JP3539047B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
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Description
電解質として用いた固体電解コンデンサの製造方法に関
するものである。
み、使用されるコンデンサも高周波で低インピーダンス
が実現できる導電性高分子を固体電解質として用いた固
体電解コンデンサが商品化されてきている。
た固体電解コンデンサの製造方法としては、従来は、弁
作用金属であるアルミニウムからなる電極体の表面を電
解エッチングにより粗面化して表面積を拡大させ、そし
てこの表面に電気化学的に表面酸化を行って誘電体であ
る酸化アルミニウムの酸化皮膜を形成し、その後、この
誘電体である酸化皮膜の表面をマンガン酸化物などを形
成する方法で導電化し、そしてその表面に電解重合によ
り固体電解質である導電性高分子を析出させて形成し、
その後、陰極引き出し部を構成するカーボンペイント層
および銀ペイント層を形成してコンデンサ素子を構成
し、そしてこのコンデンサ素子に陽極および陰極引き出
し用のリード端子を接続し、その後、熱硬化性樹脂を用
いて樹脂外装を行い、そしてこの後、樹脂外装における
樹脂バリを除去するためにブラスト処理を行うととも
に、樹脂外装より外に出たリード端子に半田をコーティ
ングし、その後、定電圧でエージング処理を行って誘電
体である酸化アルミの皮膜の修復を行うことにより固体
電解コンデンサを製造するようにしていた。図5はこの
従来における固体電解コンデンサの製造工程を示すもの
である。
た従来の固体電解コンデンサの製造方法においては、導
電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサの組
立時の機械的ストレスや樹脂外装における熱硬化性樹脂
の硬化時の熱および機械的スレスによって誘電体である
酸化皮膜は著しく損傷するもので、この酸化皮膜の欠陥
部を修復させる場合、従来のエージング処理のみでは酸
化皮膜の欠陥部の修復は十分に行えないため、漏れ電流
のレベルが高くなり、その結果、漏れ電流による不良率
を低減させることができないという問題点を有してい
た。
で、製造工程上の漏れ電流による不良率を低減させるこ
とができる固体電解コンデンサの製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
に本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、弁作用金
属からなる電極体の上に誘電体である酸化皮膜と固体電
解質である導電性高分子を順次形成し、その後、陰極引
き出し部を構成するカーボンペイント層および銀ペイン
ト層を形成して構成したコンデンサ素子に、陽極および
陰極引き出し用のリード端子を接続し、その後、熱硬化
性樹脂を用いて樹脂外装を行うようにした固体電解コン
デンサの製造方法において、前記樹脂外装を行った後、
熱硬化性樹脂のガラス転移点以上の高温で樹脂外装のポ
ストキュア処理をするポストキュア処理工程と、恒温・
恒湿中に一定時間放置して水分を吸湿させる水分吸湿工
程と、高温下で電圧を印加してエージング処理をするエ
ージング処理工程と、前記吸湿した水分を前記ポストキ
ュア処理の温度と同じか、またはそれより低い温度で乾
燥させる乾燥工程を順次設けたもので、この製造方法に
よれば、製造工程上の漏れ電流による不良率を低減させ
ることができるものである。
は、弁作用金属からなる電極体の上に誘電体である酸化
皮膜と固体電解質である導電性高分子を順次形成し、そ
の後、陰極引き出し部を構成するカーボンペイント層お
よび銀ペイント層を形成して構成したコンデンサ素子
に、陽極および陰極引き出し用のリード端子を接続し、
その後、熱硬化性樹脂を用いて樹脂外装を行うようにし
た固体電解コンデンサの製造方法において、前記樹脂外
装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転移点以上の高温
で樹脂外装のポストキュア処理をするポストキュア処理
工程と、恒温・恒湿中に一定時間放置して水分を吸湿さ
せる水分吸湿工程と、高温下で電圧を印加してエージン
グ処理をするエージング処理工程と、前記吸湿した水分
を前記ポストキュア処理の温度と同じか、またはそれよ
り低い温度で乾燥させる乾燥工程を順次設けたもので、
この製造方法によれば、熱硬化性樹脂を用いてコンデン
サ素子の樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転
移点以上の高温で樹脂外装のポストキュア処理をするポ
ストキュア処理工程を設けているため、このポストキュ
ア処理により、熱硬化性樹脂の硬化反応を十分に進行さ
せることができ、これにより、樹脂の未硬化部分は少な
くなるため、その後のエージング処理工程や、コンデン
サ素子が吸湿した水分を高温で乾燥させる乾燥工程にお
ける樹脂の未硬化部分の存在が原因となる樹脂硬化の機
械的ストレスによる誘電体酸化皮膜の損傷も抑制するこ
とができ、これにより、漏れ電流増加を最小限に抑制す
ることができる。しかしながら、このポストキュア処理
を行った場合、コンデンサ素子に含まれる水分が減少す
るため、エージング処理による誘電体酸化皮膜の修復が
効率よく行えなくなるが、本発明においては、ポストキ
ュア処理工程の後に、恒温・恒湿中に一定時間放置して
コンデンサ素子に水分を吸湿させる水分吸湿工程を設け
ているため、この水分吸湿工程においてコンデンサ素子
に再び水分を吸湿させることができ、これにより、その
後のエージング処理工程では誘電体酸化皮膜の欠陥部の
修復が効率よく行われるものである。このことに関して
は、詳しいメカニズムはわからないが、水分を吸収した
導電性高分子は漏れ電流による大電流が流れた場合、部
分的に絶縁物化してコンデンサの漏れ電流を低減させる
働きがあると考えられる。
の樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転移点以
上の高温で樹脂外装のポストキュア処理をすることによ
り、リード端子と熱硬化性樹脂の密着性が良くなるた
め、樹脂外装の気密性を十分に確保することができ、こ
れにより、コンデンサの高温下での信頼性も向上させる
ことができるものである。
における温度と同じか、またはそれより低い温度で乾燥
させるようにしたもので、このようにすることにより、
この乾燥工程では、樹脂外装を行う熱硬化性樹脂の熱膨
張・収縮などの熱変形による機械的ストレスをそれ以前
の工程履歴温度以上に受けることはなくなるため、乾燥
工程による更なる誘電体酸化皮膜の損傷や、この損傷に
よる漏れ電流増加も最小限に抑制することができるもの
である。
た後、熱硬化性樹脂のガラス転移点以上の高温で樹脂外
装のポストキュア処理をするポストキュア処理工程と、
恒温・恒湿中に一定時間放置して水分を吸湿させる水分
吸湿工程を、樹脂外装における樹脂バリを除去する樹脂
バリ除去工程の前に設けたもので、水分吸湿工程におい
て、恒温・恒湿中に一定時間放置した場合、コンデンサ
素子に接続されたリード端子の表面には酸化が起こって
リード端子の半田コーティングの濡れ性が低下するが、
本発明においては、この水分吸湿工程の後に、樹脂外装
における樹脂バリを除去する樹脂バリ除去工程を設けて
いるため、この樹脂バリの除去とともに、リード端子の
表面の酸化物も除去されることになり、その結果、半田
コーティングの濡れ性に悪影響を与えることもなくな
り、漏れ電流不良を低減させることができるものであ
る。
て、添付図面にもとづいて説明する。
いたアルミニウム固体電解コンデンサについて、本発明
の固体電解コンデンサの製造工程を示す製造工程図であ
る。この製造工程図から明らかなように、本発明の固体
電解コンデンサの製造工程は、樹脂外装を行った後、熱
硬化性樹脂のガラス転移点以上の高温で樹脂外装のポス
トキュア処理をするポストキュア処理工程と、恒温・恒
湿中に一定時間放置して水分を吸湿させる水分吸湿工程
と、エージング処理後にコンデンサ素子が吸湿した水分
を前記ポストキュア処理の温度と同じか、またはそれよ
り低い温度で乾燥させる乾燥工程を従来の固体電解コン
デンサの製造工程に新たに追加したものである。
法について順を追って具体的に説明する。
る純度99.99%のアルミニウムからなる電極体1の
表面を電解エッチングにより粗面化して表面積を拡大さ
せ、その後、3%のアジピン酸アンモニウム水溶液中で
59Vの電圧を印加して30分間化成を行うことによ
り、誘電体である酸化アルミニウムの酸化皮膜2を形成
した。そしてこのようにして作成した電極体1を幅3.
5mm長さ6.5mmに切断し、そしてこの電極体1の所定
の位置にポリイミド粘着テープ3を表裏両側から貼り付
けて電極体1を陰極部4と陽極部5とに分け、そして断
面部分を再び3%のアジピン酸アンモニウム水溶液中で
59Vの電圧を印加して30分間断面化成を行い、その
後、陰極部4を硝酸マンガン水溶液にディップし、30
0℃で熱分解を行うことにより、導電性を有するマンガ
ン酸化物を形成した。次いでピロール0.1モルとアル
キルナフタレンスルフォン酸塩0.15モルを含有する
水溶液中に浸漬し、そしてマンガン酸化物上の一部に作
用電極を接触させて2Vの定電圧で30分間電解重合を
行うことにより、固体電解質であるポリピロールからな
る導電性高分子6を均一に析出させた。その後、陰極引
き出し部を構成するカーボンペイント層7および銀ペイ
ント層8を形成して図3に示すような板状のコンデンサ
素子9を構成した。
に示すように、陽極および陰極引き出し用のリードフレ
ームからなるリード端子10を、陰極部4は導電性接着
剤で、陽極部5はレーザー溶接で接続した後、ガラス転
移点が140℃のエポキシ系熱硬化性樹脂でトランスフ
ァーモールドにより樹脂外装11を施した。
コンデンサの後の製造工程について、本発明の実施の形
態と比較例を(表1)にもとづいて説明する。
後、熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高
温である145℃で14時間樹脂外装11のポストキュ
ア処理を行い、その後、85℃で相対湿度85%の恒温
・恒湿中に30時間放置してコンデンサ素子9に水分を
吸湿させ、その後、樹脂外装11における樹脂バリをブ
ラスト処理によって除去し、その後、リード端子10の
部分に半田をコーティングし、その後、125℃の高温
下で定格電圧の1.25倍の20Vの定電圧を30分印
加してエージング処理を行い、その後、コンデンサ素子
9が吸湿した水分を乾燥させるために、ポストキュア処
理の温度(145℃)と同じ温度(145℃)で7時間
放置して乾燥を行った。
を熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温
である165℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理
の温度(165℃)と同じ温度(165℃)にしたもの
で、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コン
デンサを製造した。
を熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温
である175℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理
の温度(175℃)と同じ温度(175℃)にしたもの
で、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コン
デンサを製造した。
硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)より低い温度で
ある130℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理の
温度(130℃)と同じ温度(130℃)にしたもの
で、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コン
デンサを製造した。
トキュア処理工程がなく、そして乾燥温度を熱硬化性樹
脂のガラス転移点(140℃)以上の高温である145
℃にしたもので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で
固体電解コンデンサを製造した。
トキュア処理工程がなく、そして乾燥温度を熱硬化性樹
脂のガラス転移点(140℃)以上の高温である165
℃にしたもので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で
固体電解コンデンサを製造した。
トキュア処理工程がなく、そして乾燥温度を熱硬化性樹
脂のガラス転移点(140℃)以上の高温である175
℃にしたもので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で
固体電解コンデンサを製造した。
を熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温
である145℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理
の温度(145℃)より低い温度である130℃にした
もので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解
コンデンサを製造した。
を熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温
である175℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理
の温度(175℃)より低い温度である145℃にした
もので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解
コンデンサを製造した。
硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)より低い温度で
ある135℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理の
温度(135℃)より低い温度である130℃にしたも
ので、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コ
ンデンサを製造した。
トキュア処理工程がなく、そして乾燥温度を熱硬化性樹
脂のガラス転移点(140℃)より低い温温である13
0℃にしたもので、それ以外は実施の形態1と同じ内容
で固体電解コンデンサを製造した。
硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温であ
る145℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理の温
度(145℃)より高い温度である165℃にしたもの
で、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コン
デンサを製造した。
硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温であ
る165℃とし、かつ乾燥温度をポストキュア処理の温
度(165℃)より高い温度である175℃にしたもの
で、それ以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コン
デンサを製造した。
硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)以上の高温であ
る145℃とし、かつ乾燥工程を省略したもので、それ
以外は実施の形態1と同じ内容で固体電解コンデンサを
製造した。
〜5により製造された固体電解コンデンサと、比較例1
〜9により製造された固体電解コンデンサについて、定
格電圧16Vで漏れ電流(LC)評価を行った不良率
(%)の結果とし、製品特性(容量、tanδ)評価を
示したものである。
施の形態1〜5で示したように、ポストキュア処理の温
度が熱硬化性樹脂のガラス転移点(140℃)よりも高
く、かつ乾燥温度がポストキュア処理の温度と同じか、
あるいはそれより低い場合には、漏れ電流の不良率は低
くなるが、比較例2,3,4,6で示したようにポスト
キュア処理工程がない場合や、比較例1,5で示したよ
うにポストキュア処理の温度が熱硬化性樹脂のガラス転
移点(140℃)より低い場合、および比較例7,8で
示したようにポストキュア処理の温度は熱硬化性樹脂の
ガラス転移点(140℃)よりも高いが、乾燥温度がポ
ストキュア処理の温度より高い場合には、漏れ電流の不
良率が著しく高くなる傾向にあることがわかった。また
比較例9で示したように乾燥工程がない場合には、漏れ
電流の不良率は低くなるが、製品特性である容量および
tanδが高くなり、乾燥状態での特性とは異なること
がわかった。
は熱硬化性樹脂のガラス転移点以上の高温で、かつ乾燥
温度はポストキュア処理の温度と同じか、あるいはそれ
より低い方が好ましいことがわかった。
コンデンサを85℃で相対湿度85%の恒温・恒湿中に
一定時間放置してコンデンサ素子に水分を吸湿させる水
分吸湿工程を、樹脂外装11における樹脂バリをブラス
トにより除去する樹脂バリ除去工程の前に設けた場合
と、樹脂バリ除去工程の後に設けた場合および水分吸湿
工程がない場合における次工程のリード端子10への半
田コーティングの不良率の比較結果を示したものであ
る。
1を施した固体電解コンデンサを85℃で相対湿度85
%の恒温・恒湿中に一定時間放置してコンデンサ素子に
水分を吸湿させる水分吸湿工程を樹脂バリ除去工程の後
に設けた場合は、恒温・恒湿中への一定時間の放置によ
りリード端子10の表面に形成される表面酸化物は除去
されることはないため、半田の濡れ性が著しく低下する
もので、これにより、リード端子10への半田コーティ
ングの不良率は著しく増大するが、水分吸湿工程を樹脂
バリ除去工程の前に設けた場合は、恒温・恒湿中への一
定時間の放置によりリード端子10の表面に形成される
表面酸化物は、樹脂バリ除去工程におけるブラスト処理
により除去されるため、リード端子10への半田コーテ
ィングの不良率は、水分吸湿工程がない場合とほぼ同程
度まで下げることができることがわかった。
〜5により製造された固体電解コンデンサと、比較例1
〜6により製造された固体電解コンデンサを半田耐熱条
件(240℃で5分)の雰囲気に晒した後、105℃と
125℃の無負荷放置の信頼性試験を行った場合におけ
る2000時間後の容量変化が10%以上発生する不良
発生率を示したものである。
施の形態1〜5は、熱硬化性樹脂を用いてコンデンサ素
子9の樹脂外装11を行った後、熱硬化性樹脂のガラス
転移点(140℃)以上の高温で樹脂外装11のポスト
キュア処理をするポストキュア処理工程を設けているた
め、リード端子10と熱硬化性樹脂の密着性は著しく向
上し、そして厳しい半田耐熱条件下でも樹脂外装11の
気密性が確保されるため、コンデンサの高温下での不良
発生率も極めて優れたものが得られ、コンデンサの信頼
性を向上させることができるものである。
ては、電極体1を構成する弁作用金属としてアルミニウ
ムを用いたものについて説明したが、このアルミニウム
に限定されるものではなく、その他の例えばタンタルチ
タン、等の弁作用金属を用いてもよいものである。
電解質である導電性高分子を形成する前にマンガン酸化
物の導電層を形成したものについて説明したが、本発明
においては、マンガン酸化物の導電層は特になくても構
わないものである。
は、恒温・恒湿中の放置条件として85℃で相対湿度8
5%の条件を例として示したが、これらの条件に限定さ
れるものではなく、コンデンサ素子に十分な水分が吸湿
される条件であれば良いものである。
サの製造方法によれば、熱硬化性樹脂を用いてコンデン
サ素子の樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転
移点以上の高温で樹脂外装のポストキュア処理をするポ
ストキュア処理工程を設けているため、このポストキュ
ア処理により、熱硬化性樹脂の硬化反応を十分に進行さ
せることができ、これにより、樹脂の未硬化部分は少な
くなるため、その後のエージング処理工程や、コンデン
サ素子が吸湿した水分を高温で乾燥させる乾燥工程にお
ける樹脂の未硬化部分の存在が原因となる樹脂硬化の機
械的ストレスによる誘電体酸化皮膜の損傷も抑制するこ
とができ、これにより、漏れ電流増加を最小限に抑制す
ることができる。しかしながら、このポストキュア処理
を行った場合、コンデンサ素子に含まれる水分が減少す
るため、エージング処理による誘電体酸化皮膜の修復が
効率よく行えなくなるが、本発明においては、ポストキ
ュア処理工程の後に、恒温・恒湿中に一定時間放置して
コンデンサ素子に水分を吸湿させる水分吸湿工程を設け
ているため、この水分吸湿工程においてコンデンサ素子
に再び水分を吸湿させることができ、これにより、その
後のエージング処理工程では誘電体酸化皮膜の欠陥部の
修復が効率よく行われるものである。
の樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転移点以
上の高温で樹脂外装のポストキュア処理をすることによ
り、リード端子と熱硬化性樹脂の密着性が良くなるた
め、樹脂外装の気密性を十分に確保することができ、こ
りにより、コンデンサの高温下での信頼性も向上させる
ことができるものである。さらに乾燥工程は、ポストキ
ュア処理工程における温度と同じか、またはそれより低
い温度で乾燥させるようにしたもので、このようにする
ことにより、この乾燥工程では、樹脂外装を行う熱硬化
性樹脂の熱膨張・収縮などの熱変形による機械的ストレ
スをそれ以前の工程履歴温度以上に受けることはなくな
るため、乾燥工程による更なる誘電体酸化皮膜の損傷
や、この損傷による漏れ電流増加も最小限に抑制するこ
とができるものである。
ンデンサにおける電極体の斜視図
の破断斜視図
を示す斜視図
Claims (2)
- 【請求項1】 弁作用金属からなる電極体の上に誘電体
である酸化皮膜と固体電解質である導電性高分子を順次
形成し、その後、陰極引き出し部を構成するカーボンペ
イント層および銀ペイント層を形成して構成したコンデ
ンサ素子に、陽極および陰極引き出し用のリード端子を
接続し、その後、熱硬化性樹脂を用いて樹脂外装を行う
ようにした固体電解コンデンサの製造方法において、前
記樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガラス転移点以
上の高温で樹脂外装のポストキュア処理をするポストキ
ュア処理工程と、恒温・恒湿中に一定時間放置して水分
を吸湿させる水分吸湿工程と、高温下で電圧を印加して
エージング処理をするエージング処理工程と、前記吸湿
した水分を前記ポストキュア処理の温度と同じか、また
はそれより低い温度で乾燥させる乾燥工程を順次設けた
ことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】 樹脂外装を行った後、熱硬化性樹脂のガ
ラス転移点以上の高温で樹脂外装のポストキュア処理を
するポストキュア処理工程と、恒温・恒湿中に一定時間
放置して水分を吸湿させる水分吸湿工程を、樹脂外装に
おける樹脂バリを除去する樹脂バリ除去工程の前に設け
た請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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JP05747196A JP3539047B2 (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
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JP05747196A JP3539047B2 (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09246114A JPH09246114A (ja) | 1997-09-19 |
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1996
- 1996-03-14 JP JP05747196A patent/JP3539047B2/ja not_active Expired - Fee Related
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