JP3383498B2 - 有機性汚水の処理方法 - Google Patents
有機性汚水の処理方法Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Activated Sludge Processes (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水など有機性汚
水を生物処理する新技術、特に活性汚泥処理など汚水の
生物処理にともなう余剰汚泥発生量を著しく削減できる
新技術に関するものである。
水を生物処理する新技術、特に活性汚泥処理など汚水の
生物処理にともなう余剰汚泥発生量を著しく削減できる
新技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から活性汚泥法などの生物処理にと
もなって発生する余剰汚泥量の削減法として特開平6−
206088号公報が公知である。この技術は図2に示
すように、生物処理工程の好気性生物処理槽21から生
物汚泥22の一部を返送汚泥ライン23とは別の系統で
引抜き、オゾン接触槽24においてオゾン酸化して可溶
化した後オゾン酸化汚泥25を好気性生物処理槽21に
返送する技術である。
もなって発生する余剰汚泥量の削減法として特開平6−
206088号公報が公知である。この技術は図2に示
すように、生物処理工程の好気性生物処理槽21から生
物汚泥22の一部を返送汚泥ライン23とは別の系統で
引抜き、オゾン接触槽24においてオゾン酸化して可溶
化した後オゾン酸化汚泥25を好気性生物処理槽21に
返送する技術である。
【0003】しかし、前記技術を、本発明が追試してみ
たところ、次のような実用上の大きな問題点が認められ
た。すなわち、 1.オゾン接触槽でオゾンを散気すると汚泥が激しく発
泡し、汚泥が槽から溢れ出す。この原因は、オゾンの酸
化作用によって汚泥から蛋白質が溶出し、散気によって
激しく発泡してできた泡が安定化されるためであること
が判明した。 2.固液分離手段から生物汚泥を引き抜くためのポンプ
が、返送するためのポンプと別個に必要であるため、ポ
ンプの設備費とその運転コストがかかる。 3.オゾン接触槽から排出される排オゾンガスを無公害
化処理する装置が必要である。
たところ、次のような実用上の大きな問題点が認められ
た。すなわち、 1.オゾン接触槽でオゾンを散気すると汚泥が激しく発
泡し、汚泥が槽から溢れ出す。この原因は、オゾンの酸
化作用によって汚泥から蛋白質が溶出し、散気によって
激しく発泡してできた泡が安定化されるためであること
が判明した。 2.固液分離手段から生物汚泥を引き抜くためのポンプ
が、返送するためのポンプと別個に必要であるため、ポ
ンプの設備費とその運転コストがかかる。 3.オゾン接触槽から排出される排オゾンガスを無公害
化処理する装置が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記公知技
術にある実用上の大きな問題点を解決できる新技術を提
供することを課題とする。
術にある実用上の大きな問題点を解決できる新技術を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、
(1)有機性汚水を生物処理した後、生物処理槽から流
出する生物汚泥を固液分離し、処理水は系外に排出し、
分離汚泥は生物処理槽に返送する有機性汚水の処理方法
において、前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返送汚
泥流路に、オゾンを時間の経過と共にその添加量が増減
するように添加することを特徴とする有機性汚水の処理
方法。
(1)有機性汚水を生物処理した後、生物処理槽から流
出する生物汚泥を固液分離し、処理水は系外に排出し、
分離汚泥は生物処理槽に返送する有機性汚水の処理方法
において、前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返送汚
泥流路に、オゾンを時間の経過と共にその添加量が増減
するように添加することを特徴とする有機性汚水の処理
方法。
【0006】
【0007】好ましくは、(2)前記分離汚泥を生物処
理槽に返送する返送汚泥流路を密閉流路とし、前記密閉
の返送汚泥流路内にオゾンを添加することを特徴とする
前記(1)に記載の有機性汚水の処理方法。さらに好ま
しくは、(3)前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返
送汚泥流路に、オゾンを添加し、分離汚泥内に残留オゾ
ンを含んで生物処理槽に返送することを特徴とする前記
(1)に記載の有機性汚水の処理方法によって達成され
る。
理槽に返送する返送汚泥流路を密閉流路とし、前記密閉
の返送汚泥流路内にオゾンを添加することを特徴とする
前記(1)に記載の有機性汚水の処理方法。さらに好ま
しくは、(3)前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返
送汚泥流路に、オゾンを添加し、分離汚泥内に残留オゾ
ンを含んで生物処理槽に返送することを特徴とする前記
(1)に記載の有機性汚水の処理方法によって達成され
る。
【0008】なお、前記(1)に記載の分離汚泥を生物
処理槽に返送する返送汚泥流路内にオゾンを添加する際
に、時間の経過と共にオゾンの添加量が増減するように
添加するというオゾンの添加態様には、オゾン注入を間
欠的に行い、オゾンを注入しない時間帯がある場合を含
むものである。また、その添加量が時間の経過と共に増
減する仕方は、周期的な増減であることが好ましい。
処理槽に返送する返送汚泥流路内にオゾンを添加する際
に、時間の経過と共にオゾンの添加量が増減するように
添加するというオゾンの添加態様には、オゾン注入を間
欠的に行い、オゾンを注入しない時間帯がある場合を含
むものである。また、その添加量が時間の経過と共に増
減する仕方は、周期的な増減であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の有機性汚水の生物処理工
程のフローを図1に示し、以下に図1を用いて本発明を
説明する。図1において、生物処理槽に、例えば活性汚
泥法の曝気槽1に、下水などの原水2を供給して生物処
理を行う。標準的な活性汚泥法で生物処理槽として使用
される曝気槽1の場合には、この槽において原水2中の
BODなどを生物学的に除去する。生物処理としてはこ
の他生物学的硝化脱窒素法が挙げられる。
程のフローを図1に示し、以下に図1を用いて本発明を
説明する。図1において、生物処理槽に、例えば活性汚
泥法の曝気槽1に、下水などの原水2を供給して生物処
理を行う。標準的な活性汚泥法で生物処理槽として使用
される曝気槽1の場合には、この槽において原水2中の
BODなどを生物学的に除去する。生物処理としてはこ
の他生物学的硝化脱窒素法が挙げられる。
【0010】活性汚泥法の曝気槽1において生物処理さ
れた活性汚泥スラリ3は、沈澱槽4に移送され、沈澱槽
4において固液分離され、処理水5が得られる。すなわ
ち、生物処理と沈殿処理によって有機性汚水からBO
D、COD、SSなどが除去され、得られた処理水5は
系外に排出される。
れた活性汚泥スラリ3は、沈澱槽4に移送され、沈澱槽
4において固液分離され、処理水5が得られる。すなわ
ち、生物処理と沈殿処理によって有機性汚水からBO
D、COD、SSなどが除去され、得られた処理水5は
系外に排出される。
【0011】他方固液分離された分離汚泥6は、返送汚
泥8として汚泥返送ポンプ7により返送汚泥流路9を通
って曝気槽1に返送される。本発明の生物処理において
は、前記返送汚泥流路9に、オゾン発生機10からオゾ
ン11を注入する。好ましくは前記返送汚泥流路9の途
中に滞留槽12設けて、滞留槽12において返送汚泥8
とオゾン11とは十分に接触するように混合される。
泥8として汚泥返送ポンプ7により返送汚泥流路9を通
って曝気槽1に返送される。本発明の生物処理において
は、前記返送汚泥流路9に、オゾン発生機10からオゾ
ン11を注入する。好ましくは前記返送汚泥流路9の途
中に滞留槽12設けて、滞留槽12において返送汚泥8
とオゾン11とは十分に接触するように混合される。
【0012】本発明の特徴は、前記返送汚泥流路9にオ
ゾン11を注入する際、オゾン注入量を時間の経過と共
に増減するように注入することにある。すでに前記した
ように、時間の経過と共に増減するというオゾン添加の
態様には、オゾン注入を間欠的に行い、オゾンを注入し
ない時間帯があるという注入態様を含むものである。ま
た、その添加量が時間の経過と共に増減する仕方は、周
期的な増減であることが好ましい。
ゾン11を注入する際、オゾン注入量を時間の経過と共
に増減するように注入することにある。すでに前記した
ように、時間の経過と共に増減するというオゾン添加の
態様には、オゾン注入を間欠的に行い、オゾンを注入し
ない時間帯があるという注入態様を含むものである。ま
た、その添加量が時間の経過と共に増減する仕方は、周
期的な増減であることが好ましい。
【0013】以下の説明はオゾン注入を周期的にかつ間
欠的に行う場合として説明する。オゾン注入を周期的に
かつ間欠的に行うのに使用する間欠的オゾン発生装置と
しては、「シリカゲル吸着法を用いた間欠的オゾン発生
装置」が好適である。この装置は、酸素を原料とし、シ
リカゲルの優れたオゾン吸着特性を利用し、シリカゲル
へのオゾンの吸着・脱着サイクルを繰り返す特性を有す
る装置で、周期的にかつ間欠的にオゾンを発生させるこ
とになるが、この装置の性能は、オゾン発生時にはオゾ
ン濃度が400g/Nm3 という極めて高濃度のオゾン
を発生する優れた性能を有する。
欠的に行う場合として説明する。オゾン注入を周期的に
かつ間欠的に行うのに使用する間欠的オゾン発生装置と
しては、「シリカゲル吸着法を用いた間欠的オゾン発生
装置」が好適である。この装置は、酸素を原料とし、シ
リカゲルの優れたオゾン吸着特性を利用し、シリカゲル
へのオゾンの吸着・脱着サイクルを繰り返す特性を有す
る装置で、周期的にかつ間欠的にオゾンを発生させるこ
とになるが、この装置の性能は、オゾン発生時にはオゾ
ン濃度が400g/Nm3 という極めて高濃度のオゾン
を発生する優れた性能を有する。
【0014】微生物を含む汚泥にオゾン11が所定量以
上に注入されると、オゾンの強い酸化力により生物汚
泥、ここでは返送汚泥8中に存在する微生物の細胞壁が
酸化され、細胞壁に存在する菌体外高分子(ムコ多糖
類)などがオゾンにより酸化されて低分子化し、さらに
細胞壁が破壊されるとBODが生成する。このオゾン処
理された汚泥(可溶化汚泥)に含まれたBODは、可溶
化汚泥として曝気槽1に返送され、曝気槽1において好
気性微生物によって炭酸ガスと水に分解されるため、余
剰汚泥の発生量が低減される。
上に注入されると、オゾンの強い酸化力により生物汚
泥、ここでは返送汚泥8中に存在する微生物の細胞壁が
酸化され、細胞壁に存在する菌体外高分子(ムコ多糖
類)などがオゾンにより酸化されて低分子化し、さらに
細胞壁が破壊されるとBODが生成する。このオゾン処
理された汚泥(可溶化汚泥)に含まれたBODは、可溶
化汚泥として曝気槽1に返送され、曝気槽1において好
気性微生物によって炭酸ガスと水に分解されるため、余
剰汚泥の発生量が低減される。
【0015】本発明のオゾン発生装置は間欠的オゾン発
生装置であるので、オゾンの注入がおこなわれない時間
帯では、オゾンが注入されることなく移送汚泥8は曝気
槽1に返送され、移送汚泥8に含まれる微生物は原水2
の浄化にあずかる微生物として機能する。なお、オゾン
発生装置がオゾン注入量を時間の経過と共に増減するタ
イプのもので、オゾンの注入がおこなわれない時間帯が
ない場合には、汚泥の可溶化、従って微生物の死滅が起
きるほどのオゾンの注入がおこなわれる時間帯と、汚泥
の可溶化や微生物の死滅が起きない程度にオゾンの注入
がおこなわれる時間帯とを設けることになる。
生装置であるので、オゾンの注入がおこなわれない時間
帯では、オゾンが注入されることなく移送汚泥8は曝気
槽1に返送され、移送汚泥8に含まれる微生物は原水2
の浄化にあずかる微生物として機能する。なお、オゾン
発生装置がオゾン注入量を時間の経過と共に増減するタ
イプのもので、オゾンの注入がおこなわれない時間帯が
ない場合には、汚泥の可溶化、従って微生物の死滅が起
きるほどのオゾンの注入がおこなわれる時間帯と、汚泥
の可溶化や微生物の死滅が起きない程度にオゾンの注入
がおこなわれる時間帯とを設けることになる。
【0016】本発明の好ましい返送汚泥流路の態様で
は、流路は密閉流路であるので、オゾンを注入しても従
来技術で発生したようなオゾン接触槽での激しい発泡に
よる汚泥の溢れ出しのトラブルは起こらない。本発明の
生物処理工程の好ましい態様においては、返送汚泥流路
9の途中に滞留槽12が設けられているので、ここでオ
ゾン11と返送汚泥8は十分に接触し、汚泥が十分可溶
化される時間を確保している。
は、流路は密閉流路であるので、オゾンを注入しても従
来技術で発生したようなオゾン接触槽での激しい発泡に
よる汚泥の溢れ出しのトラブルは起こらない。本発明の
生物処理工程の好ましい態様においては、返送汚泥流路
9の途中に滞留槽12が設けられているので、ここでオ
ゾン11と返送汚泥8は十分に接触し、汚泥が十分可溶
化される時間を確保している。
【0017】なお、オゾンの注入位置を、沈澱槽4から
返送汚泥8を吸引する汚泥返送ポンプ7の吸引側とする
と、汚泥返送ポンプ7のインペラによりオゾン気泡が細
断されるためオゾン吸引効果が向上する。また、ポンプ
7のオゾン吸引効果はオゾン注入圧力を小さくできる利
点を生じる。
返送汚泥8を吸引する汚泥返送ポンプ7の吸引側とする
と、汚泥返送ポンプ7のインペラによりオゾン気泡が細
断されるためオゾン吸引効果が向上する。また、ポンプ
7のオゾン吸引効果はオゾン注入圧力を小さくできる利
点を生じる。
【0018】返送汚泥9はオゾン11により可溶化さ
れ、返送汚泥流路9を通って生物処理槽(活性汚泥法で
は曝気槽1)の底部に流出する。未吸収の残留オゾン気
泡は、曝気槽1中を水面に向かって上昇する間に、原水
2および曝気槽1内の活性汚泥と接触し、ほぼ完全にオ
ゾン11は汚泥に吸収されるので、従来装置の場合のよ
うに系外に排出される過剰オゾンを処理する設備は本発
明の場合には不要である。
れ、返送汚泥流路9を通って生物処理槽(活性汚泥法で
は曝気槽1)の底部に流出する。未吸収の残留オゾン気
泡は、曝気槽1中を水面に向かって上昇する間に、原水
2および曝気槽1内の活性汚泥と接触し、ほぼ完全にオ
ゾン11は汚泥に吸収されるので、従来装置の場合のよ
うに系外に排出される過剰オゾンを処理する設備は本発
明の場合には不要である。
【0019】また、汚泥可溶化に利用されなかった残留
オゾンは原水2と接触するので、原水2中の微生物分解
性のCODが除去される。この他生物処理が生物学的硝
化脱窒素法である場合には、オゾンは硝化菌の活性を高
めるので、処理水5の水質が向上する。さらにオゾン1
1が曝気槽1の活性汚泥と接触するので、バルキングの
原因になる糸状菌の発生を抑制し、活性汚泥の沈降性が
向上する。糸状菌は少量のオゾンにより増殖が著しく抑
制される。またオゾン11の作用によりノカルヂアなど
の放線菌による曝気槽1の水面のスカムの発生を完全に
防止できる。
オゾンは原水2と接触するので、原水2中の微生物分解
性のCODが除去される。この他生物処理が生物学的硝
化脱窒素法である場合には、オゾンは硝化菌の活性を高
めるので、処理水5の水質が向上する。さらにオゾン1
1が曝気槽1の活性汚泥と接触するので、バルキングの
原因になる糸状菌の発生を抑制し、活性汚泥の沈降性が
向上する。糸状菌は少量のオゾンにより増殖が著しく抑
制される。またオゾン11の作用によりノカルヂアなど
の放線菌による曝気槽1の水面のスカムの発生を完全に
防止できる。
【0020】オゾンの添加量は、汚泥SS重量あたり5
%〜10%程度が好適である。オゾン量が少な過ぎると
汚泥可溶化が十分すすまず、オゾン量が過剰であるとい
たずらにオゾンコストが高くなる。供給オゾン濃度は、
高濃度の方が汚泥の可溶化が効果的にすすむのでオゾン
濃度20g/Nm3 以上、好ましくは100g/Nm 3
以上とするのが良い。
%〜10%程度が好適である。オゾン量が少な過ぎると
汚泥可溶化が十分すすまず、オゾン量が過剰であるとい
たずらにオゾンコストが高くなる。供給オゾン濃度は、
高濃度の方が汚泥の可溶化が効果的にすすむのでオゾン
濃度20g/Nm3 以上、好ましくは100g/Nm 3
以上とするのが良い。
【0021】返送汚泥流路へのオゾン注入時間は、通常
1時間あたり5〜10分間程度とするのが良いが、オゾ
ン発生機から供給するオゾンの濃度によって変化するの
で正確には実験的に決めることになる。一般的にはオゾ
ン濃度が高いほどオゾン注入時間は短くて良い。
1時間あたり5〜10分間程度とするのが良いが、オゾ
ン発生機から供給するオゾンの濃度によって変化するの
で正確には実験的に決めることになる。一般的にはオゾ
ン濃度が高いほどオゾン注入時間は短くて良い。
【0022】オゾンの添加量は、汚泥の可溶化の程度を
変動させると同時に曝気槽に返送される微生物SSの量
が変動させることになる。すなわち、返送汚泥流路への
オゾン注入時間が長いと返送汚泥に含まれる微生物SS
の量が減る、反対に短いと微生物SSの量は多くなる。
従って具体的には、曝気槽の活性汚泥濃度(MLSS)
が所定の値、例えば3000〜5000mg/リットル
に維持されるようにオゾンの添加量を制御することによ
って汚泥の可溶化の程度も制御できる。曝気槽内の活性
汚泥濃度は、槽内にMLSS自動測定器を設置すること
によって容易に所定の値に制御することができる。曝気
槽中の活性汚泥濃度を前記の値に制御することは、また
原水の生物処理を最も効率的にすることにもなる。
変動させると同時に曝気槽に返送される微生物SSの量
が変動させることになる。すなわち、返送汚泥流路への
オゾン注入時間が長いと返送汚泥に含まれる微生物SS
の量が減る、反対に短いと微生物SSの量は多くなる。
従って具体的には、曝気槽の活性汚泥濃度(MLSS)
が所定の値、例えば3000〜5000mg/リットル
に維持されるようにオゾンの添加量を制御することによ
って汚泥の可溶化の程度も制御できる。曝気槽内の活性
汚泥濃度は、槽内にMLSS自動測定器を設置すること
によって容易に所定の値に制御することができる。曝気
槽中の活性汚泥濃度を前記の値に制御することは、また
原水の生物処理を最も効率的にすることにもなる。
【0023】また以上説明したように、生物処理槽にお
いて生物処理された活性汚泥スラリを沈澱槽において固
液分離し、分離された分離汚泥は返送汚泥流路を通って
曝気槽に返送するという生物処理工程にあって、本発明
の生物処理工程においては、前記返送汚泥流路の途中に
滞留槽を設け、滞留槽において返送汚泥とオゾンとを十
分に接触させ汚泥を可溶化し、該可溶化汚泥を生物処理
槽に返送する循環処理を行うので、余剰生物汚泥発生量
をほぼゼロにすることが可能である。
いて生物処理された活性汚泥スラリを沈澱槽において固
液分離し、分離された分離汚泥は返送汚泥流路を通って
曝気槽に返送するという生物処理工程にあって、本発明
の生物処理工程においては、前記返送汚泥流路の途中に
滞留槽を設け、滞留槽において返送汚泥とオゾンとを十
分に接触させ汚泥を可溶化し、該可溶化汚泥を生物処理
槽に返送する循環処理を行うので、余剰生物汚泥発生量
をほぼゼロにすることが可能である。
【0024】本発明の処理方法は、生物学的硝化脱窒素
工程に適用することもでき、この場合には汚泥を脱窒素
が行われる嫌気槽に返送し、オゾン酸化によって生成し
たBOD成分を脱窒素菌のための有機炭素源として活用
する。
工程に適用することもでき、この場合には汚泥を脱窒素
が行われる嫌気槽に返送し、オゾン酸化によって生成し
たBOD成分を脱窒素菌のための有機炭素源として活用
する。
【0025】
実施例1
図1の装置を用い、下水を対象として、本発明の生物処
理を行った。処理に使用した下水の水質を第1表に示
す。
理を行った。処理に使用した下水の水質を第1表に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】下水を好気的生物処理する工程の条件など
を第2表に示す。なお、下水の曝気槽への供給量は1日
あたり24リットルである。
を第2表に示す。なお、下水の曝気槽への供給量は1日
あたり24リットルである。
【0028】
【表2】
【0029】以上の条件で下水を好気的生物処理した後
生物処理水を沈殿槽に移送して固液分離する。分離水
(処理水)は系外に排水する。一方、分離汚泥は1日あ
たり24リットルの返送速度で沈澱槽から0.8g/リ
ットルの濃度の沈殿汚泥(返送汚泥)を汚泥返送ポンプ
により密閉系の返送汚泥流路に吸引して曝気槽へ移送す
る。
生物処理水を沈殿槽に移送して固液分離する。分離水
(処理水)は系外に排水する。一方、分離汚泥は1日あ
たり24リットルの返送速度で沈澱槽から0.8g/リ
ットルの濃度の沈殿汚泥(返送汚泥)を汚泥返送ポンプ
により密閉系の返送汚泥流路に吸引して曝気槽へ移送す
る。
【0030】密閉系の返送汚泥流路の途中に滞留槽が設
けられており、滞留槽にオゾン発生機からオゾンを間欠
的に注入する。オゾンの注入条件を下記第3表に示す。
けられており、滞留槽にオゾン発生機からオゾンを間欠
的に注入する。オゾンの注入条件を下記第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】分離汚泥は密閉系の返送汚泥流路を通って
曝気槽に返送される途中滞留槽において十分にオゾンと
接触することにより可溶化される。以上の条件で1年間
処理を行った結果、処理水の平均水質は、SS:5mg
/リットル、BOD:6mg/リットル、COD:7m
g/リットルとなり極めて良好な水質の処理水が得られ
た。また、この生物処理では余剰生物汚泥は発生しなか
った。
曝気槽に返送される途中滞留槽において十分にオゾンと
接触することにより可溶化される。以上の条件で1年間
処理を行った結果、処理水の平均水質は、SS:5mg
/リットル、BOD:6mg/リットル、COD:7m
g/リットルとなり極めて良好な水質の処理水が得られ
た。また、この生物処理では余剰生物汚泥は発生しなか
った。
【0033】また、活性汚泥のSVIは50〜80リッ
トル/gと小さく、活性汚泥の沈降性は小さくバルキン
グは認められなかった。また、曝気槽の水面から排出さ
れるオゾン濃度は0.1ppm以下であった。
トル/gと小さく、活性汚泥の沈降性は小さくバルキン
グは認められなかった。また、曝気槽の水面から排出さ
れるオゾン濃度は0.1ppm以下であった。
【0034】実施例2
図1の装置を用い、下水を対象として、本発明の別の生
物処理を行った。処理に使用した下水の水質は前記第1
表に示したと同じである。また、下水を好気的生物処理
する工程の条件なども前記第2表したと同じである。な
お、下水の曝気槽への供給量は1日あたり24リットル
である。
物処理を行った。処理に使用した下水の水質は前記第1
表に示したと同じである。また、下水を好気的生物処理
する工程の条件なども前記第2表したと同じである。な
お、下水の曝気槽への供給量は1日あたり24リットル
である。
【0035】以上の条件で下水を好気的生物処理した後
生物処理水を沈殿槽に移送して固液分離する。分離水
(処理水)は系外に排水する。一方、分離汚泥は1日あ
たり24リットルの返送速度で沈澱槽から0.8g/リ
ットルの濃度の沈殿汚泥(返送汚泥)を汚泥返送ポンプ
により密閉系の返送汚泥流路に吸引して曝気槽へ移送す
る。密閉系の返送汚泥流路の途中に滞留槽が設けられて
おり、滞留槽にオゾン発生機からオゾンを間欠的に注入
する代わりにオゾン注入量を増減させる方法を試験し
た。
生物処理水を沈殿槽に移送して固液分離する。分離水
(処理水)は系外に排水する。一方、分離汚泥は1日あ
たり24リットルの返送速度で沈澱槽から0.8g/リ
ットルの濃度の沈殿汚泥(返送汚泥)を汚泥返送ポンプ
により密閉系の返送汚泥流路に吸引して曝気槽へ移送す
る。密閉系の返送汚泥流路の途中に滞留槽が設けられて
おり、滞留槽にオゾン発生機からオゾンを間欠的に注入
する代わりにオゾン注入量を増減させる方法を試験し
た。
【0036】オゾン注入条件は、以下のように設定し
た。 1時間の中50分間・・・オゾン注入量を汚泥SS
重量当たり0.5%とする。 1時間の中10分間・・・オゾン注入量を汚泥SS
重量当たり7%とする。 この条件により1年間処理を行った結果、処理水の平均
水質は、SS:6mg/リットル、BOD:7mg/リ
ットル、COD:5mg/リットルとなり極めて良好な
水質の処理水が得られた。また、余剰生物汚泥は実施例
の場合と同様発生しなかった。
た。 1時間の中50分間・・・オゾン注入量を汚泥SS
重量当たり0.5%とする。 1時間の中10分間・・・オゾン注入量を汚泥SS
重量当たり7%とする。 この条件により1年間処理を行った結果、処理水の平均
水質は、SS:6mg/リットル、BOD:7mg/リ
ットル、COD:5mg/リットルとなり極めて良好な
水質の処理水が得られた。また、余剰生物汚泥は実施例
の場合と同様発生しなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の生物処理により次のような効果
が得られた。 1.生物処理工程から余剰生物汚泥は発生せず、かつオ
ゾンが原水と接触するので処理水のCODが減少する。 2.オゾン接触槽における汚泥発泡のトラブルが発生し
ない。
が得られた。 1.生物処理工程から余剰生物汚泥は発生せず、かつオ
ゾンが原水と接触するので処理水のCODが減少する。 2.オゾン接触槽における汚泥発泡のトラブルが発生し
ない。
【0038】3.排オゾンの処理設備が要らない。
4.生物処理槽から汚泥を引き抜き、オゾン接触槽に供
給するためのポンプは、沈殿槽からの移送ポンプで兼用
でき、不要である。 5.工程の構成は従来のものより著しく簡単である。
給するためのポンプは、沈殿槽からの移送ポンプで兼用
でき、不要である。 5.工程の構成は従来のものより著しく簡単である。
【図1】本発明の有機性汚水の処理工程のフローの1例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図2】生物処理槽中の生物汚泥を別ラインでオゾン可
溶化処理し生物処理槽に戻す工程を備えた有機性汚水の
処理工程のフローの従来例を示す説明図である。
溶化処理し生物処理槽に戻す工程を備えた有機性汚水の
処理工程のフローの従来例を示す説明図である。
1 曝気槽
2 原水
3 スラリ
4 沈殿槽
5 処理水
6 分離汚泥
7 汚泥返送ポンプ
8 返送汚泥
9 返送汚泥流路
10 オゾン発生機
11 オゾン
12 滞留槽
21 好気性生物処理槽
22 生物汚泥
23 返送汚泥ライン
24 オゾン接触槽
25 オゾン酸化汚泥
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C02F 3/12
C02F 11/06
Claims (3)
- 【請求項1】 有機性汚水を生物処理した後、生物処理
槽から流出する生物汚泥を固液分離し、処理水は系外に
排出し、分離汚泥は生物処理槽に返送する有機性汚水の
処理方法において、前記分離汚泥を生物処理槽に返送す
る返送汚泥流路に、オゾン発生装置を用いてオゾンを時
間の経過と共にその添加量が増減するように添加するこ
とを特徴とする有機性汚水の処理方法。 - 【請求項2】 前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返
送汚泥流路を密閉流路とし、前記密閉の返送汚泥流路内
にオゾンを添加することを特徴とする請求項1に記載の
有機性汚水の処理方法。 - 【請求項3】 前記分離汚泥を生物処理槽に返送する返
送汚泥流路に、オゾンを添加し、分離汚泥内に残留オゾ
ンを含んで生物処理槽に返送することを特徴とする請求
項1に記載の有機性汚水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31226295A JP3383498B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 有機性汚水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31226295A JP3383498B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 有機性汚水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09150185A JPH09150185A (ja) | 1997-06-10 |
JP3383498B2 true JP3383498B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=18027129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31226295A Expired - Fee Related JP3383498B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 有機性汚水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3383498B2 (ja) |
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JP3763439B2 (ja) * | 1997-05-30 | 2006-04-05 | 三菱電機株式会社 | 廃水のオゾン処理方法およびオゾン処理装置 |
JP2000033393A (ja) * | 1998-07-17 | 2000-02-02 | Showa Engineering Co Ltd | 汚水処理方法 |
JP3763444B2 (ja) * | 1999-01-19 | 2006-04-05 | 株式会社荏原製作所 | 有機性汚水の処理方法 |
JP2000254683A (ja) * | 1999-03-09 | 2000-09-19 | Yaskawa Electric Corp | 汚水処理施設および生物反応槽への余剰汚泥供給制御方法 |
JP2001191097A (ja) * | 1999-10-25 | 2001-07-17 | Sumitomo Precision Prod Co Ltd | 排水処理方法 |
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DE10021632A1 (de) * | 2000-05-04 | 2001-11-08 | Philaqua Aufbereitungstechnik | Klärschlammreduzierung mit Ozon in Belebtschlammanlagen unter Einhaltung der gesetzlich geforderten CSB-Ablaufwerte |
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US7513999B2 (en) * | 2006-09-29 | 2009-04-07 | Praxair Technology, Inc. | Ozonation of wastewater for reduction of sludge or foam and bulking control |
TR200908245A2 (tr) * | 2009-11-04 | 2011-05-23 | Ferd� G�K�Ay Celal | Ardışık, kesikli ozon dozlama ile aerobik atık çamur çürütme prosesi |
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CN111886206A (zh) * | 2018-04-03 | 2020-11-03 | 三菱电机株式会社 | 污泥排出控制装置及水处理系统、污泥排出控制方法 |
-
1995
- 1995-11-30 JP JP31226295A patent/JP3383498B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09150185A (ja) | 1997-06-10 |
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