JP3538791B2 - 湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物 - Google Patents

湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物

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JP3538791B2
JP3538791B2 JP24378495A JP24378495A JP3538791B2 JP 3538791 B2 JP3538791 B2 JP 3538791B2 JP 24378495 A JP24378495 A JP 24378495A JP 24378495 A JP24378495 A JP 24378495A JP 3538791 B2 JP3538791 B2 JP 3538791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式磁粉探傷試験
方法に用いられる水分散性蛍光磁粉配合物に関する。
【0002】本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水分散性
蛍光磁粉配合物は、主として鉄鋼メーカーや自動車メー
カーなどにおいて採用されている湿式磁粉探傷試験方法
の実施に当って使用される。
【0003】
【従来の技術】周知の通り、鉄鋼メーカーにおいては角
ビレットや丸ビレットなどの鋼材を被検査物として、ま
た、自動車メーカーにおいてはシャフトやナックルアー
ムなどの鋼製部品を被検査物として、その表面欠陥部の
探傷にJIS G 0565−1992に規定されてい
る湿式磁粉探傷試験方法が採用されている。
【0004】湿式磁粉探傷試験方法は、通常、水1l 当
り磁粉探傷試験用蛍光磁粉0.2〜15gを分散させた
検査液(当業界においては「磁粉液」と呼ばれることも
ある)を被検査物表面に接触させることによって実施さ
れているが、当該検査液の調製に当っては、前出JIS
規格に「…湿式法には、…水などを分散媒とし、必要に
応じ適当な…界面活性剤を入れた検査液を用いる…」と
されている通り、界面活性剤が使用されている。これ
は、磁粉探傷試験用蛍光磁粉が、純鉄粒子粉末,四三酸
化鉄粒子粉末,γ−酸化鉄粒子粉末等の導磁性粒子粉末
(当業界においては「磁粉」と呼ばれている)に疎水性
の合成樹脂をバインダーとして蛍光顔料を結合させた蛍
光磁粉粒子から構成されたものであって、各蛍光磁粉粒
子の表面が合成樹脂で覆れて疎水性であるため、当該蛍
光磁粉のみを水に投入する場合には水面に浮遊してしま
って分散しないからである。
【0005】より具体的に説明すると、当業界において
は、磁粉探傷試験用蛍光磁粉を水に分散させて検査液を
調製するに当っては、水にHLB9〜16のノニオン系
界面活性剤2〜30重量%を溶解させてなる市販の磁粉
分散剤(例えば、スーパーマグナ磁粉分散剤BC−60
0:商品名:マークテック株式会社製)を使用し、所定
量の磁粉分散剤と所定量の磁粉探傷試験用蛍光磁粉とを
よく練合せた後、攪拌下において所定量の水に投入し、
当該蛍光磁粉を分散させるという手法が採られている。
【0006】また、上記手法を採る場合には、秤量作業
及び練合せ作業が必須となるので、これを改良すべく、
特開昭57−141547号公報に開示されている「磁
粉に蛍光顔料を含む合成樹脂を被覆した後にノニオン系
界面活性剤を被覆して水分散性蛍光磁粉を得る」技術に
見られる通り、蛍光磁粉自体に水分散性を付与する手法
が提案されている。
【0007】しかし、磁粉探傷試験用蛍光磁粉を水に充
分分散させた検査液を調製するためには、HLB9〜1
6のノニオン系界面活性剤を用いる必要があり、この界
面活性剤は、一般に不揮発性の粘性液体であるため、こ
れを付着させた水分散性蛍光磁粉は貯蔵中に凝集が起り
易く、検査液の調製時に充分な分散状態が得られないの
である。事実、本発明者が知る限り、界面活性剤を付着
させた水分散性蛍光磁粉が湿式磁粉探傷方法に実用され
ている例はなく、市販の磁粉分散剤を使用する上記手法
が採られているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、数多くの
試作・実験を重ねた結果、磁粉探傷試験用蛍光磁粉を構
成している各蛍光磁粉粒子にHLB9〜16のノニオン
系界面活性剤を付着させる手法によって実用できる水分
散性蛍光磁粉を得ることは不可能との結論に対し、当該
界面活性剤に代って付着させる物質を求めて研究を進め
た。
【0009】そして、研究途上において、特開平5−2
13611号公報に開示されている「黒鉛質粒子粉末の
粒子表面に親水性を有する金属酸化物,金属炭化物,金
属窒化物,金属硼化物および金属から選ばれる微粒子
(実施例:アルミナ,シリカ,炭化珪素,金属アルミニ
ウム)を付着して親水性を付与する」技術に着目し、磁
粉探傷試験用蛍光磁粉を構成している蛍光磁粉粒子の表
面に親水性を有する無機質微粒子を付着させることによ
って水分散性蛍光磁粉を得るという着想を得、これを具
現化すべく試作・実験を進めた。
【0010】本発明者が行った実験結果によれば、特開
平5−213611号公報の実施例に挙げられているア
ルミナ,金属アルミニウム,炭化珪素の各微粒子を蛍光
磁粉粒子の表面に付着させた場合には、親水性を付与す
ることができ、また、シリカ(但し、親水性のもの)の
微粒子を蛍光磁粉粒子の表面に付着させた場合にも親水
性を付与することができた。
【0011】しかしながら、上記の親水性が付与された
各蛍光磁粉を使用して湿式磁粉探傷試験方法を実施した
ところ、水に分散させることはできたが、所要の探傷精
度を得ることができなかった。
【0012】即ち、アルミナ,金属アルミニウム及びシ
リカ(但し、親水性のもの)の各微粒子を用いた場合に
は、該各微粒子が不透明体であることが要因で、蛍光磁
粉粒子が本来具備している紫外線灯(当業界では「ブラ
ックライト」とも呼ばれている)照射下における蛍光輝
度が低下してしまうので微細な欠陥部を探傷することは
不可能であった。また、炭化珪素微粒子を用いた場合に
は、該微粒子の比重が大きいことが要因で、水に分散さ
せた蛍光磁粉粒子の沈降速度が極端に早く、攪拌下にお
いても短時間で容器底部に堆積してしまって、蛍光磁粉
粒子を被検査物表面に充分付着させることができないの
で微細な欠陥部を探傷することは不可能であった。
【0013】そこで、本発明者は、貯蔵中に凝集を起こ
すことなく、また、探傷時の紫外線灯照射下における蛍
光輝度に悪影響を与えることなく、親水性が付与できる
物質を付着させた微細な欠陥部まで探傷できる水分散性
蛍光磁粉、換言すれば湿式磁粉探傷試験方法に実用でき
る水分散性蛍光磁粉を提供することを技術的課題とし
て、数多くの試作・実験を重ね、該課題が達成できる発
明を完成し、特願平7−31339号として出願した。
【0014】特願平7−31339号の発明(以下、
「先願発明」という)は、導磁性粒子に合成樹脂をバイ
ンダーとして蛍光顔料を結合させてなる平均粒径1〜2
5μmの磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末100重量部
に平均粒径0.01〜0.05μm の親水性無定形二酸
化珪素微粒子粉末0.5〜30重量部が配合されてお
り、且つ、当該各蛍光磁粉粒子の表面に当該二酸化珪素
微粒子が付着している湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光
磁粉である。
【0015】なお、特開昭51−73961号公報及び
特開昭60−237355号公報には、それぞれケイ酸
粉末を配合した磁粉探傷用蛍光磁粉が開示されている
が、いずれもケイ酸粉末が滑沢剤として用いられてお
り、また、各公報とも、単に「ケイ酸粉末」と記載され
ているだけで、その種類や性状などは記載されていな
い。
【0016】本発明は、先願発明の更なる改良を技術的
課題とするものである。即ち、先願発明に係る湿式磁粉
探傷試験用水分散性蛍光磁粉は自己分散性を具備してい
るから、これを用いれば市販の磁粉分散剤を使用するこ
となく検査液が調製できるが、検査液調製時の攪拌条件
によっては、攪拌下において水に投入した時点から充分
な分散状態となるまでに約20〜30分の攪拌時間を必
要とし、充分な分散状態となる前に使用すると検査液中
の蛍光磁粉濃度が一定でないから微細な欠陥部の探傷が
困難であるため、当該攪拌時間が終了するまで、換言す
れば、充分な分散状態となるまで、探傷作業が開始でき
ない場合があった。なお、攪拌条件を厳格に管理すれ
ば、水に投入後速やかに充分な分散状態とすることは可
能である。
【0017】そこで、本発明者は、先願発明に係る湿式
磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉に内在する上記問題点
の解決を技術的課題として、更に試作・実験を行った結
果、ごく小量の粉末状フッ素系界面活性剤を併用して検
査液を調製する場合には、水に投入後速やかに充分な分
散状態となり、容器底部への堆積が殆んど生じないとい
う刮目すべき新知見を見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は次の通
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、導磁
性粒子に合成樹脂をバインダーとして蛍光顔料を結合さ
せてなる平均粒径1〜25μm の磁粉探傷試験用蛍光磁
粉粒子粉末100重量部に平均粒径0.01〜0.05
μm の親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末0.5〜30
重量部が配合されており、且つ、当該各蛍光磁粉粒子の
表面に当該二酸化珪素微粒子が付着している水分散性蛍
光磁粉100重量部に対して、粉末状フッ素系界面活性
剤が0.05〜1重量部添加されていることを特徴とす
る湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物である。
【0019】また、本発明に係る湿式磁粉探傷用水分散
性蛍光磁粉配合物には水溶性防錆剤を添加して置くこと
ができる。
【0020】本発明の構成をより詳しく説明すれば次の
通りである。先ず、本発明において用いる導磁性粒子に
合成樹脂をバインダーとして蛍光顔料を結合させてなる
平均粒径1〜25μm の磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉
末は、周知のものであり、例えば、スーパーマグナ蛍光
磁粉LY−1500(商品名:マークテック株式会社
製)やスーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300(商品
名:マークテック株式会社製)などの磁粉探傷用として
市販されているものを用いればよい。
【0021】なお、上掲市販品を始めとする通常の市販
湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉は、純鉄粒子,四三酸化鉄
粒子,γ−酸化鉄粒子等の導磁性粒子にビニル・ブチラ
ール系合成樹脂や酢酸セルロース系合成樹脂などをバイ
ンダーとしてルモゲンイエローS0790(商品名:B
ASF社製)やフエスタA(商品名:Swada社製)
などの蛍光顔料を結合させてなる平均粒径1〜25μm
の範囲内の蛍光磁粉粒子から構成されている。
【0022】次に、本発明において用いる平均粒径0.
01〜0.05μm の親水性無定形二酸化珪素微粒子粉
末も、周知のものであり、例えばアエロジル200(商
品名:日本アエロジル株式会社製),Tokusil
U(商品名:徳山曹達株式会社製),Tokusil
GU(商品名:徳山曹達株式会社製)などの市販品を用
いればよい。
【0023】上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末
は、白色透明性の水不溶性物質であり、吸湿性が小さく
貯蔵中に凝集することはない。
【0024】本発明に用いる上記親水性無定形二酸化珪
素微粒子粉末として、平均粒径0.05μm を越えるも
のを用いる場合には、上記湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉
粒子粉末を構成している各蛍光磁粉粒子の表面に付着さ
せ難くなる。平均粒径0.05μm 未満、好ましくは
0.01〜0.04μm のものを用いる場合には、後述
する通り、歩留りよく付着させることができる。なお、
平均粒径0.01μm 未満のものを市場から入手するこ
とが困難なため下限を0.01μm に規定している。
【0025】本発明における上記磁粉探傷試験用蛍光磁
粉と上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末との配合割
合は、前者100重量部に対して後者を0.5〜30重
量部、好ましくは、2〜20重量部を配合する必要があ
る。後者が0.5重量部未満の場合には親水性を付与す
ることが困難であり、30重量部を越えて配合しても分
散性の顕著な向上は認められない。
【0026】上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末を
付着させて本発明に用いる水分散性蛍光磁粉を得る操作
は容易であり、上記磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末と
上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末とを、それぞれ
所定量秤取し、周知のミキサーや雷潰機を用いて混合・
攪拌するだけで、該各蛍光磁粉粒子の表面に該二酸化珪
素微粒子を充分に付着させることができ、この付着状態
は、後出発明の実施の形態や実施例に示す通り、水洗・
濾過・乾燥しても、一旦付着させた当該二酸化珪素微粒
子の最大32%が脱落するにすぎず、湿式磁粉探傷試験
方法に使用される蛍光磁粉は使い捨てされており、乾燥
して再使用されることはないから、実用上充分に付着
(固着)しているといえるものである。
【0027】なお、ミキサーや雷潰機による混合・攪拌
時間は、用いるミキサーや雷潰機の能力と対象とする蛍
光磁粉粒子粉末及び二酸化珪素微粒子粉末の各平均粒径
とを勘案して選定すればよいが、両者の平均粒径が小さ
いほど混合・攪拌時間を長くすることが好ましい。
【0028】次に、本発明において用いる粉末状フッ素
系界面活性剤は、周知のものであり、例えばEF−20
4(商品名:株式会社トーケムプロダクツ製)、EF−
204E(商品名:株式会社トーケムプロダクツ製)、
ユニダインDS−101(商品名:ダイキン工業株式会
社製)などの市販品を用いればよい。
【0029】本発明における上記粉末状フッ素系界面活
性剤の添加量は重要であり、上記水分散性蛍光磁粉10
0重量部に対して0.05〜1重量部の割合にて添加す
る必要がある。0.05重量部未満の添加では、調製し
た検査液中の蛍光磁粉の分散状態を向上させることがで
きず、1重量部を越えて添加しても分散状態の顕著な向
上は認められない。通常は0.5重量部程度の添加で充
分である。
【0030】なお、上記粉末状フッ素系界面活性剤は検
査液調製時に水に溶解してしまうので、上記水分散性蛍
光磁粉自体の水分散性や蛍光輝度に何等の悪影響を与え
るものではない。
【0031】上記粉末状フッ素系界面活性剤を本発明に
おける上記水分散性蛍光磁粉に添加して本発明に係る湿
式磁粉探傷用水分散性蛍光磁粉配合物とする操作は容易
であり、上記操作によって得た水分散性蛍光磁粉の所定
量と上記粉末状フッ素系界面活性剤の所定量とを、周知
のミキサーを用いて混合・攪拌するだけでよく、攪拌時
間は1〜2分間程度で充分である。
【0032】なお、上記粉末状フッ素系界面活性剤の添
加量が0.05〜1重量部とごく小量であるため、得ら
れた本発明に係る湿式磁粉探傷用水分散性蛍光磁粉配合
物は貯蔵中に凝集することはない。
【0033】因みに、本発明者の実験によれば、液状フ
ッ素系界面活性剤を添加した場合には、その添加量を
0.05〜1重量部とごく小量にしても貯蔵中に凝集が
発生し検査液の調製時に充分な分散状態を得ることがで
きなかった。また、HLB16又はHLB18のノニオ
ン系界面活性剤には粉末やフレーク状のものがあり、こ
れらを添加する実験も行ったが、検査液の調製時に充分
な分散状態を得るには、多量の添加を必要とするため、
調製した検査液が使用中に泡立ち微細な欠陥部を探傷す
ることが不可能であると共に、貯蔵中に凝集が発生し
た。
【0034】次に、本発明に係る湿式磁粉探傷用水分散
性蛍光磁粉配合物を使用するに当っては、所定量(通
常、水1l 当り0.2〜15g)を秤取し、攪拌下にお
いて所定量の水に直接投入して攪拌すれば、速やかに分
散し、所定量の市販磁粉分散剤と所定量の市販湿式磁粉
探傷試験用蛍光磁粉とをよく練合せた後、攪拌下におい
て所定量の水に投入して分散させる場合と同等の充分な
分散状態が得られ、蛍光磁粉の容器底部への堆積は殆ど
生じない。
【0035】また、本発明に係る湿式磁粉探傷用水分散
性蛍光磁粉配合物には、クエン酸ナトリウム,トリポリ
リン酸ナトリウム,グルコン酸ナトリウム,モリブデン
酸ナトリウム等の周知の水溶性防錆剤を添加して置くこ
とが望ましい。
【0036】何故なら、通常、市販の磁粉分散剤には上
記水溶性防錆剤が添加されているが、本発明品を使用す
る場合には該磁粉分散剤の使用を必須としないので、検
査液に上記水溶性防錆剤の添加が必要な場合に対応でき
るからである。
【0037】なお、上記水溶性防錆剤の添加は、水分散
性や蛍光輝度に何等の悪影響を与えるものではなく、そ
の添加量も必要に応じた量が選定できるが、検査液の調
製に使用される蛍光磁粉の量が水1l 当り0.2〜15
gと小量であることから、湿式磁粉探傷用水分散性蛍光
磁粉100重量部に対して上記水溶性防錆剤50〜10
0重量部を添加して置くことが好ましい。
【0038】
【作用】先ず、本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水分散
性蛍光磁粉配合物における水分散性蛍光磁粉は、各蛍光
磁粉粒子の表面に親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末が
付着しているので、該二酸化珪素微粒子粉末の存在によ
って、親水性を具備しており、また、当該二酸化珪素微
粒子粉末は白色であり透明性がよいので、該各蛍光磁粉
粒子が本来有している蛍光輝度も低下しておらず、さら
に、当該二酸化珪素微粒子粉末は吸湿性が小さいので、
当該各蛍光磁粉粒子が貯蔵中に凝集することもない。
【0039】また、各蛍光磁粉粒子の表面に付着してい
る当該二酸化珪素微粒子粉末は水不溶性物質であるため
使用時に検査液中において溶解しないので、使用中に親
水性が失われることもない。
【0040】次に、本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水
分散性蛍光磁粉配合物における水分散性蛍光磁粉が、磁
粉探傷試験用蛍光磁粉と親水性無定形二酸化珪素微粒子
粉末とをミキサーや雷潰機を用いて混合・攪拌するだけ
で得られたものであるにもかかわらず、該蛍光磁粉を構
成している各蛍光磁粉粒子の表面に該二酸化珪素微粒子
粉末が充分に付着している理由については、残念ながら
未だ解明していないが、本発明者は、当該二酸化珪素微
粒子の表面に存在しているシラノール基が当該蛍光磁粉
粒子の表面に存在している合成樹脂に化学的に吸着する
こと並びに混合・攪拌時に生じる摩擦によって当該二酸
化珪素微粒子が該合成樹脂表面に物理的に吸着すること
が要因と推定している。
【0041】次に、本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水
分散性蛍光磁粉配合物が、粉末状フッ素系界面活性剤の
添加量が0.05〜1重量部とごく小量であるにもかか
わらず、検査液の調製時に、水に投入後速やかに充分な
分散状態となる理由についても、残念ながら未だ解明し
ていないが、本発明者は、粉末状フッ素系界面活性剤が
水に接して溶解するとき、その周囲の水の表面張力を急
激に低下させるので、当該配合物を水面に散布すると水
面の表面張力のバランスが崩れ、親水性が付与されてい
る蛍光磁粉は速やかに水面に細かく1ケ、1ケの蛍光磁
粉粒子に別れて拡散し、この状態で水中に分散して行く
から、水に投入後速やかに充分な分散状態となるものと
推定している。
【0042】なお、本発明者の実験によれば、親水性が
付与されていない蛍光磁粉(市販の磁粉探傷用蛍光磁
粉)に粉末状フッ素系界面活性剤を添加しても該蛍光磁
粉に親水性は付与されず、水中に分散させることはでき
なかった。
【0043】次に、水溶性防錆剤の添加が水分散性や蛍
光輝度に悪影響を与えないのは、検査液調製時に水に投
入されると速やかに溶解してしまうからである。また、
上記に例示した各水溶性防錆剤は、いずれも吸湿性が小
さいので、貯蔵中に凝集することはない。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は次
の通りである。
【0045】(水分散性蛍光磁粉の製造)磁粉探傷試験
用蛍光磁粉としてスーパーマグナ蛍光磁粉LY−230
0〔商品名:マークテック株式会社製:四三酸化鉄粒子
に酢酸セルロース系合成樹脂をバインダーとしてルモゲ
ンイエローS0790(前出)を結合させてなる平均粒
径が10μm で見掛比重が0.9のもの〕を用い、該蛍
光磁粉100重量部に、親水性無定形二酸化珪素微粒子
粉末としてアエロジル200〔商品名:日本アエロジル
株式会社製:平均粒径が0.02μm で見掛比重が0.
05のもの〕30重量部を加え、オースターバーミキサ
ー〔商品名:オースター社(米国)製〕を用いて、12
000rpm で10分間混合・攪拌して水分散性蛍光磁粉
130重量部を得た。なお、この水分散性蛍光磁粉のJ
IS K5101に準拠して測定した見掛比重は0.8
であった。
【0046】(沈降速度テスト)ここに得た水分散性蛍
光磁粉5gの沈降速度を、JIS G0565−196
0に準拠し、水道水を用いて測定したところ94%であ
った。
【0047】一方、比較のため、スーパーマグナ蛍光磁
粉LY−2300〔前出〕5gの沈降速度を、JIS
G 0565−1960に準拠し、サンモールN−60
S〔商品名:日華化学株式会社製:ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル型ノニオン系界面活性剤:HL
B10.9〕0.5g/lを加えた水道水を用いて測定
したところ93%であった。なお、スーパーマグナ蛍光
磁粉LY−2300〔前出〕は、界面活性剤を使用しな
ければ水に分散せず、水道水のみの場合には水面に浮遊
し、1時間後の観察でも水中に没する様子はなく水面に
浮遊している。
【0048】上記の測定結果から、ここに得た水分散性
蛍光磁粉は、充分な親水性が付与されていることが確認
できる。
【0049】(付着性テスト)ここに得た水分散性蛍光
磁粉13gを水道水200mlに分散させ、該分散液中に
磁化器〔ハンドマグナ:商品名:マークテック株式会社
製〕を挿入して液中の水分散性蛍光磁粉を該磁化器に吸
着させて回収する操作を繰り返して、当該分散液中に存
在する水分散性蛍光磁粉をほぼ完全に回収し、回収した
水分散性蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥して、その重量を
測定した。この測定を5回行ったときの平均値は11.
07gであった。
【0050】一方、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−23
00〔前出〕10gをサンモールN−60S〔前出〕1
gを用いて水道水200mlに分散させ、上記と同じ操作
によって、該分散液中に存在する該蛍光磁粉をほぼ完全
に回収し、回収した当該蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥し
て、その重量を測定した。この測定を5回行ったときの
平均値は8.7gであり、回収されなかった1.3gは
四三酸化鉄粒子を含まないバインダーと蛍光顔料だけの
部分と推定できる。
【0051】上記の測定結果から、スーパーマグナ蛍光
磁粉LY−2300〔前出〕の場合には10g使用して
8.7gが回収され未回収分は1.3gであり、ここに
得た水分散性蛍光磁粉の場合には13g(注:内3gが
親水性無定形二酸化珪素微粒子である)使用して11.
07gが回収され未回収分は1.93gであり、該未回
収分中の1.3gは四三酸化鉄粒子を含まないバインダ
ーと蛍光顔料だけの部分と推定できるので、残りの0.
63gが脱落した親水性無定形二酸化珪素微粒子と認め
られるから、脱落率は21%になる。
【0052】(湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配
合物の製造I)次に、ここに得た水分散性蛍光磁粉10
0重量部に対して粉末状フッ素系界面活性剤としてEF
−204(商品名:株式会社トーケムプロダクツ製:パ
ーフルオロアルキルカルボン酸塩)0.5重量部を添加
し、上記オースターバーミキサーを用いて12000rp
m で1分間混合・攪拌して、本発明に係る湿式磁粉試験
用水分散性蛍光磁粉配合物を得た。
【0053】(長期水分散性テストI)図1に示すSU
S製タンク(容量90l)に水道水50lを入れ、ポン
プ2を作動させ、図中矢印通りにパイプ3を通じて循環
させ、循環中の水道水に、ここに得た水分散性蛍光磁粉
配合物100g(水1l当り2g)を投入し、液温を約
25℃に保持した状態にて、96時間循環を続けた。当
該配合物を投入した時点から0.5時間後、1時間後、
24時間後及び96時間後の各時点において循環中の検
査液を1l宛採取し、採取した各検査液について、JI
S G 0565記載のASTM D1796−83の
沈澱管を用いて30分間静置後の沈澱量を測定した。そ
の結果、0.5時間後に採取した検査液の沈澱量は0.
26ml,1時間後に採取した検査液の沈澱量は0.28
ml,24時間後に採取した検査液の沈澱量も0.28m
l,96時間後に採取した検査液の沈澱量も0.28ml
であった。また、各採取時点において循環(攪拌)中の
検査液表面に浮遊している蛍光磁粉は認められなかっ
た。
【0054】なお、採取した検査液の沈澱量が多いほど
分散状態は良好であり、採取した検査液の沈澱量が少な
いほど分散状態は悪くタンク底部に蛍光磁粉が堆積して
いると判断できる。
【0055】比較のため、上記水分散性蛍光磁粉配合物
の代りに、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300〔前
出〕100gにスーパーマグナ磁粉分散剤BC−600
〔商品名:マークテック株式会社製:ノニオン系界面活
性剤を主成分とする液状物〕1lを加えて練り合せたも
のを用いた以外は上記と同条件で長期水分散性テストを
行ったところ、96時間後に採取した比較用検査液の沈
澱量は0.28mlであった。
【0056】(湿式磁粉探傷試験I)上記長期水分散性
テストIで採取した各検査液と上記比較用検査液(96
時間循環後のもの)を使用して、次の通りの湿式磁粉探
傷試験を実施した。
【0057】JIS G 0565−1992規格のA
型標準試験片(円形・Al−15/100)を被検査物
とし、該試験片を鋼製角形ビレットに張り付け、該角形
ビレットを軸通電法によって磁化して当該試験片に検査
液を散布し、暗所において紫外線灯下で目視にて試験面
を観察する。
【0058】そして、比較用検査液と同等の欠陥指示模
様が観察できた場合を「○」、比較用検査液による欠陥
指示模様と比較して微細欠陥部の欠陥指示模様が弱い
(薄い)場合を「△」、比較用検査液による欠陥指示模
様によって指示された微細欠陥部が検出できない場合を
「×」と評価した。その結果、全検査液が「○」であっ
た。
【0059】(貯蔵安定性テストI)ここに得た水分散
性蛍光磁粉配合物をポリエチレンテレフタレート製袋に
入れ、常温下室内に放置して6ケ月後に袋から出して目
視にて観察したところ、凝集しておらず、製造直後と同
様の流動性を保持しており、充分な貯蔵安定性を具備し
ていることが確認できた。
【0060】(湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配
合物の製造II)次に、ここに得た水分散性蛍光磁粉配合
物100重量部に対して水溶性防錆剤としてトリポリリ
ン酸ナトリウム粉末100重量部を添加し、上記オース
ターバーミキサーを用いて12000rpm で1分間混合
・攪拌して、本発明に係る防錆剤入り湿式磁粉探傷試験
用水分散性蛍光磁粉配合物を得た。なお、この配合物の
JIS K 5101に準拠して測定した見掛比重は
0.7であった。
【0061】(長期水分散性テストII)ここに得た防錆
剤入り水分散性蛍光磁粉配合物について、投入量を20
0g(水1l当り4g)とした以外は前記長期水分散性
テストIと同条件で長期水分散性テストを行った。その
結果、0.5時間後,1時間後,24時間後及び96時
間後の各時点で採取した各検査液の沈澱量は、いずれも
0.28mlであった。なお、各採取時点において循環
(攪拌)中の検査液表面に浮遊している蛍光磁粉は認め
られなかった。
【0062】(湿式磁粉探傷試験II)上記した長期水分
散性テストIIで採取した各検査液と前記湿式磁粉探傷試
験Iで使用した比較用検査液(96時間循環後のもの)
とを使用した以外は、前記湿式磁粉探傷試験Iと同条件
で湿式磁粉探傷試験を実施した。その結果、全検査液が
「○」であった。
【0063】(防錆性テスト)ここに得た防錆剤入り水
分散性蛍光磁粉配合物4gを水道水1lに分散させて検
査液を調製し、この液中に、JIS G 3141記載
のサンドブラスト処理をしたSPCC−B鋼板片を5秒
間浸潰して引き上げ、常温下に放置し、24時間後の発
錆状態を目視にて観察した。その結果、発錆は認められ
なかった。
【0064】(貯蔵安定性テストII)ここに得た防錆剤
入り水分散性蛍光磁粉配合物をポリエチレンテレフタレ
ート製袋に入れ、常温下室内に放置して6ケ月後に袋か
ら出して目視にて観察したところ、凝集しておらず、製
造直後と同様の流動性を保持しており、充分な貯蔵安定
性を具備していることが確認できた。
【0065】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げる。なお、見
掛比重の測定、沈降速度テスト、付着性テスト、長期水
分散性テスト湿式磁粉探傷試験、貯蔵安定性テスト及び
防錆性テストは、いずれも前記発明の実施の形態に示し
た手法・条件と同じ手法・条件によって行ったものであ
り、湿式磁粉探傷試験の評価に使用した比較用検査液は
全て前記発明の実施の形態における(湿式磁粉探傷試験
I)で使用した比較用検査液と同じものである。
【0066】実施例1及び比較例1 前記発明の実施の形態において製造した水分散性蛍光磁
粉にEF−204〔前出〕の添加割合を表1に示す通り
に変更して添加した以外は、前記発明の実施の形態にお
ける(湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物の製
造I)と同様にして本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水
分散性蛍光磁粉配合物1種(実施例1)と比較品1種
(比較例1)を得、これら2種について長期水分散性テ
スト、湿式磁粉探傷試験及び貯蔵安定性テストを行った
結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】実施例2、3及び比較例2〜5 磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末としてスーパーマグナ
蛍光磁粉LY−2300〔前出〕を、親水性無定形二酸
化珪素微粒子粉末としてアエロジル200〔前出〕を用
い、その配合割合を表2に示す通り変更して配合した以
外は、前記発明の実施の形態における(水分散性蛍光磁
粉の製造)と同様にして本発明に用いる水分散性蛍光磁
粉1種と比較品1種を得、これら2種について見掛比重
の測定、沈降速度テスト及び付着性テストを行うと共
に、これら2種にEF−204〔前出〕の添加割合を表
2に示す通りに変更して添加した以外は、前記発明の実
施の形態における(湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁
粉配合物の製造I)と同様にして本発明に係る湿式磁粉
探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物2種(実施例2、
3)と比較品4種(比較例2〜5)を得、これら6種に
ついて長期水分散性テスト、湿式磁粉探傷試験及び貯蔵
安定性テストを行った。各結果を表2で示す。
【0069】
【表2】
【0070】比較例2の水分散性蛍光磁粉配合物はEF
−204〔前出〕の添加量が0.02重量部と小量であ
るために循環1時間後であっても分散状態が悪く、循環
0.5時間後に採取した検査液を使用した湿式磁粉探傷
試験では比較検査液による欠陥指示模様によって指示さ
れた微細欠陥部が検出できなかった。また、比較品とし
たアエロジル200〔前出〕を40重量部配合した水分
散性蛍光磁粉を用いた比較例3〜5の水分散性蛍光磁粉
配合物は、良好な分散状態が得られた場合であっても、
蛍光輝度が弱いために比較検査液による欠陥指示模様と
比較して微細欠陥部の欠陥指示模様が弱く(薄く)なっ
ていた。なお、各検査液とも96時間後の採取時点にお
いて循環中の検査液表面に浮遊している蛍光磁粉は認め
られなかった。
【0071】比較例6 磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末としてスーパーマグナ
蛍光磁粉LY−2300〔前出〕100重量部に対して
粉末状フッ素系界面活性剤としてEF−204〔前出〕
0.5重量部を添加し、オースターバーミキサー〔前
出〕を用いて12000rpm で 1分間混合・攪拌して蛍
光磁粉配合物を得た。
【0072】ここに得た蛍光磁粉配合物5gを水道水1
lを入れたビーカーに投入したところ該配合物は水面に
浮遊したままで水中に沈降しなかった。
【0073】比較例7 スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300〔前出〕100
重量部に対してアエロジル200〔前出〕0.3重量部
を配合し、オースターバーミキサー〔前出〕を用いて1
2000rpm で5分間混合・攪拌してアエロジル200
付着蛍光磁粉を得、該アエロジル200付着蛍光磁粉1
00重量部に対してEF−204〔前出〕0.5重量部
を添加し、オースターバーミキサー〔前出〕を用いて1
2000rpm で1分間混合・攪拌して蛍光磁粉配合物を
得た。
【0074】ここに得た蛍光磁粉配合物5gを水道水1
lを入れたビーカーに投入したところ該配合物は水面に
浮遊したままで水中に沈降しなかった。
【0075】実施例4 実施例3の本発明に係る水分散性蛍光磁粉配合物100
重量部に対して水溶性防錆剤としてトリポリリン酸ナト
リウム粉末100重量部を添加し、オースターバーミキ
サー〔前出〕を用いて12000rpm で1分間混合・攪
拌して本発明に係る防錆剤入り水分散性蛍光磁粉配合物
を得た。この配合物の見掛比重は0.7であった。ここ
に得た配合物について前記発明の実施の形態における
(長期水分散性テストII)及び(湿式磁粉探傷試験II)
と同じ条件で該テスト及び試験を行った。その結果は次
の通りである。
【0076】長期水分散性テスト結果:循環0.5時間
後の時点で採取した検査液の沈澱量は0.27ml,1時
間後,24時間後及び96時間後の各時点で採取した各
検査液の沈澱量は、いずれも0.28mlであった。ま
た、各採取時点において循環中の検査液表面に浮遊して
いる蛍光磁粉は認められなかった。
【0077】湿式磁粉探傷試験評価結果:循環0.5時
間後,1時間後,24時間後及び96時間後の各時点で
採取した全検査液が「○」であった。
【0078】また、ここに得た配合物についての防錆剤
テスト結果は「24時間後・発錆認められず」であり、
貯蔵安定性テスト結果は「6ケ月後・流動性保持」であ
った。
【0079】実施例5〜8、比較例8〜12 磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末としてスーパーマグナ
蛍光磁粉LY−2300〔前出〕を、親水性無定形二酸
化珪素微粒子粉末としてTokusil GU〔商品
名:徳山曹達株式会社製:平均粒径が0.04μm で見
掛比重が0.25のもの〕を用い、その配合割合を表3
に示す通りに変更した以外は、前記発明の実施の形態に
おける(水分散性蛍光磁粉の製造)と同様にして本発明
に用いる水分散性蛍光磁粉2種と比較品1種を得、これ
ら3種について見掛比重の測定、沈降速度テスト及び付
着性テストを行うと共に、これら3種に粉末状フッ素系
界面活性剤としてユニダインDS−101〔商品名:ダ
イキン工業株式会社製:パーフルオロアルキルカルボン
酸塩〕の添加割合を表3に示す通りに変更した以外は、
前記発明の実施の形態における(湿式磁粉探傷試験用水
分散性蛍光磁粉配合物の製造I)と同様にして本発明に
係る湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物4種
(実施例5〜8)と比較品5種(比較例8〜12)を
得、これら9種について長期水分散性テスト、湿式磁粉
探傷試験及び貯蔵安定性テストを行った。各結果を表3
に示す。
【0080】
【表3】
【0081】実施例9〜12 実施例5〜8で得た本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水
分散性蛍光磁粉配合物4種(実施例5〜8)各100重
量部に対して、それぞれ水溶性防錆剤としてモリブデン
酸ナトリウム粉末各100重量部を添加し、オースター
バーミキサー〔前出〕を用いて12000rpm で1分間
混合・攪拌して本発明に係る防錆剤入り水分散性蛍光磁
粉配合物4種(実施例9〜12)を得た。これら4種の
配合物の見掛比重はいずれも0.7であった。ここに得
た4種の配合物について長期水分散性テスト、湿式磁粉
探傷試験、防錆性テスト及び貯蔵安定性テストを行っ
た。各結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】実施例13〜16、比較例13〜17 磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末としてスーパーマグナ
蛍光磁粉LY−1500〔マークテック株式会社性:純
鉄粒子にビニルブチラール系合成樹脂をバインダーとし
てルモゲンイエローSO790(前出)を結合させてな
る平均粒径が20μm で見掛比重が1.3のもの〕を、
親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末としてアエロジル2
00〔前出〕を用い、その配合割合を表5に示す通りに
変更した以外は、前記発明の実施の形態における(水分
散性蛍光磁粉の製造)と同様にして本発明に用いる水分
散性蛍光磁粉2種と比較品1種を得、これら3種につい
て見掛比重の測定、沈降速度テスト及び付着性テストを
行うと共に、これら3種に粉末状フッ素系界面活性剤と
してユニダインDS−101〔前出〕の添加割合を表5
に示す通りに変更した以外は、前記発明の実施の形態に
おける(湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉配合物の
製造I)と同様にして本発明に係る湿式磁粉探傷試験用
水分散性蛍光磁粉配合物4種(実施例13〜16)と比
較品5種(比較例13〜17)を得、これら9種につい
て長期水分散性テスト、湿式磁粉探傷試験及び貯蔵安定
性テストを行った。各結果を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】なお、付着性テストにおける脱落率の算出
法を例示すると、実施例15の本発明に用いる水分散性
蛍光磁粉(LY1500 100重量部・アエロジル2
0030重量部のもの)13gを水道水200mlに分散
させ、該分散液中に磁化器〔ハンドマグナ:前出〕を挿
入して液中の水分散性蛍光磁粉を該磁化器に吸着させて
回収する操作を繰り返して、当該分散液中に存在する水
分散性蛍光磁粉をほぼ完全に回収し、回収した水分散性
蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥して、その重量を測定し
た。この測定を5回行ったときの平均値は10.24g
であった。
【0086】一方、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−15
00〔前出〕10gをサンモールN−60S〔前出〕1
gを用いて水道水200mlに分散させ、上記と同じ操作
によって、該分散液中に存在する該蛍光磁粉をほぼ完全
に回収し、回収した当該蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥し
て、その重量を測定した。この測定を5回行ったときの
平均値は8.2gであり、回収されなかった1.8gは
純鉄粒子を含まないバインダーと蛍光顔料だけの部分と
推定できる。
【0087】上記の測定結果から、スーパーマグナ蛍光
磁粉LY−1500〔前出〕の場合には10g使用して
8.2gが回収され未回収分は1.8gであり、上記水
分散性蛍光磁粉の場合には13g(注:内3gがアエロ
ジル200である)使用して10.24gが回収され未
回収分は2.76gであり、該未回収分中の1.8gは
純鉄粒子を含まないバインダーと蛍光顔料だけの部分と
推定できるので、残りの0.96gが脱落したアエロジ
ル200と認められるから、脱落率は32%になる。
【0088】実施例17〜20 実施例13〜16で得た本発明に係る湿式磁粉探傷試験
用水分散性蛍光磁粉配合物4種(実施例13〜16)各
100重量部に対して、それぞれ水溶性防錆剤としてモ
リブデン酸ナトリウム粉末各100重量部を添加し、オ
ースターバーミキサー〔前出〕を用いて12000rpm
で1分間混合・攪拌して本発明に係る防錆剤入り水分散
性蛍光磁粉配合物4種(実施例17〜20)を得た。こ
れら4種の配合物の見掛比重はいずれも1.0であっ
た。ここに得た4種の配合物について長期水分散性テス
ト、湿式磁粉探傷試験、防錆性テスト及び貯蔵安定性テ
ストを行った。各結果を表6に示す。
【0089】
【表6】
【0090】比較例18 磁粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末としてスーパーマグナ
蛍光磁粉LY−1500〔前出〕100重量部に対して
粉末状フッ素系界面活性剤としてユニダインDS−10
1〔前出〕0.5重量部を添加し、オースターバーミキ
サー〔前出〕を用いて12000rpm で 1分間混合・攪
拌して蛍光磁粉配合を得た。
【0091】ここに得た蛍光磁粉配合物5gを水道水1
lを入れたビーカーに投入したところ該配合物は水面に
浮遊したままで水中に沈降しなかった。
【0092】比較例19 スーパーマグナ蛍光磁粉LY−1500〔前出〕100
重量部に対してアエロジル200〔前出〕0.3重量部
を配合し、オースターバーミキサー〔前出〕を用いて1
2000rpm で5分間混合・攪拌してアエロジル200
付着蛍光磁粉を得、該アエロジル200付着蛍光磁粉1
00重量部に対してユニダインDS−101〔前出〕
0.5重量部を添加し、オースターバーミキサー〔前
出〕を用いて12000rpm で1分間混合・攪拌して蛍
光磁粉配合物を得た。
【0093】ここに得た蛍光磁粉配合物5gを水道水1
lを入れたビーカーに投入したところ該配合物は水面に
浮遊したままで水中に沈降しなかった。
【0094】比較例20 スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300〔前出〕100
重量部に対してToksil GU〔前出〕0.3重量
部を配合し、オースターバーミキサー〔前出〕を用いて
12000rpm で5分間混合・攪拌してToksil
GU付着蛍光磁粉を得、該アエロジル200付着蛍光磁
粉100重量部に対してユニダインDS−101〔前
出〕0.5重量部を添加し、オースターバーミキサー
〔前出〕を用いて12000rpm で1分間混合・攪拌し
て蛍光磁粉配合物を得た。
【0095】ここに得た蛍光磁粉配合物5gを水道水1
lを入れたビーカーに投入したところ該配合物は水面に
浮遊したままで水中に沈降しなかった。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、優れた水分散性を具備
し、且つ充分な探傷能力をもっている湿式磁粉探傷試験
用水分散性蛍光磁粉配合物が提供できる。
【0097】本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水分散性
蛍光磁粉配合物を使用すれば検査液が能率的に調製で
き、また、労働安全衛生法上のじん肺法に該当していな
い親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末を用いているから
使用者の安全が確保できる。
【0098】さらに、本発明に係る湿式磁粉探傷試験用
水分散性蛍光磁粉配合物は、製造が極めて容易であると
共に、HLB9〜16のノニオン系界面活性剤を配合し
ないから貯蔵安定性に優れている。従って、本発明の産
業利用性は非常に大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における長期分散性テストに使用したテ
スト装置の一部縦断面説明図。
【符号の説明】
1 タンク 2 ポンプ 3 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−35252(JP,A) 特開 平7−120437(JP,A) 特開 平8−201345(JP,A) 実開 昭59−25461(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導磁性粒子に合成樹脂をバインダーとし
    て蛍光顔料を結合させてなる平均粒径1〜25μm の磁
    粉探傷試験用蛍光磁粉粒子粉末100重量部に平均粒径
    0.01〜0.05μm の親水性無定形二酸化珪素微粒
    子粉末0.5〜30重量部が配合されており、且つ、当
    該各蛍光磁粉粒子の表面に当該二酸化珪素微粒子が付着
    している水分散性蛍光磁粉100重量部に対して、粉末
    状フッ素系界面活性剤が0.05〜1重量部添加されて
    いることを特徴とする湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光
    磁粉配合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の湿式磁粉探傷試験用水分
    散性蛍光磁粉配合物100重量部に対して、水溶性防錆
    剤が50〜100重量部添加されている湿式磁粉探傷試
    験用水分散性蛍光磁粉配合物。
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