JP2797160B2 - 磁性流体地下亀裂確認法に用いる磁性流体 - Google Patents

磁性流体地下亀裂確認法に用いる磁性流体

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JP2797160B2
JP2797160B2 JP4084629A JP8462992A JP2797160B2 JP 2797160 B2 JP2797160 B2 JP 2797160B2 JP 4084629 A JP4084629 A JP 4084629A JP 8462992 A JP8462992 A JP 8462992A JP 2797160 B2 JP2797160 B2 JP 2797160B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/442Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids the magnetic component being a metal or alloy, e.g. Fe

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、磁性流体による地下
亀裂確認法に用いられる磁性粉体材料に関する。特に、
各種磁性粉末の透磁率に関し、透磁率に及ぼす粉末粒径
と熱処理温度の影響を調査することによって、前記磁性
流体による地下亀裂確認法に用いられる磁性流体材料に
おいて、最も優れたものを得ることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】本願発明者らは、磁性流体による地下亀
裂確認法の一つとして、特願平1年第340184号
「人工磁場を利用した地殻内亀裂形状、賦存状態三次元
検知システム」を提案し、坑井近傍の地殻内の亀裂形
状、賦存状態を三次元的に解析するために、水に対して
分散性に富み、高透磁率の粒状磁性体を坑井内から地層
内の岩石孔隙中の熱水層、油層等に注入流動させ、これ
を同じ坑井内、または、他の坑井内からその移動拡散状
態を検知解析することによって、地殻内の亀裂(フラク
チャ)形状、地下水流動状態賦存状態を三次元的に解析
するものを提案している。
【0003】そして、粒状磁性流体として、高い透磁率
(初透磁率100程度)、粒径1〜数10ミクロンのも
のを、コーティング処理をして水分散性を高めたものを
使用した。すなわち、前記高透磁率物質として、マンガ
ンフェライト、PBーパーマロイ、PCーパーマロイ、
センダスト等の物質のうち、5A1、1OSi、Fe8
5の組成で、インゴットで初透磁率μ0=30,00
0、最大透磁率μm=120,000、のものが、粉体
において最も高い初透磁率40〜45を示し、優れた結
果を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、使用
した、高透磁率物質では、実際の使用上、若干の感度の
劣悪が原因のためか、必ずしも、充分満足できる結果を
得ることが出来なかった上、単価が高くその経済性に問
題があったため、本願発明者らは、さらに、研究を続
け、実用上使用できる地下き裂確認用磁性流体に到達す
るに至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、粗粉砕センダス
ト粉末を#60、#100に分級後、600℃で熱処理
して透磁率を測定した結果、透磁率は、粒径に依存せず
に、約21であること、また、熱処理温度を800℃に
した場合の透磁率は、約24であり、熱処理温度を上げ
ても、透磁率の顕著な改善には繋がらないことを知り得
た。そこで、液体急冷法で作成された薄板を粉砕後、6
00℃で熱処理して透磁率を測定した結果、+#60で
透磁率は、約2倍となり、これより細かくなると、透磁
率は、20〜25程度まで低下することが知り得た。
【0006】
【作用】本発明は、センダストまたは、それ以外のもの
を材料とし、これらの材料を粒径、および熱処理、また
は、液体急冷粉末としたことによる試料検定を行い、従
来と同材質ではあるが、従来では達成できない高透磁率
を達成した。
【0007】
【実施例】まず最初に、透磁率に及ぼすセンダスト粉末
粒径と熱処理温度の影響について検討した。所定の組成
に溶解、鋳造されたセンダスト(Fe−Si−Al合
金)を粗粉砕し、#60および#100に分級された粉
末を用いて、透磁率に及ぼす粒径および熱処理温度の影
響を調べ、次に、溶解、鋳造されたセンダストを原料と
し、液体急冷法(片ロール法)で厚さ、30〜40μm
程度の薄板を作成し、これを粉砕し、分級された粉末を
用いて、透磁率に及ぼす粒径の影響について検討した。
【0008】ここで、液体急冷粉末の製造方法とは、図
2のその概念図に示すように、溶湯されたセンダスト合
金1をガス圧により、ルツボ2先端の孔3から噴出さ
せ、冷却用回転体4の表面上で接触凝固させて薄板5を
製造するというものである。
【0009】また、熱処理は、水素ガス雰囲気中で行
い、温度は、600℃を標準とし、800℃でも行っ
た。
【0010】透磁率の測定は、試料粉末をトロイダルケ
ースに充填し、これに巻線を施して行い、測定器として
は、LCRメータを用い、Lを測定してインダクタンス
比透磁率(μL)を算出する。この測定条件を表1に示
す。なお、以下、インダクタンス比透磁率は単に透磁率
またはμLと表示するものとする。また、粉末形状は、
走査型電子顕微鏡(SEM)で行った。
【0011】
【表1】
【0012】透磁率に及ぼすセンダスト粉末粒形と熱処
理温度の影響について、特に、粗粉砕粉末の透磁率につ
いては、次のようであった。#60および#100に分
級された粗粉砕粉末を、600℃で熱処理して透磁率を
測定した。また、熱処理温度の影響を調べるために、+
#60の粉末を800℃で熱処理して、透磁率を測定し
た。これらの測定結果を表2に示した。なお、SEM観
察結果を図5乃至図7に示した。
【0013】
【表2】
【0014】この結果より、次のことが明らかにされて
いる。
【0015】1)粉末粒形を変化させても透磁率はほと
んど変化しない。
【0016】2)熱処理温度を600℃から800℃に
高くしても、透磁率は、わずか10%程度しか大きくな
らない。
【0017】3)いずれの粉末も角張った形状をしてい
る。
【0018】4)角張った粉末の場合、粒径、熱処理温
度にはほとんど関係なく、透磁率は21〜24程度の値
であり、個々の粉末の形状による反磁界の影響が考えら
れる。
【0019】また、液体急冷薄帯を粉砕した粉末(液体
急冷粉末)の透磁率については、各種の粒径に分級され
た液体急冷粉末を600℃で熱処理し、透磁率を測定す
ると、その結果は、表3に示されるようになる。
【0020】
【表3】
【0021】このことより、次のことが明らかにされ
る。
【0022】1)−#10、+#60の粉末は、薄い平
板を砕いたような形状であり、厚さが30〜40μm程
度で、平均粒径が数百μm程度である。また、透磁率が
112という高い値が得られる。
【0023】2)粒径が小さくなると、粉末は角張った
形状となり、透磁率は20〜25程度に低下する。これ
は、上記同様反磁界による影響であると考えられる。
【0024】次に、センダスト以外の粉末として、鉄
粉、マグネタイト粉末、Mn−Znフェライト粉末の透
磁率を検討した。また、鉄粉の透磁率およびMn−Zn
フェライト粉末についても、透磁率を測定した。
【0025】センダスト以外の、特に低価格化が可能な
磁性粉末として、上記の鉄粉、マグネタイト粉末および
Mn−Znフェライト粉末を作成し、透磁率測定および
SEM観察を行った。透磁率は、室温および20〜30
0℃の温度範囲で測定した。後者の温度特性測定条件を
表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】その結果、鉄粉、マグネタイト粉末、Mn
−Znフェライト粉末の常温での透磁率は、それぞれ2
4.4、5.0、29.5であることが知り得た。ま
た、鉄粉の透磁率は、20〜300℃の範囲でほぼ一定
であったが、Mn−Znフェライト粉末は、150℃以
上では、磁気変態点以上となり、透磁率が著しく低下す
ることが知り得た。
【0028】各種の磁性粉末の透磁率については、以下
の結果が得られた。
【0029】鉄粉、マグネタイト粉末、Mn−Znフェ
ライト粉末の室温での透磁率測定結果およびSEM観察
結果をそれぞれ表5および図12乃至図14に示す。
【0030】
【表5】
【0031】なお、この表5においては、参考として付
記したセンダスト粉末は600℃で熱処理した場合の特
性値を示す。
【0032】同様に、鉄粉およびMn−Znフェライト
粉末の透磁率の温度特性測定結果を表6および図1に示
す。(但し、マグネタイト粉末は、極めて透磁率が低い
ため、温度特性の測定対象から除外した。)
【0033】
【表6】
【0034】なお、上記表6においては、参考として付
記したセンダスト粉末は、600℃で熱処理した場合の
特性値を示す。また、11は、センダスト粉の場合を、
12は、鉄粉の場合を、13は、フェライト粉の場合を
示す。なお、測定周波数は、1kHzにおいて行った。
【0035】この結果より、次のことが明らかにされ
る。
【0036】1)透磁率は、鉄粉が約25、マグネタイ
ト粉末が約5、Mn−Znフェライト粉末が約30であ
り、いずれもセンダスト粉末より低い。
【0037】2)これらの粉末の粒径を変化させたり、
熱処理を施したりしても大幅な透磁率の改善には繋がる
ものではないと予想される。
【0038】次に、センダスト磁性流体の透磁率につい
て、粉砕したセンダスト粉末(−#400)を600℃
で熱処理された粉末からなる磁性流体を用い、これを供
試材として透磁率の測定を行った。なお、測定方法は、
最初の方法と同じである。
【0039】入手した試料は、ポリ容器に密封状態で保
管し、約20日毎に磁気特性測定用容器にケーシングし
て測定に供した。これらにそれぞれNo.1、No.
2、No.3と番号を付して、同一試料の繰り返し測定
を20日毎に行った。測定終了後に、ケーシングされた
試料の水分を乾燥除去し、センダスト粉末の重量を求
め、この値から断面積を計算した。なお、参考として、
磁性流体中の水も有効断面積とした場合の透磁率を計算
し、その結果を表7に示す。
【0040】
【表7】
【0041】表7において、()は、磁性流体中の水を
有効断面積として計算した場合の透磁率を示す。
【0042】このことより、次のことが明らかになる。
【0043】1)分散媒としての水の有効断面積を考慮
した場合、センダスト磁性流体の透磁率は、7〜8とな
る。
【0044】2)透磁率の時系列変化については、表7
の結果に基いて、まとめたところ、図3に示すものが得
られた。
【0045】図3において、()内は、センダスト粉末
の混入比率を示し、実太線は、時系列を示し、点線14
は、No.1の試料のものを、点線15は、No.2の
試料のものを、点線16は、試料No.3のものを示し
ている。
【0046】ここで、測定日11/10の測定のもの
は、試料に振動を加えて行ったところ、図3からも明ら
かなように、No.1とNo.2では、透磁率の上昇が
確認された。
【0047】また、測定日11/10の測定完了後、測
定容器から磁性流体を取り出した時には、No.1とN
o.2は、流動性は全くなく、水分が蒸発していたこと
が明らかであった。一方、No.3は、流動性を有して
おり、水分の蒸発はあまりなかったものと思われる。
【0048】これらのことから、No.1とNo.2
は、測定日11/10の測定時点では、試料容器内の水
分の蒸発がかなり進み、容器内で粉末が片寄っていたた
め、振動を加えたことによって粉末が均一に分散され、
透磁率が高くなったものと考えられる。
【0049】No.1およびNo.2は、測定日10/
29の測定値が低くなっているが、これは測定日10/
29の測定時点で既に水分の蒸発が進行しており、粉末
の容器内での分布状態が均一でなかったことによると思
われる。
【0050】No.1、No.2、No.3は、母材
(入手したポリ容器中の試料)からのサンプリングの日
が異なるが、サンプリングの日に測定した値は、それぞ
れ異なっている。すなわち、一回目のNo.1だけが他
のものよりも低い値となっている。これは、磁性流体そ
のものがもっているばらつきなのか、他の要因によるも
のなのかは、この結果からは明らかではない。種々の不
確定要因はあるものの、透磁率の時系列変化は、それほ
ど大きいものではないと推定される。
【0051】なお、地下亀裂確認用として使用される磁
性流体は、1回当りの磁性粉末使用量が2トン程度必要
であることから、なるべく安価な粉末を使用する必要が
ある。そこで、粉末価格の面から試算すると、表8に示
すような結果を得た。
【0052】
【表8】
【0053】表8中のセンダスト粉末は、溶解後粉砕す
る場合のものであり、液体急冷粉末の場合ではない。な
お、センダスト粉末は、粉砕〜熱処理の前工程について
量産時には設備導入の必要がある。また、Mn−Znフ
ェライト粉末については量産工程が確立していないの
で、推定値である。(表8の価格には、新規に設備を導
入した場合の費用については考慮されていないものであ
る。)
【0054】上記のように最大の初期比透磁率を得るこ
とができたセンダストに関し、センダストとその他の中
位の透磁率を有する高透磁率材料(純鉄、フェライト、
マグネタイト)において、経済性と検出可能性の評価か
ら、最適材料を選定し、かつ、センダストに関して、熱
処理温度、粒径、形状の検討を行った。
【0055】次に、センダスト自体の透磁率向上のた
め、熱処理温度の検討を行った。
【0056】これに使用したセンダスト粉末は、ー#4
00:400メッシュアンダーのものを使用し、これを
水素気流中で熱処理して、歪除去を行う際の熱処理温度
を室温(=熱処理前)〜1000℃の範囲で変化させ
た。そのときの初期比透磁率(μ1)を表9ならびに図
4に示した。
【0057】
【表9】
【0058】この結果から明らかなように、センダスト
粉末の初期比透磁率は、600℃〜800℃の時に最大
値44.6〜45(5.60〜5.65×1/1000
00[H/m]が得られるが、それより高い温度(10
00℃)では低下している。
【0059】さらに、粒径の異なるセンダスト粉末(6
00℃で熱処理)の初期比透磁率(μ1)を表10に示
す。
【0060】
【表10】
【0061】+#60粉末は、最大粒径1mmで多面体
形状である。また、−#400粉末の形状は、平均径1
7〜18μm、厚さ0.5μmの鱗片状である。この場
合は、粒径よりも形状異方性による反磁効果の関係か
ら、粒径は小さいが、より偏平な円盤状の−#400の
方が、粒径の大きな多面体形状(球状に近い)ものより
初期比透磁率が大きくなっている。
【0062】次に、粒子形状の検討を行って、最も適切
なものを検討した。
【0063】形状異方性による反磁効果を少なくするた
めに、センダスト合金の急冷薄帯(アモルファスリボ
ン)を粉砕して箔片状粉末を試作した。この初期比透磁
率を表11に示すものが得られた。
【0064】
【表11】
【0065】また、この電子顕微鏡写真は、図8乃至図
11に示すようになった。
【0066】この結果、粒径が、#10〜#60の急冷
薄帯粉末が、これまでで最も高い初期比透磁率112
(1.41×10-4[H/m])を示した。ただし、急
冷薄帯の製造コストが加算されるため、この方式は、現
実性に欠ける。しかしながら、透磁率がセンダストの半
分程度の物質でも、磁力計システムの感度が優れていれ
ば、充分に実用できる。そこで、実用化を考慮した場
合、センダストの半分程度の比透磁率(20〜30)を
有する材質であっても、磁力計システムの性能如何によ
っては、充分実用化が可能となる。
【0067】より廉価な高透磁率材料として、純鉄(F
e)、マンガンジンクフェライト(Fe23:50mo
l%,MnO:25mol%,ZnO:25mol
%)、マグネタイト(Fe34)について検討した。こ
の結果を表12に示す。
【0068】
【表12】
【0069】表12から明らかなように、純鉄で24、
マンガンジンクフェライトで29の初期比透磁率を得
た。両者の製造コストは、センダスト粉末の場合に比べ
てそれぞれ1/10、1/3程度であり、同じコストな
らば、10倍〜3倍の量の磁性粉末を地殻内フラクチャ
に注入できることになる。したがって、有効な磁場応答
を得られる可能性が高い。
【0070】次に、本実施例において、センダスト粉末
(−#400、600℃熱処理)をサンプルとして用
い、固液重量比1:1(センダスト粉末重量:溶液重量
=1:1)の分散性を安定させるために、前記サンプル
センダスト粉末に対して表面処理を施した。なお、上記
コストを考慮した高透磁率粉末として選定した鉄粉(−
#150)に付いても、この処理を行い、それらの結果
を比較した。
【0071】この分散安定性の処理において、処理剤と
しては、次の3種類について検討した。
【0072】界面活性剤(水分散型)
【0073】エマルジョン(オイル分散型)
【0074】樹脂
【0075】また、水圧破砕の際、破砕流体と同時に地
下に注入すると仮定した場合、破砕流体(粘性流体)を
使用するため、磁性粉体の表面に分散処理を施す必要は
なくなるため、この場合の表面処理は、酸化防止だけに
なる。このときの酸化防止としての表面処理(破砕流体
との混入を前提とした場合)の処理剤としては、次の2
種類を検討した。
【0076】磁性粉体金属の表面に自然に形成される
酸化化合物被膜
【0077】酸化防止被膜(樹脂等)
【0078】最初に、〜の分散安定性について検討
し、次に、、の酸化防止としての表面処理について
検討する。
【0079】定性的な基準として次のような手順の試験
を行った。
【0080】イ)原液保存安定性試験(室温状態で1ヵ
月間放置) 固液重量比1:1の分散液(=原液)の安定性、流動
性、酸化性の検討
【0081】ロ)水希釈安定性試験(室温状態で1週間
放置) 原液を水(水道水)に希釈した時の拡散に伴う分散安定
性(原液から10倍水希釈液までに凝集・凝固等が発生
せずに安定しているか?)
【0082】ハ)食塩水希釈安定性試験(室温状態で1
週間放置) 原液を飽和食塩水に希釈した時の拡散に伴う分散安定性
【0083】ニ)地熱水での希釈安定性試験(室温状態
で1週間放置) 原液を地熱水に希釈した時の拡散に伴う分散安定性
【0084】ホ)加温安定性試験 原液を90℃で5時間加温した場合の変質・凝集の有無
【0085】ヘ)加熱安定性試験 オートクレーブにより原液を100℃〜300℃の範囲
で加熱した場合の変質・凝集の有無
【0086】上記の(イ)から(ホ)の各試験をスケー
ルモデル実験で使用する磁性流体トレーサについて行っ
た。その結果を表13に示す。
【0087】
【表13】
【0088】以前に実施したスケールモデル実験では、
飽和食塩水で満たされた水槽中に磁性流体トレーサを入
れたため、飽和食塩水中でセンダスト表面が化学変化を
起こして透磁率が低下するという現象が生じた。そこ
で、材質上これらの化学変化を少なくするため、発泡、
分離のない安定した磁性流体トレーサを選定した。表1
4に前回の試料(試料番号000)と今回用いた磁性流
体トレーサ(試料番号306)の組成を示す。
【0089】
【表14】
【0090】今回の試験で、試料を、その後も継続して
2ヵ月に渡り原液保存安定性を観察したが、変化はな
く、透磁率の低下もなかった。
【0091】次に、地熱条件下での使用を考慮した場
合、内部の高透磁率磁性粉体が熱や熱水中の化学成分に
よって変質することによる透磁率の低下が問題となる。
このため、本実施例では、地殻内熱水フラクチャ内に流
動させる磁性流体トレーサの表面には高温対策を施す必
要があり、以下の各表面処理剤により、その高温対策を
講じた。
【0092】界面活性剤(水分散型)→酸化防止処理
または界面活性剤の耐熱性向上
【0093】エマルジョン(オイル分散型)→エマル
ジョンの高温安定性向上(ただし、PHその他の分散媒
に変化があるとエマルジョンは破壊され易い)
【0094】樹脂コーティング→熱可塑性樹脂(シリ
コーン樹脂、ふっ素樹脂、ポリイミド樹脂)は、粒子表
面に均一な被膜を形成しやすい。この中でもポリイミド
樹脂は、製造工程上容易なため、最も実現性が高い材料
といえる。なお、ポリイミド樹脂の空気中での耐熱性
は、380℃である。
【0095】界面活性剤とエマルジョンに関する観測結
果を表15に示す。
【0096】
【表15】
【0097】この結果、この表から、次のことが明らか
になる。
【0098】加熱によっていずれも分散安定性が低下
し、特に耐熱性が高いフッ素系界面活性剤を使用した場
合も例外ではない。
【0099】酸化防止剤の添加は、内部粒子(センダス
ト)の酸化を大幅に抑止するものではないが、種類によ
っては効果が認められる。
【0100】界面活性剤(水分散性)とエマルジョン
(オイル分散性)の間に、耐熱性に関して差異は認めら
れなかった。
【0101】次に、樹脂コーティングについて検討し
た。この樹脂コーティングについては、ポリイミド樹脂
を使用した。
【0102】ポリイミド樹脂を溶融した溶剤溶液にセン
ダストあるいは鉄粒子を浸漬した後、溶剤を蒸発させて
除去した。その結果、250℃の加熱試験において、完
全に安定した状態が保たれ、地熱条件下で充分使用可能
なものであった。ただし、分散安定性については、撹拌
すれば分散するが、静止状態では沈降してしまい、分散
安定性については完全ではなかった。しかしながら、破
砕流体と混入して注入する場合には、この程度の分散性
で、充分実用性はあるとの結論を得た。
【0103】次に、破砕流体(粘性流体)との混入を前
提として、酸化防止としての表面処理について処理を行
った。
【0104】破砕流体(粘性流体)との混入を前提とす
れば、極論すれば、亀裂保持剤よりも微小な磁性粉体そ
のものを注入しても問題はないと考えられる。ただし、
その場合、磁性粉体表面の酸化の進行とそれに伴う透磁
率の低下が問題となる。ある試行によると、磁性粉体の
水熱処理時間(230℃の熱水に0〜10時間浸漬)と
水熱処理後の初期比透磁率の関係は、鉄粉(−#400
あるいは#100〜#150)でほぼ一定である。ま
た、センダスト粉(−#400で最初の5時間で初期比
透磁率が半減してその後は一定になる。鉄粉は、粒子表
面に酸化化合物が形成されて、内部への酸化の進行を防
いだと推測されるが、同じ鉄を主成分とするセンダスト
粉は、鱗片状で表面積が大きいため、粒子表面の酸化規
模が大きくなったためと判断される。この結果を見る限
り、センダストは、表面処理が必要であるが、鉄粉を使
用する際には、表面処理がなくても充分実用に耐え得
る。
【0105】
【発明の効果】粗粉砕センダスト粉末を#60、#10
0に分級後、600℃で熱処理して透磁率を測定した結
果、透磁率は、粒径に依存せずに、約21であること、
また、熱処理温度を800℃にした場合の透磁率は、約
24であり、熱処理温度を上げても、透磁率の顕著な改
善には繋がらないことを知り得た。また、液体急冷法で
作成された薄板を粉砕後、600℃で熱処理して透磁率
を測定した結果、+#60で透磁率は、約112が得ら
れ、これより細かくなると、透磁率は、20〜25程度
まで低下することが知り得た。また、液体急冷粉末の製
造方法について説明する。図2に示すように、センダス
ト合金の溶湯をガス圧により、ルツボ先端の孔から噴出
させ、冷却用回転体の表面上で接触凝固させて薄帯を製
造するというものである。但し、図2に示された製造措
置を量産用として製造した場合、1ロットあたりの薄帯
製造量は、せいぜい数kg程度であり、これは量産性に
欠ける。さらに、センダスト以外の粉末として、鉄粉、
マグネタイト粉末、MnーZnフェライト粉末の透磁率
を検討した結果、常温での透磁率は、それぞれ24.
4、5.0、29.5であることが知り得た。鉄粉の透
磁率は、20〜300℃の範囲でほぼ一定であったが、
Mn−Znフェライト粉末は、150℃以上では、磁気
変態点以上となり、透磁率が著しく低下することが知り
得たことから、磁性流体地下亀裂確認法に用いられる磁
性流体として、最も適切な試料材料は何かが決定され
る。
【0106】また、液体急冷粉末にあっては、+#60
では、透磁率は112の値が得られ、このときの、この
粉末の厚さは、30〜40μm程度であり、平均する
と、数百μmでることが知り得た。また、一方では、同
じ厚さでも、平均直径が小さくなると、透磁率は、21
〜24にまで低下する傾向があるので、(直径)/(厚
さ)の寸法比がある一定値よりも大きい場合は、その透
磁率も大きくなることが知り得た。
【0107】これらのことに、経済性を考慮すると、磁
性流体地下亀裂確認法に用いられる磁性流体としては、
鉄粉(−#110)あるいはセンダスト粉(−#40
0,600°C熱処理)を水または破砕流体に分散させ
たものが有効であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各種粉末の透磁率の温度特性図
【図2】図2は、液体急冷薄帯製造の概念図
【図3】図3は、センダスト磁性流体の透磁率変化を示
す図
【図4】図4は、熱処理温度に対する初期比透磁率の変
化を示す図
【図5】 図5は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図6】 図6は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図7】 図7は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図8】 図8は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図9】 図9は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図10】 図10は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図11】 図11は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図12】 図12は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図13】 図13は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図14】 図14は、粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【符号の説明】
1 溶湯センダスト合金 2 ルツボ 3 ルツボ先端孔 4 冷却用回転体 5 薄板

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性流体地下亀裂確認法に用いられる磁性
    流体において、高透磁率材料より得られた微粉末である
    ことを特徴とする磁性流体地下亀裂確認法に用いられる
    磁性流体。
  2. 【請求項2】前記磁性流体は、高透磁率材料を微粉末化
    後、水または破砕流体に分散したものであることを特徴
    とする請求項1記載の磁性流体地下亀裂確認法に用いら
    れる磁性流体。
  3. 【請求項3】前記磁性流体は、センダスト粉末、鉄粉
    末、マグネタイト粉末、Mn−Znフェライト粉末の単
    一またはこれらの混合材質からなることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の磁性流体地下亀裂確認法に
    用いられる磁性流体。
  4. 【請求項4】前記磁性流体は、センダストの急冷薄帯を
    粉砕して得られた粒径#10〜#60であることを特徴
    とする請求項3記載の磁性流体地下亀裂確認法に用いら
    れる磁性流体。
  5. 【請求項5】前記磁性流体は、センダストを粉砕して得
    られた粉体を温度600℃〜800℃で熱処理されたこ
    とを特徴とする請求項3記載の磁性流体地下亀裂確認法
    に用いられる磁性流体。
  6. 【請求項6】前記磁性流体は、鉄の熔融物を噴霧法によ
    り粉末化にした粒径#150以下であることを特徴とす
    る請求項3記載の磁性流体亀裂確認法に用いられる磁性
    流体。
  7. 【請求項7】前記磁性流体は、熱可塑性樹脂で粒子表面
    に被膜をしたものであることを特徴とする請求項1ない
    し請求項2記載の磁性流体地下亀裂確認法に用いられる
    磁性流体。
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