JP4205876B2 - 汚泥処理方法及びエジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾンを用いた汚泥処理方法、及びその汚泥処理方法に好適に使用されるオゾンガス注入用のエジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種有機性排水の生物処理に伴って発生する汚泥の減容化処理にオゾンの有効なことが知られている。ここにおける汚泥処理では、処理すべき汚泥にオゾンガスが注入されるが、その注入にエジェクタが有効とされている(例えば特開2000−202485号公報)。
【0003】
オゾン注入にエジェクタを用いた汚泥処理では、図1に示すように、処理すべき汚泥がポンプにより加圧されて、エジェクタ10に通される。エジェクタ10は入口部が漸次縮径し、出口部が漸次拡径した円筒体である。汚泥が中間部に形成された小径のスロート部11を高速で通過することによって生じる負圧により、オゾンガスが導入路12を通ってスロート部11に導入される。実際には、オゾンガスは加圧されているので、この加圧による押し込みと負圧による吸引とにより、スロート部11に導入され、汚泥に注入される。
【0004】
オゾン注入にエジェクタを用いる利点としては、
▲1▼ 散気方式と比べて設備が小型化されること、
▲2▼ 汚泥が小径のスロート部11を通過するときの機械的破砕効果により、汚泥が生物処理され易くなること、即ち汚泥の可溶化が促進されること、
▲3▼ 小径のスロート部11で薄層流となった汚泥に、オゾンがスポット的に作用することにより、汚泥の可溶化が促進されることの3点が挙げられる。
【0005】
即ち、汚泥粒子は硬い細胞壁に囲まれており、これが汚泥の生物処理を困難にしている。このため、細胞壁の一部を部分的に破壊して貫通孔をあけることにより、汚泥粒子の可溶化が達成される。オゾン分子はこの細胞壁を攻撃し、汚泥粒子を可溶化するのに有効とされている。しかし、オゾンによる純化学的な作用だけでは、汚泥粒子の可溶化が進みにくい。このために、エジェクタのスロート部内径を小さく絞ることにより、スロート部における汚泥の流速が20m/sを超える値に設定され、汚泥がスロート部を通過するときの機械的破砕効果、及びオゾンガスのスポット的作用が増強され併用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなスロート部の内径が小径のエジェクタを汚泥処理に使用すると、スロート部に汚泥が頻繁に詰まる。このため、汚泥を細かく破砕或いは除去する前処理の負荷が大きくなり、これによる設備の大型化及び処理コストの増大が避けられないのが現状である。
【0007】
なお、エジェクタのスロート部内径を大きくし、スロート部における液流速が20m/s以下になると、オゾンによる汚泥の可溶化効果が著しく低下することは、前述したとおりである。
【0008】
また、汚泥のなかでも特に、し尿汚泥については、細胞壁がとりわけ強固なため、スロート部における液流速が20m/sを超える小径・高流速のエジェクタを用いたオゾン処理によっても、可溶化が困難であった。
【0009】
本発明の目的は、汚泥の流通性を確保しつつ、その汚泥の可溶化を促進できる汚泥処理方法を提供することにある。本発明の他の目的は、し尿汚泥を可溶化できる汚泥処理方法を提供することにある。また、本発明の更に他の目的は、汚泥処理におけるオゾン注入に適用して、汚泥の流通性に優れるエジェクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これまでのオゾンによる汚泥処理では、オゾンガスのオゾン濃度は120g/m3 N未満であった。これは120g/m3 N以上の高濃度オゾンガスを発生できる高性能オゾナイザが少なく、高価であったこと、そのような高性能オゾナイザは、高度処理が要求される半導体分野に限定的に使用され、半導体分野ほどの処理レベルを必要としない汚泥処理には過剰設備で、不必要と考えられていたことなどによる。
【0011】
このような状況下で、本発明者らは、オゾンによる汚泥処理に対して、120g/m3 N以上の高濃度オゾンガスを発生できる高性能オゾナイザを使用し、エジェクタ使用下でのオゾン濃度と汚泥処理性との関係を、広い濃度範囲にわたって詳細に調査した。その結果、オゾンガスのオゾン濃度によって、汚泥粒子の可溶化のメカニズムが、下記のように大きく異なることが判明した。オゾン濃度と汚泥処理性との定量的な調査結果については後で詳しく述べる。
【0012】
図2はオゾン分子による汚泥粒子の可溶化のメカニズムを概念的に示す模式図である。汚泥粒子30は内容物31が硬い細胞壁32に覆われている。汚泥に対するオゾンガスの注入によりオゾン分子20が汚泥粒子30を攻撃するが、図2(a)のように、2個のオゾン分子20が汚泥粒子30の同じ箇所を集中的に攻撃したときは、細胞壁32に孔が開き、そこから内容物31が細胞壁32の外に流出し、生物処理が可能となる。する。即ち、汚泥粒子30が可溶化される。
【0013】
ところが、図2(b)のように、2個のオゾン分子20による攻撃箇所が分散すると、細胞壁32に孔が開き難く、とりわけ細胞壁32が厚いし尿汚泥に対しては、可溶化が困難になる。散気方式で汚泥を可溶化できないのは、オゾン分子20が分散して汚泥粒子30を集中的に攻撃できないことによる。
【0014】
図3は、エジェクタを用いてオゾンガスを注入する場合にオゾン分子が汚泥粒子を攻撃する機構を、オゾンガスのオゾン濃度別に示したものである。
【0015】
オゾン濃度が120g/m3 N未満の低濃度乃至中濃度領域では、図3(a)に示すように、オゾン分子20の密度が低いため、エジェクタによるオゾン注入といえども、2個のオゾン分子20が汚泥粒子30の同じ箇所を集中的に攻撃することが難しい。このため、オゾンによる純粋な可溶化率は低く、エジェクタの設計によってこれを補足する必要がある。
【0016】
具体的には、エジェクタのスロート部内径が可溶化率に大きな影響を及ぼし、現実的な可溶化率を得るためにはスロート部内径を小さく絞ることが必要になる。即ち、ジェクタのスロート部内径を小さくして液流速を増し、機械的な破壊作用を増長し、汚泥の薄層化を推進してオゾンガスをスポット的に作用させることが必要になる。しかし、その一方では、汚泥の流通性が悪化することは前述したとおりである。
【0017】
これに対し、オゾン濃度が120〜250g/m3 Nの高濃度領域では、図3(b)に示すように、オゾン分子20の密度が高くなるため、2個のオゾン分子20が汚泥粒子30の同じ箇所を集中的に攻撃することが容易となり、その頻度が上がる。その結果、オゾンによる純粋な可溶化が促進され、細胞壁が硬いし尿汚泥のオゾンによる可溶化も可能になる。同時に、相対的にエジェクタの設計が可溶化に与える影響度が低下する。即ち、エジェクタのスロート部における液流速が可溶化率に及ぼす影響度が低下し、その液流速を大きくする必要がなくなり、これを小さくしても十分な可溶化率が図られる。このため、スロート部の内径増大が可能となり、汚泥の流通性悪化を回避することが可能となる。
【0018】
オゾン濃度が250g/m3 Nを超える超高濃度領域では、図3(c)に示すように、オゾン分子20が過密状態となり、必要以上に多いオゾン分子20が一つの汚泥粒子30の同じ箇所を攻撃し、汚泥粒子30の細胞壁32を必要以上に破壊し、微細化することにより、細胞壁32までを可溶化する。このため、オゾン分子10の汚泥粒子の可溶化に対する利用効率が低下し、結果、可溶化率は低下傾向となる。
【0019】
以上より次のことが分かる。
▲1▼ オゾン注入にエジェクタを使用すれば、これまでオゾンによる可溶化が困難であったし尿汚泥の可溶化が可能になる。
▲2▼ オゾン濃度が120〜250g/m3 Nの高濃度領域では、可溶化率の低下を伴わずに、エジェクタのスロート部内径を大きくして、スロート部における液流速を小さくでき、汚泥の流通性を改善できる。
▲3▼ エジェクタとしては、可溶化率の点から使用されていなっかったスロート部が大径で、スロート部における液流速が20m/s以下の低速型エジェクタの使用が可能になる。
【0020】
本発明はかかる知見を基礎として完成されたものであり、その第1の汚泥処理方法は、処理すべき汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用するものである。これにより、可溶化率の低下を伴わずに、エジェクタのスロート部内径が大きくされるので、汚泥の流通性を改善できる。オゾン濃度が120g/m3 N未満では、可溶化率が全体的に低い上に、エジェクタのスロート部内径が可溶化率に大きな影響を与え、可溶化率の確保のためにスロート部内径の縮小を余儀なくされる。オゾン濃度が250g/m3 Nを超えると逆に可溶化率の低下が顕著となる。また、スロート部における液流速が20m/s超であると汚泥の流通性が悪化する。ここで、スロート部における液流速20m/s以下は、後述するように、スロート部の内径10(0.01A) 1/2 mm以上〔Aは流動性被処理物の流量(L/分)〕に対応する。したがって、処理すべき汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部の内径が、前記汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用する汚泥処理方法も、本発明の第1の汚泥処理方法である。スロート部の内径が10(0.01A) 1/2 mm未満であるとスロート部における液流速が20m/sを超える。
【0021】
ここにおけるジェクタのスロート部における液流速としては14〜20m/sが好ましい。20m/sを超えると、汚泥の流通性が悪化し、前処理の負荷が増大する。14m/s未満であると、破砕効果等が不十分なため、オゾンガスを高濃度にしても、満足な可溶化率が得られない。
【0022】
また、本発明の第2の汚泥処理方法は、処理すべきし尿汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用するものである。これにより、これまでオゾンによる可溶化が困難であったし尿汚泥の可溶化が可能になる。スロート部における液流速が20m/s超であると、し尿汚泥の流通性が悪化する。ここで、スロート部における液流速20m/s以下は、後述するように、スロート部の内径10(0.01A) 1/2 mm以上〔Aは流動性被処理物の流量(L/分)〕に対応する。したがって、処理すべきし尿汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部の内径が、前記し尿汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用する汚泥処理方法も、本発明の第2の汚泥処理方法である。スロート部の内径が10(0.01A) 1/2 mm未満であるとスロート部における液流速が20m/sを超える。
【0023】
ここにおけるオゾンガスのオゾン濃度を120〜250g/m3 Nとしたのは次の理由による。オゾン濃度が120g/m3 N未満では、可溶化率が全体的に低い上に、エジェクタのスロート部内径が可溶化率に大きな影響を与え、可溶化率の確保のためにスロート部内径の縮小を余儀なくされる。オゾン濃度が250g/m3 Nを超えると逆に可溶化率の低下が顕著となる。
【0024】
エジェクタのスロート部における液流速も14〜20m/sが好ましい。20m/sを超えると、汚泥の流通性が悪化し、前処理の負荷が増大する。14m/s未満であると、破砕効果等が不十分なため、オゾンガスを高濃度にしても、満足な可溶化率が得られない。
【0025】
また、本発明のエジェクタは、オゾン処理する流動性被処理物へオゾン濃度が120〜250g/m 3 Nのオゾンガスを注入するのに使用されるエジェクタにおいて、スロート部の内径を、前記被処理物の流量をA(L/分)として10(0.01A)1/2 〜10(0.015A)1/2 mmとしたものである。これにより、流動性被処理物の流通性を改善できる。10(0.01A)1/2 mm未満であると、スロート部における液流速が20m/sを超え、結果、汚泥の流通性が悪化し、前処理の負荷が増大する。10(0.015A)1/2 mmを超えると、スロート部における液流速が14m/s未満となり、結果、オゾンガスを高濃度にしても、満足な可溶化率が得られない。
【0026】
ここにおけるオゾンガスのオゾン濃度を120〜250g/m3 Nとしたのは次の理由による。オゾン濃度が120g/m3 N未満では、処理効率が全体的に低い上に、エジェクタのスロート部内径が処理効率に大きな影響を与え、処理効率の確保のためにスロート部内径の縮小を余儀なくされる。オゾン濃度が250g/m3 Nを超えると逆に処理効率の低下が顕著となる。
【0027】
いずれにおいても、特に好ましいオゾン濃度は、120〜210g/m3 である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は本発明の汚泥処理方法の実施に適した処理設備の構成図である。
【0029】
処理すべき汚泥は、逐次循環処理系に導入される。循環処理系は、導入された汚泥を加圧する循環ポンプ1、バッファタンク2、流量計7、オゾンガスを注入するエジェクタ3、反応塔4及び気液分離塔5からなる。エジェクタ3には、オゾナイザ6より所定オゾン濃度のオゾンガスが供給される。汚泥は、この循環処理系に所定量導入され、ここを所定回循環して気液分離塔5より循環処理系外へ排出される。これを繰り返すことにより、汚泥処理が継続される。
【0030】
この循環処理系を用いて実際にし尿汚泥を処理した結果を次に説明する。エジェクタ3として、スロート部内径が2.8mmのものと、3.5mmのものを使用した。ここにおける汚泥の流量は8L/分であるので、スロート部における液流速は、それぞれ20m/s、14m/sである。エジェクタ3に供給するオゾンガスのオゾン濃度を変化させたときの、処理後の汚泥の可溶化率を調査した。循環処理系おける循環回数は8回とした。結果を図5及び図6に示す。
【0031】
図5中の横軸はオゾン濃度、縦軸は溶存態有機炭素量の増加量(ΔDOC)で、可溶化の度合いを表す指標である。即ち、図5は可溶化に対するオゾン濃度の影響度を、スロート部における液流速が20m/sの場合と14m/sの場合について示している。
【0032】
図5から分かるようように、オゾン濃度が120g/m3 N未満の低濃度乃至中濃度領域では、可溶化率は全体として低い。加えて、スロート部における液流速が20m/sの場合と14m/sの場合とで可溶化率が大きく異なり、20m/sを超える液流速の採用が不可欠となる。即ち、オゾンによる化学的な可溶化の不足を補うために、スロート部内径を小さくすることが必要となる。
【0033】
オゾン濃度が120〜250g/m3 Nの高濃度領域では、可溶化率が全体として向上する。加えて、スロート部における液流速が20m/sの場合と14m/sの場合とで可溶化率の差がなくなり、スロート部の大径化による20m/s以下の採用が可能になる。
【0034】
オゾン濃度が250g/m3 Nを超える超高濃度領域では、スロート部における液流速による影響は小さいものの、可溶化率の低下が顕著になる。
【0035】
また、図6の横軸はオゾン濃度、縦軸はオゾン処理による固形分の減少量(ΔSS)に対する溶存態有機炭素量の増加量(ΔDOC)の比率であり、固形分の消滅量に対する可溶化の増加量の比率を表している。この比率はC5 /C5 H7 NO2 で表され、最大で約0.5である。またスロート部における液流速は20m/sである。
【0036】
図6から分かるように、オゾン濃度が250g/m3 Nまでは、全消滅量に対する可溶化量の比率は低位に保たれているが、オゾン濃度が250g/m3 Nを超えると、この比率が最大値近くまで急激に増大する。これは、250g/m3 Nを境界として、オゾン分子による可溶化の機構が変化したことを表している。具体的には、250g/m3 N以下では、可溶化は汚泥粒子の細胞壁に対して局部的に行われ、ここでは必要最小限のオゾン分子が使われ、オゾン分子が汚泥粒子の可溶化に有効利用されるが、250g/m3 Nを超えると、固形分の消滅量に対する可溶化の増加量の比率が上がって、汚泥粒子の細胞壁まで可溶化が進み、ここでは必要以上のオゾン分子が使われて非効率的な攻撃を行い、オゾン分子が無効消費されていることを裏付けている。
【0037】
図5及び図6の調査結果は、図2及び図3で説明した可溶化のメカニズムに正確に符合するものである。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の汚泥処理方法は、処理すべき汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタ、或いはスロート部の内径が、前記し尿汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である、大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することにより、可溶化率の低下を伴わずに、エジェクタのスロート部内径が大きくされるので、汚泥の流通性を改善できる。
【0039】
また、処理すべきし尿汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタ、或いはスロート部の内径が、前記し尿汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である、大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することにより、これまでオゾンによる可溶化が困難であったし尿汚泥の可溶化を可能にする。
【0040】
また、本発明のエジェクタは、オゾン処理する流動性被処理物へオゾン濃度が120〜250g/m 3 Nのオゾンガスを注入するのに使用されるエジェクタにおいて、スロート部内径を前記被処理物の流量をA(L/分)として、10(0.01A)1/2 〜10(0.015A)1/2 mmとすることにより、流動性被処理物の流通性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エジェクタの構成図である。
【図2】オゾン分子による汚泥粒子の可溶化機構を示すイメージ図である。
【図3】エジェクタを用いてオゾンガスを注入する場合にオゾン分子が汚泥粒子を攻撃する機構を、オゾンガスのオゾン濃度別に示したイメージ図である。
【図4】本発明の汚泥処理方法の実施に適した処理設備の構成図である。
【図5】可溶化に対するオゾン濃度の影響を、スロート部における液流速が20m/sの場合と14m/sの場合について示したグラフである。
【図6】固形分の消滅量に対する可溶化の増加量の比率に対するオゾン濃度の影響を示したグラフである。
【符号の説明】
1 循環ポンプ
2 バッファタンク
3 エジェクタ
4 反応塔
5 気液分離塔
6 オゾナイザ
7 流量計
10 エジェクタ
11 スロート部
12 オゾンガス導入路
20 オゾン分子
30 汚泥粒子
31 内容物
32 細胞壁
Claims (6)
- 処理すべき汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することを特徴とする汚泥処理方法。
- 処理すべき汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部の内径が、前記汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である、大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することを特徴とする汚泥処理方法。
- 処理すべきし尿汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部における液流速20m/s以下が可能な大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することを特徴とする汚泥処理方法。
- 処理すべきし尿汚泥に対し、エジェクタを用いて、オゾン濃度が120〜250g/m 3 Nであるオゾンガスを注入すると共に、前記エジェクタとして、スロート部の内径が、前記し尿汚泥の流量をA(L/分)として、10(0.01A) 1/2 mm以上である、大径スロート部をもつ低速型エジェクタを使用することを特徴とする汚泥処理方法。
- オゾン処理する流動性被処理物へオゾン濃度が120〜250g/m 3 Nのオゾンガスを注入するのに使用されるエジェクタであって、スロート部の内径が、前記被処理物の流量をA(L/分)として、10(0.01A)1/2 〜10(0.015A)1/2 mmであるエジェクタ。
- 前記流動性被処理物が汚泥である請求項5に記載のエジェクタ。
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