JP3539098B2 - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP3539098B2
JP3539098B2 JP29409796A JP29409796A JP3539098B2 JP 3539098 B2 JP3539098 B2 JP 3539098B2 JP 29409796 A JP29409796 A JP 29409796A JP 29409796 A JP29409796 A JP 29409796A JP 3539098 B2 JP3539098 B2 JP 3539098B2
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  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
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  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員胴部を支持す
るシートバック及びこのシートバックの上端部に配置さ
れ乗員頭部を支持するヘッドレストを含んで構成される
車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】追突時における乗員頸部への負荷低減対
策の一例として、特開平7−291005号公報に開示
された構造を挙げることができる。以下、この公報に開
示された構造について説明する。
【0003】図17にはフロントシート100に乗員が
着座した状態が側面視で示されており、又図18にはこ
のフロントシート100のシートバック102の骨格部
材となるシートバックフレーム104が斜視図にて示さ
れている。これらの図に示されるように、シートバック
フレーム104の両側部104A間には、Sバネ10
6、108が上下に張設されている。より具体的には、
各Sバネ106、108の両端部とシートバックフレー
ム104の両側部104Aとは、帯状の鋼板をジグザグ
に折り畳んで形成した連結部材110、112を介して
連結されている。これらの連結部材110、112は、
追突時における乗員胴部の車両後方側への慣性移動によ
る作用荷重が所定値以上になった場合にのみ、車両後方
側へ伸長するようにその剛性が設定されている。さら
に、前記所定値以上の荷重が作用した場合に、下段側の
連結部材112の方が上段側の連結部材110よりも伸
長量が大きくなるように設定されている。
【0004】上記構成によれば、図19に示されるよう
に、追突時に乗員胴部が車両後方側へ慣性移動すると
(乗員胴部がシートバック102側へ押し付けられる
と)、Sバネ106、108に作用する作用荷重が所定
値以上になった時点で連結部材110、112が車両後
方側へ伸長する。なお、このとき、前述した如く、連結
部材110、112の伸長量の設定を意図的に異ならせ
ているため、連結部材110の方が小さく伸長するのに
対し、連結部材112の方は大きく伸長する(図20参
照)。その結果、追突時に乗員胴部の姿勢をほぼ垂直に
近い状態で車両後方側へ慣性移動させることができる。
このため、乗員胴部が車両後方側へ慣性移動した際に、
乗員胴部がシートバック102に沿って車両斜め上方側
へずり上がるのを防止することができ、乗員の頭部を確
実にヘッドレスト114に支持させることができるとい
うものである。
【0005】上記公報に開示された構造は、追突時に乗
員胴部をシートバック102内へ沈み込ませることで乗
員胴部のエネルギーを吸収しつつ運転姿勢を崩さないよ
うにし、これにより乗員頭部とヘッドレスト114との
相対距離を縮め、乗員胴部胸部側に対する乗員頭部の車
両後方側への反り返りを抑制(即ち、乗員頸部への負荷
を低減)し得るという点において評価することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された構造における追突時における乗員頸部へ
の負荷発生メカニズムについての知見(これについては
後に詳述する)は不充分である。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、追突時におけ
る乗員頸部への負荷をさらに効果的に低減させることが
できる車両用シートを得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、乗員胴部を支持するシートバック及びこのシートバ
ックの上端部に配置され乗員頭部を支持するヘッドレス
トを含んで構成される車両用シートであって、追突時に
おけるヘッドレストによる乗員頭部のリバウンド速度と
シートバックによる乗員胴部胸部側のリバウンド速度と
の速度差が縮まるように、ヘッドレストが備えるヘッド
レストパッドの反発係数を、シートバックが備えるシー
トバックパッドの反発係数よりも小さく設定した、こと
を特徴としている。
【0009】請求項2記載の本発明は、乗員胴部を支持
するシートバック及びこのシートバックの上端部に配置
され乗員頭部を支持するヘッドレストを含んで構成され
る車両用シートであって、追突時における乗員頭部のリ
バウンド開始時期と乗員胴部胸部側のリバウンド開始時
期との時間差が縮まるように、ヘッドレストが備えるヘ
ッドレストパッドの反発係数を、シートバックが備える
シートバックパッドの反発係数よりも小さく設定した、
ことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の本発明は、乗員胴部を支持
するシートバック及びこのシートバックの上端部に配置
され乗員頭部を支持するヘッドレストを含んで構成され
る車両用シートであって、追突時におけるヘッドレスト
による乗員頭部のリバウンド速度とシートバックによる
乗員胴部胸部側のリバウンド速度との速度差並びに乗員
頭部のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部側のリバウン
ド開始時期との時間差が縮まるように、ヘッドレストが
備えるヘッドレストパッドの反発係数を、シートバック
が備えるシートバックパッドの反発係数よりも小さく設
定した、ことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の本発明は、乗員胴部を支持
するシートバック及びこのシートバックの上端部に配置
され乗員頭部を支持するヘッドレストを含んで構成され
る車両用シートであって、追突時におけるヘッドレスト
による乗員頭部のリバウンド速度とシートバックによる
乗員胴部胸部側のリバウンド速度との速度差が縮まるよ
うに、少なくともシートバックにおける乗員胴部胸部側
に対応する部位に、追突時に作用する荷重を吸収するエ
ネルギー吸収手段を設けると共に、乗員頭部のリバウン
ド開始時期と乗員胴部胸部側のリバウンド開始時期との
時間差が縮まるように、前記エネルギー吸収手段、前記
ヘッドレストが備えるヘッドレストパッド、前記シート
バックが備えるシートバックパッドの変形可能代を定め
た、ことを特徴としている。
【0012】請求項1記載の本発明の作用は、以下の通
りである。発明者による研究及び実験の積み重ねの結
果、追突時における乗員頸部への負荷発生メカニズムは
以下の如くであることが判ってきた。ヘッドレスト及び
シートバックは通常発泡ウレタン等による弾性体(パッ
ド)を各々内蔵していることから、追突時に乗員胴部が
シートバックへ押圧されると共に乗員頭部がヘッドレス
トに押圧されると、シートバック及びヘッドレストは別
個独立に弾性エネルギーを蓄積する。そして、この蓄積
された弾性エネルギーが放出されることによって、乗員
頭部及び乗員胴部胸部側はそれぞれのリバウンド速度
(反発速度)で車両前方側へ移動する。ここで、乗員胴
部胸部側の質量の方が乗員頭部の質量よりも大きいこと
から、乗員頭部のリバウンド速度の方が乗員胴部胸部側
のリバウンド速度よりも速くなる。そして、このときの
リバウンド速度の速度差が大きくなればなる程、乗員胴
部胸部側に対して乗員頭部の前振り量が増加するので、
乗員頸部への負荷も増加することになる。
【0013】上記知見に基づいて、請求項1記載の本発
明では、追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部の
リバウンド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側の
リバウンド速度との速度差が縮まるように、ヘッドレス
トが備えるヘッドレストパッドの反発係数を、シートバ
ックが備えるシートバックパッドの反発係数よりも小さ
く設定したので、リバウンド初期の挙動としては乗員胴
部胸部側に対して乗員頭部の車両前方側への振れ量(乗
員頭部の前振り量)は小さくなり、調整の仕方によって
は乗員頭部の前振りを殆ど無くすことができる。
【0014】請求項2記載の本発明によれば、追突時に
おける乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部側
のリバウンド開始時期との時間差が縮まるように、ヘッ
ドレストが備えるヘッドレストパッドの反発係数を、シ
ートバックが備えるシートバックパッドの反発係数より
小さく設定したので、通常の運転姿勢を維持しつつ、
車両前方側へ移動することになる。つまり、仮に乗員頭
部のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部側のリバウンド
開始時期とが大きくずれている場合には、乗員頭部と乗
員胴部胸部側との車両後方側への移動量にずれが生じる
ことになる。従って、通常の運転姿勢が崩れる、即ち乗
員頸部への負荷がこの時点で若干生じることになる。し
かし、本発明のように乗員頭部のリバウンド開始時期と
乗員胴部胸部側のリバウンド開始時期との時間差を縮め
ておけば、乗員の運転姿勢も崩れないことから、乗員の
車両後方側への移動(バウンド)による乗員の頸部への
負荷が低減されることになる。
【0015】請求項3記載の本発明によれば、追突時に
おけるヘッドレストによる乗員頭部のリバウンド速度と
シートバックによる乗員胴部胸部側のリバウンド速度と
の速度差並びに乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴
部胸部側のリバウンド開始時期との時間差が縮まるよう
に、ヘッドレストが備えるヘッドレストパッドの反発係
数を、シートバックが備えるシートバックパッドの反発
係数よりも小さく設定したので、乗員胴部胸部側に対す
る乗員頭部の車両前方側への振れ量(乗員頭部の前振り
量)が小さくなると共に、乗員の運転姿勢も崩れない。
従って、乗員の車両後方側への移動(バウンド)及び車
両前方側への移動(リバウンド)の双方において乗員の
頸部への負荷が低減されることになる。
【0016】請求項4記載の本発明によれば、少なくと
もシートバックにおける乗員胴部胸部側に対応する部位
にエネルギー吸収手段を設けたので、乗員胴部胸部側が
シートバックに押し付けられた際に作用する荷重がエネ
ルギー吸収手段によって吸収される。このため、乗員頭
部及び乗員胴部胸部側がリバウンドする際のリバウンド
速度の絶対値がエネルギー吸収された分だけ減少するこ
とになる。その結果、追突時におけるヘッドレストによ
る乗員頭部のリバウンド速度とシートバックによる乗員
胴部胸部側のリバウンド速度との速度差が縮まり、乗員
胴部胸部側に対して乗員頭部の車両前方側への振れ量
(乗員頭部の前振り量)が小さくなる。 さらに、本発明
では、乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部側
のリバウンド開始時期との時間差が縮まるように、前記
エネルギー吸収手段、前記ヘッドレストが備えるヘッド
レストパッド、前記シートバックが備えるシートバック
パッドの変形可能代を定めたので、乗員の運転姿勢も崩
れない。 従って、乗員の車両後方側への移動(バウン
ド)及び車両前方側への移動(リバウンド)の双方にお
いて乗員の頸部への負荷が低減されることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を用いて、本
発明の一実施形態について説明する。
【0018】図3には、フロントシート10の外観斜視
図が示されている。この図に示されるように、フロント
シート10は、乗員腰部及び乗員大腿部を支持するシー
トクッション12と、このシートクッション12の後端
部に傾倒可能に配置されると共に乗員胴部を支持するシ
ートバック14と、このシートバック14の上端部に上
下動可能に配置されると共に乗員頭部を支持するヘッド
レスト16と、を含んで構成されている。
【0019】図1及び図2に示されるように、シートバ
ック14は、パイプ状部材を略コ字形に屈曲させること
により形成されたシートバックフレーム18と、このシ
ートバックフレーム18の前側に配置されたシートバッ
クパッド20と、このシートバックパッド20を覆うシ
ートバック表皮22と、を含んで構成されている。な
お、ここでは簡略的に図示しているが、実際のシートバ
ックフレーム18の構造には種々あり、例えば鋼板を所
定形状にプレスで打ち抜いた後にカーリング加工を施し
ながらパイプ状にすると共にコ字形に屈曲させ、更に予
め別部品として所定幅のフレーム側部を形成しておき、
これをコ字形に形成されたフレームの両側部下端に溶接
する構造等がある。シートバックパッド20は弾性材料
(発泡ウレタン等)によって形成されており、パッド前
部20A及びパッド後部20Bを備えている。パッド後
部20Bの上部(乗員胴部胸部側と対向する部位)に
は、所定の空間部24が形成されている。また、パッド
前部20Aの変形可能代はY1に設定されており、又パ
ッド後部20Bの変形可能代はY2 に設定されている。
さらに、シートバックパッド20の硬度は所定硬度に設
定されている。
【0020】一方、ヘッドレスト16は、略コ字形に形
成されたパイプ状のヘッドレストステー26を備えてい
る。ヘッドレストステー26の下端部は、シートバック
フレーム18の上端部に溶接された筒状のステーガイド
28に高さ調節可能に挿通されている。また、ヘッドレ
ストステー26の上端部両側には一対のサイドプレート
30が溶接されており、更にサイドプレート30間には
矩形平板状の支持プレート32が溶接されている。そし
て、上述したヘッドレストステー26の上端部及び支持
プレート32を覆うかたちでヘッドレスト表皮34に覆
われたヘッドレストパッド36が配設されている。ヘッ
ドレストパッド36は、弾性材料(発泡ウレタン等)に
よって形成されている。また、ヘッドレストパッド36
の変形可能代はX1 に設定されている。さらに、ヘッド
レストパッド36の硬度は所定硬度に設定されている。
【0021】上述したシートバック14及びヘッドレス
ト16の所定位置にはエネルギー吸収手段が配設されて
おり、以下に詳細に説明する。
【0022】シートバックフレーム18の両側部18A
には、金属製かつ矩形平板状のサポートプレート38の
両端部が溶接により固着されている。これにより、シー
トバックフレーム18に取付座面が形成されている。こ
のサポートプレート38の前面には、エネルギー吸収手
段としてのエネルギー吸収カセット40が取り付けられ
ている。エネルギー吸収カセット40は、箱体形状とさ
れた所定硬度(剛性の低い硬度)のプラスチックケース
42と、このプラスチックケース42内に収容されたエ
ネルギー吸収部材44と、によって構成されており、全
体としては直方体形状に形成されて前述した空間部24
(図1参照)に収容されている。エネルギー吸収カセッ
ト40の主要部を構成するエネルギー吸収部材44は、
孔部長手方向がシート幅方向となるように設定されたペ
ーパーハニカム材によって構成されている。このエネル
ギー吸収部材44の変形可能代はパッド後部20Bと同
様のY2 に設定されており、又硬度は所定硬度に設定さ
れている。なお、段ボール等に使用されているペーパー
ハニカム基材を複数枚積層させることにより、エネルギ
ー吸収部材を構成するようにしてもよい。
【0023】一方、ヘッドレスト16側に配設されるエ
ネルギー吸収手段としてのエネルギー吸収体46は、ヘ
ッドレスト16内に配設される前述した支持プレート3
2の前面に固着されている。このエネルギー吸収体46
は、比較的薄型の低反発材(変形しても時間が経つと復
元するような材料)によって構成されている。このエネ
ルギー吸収体46の変形可能代はX2 に設定されてお
り、又硬度も所定硬度に設定されている。なお、このよ
うにエネルギー吸収体46として低反発材を用いるの
は、リバウンド時における乗員頭部の質量が乗員胴部胸
部側の質量よりも小さいことから、乗員頭部のリバウン
ド速度の方が乗員胴部胸部側のリバウンド速度よりも速
いためである。
【0024】以上から、本実施形態では、乗員頸部を挟
んで乗員胴部胸部と対向する側にはエネルギー吸収カセ
ット40が配置されかつ乗員頭部と対向する側にはエネ
ルギー吸収体46が配置されることになり、これにより
乗員頸部を挟む上下でエネルギー吸収カセット40及び
エネルギー吸収体46によってエネルギー吸収を行うこ
とになる。
【0025】さらに、本実施形態では、追突時における
ヘッドレスト16による乗員頭部のリバウンド速度とシ
ートバック14による乗員胴部胸部側のリバウンド速度
との速度差が縮まるように、又乗員頭部のリバウンド開
始時期と乗員胴部胸部側のリバウンド開始時期との時間
差が縮まるように、ヘッドレスト16に配設されるエネ
ルギー吸収体46及びシートバック14に配設されるエ
ネルギー吸収カセット40のリバウンド速度特性並びに
リバウンド開始時期特性が調整されている。具体的な調
整は、ヘッドレスト16側にあっては、ヘッドレストパ
ッド36の変形可能代X1 及び硬度を考慮した上でエネ
ルギー吸収体46の変形可能代X2 及び硬度を決定する
ことで行われており、又シートバック14側にあって
は、シートバックパッド20の変形可能代Y1 、Y2
び硬度を考慮した上でエネルギー吸収カセット40の変
形可能代Y2 及び硬度を決定することで行われている。
そして、本実施形態では、これらのエネルギー吸収体4
6の変形可能代X2 及び硬度並びにエネルギー吸収カセ
ット40の変形可能代Y2 及び硬度を、追突時のエネル
ギー収支の観点から決定している。なお、この決定の仕
方については、次に説明する本実施形態の作用を説明す
る中で詳細に言及することにする。
【0026】次に、図4〜図11を用いて、本実施形態
の作用並びに効果について説明する。
【0027】図4に示される状態が追突前の状態であ
る。この状態では、シートバック14側のシートバック
パッド20は殆ど弾性変形しておらず、又エネルギー吸
収カセット40にあっては全く変形していない。
【0028】この状態から、図5に示される如く、追突
時になると、乗員胴部及び乗員頭部は車両後方側へ慣性
移動する。このため、乗員胴部胸部側はシートバック1
4に押し付けられると共に、乗員頭部はヘッドレスト1
6に押し付けられる(追突時初期)。従って、この追突
時初期にあっては、シートバック14側では、主として
パッド前部20Aがその硬度及び変形可能代Y1 に応じ
て弾性変形する。なお、パッド後部20Bもその硬度及
び変形可能代Y2 に応じて若干弾性変形すると共に、エ
ネルギー吸収カセット40もその硬度及び変形可能代Y
2 に応じて若干塑性変形する。また、ヘッドレスト16
側では、主としてヘッドレストパッド36がその硬度及
び変形可能代X1 に応じて弾性変形する。なお、エネル
ギー吸収体46も、その硬度及び変形可能代X2 に応じ
て若干弾性変形する。
【0029】この状態から、図6に示される如く、更に
乗員胴部及び乗員頭部が車両後方側へ慣性移動すると
(追突時終期)、シートバック14側では、主としてパ
ッド後部20Bがその硬度及び変形可能代Y2 に応じて
弾性変形すると共に、エネルギー吸収カセット40がそ
の硬度及び変形可能代Y2 に応じて塑性変形(永久変
形)する。また、ヘッドレスト14側では、主としてエ
ネルギー吸収体46がその硬度及び変形可能代X2 に応
じて弾性変形する。
【0030】その後、図7に示されるように、乗員胴部
胸部側はシートバック14側に蓄積された放出エネルギ
ーによって車両前方側へ移動(反発)すると共に、乗員
頭部はヘッドレスト16側に蓄積された放出エネルギー
によって車両前方側へ移動(反発)する(リバウンドす
る)。
【0031】以上の過程が追突時における乗員の挙動
(バウンド及びリバウンド)であるが、ここでエネルギ
ー収支に着目すると以下のように捉えることができ、そ
れに基づいて本実施形態ではエネルギー吸収カセット4
0及びエネルギー吸収体46のリバウンド速度特性及び
リバウンド開始時期特性を調整している。
【0032】まず、ヘッドレスト16側におけるエネル
ギー吸収量及びエネルギー放出量について考察する。ヘ
ッドレストパッド36の変形可能代(弾性変形量)はX
1 であり、この弾性変形に伴うエネルギー吸収量はS
X-1(図8参照)で表される。なお、ヘッドレストパッ
ド36は弾性材料(発泡ウレタン等)で構成されている
ため、エネルギー放出量もエネルギー吸収量とほぼ同等
のS X-1だけ蓄積される。また、エネルギー吸収体46
の変形可能代(弾性変形量)はX2 であり、この弾性変
形に伴うエネルギー吸収量はS X-2(図9参照)で表さ
れる。なお、エネルギー吸収体46は低反発材で構成さ
れているため、エネルギー放出量はエネルギー吸収量と
異なりS X-3で表される。従って、エネルギー放出量の
総量は、(S X-1+S X-3)となる。よって、図7に示
されるリバウンド時における乗員頭部のリバウンド速度
(反発速度)をVX とし、乗員頭部の質量をmX とする
と、次式が成り立つ。
【0033】 (式1) mX × (ΔVX 2 × 1/2 = S X-1+S X-3 次に、シートバック14側におけるエネルギー吸収量及
びエネルギー放出量について考察する。シートバックパ
ッド20のパッド前部20Aの変形可能代(弾性変形
量)はY1 であり、この弾性変形に伴うエネルギー吸収
量はS Y-1(図10参照)で表される。なお、シートバ
ックパッド20も弾性材料(発泡ウレタン等)で構成さ
れているため、エネルギー放出量もエネルギー吸収量と
ほぼ同等のS Y-1だけ蓄積される。また、シートバック
パッド20のパッド後部20Bの変形可能代(弾性変形
量)はY2 であり、シートバックパッド20のパッド後
部20Bの弾性変形に伴うエネルギー吸収量はS Y-2
表される。なお、シートバックパッド20のパッド後部
20Bはパッド前部20Aと一体構成品であるため、エ
ネルギー放出量はエネルギー吸収量とほぼ同等のS Y-2
だけ蓄積される。さらに、エネルギー吸収カセット40
の変形可能代(塑性変形量)もシートバック14のパッ
ド後部20Bと同一のY2 であり、この塑性変形に伴う
エネルギー吸収量はS Y-3(図11参照)で表される。
なお、エネルギー吸収カセット40のエネルギー吸収部
材44はペーパーハニカム材で構成されているため、エ
ネルギー放出量はエネルギー吸収量と異なりS Y-4で表
される。従って、エネルギー放出量の総量は、(S Y-1
+S Y-2+S Y-4)となる。よって、図7に示されるリ
バウンド時における乗員胴部胸部側のリバウンド速度
(反発速度)をVY とし、乗員胴部胸部側の質量をmY
とすると、次式が成り立つ。
【0034】 (式2) mY × (ΔVY 2 × 1/2 = S Y-1+S Y-2+S Y-4 上述した式1及び式2において、乗員頭部の質量mX
び乗員胴部胸部側の質量mY は標準体格の乗員を想定し
て定数として定めることができる。また、ヘッドレスト
パッド36のエネルギー放出量S X-1及びシートバック
パッド20のエネルギー放出量(S Y-1+S Y-2)も、
各硬度及び変形可能代X1 、Y1 、Y2を適宜選択する
ことで任意に定めることができる。従って、エネルギー
放出量(S X-1)、(S Y-1+S Y-2)とのバランスを
加味しながら、乗員頭部と乗員胴部胸部側とのリバウン
ド速度の速度差が縮まるように(ΔVX ≒ΔVY となる
ように)、エネルギー吸収体46のエネルギー放出量S
X-3及びエネルギー吸収カセット40のエネルギー放出
量S Y-4を決定すればよいことになる。さらに、乗員の
運転姿勢を維持するべく、追突時終期における乗員頭部
のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部側のリバウンド開
始時期との時間差が縮まるように(図6においてtX
Y となるように)、各変形可能代X1 、X2 、Y1
2 を決定すればよいことになる。本実施形態では、こ
のような観点から、ヘッドレスト16のリバウンド速度
特性及びリバウンド開始時期特性と、シートバック14
のリバウンド速度特性及びリバウンド開始時期特性と
を、各々相対的に調整している。
【0035】このように本実施形態では、シートバック
14における乗員胴部胸部側と対向する部位にペーパー
ハニカム材から成るエネルギー吸収カセット40を配設
すると共にヘッドレスト16に低反発材から成るエネル
ギー吸収体46を配設し、エネルギー吸収カセット40
及びエネルギー吸収体46の特性を前述した理論に基づ
いて相対的に調整することで、追突後のリバウンド時に
おける乗員胴部胸部側のリバウンド速度と乗員頭部のリ
バウンド速度との速度差を縮めたので、リバウンド初期
の挙動としては乗員胴部胸部側に対する乗員頭部の車両
前方側への振れ量(乗員頭部の前振り量)を小さくする
ことができ、調整の仕方によっては殆ど無くすことがで
きる。このため、追突時における乗員頸部への負荷を効
果的に低減させることができる。
【0036】さらに、本実施形態によれば、乗員頭部の
リバウンド開始時期と乗員胸部胴部側のリバウンド開始
時期との時間差を縮めたので、乗員は通常の運転姿勢を
維持しつつ、乗員頭部と乗員胴部胸部側とのリバウンド
速度差が縮められた状態で乗員は車両前方側へ移動する
ことになる。このため、乗員の車両後方側への移動(バ
ウンド)及び車両前方側への移動(リバウンド)の双方
において乗員頸部への負荷を低減させることができる。
従って、追突時における乗員頸部への負荷をより一層効
果的に低減させることができる。
【0037】さらに、本実施形態では、シートバック1
4にエネルギー吸収カセット40を配設すると共にヘッ
ドレスト16にエネルギー吸収体46を配設したので、
これらのエネルギー吸収カセット40及びエネルギー吸
収体46によってエネルギー吸収された分だけ、乗員頭
部及び乗員胴部胸部側がリバウンドした際のリバウンド
速度の絶対値を減少させることができる。このため、実
際の速度よりも低速度で追突されたのと等価にすること
ができ、これにより追突時における乗員頸部への負荷を
より一層効果的に低減させることができる。
【0038】また、本実施形態では、シートバックフレ
ーム18の両側部18A間にサポートプレート38を掛
け渡しているので、このサポートプレート38によって
シートバックフレーム18のシート幅方向の剛性を高め
ることができる。このため、側面衝突時におけるサイド
ドアから入力される荷重をフロアトンネルに有効に伝達
することができるという効果も得られる。
【0039】なお、本実施形態では、シートバック14
のみならず、ヘッドレスト16にもエネルギー吸収手段
を配設したが、リバウンド速度の絶対値を下げるという
観点からすれば、少なくともシートバック14側にエネ
ルギー吸収カセット40等のエネルギー吸収手段が配設
されていればよい。すなわち、少なくともシートバック
14側にエネルギー吸収手段が配設されていれば、乗員
胴部胸部側に付与されるリバウンド荷重の絶対値が減少
されるため、乗員胴部胸部側と乗員頸部を介して一体の
乗員頭部へのリバウンド荷重の絶対値も減少すると予想
される。従って、その意味では、少なくともシートバッ
ク14側にエネルギー吸収カセット40等のエネルギー
吸収手段が配設されていればよいことになる。
【0040】また、本実施形態では、シートバック14
にエネルギー吸収カセット40を配設すると共にヘッド
レスト16にエネルギー吸収体46を配設することでヘ
ッドレスト16のリバウンド特性とシートバック14の
リバウンド特性との相対的な調整を行ったが、必ずしも
エネルギー吸収カセット40やエネルギー吸収体46を
配設する必要はなく、シートバックパッド20及びヘッ
ドレストパッド36の硬度、変形可能代等を別個独立に
調整することにより、ヘッドレスト16のリバウンド特
性とシートバック14のリバウンド特性との相対的な調
整を行うようにしてもよい。
【0041】以下に、図12〜図14を用いて、その実
施形態を示す。図12に示されるフロントシート50で
は、シートバック52におけるクッション材を構成する
シートバックパッド54の反発係数をε1 に設定すると
共に、ヘッドレスト56におけるクッション材を構成す
るヘッドレストパッド58の反発係数をε2 (<ε1
に設定した点に特徴がある。
【0042】上記設定を得るための具体的な手法は、以
下の通りである。市販車において通常用いられているシ
ートバックパッド及びヘッドレストパッドは、発泡ポリ
ウレタン(反発率=50%)によって構成されている。
従って、通常の市販車では、ε1 ≒ε2 ≒0.5に設定
されている。
【0043】これに対し、本実施形態では、シートバッ
クパッド54の反発係数ε1 は市販車並みの0.5に設
定した上で、ヘッドレストパッド58の反発係数ε2
0.3に設定している。すなわち、ヘッドレストパッド
58側での調整を行うことで、ヘッドレスト56のリバ
ウンド速度特性とシートバック52のリバウンド速度特
性とを相対的に調整したことになる。なお、ヘッドレス
トパッド58の反発係数ε2 を0.3に下げるには、発
泡ポリウレタンの発泡密度を下げればよい。
【0044】次に、上記設定を採った場合の作用並びに
効果を市販車の場合との対比において説明する。
【0045】図13には、乗員胴部胸部側及び乗員頭部
の時間に対する絶対変位との関係が表されている。な
お、ここでいう絶対変位とは、追突時に潰れない車両部
位を基準にしたときの乗員胴部胸部側、乗員頭部の各変
位量を意味する。また、グラフPは市販車のシートバッ
クパッドを用いた場合(反発係数ε1 =0.5)におけ
る乗員胴部胸部側の特性を示したものであり、グラフQ
は市販車のヘッドレストパッドを用いた場合(反発係数
ε2 =0.5)における乗員頭部の特性を示したもので
ある。但し、本実施形態では、シートバックパッド54
の反発係数は市販車並みとしているため、グラフPにつ
いては本実施形態でも同様である。
【0046】追突されると、シートバック52が急激に
車両前方側へ押し出される。このため、乗員胴部胸部側
及び乗員頭部は、ある車両基準点に対して車両後方側へ
変位する。しかし、通常は、先に乗員胴部胸部側がシー
トバック52に押し付けられて、シートバックパッド5
4に放出エネルギーが蓄積されていくことから、乗員胴
部胸部側の方が先に絶対変位のピークを迎える。その
後、これに遅れて乗員頭部がヘッドレスト56に押し付
けられて、ヘッドレストパッド58に放出エネルギーが
蓄積されつつ絶対変位のピークを迎える。ピーク後は、
シートバックパッド54及びヘッドレストパッド58に
それぞれ蓄積された放出エネルギーによって、乗員胴部
胸部側及び乗員頭部がそれぞれ車両前方側へ変位(反
発)していく(リバウンドする)。
【0047】このとき、乗員胴部胸部側の方が乗員頭部
よりも質量が大きく、又受圧面積もシートバック52側
の方がヘッドレスト56側よりも大きいことから、乗員
頭部のグラフQの傾きVX (即ち、乗員頭部のリバウン
ド速度)の方がグラフPの傾きVY (即ち、乗員胴部胸
部側のリバウンド速度)よりも急峻となる。
【0048】これに対し、本実施形態では、ヘッドレス
トパッド58の反発係数ε2 を0.3と下げたので、
ピーク後の特性は二点鎖線で示されるグラフRとなり、
その傾きVR (即ち、本実施形態の場合の乗員頭部の
リバウンド速度)もグラフQの傾きVY に対して平行
或いは平行に近い(但し、前述した反発係数の設定関係
では、グラフRがグラフPに対して平行を越えて離間す
る(広がっていく)ことはない)ものとなる。換言すれ
ば、本実施形態では、ヘッドレスト56の反発係数ε2
を通常の0.5から0.3に下げることで、グラフQ
がグラフPに対して平行或いは平行に近いグラフRにシ
フトされたことになる。
【0049】上記の如く、この実施形態では、ヘッドレ
スト56によるリバウンド速度特性とシートバック52
のリバウンド速度特性とを相対的に調整することで、追
突時におけるヘッドレスト56による乗員頭部のリバウ
ンド速度がシートバックによる乗員胴部胸部側のリバウ
ンド速度より遅くならないようにしたので、リバウンド
過程において乗員頭部が乗員胴部胸部側に対して車両後
方側へ後傾することがなくなる。その結果、追突時にお
ける乗員頸部への負荷をさらに効果的に低減することが
できる。
【0050】なお、図12及び図13を用いて説明した
構成では、シートバックパッド54の反発係数ε1 を市
販車同様に設定した上で、ヘッドレストパッド58の反
発係数ε2 を下げる設定を採ったが、以下に説明するよ
うに逆の関係に立つような設定を採ることも可能であ
る。
【0051】図14には、ヘッドレストパッドの反発係
数ε2 を市販車並みの0.5に設定した上で、シートバ
ックパッドの反発係数ε1 を通常の0.5よりも若干高
い0.6に設定した場合における乗員胴部胸部側及び乗
員頭部の時間に対する絶対変位との関係が表されてい
る。なお、シートバックパッドの反発係数を上げるに
は、発泡ポリウレタンの発泡密度を上げればよく、又シ
ートバックフレームの剛性を高くすることによってもシ
ートバックパッドの反発係数を上げることができる。
【0052】上記の設定を採った場合、ヘッドレスト側
の特性を示すグラフQ’は従来通りの特性を示すが、シ
ートバックパッドの反発係数ε1 を通常の0.5より
も高い0.6に設定したため、シートバック側の特性を
示すグラフP’はグラフR’にシフトされる。このた
め、このような設定を採っても、グラフR’の傾きV
R’がグラフQ’の傾きVX ’と平行或いは平行に近
くなるので、同様の効果が得られる。
【0053】なお、上述した設定以外に、前二例の複合
型の設定を採ってもよい。すなわち、ヘッドレストパッ
ドの反発係数ε2 を0.3に設定すると共に、シートバ
ックパッドの反発係数ε1 を0.6に設定してもよい。
この場合、グラフP、グラフQの各シフト量を少なくす
ることができるので、発泡密度の設定に大きな変更を来
すことがなく、製造の容易化を図ることができる。
【0054】以上説明した図12〜図14に示される構
成は、ヘッドレストパッド58及びシートバックパッド
54のみを用いてリバウンド速度特性を相対的に調整す
るものであったが、その他の手法として、以下に説明す
る構成を採ることも可能である。
【0055】図15にはフロントシート60の縦断面構
造が示されており、又図16にはヘッドレスト62の断
面構造が拡大して示されている。これらの図に示される
ように、この実施形態では、シートバック63における
シートバックパッド64の反発係数ε1 並びにヘッドレ
スト62におけるヘッドレストパッド66の反発係数ε
2 については、前述した図12、図13で採用した各反
発係数と同様のε1 =0.5、ε2 =0.3に設定して
いる。
【0056】加えて、この実施形態では、ヘッドレスト
62内に配設されたヘッドレストステー68の前面に低
反発材から成るエネルギー吸収体70(反発係数ε3
0.3)を接着させている。その意味では、構成的には
前述した図1に示されるヘッドレスト16と類似するも
のといえる。なお、エネルギー吸収体70をヘッドレス
トステー68に接着させる代わりに、エネルギー吸収体
70をヘッドレストパッド66と一体に発泡するように
してもよい。また、この実施形態では、ヘッドレスト6
2内にヘッドレストパッド66とは別物のエネルギー吸
収体70を配設する構成を採るため、通常の反発係数に
設定されたヘッドレストパッドを用いることも可能であ
る。
【0057】上述した構成によっても、前述した図13
に示されるグラフのシフト効果を得ることができるの
で、同様の作用、効果を得ることができる。また、構造
的にも簡素であるため、低コストで実現することができ
る。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明に係る車両用シートは、追突時におけるヘッドレス
トによる乗員頭部のリバウンド速度とシートバックによ
る乗員胴部胸部側のリバウンド速度との速度差が縮まる
ように、ヘッドレストが備えるヘッドレストパッドの反
発係数を、シートバックが備えるシートバックパッドの
反発係数よりも小さく設定したので、乗員胴部胸部側に
対する乗員頭部の車両前方側への振れ量を小さくするこ
とができ、これにより追突時における乗員頸部への負荷
をさらに効果的に低減させることができるという優れた
効果を有する。
【0059】請求項2記載の本発明に係る車両用シート
は、追突時における乗員頭部のリバウンド開始時期と乗
員胴部胸部側のリバウンド開始時期との時間差が縮まる
ように、ヘッドレストが備えるヘッドレストパッドの反
発係数を、シートバックが備えるシートバックパッドの
反発係数よりも小さく設定したので、通常の運転姿勢を
維持することができ、これにより追突時における乗員頸
部への負荷をより一層効果的に低減させることができる
という優れた効果を有する。
【0060】請求項3記載の本発明に係る車両用シート
は、追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部のリバ
ウンド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側のリバ
ウンド速度との速度差並びに乗員頭部のリバウンド開始
時期と乗員胴部胸部側のリバウンド開始時期との時間差
が縮まるように、ヘッドレストが備えるヘッドレストパ
ッドの反発係数を、シートバックが備えるシートバック
パッドの反発係数よりも小さく設定したので、乗員胴部
胸部側に対する乗員頭部の車両前方側への振れ量(乗員
頭部の前振り量)が小さくなると共に、乗員の運転姿勢
も崩れなくなり、これにより追突時における乗員頸部へ
の負荷をより一層効果的に低減させることができるとい
う優れた効果を有する。
【0061】請求項4記載の本発明に係る車両用シート
は、追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部のリバ
ウンド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側のリバ
ウンド速度との速度差が縮まるように、少なくともシー
トバックにおける乗員胴部胸部側に対応する部位に、追
突時に作用する荷重を吸収するエネルギー吸収手段を設
けると共に、乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴部
胸部側のリバウンド開始時期との時間差が縮まるよう
に、前記エネルギー吸収手段、前記ヘッドレストが備え
るヘッドレストパッド、前記シートバックが備えるシー
トバックパッドの変形可能代を定めたので、追突時にお
ける乗員頸部への負荷をさらに効果的に低減することが
できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るフロントシートのシートバッ
ク及びヘッドレストの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示されるシートバック及びヘッドレスト
の要部を示す斜視図である。
【図3】図1に示されるシートバック及びヘッドレスト
を備えたフロントシートの外観斜視図である。
【図4】追突時における一連の乗員挙動をシートバック
及びヘッドレストとの関係において説明するための説明
図(追突前)である。
【図5】追突時における一連の乗員挙動をシートバック
及びヘッドレストとの関係において説明するための説明
図(追突時初期)である。
【図6】追突時における一連の乗員挙動をシートバック
及びヘッドレストとの関係において説明するための説明
図(追突時終期)である。
【図7】追突時における一連の乗員挙動をシートバック
及びヘッドレストとの関係において説明するための説明
図(リバウンド時)である。
【図8】ヘッドレストパッドのF−S特性図である。
【図9】エネルギー吸収体のF−S特性図である。
【図10】シートバックパッドのF−S特性図である。
【図11】エネルギー吸収カセットのF−S特性図であ
る。
【図12】別の実施形態に係るフロントシートのシート
バック及びヘッドレストの構成を示す断面図である。
【図13】図12に示される構成を採った場合の車両基
準の時間−変位特性を市販車との対比において示すグラ
フである。
【図14】シートバックパッド側の反発係数を調整する
手法を採った場合の車両基準の時間−変位特性を市販車
との対比において示すグラフである。
【図15】ヘッドレスト内に低反発材を配設した実施形
態を示す図12に対応する断面図である。
【図16】図15に示されるヘッドレストの断面構造を
拡大して示す要部拡大図である。
【図17】従来例に係るフロントシートの概略側面図で
ある。
【図18】図17に示されるシートバックの要部を示す
斜視図である。
【図19】追突時における乗員の挙動を連結部材との関
係で示す概略側面図である。
【図20】図17に示される連結部材の変形後の状態を
示す要部拡大図である。
【符号の説明】
10 フロントシート(車両用シート) 14 シートバック 16 ヘッドレスト 40 エネルギー吸収カセット(エネルギー吸収手
段) 46 エネルギー吸収体(エネルギー吸収手段) 50 フロントシート(車両用シート) 52 シートバック 54 シートバックパッド 56 ヘッドレスト 58 ヘッドレストパッド 60 フロントシート(車両用シート) 62 ヘッドレスト 63 シートバック 64 シートバックパッド 66 ヘッドレストパッド 70 エネルギー吸収体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/42 A47C 7/38 A47C 7/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員胴部を支持するシートバック及びこ
    のシートバックの上端部に配置され乗員頭部を支持する
    ヘッドレストを含んで構成される車両用シートであっ
    て、 追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部のリバウン
    ド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側のリバウン
    ド速度との速度差が縮まるように、ヘッドレストが備え
    るヘッドレストパッドの反発係数を、シートバックが備
    えるシートバックパッドの反発係数よりも小さく設定し
    た、 ことを特徴とする車両用シート。
  2. 【請求項2】 乗員胴部を支持するシートバック及びこ
    のシートバックの上端部に配置され乗員頭部を支持する
    ヘッドレストを含んで構成される車両用シートであっ
    て、 追突時における乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴
    部胸部側のリバウンド開始時期との時間差が縮まるよう
    に、ヘッドレストが備えるヘッドレストパッドの反発係
    数を、シートバックが備えるシートバックパッドの反発
    係数よりも小さく設定した、 ことを特徴とする車両用シート。
  3. 【請求項3】 乗員胴部を支持するシートバック及びこ
    のシートバックの上端部に配置され乗員頭部を支持する
    ヘッドレストを含んで構成される車両用シートであっ
    て、 追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部のリバウン
    ド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側のリバウン
    ド速度との速度差並びに乗員頭部のリバウンド開始時期
    と乗員胴部胸部側のリバウンド開始時期との時間差が縮
    まるように、ヘッドレストが備えるヘッドレストパッド
    の反発係数を、シートバックが備えるシートバックパッ
    ドの反発係数よりも小さく設定した、 ことを特徴とする車両用シート。
  4. 【請求項4】 乗員胴部を支持するシートバック及びこ
    のシートバックの上端部に配置され乗員頭部を支持する
    ヘッドレストを含んで構成される車両用シートであっ
    て、 追突時におけるヘッドレストによる乗員頭部のリバウン
    ド速度とシートバックによる乗員胴部胸部側のリバウン
    ド速度との速度差が縮まるように、少なくともシートバ
    ックにおける乗員胴部胸部側に対応する部位に、追突時
    に作用する荷重を吸収するエネルギー吸収手段を設ける
    と共に、乗員頭部のリバウンド開始時期と乗員胴部胸部
    側のリバウンド開始時期との時間差が縮まるように、前
    記エネルギー吸収手段、前記ヘッドレストが備えるヘッ
    ドレストパッド、前記シートバックが備えるシートバッ
    クパッドの変形可能代を定めた、 ことを特徴とする車両用シート。
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