JP2010173613A - 自動車用シートバック - Google Patents

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信次 飯野
Kazuo Iwata
一夫 岩田
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Abstract

【課題】局所的な荷重を受けても衝撃吸収手段が誤作動せず、後突時に確実、かつ速やかに衝撃吸収手段を作動させることができるシートバックを提供する。
【解決手段】シートバックのサイドフレーム1に、衝撃吸収手段2を介してベルト3を架け渡し、後突時の衝撃をベルト3全体で受け、衝撃吸収手段2で吸収する。衝撃吸収手段2を水平方向に揺動可能とし、ベルト3に局所的な荷重がかかった場合には、ベルト3が撓んで変形するに伴い衝撃吸収手段2は揺動するだけで作動しないようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車の乗員の背もたれであるシートバックに係り、特に、追突事故等の際に起こる後方からの衝撃を緩和する機能の改善に関する。
自動車が追突などによって後方から衝撃を受けると、乗員の身体には車両に対して相対的に後方に向かう大きな加速度が発生し、後方に移動しようとする身体は、主にシートバックで受け止められる。乗員による後方への運動エネルギーは、シートバックを構成するフレームやクッション材が弾性変形することにより吸収される。ところが、その弾性変形の反力が乗員に作用して上体を前方に押し返すリバウンドが生じ、これが乗員の頸部に負荷を与えてむち打ち傷害などを引き起こす。
このようないわゆる後突による傷害を防ぐためには、頭部の適切な支持や乗員による後方への運動エネルギーの吸収が有効であるとされている。またこの他には、後方への運動エネルギーを十分に吸収してリバウンドを発生しににくくするといった提案もなされている(特許文献1,2参照)。
特開2001−71802号公報 特開2004−16708号公報
上記特許文献1に記載のシートバックは、乗員の荷重を受ける受圧部が金属板で構成されている。このため、手や膝を突くなど、シートバックに局所的に荷重をかけた際に受圧部全体が後方に移動し、衝撃吸収機能が作動する、すなわち誤作動してしまうといった不具合が生じやすい。誤作動を防ぐには、衝撃吸収が開始される荷重を大きく設定すればよいが、そうすると乗員の体重が軽い場合に作動しにくくなる。また、この種の受圧部は乗員に近い前方寄りにあるほど衝撃吸収機能が速やかに作動するものであるが、金属板では硬い感触が乗員に伝わって乗り心地が低下し、したがって乗り心地と速やかな作動の両立が困難になる。
上記特許文献2に記載のシートバックは、衝撃吸収部材の前後方向の厚みが顕著であるため、レイアウトの自由度と衝撃吸収性能の両立を図ることが困難である。また、上記特許文献1のものと同様に乗り心地の低下や誤作動の発生といった懸念もある。また、後突を受けて変形した受圧部が後方に突出し、後部座席の乗員に影響を及ぼす可能性もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、局所的な荷重を受けても衝撃吸収手段が誤作動せず、後突時に確実、かつ速やかに衝撃吸収手段を作動させることができ、また、レイアウトの自由度も高く、後方への突出による後部座席の乗員への影響も抑えることができるシートバックの提供を目的としている。
本発明は、車両の幅方向に離間した固定部を有するシートバックフレームと、固定部の間に配設され、かつ、これら固定部に衝撃吸収手段を介して取り付けられ、車両の後方に向かって変形可能な受圧部材と、少なくともこの受圧部材の前方に設けられるクッション材とを具備する自動車用シートバックであって、衝撃吸収手段は、軸方向が略上下方向に延びる揺動軸と、この揺動軸に基端部が軸支され、該揺動軸を支点として揺動可能に支持された揺動部材と、この揺動部材に、基端部から該揺動部材の先端部方向に変位可能に装着された変位部材と、揺動部材を、該揺動部材の先端部が後方に向くように付勢する付勢部材と、変位部材と揺動部材との間に介在され、変位部材の変位を緩衝する緩衝手段とを有しており、受圧部材は、衝撃吸収手段の変位部材に取り付けられていることを特徴とする。
本発明では、後突時に車両に対して相対的に後方へ移動する乗員によって生じる荷重が受圧部材で受けられ、受圧部材が全体的に後方に移動する。すると、衝撃吸収手段の変位部材が揺動部材の先端部方向、すなわち後方に変位するが、その変位が緩衝手段で緩衝され、結果として後突時の衝撃エネルギーが吸収される。これが、後突時における乗員が着座している姿勢から上体が後方に移動する際に発生する本発明の正常な作動である。
一方、シートバックの例えば中央付近に局所的な後方への荷重が付与された場合には、その荷重付与点が局所的に後方に変形する。するとこの変形に伴って、先端部が後方に向いていた揺動部材が、付勢部材に抗して先端部が内側に向くように揺動し、衝撃吸収手段の変位部材が変位する動作が起こらない。すなわち、局所的な荷重の入力は揺動部材を揺動させる動作に変換されるため、衝撃吸収手段の誤作動は生じない。
本発明では、受圧部材が単なる金属板のような剛性を有するものではなく、後方への変形が可能なものであり、これに加えて衝撃吸収手段が略上下方向に延びる揺動軸を支点として揺動可能であるため、局所的な荷重入力時には誤作動が生じないものとなっている。正常な作動時には、シートバックの幅方向にわたる広い範囲に後方への荷重が付与されるので、両側の衝撃吸収手段の変位部材には、受圧部材を介して後方への衝撃エネルギーが的確に伝わり、変位部材が変位するといった正常な動作が発生するのである。
本発明の受圧部材は、上記のように金属板のような剛性を有するものではなく、後方への変形が可能なものである。このため、受圧部材をシートバックの前方寄りに配設しても乗り心地に影響を与えにくく、したがって前方寄りに配設することにより、後突時に確実、かつ速やかに衝撃吸収手段を作動させることができる。また、レイアウトの自由度を高くすることができるとともに、後方への突出による後部座席の乗員への影響も抑えることができる。
本発明の受圧部材の形態としては、非伸縮性であって、かつ、車両の後方への荷重を受けた時に張力が付与されるベルト状部材が挙げられる。
また、本発明は、受圧部材と衝撃吸収手段の変位部材との間、および/または受圧部材と固定部材との間にばね等の弾性部材が介在されている形態を含む。この形態によると、受圧部材が受ける後方への衝撃エネルギーを弾性部材で適宜に吸収することにより、衝撃吸収手段の作動開始荷重を調節することができるなどの利点がある。
本発明のシートバックによれば、局所的な荷重を受けても衝撃吸収手段が誤作動せず、後突時に確実、かつ速やかに衝撃吸収手段を作動させることができ、また、レイアウトの自由度も高く、後方への突出による後部座席の乗員への影響も抑えることができるなど、種々の効果を奏する。
(A)は本発明の第1実施形態に係るシートバックの衝撃吸収手段を含む内部構造を示す斜視図、(B)は衝撃吸収手段を示す拡大図である。 (A)は同内部構造の平面図であって、衝撃吸収手段が作動していない通常状態を示しており、(B)は衝撃吸収手段を示す拡大図である。 衝撃吸収手段の構造を示す断面図であって、(A)衝撃吸収手段が作動していない通常状態、(B)衝撃吸収手段が作動した状態である。 衝撃吸収手段が正常に作動した時の状態を示す平面図である。 シートバックに局所的な後方への荷重がかかった時の挙動を示す平面図である。 第1実施形態の衝撃吸収手段の変形例を示す断面図であって、(A)衝撃吸収手段が作動していない通常状態、(B)衝撃吸収手段が作動した状態である。 (A)は本発明の第2実施形態を示す斜視図、(B)は衝撃吸収手段を示す拡大図である。 本発明の第3実施形態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[1]第1実施形態
図1(A)および図2(A)は、シートバックフレームの一部を構成する左右一対のサイドフレーム(固定部)1に、本発明に係る衝撃吸収手段2を介して、受圧部材であるベルト3が取り付けられた状態を示している。
略上下方向に延び、互いに平行なサイドフレーム1の下端部は、図示せぬシートクッションフレームの後端部にヒンジを介して前後方向へのリクライニング可能に支持されている。サイドフレーム1の上端部間には、図示せぬ逆U字状のアッパフレームが固定されており、このアッパフレームと各サイドフレーム1により、シートバックフレームが構成される。そしてシートバックフレームは、発泡ウレタン等のクッション材で覆われ、さらにクッション材は皮やファブリック等の被覆材で覆われて、シートバックが構成される。
衝撃吸収手段2は、サイドフレーム1の下端部の内側に配設された上下一対のブラケット5に取り付けられている。衝撃吸収手段2は、これら上下のブラケット5にわたって設けられた軸方向が略上下方向に延びる揺動軸10と、この揺動軸10に基端部が軸支され、揺動軸10を支点としてサイドフレーム1の内側で前後方向に略水平(図2で矢印F−R方向)に揺動可能に支持された円筒状の揺動部材20を有している。
図3(A)に示すように、揺動部材20は、図中左側の基端部が他の部分よりも径が大きい大径部21となっており、大径部21からテーパ部22を経て先端側に連なる他の部分である小径部23に、円筒状の変位部材30が摺動自在に挿入されている。小径部23の開口端部には鍔部23aが形成されており、この先端側の開口から揺動部材20内に挿入された変位部材30の奥端部は、揺動部材20の大径部21内まで至っている。そして変位部材30の端板31で閉塞されている端部は揺動部材20から突出している。
変位部材30の、揺動部材20の大径部21内に存している奥端部には、周方向に等間隔をおいて複数の円形の孔32が形成されており、これら孔32には、剛球(緩衝手段)33が転動可能に嵌め込まれている。また、変位部材30の内部には、ブロック34が固着されている。
ブロック34には、揺動部材20の大径部21内に突出する突出部34aが形成されており、各剛球33は、この突出部34aに接触するとともに孔32に拘束され、かつ、変位部材30の外周面から突出して大径部21およびテーパ部22の内面に近接する状態に支持されている。そして、変位部材30の端板31には、リング37を介して上記ベルト3の端部がそれぞれ固定される。
ここで、揺動部材20は、塑性変形が効果的に起こる金属等により構成され、剛球33は、揺動部材20に塑性変形を生じさせることができる剛性を有した材料でできている。また、変位部材30は、衝撃吸収時において問題となる破損や変形が生じない強度が確保される材質でできている。また、ベルト3は、自動車用シートベルト等に用いられるような可撓性は有するが伸び性はほとんど無いような材質が好ましく用いられる。
上記衝撃吸収手段2は、揺動部材20の基端部側である大径部21に揺動軸10が貫通され、上記のように揺動軸10を支点として揺動可能にブラケット5に取り付けられている。そして揺動部材20は、図1(B)に示す揺動軸10に装着されたねじりコイルばね(付勢部材)11により、図2の矢印R方向に付勢され、通常は、鍔部23aが形成された先端部が後方に向いて軸方向がほぼ前後方向に延びる状態となっている。ベルト3は、左右の衝撃吸収手段2の変位部材30に、リング37を介して連結されており、通常は、図1(A)および図2(A)に示すようにほぼ水平に張った状態となっている。なお、ベルト3の高さ位置は、乗員の腰部に対応する位置とされる。
次いで、以上の構成からなるシートバックの作用を説明する。
自動車が後突を受けた場合、当該シートバックに着座する乗員の上体(図4:P1で示す)が車両に対して相対的に後方へ移動するが、その時の衝撃エネルギーはクッション材を経てベルト3で受けられる。ベルト3にかかる上体からの荷重は、ベルト3の中央部から両側にわたる広い範囲に付与されるため、図4に示すように、ベルト3は全体的に後方に移動して張力がかかった状態となる。すると、同図に示すように揺動部材20が若干内側(矢印F方向)に揺動してから、衝撃吸収手段2に衝撃が直接伝わってワイヤ36が後方に引っ張られる。
ワイヤ36が後方に引っ張られる衝撃を受けると、衝撃吸収手段2においては、変位部材30が後方に移動して揺動部材20から抜ける動きをする。すると、変位部材30とともに後方に動く剛球33がテーパ部22に食い込み、図3(B)に示すように揺動部材20を塑性変形させて押し広げながら後方に移動する。
このようにして剛球33が揺動部材20の抵抗を受けながら拡径して塑性変形が所定の距離にわたって生じることで、シートバックが受けた(つまりその反作用として乗員が受けた)衝撃のエネルギーが吸収される。これが、後突時における乗員が着座している姿勢から上体が後方に移動する際に発生する正常な衝撃吸収動作である。
一方、図5に示すように、手や膝を突くなどして、シートバックの例えば中央付近に局所的な後方への荷重P2が付与された場合には、図5に示すように、ベルト3の荷重付与点に対応する部分が局所的に後方に移動し、ベルト3は全体的に略V字状に変形する。するとこの変形に伴って、先端部が後方に向いていた揺動部材20が内側に引っ張られ、ねじりコイルばね11の弾発力に抗して図5に示すように先端部が内側に向くように矢印F方向に揺動する。
このように局所的な荷重を受けると、ベルト3は全体的に後方へは移動せず局所的に大きく変形し、これに伴って衝撃吸収手段2が上記のように内側に揺動することにより、ワイヤ3を後方に引っ張るといった力が衝撃吸収手段2には伝わらない。すなわち、局所的な荷重の入力は揺動部材20を揺動させる動作に変換されるため、衝撃吸収手段2の誤作動が生じない。
本実施形態では、金属板のような剛性を有するものではなく、後方への変形が可能なベルト3で後方への衝撃を受けるものであり、これに加えて衝撃吸収手段2が揺動軸10を支点として水平方向に揺動可能であるため、局所的な荷重入力時には誤作動が生じないものとなっている。正常な作動時には、シートバックの幅方向にわたる広い範囲に後方への荷重が付与されるので、両側の衝撃吸収手段2の変位部材30には、ベルト3を介して後方への衝撃エネルギーが的確に伝わり、変位部材30が変位するといった正常な動作が発生するのである。
本実施形態のベルト3は、上記のように金属板のような剛性を有するものではなく、後方への変形が可能なものであり、その変形は、乗員の上体の体型に沿ったものとなる。このため、ベルト3から上体へ局所的に荷重がかかり乗員に負担となるといった不具合が起こらない。また、ベルト3をシートバックの前方寄りに配設しても乗り心地に影響を与えにくく、したがってベルト3を前方寄りに配設することにより、後突時に確実、かつ速やかに衝撃吸収手段2を正常に作動させることができる。また、ベルト3のレイアウトの自由度を高くすることができるとともに、後方への突出による後部座席の乗員への影響も生じない。さらに、前後方向に薄いため衝撃吸収のストロークを大きくとることができ、衝撃吸収性を向上させることができる。
なお、上記衝撃吸収手段2は、図6に示す構造のものも採用することができる。この衝撃吸収手段2は、上記ブロック34が変位部材30の内部に摺動自在に挿入されており、このブロック34と端板31との間には圧縮ばね35が介装されている。また、ブロック34には、変位部材30の端板31を貫通するワイヤ36の一端が固着されており、このワイヤ36の端板31からの突出端部に、ベルト3の端部が固定されるリング37が固着されている。
図6に示す衝撃吸収手段2では、ベルト3は、リング37、ワイヤ36、ブロック34および圧縮ばね35を介して変位部材30に連結される。そして、図6(A)の通常の状態からベルト3に後方への衝撃エネルギーが加わると、ワイヤ36が後方に引っ張られる衝撃を受け、ブロック34を介して圧縮ばね35の緩衝を受けながらリング37が後方に移動し、圧縮ばね35が圧縮しきってなお大きな衝撃がある場合、変位部材30が後方に移動して揺動部材20から抜ける動きをする。すると、変位部材30とともに後方に動く剛球33がテーパ部22に食い込み、図6(B)に示すように揺動部材20を塑性変形させて押し広げながら後方に移動する。
図6に示した衝撃吸収手段によれば、ベルト3が受ける後方への衝撃エネルギーが、まず圧縮ばね35で吸収される。このため、衝撃吸収能力がより向上したものとなる。また、圧縮ばね35のばね力に応じて衝撃吸収手段の作動開始荷重を調節することができる。
[2]第2実施形態
図7(A)は、上記衝撃吸収手段2に代えて、別の衝撃吸収手段7を介してベルト3をサイドフレーム1に取り付けた形態を示している。この場合、ブラケット5、揺動軸10およびねじりコイルばね11は第1実施形態と同様の機能を有するが、揺動軸10に軸支された揺動部材40は、図7(B)に示すように、内側に前後方向に延びる凹所を有する断面コ字状のものである。この揺動部材20の凹所内には、前後方向に摺動可能に変位部材50が嵌め込まれており、変位部材50にベルト3の端部が固着されている。変位部材50は、通常は前方寄りに位置付けられており、変位部材50と、揺動部材40の後方に向く先端部に形成された端板41との間には、発泡スチロール等からなる緩衝材(緩衝手段)60が嵌め込まれている。
この第2実施形態の衝撃吸収手段7によると、後突を受けた際には、第1実施形態と同様に、ベルト3から変位部材50が後方に引っ張られる衝撃を受ける。そしてこの場合には、変位部材50が揺動部材40の凹所内を、緩衝材60を潰しながら後方に移動し、その移動時に緩衝材60から受ける抵抗によって、衝撃エネルギーが吸収される。また、局所的に後方荷重を受けた場合には、ベルト3が図5に示すように荷重を受けた部分のみ大きく後方に変形し、第1実施形態と同様に揺動部材40が内側に揺動することにより、変位部材50が後方に移動する力はベルト3からは伝わらず、誤作動は生じない。
また、この第2実施形態では、ベルト3に適宜な弾力性を有するパッド8を装着している。パッド8は乗員の上体の幅に相当する幅を有しており、このパッド8により、正常作動時において乗員の荷重がベルト3に集中することが押さえられ、衝撃によるベルト3からの乗員への反発力を緩和することができるようになっている。
なお、上記第1および第2実施形態のように、受圧部材としてベルトを用いる場合、ベルトの本数は1本に限らず、適宜な本数に選択される。また、ベルトの掛け方は、複数の場合は水平に限られず、X状や井の字状といったように様々な形態を採用することができる。また、ベルトに弛みを持たせ、ばね等の弾性部材で張力を調整することにより、乗り心地を低下させず従来のSばね等のばね体に代わる受圧部材とすることができる。
また、ベルトの一端部を、シートベルト装置に組み込まれるリトラクタ機構(衝撃が入力された時には巻き出しが停止する機構)を介して衝撃吸収手段2に連結し、通常時の緩やかな衝撃吸収時にはベルトが伸びて乗り心地を損なわせず、後突が起きた時にベルトに張力が発生するようにしてもよい。
また、ベルトの代わりとして、紐やワイヤまたは張力伝達方向に伸縮性を持たない樹脂や高分子材料、あるいはそれらを組み合わせたものを受圧部材として構成してもよい。
また、別の衝撃吸収手段としては、ベルトの一部を折り曲げた状態を、長方形孔のスリーブに挿入したり縫合したりして保持し、衝撃を受けるとスリーブの破壊や縫合糸の切断により、衝撃吸収作用を発揮する形式のものであってもよい。さらに、板材を蛇腹状にプレス加工したものなども好適に用いることができる。
[3]第3実施形態
図8は、上記第1実施形態のベルト3に代えて、弾性を有する矩形状の枠材71内に複数の線条ばね72をフラットな格子状に組んでなる平面ばね70を受圧部材とし、この平面ばね70を衝撃吸収手段2に取り付けている。この場合、上記ワイヤ36にはホルダ38を介して平面ばね70の枠材71が保持され、これによって平面ばね70が衝撃吸収手段2に連結されている。また、この平面ばね70の枠材71は、コイルばね(弾性部材)75を介してサイドフレーム1に対し前後方向に弾性的に移動可能に支持されている。
この第3実施形態では、後突を受けた際には、乗員の後方への衝撃エネルギーが平面ばね70の全体で受けられ、後方に移動する枠材71により変位部材30が後方に引っ張られ、衝撃吸収手段2が正常に作動する。また、局所的に後方荷重を受けた場合には、線条ばね72の一部が後方に弾性変形し、これに伴って枠材71の両側が内側に移動するように変形する。これにより、衝撃吸収手段2は、図5で示したように内側に揺動するだけで作動せず、誤作動は起こらない。
また、この第3実施形態では、後突を受けるとはじめにコイルばね75が伸びることにより衝撃が吸収され、コイルばね75が伸びきったあとに衝撃吸収手段2に平面ばね70から後方への衝撃エネルギーが伝わり、衝撃吸収手段2が作動を開始する。したがって、平面ばね70が受ける後方への衝撃エネルギーをコイルばね75で適宜に吸収することにより、衝撃吸収手段2の作動開始荷重を調節することができる。
1…サイドフレーム(固定部)
2,7…衝撃吸収手段
3…ベルト(受圧部材)
10…揺動軸
11…ねじりコイルばね(付勢部材)
20,40…揺動部材
30,50…変位部材
33…剛球(緩衝手段)
60…緩衝材(緩衝手段)
75…コイルばね(弾性部材)

Claims (3)

  1. 車両の幅方向に離間した固定部を有するシートバックフレームと、
    前記固定部の間に配設され、かつ、これら固定部に衝撃吸収手段を介して取り付けられ、車両の後方に向かって変形可能な受圧部材と、
    少なくともこの受圧部材の前方に設けられるクッション材とを具備する自動車用シートバックであって、
    前記衝撃吸収手段は、
    軸方向が略上下方向に延びる揺動軸と、
    この揺動軸に基端部が軸支され、該揺動軸を支点として揺動可能に支持された揺動部材と、
    この揺動部材に、前記基端部から該揺動部材の先端部方向に変位可能に装着された変位部材と、
    前記揺動部材を、該揺動部材の先端部が後方に向くように付勢する付勢部材と、
    前記変位部材と前記揺動部材との間に介在され、変位部材の変位を緩衝する緩衝手段とを有しており、
    前記受圧部材が、前記衝撃吸収手段の前記変位部材に取り付けられていること
    を特徴とする自動車用シートバック。
  2. 前記受圧部材は非伸縮性であって、かつ、車両の後方への荷重を受けた時に張力が付与されるベルト状部材であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用シートバック。
  3. 前記受圧部材と前記変位部材との間、および/または該受圧部材と前記固定部材との間に弾性部材が介在されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用シートバック。
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