JP3534614B2 - 汚水処理方法 - Google Patents

汚水処理方法

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JP3534614B2 JP16574998A JP16574998A JP3534614B2 JP 3534614 B2 JP3534614 B2 JP 3534614B2 JP 16574998 A JP16574998 A JP 16574998A JP 16574998 A JP16574998 A JP 16574998A JP 3534614 B2 JP3534614 B2 JP 3534614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難分解性有機物な
どの有機物と有機態および無機態の窒素とを除去する汚
水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】難分解性有機物などの有機物と有機態お
よび無機態の窒素とを含んだ汚水の処理方法は、たとえ
ば図8に示したようなものである。つまり、汚水51を
オゾン反応槽52へ導入して、汚水51中の難分解性有
機物などの有機物をオゾン処理により生物分解性有機物
(易分解性有機物)や無機態窒素に酸化分解し、このオ
ゾン処理水53を、通常は嫌気性部と好気性部とを有し
た生物ろ床54に導入して、生物分解性有機物や有機態
窒素を好気性部で生物酸化分解し、無機態窒素化すると
ともに、無機態窒素を嫌気性部で生物脱窒し、それによ
り浄化された生物処理水55を貯水槽55を経て処理水
57として導出する。
【0003】難分解性有機物や窒素の濃度によっては、
図9に示したように、汚水51を複数段に設けたオゾン
反応槽52と生物ろ床54とに順次導入するか、あるい
は図10に示したように、図8と同じフローで処理した
生物処理水55の一部をオゾン反応槽52の流入部へ循
環返送することによって、有機物および窒素の除去率を
高めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10を用
いて説明したような循環方式で有機物や窒素を効率よく
除去するためには、循環水量を多くするのが望ましい。
その理由は、循環水量を多くすると、生物処理水中に残
存する難分解性有機物などの有機物が再びオゾン処理を
受けて生物分解性有機物となり、この生物分解性有機物
が、生物ろ床の好気性部で効率的に生物酸化分解される
とともに、嫌気性部で脱窒菌等の生物に水素供与体とし
て利用されて分解され、結果的に、有機物の分解に占め
るオゾン酸化分解の割合が低くなり、必要なオゾン注入
率も低減されるからである。
【0005】しかしながら、循環水量を多くすること
は、高度に酸素が溶解したオゾン処理水の生物ろ床への
流入量の増大を意味するため、嫌気性条件で脱窒を行う
生物のためには好ましくなく、脱窒に適した条件に整え
るために水中の酸素を取り除く必要がある。その手法と
して、酸素消費性物質または還元性物質を生物ろ床内
(あるいはろ床流入水)に多量に添加すること等が挙げ
られ、従来は、コスト上の観点からメタノールのような
生物分解性有機物を添加することで、好気性または通性
嫌気性微生物の生物的酸素消費反応を促進し、酸素濃度
を低下させていた。
【0006】ところが、生物分解性有機物を添加する
と、生物ろ床への有機物負荷が増大して、処理水水質を
悪化させる一因となり、有機物の除去率が低下する傾向
があった。つまり、図11に示したように、生物分解性
有機物の添加量を増大すると、処理水窒素濃度は低下す
るが、処理水COD濃度は上昇してしまう。
【0007】本発明は上記問題を解決するもので、複雑
な装置構成を要することなく、難分解性有機物などの有
機物と有機態および無機態の窒素とを効果的に除去でき
る汚水処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の汚水処理方法は、汚水を嫌
気性生物ろ床と好気性生物ろ床とオゾン反応槽とに順次
導入し、オゾン反応槽からの流出水の一部を嫌気性生物
ろ床と好気性生物ろ床とに返送して、汚水中の難分解性
有機物などの有機物をオゾン酸化処理と生物酸化処理と
により分解し、分解生成物などの無機態窒素を生物脱窒
し、オゾン反応槽からの残りの流出水を処理水として導
出する汚水処理方法において、オゾン反応槽からの流出
水を、汚水の難分解性有機物除去量に対応する予め設定
した割合において返送水として系内に循環返送するとと
もに、この返送水を汚水の窒素除去量に対応する予め設
定した割合で分流して、窒素除去量に対応する分流水を
嫌気性生物ろ床の流入部に返送し、残りの分流水を好気
性生物ろ床の流入部に返送するようにしたものである。
【0009】ここで、難分解性有機物除去量は、除去す
べき難分解性有機物量、つまり、(流入汚水中の難分解
性有機物量−目標とする残存難分解性有機物量)を意味
し、窒素除去量は同様に、除去すべき窒素量を意味す
る。
【0010】また請求項2記載の汚水処理方法は、上記
した構成において、系内に流入する汚水中の難分解性有
機物除去量Cの各値ごとに、返送水量Q1/汚水流入量
Q0で定義される返送比R1を設定するとともに、汚水
中の窒素除去量Nの各値ごとに、嫌気性生物ろ床への返
送水量Q2/汚水流入量Q0で定義される嫌気性生物ろ
床返送比R2を設定しておき、処理時に、検知された難
分解性有機物除去量Cに対応する返送比R1を選択し、
選択した返送比R1と検知された汚水流入量Q0とから
返送水量Q1を算出するとともに、検知された窒素除去
量Nに対応する嫌気性生物ろ床返送比R2を選択し、選
択した嫌気性生物ろ床返送比R2と検知された汚水流入
量Q0とから嫌気性生物ろ床への返送水量Q2を算出
し、算出した返送水量Q1から嫌気性生物ろ床への返送
水量Q2を減じることにより、好気性生物ろ床への返送
水量(Q1−Q2)(≧0)を算出し、これらの算出値
に基いて分流した分流水をそれぞれ、嫌気性生物ろ床の
流入部と好気性生物ろ床の流入部とに返送するようにし
たものである。
【0011】また請求項3記載の汚水処理方法は、上記
した各構成において、返送水量/汚水流入量で定義され
る返送比の範囲を1〜15とし、嫌気性生物ろ床への返
送水量/汚水流入量で定義される嫌気性生物ろ床返送比
の範囲を1〜4としたものである。
【0012】従来より、以下のようなことが知られてい
る。流入汚水中の難分解性有機物量が多い場合には、オ
ゾン注入率を増加させるのが一つの手段であるが、オゾ
ン注入率を一定にしても、オゾン反応槽からの総返送水
量を増加させることで、難分解性有機物量を効果的に低
減できる。これは、オゾン処理水が好気性生物ろ床とオ
ゾン反応槽とを循環する割合が高くなり、オゾン処理水
中に残存する難分解性有機物がオゾン酸化分解と生物分
解とを受ける機会が大きくなるからである。
【0013】一方、流入汚水中の窒素量が多い場合に
は、嫌気性生物ろ床への返送水量を増加させることで、
窒素量を効果的に低減できる。これは、オゾン処理水が
嫌気性生物ろ床と好気性生物ろ床とオゾン反応槽とを循
環する割合が高くなり、オゾン処理の分解生成物を包含
する生物分解性の有機態窒素が生物分解されて炭酸ガス
化、無機態窒素化され、無機態窒素が生物脱窒される機
会が大きくなり、また残存する難分解性の有機態窒素が
生物分解性の有機態窒素化される機会が大きくなるから
である。
【0014】上記した請求項1記載の構成によれば、オ
ゾン反応槽からの流出水を、系内に流入する汚水中の難
分解性有機物除去量に対応する割合において返送水とし
たので、返送水を少なくとも好気性生物ろ床とオゾン反
応槽とに循環させて、難分解性有機物を包含する有機物
を繰り返しオゾン処理および生物処理して分解すること
ができ、有機物を確実に除去できる。
【0015】また、窒素除去量に対応する割合において
分流した分流水を嫌気性生物ろ床へ返送するようにした
ので、分流水を嫌気性生物ろ床と好気性生物ろ床とオゾ
ン反応槽とに循環させて、生物分解性および難分解性の
有機態窒素を無機態窒素化し、無機態窒素を脱窒するこ
とができ、窒素を確実に除去できる。しかも、分流水中
に含まれる生物分解性有機物を、嫌気性生物ろ床を嫌気
性条件に整えるために利用できるので、別途に添加する
酸素消費性物質または還元性物質の量を低減できる。
【0016】請求項2記載の構成によれば、系内に流入
する汚水中の難分解性有機物除去量Cの各値ごとに、返
送水量Q1/汚水流入量Q0で定義される返送比R1を
設定し、汚水中の窒素除去量Nの各値ごとに、嫌気性生
物ろ床への返送水量Q2/汚水流入量Q0で定義される
嫌気性生物ろ床返送比R2を設定したので、処理時に、
難分解性有機物除去量Cと窒素除去量Nと汚水流入量Q
0とを検知することで、嫌気性生物ろ床への返送水量Q
2と好気性生物ろ床への返送水量(Q1−Q2)(≧
0)とを容易に算出することができ、算出値に基いて分
流した分流水を返送できる。
【0017】ただし、返送比R1(返送水量Q1/汚水
流入量Q0)、嫌気性生物ろ床返送比R2(嫌気性生物
ろ床への返送水量Q2/汚水流入量Q0)にはそれぞ
れ、好適な範囲がある。
【0018】返送比R1の範囲について説明する。オゾ
ン反応槽では、難分解性有機物の分解によってオゾンス
カベンジャーとして作用する物質が生成し、この物質が
難分解性有機物とオゾンとの反応を阻害するが、オゾン
注入率を一定とした条件では、返送比R1を大きくする
ことで、オゾンスカベンジャーとして作用する物質の生
物分解率が高まる結果、難分解性有機物の分解率が高ま
り、有機物の除去率が高まる。この傾向は難分解性有機
物除去量(流入有機物量に対応する)がある程度大きい
場合に顕著である。
【0019】しかし、返送比R1をある値以上に大きく
しても、有機物の除去率は上昇しなくなる。これは、返
送比R1を大きくすると、各槽における滞留時間が短く
なり(常識的な大きさの槽を用いれば)、十分な反応が
不可能になることに起因すると思われる。
【0020】そこで、目標とする有機物の除去効果が得
られ、かつ有機物の除去率と相関が見られる返送比R1
の範囲を決める必要があり、その範囲は実験的に1〜1
5であった。
【0021】嫌気性生物ろ床返送比R2の範囲について
説明する。有機態窒素は直接には生物脱窒されず、好気
性生物ろ床、オゾン反応槽で無機態窒素(硝酸態窒素)
となり、無機態窒素が嫌気性生物ろ床で生物脱窒される
ので、汚水を循環する必要があること、および嫌気性生
物ろ床返送比R2を大きくすると窒素の除去率が向上す
るが、R2を大きくしすぎると、オゾン処理水によって
持ち込まれる溶存酸素が増大し、嫌気性生物ろ床で生物
脱窒が機能しないことは上述した通りである。
【0022】そこで、目標とする窒素の除去効果が得ら
れる嫌気性生物ろ床返送比R2の範囲を決める必要があ
り、その範囲は実験的に1〜4であった。このようにし
て決めたのが、請求項3記載の返送比R1および嫌気性
生物ろ床返送比R2の範囲である。
【0023】しかし、この返送比R1および嫌気性生物
ろ床返送比R2の範囲は限定的なものではなく、処理対
象の汚水の難分解性有機物量、窒素量、オゾン注入率な
どに応じて適宜に決めればよい。
【0024】なお、難分解性有機物量はたとえば、CO
D、TOCなどの測定によって検知し、窒素量はたとえ
ば、ケルダール窒素、その生物的な作用で生成するアン
モニア態窒素や硝酸態窒素などの測定によって検知す
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態
における汚水処理方法が行われる水処理装置の概略構成
を示し、嫌気性生物ろ床1と好気性生物ろ床2とオゾン
反応槽3と貯水槽4とがこの順に配置されている。
【0026】嫌気性生物ろ床1は、槽体5の内部に生物
活性炭など、微生物が付着したろ材を充填してなるろ材
層6を形成したものであり、原水供給管7と貯水槽4か
ら導かれた返送管8と添加剤供給管9とがろ材層6より
下方において槽体5に開口し、槽内で生物処理された生
物処理水を導出する生物処理水導出管10がろ材層6の
上方において槽体5に開口している。
【0027】好気性生物ろ床2は、槽体11の内部に生
物活性炭など、微生物が付着したろ材を充填してなるろ
材層12を形成したものであり、上記した生物処理水導
出管10と貯水槽4から導かれた返送管13とがろ材層
12より下方において槽体11に開口し、槽内で生物処
理された生物処理水を導出する生物処理水導出管14が
ろ材層12の上方において槽体11に開口している。
【0028】オゾン反応槽3には、槽体15内の底部
に、槽外のオゾン化空気供給源に連通したオゾン散気装
置16が設置され、上記した生物処理水導出管14が槽
体15の上部に開口し、槽内でオゾン処理されたオゾン
処理水を導出するオゾン処理水導出管17が槽体15の
下部に開口している。
【0029】貯水槽4には、上記したオゾン処理水導出
管17が上方で開口するとともに、オゾン処理水導出管
17を通じて槽内に流入したオゾン処理水を送液するポ
ンプ装置18を介装した送液管19の基端部が槽内で開
口しており、残りのオゾン処理水を装置外へ排出する排
出路20が設けられている。
【0030】送液管19はポンプ装置18より先端側で
上記した返送管8と返送管13とに分岐し、各返送管
8,13は定流量弁21,22を介装していて、ポンプ
装置18の回転数と定流量弁21,22の開度とによっ
て、返送管8,13を通じて返送するオゾン処理水を任
意の流量に調節できるようになっている。
【0031】上記した構成における作用を説明する。処
理に先立って、系内に流入する汚水中の難分解性有機物
除去量Cの各値ごとに、返送水量Q1/汚水流入量Q0
で定義される返送比R1を1〜15の範囲内で設定して
おく。また、汚水中の窒素除去量Nの各値ごとに、嫌気
性生物ろ床への返送水量Q2/汚水流入量Q0で定義さ
れる嫌気性生物ろ床返送比R2を1〜4の範囲内で設定
しておく。
【0032】処理に際しては、原水供給管7を通じて流
入する汚水を、嫌気性生物ろ床1と好気性生物ろ床2と
オゾン反応槽3とに順次導入するとともに、流入する汚
水中の難分解性有機物除去量Cと窒素除去量Nと汚水流
入量Q0とを連続的に(あるいは適当間隔で)求める。
【0033】そして、求められた難分解性有機物除去量
Cに対応する返送比R1を選択し、選択した返送比R1
と求められた汚水流入量Q0とから返送水量Q1を算出
する。また、求められた窒素除去量Nに対応する嫌気性
生物ろ床返送比R2を選択し、選択した嫌気性生物ろ床
返送比R2と求められた汚水流入量Q0とから嫌気性生
物ろ床への返送水量Q2を算出し、算出した返送水量Q
1から嫌気性生物ろ床への返送水量Q2を減じることに
より、好気性生物ろ床への返送水量(Q1−Q2)
(≧0)を算出する。
【0034】つまり、返送水量Q1、嫌気性生物ろ床へ
の返送水量Q2、好気性生物ろ床への返送水量(Q1−
Q2)は、図2に示したような関係にある。これらの算
出値に基いて、ポンプ装置18の回転数と定流量弁2
1,22の開度とを調節することによって、貯水槽4内
のオゾン処理水をQ1で送液管19側へ取り出し、送液
管19内のオゾン処理水を返送管8側にQ2,返送管1
3側に(Q1−Q2)分流して、嫌気性生物ろ床1の流
入部と好気性生物ろ床2の流入部へと返送し、貯水槽4
から排出路20内にオーバーフローするオゾン処理水を
この水処理装置における処理水として排出する。
【0035】これにより、嫌気性生物ろ床1では、原水
供給管7を通じて汚水が流入し、返送管8を通じて所定
流量のオゾン処理水が流入し、添加剤供給手段9を通じ
て生物分解性有機物が添加され、汚水およびオゾン処理
水中に含まれる生物分解性有機物と、添加された生物分
解性有機物とが水素供与体として利用される状態におい
て、主としてオゾン処理水によって持ち込まれた硝酸態
窒素が生物的脱窒によって除去される。
【0036】このとき、流入汚水中の還元性物質の濃度
は通常は高くて、汚水の酸化還元電位は比較的低く、こ
の流入汚水に、酸化性物質や溶存酸素を含んだオゾン処
理水が所定流量だけ混合されるため、多量のオゾン処理
水が混合される従来の方法に比べて槽内の酸化還元電位
は低くなり、生物分解性有機物の添加量を低減しても生
物的脱窒に適した嫌気的な環境が整えられ、十分に効率
的な脱窒処理が行われる。流入汚水中に粒子径の大きい
SS性の物質が含まれている場合は、ろ材層6で捕捉さ
れる。
【0037】好気性生物ろ床2では、生物処理水導出管
10を通じて生物処理水が流入し、返送管13を通じて
所定流量のオゾン処理水が流入し、生物処理水によって
持ち込まれる原水由来のフミン酸等の難分解性有機物の
大部分は分解されることなく通過し、生物分解性有機物
は、上記したように添加量が低減されたことで有機物負
荷が少ないこともあって効率よく完全に分解され、窒素
含有有機物等のケルダール窒素は、オゾン処理水によっ
て持ち込まれた十分量の溶存酸素が利用される状態にお
いて、効率よく硝酸態窒素に変換される。
【0038】オゾン反応槽3では、生物処理水導出管1
4を通じて生物処理水が流入し、オゾン散気装置16を
通じて散気されたオゾン、およびそれより発生したOH
ラジカルとの反応によって、生物処理水によって持ち込
まれたフミン酸等の難分解性有機物の一部が分解除去さ
れ、一部が生物分解性有機物に部分分解される。その
際、ラジカルスカベンジャーとして働くSSや有機物の
大部分が、嫌気性生物ろ床1と好気性生物ろ床2とで除
去されていて、また難分解性有機物自体も希釈されてい
るため、効率よくオゾン酸化分解が起こる。オゾン処理
水はオゾン処理水導出管17を通じて貯水槽4へ導出さ
れる。
【0039】このようにして処理する結果、水素供与体
としての生物分解性有機物の添加量を従来より低減して
も、効率よく生物脱窒され、生物分解性有機物が分解さ
れるとともに、フミン酸等の難分解性有機物が効率よく
オゾン酸化分解され、全体としての有機物および窒素の
除去率が向上する。
【0040】なお、この実施形態では、嫌気性生物ろ床
1、好気性生物ろ床2とも上向流として通水するように
したが、下向流として通水しても同様の効果が得られ
る。また、汚水中の有機物濃度が非常に高く、上記した
ような循環処理によっても、処理水とされるオゾン処理
水中に生物分解性有機物が残存する恐れがある場合に
は、図3に示したように、オゾン反応槽3の後段にバッ
クアップ的装置としてさらに生物ろ床装置23を設ける
ようにすれば、高い処理水質を確保できる。
【0041】図4に示したように、上向流として通水さ
れる槽体24の内部に2つのろ床25,26を形成し、
ろ床25,26間に曝気装置27を設置することで、下
部に嫌気性部、上部に好気性部を設けた生物ろ床28を
使用しても、上記と同様にして処理することができる。
【0042】また、上述したような、下向流、底部散気
タイプのオゾン反応槽3に代えて、上向流、底部散気タ
イプのオゾン反応槽を使用してもよい。図5に示したよ
うな、エゼクタ式のオゾン注入を行うUチューブ29を
備えた2重管型(Uチューブ型)のオゾン反応槽30を
使用すれば、オゾン溶解率を高めることができる。図6
に示したようなUV照射装置31を併設したオゾン反応
槽32や、図7に示したようなオゾンラジカル発生触媒
33を充填したオゾン反応槽34や、過酸化水素添加手
段を備えたオゾン反応槽を使用すれば、酸素ラジカル、
OHラジカルの発生を促進することができ、難分解性有
機物の分解率を高めることができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、オゾン
反応槽からの流出水を、難分解性有機物除去量に基いた
割合において返送水として系内に循環返送するととも
に、この返送水を窒素除去量に対応する予め設定した割
合で分流して、嫌気性生物ろ床と好気性生物ろ床とに返
送するようにしたことにより、オゾン酸化に悪影響を与
えるラジカルスカベンジャーをオゾン反応槽の前段で低
減して、難分解性有機物の除去効率を著しく向上でき
る。また、嫌気性生物ろ床への過剰な酸素持ち込みを回
避して、水素供与体の添加量を従来より低減し、窒素の
除去効率および有機物の生物分解効率を向上させること
ができる。これらの結果、全体としての有機物および窒
素の除去率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における汚水処理方法が行
われる水処理装置の概略構成を示した説明図である。
【図2】同汚水処理方法における返送水量/汚水流入量
と、窒素除去量/有機物除去量との関係を示したグラフ
である。
【図3】本発明の他の実施形態における汚水処理方法が
行われる水処理装置の概略構成を示した説明図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態における汚水処理
方法が行われる水処理装置の概略構成を示した説明図で
ある。
【図5】図1から図4に示した水処理装置のオゾン反応
槽に代えて使用し得るオゾン反応槽を示した説明図であ
る。
【図6】図1から図4に示した水処理装置のオゾン反応
槽に代えて使用し得る他のオゾン反応槽を示した説明図
である。
【図7】図1から図4に示した水処理装置のオゾン反応
槽に代えて使用し得るさらに他のオゾン反応槽を示した
説明図である。
【図8】難分解性有機物の除去に使用されている従来型
水処理装置の概略構成を示した説明図である。
【図9】難分解性有機物の除去に使用されている他の従
来型水処理装置の概略構成を示した説明図である。
【図10】難分解性有機物の除去に使用されているさら
に他の従来型水処理装置の概略構成を示した説明図であ
る。
【図11】図10に示した従来型水処理装置における水
素供与体としての生物分解性有機物添加量と、CODお
よび窒素の除去効果を示したグラフである。
【符号の説明】
1 嫌気性生物ろ床 2 好気性生物ろ床 3 オゾン反応槽 4 貯水槽 7 原水供給管 8 返送管 13 返送管 19 送液管 20 排出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502R 503 503C 504 504C (56)参考文献 特開 平9−70597(JP,A) 特開 平7−96287(JP,A) 特開 昭60−31895(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水を嫌気性生物ろ床と好気性生物ろ床
    とオゾン反応槽とに順次導入し、オゾン反応槽からの流
    出水の一部を嫌気性生物ろ床と好気性生物ろ床とに返送
    して、汚水中の難分解性有機物などの有機物をオゾン酸
    化処理と生物酸化処理とにより分解し、分解生成物など
    の無機態窒素を生物脱窒し、オゾン反応槽からの残りの
    流出水を処理水として導出する汚水処理方法において、
    オゾン反応槽からの流出水を、汚水の難分解性有機物除
    去量に対応する予め設定した割合において返送水として
    系内に循環返送するとともに、この返送水を汚水の窒素
    除去量に対応する予め設定した割合で分流して、窒素除
    去量に対応する分流水を嫌気性生物ろ床の流入部に返送
    し、残りの分流水を好気性生物ろ床の流入部に返送する
    ことを特徴とする汚水処理方法。
  2. 【請求項2】 系内に流入する汚水の難分解性有機物除
    去量Cの各値ごとに、返送水量Q1/汚水流入量Q0で
    定義される返送比R1を設定するとともに、汚水の窒素
    除去量Nの各値ごとに、嫌気性生物ろ床への返送水量Q
    2/汚水流入量Q0で定義される嫌気性生物ろ床返送比
    R2を設定しておき、処理時に、検知された難分解性有
    機物除去量Cに対応する返送比R1を選択し、選択した
    返送比R1と検知された汚水流入量Q0とから返送水量
    Q1を算出するとともに、検知された窒素除去量Nに対
    応する嫌気性生物ろ床返送比R2を選択し、選択した嫌
    気性生物ろ床返送比R2と検知された汚水流入量Q0と
    から嫌気性生物ろ床への返送水量Q2を算出し、算出し
    た返送水量Q1から嫌気性生物ろ床への返送水量Q2を
    減じることにより、好気性生物ろ床への返送水量(Q1
    −Q2)(≧0)を算出し、これらの算出値に基いて分
    流した分流水をそれぞれ、嫌気性生物ろ床の流入部と好
    気性生物ろ床の流入部とに返送することを特徴とする請
    求項1記載の汚水処理方法。
  3. 【請求項3】 返送水量/汚水流入量で定義される返送
    比の範囲が1〜15であり、嫌気性生物ろ床への返送水
    量/汚水流入量で定義される嫌気性生物ろ床返送比の範
    囲が1〜4であることを特徴とする請求項1または請求
    項2のいずれかに記載の汚水処理方法。
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