JP3537134B2 - 環境保全型水路用ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

環境保全型水路用ブロックおよびその製造方法

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JP3537134B2
JP3537134B2 JP2000320677A JP2000320677A JP3537134B2 JP 3537134 B2 JP3537134 B2 JP 3537134B2 JP 2000320677 A JP2000320677 A JP 2000320677A JP 2000320677 A JP2000320677 A JP 2000320677A JP 3537134 B2 JP3537134 B2 JP 3537134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば公園やゴル
フ場のような自然環境が残る場所での水路や側溝を形成
する水路用ブロック(この水路用ブロックは側溝用ブロ
ックを含むものとする)に係るものであり、設置場所の
景観を害さず、人や生物に優しいと共に、山林の保全等
の環境問題や地域振興にも役立つ多自然型の環境保全型
水路用ブロック、およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】水路や側溝は、かつては土で形成されて
いたが、側壁部分の流出や欠損が繰り返されたために、
断面ほぼU形状のコンクリート製のブロックに代わって
いる。これは、水はけ・強度・耐久性等の機能面に優れ
るので、例えば道路の側溝のような場所では広く用いら
れている。
【0003】しかし、例えば公園やゴルフ場の如く、自
然環境が残る場所での水路や側溝を形成するブロック
は、コンクリートがそのまま露出した状態は、見た目に
不自然・不調和であるだけでなく、人特に子供や老人が
そこへ誤って落ちて身体をぶつけたような場合に大怪我
をすることがある。
【0004】またコンクリート製ブロックの水路や側溝
では、小動物や虫がそこへ落ち込むと自力で脱出できず
に死んでしまうし、水に接触してコンクリートから溶け
出したアリカリ成分等が、小魚・蛙・ゲンゴロウ・タニ
シその他の水路に生息する生物を害する等で、自然環境
にも優しくない。
【0005】そこで近時、建設省も自然の川がもつ構造
的な多様性を尊重し、生物の良好な育成環境に配慮して
環境保全を図る「多自然型川づくり」を提唱し、また
「コンクリートの無い川づくり」、「コンクリートの見
えない川づくり」を実施しつつある。それに基づいて、
コンクリートと木材とを組み合わせた水路用ブロックや
それに関連したものには、各種のものが提案されてい
る。
【0006】その1は、多数本の木材片の両端部に貫通
孔を設けてシャフトを挿通させて、水路溝の内面上に合
致させることのできる横断面をもつ水路形成枠を形成
し、それを水路溝の内面上へ配置して、木材片の間に形
成された開口部にコンクリート等を充填して固定するも
のである(特開平9−78557号公報参照)。
【0007】その2は、断面ほぼU形状に形成されたコ
ンクリートブロックの側壁天端部に取付け部を形成して
おき、そこに本木を横設したものである(特開平9−2
35718号公報参照)。
【0008】その3は、断面ほぼU形状のコンクリート
製ブロックの側壁部分に、頂辺部から切欠き部を形成し
ておき、該切欠き部に木材製の横柵部材を取り付けたも
のである(特開平9−242047号公報参照)。
【0009】その4は、皮付き丸太木材のおおよそ1/
2断面の延長線方向に複数個のドリル孔を設け、そこに
椎茸菌チップを入れて、他の断面をコンクリートに合着
したものである(登録実用新案公報第3066377号
公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
水路用ブロックやそれに関連したものには次のような欠
点・問題点があった。まず上記その1は、水路枠形の形
成に多数本の木材片の両端部に貫通孔を設けてシャフト
を挿通させる加工が必要であるし、枠形の開口部にコン
クリート等を流し込む作業を設置現場で行う必要があ
り、手間とコストがかかる。
【0011】また木材片間にコンクリートが露出してい
るので、設置場所が公園やゴルフ場等の自然の景観が残
っているところでは、見た目にやはり違和感があるし、
子供等が落ち込んだ際にコンクリート部分に身体をぶつ
けて怪我が大きくなるし、水との接触でコンクリートか
らアルカリ成分等が溶け出し、水路内に生息する生物に
とっては良い環境とは言えない。
【0012】上記その2は、断面ほぼU形状のコンクリ
ートブロックの天端部以外の部分はコンクリートが露出
するので、上記と同様に見た目にやはり違和感がある
し、子供等が落ち込んだ際にコンクリート部分に身体を
ぶつけて怪我が大きくなるし、水との接触でコンクリー
トからアルカリ成分等が溶け出し、水路内に生息する生
物にとってはやはり良い環境とは言えない。
【0013】上記その3は、断面ほぼU形状のコンクリ
ート製ブロックの側壁部分の一部に切欠き部を形成して
おき、該切欠き部にはめ込むように木材製の横桟部材を
取り付けている。そのため、コンクリート製ブロックと
横桟とは別体形成で、はめ込み取り付けたものであるか
ら、設置工事時や設置時に大きな外力が加わっると横桟
が外れる可能性があるし、切欠き部に間伐材等の木材を
用いたものでは横桟の隙間から水が漏れることが考えら
れる。
【0014】またコンクリート製ブロックの側壁の切欠
き部以外の内表面に、丸太や板材等を貼設または埋設す
るというものも記載されているが、図面の記載から見て
側壁の天端部から両内側面にだけに取付けられている。
これでは、渇水時等にはコンクリートが露出して見た目
にやはり違和感があるし、内側へ子供等が落ち込んだ際
にコンクリート部分に身体をぶつけて怪我をするし、か
つ水との接触でコンクリートからアルカリ成分等が溶け
出し、水路内に生息する生物にとってやはり優しくない
ものである。
【0015】上記その4は、皮付き丸太木材に設けた複
数個のドリル孔に椎茸菌チップを入れて、コンクリート
に合着したものであるが、これも図面の記載から見て側
壁の天端部から両内側面にだけに取付けられている。こ
れでは、木材が剥がれやすいし、上記のものと同様に渇
水時等にはコンクリートが露出して見た目にやはり違和
感があるし、内側へ子供等が落ち込んだ際にコンクリー
ト部分に身体をぶつけて怪我をする。また水との接触で
コンクリートからアルカリ成分等が溶け出し、水路内に
生息する生物にやはり良い環境とは言えない、等の問題
点がある。
【0016】本発明は、上記従来の水路用ブロックやそ
れに関連したものがもつ問題・欠点の解決を課題とした
ものである。即ち本発明の目的は、設置場所の景観を害
することなく、人や生物に優しいと共に、山林の保全等
の環境問題や地域振興にも役立つ、多自然型の環境保全
型水路用ブロック、およびその製造方法を提供しようと
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る環境保全型
水路用ブロックAは、前・後部と上部が開口したブロッ
ク本体1の内周面に、該ブロック本体1の前後長Lと等
しい長さlの複数本の木材2が、背面部をブロック本体
1内に埋設させてブロック本体1の内周面全体を覆う如
く横設されたものであって、上記ブロック本体1内での
各木材2は、背面部に長手方向へ複数本の抜止め金具3
が一部を突出させて並設されると共に、該各木材2の各
抜止め金具3が前後方向から見てほぼ放射状になる如く
配置された状態で、各木材2がブロック本体材料5と一
体成形で一体化されているものである。
【0018】本発明に係る環境保全型水路用ブロックの
製造方法は、複数本の木材2を、予定されるブロック本
体1の前後長Lと等しい長さlに切断すると共に、各木
材2に長手方向へ沿って複数本の抜止め金具3を一部が
突出した状態で立設し、該各木材2を、水路の凹溝の縦
断面と上下逆向き形状である中型7の外周面8に沿って
並べて、木材2で該中型7の外周面8を覆うと共に、各
木材2の抜止め用金具3が前後方向から見てほぼ等間隔
状になるようにし、その外側部に、ブロック本体1の外
側形状をなす一対の側壁型10を設置すると共に、各木
材2の前・後両端に当接する如く一対の前・後側型11
を設置し、上方の開口部30から流体状のブロック本体
材料5を投入し、均等に充填させると共に上面を平面状
にして養生させ、ブロック本体材料5の硬化後に上記各
型を取外して、上下逆向きにすることにより、ブロック
本体1内周部に木材2が一体成形で一体化された水路用
ブロックを形成するようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】上記構成の水路用ブロックAにお
いて、ブロック本体1は、前・後部と上部が開口し、凹
溝をもつものであれば、その形状を問わない。ブロック
本体1を形成する材料5は、充填時は流体状で後に硬化
するもので、通常はコンクリートを用いるが、必ずしも
それに限らず、例えば廃プラと称される再生プラスチッ
クでもよい。
【0020】ブロック本体1と一体成形で一体化される
木材2は、断面形状が丸形状のものが望ましいが、それ
に限らず多角形状であってもよい。また該木材2は、例
えば杉、檜、松等の間伐材を用いることが、コスト上で
有利であるだけでなく、未利用資源の有効利用や林業・
山間地域の活性化を図る上で望ましい。
【0021】各木材2はできるだけ真っ直ぐなものが良
いが、少しの曲がりや凹凸があっても、中型7の外周面
8へ並べる際に隣接の木材2との間で調整すればよい。
仮に木材2間に少しの隙間が生じて、充填したブロック
本体材料5がはみ出すことがあるなら、脱型後に掻き取
るようにすればよい。
【0022】上記木材2の太さは、ブロック本体1の大
きさによって多少の差はあるが、断面形状が円形のもの
なら、通常は直径が80〜120mm程度の木材2を用
いることが望ましい。同一の太さのものに限らず、やや
太いものと細いものを交互に並べてもよい。ブロック本
体1の前後長Lは、この木材2の太さとの関係から、通
常1000〜3000mm程度のものが望ましい。
【0023】上記各木材2の前後方向(長手方向)へ等
間隔状に立設してある複数本の抜止め金具3は、一旦打
ち込みまたはネジ込むと木材2から抜け出し難いもの
で、かつブロック本体1から抜け出し難いように頭部を
もつものが望ましい。例えば、周部がネジ状のスクリュ
ウ釘を用いることがよいが、それに限らず五寸釘のよう
なものでもよい。
【0024】格子状の金属線4とは、金属線4を格子状
に溶接したもので、溶接金網と呼ばれているものを用い
ることが望ましいが、それに限るものではない。該金属
線4と上記抜止め金具3との係止は、例えば針金等で結
束しておくのがよいが、それに限らない。またその結束
位置は抜止め金具3の頭部の直下部分とは限らない。
【0025】上記木材2とブロック本体1とを一体的に
形成する型枠としては少なくとも、予定される水路ブロ
ックAの凹溝の縦断面と上下逆向きの形状をした中型7
と、ブロック本体1の外側形状をなす一対のもので、そ
の外側部に設ける側壁型10と、各木材2の前・後両側
に設ける一対の前・後側型11を有するものを用いるの
がよい。
【0026】即ち、平板状の底型12上に中型7を立設
しておき(例えば図4,図6,図19参照)、中型7の
外周面8に沿って並べた複数本の木材2の外側に、ブロ
ック本体1の外側形状を形成する側壁型10を載置・固
定し(例えば図10,図24参照)、かつ木材2の前・
後端部に当接する如く前・後側型11を立設することで
(例えば図11,図12,図26参照)、組み立てられ
るようにしてあることが望ましい。
【0027】また上記中型7は、水路の凹溝の縦断面と
上下逆向きの形状をもつ縦板を立設したものでもよいが
(例えば図5,図19参照)、それに代えてまたはその
外周面8に沿う如く、板材をカマボコ型にしたものを用
いてもよい。該中型7の外周面8に沿って木材2を並べ
る際に木材2の転がりを防止するには、例えば中型7の
両側下部に載置する各一本の木材2を、段差部形成用に
その側方に置く横型9で係止したり(図7,図8参
照)、また同各木材2を転がり止板39でネジ止めで係
止しておいたりすればよい(図21,図22参照)が、
それに限るものではない。
【0028】上記の木材2に断面丸形状のものを用いる
場合は、表皮を剥がすと共に所要の寸法に切断しただけ
のものでよい。そのため、ここで使用する木材2は、加
工に手間がかからず、低コストで必要な木材を揃えるこ
とが可能となっている。また特に間伐材を使用する場合
には、未利用木材を有効利用することになって、山林保
全となるし、林業や山間地域の活性化にも役立つことに
なる。
【0029】この水路用ブロックAは、ブロック本体1
の内周面の全体を覆う如く木材2がに設けられているの
で、内周面にブロック本体1のコンクリート等が露出す
ることがない(上記図2・図3参照)。そのため、この
水路用ブロックAを例えば公園やゴルフ場などの水路に
用いた場合に、その場の自然の景観の中に溶け込んでお
り、見た目に違和感がなく、かつ人の心を癒し安らぎを
与えてくれるものになる。
【0030】また子供等がこの水路用ブロックA内へ落
ち込んで身体をぶつけても、内周面が木材2で覆われて
いるから、従来のコンクリートや廃プラ製の場合と異な
り、怪我をしないし、軽くて済むことになる。さらにこ
の水路用ブロックA内を流れる水が、コンクリート等と
接触しないから、アルカリ成分等の溶け出しも殆ど無
く、例えば小魚・蛙・ゲンゴロウ・タニシその他の水路
内に生息する生物に悪影響を及ぼすこともない。
【0031】内周面の各木材2として例えば断面丸形状
のものを用いておれば、各木材2間に複数の断面V形状
溝17が生じている(例えば上記図2・図3参照)が、
そこには土・砂・小石等が溜まり易いから、いずれ該V
形状溝17は埋まってきて水の流れはスムーズになる
し、そこに水草が生育し、より一層自然に溶け込んだ水
路が形成されていく。
【0032】この水路用ブロックAでは、内周面が木材
製で、かつ断面がいわば階段状に近い形に形成されてい
る(例えば上記図2参照)。そのため、従来のコンクリ
ート製の断面U型状の水路では、中に落ち込んだ蛙その
他の小生物が脱出し難く死んでしまったのと異なり、水
路内へはまり込んだ小生物の脱出が容易になっており
(例えば上記図3参照)、この面でも自然に優しい水路
になる。
【0033】上記ブロック本体1の内周面に設けた各木
材2には、前後方向へ複数本の抜止め金具3を一部が突
出した状態で立設し(例えば図5参照)、かつ各木材2
を中型7の外周面に沿って載置した際に、前後方向から
見て各抜止め用金具3がほぼ放射状、換言すればほぼ等
間隔状になるように並べてある(例えば8参照)。
【0034】そのため、該抜止め金具3もブロック本体
材料5で抱持されることになり、製造後のこの水路用ブ
ロックAの木材2は、ブロック本体1と一体成形で一体
化されていることに加えて、ブロック本体1内の抜止め
金具3によっても掛止されており、木材2がブロック本
体1から離脱することがない。これで、この水路用ブロ
ックAは、設置後も各木材2がブロック本体1から外れ
落ちることがなく、長期間の使用に耐えられるものにな
る。
【0035】また上記各木材2の抜止め金具3を、格子
状の金属線4と係止した状態にしてあると、製造工程中
に型枠内へブロック本体材料5を充填時に、内部に並べ
られた各木材2は位置ずれすること無く、ブロック本体
1と一体成形で一体化されるし(例えば図13参照)、
かつ完成後も各木材2がブロック本体1から一層離脱し
ないものになっている。そのため、水路用ブロックAと
してより長期間の使用に耐えられるものになる。なお各
木材2の両端部を、前・後側型11から木ネジ16その
他で係止してあれば(例えば図12参照)、木材2の位
置ずれの心配が一層なくなる。
【0036】さらに、製造工程時において両側最下段の
木材2両側に、該木材2より低い高さの横型9を設け、
各側壁型9をその上に設置して製造した場合には(例え
ば図8・図9参照)、型枠内へ投入・充填時されたブロ
ック本体材料5は、最下部分でも横型9上面にまでしか
達せず、両側最下段の木材2の下端位置までは届かない
(例えば図13参照)。そのため、この段階でのブロッ
ク本体1両側の下端面と、木材2の両側下部のものとの
間に段差が生じており(例えば図13,図14参照)、
後に段差部6が形成されることになる(例えば図15,
図16参照)。
【0037】上記の如く、ブロック本体1両側の上端面
1aと木材2の両側上部のものとの間に、横型9の高さ
に相当する段差部6が生じたものでは(例えば上記図1
6・図1参照)、この水路用ブロックAを設置工事時
に、ブロック本体1両側の上端面1aを利用して水平器
(水準器ともいう)36を載置することができる(例え
ば上記図1・図17参照)。そのため、ブロックAの前
後方向や左右方向の傾き具合を正確に確認しながら、設
置工事を行えるようになっている。
【0038】また上記の如くブロック本体1両側に段差
部6を有するものでは、設置工事時に、両側最上部の木
材2が地面と一致するまで埋設して、ブロック本体1両
側の上端面1a上の段差部6の部分にも土を盛るように
設置すればよい。これで、ブロック本体1両側の上端面
1aが隠れて、ブロック本体1が地表に露出しないよう
に設置されるから(例えば図2・図3参照)、上記の内
周面に加えて両側部もブロック本体1が全く露出しない
ことになり、より一層自然の景観の中に溶け込み、見た
目に違和感がなく、人の心を癒し安らぎを与えてくれる
と共に、人や生物に優しい水路となる。
【0039】なお、本発明に係る水路用ブロックAの凹
溝の縦断面形状は、半円形状のものに限らず、半楕円形
状でも、半多角形状のものでも構わないことは上記の通
りである。ブロック本体1が長めのもので、木材2の根
元側と先側で太さに差が生じるのであれば、木材2を根
元側と先側とが交互になるように並べればよいし、また
1本ではなく前後方向に2本以上を繋いで並べるように
してもよい。
【0040】
【実施例】本発明に係る環境保全型水路用ブロックAの
製造方法の実施例について述べるが、まず第1の実施例
は、ブロック本体1両側の上端面1a上に両側の木材2
との間に段差部6をもつ形状のものについてである。こ
こでは、ブロック本体1の前後長Lが約1000mm、
内側の凹溝の内周面が半径約200mmの断面半円形状
のものある。
【0041】ブロック本体1の内周面に設ける複数本の
木材2を用意するが、この木材2にはここでは杉の間伐
材を用いている。これは、安い価格で入手できると共
に、未利用となっている資源の有効利用により、林業や
山間地域の活性化を図る一助にもなるからである。
【0042】上記木材2は、ここでは外径が約100m
mで、前後長約1000mmのものを8本用意する。そ
れには、必要な太さをもつ間伐材を、枝を落とし表皮を
剥がした状態で所定長さに切断しておけばよく、木材2
の用意に手間がかからない。外径は多少の大小があって
もよい。
【0043】上記8本の各木材2に、図5で示す如く、
その前後方向(長手方向)へ沿って複数本ここでは5本
の抜止め金具3を、一部が突出した状態で立設してお
く。該抜止め金具3としては5寸釘でもよいが、ここで
は周部がネジ状で長さが約100mmのスクリュウ釘を
用いており、各木材2の前後方向へ一列で等間隔状に打
ち込んである。また各スクリュウ釘の突出は、ここでは
約40mmが突出した状態に立設してある。
【0044】上記各木材2を、型枠を用いてブロック本
体材料5と一体成形で一体化して製造するが、ここでは
図4で示したような鉄板製の型枠を用いており、縦・横
が1200×1200mm程度の正方形の平板状の底型
12上に、鉄板製の各型7,9,10,11等を組み立
て行う。
【0045】即ち、上記底型12には、中心を通る前後
方向に、高さ約80mmのガイド用縦板18を立設して
あり、かつ該底板12の左・右両側寄りに、横型固定用
の雌ネジ孔19を前後方向へ3個ずつ等間隔状に設けて
ある。
【0046】7は中型を示し、底板12上で前・後両端
から約200mmの各位置に、半径約200mmで中央
程高くなったほぼ半円形状の一対の板材で、図6でも示
した如く、ガイド用縦板18と直交状に立設してあり、
該中型7の外周面8に木材2を並べて載置するようにな
っている。
【0047】9は横型を示し、左・右対向状に設ける一
対のものからなり、ここでは前後方向へ約1000mm
の横長状で、高さ約50mmの垂直状部上の上板部に、
前後方向へ3個ずつの雌ネジ孔21を有すると共に、垂
直状部の下部から続く下板部に、上記底型12の各雌ネ
ジ孔19と対応して等間隔状に、左右方向へ長い取付け
用長孔23を3個ずつ設けてある。
【0048】10は側壁型を示し、左・右対向状に設け
る一対のものからなり、上記各横型9上に載置するもの
である。ここでは前後方向へ約1000mmの横長状
で、高さが約300mmのものであり、対向して設けた
状態で上部寄りほど接近する傾斜状部24を有し、垂直
状部を経た下板部に上記横型9の雌ネジ孔21に対応し
て等間隔状に、左右方向へ長い取付け用長孔25を3個
ずつ設けてある。また各傾斜状部24の前・後両側端
に、前後方向へ突出するガイド突片26を各々横設して
ある。
【0049】11は前・後側型を示し、前・後に対向状
に立設する一対のものからなり、高さが本発明の水路用
ブロックの高さと同じ約350mm、下端面の横幅が約
800mmの台形をした板状のものである。該前・後側
型11の下端中央部には、上記底型12のガイド用縦板
18を係合可能なガイド用縦凹所28を有する。
【0050】また該前・後側型11の上部寄りと側部寄
りには、該各側型11を立設状態で引き付けてネジ棒1
5を通挿し、ナット22で締め可能なネジ棒用孔20
と、上記側壁型10の各ガイド突片26を係合可能なガ
イド孔27とを各々形成してある。さらに、該各側型1
1には、上記中型7の半径より約50mm大きい半円弧
に沿って、木材2の端面へ木ねじ通挿用の小孔29を等
間隔状に20個程度を設けてある。
【0051】上記型枠を用いて水路用ブロックAを形成
する工程は、次のようになる。まず上記底型12上の前
・後部寄りに対向して立設したほぼ半円形状の各中型7
に、図7で示す如く、その周面8の両側に各一本の木材
2を横並びに載置し、該各木材2の外側に各横型9を、
内側の垂直状部が当接するように載置する。この状態で
該各横型9を、各取付け用長孔23から底型12の取付
け各雌ネジ孔19へボルト13を螺装し固定しておく。
【0052】次に、上記中型7の外周面8両側の各木材
2上から、該外周面8に沿って下段から順に他の木材2
を横並びに積み上げていき、図8で示す如く、外周面8
の全体を覆う如くほぼ半円弧状に並べる。その際、上記
両側の各一本の木材2の外側に各横型9を設けているの
で、各木材2は転がることが無く、他の木材2の積み上
げが容易に行える。
【0053】上記の場合に、中型7の外周端面が半径約
200mmのほぼ半円形状で、木材2の外径が約100
mmのものを8本並べることで、各木材2は中型7の外
周端面8に沿って殆ど隙間なくほぼ半円弧状に並ぶこと
になる(上記図8参照)。なお各木材2を並べた際に、
各木材2の抜止め金具3が前・後方向から見てほぼ放射
状で等間隔になるようにしておく(上記図8参照)。
【0054】次に、ここでは図9で示す如く、各抜止め
金具3の上方から格子状の金属線4を被せ、各抜止め金
具3と金属線4とを針金で結束しておく。各木材2と金
属線4との間隔は、ここでは約30mm程度になる。
【0055】その状態の両側方から、図10で示すよう
に、ここでは各側壁型10を各横型9上に載置して、各
側壁型10の水平状部の横長の各取付け用長孔25か
ら、ボルト14を横型9の雌ネジ孔21へ螺装して仮止
めしておく。
【0056】その後に、図11で示す如く、各前・後側
型11を、各ガイド用縦凹所28が底型12のガイド用
縦板18に係合し、かつ各ガイド用孔27を側壁型10
の各ガイド突片26に係合するようにして、各木材2の
前・後端面に当接する状態で位置決めする。この前・後
側型11を、図12で示すように、各ネジ棒用孔20か
らネジ棒15を通挿して、前後両側をナット22で締付
けて対向状に立設させると共に、この状態で上記各側壁
型10を横型9上で本締めしておく。
【0057】さらに、各前・後側型11の木ネジ通挿用
の各小孔29から、上記図12で示す如く、各木材2の
前・後の端面へ木ネジ16を螺装して各木材2を固定し
ておく。これで、型枠の組み立てが終わるが、両側壁型
10の上部間には、前後方向へ長めの開口部30が形成
されている。
【0058】次いで、図13で示すように、上記両側枠
壁10間の開口部30から、ブロック本体材料としての
コンクリート5を枠型内へ投入し、バイブレータ31で
振動を加えながら開口部30の高さまで一杯に充填す
る。これでコンクリート5は、抜止め金具3や格子状の
金属線4を包み込むと共に、各木材2間の背面側のV形
状溝間に入り込み、またその最下部分は横型9の水平状
部32上面の位置に達している。なおここでは、セメン
トとしては通常のポルトランドセメントを用いている。
【0059】その後、図14で示す如く、開口部30近
傍のコンクリート5を、コテで平坦状に均した状態で自
然養生させて硬化させ、脱型が可能な状態になれば上記
各型7,9,10,11,12を取り外し(図15参
照)、上下を逆向きに置けばよい(図16参照)。この
際に、内周部の各木材2間の隙間から表側へコンクリー
ト5がはみ出しておれば、掻き取っておけばよい。以上
により、ブロック本体材料5したがってブロック本体1
と内周面の木材2とが、一体成形で一体化された水路用
ブロックAの製造が完了する。
【0060】上記第1の実施例で、横型9や側壁型10
に左・右方向へ長い取付け用長孔23,25を形成して
あるのは、木材2の太さに応じて横型9の底型12に対
する取付け位置が異なり、またそれに応じて側壁型11
の横型9に対する位置が異なるので、それに対応するた
めである。これで、木材2の太さが異なるものを用いる
場合も、この型枠を用いることができる。
【0061】上記実施例の水路用ブロックAの設置工事
は、従来と同様に、図2・図3・図17で示す如く、地
面を堀って基礎砕石33を敷き、基礎コンクリート34
・敷モルタル35を設けて、その上に設置すればよい。
【0062】その際に該水路ブロックAの傾斜状態を確
認する必要があるが、前後方向の傾斜を見る水平器36
は、図1で示すように、段差部6をなすブロック本体1
の最上面1aに載置すればよく、また左右方向の傾斜を
みる水平器36は、図17で示す如く、ブロック本体1
両側最上面1a上に段差部6より高い介装物37を各々
載置し、その上面に水平器36を掛け渡せばよい。
【0063】そして、図18ないし図26に示すものは
第2の実施例であって、上記第1の実施例と同じ大きさ
のものについて説明するが、製造時に上記のような横型
9を用いず、また水路用ブロックA自体も図18で示す
如く、上記第1の実施例のような段差部6をもたぬ形状
のものである。
【0064】即ち、ここで用いる型枠は、まず底型12
上に立設した中型7は上記第1の実施例のものと同様
に、半径約200mmで中央程高くなったほぼ半円形状
の一対の板材で、外周面8に木材2を並べて載置するよ
うになっており、底板12上の前・後寄り位置に約80
0mmの間隔をおいて各々立設してある。
【0065】上記底型12や中型7に関して、上記第1
の実施例のものと異なる点は、図19で示す如く中型7
の両側下部に横桟38を平行状に横設してあることであ
る。該横桟38は、厚みが約25mm、横幅が各木材2
を載置可能な約60mmで、長さ(前後長)が上記ブロ
ック本体1の前後長Lや木材2の長さlと同じ約100
0mmとしてあり、前・後位置の各中型7の両側下部に
隣接して、底板12上に横設したものである。
【0066】製造方法は、上記第1の実施例のものと同
様の木材2を用意し、該各木材2の長手方向(前後方
向)に等間隔状で5本の抜止め金具(スクリュー釘)を
立設しておき、上記中型7両側の各横桟38上に、各1
本の木材2を載置する。
【0067】上記各木材2の転がりを防止するために、
ここでは図21で示すような、横幅約500mmの横長
の転がり止板39を、図22で示す如く、両側寄りの小
孔40から各木材2の前・後の側端面へ木ネジ41を螺
装して、両側の各木材2を連結して係止しておく。
【0068】次いで図23で示すように、上記両側の木
材2上から中型7の外周面8に沿って他の木材2を順次
に並べ、外周面8の全体を覆うように載置し、かつその
際に各木材2の抜止め金具3が前後方向からみて放射線
状になるように並べておく。その後、各木材2の各抜止
め金具3の上方から格子状の金属線4を被せ、各抜止め
金具3と金属線4とを針金で結束しておく。これらの点
は、上記第1の実施例と同様である。
【0069】次にその状態の両側方から、図24で示す
如く、ブロック本体1の外側形状を形成する一対の側壁
型10を対向状に、ここでは底型12上に直接に載置し
て、ボルト14を底型12へ螺装して各々固定してお
く。この各側壁型10は上記第1の実施例のものと異な
り、直接に底型12上へ設置するので、上記のものより
高いものとしてあるが、該各側壁壁10に前・後方向へ
ガイド突片26を突設してあることは、上記第1の実施
例のものと同様である。
【0070】次いで、図25で示すような一対の前・後
型11を、各木材2の前・後端面に当接するように設置
するが、該前・後型11の下部中央寄りには、上記の転
がり止板39を逃げるために、それが係合可能な大きさ
の横長状切欠き部42を形成してある。これで、各木材
2の前・後端面に転がり止板39を取り付けて有って
も、該前・後型11は各木材2の前・後端面に当接状に
立設可能である。
【0071】また該前・後側型11の両側寄りに、上記
各側壁型10の各ガイド突片26に対応するガイド用孔
27と、ネジ棒用孔20を設けてあり、かつ各木材2の
端面へ木ネジを螺装するために多数個の小孔16を設け
てあるのは(図25参照)、上記第1の実施例のものと
同様である。
【0072】そこで、図26で示すように、各前・後型
11の各ガイド用孔27を各側壁型10の各ガイド用突
片26に係合させて位置決めした状態で、前・後型11
の各ネジ棒用孔20間にネジ棒15を各々通挿し、ナッ
ト22で締付けることで、各前・後型11を側壁型10
の前・後端面にも接した状態で立設固定しておく。なお
図示は省略するが、各前・後型11の各小孔29から各
木材2の前・後端面へ木ネジを螺装して固定しておく。
これらの点も上記第1の実施例と同様である。
【0073】その状態で、図示は省略するが上記第1の
実施例と同様に、上方の開口部30からブロック本体材
料5としてのコンクリートを注ぎ込み、バイブレータを
かけながら充填させ(上記図13参照)、上面を平坦に
した状態で養生させ、脱型が可能になった状態で各型を
取り外し、上下を逆向きにすればよい。これで、図18
で示したような、ブロック本体材料したがってブロック
本体1とその内周面を覆う如く並ぶ木材2とが、一体成
形で一体化された水路用ブロックAが形成される。
【0074】なお、この第2の実施例では横型9を用い
ていないから、ブロック本体材料としてのコンクリート
はその下端部が底型12上まで達するから、この水路用
ブロックAは、上記図18で示した如く、ブロック本体
1両側の上端面1aと両側の木材2との間に、上記第1
の実施例のような段差部6は形成されていない。
【0075】しかし、上記中型7両側に横桟38を設置
して、その上に両側の木材2を載置して製造しているの
で、ブロック本体1の上端面1aは両側の木材2より
も、横桟38の厚み分だけ高くなっている。そのため、
木材2との境界部分のコンクリートが薄くならず、剥が
れ落ち難いものになっている。また、横桟38は前・後
の中型7間を連結する如く横設してあるので、充填時の
コンクリートがそこでせき止められことになり、木材2
の多少のゆがみにかかわらず、木材2とコンクリートと
の境界線は直線状に形成されている。
【0076】上記第1および第2の実施例での中型7
は、一対の板状のものを前・後に対向状に設けたことに
より、木材2にフシがあったり、少し曲がったもので
も、隣接の木材2の形状と巧く組み合わせて両中型7間
に掛け渡して載置すればよい。この面では、かまぼこ形
の中型とする場合よりも木材2に対する対応が広くなっ
ている。
【0077】上記各実施例では、木材2として、外径約
100mmのものを8本用いたが、ブロック本体1の横
幅や内周面の面積等に応じて外径や本数を変えることは
勿論であり、ブロック本体2の内周面に隙間なく設けら
れ、かつ両側最上部の木材2がブロック本体1両側の上
端面1aより上方へはみ出すように設けておく。
【0078】また、ブロックの形状は図示例のものに限
らず、側壁型10の形状を変えることで、底部を広くし
たり、持ち上げ時のクレーンのフック掛かり部を設けて
おいてももよいことは勿論である。
【0079】図示は省略したが、ブロック本体1の長手
方向の片側面には、水路用ブロックを長手方向に並べて
設置した際の接続部分から水漏れが生じるのを防止用
に、水漏れ防止パッキンを貼付してもよい。
【0080】さらに他の実施例としては、搬送が便利な
ように2分割式としてもよく、その場合は製造時に、格
子状の金属線4を前・後または左・右で別個のものにす
ると共に、前・後側型11の上部中央からまたは側壁型
10の上部中央から仕切り板(図示略)を差し入れた状
態で、ブロック本体材料5を投入・充填すればよい。
【0081】
【発明の効果】以上で明らかな如く本発明によれば、従
来のこの種のものと比べて、設置場所の自然の景観を害
さず、人や生物に優しいと共に、かつ山林の保全等の環
境問題や地域振興にも役立つ多自然型の係る環境保全型
水路用ブロックを製造することができる。
【0082】即ち、従来も間伐材等の木材を利用した水
路用ブロックは有ったが、それらは木材の加工に手間を
要したり、設置現場でコンクリートの流込み作業が必要
であったり、ブロック内周面でコンクリートが露出する
ため、公園やゴルフ場等に設置した際には不自然で景観
を害したり、水路内に子供等が落ち込むと硬いコンクリ
ート部分で怪我が大きくなったり、コンクリートが水に
接触して溶け出すアルカリ成分が水路に住む生物に悪影
響を与えたり、あるいはブロックの切欠き部にはめ込ん
だ木材が外れ易かったり、木材の隙間から水が漏れたり
するものであった。
【0083】これに対して、本発明に係る環境保全型水
路用ブロック製造方法、およびそれにより製造された水
路用ブロックは、次の効果を有する。 a)この水路用ブロックで用いる複数本の木材は、特別
な加工を施したりする必要がなく、特に間伐材を用いた
場合でも、表皮を剥がされたものを所定の長さに切断し
ただけで良い。また予め工場で木材とブロック本体と一
体成形して製造できるので、水路設置現場での作業が楽
になる。そのため、コスト上で有利であるだけでなく、
未利用資源である間伐材を有効利用することができ、林
業・山間地域の活性化を図ることもできる。
【0084】b)この水路用ブロックでは、ブロック本
体の内周面の全体を覆う如くに複数本の木材を並べて設
けてある。そのため、例えば公園やゴルフ場などに設置
した場合でも、内周面にコンクリート等のブロック本体
が全く露出しないから、従来のものと異なり、その場の
自然の景観の中に溶け込み、見た目に違和感がなく、人
の心を癒し安らぎを与えてくれる水路を設置することが
できる。
【0085】c)この水路用ブロックは内周面が複数本
の木材で形成されていることから、この水路近くで遊ん
でいた子供がこの水路用ブロック内へ落ち込んだような
場合に、身体がぶつかっても怪我をしなかったり軽い怪
我で済むことになる。また水路内を流れる水がコンクリ
ート等に殆ど接触しないから、アルカリ成分等の有害成
分の溶け出しが殆どなく、小魚・蛙・ゲンゴロウ・その
他の水路内に生息する生物に悪影響を及ぼすことがな
く、人や生物に優しい水路にできる。
【0086】d)ブロック本体の内周面に設ける木材
を、特に断面丸形材とした場合には、隣接の木材との間
に断面V形状の溝が生じる。そのため、この溝内に土・
砂・小石等が堆積し易く、そこに草・コケ・藻等が育成
し易くなっており、この面でも周りの自然に調和すると
ともに、水路内に小魚・蛙・ゲンゴロウ・その他の生物
が生息し易い環境をつくることになる。
【0087】e)ブロック体内周部の複数本の各木材
は、その背面に立設した複数本の抜止め金具を設けてあ
り、型枠内でコンクリート等のブロック本体材料と一体
成形で一体化してある。そのため、製造後に水路用ブロ
ックとして設置した場合に、各木材がブロック本体から
外れ落ちることを無くせるから、従来のものと異なり、
この水路用ブロックは長期間の使用に耐えることができ
る。
【0088】f)さらに、上記各木材の背面に立設した
複数本の抜止め金具を、格子状の金属線と係止させてあ
れば、製造工程で枠型内へコンクリート等を充填時に
は、並べてある各木材の位置ずれが生じ無くなるし、か
つ水路用ブロックとして設置後も、各木材がブロック体
から外れ落ちることがより一層無くなり、長期間の使用
に耐えられるものとなる。
【0089】g)両側最上部の木材を、ブロック本体両
側の上端面との間に段差をもつように設けてあれば、こ
の水路用ブロックを設置時に、両側最上部の木材が地面
と一致するまで埋設した状態で、凹んだ段差の部分に土
を盛って設置すれば、ブロック本体両側の上端面も完全
に隠れることになる。これで従来のものと異なり、内周
面と共に両側上端面でもブロック本体が表面に全く露出
しない状態に設置できることになり、設置場所の自然の
景観に一層溶け込み、より一層見た目に全く違和感がな
く、人の心を癒し安らぎを与えてくれる水路を設置する
ことができる。
【0090】h)この水路用ブロックで、ブロック本体
両側の上端面と両側最上部の木材との間に段差部を形成
したものでは、この水路用ブロックの設置工事時に、ブ
ロック本体の両側上端面に水平器を載置して、前後方向
や左右方向の傾き状態を確認できるので、設置工事をよ
り正確に行うことができる。
【0091】i)この水路用ブロックは、内周面の全体
を覆う如く複数本の木材を一体成形で埋設したものであ
るから、仮に少し曲がった間伐材を利用したような場合
に、並んだ各木材間に僅かな隙間があったとしても、そ
の隙間はブロック本体で言わば裏打ちされている。その
ため従来のものと異なり、この水路用ブロックの各木材
間の隙間から水が漏れ出してしまうようなことが無くな
っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水路用ブロックの第1の実施例を
示す斜視図である。
【図2】図1で示した水路用ブロックの設置状態例を示
す斜視図である。縦断面図である。
【図3】図1で示した水路用ブロックの設置状態例を示
す縦断面図である。
【図4】図1で示した水路用ブロックの製造に用いた型
枠の実施例を示す組立て前の状態を示す斜視図である。
【図5】図1で示した水路用ブロックに用いた抜止め金
具付き木材の実施例を示す斜視図である。
【図6】図1で示した水路用ブロックの製造で用いた底
型と中型を示す一部縦断正面図である。
【図7】図6で示した中型の外周部両側に木材を載置し
て、横型を設置した状態を示す一部縦断正面図である。
【図8】図7で示した中型外周両側の木材から中型の外
周部に沿って他の木材を並べた状態を示す一部縦断正面
図である。
【図9】図8で示した状態の木材の抜止め金具に、格子
状の金属線を係止させた状態の一部縦断正面図である。
【図10】図9で示した状態の格子状金属線の両側に、
側壁型を設置固定した状態の一部縦断正面図である。
【図11】図10で示した状態の側枠型の前・後部に、
前・後側型を設置固定して組み立てた状態の一部縦断正
面図である。
【図12】図11で示した状態の一部縦断側面図であ
る。
【図13】図11で示した状態の型枠内に、ブロック本
体材料を投入時の状態を示す一部縦断正面図である。
【図14】図13で示した状態からブロック本体材料が
充填され、養生中の状態を示す一部縦断正面図である。
【図15】ブロック本体材料を養生後に各型を外した状
態の実施例を示す一部縦断正面図である。
【図16】製造された本発明に係る水路用ブロックの実
施例を示す縦断正面図である。
【図17】上記水路用ブロックの設置工事の状態例を示
す縦断正面図である。
【図18】本発明に係る水路用ブロックの第2の実施例
を示す正面図である。
【図19】図18で示した水路用ブロックの製造に用い
た中型と底型を示す一部縦断正面図である。
【図20】図19で示した中型両側の横桟上に、木材を
各載置した状態の一部縦断正面図である。
【図21】第2の実施例で用いた転がり止板の斜視図で
ある。
【図22】図21で示した転がり止板で木材を固定した
状態の一部縦断正面図である。
【図23】図22で示した状態の中型外周面に、複数本
の他の木材を載置した状態の一部縦断正面図である。
【図24】図23で示した状態の各木材の抜止め金具に
金属線を係止させ、かつ両外側に側壁型を設置した状態
を示す一部縦断正面図である。
【図25】第2の実施例で用いた前・後型の正面図であ
る。
【図26】図24で示した状態の側壁型の前・後端部
に、図25で示した前・後型を立設固定した状態の一部
縦断正面図である。
【符号の説明】
A−水路用ブロック 1−ブロック本体 1a−上端面 2−木材 3−抜止め金具 4−金属線 5−ブロック本体材料 6−段差部 7−中型 8−外周部 9−横型 10−側壁型 11−前・後型 12−底型 13−ボルト 14−ボルト 15−ネジ棒 16−木ネジ 17−V形状溝 18−ガイド用縦板 19−雌ネジ孔 20−ネジ棒用孔 21−雌ネジ孔 22−ナット 23−取付け用長孔 24−傾斜状部 25−取付け用長孔 26−ガイド凸片 27−ガイド用孔 28−ガイド用縦凹所 29−小孔 30−開口部 31−バイブレータ 32−水平状部 33−基礎砕石 34−基礎コンクリート 35−敷モルタル 36−水平器 37−介装物 38−横桟 39−転がり止板 40−小孔 41−木ネジ 42−切欠き部 L−前後長 l−長さ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前・後部と上部が開口したブロック本体1
    の内周面に、該ブロック本体1の前後長Lと等しい長さ
    lの複数本の木材2が、背面部をブロック本体1内に埋
    設させてブロック本体1の内周面全体を覆う如く横設さ
    れたものであって、 上記ブロック本体1内での各木材2は、背面部に長手方
    向へ複数本の抜止め金具3が一部を突出させて並設され
    ると共に、該各木材2の各抜止め金具3が前後方向から
    見てほぼ放射状になる如く配置された状態で、各木材2
    がブロック本体材料5と一体成形で一体化されているこ
    とを特徴とする、環境保全型水路用ブロック。
  2. 【請求項2】前・後部と上部が開口したブロック本体1
    の内周面に、該ブロック本体1の前後長Lと等しい長さ
    lの複数本の木材2が、背面部をブロック本体1内に埋
    設させてブロック本体1の内周面全体を覆う如く横設さ
    れたものであって、 上記ブロック本体1内での各木材2は、背面部に長手方
    向へ複数本の抜止め金具3が一部を突出させて並設され
    ると共に、該各木材2の各抜止め金具3が前後方向から
    見てほぼ放射状になる如く配置され、 かつ該各抜止め金具3がその外周に設けた格子状の金属
    線4と係止された状態で、各木材2がブロック本体材料
    5と一体成形で一体化されていることを特徴とする、環
    境保全型水路用ブロック。
  3. 【請求項3】前・後部と上部が開口したブロック本体1
    の内周面に、該ブロック本体1の前後長Lと等しい長さ
    lの複数本の木材2が、背面部をブロック本体1内に埋
    設させてブロック本体1の内周面全体を覆う如く横設さ
    れたものであって、 上記ブロック本体1内での各木材2は、背面部に長手方
    向へ複数本の抜止め金具3が一部を突出させて並設され
    ると共に、該各木材2の各抜止め金具3が前後方向から
    見てほぼ放射状になる如く配置され、 かつ、上記ブロック本体1両側の上端面1aを、両側最
    上部の木材2のほぼ上半部より低くして、段差部6をも
    つように形成されたことを特徴とする、環境保全型水路
    用ブロック。
  4. 【請求項4】前・後部と上部が開口したブロック本体1
    の内周面に、該ブロック本体1の前後長Lと等しい長さ
    lの複数本の木材2が、背面部をブロック本体1内に埋
    設させてブロック本体1の内周面全体を覆う如く横設さ
    れたものであって、 上記ブロック本体1内での各木材2は、背面部に長手方
    向へ複数本の抜止め金具3が一部を突出させて並設され
    ると共に、該各木材2の各抜止め金具3が前後方向から
    見てほぼ放射状になる如く配置され、 該各抜止め金具3がその外周に設けた格子状の金属線4
    と係止された状態で、各木材2がブロック本体材料5と
    一体成形で一体化され、 かつ、上記ブロック本体1両側の上端面1aを、両側最
    上部の木材2のほぼ上半部より低くして、段差部6をも
    つように形成されたことを特徴とする、環境保全型水路
    用ブロック。
  5. 【請求項5】複数本の木材2を、予定されるブロック本
    体1の前後長Lと等しい長さlに切断すると共に、各木
    材2に長手方向へ沿って複数本の抜止め金具3を一部が
    突出した状態で立設し、 該各木材2を、水路の凹溝の縦断面と上下逆向き形状で
    ある中型7の外周面8に沿って並べて、木材2で該中型
    7の外周面8を覆うと共に、各木材2の抜止め用金具3
    が前後方向から見てほぼ等間隔状になるようにし、 その外側部に、ブロック本体1の外側形状をなす一対の
    側壁型10を設置すると共に、各木材2の前・後両端に
    当接する如く一対の前・後側型11を設置し、上方の開
    口部30から流体状のブロック本体材料5を投入し、均
    等に充填させると共に上面を平面状にして養生させ、 ブロック本体材料5の硬化後に上記各型を取外して、上
    下逆向きにすることにより、 ブロック本体1内周部に木材2が一体成形で一体化され
    た水路用ブロックを形成するようにした、環境保全型水
    路用ブロックの製造方法。
  6. 【請求項6】複数本の木材2を、予定されるブロック本
    体1の前後長Lと等しい長さlに切断すると共に、各木
    材2に長手方向へ沿って複数本の抜止め金具3を一部が
    突出した状態で立設し、 該各木材2を、水路の凹溝の縦断面と上下逆向き形状で
    ある中型7の外周面8に沿って並べて、木材2で該中型
    7の外周面8を覆うと共に、各木材2の抜止め用金具3
    が前後方向から見てほぼ等間隔状になるようにし、 各木材2の抜止め金具3の外周を覆う如く格子状の金属
    線4を設けて、該金属線4を上記各抜止め金具3と係止
    させ、 その外側部に、ブロック本体1の外側形状をなす一対の
    側壁型10を設置すると共に、各木材2の前・後両端に
    当接する如く一対の前・後側型11を設置し、 上方の開口部30から流体状のブロック本体材料5を投
    入し、均等に充填させると共に上面を平面状にして養生
    させ、 ブロック本体材料5の硬化後に上記各型を取外して、上
    下逆向きにすることにより、 ブロック本体1内周部に木材2が一体成形で一体化され
    た水路用ブロックを形成するようにした、環境保全型水
    路用ブロックの製造方法。
  7. 【請求項7】複数本の木材2を、予定されるブロック本
    体1の前後長Lと等しい長さlに切断すると共に、各木
    材2に長手方向へ沿って複数本の抜止め金具3を一部が
    突出した状態で立設し、 各一本の木材2を、水路の凹溝の縦断面と上下逆向き形
    状である中型7の外周面8両側に載置すると共に、その
    載置した各木材2外側に該木材2の外径より低い高さの
    横型9を設置し、 他の木材2を、上記載置した各木材2上から中型7外周
    面8に沿って並べて、木材2で該中型7の外周面8を覆
    うと共に、各木材2の抜止め用金具3が前後方向から見
    てほぼ等間隔状になるようにし、 その外側部に、ブロック本体1の外側形状をなす一対の
    側壁型10を、上記各横型9上に設置すると共に、各木
    材2の前・後両端に当接する如く一対の前・後側型11
    を設置し、 上方の開口部30から流体状のブロック本体材料5を投
    入し、均等に充填させると共に上面を平面状にして養生
    させ、 ブロック本体材料5の硬化後に上記各型を取外して、上
    下逆向きにすることにより、 ブロック本体1内周部に木材2が一体成形で一体化され
    た水路用ブロックを形成するようにした、環境保全型水
    路用ブロックの製造方法。
  8. 【請求項8】複数本の木材2を、予定されるブロック本
    体1の前後長Lと等しい長さlに切断すると共に、各木
    材2に長手方向へ沿って複数本の抜止め金具3を一部が
    突出した状態で立設し、 各一本の木材2を、水路の凹溝の縦断面と上下逆向き形
    状である中型7の外周面8両側に載置すると共に、その
    載置した各木材2外側に該木材2の外径より低い高さの
    横型9を設置し、 他の木材2を、上記載置した各木材2上から中型7外周
    面8に沿って並べて、木材2で該中型7の外周面8を覆
    うと共に、各木材2の抜止め用金具3が前後方向から見
    てほぼ等間隔状になるようにし、 各木材2の抜止め金具3の外周を覆う如く格子状の金属
    線4を設けて、該金属線4を上記各抜止め金具3と係止
    させ、 その外側部に、ブロック本体1の外側形状をなす一対の
    側壁型10を、上記各横型9上に設置すると共に、各木
    材2の前・後両端に当接する如く一対の前・後側型11
    を設置し、 上方の開口部30から流体状のブロック本体材料5を投
    入し、均等に充填させると共に上面を平面状にして養生
    させ、 ブロック本体材料5の硬化後に上記各型を取外して、上
    下逆向きにすることにより、 ブロック本体1内周部に木材2が一体成形で一体化され
    た水路用ブロックを形成するようにした、環境保全型水
    路用ブロックの製造方法。
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