JP3538269B2 - 傾き検知センサ - Google Patents

傾き検知センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体の傾斜を検出する
ための傾き検知用のセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトインタラプタを利用した傾
き検知センサとして、図6に示すように、発光素子21
aとこれから発生された光を受光可能に発光素子21a
に対向状に設けられた受光素子21bとから成るフォト
インタラプタ21と、内部にフォトインタラプタ21を
収納可能なように上部22aが開放された樹脂成形体か
ら成る下部ケース22と、下部ケース22の上部22a
に装着された上部ケース23と、上部ケース23から下
部ケース22内に下方に向けて延設された軸受け23a
に軸支された支軸23bを中心に発光及び受光素子21
a,21b間で揺動可能に設けられた扇状の遮光板24
から成る構造が知られている。
【0003】この種の光センサは、支軸23bを介して
軸受け23aに軸支された遮光板24は、重力の作用で
支軸23bに対して常時下方に位置するので、傾斜を検
出すべき図示しない被検出体上に搭載または固定して使
用する場合、被検出体従って光センサが水平な状態また
は傾斜が一定以内である非傾斜状態にあるときは発光素
子21aから受光素子21bに向けて発生された光は遮
光板24にその光路が遮断されるので受光素子21bに
は光は受光されないが、被検出体がいずれか一方側に一
定の角度を超えて傾斜した場合には、遮光板24はその
傾斜に応じて下部ケース22に固定されたフォトインテ
ラプタ21に対して相対位置がずらされるので発光素子
21aから発生された光は遮光板24に遮断されずに受
光素子21b側で受光され、この受光により受光素子2
1bのリード端子間に電流が生起されて傾斜が検出され
るように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなフォトイ
ンテラプタを利用した光センサは、半導体技術や光素子
に関する技術の進展とともに需要も増大し、製造におけ
る部品点数の一層の減少や工程の単純化が強く求められ
ている。しかし、上述したような従来の光センサでは、
上部ケース23に遮光板24を設けるための軸受け23
aを設けなければならないと共に、これに軸支された支
軸23bに傾斜検出用の特定な形状に形成した遮光板2
4を一体的に形成しまたは別体に形成後組立により設け
なければならないので、機構的に複雑化し部品点数を一
定以下に減少させることが困難であり、製造工程の簡素
化も一定の程度を越えて行うことは困難である。
【0005】従って、本発明は、簡易な構造でありなが
ら被検出体の傾斜をより確実に検出可能な光センサを得
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、請求項1に記載の傾き検知センサは、光を発生する
発光部と、前記発光部からの光を受光する受光部と、
面に傾斜面を有すると共に、該傾斜面を挟んで該傾斜面
上に空間を形成するように上方に延びる一対の側壁を有
し、該一対の側壁に前記発光部と受光部とが相互に対向
して光を授受し得るように固定され基体と、該基体の
空間内に収納される球体と、前記基体の上部に装着され
蓋体とからなり、前記傾斜面の表面に、該傾斜面の延
設方向に沿って前記球体の一部が該傾斜面の表面より沈
み込むような凹溝が形成されていることを特徴とする。
【0007】前記傾斜面が、前記基体のほぼ中央部が谷
となり、相互に対向状に両側に傾斜する2つの傾斜面か
り、前記発光部及び前記受光部は前記傾斜面間の
に位置する前記球体に対し対称な位置に固定されるよ
うに設けられたり、前記発光部と前記受光部が、前記
体が前記傾斜面に沿って異なる位置にある場合のそれぞ
れの位置において、該球体に対し対称な位置に設けられ
たりする
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明による傾き検知セン
サについて実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明
する。本発明の検知センサは、図1に横断面を示すよう
に、供給された電気信号に応じて光を発生する発光部1
と、発光部1からの光を受光可能なように発光部1に対
向して設けられた受光部2と、発光部1と受光部2との
間に傾斜面が設けられるようにこれらを不透明樹脂を用
いて固定するように形成された基体3と、基体3に装着
された蓋体4と、基体3と蓋体4との間に移動可能に収
納された例えば鋼球から成る球体5と、から成る。
【0009】発光部1は、図2に具体的に示すように、
Fe等の導電体から成る一組のリード電極6a,6b
と、一方のリード電極6aの先端に形成されたタブ上に
Agペーストを介してボンデイングされた発光ダイオー
ド7と、発光ダイオード7と他方のリード電極6bとの
間を電気的に接続するAu線8とから成り、これらの発
光ダオード7及びAu線8はリード電極6a,6bの先
端と共に透明な樹脂により封止されて透明樹脂封止体9
を形成している。この樹脂封止体9は、不透明樹脂から
形成される基体に後述する光透過用の窓を設けるため
に、発光ダイオード7の近傍で前方に矩形状に突出され
た突出部9aが形成されている。
【0010】他方、受光部2についても、発光部で用い
た発光ダイオードの代わりに光が照射されることにより
そのリード電極間に電圧が発生されるフォトトランジス
タが使用されることを除けば、発光部1と同様に構成さ
れるので、その詳細な説明は省略する。基体3は不透明
な樹脂から形成され、表面には、図3に示すように、水
平面または基準面16に対して一定の角度θだけ傾斜す
るように形成された傾斜面14、14が、球体5の外形
の曲率に対応した曲面に形成された底部14aを挟んで
対向状に傾斜する2つの傾斜面に形成されている。発光
部1及び受光部2は、このような傾斜面14、14間の
底部14a上の位置(以下「基準位置」と呼ぶ)に静止
する球体5の存在または不存在を検知可能なように、同
位置の球体5に対して対称な位置にそれぞれ固定されて
いる。
【0011】このような発光部1及び受光部2が固定さ
れる基体3には、再び参照する図1に示すように、発光
部1が設けられる側に、透明樹脂9の突出部9aを介し
て発光ダイオード7から発生された光が受光部2に向け
て放射可能なように、発光部1の透明樹脂体9の突出部
9aに対応して窓3bが開口状に形成されている。同様
に、受光部2が設けられる側にも、発光ダイオード7か
ら発生された光をフォトトランジスタ10により受光可
能なように透明樹脂体13の突出部に対応して窓3c
形成されている。
【0012】傾斜面14、14には、凹溝15が底部1
4aを含む傾斜面14、14に全体的に一定の断面形状
で形成されている。凹溝15は、典型的には、同図に示
されるように、矩形状に形成される。より具体的には、
図4に示すように、例えば、傾斜面14の幅方向の寸法
W1を約1.3mmで且つ球体の直径Dを約1.0mm
に設定した場合、凹溝15は幅方向の寸法W2を約0.
7mmで且つ溝の深さdを約0.2mmのサイズに形成
することができる。
【0013】次に、上述のように構成された検知センサ
の作用について説明する。傾斜の存在または不存在を検
出すべき物体(被検知体)上に検知センサを搭載または
固定して使用する場合、当該被検出体、従って検知セン
サ、の傾斜が傾斜面14の基準面16に対する角度θよ
り小さな角度である間は、球体5は基準位置に静止し、
発光部1の発光点1aから放射された光は基準位置に存
在する球体5により遮断されて受光部2の受光点2aに
は光は伝達されない。
【0014】他方、検知センサが角度θを越えていずれ
かの方向に傾斜されると、球体5は凹溝15に沿って下
方に傾斜された側へ移動され端壁17に当接する傾斜位
置で静止する。このとき、発光部1及び受光部2間には
球体5は存在していないので、発光部1からの光は直接
的に受光部2に伝達され、受光部2のフォトトランジス
タから受光に応じた電流が発生される。
【0015】このように、被検知体が角度θを超えて傾
斜されたか否かは、発光部1からの光の受光部2により
発生される電流量を電気的に検出することにより容易に
認識することができる。このような被検知体の傾斜の検
出に際して、傾斜面14に凹溝15が形成されていない
場合には、発光部1の発光中心としての発光点1aから
の光は球体5の表面で入射角に応じて種々の方向に反射
されるのだが、反射光の一部は傾斜面等の基体の内面で
更に2次的に反射されて受光部2の受光中心としての受
光点2aに到達し、光入射時(検知センサの傾斜時)と
の間での受光部2の光検出による電気量の差を減少さ
せ、傾斜の検出を不確実化を招くおそれがある。
【0016】これに対して、本発明のように、傾斜面1
4に凹溝を形成することにより、傾斜時の球体5の移動
軌跡の規定のためのガイド溝として作用すると共に、球
体5の存在の認識に際して、発光点1aから発生された
光はやはり球体5の表面で入射角に応じた反射がなされ
るのだが、反射光の一部は凹溝15内に入射することに
より、傾斜面14を介した受光点への光量は効果的に減
少される。
【0017】このため、検知センサが傾斜された光入射
時との間での受光部2の光検出による電気量の差が増大
され、傾斜の検出をより確実にすることができる。尚、
上述の構成では、基体3の傾斜面14のみに凹溝15を
設けた例を示したが、本発明はこれに限られることな
く、蓋体4の内面を傾斜面14に対応するように突出状
の傾斜面で構成し、これに追加の凹溝を対応して設ける
ことにより、球体5の上側を介して伝達される光量もま
た減少させることができる。
【0018】次に、本発明の検知センサの発光部及び受
光部の配置について説明する。上述の構成では、図5
(a)に示すように、1組の発光部1及び受光部2を基
準位置での球体5に対応する単一の対称位置に固定した
が、このような構成では、傾斜状態の有無は検出できる
ものの、傾斜の方向性については検出することはできな
い。
【0019】これに対して、図5(b)に示すように、
上述のような発光部及び受光部1、2に代えてまたはこ
れに加えて、傾斜により一側の基体端壁17に当接する
球体5の傾斜位置に対して対称に固定された発光部及び
受光部1’、2’及び1”、2”をそれぞれ設けること
により、被検知体上に設置された検知センサがいずれの
方向に傾斜したかの傾斜の方向性も同時に検出可能にな
る。
【0020】尚、凹溝15は、上述した矩形状の断面の
ものに代えて、図6に示すように、種々の断面形状に形
成可能である。即ち、図6(a)に示すように、底面か
ら傾斜面上に向けて幅寸法が拡大するような形状に設け
てもよい。このような形状にすることにより、金型を使
用した場合の基体の製造工程が容易化される。また、同
図(b)及び(c)に示すように、円弧状の断面輪郭や
2辺から成る断面輪郭に形成してもよい。
【0021】尚、上述の実施の形態では、基体の傾斜面
を相互に対向する2つの傾斜面で形成した例を示した
が、本発明はこれに限られることなく、単一の傾斜面で
構成して任意の方向に対する傾斜の有無を検知可能なこ
とはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検知センサの横断面図である。
【図2】図1の検知センサの発光部を示す斜視図であ
る。
【図3】図1の検知センサの縦断面図である。
【図4】本発明の検知センサの作用をしめすための図で
ある。
【図5】本発明の検知センサの発光部及び受光部の固定
位置を示すための図である。
【図6】本発明の検知センサの凹溝の変形例を示す図で
ある。
【図7】従来の傾斜センサの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 発光部 2 受光部 3 基体 4 蓋体 5 球体 7 発光ダイオード 9 突出部 10 フォトトランジスタ 14 傾斜面 15 凹溝 16 基準面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−4962(JP,A) 特開 昭62−19771(JP,A) 特開 昭63−255611(JP,A) 実開 平4−61015(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 9/00 - 9/10 G01P 11/00 H01H 35/02 - 35/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を発生する発光部と、前記発光部から
    の光を受光する受光部と、底面に傾斜面を有すると共
    に、該傾斜面を挟んで該傾斜面上に空間を形成するよう
    に上方に延びる一対の側壁を有し、該一対の側壁に前記
    発光部と受光部とが相互に対向して光を授受し得るよう
    固定され基体と、該基体の空間内に収納される球体
    と、前記基体の上部に装着され蓋体とからなり、前記
    傾斜面の表面に、該傾斜面の延設方向に沿って前記球体
    の一部が該傾斜面の表面より沈み込むような凹溝が形成
    されてなる傾き検知センサ。
  2. 【請求項2】 前記傾斜面が、前記基体のほぼ中央部が
    谷となり、相互に対向状に両側に傾斜する2つの傾斜面
    からり、前記発光部及び前記受光部は前記傾斜面間の
    谷部に位置する前記球体に対し対称な位置に固定され
    請求項1に記載の傾き検知センサ。
  3. 【請求項3】 前記発光部と前記受光部が、前記球体が
    前記傾斜面に沿って異なる位置にある場合のそれぞれの
    位置において、該球体に対し対称な位置に設けられ
    求項1または2に記載の傾き検知センサ。
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