JP3535220B2 - オレフィン重合化触媒の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合化触媒の製造方法

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JP3535220B2 JP16022694A JP16022694A JP3535220B2 JP 3535220 B2 JP3535220 B2 JP 3535220B2 JP 16022694 A JP16022694 A JP 16022694A JP 16022694 A JP16022694 A JP 16022694A JP 3535220 B2 JP3535220 B2 JP 3535220B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は チーグラー−ナッタ型
触媒の製造方法および触媒を使用するオレフィンの
(共)重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チーグラー−ナッタ型触媒は、チタニウ
ムまたはバナジウムのような遷移金属の化合物を含有す
る固形触媒成分および一般にマグネシウム化合物および
元素の周期分類の1乃至3及び11乃至13族に属する
金属の有機金属化合物に基づく助触媒成分から構成され
ていることは公知である。
【0003】オレフィンの(共)重合方法、特にエチレ
ンを、少なくとも3個の炭素原子を含有する少なくとも
1種の他のオレフィンと、液体炭化水素の懸濁液または
ガス相中で、(共)重合体の融点よりも低い温度で、共
重合する方法におけるこのような触媒を使用することも
また公知である。一般に、共重合体は、共単量体構成単
位が相対的に低い均質性で、もしくは非常に統計的でな
い形で分布するマクロ分子構造を有している。そこか
ら、与えられた密度および与えられた重量平均分子量の
ために、共重合体は相対的に高い共単量体含量と相対的
に高い融点の両方を有している。共単量体構成単位の相
対的に低い均質性の分布もまた、このような共重合体か
ら調製されたフイルムの一定の機械的性質を弱め、且つ
例えば沸騰n−ヘキサン中の可溶物の水準を高める効果
を有している。
【0004】欧州特許出願公開第0099774号公報
において、遷移金属およびエチレンのようなオレフィン
を使用するマグネシウム化合物を含有する固形触媒成分
の後処理が提案されている。本件において、オレフィン
は固形触媒成分の調製中には用いられない。
【0005】米国特許第4442225号公報は、
(i)有機マグネシウム化合物または有機マグネシウム
化合物と有機アルミニウム化合物の混合物またはそれら
の反応生成物が、(ii)ハロゲン化剤とチタニウム化
合物の混合物と、(iii)電子供与体化合物および
(iv)アルファ−オレフィンの存在において反応して
なるチーグラー触媒の固形触媒成分を調製する方法を開
示している。しかしながら、有機マグネシウム化合物ま
たは反応生成物の混合物は、高度に単一の分子直径、良
好な流動率、容易に分解しない、高度の重合活性、高い
立体特異性重合体生産性および高いバルク密度を有する
オレフィン重合のために好適な固形触媒成分を調製する
ための溶液の状態で用いられる。
【0006】欧州特許出願公開第0002522号公報
は、ブテン−1を、チタニウムハライド、ルイス塩基、
無水マグネシウムまたは塩化第1マンガンおよび不飽和
添加剤、例えばオレフィンの粉砕された混和物を包含す
る固形触媒と重合する方法を開示している。しかしなが
ら、マグネシウム化合物はチタニウムハライドに対して
還元力を有していない。この固形触媒は、むしろ高い温
度よりも低い重合温度でブテン−1重合の生産性を高め
るのに好適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の課
題は、特に懸濁液またはガス状相中でエチレンと、
(共)重合体構成単位が特に均質または統計的な方法で
マクロ分子構造中に分布している少なくとも1種の他の
オレフィンとの共重合体を製造できる、高い活性でオレ
フィンを重合することによるチーグラー−ナッタ型触
媒、特に遷移金属化合物およびマグネシウム化合物に基
づく固形触媒成分の調製である。
【0008】本発明のもう一つの課題は、懸濁液または
ガス状相中でエチレンと、相対的に低い融点および密度
および重量平均分子量のようなこれ以上変わらない特性
のために相対的に低い共単量体含量を有する少なくとも
1種の他のオレフィンとの共重合体を製造できるチーグ
ラー−ナッタ型触媒の調製である。
【0009】本発明のもう一つの課題は、特に共重合体
がフイルム中に転換される場合の裂け抵抗性および衝撃
に対する強度のような特性および低い程度の沸騰n−ヘ
キサン可溶性を改善する、懸濁液またはガス状相中で、
エチレンと少なくとも1種の他のオレフィンとの共重合
体を製造できるチーグラー−ナッタ型触媒の調製であ
る。
【0010】本発明のもう一つの課題は、懸濁液または
ガス状相中で、前述したような有利な特性を有する共重
合体の製造可能なチーグラー−ナッタ型触媒を用いてエ
チレンを少なくとも1種の他のオレフィンと共重合する
方法である。
【0011】本発明の課題は、先ず第1に、i)元素の
周期分類の4、5または6族に属する遷移金属(TM)
の化合物(A)の少なくとも1種をii)マグネシウム
化合物を包含し、且つ遷移金属(TM)について還元力
を有している固形生成物(B)とiii)少なくとも1
種のオレフィンの存在下に接触させ、該接触の間にオレ
フィンが少なくとも部分的に重合することを特徴とする
チーグラー−ナッタ型触媒の固形触媒成分の製造方法に
おいて、化合物(A)が、式Me(OR)
m−n[式中、Meはチタニウム、バナジウムまたはク
ロミウムであり、Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、
RはC〜C14の芳香族、シクロアルキルまたはアル
キル基、またはR′がC〜C14の芳香族、シクロア
ルキルまたはアルキル基であるCOR′基であり、
“m”は遷移金属の原子価に相当し、そして“n”は
“m”と同等以下の整数または分数である]に相当し、
固形生成物(B)がマグネシウム金属及び式MgR
2−n[式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、R
はC〜C14の芳香族、シクロアルキルまたはアルキ
ル基、またはR′がC〜C12の芳香族、シクロアル
キルまたはアルキル基であるCOR′基であり、そして
“n”は0〜2の範囲の整数または分数である]の化合
物から選択されるマグネシウム化合物からなり、遷移金
属(TM)に対して還元力を有し、元素の周期分類の1
乃至3及び11乃至13族金属の有機金属化合物を包含
することを特徴とする、オレフィンの共重合に適したチ
ーグラー−ナッタ型触媒の固形触媒成分の製造方法であ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】チーグラー−ナッタ触媒
の後処理、即ちオレフィンが予め形成された固形触媒成
分と接触する後処理が、オレフィンを用いて実施され、
且つ一般に“重合”の用語で知られているのと異なり、
本発明においてオレフィンは、固形触媒成分の調製中
に、換言すれば“重合”の用語で知られる工程の前に使
用される。チーグラー−ナッタ触媒の固形触媒成分が、
この調製中に、少なくとも後の部分が重合するような条
件下、オレフィン雰囲気下に調製される時、この成分を
用いて得られたエチレン共重合体がより一層均質且つ統
計的である共単量体の分布を有することが驚異的に見出
された。かくして、もし、固形触媒成分の調製中に遷移
金属に基づく触媒の位置が同時に固形成分に固定され且
つ調製の条件下、少なくとも部分的に重合するオレフィ
ンにより活性化されれば、エチレン共重合体の質を非常
に顕著に改善できることが発見された。
【0013】本発明の方法は、調製のための不活性媒
質、例えばオレフィン重合におけるチーグラー−ナッタ
触媒の活性を阻害することが知られている、水のような
実質的に毒のない液状またはガス状の不活性媒質中で実
施できる接触を包含する。ガス状の媒質は、固形触媒成
分、例えば窒素または固形触媒成分の調製条件下、ガス
状である例えば1〜4個の炭素原子、特にメタン、エタ
ンもしくはプロパンを含有する軽アルカンの構成分につ
いて不活性であるガスである。ガス状媒質中での接触
は、機械的に攪拌される乾式反応器および/またはガス
状媒質もまた流動化ガスとして作用することができる流
動層反応器で実施できる。
【0014】しかしながら、成分を、固形触媒成分の調
製条件下、特に液体である調製用の不活性媒質に共に導
くことが好ましい。液体媒質は、オレフィン重合におけ
るチーグラー−ナッタ触媒の活性を阻害することが知ら
れている水のようにいかなる毒からも実質的に自由であ
る。液体媒質は、固形触媒成分の構成分について実質的
に不活性である液体、特に例えば4〜10個の炭化水
素、特にn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、n−オクタンまたはこれらアルカンの混
合物を含有するアルカンまたはシクロアルカンのような
液体炭化水素であってもよい。液体媒質中での接触は、
好ましくは機械的な攪拌器システムおよび液体媒質を加
熱または冷却するためのダブルジャケットを備えた反応
器で実施することができる。
【0015】処理では、容易に還元できる遷移金属、好
ましくはチタニウム、バナジウムまたはクロミウムから
選択できる遷移金属(TM)の少なくとも1種の化合物
(A)を使用する。遷移金属(TM)は、その最大原子
価において、または金属がさらに低い原子価に還元でき
ることを条件に、これより近接して低い原子価において
さえ使用することができる。しかしながら、その最大原
子価において遷移金属を使用するのが好ましい。遷移金
属(TM)は、例えば4価のチタニウムまたは3価のチ
タニウム、バナジル基に属する5価または4価のバナジ
ウム、4価または3価までものバナジウムまたは5価の
クロミウムであってもよい。
【0016】遷移金属の化合物(A)は、調製の条件
下、好ましくは接触させるために液体媒質に混和または
溶解し得る液体の形で使用できる。この化合物(A)は
また、接触させるために液体媒質に溶解できることを条
件に固体の形で使用できる。それはまた、調製の条件
下、特に接触をガス状媒質または液体媒質中で実施する
時、このガスを液体媒質に溶解することができるガスの
形で使用できる。
【0017】この化合物(A)は、一般に式Me(O
R)m−n[式中、Meは、バナジウム、クロミウ
ムまたは一層特にはチタニウムであり、Xは臭素、ヨウ
素または一層特には塩素であり、RはC〜Clの芳
香族、シクロアルキルまたはアルキル基、またはR´が
〜C14の芳香族、シクロアルキルまたはアルキル
基であるCOR´基であり、“m”は遷移金属の原子価
に相当し、そして“n”は“m”と同等以下の整数また
は分数である]の化合物から選択される。
【0018】特に勧められる化合物(A)は、式Ti
(OR)l4−x[式中、Rは前記と同じ定義を有
しており、そしてxは0〜4、好ましくは0〜3そして
特に1.5〜2.5の範囲である整数または分数であ
る]のチタニウム化合物から選択される。この化合物
(A)は、好ましくはチタニウムテトラクロリド、チタ
ニウムジクロリド、チタニウムジクロリドジクレシレー
トまたはチタニウムジブチレートジクロリドである。
【0019】この化合物(A)は、アルカンのような精
製物または溶媒中の溶液で使用できる。
【0020】処理はまた、マグネシウム化合物を包含
し、且つ遷移金属(TM)に対して還元力を有する固形
生成物(B)も使用する。この固形生成物(B)は、実
際には、例えば接触のための液体またはガス状媒質にお
けるような調製の条件下、固形物でなければならない。
それはポリオレフィン、例えばポリエチレンまたはエチ
レンの共重合体のような固形有機支持体、または好まし
くは固形無機支持体、特にシリカ、アルミナまたはこれ
ら酸化物の混合物のような有孔耐火酸化物または固形マ
グネシウム化合物、例えば酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、塩化マグネシウムまたはマグネシウムヒド
ロキシクロリドを包含している。
【0021】この固形生成物(B)は、調製の条件下、
液体または固形物であるマグネシウム化合物を含有す
る。このマグネシウム化合物は、前述したように化学的
にもしくは物理的に固形支持体に固定または沈積でき
る。このマグネシウム化合物は、前記の固形支持体と分
離または混合することができる。固形生成物(B)は、
例えば本質的に、この場合に固形支持体として同時に作
用する固形マグネシウム化合物からなる。マグネシウム
化合物は、特に式MgR2−n[式中、Xは臭素、
ヨウ素そして一層特には塩素であり、RはC
14、好ましくはC〜C12の芳香族、シクロアル
キルまたはアルキル基、またはR´がC〜C12の芳
香族、シクロアルキルまたはアルキル基であるOR´基
であり、そして“n”は0〜2の範囲である整数または
分数である]の化合物から選択される。特に、マグネシ
ウム化合物は二塩化マグネシウム、式MgRX[式中、
RおよびXは前記と同じ定義を有している]のグリニヤ
ール試薬または式MgR´R´´[式中、R´およびR
´´は同一または異なっており、C〜C14、好まし
くはC〜C12の芳香族、シクロアルキルまたはアル
キル基で表される]のジアルキルマグネシウムである。
マグネシウム化合物はまた、マグネシウム金属で有り得
る。マグネシウム化合物は、アルコール、フェノール、
エーテル、チオエーテル、スルフォン、スルフォキシ
ド、アミン、アミド、エステル、ホスフィン、ホスホラ
ミド、アルデヒド、ケトン、トリアルキルオルトアセテ
ートおよび特にSi−O−C結合を有するシリコン化合
物から選択される少なくとも1個の電子供与体化合物
(ED)と複合することができる。
【0022】この固形生成物(B)は、その上、例えば
遷移金属(TM)を還元する化合物を包含する遷移金属
(TM)に対して還元力を有する。還元化合物は、前述
の固形支持体および/またはマグネシウム化合物と分離
するか、または混合することができる。それは化学的に
もしくは物理的に固形生成物(B)、特に固形支持体ま
たは前述したもののような固形マグネシウム化合物に固
定または沈積できる。
【0023】この固形生成物(B)は、特に、耐火酸化
物支持体、マグネシウム化合物および還元化合物から構
成される組成物、または他に本質的に固形還元マグネシ
ウム化合物から構成される組成物であってもよい。還元
化合物は、固形生成物(B)の必要部分を、例えば固形
生成物(B)に吸収された液体の形で形成することを条
件として調製の条件下、液体、ガスまたは固形物であ
る。還元化合物は、助触媒成分として同性質であるが、
しかし後者からは分離している。それは、特に、元素の
周期分類の1乃至3及び11乃至13族金属の有機金属
化合物、好ましくはアルキルアルミニウム、アルキルマ
グネシウム、アルキル亜鉛およびアルキル硼素から選択
される。アルキルアルミニウムは、式AlR3−n
[式中、XはR′がC〜C12の芳香族、シクロアル
キルまたはアルキル基であるOR′基であり、または臭
素、ヨウ素または塩素のようなハロゲンまたは水素、R
はC〜C12の芳香族、シクロアルキルまたはアルキ
ル基そして“n”は1〜3、好ましくは1.5〜3の範
囲の整数または分数である]の化合物から選択すること
ができる。アルキルマグネシウムは、式MgR
mX2−m[式中、Xは臭素、ヨウ素または塩素のよう
なハロゲン、水素であり、R′がC〜C12の芳香
族、シクロアルキルまたはアルキル基であるOR′基で
あり、RはC〜C12の芳香族、シクロアルキルまた
はアルキル基そして“m”は1〜2の範囲の整数または
分数である]の化合物から選択することができる。アル
キル亜鉛およびアルキル硼素の中では、ジエチル亜鉛ま
たはトリエチル硼素を使用することができる。還元化合
物は、好ましくは式AlR′R″R′″[式中、R′
R″およびR′″は同一または異なっており、C〜C
14、好ましくはC〜Cの芳香族、シクロアルキル
またはアルキル基を表わす]のトリアルキルアルミニウ
ム、定義が前に与えられた、式MgR′R″のジアルキ
ルマグネシウムまたは式MgRXのグリニヤール試薬で
ある。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドおよび
n−ブチルマグネシウムクロリドが特に好ましい。
【0024】本発明において使用することが好ましい固
形生成物(B)は、本質的に塩化マグネシウム、前述し
たような少くとも1個の電子供与体化合物(ED)およ
び特に、前に与えられた式AlR3−nを有するア
ルキルアルミニウムから構成される組成物(I)であ
る。この組成物(I)は、例えば一般式 MgCl・xED・yAlR3−n (I) [式中、“x”は0.005〜0.5、好ましくは0.
01〜0.2の範囲の数であり、そして“y”は0.0
05〜1、好ましくは0.01〜0.5の範囲の数であ
る]を有している。
【0025】また、組成物(II)が本質的に有孔耐火
酸化物、例えばシリカと前記組成物(I)から、組成物
(I)中のマグネシウムの量が、耐火酸化物のグラム当
たり0.1〜10ミリモル、好ましくは0.5〜5ミリ
モルで変化するような割合で構成されるもう一つの好ま
しい固形生成物(B)が存在する。
【0026】もう一つの好ましい固形生成物(B)もま
た、一般式 Mg・xMgR2−p (III) [RはC〜C14、好ましくはC〜C12の芳香
族、シクロアルキルまたはアルキル基であり、Xは臭
素、ヨウ素または一層特には塩素のようなハロゲンであ
り、“p”は0.01〜100、好ましくは0.05〜
50の範囲の数であり、そして“x”は0.001〜
1.00、好ましくは0.01〜1.00の範囲の数で
ある]を有するマグネシウム金属とアルキルマグネシウ
ムハライドから本質的に構成される組成物(III)で
あることが知られている。
【0027】固形生成物(B)は、好ましくは実質的に
遊離の遷移金属化合物であり、換言すれば化合物(A)
の種類の遷移金属化合物を含有しないこと、またはその
量が固形生成物(B)のマグネシウムに関して2モル%
未満の遷移金属を表すように低いことである。さらに、
本発明によれば、化合物(A)は、接触中にオレフィン
が少なくとも部分的に重合するような条件下、好ましく
は接触するために媒質、例えば液体またはガス状媒質に
添加されるオレフィンの存在において固形生成物(B)
と接触させねばならない。このオレフィンは、例えばC
〜C12、好ましくはC〜Cの1種以上のオレフ
ィン、特に他のオレフィンが、エチレン単独または接触
中重合した全オレフィンの10モル%を越えない、好ま
しくは5モル%を越えないような例えばC〜C12
好ましくはC〜Cの少なくとも1種の他のオレフィ
ンとの混合物である。オレフィンは、特に化合物(A)
の固形生成物(B)との接触の開始からの接触のための
媒質中に存在する。
【0028】使用するオレフィンの量は、非常に多様で
あり、且つ特に製造した(共)重合体に求める利点に影
響し得る要素を構成しない。オレフィンの量は、極度に
低く、且つ経済的な利益の観点から過剰量を越えること
もできない。それは例えば、本発明に基づいて調製され
た固形触媒成分が、遷移金属(TM)のミリモル当た
り,接触中重合したオレフィン0.01〜100g、好
ましくは0.1〜50g、一層特には0.5〜30gを
含有することができる。
【0029】実際に、固形触媒成分の調製は、非常に多
数の変数に基づいて実施することができる。この調製
は、本質的に化合物(A)と固形生成物(B)とを、オ
レフィンの存在において、例えば前述したような不活性
の液体またはガス状媒質中で混合することから構成され
る。混合は、特に化合物(A)と固形生成物(B)とを
同時に調製のための不活性媒質に添加することにより実
施することができる。
【0030】固形生成物(B)を、調製のための不活性
媒質と予め混合した化合物(A)に添加することもでき
る。しかしながら、化合物(A)を、例えば調製のため
の不活性媒質に予め懸濁した固形生成物(B)に添加す
ることが好ましい。オレフィンは、好ましくは化合物
(A)の添加の始めから存在する。化合物(A)は、素
早く、例えば1秒未満で、もしくはその添加が1分から
10時間、好ましくは10分から5時間継続するように
ゆっくり添加する。混合は、好ましくは攪拌して実施す
る。
【0031】全ての場合において、化合物(A)を固形
生成物(B)と混合するために採用する方法は何であ
れ、オレフィンは調製のための媒質に添加され、そして
好ましくは化合物(A)が固形生成物(B)と接触する
や否や存在する。かくして、オレフィンは、化合物
(A)と固形生成物(B)が、例えば混合物の成分の一
つを他に添加する間の少なくとも全時間、混合の始めか
らのオレフィンの急速な添加または好ましくはオレフィ
ンのゆっくりした継続的な添加のいずれかにより混合す
る時に使用できる。添加は、明らかに接触または混合を
行う時間を越えて、換言すれば混合物の成分の添加終点
を越えて継続する。
【0032】オレフィンの存在において、化合物(A)
が固形生成物(B)と接触することは、1種以上の他の
化合物の同時的または連続的な使用を妨げない。特に、
アルキルまたはフェニルハライドのようなアルキル化剤
は、オレフィン雰囲気下、特に固形生成物(B)を含有
する遷移金属(TM)に対する還元力を有する化合物を
形成する場合に、化合物(A)と固形生成物(B)を同
時に使用することができる。かくして、固形生成物
(B)が本質的にマグネシウム金属から構成される場
合、アルキルまたはフェニルクロリドのようなアルキル
化剤をグリニヤール試薬、換言すれば遷移金属(TM)
を還元する試薬を形成するために添加する。アルキル化
剤の添加は、その添加が1分から10時間、好ましくは
10分から5時間であるように、非常に急速またはゆっ
くり行うことができる。ハロゲン化剤のような他の化合
物、特にSiClのようなシリコンハライド、AlC
のようなアルミニウムハライドまたはアルキルアル
ミニウムクロリド、カーボンテトラクロリドのようなア
ルキルまたはフェニルクロリド、クロロホルム、n−ブ
チル、第2級ブチルまたは第3級ブチルクロリドまたは
ベンゾイルクロリドまたは前述したもののような電子供
与体化合物を使用することができる。
【0033】オレフィンは、好ましくは化合物(A)が
固形生成物(B)と接触する時、すぐに重合するような
条件下、使用する。それは、好ましくは化合物(A)が
固形生成物(B)と接触する全期間、例えば1種または
2種の構成分が他に添加される全機関を通して重合す
る。それはまた、(共)重合体の有利な性質が、実質的
に影響されることなしに、この期間を越えて重合するこ
ともできる。様々な条件を、化合物(A)が固形生成物
(B)と接触する間、オレフィンの重合が生じるように
適用することができる。かくして、例えば、接触の温度
は、オレフィンの重合反応を遅い速度であっても開始
し、そして続行するのに十分である。温度は、例えば0
〜120℃、好ましくは10〜100℃、特に30〜9
0℃の範囲である。オレフィンが接触の条件下、ガス状
である時、その圧力もまた、オレフィンの重合を遅い速
度であっても開始し、そして続行するのに十分である。
オレフィンの圧力は、例えば1〜10kPa、好ましく
は10〜500kPaである。オレフィンの重合はま
た、化合物(A)とが接触する時点に固形生成物(B)
中に存在する還元力を有する化合物の量に依存してい
る。このように、オレフィンの重合の速度は、還元化合
物の性質のみならず、特に化合物(A)について後者の
量にも依存している。還元化合物の量は、例えば化合物
(A)に対する還元化合物のモル比が0.025〜1、
好ましくは0.25〜0.5である。 化合物(A)が
固形生成物(B)と接触する時点において、水素をオレ
フィンと共に使用場合、固形触媒成分が改善された形
態、そして特に、特に大きく還元された含量の大粒子を
有する狭い粒子サイズ分布を有している。水素は、例え
ば、調製の媒質中の水素分圧のオレフィンのそれに対す
る比率は、0.03〜5、好ましくは0.1〜1の範囲
であるような量で使用することができる。
【0034】固形触媒成分は、本質的に固形生成物
(B)のそれに依存できる形態である。後者は、いかな
る形態でも、しかし好ましくは正規の形態、例えばdお
よびDがそれぞれ各粒子の小および大軸であるならば、
D/d比が1〜1.5、好ましくは1〜1.3の範囲で
あるような回転楕円面状の形態を有することができる。
固形生成物(B)の粒子の質量による平均直径は、5〜
200μm、好ましくは10〜100μm、特には20
〜80μmである。固形生成物(B)の形態は、固形触
媒成分の調製中有利に保持できる。固形触媒成分の平均
サイズは、固形触媒成分の調製中のポリオレフィンの形
成により実質的に固形生成物(B)と同一か、それより
大である。固形触媒成分の粒子の質量による平均直径
は、例えば用いる固形生成物(B)の粒子の質量による
平均直径の1〜3倍である。
【0035】本発明の方法は、固形触媒成分の後処理工
程、換言すれば“重合”の用語で知られる工程を避ける
ことができるので特に有利である。それはまた、ホモポ
リエチレン(密度=0.95〜9.97)または特にエ
チレンと、すくなくとも1種の他のC〜C12、好ま
しくはC〜Cのオレフィン(密度=0.90〜0.
95)との共重合のような改善されたポリエチレンの製
造を可能にするチーグラー−ナッタ触媒を調製すること
を可能にしている。
【0036】エチレンと、少なくとも1種の他のオレフ
ィンとの共重合の処理は、本発明に基づいて調製した固
形触媒成分および元素の周期分類の1乃至3及び11乃
至13族金属の有機金属化合物から選択される助触媒成
分、特にアルキルアルミニウム、アルキル亜鉛またはア
ルキルマグネシウムの存在において、1種以上のC
10のアルカンのような不活性液体炭化水素中の懸濁
液の中または機械的に攪拌するおよび/または流動化し
た層を含有する反応器中のガス状相の中のいずれでも実
施できる。共重合の温度は、製造された共重合体の融点
よりも低く、例えばそれは20〜110℃、好ましくは
30〜100℃の範囲である。全圧は、0.1〜5MP
a、好ましくは0.5〜3MPaである。
【0037】かくして調製されたエチレンの共重合体
は、0.88〜0.94、好ましくは0.90〜0.9
3の密度を有している。これらは、共重合体構成単位が
相対的に均質にまたは統計的に分布しているマクロ分子
構造を有している。共重合体の融点は、オレフィンなし
で調製した固形触媒成分を使用する他は同じ条件下に調
製した共重合体のそれに関して少なくとも1℃だけ低
い。融点は、共重合体を200℃で20分熱処理し、1
分当り16℃の速度で50℃に冷却し、そして1分当り
16℃の速度で加熱した後、示差走査熱量(DSC)分
析により測定できる。共重合体は、100〜128℃の
範囲であり且つそれらの密度に依存する単一の融点を有
している。
【0038】共重合体は、21.6kg下に測定された
メルトインデックス(MI21.6)対190℃におい
て2.16kg下に測定されたメルトインデックス(M
.16)の比率で算出された20〜50の間のメル
トインデックス比を有している(ASTM−D−123
8 各々条件FおよびE)。
【0039】さらに、共重合体は、ゲル透過クロマトグ
ラフィにより決定された重量−平均分子量Mwと数平均
分子量Mnの比率が、3〜5.5、そして一層特には4
〜5の間であるような相対的に狭い分子量分布を有して
いる。
【0040】エチレンの共重合体の共単量体構成単位の
分布の相対的に均質な性質は、 −ポリマー配列決定−炭素13−NMR法[J.C.ラ
ンダル著、アカデミックプレス編集、ニューヨーク(1
977)72〜75頁] −ACSシンポジウムシリーズNo.247−NMRお
よびマクロ分子−配列、ダイナミック アンド ドメイ
ン構造[J.C.ランダル著、ACS編集、ワシントン
DC(1984)131〜152頁] −ジャーナル オブ マクロモレキュラーサイエンス、
レビユーズ イン マクロモレキュラー ケミストリー
アンド フィジックス[ Vol.C29(No.2
&3)201〜317頁 により与えられた方法および計算に基づいてC13NM
Rを使用して実施した相対分散性およびブランチングの
分配の幅を測定することにより評価することができる。
【0041】次の実施例を参照することにより本発明を
さらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0042】
【実施例】実施例1 a)固形生成物(B)の調製 204ml(1モル)のイソアミルエーテル(IAE)
を、室温(20℃)および窒素のブランケット下、1分
当たり325回転にて回転する攪拌器システムを備え、
そして3リットルのn−ヘキサンの溶液中のジブチルマ
グネシウム2モルを含有している5リットルステンレス
スチール反応器に導入する。反応器を25℃に維持す
る。484ml(4.4モル)の第3級ブチルクロリド
を12時間かけて導入する。混合物を、次いで3時間攪
拌し続ける。得られた生成物をn−ヘキサンで数回洗浄
する。かくして35μmの質量Dmの平均直径を有し且
つ15モル%のIAEを含有する球状粒子の形で存在す
る2モルの塩化マグネシウムが得られる。
【0043】予め調製された0.2モルの塩化マグネシ
ウムを含有する250mlのn−ヘキサンを、窒素雰囲
気下、1分当たり400回転で回転する攪拌器システム
を備えた1リットルガラス反応器に導入する。得られた
懸濁液を、70℃にて1時間加熱する。得られた固形物
を0.5リットルのn−ヘキサンを用いて70℃にて2
回、次いで25℃にて2回洗浄する。懸濁液量を250
mlに戻す。次いで、n−ヘキサンのリットル溶液当た
り370ミリモルとして0.02モルのトリエチルオル
トアセテートを25℃にて1時間かけて導入する。25
℃で1時間維持した後、得られた固形物を0.5リット
ルのn−ヘキサンを用いて25℃にて4回洗浄する。次
いで懸濁液量を250mlに戻す。還元化合物として、
0.2モルのトリエチルアルミニウムを、次いで50℃
にて1時間かけて導入する。50℃にて1時間維持した
後、かくして得られた固形生成物(B)を0.5リット
ルのn−ヘキサンを用いて50℃にて2回および0.5
リットルのn−ヘキサンを用いて25℃にて2回洗浄す
る。澄明相の部分を除去することにより懸濁液容量を2
50mlに戻す。固形生成物は、本質的に塩化マグネシ
ウム、トリエチルオルトアセテートおよびトリエチルア
ルミニウムに基づく実質的に球状の粒子の形で存在す
る。
【0044】b)固形触媒成分の調製 予め調製した固形生成物(B)の懸濁液を、50℃に加
熱するガラス反応器に保持し、次いで脱ガスし、そして
最後にこれにエチレンを0.1MPaの相対的分圧が得
られるまで導入する。20ミリモルのチタニウムテトラ
クロリドを含有する混合物50mlおよびn−ヘキサン
の溶液中20ミリモルのチタニウムテトラ−n−プロポ
キシドを、次いでエチレンの添加により0.1MPaの
エチレン分圧を維持しながら50℃にて1時間かけて攪
拌しつつ反応器に導入する。混合物を、次いで0.1M
Paのエチレン下、80℃にて1時間維持する。反応器
を脱ガスし、このようにして得られた固形触媒成分を、
次いで各場合にn−ヘキサン0.5リットルを用いて8
0℃にて4回洗浄し、そして次いで各場合にn−ヘキサ
ン0.5リットルを用いて25℃にて4回洗浄する。
【0045】固形触媒成分は、チタニウムのミリモル当
たり3.0gのポリエチレン並びにTi/Mg=0.1
15/1モル比でチタニウムおよびマグネシウムを、4
0μmの質量による平均直径を有する実質的に球状の粒
子の形で含有する。
【0046】 c)エチレンと4−メチル−1−ペンテンの共重合 50℃に加熱される1リットルのn−ヘキサンそして次
いで、助触媒成分として2ミリモルのトリエチルアルミ
ニウムおよび0.1ミリモルのチタニウムに相当する予
め調製された固形触媒成分の量が、窒素雰囲気下、1分
当たり500回転にて回転する攪拌器を備えた2.16
リットルステンレススチール反応器に導入する。
【0047】反応器の温度を80℃に上げ、次いで50
mlの4−メチル−1−ペンテンおよび次いで0.06
MPaの水素そして次に0.24MPaのエチレンを導
入する。反応器の全圧を、170gの共重合体が15分
かけて得られるまで、エチレンの添加により、0.4M
Paにコンスタントに維持する。次いで反応器の内容物
を収集する。懸濁液への水の量の添加後、n−ヘキサン
を蒸発する。次いで粉末を濾過、乾燥し、そして次に下
記のように分析する。
【0048】メルトインデックス(ASTM−D−12
38 条件E):1.25g/10分 密度:0.933 溶融温度(DSC分析):127.0℃ 沸騰n−ヘキサンによる抽出可能物の%:4.8重量%実施例2(比較例) 固形触媒成分の調製中、エチレンをチタニウム化合物の
混合物の導入の終点の前ではなく、後に導入することを
除いて、換言すれば、反応混合物を80℃にて1時間維
持し、この間中、エチレン分圧が0.1MPaであるこ
とを除いて、正確に実施例1と同じくして実施する。
【0049】共重合体粉末は、より一層実質的に同一で
ある性質について128.5℃の溶融温度(DSC)、
換言すれば、実施例1の共重合体のそれよりも1.5℃
高い温度を有している。
【0050】実施例3 a)固形生成物(B)の調製 2lのn−ヘキサン、2.26gのヨウ素、31.9g
のマグネシウム金属、1.1mlのイソブタノール、
6.4mlのチタニウムテトラ−n−プロポキシドおよ
び2.5mlのn−ブチルクロリドを、20℃にて、窒
素雰囲気下、且つ攪拌しながら、攪拌器システムと加熱
および冷却装置を備えた5リットルステンレススチール
反応器中に連続的に導入する。この反応器を、85℃に
加熱し、そしてこの温度において15分間維持する。こ
の時の終点において、n−ヘキサンの懸濁液中の固形生
成物(B)が得られ、そのものを80℃に冷却する。こ
の固形生成物(B)は、Mg化合物を含有し、且つTi
化合物に対する還元力を有している。
【0051】b)固形触媒成分の調製 エチレンを予め調製した固形生成物(B)の懸濁液中に
導入し、そして0.1MPaの分圧が得られるまで、反
応器中で80℃にて攪拌し続ける。18.3mlのチタ
ニウムテトラクロリドおよび39mlのチタニウムテト
ラ−n−プロポキシドを、次いで急速にこれの中に導入
し、そして次に213.6mlのn−ブチルクロリド
を、エチレンの添加により0.1MPaのエチレン分圧
を維持しながら4時間かけてゆっくりこれの中に導入す
る。この時の終点において、このようにして得られた反
応混合物を、エチレン0.1MPaの下、80℃にて2
時間攪拌し続け、次いで室温(20℃)に冷却する。こ
のようにして得られた固形触媒成分を、次いでn−ヘキ
サンで3回洗浄する。固形触媒成分の分析は、それがチ
タニウムのミリモル当たり3.7ミリモルのマグネシウ
ム、7.7ミリモルの塩素および1gのポリエチレンを
含有することを示している。
【0052】実施例4 固形触媒成分の調製 ガラス反応器中で実施例1.a)で調製した固形生成物
(B)の懸濁液を25℃に加熱する。反応器を脱ガス
し、次いでエチレンおよび水素を、0.05MPaのエ
チレン分圧および0.05MPaの水素分圧が得られる
まで、これの中に連続的に導入する。n−ヘキサンの溶
液中、チタニウムテトラクロリド20ミリモルとチタニ
ウムテトラ−n−プロポキシド20ミリモルの混合物5
0mlを、次いでエチレンの添加により0.1MPaの
全圧を維持しながら25℃にて攪拌しつつ10分かけて
ゆっくり反応器中に導入する。この時の終点において、
反応器を80℃に加熱し、且つエチレンを添加して1時
間当たり0.1MPaのエチレン分圧を維持する。反応
器を脱ガスし、そしてこのようにして得られた固形触媒
成分を、毎回80℃で0.5lのn−ヘキサンを用い
て、80℃で4回洗浄し、次いで反応器を20℃に冷却
した後、固形触媒成分を、毎回20℃で0.5lのn−
ヘキサンを用いて、20℃で4回洗浄する。前記触媒成
分を、オレフィン重合のために使用しやすい窒素雰囲気
下に維持する。
【0053】固形触媒成分は、チタニウムのミリモル当
たり1.6gのポリエチレンおよびTi/Mg=0.1
15/1モル比でチタニウムおよびマグネシウムを、大
きく且つ微細な粒子から実質的に自由な38μmの質量
による平均直径を有する実質的に球状の粒子の形で含有
する。
【0054】実施例5 固形触媒成分の調製 ガラス反応器中で実施例1.a)で調製した固形生成物
(B)の懸濁液を50℃に加熱する。次に反応器を脱ガ
スし、次いでエチレンを、0.1MPaのエチレン分圧
が得られるまで、これの中に導入し、且つ15mlの4
−メチル−1−ペンテンをもこれに導入する。n−ヘキ
サンの溶液中、チタニウムテトラクロリド20ミリモル
とチタニウムテトラ−n−プロポキシド20ミリモルの
混合物50mlを、次いで0.1MPaのエチレン分圧
を維持しながら50℃にて攪拌しつつ1時間かけてゆっ
くり反応器中に導入する。この時の終点において、反応
器を80℃に加熱し、且つこの温度を、0.1MPaの
エチレン分圧で1時間維持する。反応器を脱ガスし、そ
してこのようにして得られた固形触媒成分を、次いで実
施例4におけると同様にして洗浄する。
【0055】固形触媒成分は、チタニウムのミリモル当
たり3gのエチレンおよび4−メチル−1−ペンテン共
重合体およびTi/Mg=0.1/1モル比でチタニウ
ムおよびマグネシウムを、39μmの質量による平均直
径を有する実質的に球状の粒子の形で含有する。
【0056】実施例6 エチレンと1−ブテンの共重合 製造されるべきそれ(ASTM−D−1238 条件E
に基づいて、密度=0.9247およびメルトインデッ
クス0.44g/10分)と実質的に同一のエチレンと
1−ブテン共重合粉末700gを、窒素雰囲気下、15
cmの直径を有する流動層反応器中に導入する。反応器
を80℃に加熱し、そして粉末を窒素、次いでエチレン
で取り除く。エチレン、1−ブテン、水素および窒素
を、次いで80℃にて反応器中に導入し、1MPaの全
圧下、容量当たり 35.9%エチレン 13.2%1−ブテン 8.6%水素および 42.3%窒素 を含有するガス状組成物を形成する。
【0057】助触媒成分として0.28ミリモルのチタ
ニウムおよび3.55ミリモルのトリエチルアルミニウ
ムを含有する実施例4で調製した固形触媒成分の量が、
次いで反応器中に導入される。共重合は、エチレンの添
加により維持された1MPaの全圧下、21cm/sの
ガス状組成物の上昇速力で3時間生じる。反応により製
造された2440gの共重合体を包含する3140gの
粉末を回収する。共重合体粉末は、次の特徴を有してい
る。
【0058】−メルトインデックス:0.48g/10
分(ASTM−D−1238 条件E) −密度:0.9255 −溶融温度(DSC分析):122.7℃ −粒子の質量による平均直径:715μm −実質的に球状の粒子(D/d<1.3) 比較のために、エチレンおよび水素をチタニウム化合物
の添加の前ではなく、後に導入する事実を除いて、実施
例4におけると同様にして固形触媒成分を調製する。そ
れは、実施例6の条件において123.7℃の溶融温度
(DSC分析)、即ち、本発明に基づいて調製された共
重合体のそれより1℃高い温度を有する共重合体粉末を
与える。
【0059】実施例7 a)固形生成物(B)の調製 ジョセフクロスフィールド アンド サンズ(英国)に
より“ES70”の登録商標で販売されたミクロ回転楕
円面状のシリカ粉末を、乾燥窒素の流れが通過する流動
層を含有する反応器中で870℃にて12時間加熱処理
に付す。加熱処理後、得られた乾燥シリカ粉末を約20
℃の温度に冷却し、そして窒素雰囲気下に維持する。1
10リットルの懸濁液を得るために、予備乾燥したシリ
カおよびn−ヘキサン20kgを常温にて、1分当たり
166回転で回転する攪拌装置を付設した240リット
ルステンレススチール反応器に導入し、続いて50℃の
温度にて16モルのヘキサメチルジシラザンを導入す
る。このようにして得られた懸濁液を80℃にて4時間
攪拌し続ける。それは固形生成物を含有しており、それ
を50℃で130リットルのn−ヘキサンで5回洗浄す
る。
【0060】30モルのジブチルマグネシウムを、次
に、50℃の温度で2時間かけて反応器に導入する。得
られた懸濁液を50℃で1時間攪拌し続ける。それは、
シリカのグラム当たり1.5ミリモルのマグネシウムを
含有する固形生成物を含有している。
【0061】n−ヘキサンの懸濁液中に固形生成物を含
有する反応器は、次に50℃に加熱し、そして60モル
の第3級ブチルクロリドを、2時間かけて反応器中に導
入する。この時の終点において、得られた懸濁液を50
℃で1時間攪拌する。それは、固形生成物を含有してお
り、それを50℃で130リットルのn−ヘキサンで3
回洗浄する。
【0062】次に反応器を50℃に加熱し、6.0モル
のトリエチルオルトアセテートをその中に急速に導入す
る。得られた懸濁液を50℃で1時間攪拌し続ける。
【0063】12モルのトリメチルアルミニウムを、次
に50℃にて反応器中に導入する。得られた懸濁液を8
0℃で2時間攪拌する。反応器を20℃に冷却し、そし
てn−ヘキサンの懸濁液中に、Mg化合物を含有し、且
つTi化合物に対する還元力を有する固形生成物(B)
を得る。
【0064】b)固形触媒成分の調製 予め調製した固形生成物(B)の懸濁液を攪拌し且つ5
0℃に加熱する。エチレンおよび水素を、0.05MP
aのエチレン分圧および0.05MPaの水素分圧が得
られるまで反応器中に導入する。エチレンの添加により
0.1MPaの全圧を維持しながら、反応器中に3.0
モルのチタニウムテトラ−n−ブトキシドおよび3.0
モルのチタニウムテトラクロリドを1時間かけて導入す
る。この時の終点において、反応器を80℃に加熱し、
そしてエチレンを添加して0.1MPaのエチレン分圧
を2時間維持する。こうして得られた懸濁液を20℃に
冷却し、20℃において130リットルのn−ヘキサン
で5回洗浄した後、エチレン共重合のために使用が容易
な固形触媒成分を含有している。
【0065】
【発明の効果】本発明方法にかかる固形触媒成分は、ガ
ス相処理におけるエチレン(共)重合体を製造し且つ共
重合体構造中の共重合体の統計的分布を改善するのに特
に有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−205407(JP,A) 特開 昭57−67605(JP,A) 特開 平6−234811(JP,A) 特開 平4−168107(JP,A) 特開 平4−80209(JP,A) 特開 平3−217404(JP,A) 特開 平4−309505(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/62 - 4/658

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の遷移金属、1種のマグ
    ネシウム化合物および1種のハロゲンを含有し、オレフ
    ィンの(共)重合に適したチーグラー−ナッタ型触媒の
    固形触媒成分の製造方法であって、 i)元素の周期分類の4、5または6族に属する遷移金
    属(TM)の化合物(A)の少なくとも1種を ii)マグネシウム化合物を包含し且つ遷移金属(T
    M)について還元力を有している固形生成物(B)(但
    し、炭化水素媒体に可溶の有機マグネシウム化合物を除
    く)と iii)少なくとも1種のオレフィンの存在下に接触さ
    せ、該接触の間にオレフィンが少なくとも部分的に重合
    することを特徴とするチーグラー−ナッタ型触媒の固形
    触媒成分の製造方法において、 化合物(A)が、式Me(OR)m−n[式中、M
    eはチタニウム、バナジウムまたはクロミウムであり、
    Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、RはC〜C14
    の芳香族、シクロアルキルまたはアルキル基、または
    R′がC〜C14の芳香族、シクロアルキルまたはア
    ルキル基であるCOR′基であり、“m”は遷移金属の
    原子価に相当し、そして“n”は“m”と同等以下の整
    数または分数である]に相当し、 固形生成物(B)がマグネシウム金属及び式MgR
    2−n[式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素であり、R
    はC〜C14の芳香族、シクロアルキルまたはアルキ
    ル基、またはR′がC〜C12の芳香族、シクロアル
    キルまたはアルキル基であるCOR′基であり、そして
    “n”は0〜2の範囲の整数または分数である]の化合
    物から選択されるマグネシウム化合物からなり、遷移金
    属(TM)に対して還元力を有し、元素の周期分類の1
    乃至3及び11乃至13族金属の有機金属化合物を包含
    することを特徴とする、オレフィンの(共)重合に適し
    たチーグラー−ナッタ型触媒の固形触媒成分の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 固形生成物(B)が、式AlR
    3−n[式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素、水素または
    R′がC〜C12の芳香族、シクロアルキルまたはア
    ルキル基であるOR′基であり、RはC〜C12の芳
    香族、シクロアルキルまたはアルキル基そして“n”は
    1〜3の範囲の整数または分数である]のアルキルアル
    ミニウムまたは式MgR2−m[式中、RおよびX
    は前記と同じ定義を有しており、そして“m”は1〜2
    の範囲の整数または分数である]のアルキルマグネシウ
    ムから選択される有機金属化合物を包含することを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 固形生成物(B)はまた、耐火酸化物、
    好ましくはシリカ、アルミナまたはこれら酸化物の混合
    物を包含することを特徴とする請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 オレフィンが、C〜C12のオレフィ
    ン、好ましくはエチレン単独または他のC〜C12
    オレフィンの少なくとも1種との混合物から選択される
    1種以上のオレフィンであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用するオレフィンの量が、固形触媒成
    分が遷移金属(TM)のミリモル当たりポリオレフィン
    0.01〜100gを含有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 接触が、水素の存在において実施される
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 接触中、オレフィンの圧力が1〜10
    kPaであり、そして温度が0〜120℃であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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