JP2775401B2 - 湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉 - Google Patents
湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉Info
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Description
に用いられる蛍光磁粉に関する。
蛍光磁粉は、主として鉄鋼メーカーや自動車メーカーな
どにおいて汎用されている湿式磁粉探傷試験方法の実施
に当って使用される。
ビレットや丸ビレットなどの鋼材を被検査物として、ま
た、自動車メーカーにおいてはシャフトやナックルアー
ムなどの鋼製部品を被検査物として、その表面欠陥部の
探傷にJIS G 0565−1992に規定されてい
る湿式磁粉探傷試験方法が汎用されている。
り蛍光磁粉0.2〜15gを分散させた検査液(当業界
においては「磁粉液」と呼ばれることもある)を被検査
物表面に接触させることによって実施されているが、当
該検査液の調製に当っては、前出JIS規格に「…湿式
法には、…水などを分散媒とし、必要に応じ適当な…界
面活性剤を入れた検査液を用いる…」とされている通
り、界面活性剤が使用されている。これは、蛍光磁粉
が、純鉄粒子粉末,四三酸化鉄粒子粉末,γ−酸化鉄粒
子粉末等の導磁性粒子粉末(当業界においては「磁粉」
と呼ばれている)に疎水性の合成樹脂をバインダーとし
て蛍光顔料を結合させた蛍光磁粉粒子から構成されたも
のであって、各蛍光磁粉粒子の表面が合成樹脂で覆れて
疎水性であるため、当該蛍光磁粉のみを水に投入する場
合には水面に浮遊してしまって分散しないからである。
は、蛍光磁粉を水に分散させて検査液を調製するに当っ
ては、水にHLB9〜16のノニオン系界面活性剤2〜
30重量%を溶解させてなる市販の磁粉分散剤(例え
ば、スーパーマグナ磁粉分散剤BC−600:商品名:
マークテック株式会社製)を使用し、所定量の磁粉分散
剤と所定量の蛍光磁粉とをよく練合せた後に所定量の水
に投入して、蛍光磁粉を分散させるという手法が採られ
ている。
及び練合せ作業が必須となるので、これを改良すべく、
特開昭57−141547号公報に開示されている「磁
粉に蛍光顔料を含む合成樹脂を被覆した後に界面活性剤
を被覆して蛍光磁粉を得る」技術に見られる通り、蛍光
磁粉を構成している各蛍光磁粉粒子に界面活性剤を付着
させることによって蛍光磁粉自体に水分散性を付与する
手法が提案されている。
めには、HLB9〜16のノニオン系界面活性剤を用い
る必要があり、かかる界面活性剤は一般に不揮発性の粘
性液体であるため、これを付着させた蛍光磁粉は貯蔵中
に凝集が起り易く、界面活性剤を用いているにもかかわ
らず検査液の調製時に充分な分散状態が得られないので
ある。事実、本発明者が知る限り、界面活性剤を付着さ
せた蛍光磁粉が実用されている例はなく、市販の磁粉分
散剤を使用する上記手法が採られているのが現状であ
る。
試作・実験を重ねた結果、蛍光磁粉を構成している各蛍
光磁粉粒子に界面活性剤を付着させる手法によって実用
できる水分散性蛍光磁粉を得ることは不可能との結論に
対し、界面活性剤に代る物質を求めて研究を進めた。
13611号公報に開示されている「黒鉛質粒子粉末の
粒子表面に親水性を有する金属酸化物,金属炭化物,金
属窒化物,金属硼化物および金属から選ばれる微粒子
(実施例:アルミナ,シリカ,炭化珪素,金属アルミニ
ウム)を付着して親水性を付与する」技術に着目し、蛍
光磁粉粒子の表面に親水性を有する無機質微粒子を付着
させることによって水分散性蛍光磁粉を得るという着想
を得、これを具現化すべく試作・実験を進めた。
平5−213611号公報の実施例に挙げられているア
ルミナ,金属アルミニウム,炭化珪素の各微粒子を蛍光
磁粉粒子の表面に付着させた場合には、水分散性を付与
することができ、また、シリカ(但し、親水性のもの)
の微粒子を蛍光磁粉粒子の表面に付着させた場合にも水
分散性を付与することができた。
た各蛍光磁粉を使用して湿式磁粉探傷試験方法を実施し
たところ、水に分散させることはできたが、所要の探傷
精度を得ることができなかった。
リカ(但し、親水性のもの)の各微粒子を用いた場合に
は、該各微粒子が不透明体であることが要因で、蛍光磁
粉粒子が本来具備している紫外線灯(当業界では「ブラ
ックライト」とも呼ばれている)照射下における蛍光輝
度が低下してしまい微細な欠陥部を探傷することは不可
能であった。また、炭化珪素微粒子を用いた場合には、
該微粒子の比重が大きいことが要因で、水に分散させた
蛍光磁粉粒子の沈降速度が早くなってしまい被検査物表
面に充分付着させることができないので微細な欠陥部を
探傷することは不可能であった。
らず、探傷精度を低下させることなく、充分な水分散性
が付与できる物質を付着させた水分散性蛍光磁粉、換言
すれば湿式磁粉探傷試験方法に実用できる水分散性蛍光
磁粉を提供することを技術的課題として、更に数多くの
試作・実験を重ねた結果、本発明を完成したのである。
特開昭60−237355号公報には、それぞれケイ酸
粉末を配合した磁粉探傷用蛍光磁粉が開示されている
が、いずれもケイ酸粉末が滑沢剤として用いられてお
り、また、各公報とも、単に「ケイ酸粉末」と記載され
ているだけで、その種類や性状などは記載されていな
い。
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、導磁
性粒子に合成樹脂をバインダーとして蛍光顔料を結合さ
せてなる平均粒径1〜25μm の湿式磁粉探傷試験用蛍
光磁粉100重量部に対し平均粒径0.01〜0.05
μm の親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末0.5〜30
重量部が配合されており、且つ、当該蛍光磁粉を構成し
ている各蛍光磁粉粒子の表面に当該二酸化珪素微粒子が
付着していることを特徴とする湿式磁粉探傷試験用水分
散性蛍光磁粉である。
性蛍光磁粉には水溶性防錆剤を添加して置くことができ
る。
通りである。先ず、本発明において用いる導磁性粒子に
合成樹脂をバインダーとして蛍光顔料を結合させてなる
平均粒径1〜25μm の湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉
は、周知のものであり、例えば、スーパーマグナ蛍光磁
粉LY−1500(商品名:マークテック株式会社製)
やスーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300(商品名:マ
ークテック株式会社製)などの市販品を用いればよい。
湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉は、純鉄粒子,四三酸化鉄
粒子,γ−酸化鉄粒子等の導磁性粒子にビニル・ブチラ
ール系合成樹脂や酢酸セルロース系合成樹脂などをバイ
ンダーとしてルモゲンイエローS0790(商品名:B
ASF社製)やフエスタA(商品名:Swada社製)
などの蛍光顔料を結合させてなる平均粒径1〜25μm
の範囲内の蛍光磁粉粒子から構成されている。
01〜0.05μm の親水性無定形二酸化珪素微粒子粉
末も、周知のものであり、例えばアエロジル200(商
品名:日本アエロジル株式会社製),Tokusil
U(商品名:徳山曹達株式会社製),Tokusil
GU(商品名:徳山曹達株式会社製)などの市販品を用
いればよい。
は、透明性の水不溶性物質であり、吸湿性が小さく貯蔵
中に凝集することはない。
素微粒子粉末として、平均粒径0.05μm を越えるも
のを用いる場合には、上記湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉
を構成している各蛍光磁粉粒子の表面に付着させ難くな
る。平均粒径0.05μm 未満、好ましくは0.01〜
0.04μm のものを用いる場合には、後述する通り、
歩留りよく付着させることができる。なお、平均粒径
0.01μm 未満のものを市場から入手することが困難
なため下限を0.01μm に規定している。
光磁粉と上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末との配
合割合は、前者100重量部に対して後者を0.5〜3
0重量部、好ましくは、2〜20重量部を配合する必要
がある。後者が0.5重量部未満の場合には充分な分散
性を付与することが困難であり、30重量部を越えて配
合しても分散性の顕著な向上は認められない。
性蛍光磁粉の製造は、容易であり、上記湿式磁粉探傷試
験用蛍光磁粉と上記親水性無定形二酸化珪素微粒子粉末
とを、それぞれ所定量秤取し、周知のミキサーや雷潰機
を用いて混合・攪拌するだけで、該蛍光磁粉を構成して
いる各蛍光磁粉粒子の表面に該二酸化珪素微粒子を充分
に付着させることができ、この付着状態は、後出実施例
に示す通り、水洗・濾過・乾燥しても、一旦付着させた
当該二酸化珪素微粒子の最大32%が脱落するにすぎ
ず、湿式磁粉探傷試験方法に使用される蛍光磁粉は使い
捨てされており、乾燥して再使用されることはないか
ら、実用上充分に付着(固着)しているといえるもので
ある。
時間は、用いるミキサーや雷潰機の能力と対象とする蛍
光磁粉及び二酸化珪素微粒子粉末の各平均粒径とを勘案
して選定すればよいが、両者の平均粒径が小さいほど混
合・攪拌時間を長くすることが好ましい。
性蛍光磁粉を使用するに当っては、所定量(通常、水1
l 当り0.2〜15g)を秤取し、所定量の水に直接投
入して攪拌すれば、充分に分散し、所定量の市販磁粉分
散剤と所定量の市販湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉とをよ
く練合せた後に所定量の水に投入して攪拌する場合と同
等の分散状態が得られる。
性蛍光磁粉には、クエン酸ナトリウム,トリポリリン酸
ナトリウム,グルコン酸ナトリウム,モリブデン酸ナト
リウム等の周知の水溶性防錆剤を添加して置くことが望
ましい。
記水溶性防錆剤が添加されているが、本発明品を使用す
る場合には該磁粉分散剤の使用を必須としないので、検
査液に上記水溶性防錆剤の添加が必要な場合に対応でき
るからである。
性や蛍光輝度に何等の悪影響を与えるものではなく、そ
の添加量も必要に応じた量が選定できるが、検査液の調
製に使用される蛍光磁粉の量が水1l 当り0.2〜15
gと小量であることから、本発明に係る湿式磁粉探傷用
水分散性蛍光磁粉100重量部に対して上記水溶性防錆
剤50〜100重量部を添加して置くことが好ましい。
性蛍光磁粉は、各蛍光磁粉粒子の表面に親水性無定形二
酸化珪素微粒子粉末が付着しているので、該二酸化珪素
微粒子粉末の存在によって、優れた水分散性を具備して
おり、また、当該二酸化珪素微粒子粉末は透明性がよい
ので、該各蛍光磁粉粒子が本来有している蛍光輝度も低
下しておらず、さらに、当該二酸化珪素微粒子粉末は吸
湿性が小さいので、当該各蛍光磁粉粒子が貯蔵中に凝集
することもない。
る当該二酸化珪素微粒子粉末は水不溶性物質であるため
使用時に検査液中において溶解しないので、使用中に水
分散性が失われることもない。
分散性蛍光磁粉が、湿式磁粉探傷試験用蛍光磁粉と親水
性無定形二酸化珪素微粒子粉末とをミキサーや雷潰機を
用いて混合・攪拌するだけで得られたものであるにもか
かわらず、該蛍光磁粉を構成している各蛍光磁粉粒子の
表面に該二酸化珪素微粒子粉末が充分に付着している理
由については、残念ながら未だ解明していないが、本発
明者は、当該二酸化珪素微粒子の表面に存在しているシ
ラノール基が当該蛍光磁粉粒子の表面に存在している合
成樹脂に化学的に吸着すること並びに混合・攪拌時に生
じる摩擦によって当該二酸化珪素微粒子が該合成樹脂表
面に物理的に吸着することが要因と推定している。
光輝度に悪影響を与えないのは、検査液調製時に水に投
入されると速やかに溶解してしまうからである。また、
上記に例示した各水溶性防錆剤は、いずれも吸湿性が小
さいので、貯蔵中に凝集することはない。
具体的に説明する。
磁粉LY−1500〔商品名:マークテック株式会社
製:純鉄粒子にビニルブチラール系合成樹脂をバインダ
ーとしてルモゲンイエローS0790(前出)を結合さ
せてなる平均粒径が20μm で見掛比重が1.3のも
の〕を用い、該蛍光磁粉100重量部に対し、親水性無
定形二酸化珪素微粒子粉末としてアエロジル200〔商
品名:日本アエロジル株式会社製:平均粒径が0.02
μm で見掛比重が0.05のもの〕10重量部を加え、
オスターバーミキサー〔商品名:オースター社(米)
製〕を用いて、12000rpm で10分間混合・攪拌し
て本発明に係る湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉1
10重量部を得た。なお、この水分散性蛍光磁粉の比重
は1.2であった。
光磁粉5gの沈降速度を、JIS G0565−196
0に準拠し、水道水を用いて測定したところ89%であ
った。
粉LY−1500〔前出〕5gの沈降速度を、JIS
G 0565−1960に準拠し、サンモールN−60
S〔商品名:日華化学株式会社製:ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル型ノニオン系界面活性剤〕
0.5gを加えた水道水を用いて測定したところ88%
であった。なお、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−150
0〔前出〕は、界面活性剤を使用しなければ水に分散せ
ず、水道水のみの場合には水面に浮遊し、1時間後の観
察でも水中に没する様子はなく水面に浮遊している。
散性蛍光磁粉は、従来の蛍光磁粉を界面活性剤を用いて
水に分散させた場合と略同等に水に分散することが確認
できた。
蛍光磁粉11gを水道水200mlに分散させ、該分散液
中に磁化器〔ハンドマグナ:商品名:マークテック株式
会社製〕を挿入して液中の水分散性蛍光磁粉を該磁化器
に吸着させて回収する操作を繰返して、当該分散液中に
存在する水分散性蛍光磁粉をほぼ完全に回収し、回収し
た水分散性蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥して、その重量
を測定した。この測定を5回行ったときの平均値は8.
9gであった。
00〔前出〕10gをサンモールN−60S〔前出〕1
gを用いて水道水200mlに分散させ、上記と同じ操作
によって、該分散液中に存在する該蛍光磁粉をほぼ完全
に回収し、回収した当該蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥し
て、その重量を測定した。この測定を5回行ったときの
平均値は8.2gであり、回収されなかった1.8gは
純鉄粒子を含まないバインダーと蛍光顔料だけの部分と
推定できる。
磁粉LY−1500〔前出〕の場合には10g使用して
8.2gが回収され未回収分は1.8gであり、本実施
例で得た水分散性蛍光磁粉の場合には11g(注:内1
gが親水性無定形二酸化珪素微粒子である)使用して
8.9gが回収され未回収分は2.1gであり、該未回
収分中の1.8gは純鉄粒子を含まないバインダーと蛍
光顔料だけの部分と推定できるので、残りの0.3gが
脱落した親水性無定形二酸化珪素微粒子と認められるか
ら、脱落率は30%であった。
性蛍光磁粉10gを水道水10l に分散させて検査液を
調製すると共に、比較のため、スーパーマグナ蛍光磁粉
LY−1500〔前出〕10gをスーパーマグナ磁粉分
散剤BC−600〔商品名:マークテック株式会社製:
ノニオン系界面活性剤を主成分とするもの〕0.2l を
用いて、常法に従って、水道水10l に分散させて比較
用検査液を調製し、両検査液を使用して次の通りの湿式
磁粉探傷試験方法を実施した。
型標準試験片(円形・Al −15/100)を被検査物
とし、該試験片を鋼製角形ビレットに貼り付け、該角形
ビレットを軸通電法によって磁化して当該試験片に検査
液を散布し、暗所において紫外線灯下で目視にて試験面
を観察する。
にも、明瞭な欠陥指示模様が観察でき、両検査液が同等
の探傷能力をもっていることが確認できた。
子粉末との配合割合を表1に示す通りに変更した以外は
実施例1と同様にして本発明に係る湿式磁粉探傷試験用
水分散性蛍光磁粉3種及び比較品2種を得、これら5種
について実施例1と同様にして(水分散性テスト)、
(付着性テスト)及び(探傷能力テスト)を行った結果
を同表に示した。
遊して測定不能。 (注2):水道水のみの場合には水面に浮遊して検査液
の調製不能。 (注3):実施例1において比較のために調製した検査
液(磁粉分散剤を用いたもの)を使用した場合に較べて
微細欠陥部の欠陥指示模様の蛍光輝度が弱く健全部との
識別が困難であった。
水分散性蛍光磁粉100重量部に対し、それぞれ水溶性
防錆剤としてクエン酸ナトリウム粉末100重量部を添
加し、混合して防錆剤入り湿式磁粉探傷試験用水分散性
蛍光磁粉4種を得た。これら4種の見掛比重は、いずれ
も1.0であった。
試験用水分散性蛍光磁粉について次の通りの(長期水分
散性テスト)並びに(探傷能力テスト)を行った。
用水分散性蛍光磁粉50gを、それぞれ水道水50l に
分散させて調製した各検査液とスーパーマグナ蛍光磁粉
LY−1500〔前出〕50gをスーパーマグナ磁粉分
散剤BC−600〔前出〕1l を用いて、常法に従っ
て、水道水50l に分散させて調製した比較用検査液と
を準備する。
90l )に検査液50l を投入し、液温を25℃に保持
した状態でポンプ2を作動させ、図中矢印通りに検査液
をパイプ3を通じて循環させておき、循環中の検査液を
24時間毎に1l 宛ビーカーに採取して分散状態を目視
にて観察する操作を循環開始時点から96時間にわたっ
て行う。
観察時点においてビーカー中の水面に浮遊している蛍光
磁粉は認められず、96時間にわたって充分な分散状態
が維持されており、全検査液が同等の水分散性をもって
いることが確認できた。
後の各検査液(96時間循環後の検査液)を10l 宛使
用して、実施例1の(探傷能力テスト)における湿式磁
粉探傷試験方法と同一条件の湿式磁粉探傷試験方法を実
施する。
にも、明瞭な欠陥指示模様が観察でき、全検査液が同等
の探傷能力をもっていることが確認できた。
粉探傷試験用分散剤をポリエチレンテレフタレート製袋
に入れて、室内に放置して6ケ月後に袋から出して観察
したところ、凝集しておらず、製造直後と同様の流動性
を保持しており、充分な貯蔵安定性をもっていることが
確認できた。
磁粉LY−2300〔商品名:マークテック株式会社
製:四三酸化鉄粒子にセルロース系合成樹脂をバインダ
ーとしてルモゲンイエローS0790(前出)を結合さ
せてなる平均粒径が10μm で見掛比重が0.9のも
の〕を用い、該蛍光磁粉100重量部に対し、親水性無
定形二酸化珪素微粒子粉末としてTokusil GU
〔商品名:徳山曹達株式会社製:平均粒径が0.04μ
m で見掛比重が0.25のもの〕10重量部を加え、石
川式雷潰機24号〔商品名:株式会社石川製作所製〕を
用いて、50rpm で3時間混合・攪拌して本発明に係る
湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉110重量部を得
た。なお、この水分散性蛍光磁粉の比重は0.9であっ
た。
光磁粉5gの沈降速度を、JIS G0565−196
0に準拠し、水道水を用いて測定したところ94%であ
った。
粉LY−2300〔前出〕5gの沈降速度を、JIS
G 0565−1960に準拠し、サンモールN−60
S〔前出〕0.5gを加えた水道水を用いて測定したと
ころ93%であった。なお、スーパーマグナ蛍光磁粉L
Y−2300〔前出〕は、界面活性剤を使用しなければ
水に分散せず、水道水のみの場合には水面に浮遊し、1
時間後の観察でも水中に没する様子はなく水面に浮遊し
ている。
散性蛍光磁粉は、従来の蛍光磁粉を界面活性剤を用いて
水に分散させた場合と略同等に水に分散することが確認
できた。
蛍光磁粉11gを水道水200mlに分散させ、該分散液
中に磁化器〔ハンドマグナ:商品名:マークテック株式
会社製〕を挿入して液中の水分散性蛍光磁粉を該磁化器
に吸着させて回収する操作を繰返して、当該分散液中に
存在する水分散性蛍光磁粉をほぼ完全に回収し、回収し
た水分散性蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥して、その重量
を測定した。この測定を5回行ったときの平均値は9.
51gであった。
00〔前出〕10gをサンモールN−60S〔前出〕1
gを用いて水道水200mlに分散させ、上記と同じ操作
によって、該分散液中に存在する該蛍光磁粉をほぼ完全
に回収し、回収した当該蛍光磁粉を水洗・濾過・乾燥し
て、その重量を測定した。この測定を5回行ったときの
平均値は8.7gであり、回収されなかった1.3gは
純鉄粒子を含まないバインダーと蛍光顔料だけの部分と
推定できる。
磁粉LY−2300〔前出〕の場合には10g使用して
8.7gが回収され未回収分は1.3gであり、本実施
例で得た水分散性蛍光磁粉の場合には11g(注:内1
gが親水性無定形二酸化珪素微粒子である)使用して
9.51gが回収され未回収分は1.49gであり、該
未回収分中の1.3gは純鉄粒子を含まないバインダー
と蛍光顔料だけの部分と推定できるので、残りの0.1
9gが脱落した親水性無定形二酸化珪素微粒子と認めら
れるから、脱落率は19%であった。
性蛍光磁粉10gを水道水10l に分散させて検査液を
調製すると共に、比較のため、スーパーマグナ蛍光磁粉
LY−2300〔前出〕10gをスーパーマグナ磁粉分
散剤BC−600〔前出〕0.2l を用いて、常法に従
って、水道水10l に分散させて比較用検査液を調製
し、両検査液を使用して、実施例1の(探傷能力テス
ト)における湿式磁粉探傷試験方法と同一条件の湿式磁
粉探傷試験方法を実施した。
にも、明瞭な欠陥指示模様が観察でき、両検査液が同等
の探傷能力をもっていることが確認できた。
子粉末との配合割合を表2に示す通りに変更した以外は
実施例5と同様にして本発明に係る湿式磁粉探傷試験用
水分散性蛍光磁粉3種及び比較品2種を得、これら5種
について実施例5と同様にして(水分散性テスト)、
(付着性テスト)及び(探傷能力テスト)を行った結果
を同表に示した。
遊して測定不能。 (注5):水道水のみの場合には水面に浮遊して検査液
の調製不能。 (注6):実施例5において比較のために調製した検査
液(磁粉分散剤を用いたもの)を使用した場合に較べて
微細欠陥部の欠陥指示模様の蛍光輝度が弱く健全部との
識別が困難であった。
水分散性蛍光磁粉100重量部に対し、それぞれ水溶性
防錆剤としてトリポリリン酸ナトリウム粉末100重量
部を添加し、混合して湿式磁粉探傷試験用防錆剤入り水
分散性蛍光磁粉4種を得た。これら4種の見掛比重は、
いずれも0.7であった。
ト)本実施例で得た各湿式磁粉探傷用防錆剤入り水分散
性蛍光磁粉50gを、それぞれ水道水50l に分散させ
て調製した各検査液とスーパーマグナ蛍光磁粉LY−2
300〔前出〕50gをスーパーマグナ磁粉分散剤BC
−600〔前出〕1l を用いて、常法に従って、水道水
50l に分散させて調製した比較用検査液とを使用し
て、実施例5における(長期水分散性テスト並びに探傷
能力テスト)と同一条件で該各テストを行った。
観察時点においてビーカー中の水面に浮遊している蛍光
磁粉は認められず、96時間にわたって充分な分散状態
が維持されており、全検査液が同等の水分散性をもって
いることが確認でき、また、いずれの検査液を使用した
場合にも、明瞭な欠陥指示模様が観察でき、全検査液が
同等の探傷能力をもっていることが確認できた。
粉探傷試験用分散剤をポリエチレンテレフタレート製袋
に入れて、室内に放置して6ケ月後に袋から出して観察
したとろ、凝集しておらず、製造直後と同様の流動性を
保持しており、充分な貯蔵安定性をもっていることが確
認できた。
化珪素微粒子粉末であるアエロジルR972〔商品名:
日本アエロジル株式会社製:平均粒径が0.02μm で
見掛比重が0.05のもの〕に変更した以外は実施例1
と同様にして蛍光磁粉を得、該蛍光磁粉を水道水に分散
させようとしたが、当該蛍光磁粉は水面に浮遊してしま
い、1時間後の観察でも水中に没する様子はなく水面に
浮遊したままであった。
割合を種々変更してみたが、いずれの場合にも水道水に
分散させることは不可能であった。
備、且つ充分な探傷能力をもっている湿式磁粉探傷試験
用水分散性蛍光磁粉が提供できる。
蛍光磁粉を使用すれば検査液が能率的に調製でき、ま
た、労働安全衛生法上のじん肺法に該当していない親水
性無定形二酸化珪素微粒子粉末を用いているから使用者
の安全が確保できる。
水分散性蛍光磁粉は、製造が極めて容易であると共に、
界面活性剤を配合しないから材料費も安価であるので、
低コストで製造できる。従って、本発明の産業利用性は
非常に大きいといえる。
スト装置の一部縦断面説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 導磁性粒子に合成樹脂をバインダーとし
て蛍光顔料を結合させてなる平均粒径1〜25μm の湿
式磁粉探傷試験用蛍光磁粉100重量部に対し平均粒径
0.01〜0.05μm の親水性無定形二酸化珪素微粒
子粉末0.5〜30重量部が配合されており、且つ、当
該蛍光磁粉を構成している各蛍光磁粉粒子の表面に当該
二酸化珪素微粒子が付着していることを特徴とする湿式
磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉。 - 【請求項2】 請求項1記載の湿式磁粉探傷試験用水分
散性蛍光磁粉に水溶性防錆剤を添加してなる湿式磁粉探
傷試験用水分散性蛍光磁粉。
Priority Applications (2)
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JP7031339A JP2775401B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉 |
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP7031339A Expired - Lifetime JP2775401B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 湿式磁粉探傷試験用水分散性蛍光磁粉 |
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