JP3215619B2 - 浄化装置及びその運転方法 - Google Patents

浄化装置及びその運転方法

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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工場や家庭等からの
廃水を浄化する浄化装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場や家庭からの廃水中には、脂肪、タ
ンパク質等の高分子有機物が多量に混在しており、これ
がそのまま川や海に流されると、環境汚染の原因とな
る。そこで、微生物による分解・硝化・脱窒プロセスを
経て窒素成分等をガス化して除去する浄化装置が従来か
ら知られている。
【0003】ここで、微生物による処理は好気性処理と
嫌気性処理を繰り返すことで、効率的なサイクルで処理
を行っている。好気性処理では廃水中のアンモニア態窒
素(NH4 +)を硝酸態窒素(NO3 -)や亜硝酸態窒素
(NO2 -)に酸化分解し、また嫌気性処理では、嫌気性
の脱窒菌が有機炭素を用いて、好気性処理で生成された
硝酸態窒素(NO3 -)や亜硝酸態窒素(NO2 -)を還元
し窒素ガス(N2)に変換する。また、嫌気状態では脂
肪やタンパク質等の高分子有機物が低級な分子、例えば
酢酸(CH3COOH)にまで分解され、更にこれがメ
タン生成菌によりCO2とCH4にまで分解される。
【0004】上記の好気性処理と嫌気性処理を行うに
は、生物処理槽を好気性処理槽と嫌気性処理槽に分ける
手段と、1つの曝気槽で間欠的に曝気運転することで好
気性処理と嫌気性処理とを交互に行う手段とがあり、前
者は菌体管理が容易であるが、装置が大型化し、後者は
この逆である。
【0005】そして、曝気槽での間欠運転の切換えの目
安として、DO値(溶存酸素濃度)やpH値の他に、酸
化還元電位(ORP)を運転の制御ファクターとして安
定した生物処理を行うようにした先行技術が知られてい
る。例えば、前記した特開昭61−54295号公報の
他に特開昭62−68594号公報、特開昭62−16
3798号公報、特開昭62−282694号公報、特
開昭62−286597号公報等がある。
【0006】ところで、上述したように廃水を生物的に
処理する装置では多量の余剰汚泥が発生する。斯かる余
剰汚泥は定期的に沈殿槽から取り出して焼却するのが一
般的な浄化装置であるが、処理コストが大きくなる。そ
こで、特公昭60−3873号公報には汚泥貯留槽を設
け、この汚泥貯留槽において余剰汚泥を分解ガス化する
処理方法が提案されている。
【0007】また、汚泥貯留槽から汚泥を曝気槽に戻し
て、硝化効率を高めるようにした先行技術として、特開
昭61−54295号公報や特開平2−284695号
公報に開示されるものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、汚泥
の一部を曝気槽に戻し、更には曝気槽での運転を酸化還
元電位(ORP)等を基準として効率よく行っても、発
生する汚泥のほぼ全量を分解ガス化し、汚泥抜取り等の
作業をなくしてメンテナンスフリーとするには、装置全
体を大型化しなければならない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、微生物処理
で発生した余剰汚泥の表面には酸化膜が殻状に形成さ
れ、沈殿槽から余剰汚泥を曝気槽等に戻しても、当該殻
状の酸化膜が強固であると、戻した汚泥粒子を分解する
ことができない。しかしながら、汚泥粒子を超嫌気(O
RP≦−190mV)状態にすることで、殻状の酸化膜
は還元され軟らかくなってが破壊され、汚泥粒子に対し
て容易に好気性処理を施すことができ、つまり硝酸態窒
素や亜硝酸態窒素に変換することができるという知見に
基づき本発明をなしたものである。尚、ここにいう破壊
には酸化膜が薄くなって消失する場合も含んだ概念であ
る。
【0010】
【0011】
【0012】本発明に係る浄化装置の運転方法は、流量
調整槽からの廃水に微生物によって好気性処理と嫌気性
処理を施し、この微生物による処理が終了した廃水を固
液分離し、沈殿した汚泥の一部を嫌気性処理して汚泥表
面の酸化膜を破壊し、この表面酸化膜が破壊された汚泥
を前記流量調整槽若しくは好気性処理槽に戻すようにし
た。ここで、表面酸化膜が十分に破壊される酸化還元電
位(ORP)としては−190mV以下とするのが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る浄化装置
の全体構成図であり、浄化装置は上流側から順に、原液
槽1、流量調整槽2、曝気槽3、沈殿槽4、砂濾過槽
5、活性炭槽6及び消毒槽7が設けられ、更に沈殿槽4
の下流側には濾過槽5とは別に超嫌気槽8が設けられて
いる。
【0014】前記原液槽1には木片等の大きな異物を取
り除くフィルタ9が設けられ、フィルタ9を透過した廃
水がポンプ10により流量調整槽2に送られ、この流量
調整槽2からポンプ11にて計量桝12に廃水を送り、
この計量桝12を介して曝気槽3に一定量の廃水を供給
して好気性処理と嫌気性処理を施す。
【0015】曝気槽3の底部には曝気装置13と攪拌装
置14が配置され、曝気装置13から空気を供給するこ
とで曝気槽3内で好気性処理を行い、曝気装置13の運
転を停止することで曝気槽3内で嫌気性処理を行う。
尚、攪拌装置14は曝気槽内を速かに好気性雰囲気また
は嫌気性雰囲気にするためのものであり、好気性処理と
嫌気性処理の何れの場合にも運転可能である。
【0016】また、曝気槽3における好気性処理と嫌気
性処理の切換えは、曝気槽3内の廃水のDO値、pH値
を基準とすることもできるが、安定な処理を行うため、
酸化還元電位(ORP)を曝気装置13の運転の切換え
の基準とするのが好ましい。
【0017】具体的に数値をもって示すと、嫌気性処理
は酸化還元電位(ORP)が−90mV〜−110mV
になるまで行う。これは−90mVより大きいと、後述
する超嫌気槽8でORPを−190mV以下としても汚
泥粒子表面に形成された酸化膜を十分に破壊することが
できず、−110mVより小さくすると、好気性処理に
切換えたときの硝化作用が阻害され、T−N除去率が低
下することによる。
【0018】そして、曝気槽3内での好気性処理と嫌気
性処理が終了した廃水はポンプ15によって沈殿槽4に
送られ、ここで静置することで固液分離され、廃水中の
汚泥16は沈殿槽4の底部に沈殿する。
【0019】沈殿槽4での上澄み液は定量移行装置17
を介して砂濾過槽5、活性炭槽6及び消毒槽7を介し
て、下水等に放流され、また沈殿槽4の底部に沈殿した
汚泥16の一部は微生物の栄養源としてポンプ18で曝
気槽3に戻され、他の一部はポンプ19で超嫌気槽8に
送られる。
【0020】超嫌気槽8では、汚泥の酸化還元電位(O
RP)が−190mV以下になるまで嫌気状態のまま保
持する。酸化還元電位(ORP)が−190mV以下に
なると、図2に示すように、汚泥16の表面酸化膜16
aが順次破壊される。尚、図2は表面酸化膜16aの破
壊を模式的に示したものであり、実際には表面酸化膜1
6aが薄くなって消失する場合もあり、ここではこれら
を含めて破壊と称する。
【0021】このように、表面酸化膜16aが破壊され
た汚泥16は、ポンプ20及び汚泥戻し管21を介して
流量調整槽2に戻される。この流量調整槽2は廃水が流
入するため好気状態となっており、表面酸化膜16aが
破壊された汚泥16は、流量調整槽2にてある程度好気
性処理されて一部が硝酸態窒素(NO3−N)や亜硝酸
態窒素(NO2−N)に変換された状態で曝気槽3に供
給される。
【0022】尚、超嫌気槽8の上澄み液は定量移行装置
22及び戻し管23を介して流量調整槽2に戻される。
【0023】具体的な実施例を以下に挙げる。廃水の流
入量を70m3/日、沈殿槽から曝気槽へ直接返送する
汚泥の量を24m3/日、超嫌気槽に送る汚泥の量を6
30リットル/日とし、超嫌気槽でORP値が−190
mV〜210mVになるまで貯留した汚泥を流量調整槽
に返送したところ、曝気槽の入口における汚泥の成分
は、BOD=59mg/リットル、(NH4−N2)=2
1mg/リットル、(T−N)=28mg/リットルで
あったが、沈殿槽からの上澄み液の成分は、(T−N)
=4.8mg/リットル、(NH4−N2)=2.1mg
/リットル、(NO3−N)=0.64mg/リット
ル、(T−P)=1.1mg/リットルとなり、十分に
浄化されていることが分る。
【0024】図3は別実施例に係る浄化装置の全体構成
図であり、この実施例にあっては、生物処理槽として1
つの曝気槽を設ける代りに、常時空気が導入されている
好気性処理槽31と一切空気の導入を断った嫌気性処理
槽32を併設している。このような構成とすることで、
好気性処理槽31では好気性菌の管理のみを、嫌気性処
理槽32では嫌気性菌の管理のみを行えばよいので、管
理が楽になる。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の浄化装置
の運転方法によれば、沈殿槽の下流側に設けた超嫌気槽
に沈殿槽から余剰汚泥を導入し、表面の酸化膜が破壊さ
れるまで嫌気性処理(ORPが−190mV以下)し、
この表面の酸化膜が破壊された汚泥粒子を流量調整槽に
戻すようにしたので、汚泥粒子に対する好気性処理が効
率よく行われ、最終的に汚泥を回収する必要が殆どない
か、全く必要としないものである。
【0026】また、生物処理槽として、間欠運転可能な
単槽の曝気槽を用いる場合には、浄化装置全体としてコ
ンパクト化を達成することができ、また生物処理槽とし
て、好気性処理槽と嫌気性処理槽を用意する場合には、
菌体の維持管理、更には超嫌気槽へ送り出す汚泥のOR
P値のコントロールが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浄化装置の全体構成図
【図2】汚泥の表面酸化膜の破壊の様子を説明した図
【図3】別実施例に係る浄化装置の全体構成図
【符号の説明】
1…原液槽、2…流量調整槽、3…曝気槽、4…沈殿
槽、5…濾過槽、8…超嫌気槽、13…曝気装置、14
…攪拌装置、16…汚泥、16a…汚泥の表面酸化膜、
21…汚泥戻し管、31…好気性処理槽、32…嫌気性
処理槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/04 C02F 3/28 - 3/30 C02F 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流量調整槽からの廃水に微生物による好
    気性処理と嫌気性処理を施し、この微生物による処理が
    終了した廃水を固液分離し、予め汚泥の酸化還元電位
    (ORP)が−90mV〜−110mVになるまで行っ
    た後に沈殿した汚泥の一部を汚泥の酸化還元電位(OR
    P)が−190mV以下になるまで嫌気性処理して汚泥
    表面の酸化膜の軟化若しくは破壊までを行い、この酸化
    膜が軟化若しくは破壊された汚泥粒子に再び好気性処理
    を施すようにしたことを特徴とする浄化装置の運転方
    法。
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JP4841850B2 (ja) * 2005-03-01 2011-12-21 住重環境エンジニアリング株式会社 有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置
CN111807646A (zh) * 2020-08-03 2020-10-23 黑龙江建筑职业技术学院 一种污水处理用生物反应器

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