JP3538110B2 - 他励インバータ - Google Patents

他励インバータ

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JP3538110B2 JP2000074156A JP2000074156A JP3538110B2 JP 3538110 B2 JP3538110 B2 JP 3538110B2 JP 2000074156 A JP2000074156 A JP 2000074156A JP 2000074156 A JP2000074156 A JP 2000074156A JP 3538110 B2 JP3538110 B2 JP 3538110B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源から交流
電源を得る他励インバータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来における他励インバータのブロック
図を図4に示す。図5は、図4の各部の波形を示す説明
図である。
【0003】図4及び図5を用いて従来の技術を説明す
る。図4において、101は基準信号、102は他励イ
ンバータ回路、103は直流電源、104はキャリア信
号、105は負荷である。
【0004】他励インバータ回路102は、基準信号1
01の出力及びキャリア信号104の出力を用いて、直
流電源103を電源として、交流出力を負荷105へ供
給する。図5の(イ)に上記負荷105へ供給される交
流出力の波形を示す。このとき直流電源103から他励
インバータ回路102への入力電流は、負荷105へ出
力する交流の周波数の2倍の周波数をもつリップル電流
となり、該リップル電流のピーク値は直流入力電流の平
均値の約2倍になる。図5の(ロ)に直流電源103か
ら他励インバータ回路102への入力電流を示す。図5
の(イ)のabに図5の(ロ)のabが対応する。上記
のように直流電源103からの出力電源は、上記図5の
(ロ)に示す波形となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】直流電源の能力はピー
ク電流によって制限されるため、上記のように従来の他
励インバータでは、平均直流電流の約2倍のピーク電流
が流れるので、直流電源の有する容量の約半分しか利用
できない。また上記のように出力の交流の周波数の2倍
の周波数をもつ大きなリップル電流が流れるので、当該
他励インバータの近傍に他の回路装置がある場合は、雑
音源として悪影響を及ぼすことがある。
【0006】さらに、衛星等に搭載する太陽電池と電池
を併用した直流電源を用いる機器のような場合は、太陽
電池と電池との負荷分担がリップル電流の影響で不安定
になる等の問題点がある。
【0007】本発明は上記の問題点を解決するために、
直流電源の容量を最大限まで利用することを第1の目的
とする。
【0008】また、直流電源から他励インバータへの入
力電流のリップル電流を除くことを第2の目的とする。
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】上 記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明の請求項では、直流電源を
入力とし、基準信号の周波数に応じて交流電力を出力す
2系統の他励インバータ回路と、前記基準信号の出力
位相を可変抵抗の調節で可変させる移相回路を有し、
前記一方の他励インバータ回路に前記基準信号を加える
と共に前記他方の他励インバータ回路に前記移相回路の
出力を加える他励インバータであって、前記一方の他励
インバータ回路の出力に直列に容量性リアクタンスを挿
入した出力を、前記他方の他励インバータ回路の出力と
接続して1系統の出力とし、前記移相回路の可変抵抗の
調節で基準信号の出力を可変させて、前記2系統の他励
インバータ回路間の基準信号の位相差を、記直流電源
からの入力電流のリップル電流が零となるように設定し
ことを特徴とする
【0011】従って、上記請求項1に記載の他励インバ
ータによれば、2系統の他励インバータ回路の一方の出
力に直列にコンデンサを挿入して他方の他励インバータ
回路の出力と接続し、2系統の他励インバータ回路相互
間の基準信号の位相差を調節して、直流電源からの出力
電流のリップルを除くように移相回路を設定したもので
あるから、直流電源の有する容量をその上限まで利用で
き、また上記のように出力の交流の周波数の2倍の周波
数をもつ大きなリップル電流が流れないので、当該イン
バータの近傍に他の回路装置がある場合にも、雑音源と
して悪影響を及ぼすことがなく、さらに、衛星等に搭載
する太陽電池と電池を併用した直流電源を用いる機器の
ような場合は、太陽電池と電池との負荷分担がリップル
電流の影響で不安定になることを防止できるという効果
が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の前提の技術を示
す前提例で、2系統の交流を出力する他励インバータの
ブロック図である。図2は本発明の実施例を示し、2系
統の他励インバータ回路を有し、一方のインバータ回路
の出力に直列に容量性リアクタンスを挿入した出力を、
他方の他励インバータ回路の出力と接続して1系統の出
力とした他励インバータのブロック図である。図3は、
図1の各部の波形を示す説明図である。以下に本発明の
前提例を、図1及び図3を用いて詳細に説明する。
【0013】図1において、1は負荷5及び負荷7へ出
力する交流電流と同一の周波数を有する基準信号、2は
第1の他励インバータ回路、21は誤差増幅部、22及
び23は半波整流部、24は位相反転部、25及び26
はパルス幅変調部、27及び28は増幅部、29はフィ
ルタ、Tr1〜Tr4はトランジスタ、D1〜D4はダ
イオード、3は直流電源、4はキャリア信号、5は第1
の負荷、6は第2の他励インバータ回路であって、その
回路構成は第1の他励インバータ回路と同一である、7
は第2の負荷、8は移相回路、Rf及びRgは抵抗、R
は可変抵抗、Cはコンデンサ、ICは交流増幅器であ
る。直流電源回路A及びBは互いに接続されている。
【0014】次にその作用について説明すると、基準信
号1は、誤差増幅部21に加えられ、該基準信号1と、
負荷5へ出力される交流出力から誤差増幅部21へフィ
ードバックされる信号との振幅の誤差及び波形の誤差を
検出して、誤差信号を出力する。
【0015】誤差増幅部21の誤差信号の出力は半波整
流部22及び23に印加され、正の半波は半波整流部2
2を経てパルス幅変調部25へ印加される。パルス幅変
調部25は、キャリア信号4からの信号を用いて上記入
力パルス幅変調部25へ印加された信号をパルス幅変調
して、図3の(イ)のab間に示すパルスを出力する。
【0016】パルス幅変調部25の出力は増幅部27に
加えられ、増幅部27でトランジスタTr1及びトラン
ジスタTr3を駆動するために必要な電力に増幅して、
図3の(イ)に示すようにパルス幅変調したパルス波形
の出力をトランジスタTr1及びトランジスタTr3の
ベースに印加し、トランジスタTr1及びトランジスタ
Tr3は、該印加されたパルスに応じた時間オンオフを
繰り返し、下記回路を通じて電流を流す。即ち直流電源
3(+)―トランジスタTr1(コレクタ−エミッタ)
―フィルタ29―負荷5―フィルタ29―トランジスタ
Tr3(コレクタ−エミッタ)―直流電源3(−)の順
で流れる。
【0017】この時、上記電流はフィルタ29により濾
波されて、図3の(ロ)に示すaからbまでの実線で示
す半波の正弦波となり負荷5を流れる。
【0018】次に、誤差増幅部21から半波整流部23
に印加された、負の半波は半波整流部23を経て位相反
転部24で位相を反転し、パルス幅変調部26へ印加さ
れる。パルス幅変調部26は、キャリア信号4からの信
号を用いて上記パルス幅変調部26へ印加された信号を
パルス幅変調して、図3の(イ)のbc間に示す波形の
パルスを出力する。
【0019】パルス幅変調部26の出力は増幅部28に
加えられ、増幅部28でトランジスタTr2及びトラン
ジスタTr4を駆動するために必要な電力に増幅して、
図3の(イ)に示す波形のパルス幅変調したパルスをト
ランジスタTr2及びトランジスタTr4のベースに印
加し、トランジスタTr2及びトランジスタTr4は、
該印加されたパルスに応じた時間オンオフを繰り返し、
下記回路を通じて電流を流す。即ち直流電源3(+)―
トランジスタTr2(コレクタ−エミッタ)―フィルタ
29―負荷5―フィルタ29―トランジスタTr4(コ
レクタ−エミッタ)―直流電源3(−)の順で流れる。
【0020】この時、上記電流はフィルタ29により濾
波されて、図3の(ロ)に示すbからcまでの実線で示
す半波の正弦波となり負荷5を流れるが、負荷5に流れ
る電流の方向が、上記トランジスタTr1及びトランジ
スタTr3によって流れる電流と180度の位相差を生
じることになる。
【0021】上記動作が基準信号1の1サイクルの動作
で、負荷5に流れる電流は図3の(ニ)の実線のabc
(図3の(ロ)のabcと対応する)で示す区間の正弦
波となり以下同様な動作を繰り返し交流電流を出力す
る。
【0022】次に、基準信号1から移相回路8に印加さ
れた基準信号は、交流増幅器IC、抵抗Rg、可変抵抗
R及びコンデンサCからなる移相回路8で、可変抵抗R
により入力と出力の位相差が第1の他励インバータ回路
2から負荷5へ供給される交流と、第2の他励インバー
タ回路6から負荷7へ供給される交流との位相差が90
度になるように位相特性を設定し、第1の他励インバー
タ回路2へ印加した基準信号と位相が90度偏移した信
号に変換して第2の他励インバータ回路6へ出力する。
【0023】第2の他励インバータ回路6の動作は上記
第1の他励インバータ回路2と同様であるが、上記のよ
うに入力信号の位相が第1の他励インバータ回路2と9
0度偏移しているので、上記第2の他励インバータ回路
6への入力電流は図3の(ロ)の点線で示すようにな
り、負荷7に流れる電流は図3の(ニ)の点線で示すよ
うになる。
【0024】上記の結果、直流電源3には図3の(ロ)
に示す、実線と点線の電流の合計が流れ、図3の(ハ)
に示すように、(ロ)の波高値と同じ値の直流となりリ
ップルは除去される。
【0025】次に、図2を用いて本発明の実施の形態
ついて説明する。図2において、符号1乃至6,8及び
21乃至29は図1に示す部材と同様の部材なのでその
説明は省略する。9はコンデンサである。
【0026】第1の他励インバータ回路2の動作は、図
1における第1の他励インバータ回路2と同様である。
【0027】第2の他励インバータ回路6に基準信号1
から移相回路8を経て入力される信号は、図1の場合と
同様であるが、該第2の他励インバータ回路6の交流出
力はコンデンサ9を経て第1の他励インバータ回路2の
負荷5に接続されて、2系統の他励インバータの出力を
合わせて1個の負荷に供給するようになっている。この
状態で、移相回路8の可変抵抗Rを調節し、第1の他励
インバータ回路2と第2の他励インバータ回路6への入
力電流の合計、即ち直流電源3からの出力電流のリップ
ルがなくなり、図1の場合と同様な直流となるように第
2の他励インバータ回路へ印加する基準信号の位相を設
定するようにしたものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、2系統の他励イン
バータ回路の一方の出力に直列にコンデンサを挿入して
他方の他励インバータ回路の出力と接続し、2系統の他
励インバータ回路相互間の基準信号の位相差を調節し
て、直流電源からの出力電流のリップルを除くように
相回路を設定したものであるから、直流電源の有する容
量をその上限まで利用でき、また上記のように出力の交
流の周波数の2倍の周波数をもつ大きなリップル電流が
流れないので、当該インバータの近傍に他の回路装置が
ある場合にも、雑音源として悪影響を及ぼすことがな
く、さらに、衛星等に搭載する太陽電池と電池を併用し
た直流電源を用いる機器のような場合は、太陽電池と電
池との負荷分担がリップル電流の影響で不安定になるこ
とを防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提例を示すブロック図
【図2】本発明よりなる他励インバータの実施形態を示
すブロック図
【図3】図1の各部の電流波形を示す説明図
【図4】従来の技術の他励インバータのブロック図
【図5】図5の各部の電流波形を示す説明図
【符号の説明】
1 基準信号 2 第1の他励インバータ回路 3 直流電源 4 キャリア信号 5 第1の負荷 6 第2のインバータ回路 7 第2の負荷 8 移相回路 9 コンデンサ 21 誤差増幅器 22 半波整流部 23 半波整流部 24 位相反転部 25 パルス幅変調部 26 パルス幅変調部 27 増幅部 28 増幅部 29 フィルタ Rf 抵抗 Rg 抵抗 R 可変抵抗 C コンデンサ IC 交流増幅器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源を入力とし、基準信号の周波数
    に応じて交流電力を出力する2系統の他励インバータ回
    路と、前記基準信号の出力位相を可変抵抗の調節で可変
    させる移相回路を有し、前記一方の他励インバータ回
    路に前記基準信号を加えると共に前記他方の他励インバ
    ータ回路に前記移相回路の出力を加える他励インバータ
    であって、前記 一方の他励インバータ回路の出力に直列に容量性リ
    アクタンスを挿入した出力を、前記他方の他励インバー
    タ回路の出力と接続して1系統の出力とし、前記移相回
    路の可変抵抗の調節で基準信号の出力を可変させて、前
    記2系統の他励インバータ回路間の基準信号の位相差
    を、記直流電源からの入力電流のリップル電流が零と
    なるように設定したことを特徴とする他励インバータ。
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