップS18)。即ち、高さ変位センサ24が各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHに達するのを検出するまで溶接電流を流し続けて各芯線31,31′同士を抵抗溶接させる。この溶接電流の通電開始から通電停止までの通電時間は表示器23に図5(b)に示すように表示され、また、この表示器23には通電時間が適正範囲か否か等が表示される。次に、一対の電極15A,15B間の加圧状態を一定時間保持して冷却し(ステップS19)、その後、上記加圧状態を解除することにより抵抗溶接が終了する(ステップS20)。
【0023】
例えば、一対の電線30,30′の各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅WがW=2.5mm、基準溶接断面積SがS=7.5mm2 、基準溶接高さHがH=3.0mm、溶接部分の溶接前の高さH′がH′=5.0mm、一対の電極15a,15bの加圧力が150kgf、溶接電流が4000Aで、上記各芯線31,31′の溶接部分の高さH′が基準溶接高さHになるまで溶接電流の通電を行った場合の実験データを図5(a),(b),(c)に示す。これにより、各芯線31,31′の抵抗溶接された溶接部分は図3(b)に示すように線間同士の隙間がなくなって線間同士の周囲が密に接続溶接された状態(各芯線31,31′間の隙間率がゼロの状態)となり、各芯線31,31′の整列状態に関係せずに溶接強度(線間同士の固着力)は図5(c)に示すように安定する。これは、定電流制御のもとで溶接電流の通電時間を一定時間に固定した従来の場合の実験データである図5(d)と比較すれば明らかである。
【0024】
このように、各芯線31,31′の溶接部分の溶接幅Wを幅変位センサ21で測定し、この測定された溶接幅Wより予め定められた溶接部分の基準溶接断面積Sに基づいて上記溶接部分の基準溶接高さHを演算し、この演算された基準溶接高さHに溶接部分の高さH′が達する(各芯線31,31′の線間同士の隙間がなくなる時点)まで溶接電流の通電を行って各芯線31,31′の溶接部分を抵抗溶接するようにしたので、即ち、定電流制御のもとで各芯線31,31′の溶接対象毎に溶接電流の通電時間を可変するようにしたので、一対の電極15A,15Bの二次側抵抗値のバラツキ(各芯線31,31′の溶接部分の酸化抵抗によるバラツキやタングステン製等の各電極15A,15Bの形状変化による抵抗変化、各電極15A,15Bの各タングステンチップ15bの接合面の酸化皮膜の状態又は各電極15A,15B間の加圧力のバラツキ等)に応じて発熱量を可変させることができ、溶接品質のバラツキをなくして溶接品質を安定させることができる。その結果、品質保証としての抜き取り検査による破壊検査の実施が不要となり、一対の電線30,30′の各芯線31,31′の抵抗溶接した溶接部分の全数検査が非破壊検査にて可能となる。
【0025】
尚、前記実施形態によれば、一対の電極の上側の電極を駆動させる手段としてエアシリンダを用いたが、油圧シリンダ等の他のアクチュエータを電極の駆動手段としてもよい。また、幅測定手段及び高さ検出手段は機械式のセンサを用いたが、反射型や透過型の光センサ等を用いてもよい。さらに、溶接対象毎に溶接部分の溶接幅と基準溶接断面積及び基準溶接高さはそれぞれ異なるものである。さらにまた、抵抗溶接以外の超音波溶接等にも応用できることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて溶接電流の通電時間を調整して被溶接材の溶接部分の隙間がなくなった時点で溶接電流の通電を停止するようにしたので、電極の二次側抵抗値の変化に影響されずに、溶接品質を安定させて一定にすることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、各芯線の線間同士の隙間を減少させて線間周囲を密に溶接できるため、芯線の整列状態に関係せずに線間の固着力を安定させることができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、溶接対象毎に溶接タイマにより溶接電流の通電時間が可変されるので、電極の二次側抵抗値のバラツキに応じて発熱量を可変することができ、溶接品質のバラツキを少なくして該溶接品質を向上させることができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、各芯線の線間同士を隙間なく密に溶接できるため、各芯線の整列状態に関係せずに溶接強度を安定させることができ、溶接品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の抵抗溶接装置を示す側面図、(b)は同抵抗溶接装置の要部の構成図である。
【図2】(a)は上記抵抗溶接装置により抵抗溶接される一対の電線の各芯線を示す斜視図、(b)は同抵抗溶接時の一対の電極と一対の電線の各芯線との積層関係を示す説明図である。
【図3】(a)は上記一対の電線の各芯線の溶接前の状態を示す説明図、(b)は同各芯線の溶接後の状態となる基準溶接断面積を示す説明図である。
【図4】上記抵抗溶接装置による一対の電線の各芯線の抵抗溶接を順を追って説明するためのフローチャートである。
【図5】(a)は上記抵抗溶接装置による各芯線の線間同士の隙間がなくなった溶接状態における溶接部分の沈み込み量(H′−H)の変位(電圧波形V)と時間(例えばサンプリング周波数500Hzのとき2msec/1Point)の関係を示す特性図、(b)は同溶接状態における一対の電極のチップ間抵抗(mΩ)と通電時間(サイクル)の関係を示す特性図、(c)は同抵抗溶接装置による溶接電流の通電時間を変位させた場合の各芯線の線間同士の固着力(kgf)と溶接部分の沈み込み量の変位(V)の関係を示す特性図、(d)は従来の抵抗溶接装置による溶接電流の通電時間を固定させた場合の各芯線の線間同士の固着力(kgf)と溶接部分の沈み込み量の変位(V)の関係を示す特性図である。
【図6】(a)は従来例の抵抗溶接装置の側面図、(b)は同抵抗溶接装置の要部の構成図である。
【図7】上記従来例の抵抗溶接装置の一対の電極間において一対の電線の各芯線を溶接する際の説明図である。
【図8】上記従来例の抵抗溶接装置による一対の電線の各芯線の抵抗溶接を順を追って説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 抵抗溶接装置
15a,15b 一対の電極
17 溶接トランス
19 溶接タイマ
20 シーケンサ(インターフェース)
21 幅変位センサ(幅測定手段)
22 演算部(演算手段)
24 高さ変位センサ(高さ検出手段)
30,30′ 一対の電線
31,31′ 芯線(被溶接材)
W 溶接幅
S 基準溶接断面積
H 基準溶接高さ
H′ 溶接部分の高さ
Claims (4)
- 一対の電極間に被溶接材の溶接部分を加圧した状態で該溶接部分に溶接電流を通電し、この溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を熱圧着させ、前記一対の電極間の加圧下で前記溶接部分の抵抗溶接を行うようにした抵抗溶接方法において、
前記溶接部分の溶接幅を測定し、この測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを演算し、この演算された基準溶接高さに前記溶接部分の高さが達するまで前記溶接電流の通電を行うことを特徴とする抵抗溶接方法。 - 請求項1記載の抵抗溶接方法であって、
前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする抵抗溶接方法。 - 被溶接材の溶接部分に溶接電流を通電すると共に所定の加圧力をかける一対の電極と、前記溶接電流の通電時間を制御する溶接タイマと、前記溶接電流を供給する溶接トランスとを備え、前記被溶接材の溶接部分を前記一対の電極によって加圧し、前記溶接電流の通電による抵抗発熱を利用して前記溶接部分を抵抗溶接するようにした抵抗溶接装置において、
前記溶接部分の溶接幅を測定する幅測定手段と、この幅測定手段により測定された溶接幅より予め定められた溶接部分の基準溶接断面積に基づいて前記溶接部分の基準溶接高さを逆算して求める演算手段と、前記溶接部分の高さが前記基準溶接高さに達したか否かを検出する高さ検出手段と、この高さ検出手段による前記溶接部分の前記基準溶接高さの検出時に前記溶接タイマを制御して前記溶接電流の通電を停止させるインターフェースとを備えたことを特徴とする抵抗溶接装置。 - 請求項3記載の抵抗溶接装置であって、
前記被溶接材として一対の電線の各芯線を用い、この一方の電線の露出した芯線に他方の電線の露出した芯線を抵抗溶接するようにしたことを特徴とする抵抗溶接装置。
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