JP3908631B2 - 磁粉探傷試験用蛍光磁粉 - Google Patents

磁粉探傷試験用蛍光磁粉 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鉄鋼メーカーや自動車メーカー等において汎用されている磁粉探傷試験に使用される蛍光磁粉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、角ビレット、丸ビレット等の鋼材や、シャフト、ナックルアーム等の鋼製部品は、通電によって磁化することが可能であるので、非破壊検査にはJIS G 0565−1992に規定されている磁粉探傷試験が適用されている。そして、この磁粉探傷試験には、前記JIS規格にみられる通り、蛍光磁粉を使用する試験方法がある。
【0003】
近年、前記鋼材や鋼製部品の品質管理基準が厳しくなるにつれ、鉄鋼メーカーや自動車メーカーにおける磁粉探傷試験用蛍光磁粉の使用量が増加し、しかも、磁粉探傷試験における疵の観察が自動化されていることから、これらのユーザーからは高輝度でかつ高感度の磁粉が望まれている。
【0004】
一般に、磁粉の粒度と欠陥の大きさとの関係について、比較的大きな欠陥は大きな粒度の磁粉が、反対に微細な欠陥は小さな粒度の磁粉が良いこと。そして、このため、求める欠陥の大きさが予め判明している場合には、その欠陥に適した粒度の磁粉を主体とした粒度分布のものを使用することが望ましく、欠陥の大きさに大小がある場合には、種々の粒度のものが適度に混ざった粒度分布のものを使用することが望ましいとされている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
日本非破壊検査協会編、「非破壊検査便覧〔新版〕」、日刊工業新聞社、昭和53年4月28日、p619〜621
【0006】
このようなことから、磁粉探傷においては、まず、一次検査で大きな粒度の磁粉を用いて比較的大きな欠陥の探傷を行い、その後、最終検査で小さな粒度の磁粉を用いて微細な欠陥の探傷を行っている。
【0007】
ところで、蛍光磁粉は、例えばFe粒子粉末、Fe3 O4 粒子粉末、γ−Fe2 O3 粒子粉末といった導磁性粒子粉末の粒子表面を紫外線照射によって励起し、黄色乃至黄緑色に発光する例えば蛍光染料、蛍光顔料等の蛍光着色剤を用いて着色するもので、合成樹脂を結合剤として前記導磁性粒子粉末に蛍光着色剤を固着させたものである。
【0008】
このような結合剤を使用して蛍光磁粉を製造するに際しては、導磁性粒子粉末、結合剤である合成樹脂、及び、蛍光着色剤を揮発性溶剤に溶解又は分散混合させてペースト状とした後、このペースト状物を乾燥し、この乾燥物を微粒子状に粉砕する「粉砕法」と呼ばれている方法で、そのほとんどが製造されている(以下、この「粉砕法」で製造された磁粉を「粉砕磁粉」という。)。
【0009】
また、もう一つの方法として「スプレー法」という製造方法がある。この方法は、導磁性粒子粉末、結合剤とする合成樹脂エマルジョン、及び、蛍光着色剤を水に分散させてペースト状とした後、このペースト状物を微粒子状となして高温(100℃)の温風中に噴霧して乾燥させることで、直接微粒子の蛍光磁粉を製造する方法である(以下、この「スプレー法」で製造された磁粉を「スプレー磁粉」という。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
これらの蛍光磁粉はそれぞれ特徴があり、「粉砕磁粉」は粉砕の条件を変えることで比較的容易に任意の粒子径が得られるという長所を有する。しかしながら、蛍光磁粉の粒子表面が蛍光着色剤と合成樹脂とが混在した状態となり、しかも配合した蛍光着色剤の多くは合成樹脂層内に内在した状態となるため、探傷時(紫外線照射時)に十分な蛍光輝度が得られ難いという問題があった。また、微粒子に粉砕すると、内在した蛍光着色剤が磁性粒子粉末から剥離し、磁性のない蛍光着色剤のみの粒子が多くなり、探傷時にバックグランドとして疵の検出を妨げる要因ともなっていた。
【0011】
一方、「スプレー磁粉」は特開平7−244020号に記載されているように、蛍光着色剤が表面に局在するために十分な蛍光輝度が得られ易く、また、粉砕工程がないので噴霧時に磁粉粒子の中に混入した空気が残されるため、探傷時に沈みにくく磁粉濃度が変化しにくい等の長所がある。しかしながら、噴霧により目標の粒子径を得るために製造する粒子径が揃っており、また、効率良く製造できる粒子径では、非常に微細な粒子が少なくなって、微細な欠陥(疵)を検出し難い等の短所があった。
【0012】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、一次検査の対象となる大きさのあらゆる表面疵を、高精度にかつ継続的に探傷することが可能な磁粉探傷試験用蛍光磁粉を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉は、平均粒子径が5〜10μmとなるように粉砕した粉砕磁粉を50〜80質量%と、平均粒子径が10〜15μmとなるように製造したスプレー磁粉を20〜50質量%から構成することとしている。
【0014】
ところで、本発明における蛍光磁粉の粒度分布は、測定が短時間で容易に行え、測定者によるバラツキが少ない事から、レーザー光の回折/散乱現象を利用したレーザー回折/散乱式粒度分布測定器にて測定し、「体積基準分布表示」にて表示したものを採用する。
【0015】
この体積基準分布表示の場合、粒子径の頻度はその粒子径の合計体積の全体に占める割合で示される。例えば10μm球形粒子1個の体積は、1μmの球形粒子1000個の体積と同じであることから、1μmの粒子が1000個で同じ頻度(同体積)になる。よって、この測定法の場合、測定結果が大きい粒子の影響を受け易く、大きい粒子の影響により小さい粒子が無視される結果となる場合がある。これらにより、粒度分布は個数分布表示より大きく表示されることになる。
【0016】
この体積基準分布表示の最小粒径とは、この測定方法で測定した場合の頻度%が、測定最小値の0.1%以上ある最も小さい粒子径をいい、必ずしも磁粉に含まれる最も小さい粒子径をいうのではない。特に篩分け等により小さい粒子を取り除いている訳ではないので、最小粒径未満の磁粉も数値として出て来ないだけで実際には含まれていることになる。JISの測定方法で測定した場合の80%径が、レーザー回折/散乱式の最小粒径よりも小さい数値になるのは上記の理由によるためである。このことは最大粒径についても同様である。
本発明における平均粒子径(メジアン径)とは頻度を積算し50%になったときの粒子径をいう。
【0017】
そして、このようにすることで、一次検査の対象となる大きさのあらゆる表面疵を、高精度にかつ継続的に探傷できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、深さが0.1mmから0.5mm以上の欠陥を有するビレットについて、実際の検査ラインで粉砕法によって製造した各種の蛍光磁粉を用いて疵の検出能を確認した結果、下記の知見を得た。
【0019】
0.1μm(最小粒子径)から100μm(最大粒子径)の範囲に広く分布する蛍光磁粉を用いて上記のビレットを検査すると、初期には全ての欠陥の検出が可能であったものが、継続使用するうちに比較的大きな疵においても疵指示の蛍光強度が低下する傾向が見られた。そこで、蛍光磁粉の粒度分布を調査した結果、磁粉液中に20μmを超える粒子の分布が少なくなっていることが判明した。
【0020】
これは、粉砕法によって製造した磁粉を使用すると、継続使用していくうちに磁粉液を循環して使用している配管や磁粉液タンク内で、粒子径の大きな磁粉が沈降してしまい、疵指示の強度が低下したものと考えられる。また、5μm未満の微細な磁粉の量が多くなると、ビレット表面の凹凸の凹み部分に微細な磁粉が溜り、擬似模様となって疵指示の見落としが発生することも判明した。
【0021】
そこで、本発明者等は実際の検査ラインにおける一次検査で疵指示の強度変化がなく、疵の見落としのない蛍光磁粉の配合について試行錯誤的な多くの実験、試作を繰返した結果、下記の本発明を成立させた。
【0022】
すなわち、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉は、予め疵幅が5μm以上の欠陥探傷を行う一次検査に使用する磁粉探傷試験用蛍光磁粉であって、導磁性粒子と蛍光着色剤と結合剤を溶剤に溶解又は分散させてペースト状とした後、このペースト状物を乾燥させ、この乾燥物を平均粒子径が5〜10μmとなるように粉砕した粉砕磁粉を50〜80質量%と、導磁性粒子と蛍光着色剤と合成樹脂エマルジョンを水に分散させたペースト状物を噴霧乾燥して平均粒子径が10〜15μmとなるように製造したスプレー磁粉を20〜50質量%とで構成したものである。
【0023】
本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉を、以下に更に詳細に説明する。
A.粉砕磁粉製造材料について
本発明においては、導磁性粒子粉末としては、Fe粒子粉末、Fe3 O4 粒子粉末、γ−Fe2 O3 粒子粉末等が使用できる。これらの各導磁性粒子粉末は、磁粉探傷試験用蛍光磁粉の材料として常用されており、市販品の中から所要の平均粒子径のものが入手できる。これら導磁性粒子粉末の粒子径としては、小さすぎると蛍光磁粉にした際に十分な蛍光輝度が出にくく、また、大きすぎると磁粉が沈降しやすく磁粉濃度が変化するため、2〜5μmが好ましい。
【0024】
また、蛍光着色剤としては、導磁性粒子より小さいことが蛍光輝度を出すために必要であるが、0.5μm以下では結合剤を多く必要とし剥離が出やすくなることから平均粒子径が0.5〜4μmのものを選べばよく、具体的にはルモゲンイエローS0790(商品名:BASF社製)、フェスタA(商品名:Swada社製)が挙げられる。
【0025】
また、結合剤としての合成樹脂は、市販の熱可塑性樹脂、例えばポリビニールアセタール樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、酢酸ビニール樹脂、セルロース樹脂が使用できる。
【0026】
粉砕磁粉の製造に使用する溶剤は、上記の結合剤を溶解するものであれば、どのようなものでも使用可能であるが、市販のアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系や、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、さらに、エタノールイソプロピルアルコールのようなアルコール系が適している。
【0027】
粉砕磁粉の上記各成分の配合量は、通常の割合でよく、導磁性粒子粉末50〜70質量%、蛍光着色剤20〜40質量%、結合剤5〜15%の範囲で適宜選択できる。
【0028】
B.スプレー磁粉製造材料について
導磁性粒子粉末及び蛍光着色剤は、前記の粉砕磁粉製造時に使用可能なものであれば、同一の材料を使用しても、また、異なる材料を使用しても良い。
【0029】
また、合成樹脂エマルジョンは、市販の水分散性合成樹脂、例えばポリゾールNS(商品名:熱可塑性酢酸ビニール樹脂:昭和高分子社製)、ミルベンレジンSM−850(商品名:熱可塑性スチレンアクリル樹脂:ジョンソンポリマー社製)、スミマールM−40W(商品名:熱硬化性メラミン樹脂:住友化学工業社製)が挙げられる。
【0030】
C.粉砕磁粉、スプレー磁粉の製造について
これらの材料を用いてそれぞれ粉砕磁粉とスプレー磁粉を前述の方法で製造する。このとき、夫々の蛍光磁粉の平均粒度が以下の範囲となるように製造するのが本発明の重要なポイントである。
【0031】
すなわち、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉に適用する粉砕磁粉は、平均粒子径が5〜10μmとなるように粉砕したものを使用する。本発明者等の各種の実験によれば、このような範囲となるように粉砕した磁粉は、磁粉液タンク内で沈みやすい20μm以上の粒子が少なく、継続使用中の沈殿による磁粉の減少が少なくなるからである。
【0032】
一方、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉に適用するスプレー磁粉は、平均粒子径が10〜15μmとなるように製造したものを使用する。本発明者等の各種の実験によれば、このような範囲となるようにスプレー法で製造した磁粉は、20μm以上の粒子を多く含むが、粉砕磁粉のように粉砕工程を経ていないので、その磁粉粒子内に気泡を含み、比較的大きな粒径のものでも磁粉液タンク内での沈降が少ないからである。また、このような粒径範囲のものはスプレー法にて効率良く製造することができる。
【0033】
また、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉において、前記粉砕磁粉の配合量を50〜80質量%、前記スプレー磁粉の配合量を20〜50質量%としたのは、以下の理由による。
【0034】
先ず、粉砕磁粉の配合量が50質量%未満、すなわち、スプレー磁粉の配合量が50質量%を超えると、一次検査の対象となる疵幅が数μm〜数十μmの疵の探傷に必要な粉砕磁粉量が不足することになるからであり、また、粉砕磁粉の配合量が80質量%を超える、すなわち、スプレー磁粉の配合量が20質量%未満の場合は、一次検査の対象となる疵幅が500μmを超える疵の探傷に必要なスプレー磁粉量が不足することになるからである。
【0035】
上記の本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉によれば、一次検査の対象となる大きさのあらゆる表面疵を、高精度にかつ継続的に探傷できるようになる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉の効果を確認するために行った実験結果について説明する。
実験は、下記表1に示した蛍光磁粉を使用し、全て以下の条件で実施した。なお、本発明の効果を確認するために、従来の粉砕磁粉単体、スプレー磁粉単体、及び、配合量や平均粒径が本発明の範囲を外れた比較例(表1中に*を付したもの)についても同じ条件で実験を行った。
【0037】
【表1】
Figure 0003908631
【0038】
実験条件
磁化方法:
・人工疵、自然疵、短欠陥の探傷時は極間法(磁場強度=3950A/m)
・密着状欠陥の探傷時は軸通電法(磁化電流値=1400A(交流))
紫外線 :強度=4500μw/cm2
磁粉適用:100mm3 (連続法)
磁粉 :磁粉濃度=0.15g/リットル
分散剤=0.5体積%(BC−1S)
解析 :
・人工疵、自然疵、短欠陥の探傷時は、疵撮影後画像処理を実施し、2値化スライスレベル=105、155、185の画像確認
・密着状欠陥の探傷時は目視により評価
【0039】
試験材の材質はS45Cで、図1に示したように、150mm角の試験材1の表面に、長さが10mm、深さが0.3mmで、幅が0.2mmの人工疵2と、同じ長さ及び深さで、幅が0.5mmの人工疵3と、同じ長さ及び深さで、幅が1.0mmの人工疵4の3種類の疵を放電加工したものと、図2に示したように、140mm角の試験材1の表面に、長さが175mm、深さが2.5mmで、幅が0.5mmの自然疵5がついたものと、図3に示したように、180mm角の試験材1の表面に、長さが2.5mm、深さが0.18mmで、幅が0.13〜0.17mmの自然疵(短欠陥)6がついたものと、図4に示したように、180mm角の試験材1の表面に、長さが2.5mm、深さが0.05mmで、幅が4μmの自然疵(密着状欠陥)7がついたものを使用した。
【0040】
人工疵、自然疵、短欠陥の探傷時は、CCDカメラにより静止画像を取り込み、画像処理を行って、上記表1に示した各磁粉の有効性を評価した。また、密着状欠陥の探傷時は目視による確認で評価した。その結果を、下記表2に示す。なお、下記表2中の◎印は指示模様が鮮明で、磁粉付着も疵部に沿って一定であり、バックグラウンドも低いもの。○印は指示模様は鮮明であるが、疵部に沿って磁粉付着が一定でないもの。△印は指示模様が若干低く、ばらつきが大きく、バックグラウンドもばらつきがあるもの。×印は指示模様が不鮮明で、バックグラウンドとの差がないものを示す。
【0041】
下記表2より明らかなように、本発明に係る蛍光磁粉を使用した場合には、幅が0.13mm〜1.0mmの人工疵2〜4、自然疵5、短欠陥6の探傷において、何れの場合も従来の粉砕磁粉を使用した場合と同様の指示模様を形成し、画像処理での2値化スライスレベルを高諧調まで処理しても十分に保持していた。加えて、従来の粉砕磁粉のように、継続使用によっても20μmを超える粒子が極端に減少することがなく、継続使用による検出能の劣化も少なかった。また、幅が4μmの密着状欠陥7の探傷においても、最終検査に使用する平均粒径が2.3μmの粉砕磁粉を使用した場合と同程度の指示模様を形成した。
【0042】
【表2】
Figure 0003908631
【0043】
以上の試験結果より、本発明に係る磁粉探傷試験用蛍光磁粉を使用した一次検査では、従来の粉砕磁粉やスプレー磁粉単体を使用した場合と比べて、数μm〜数100μmの幅の複雑な形状の表面疵の探傷に有効に作用し、見逃し及び画像処理の段階での未検出防止に有効であることが判明した。また、画像処理で最も重要であるS/N比についても、従来磁粉よりも高く画像処理も有効に行えるため、過検出及び誤検出も従来より低減できることになる。更に、継続使用による検出能の劣化も少ない。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蛍光磁粉は、一次検査の対象となる大きさのあらゆる表面疵の探傷に有効に作用し、幅広い使用が可能である。また、自動化に適用する磁粉の選定についても、S/N比が従来の粉砕磁粉単体よりも高いので、スライスレベルの閾値を高くすることができ、画像処理時にノイズと欠陥との弁別が容易に行えるようになる。更に、磁粉輝度や継続使用による粒度分布のばらつきが少ないことから、疵に対する指示模様も従来の粉砕磁粉単体のように劣化することがなく、有効に作用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験に使用した材料の説明図で、3種類の人工疵を放電加工したものである。
【図2】試験に使用した材料の説明図で、自然疵がついたものである。
【図3】試験に使用した材料の説明図で、短欠陥がついたものである。
【図4】試験に使用した材料の説明図で、密着状欠陥がついたものである。
【符号の説明】
1 試験材
2 人工疵
3 人工疵
4 人工疵
5 自然疵
6 短欠陥
7 密着状欠陥

Claims (1)

  1. 予め疵幅が5μm以上の欠陥の探傷を行う一次検査に使用する磁粉探傷試験用蛍光磁粉であって、導磁性粒子と蛍光着色剤と結合剤を溶剤に溶解又は分散させてペースト状とした後、このペースト状物を乾燥させ、この乾燥物を平均粒子径が5〜10μmとなるように粉砕した粉砕磁粉を50〜80質量%と、導磁性粒子と蛍光着色剤と合成樹脂エマルジョンを水に分散させたペースト状物を噴霧乾燥して平均粒子径が10〜15μmとなるように製造したスプレー磁粉を20〜50質量%からなることを特徴とする磁粉探傷試験用蛍光磁粉。
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