JP3533690B2 - 害虫忌避剤および害虫忌避方法 - Google Patents
害虫忌避剤および害虫忌避方法Info
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Description
ネオールを有効成分とする害虫忌避剤および該化合物を
用いる害虫忌避方法に関するものである。
すべく鋭意検討した結果、キク科植物のArtemisia aust
riaca Jacqの地上部に含まれる、式 化2
忌避活性を見出し、本発明を完成させるに至った。即
ち、本発明は式 化2で示される9−ヒドロキシ−1,
8−シネオール(以下、化合物1と称する)を有効成分
として含有することを特徴とする害虫忌避剤および化合
物1を用いることを特徴とする害虫忌避方法を提供す
る。
riaca Jacqの葉から、例えば、後記の参考例のようにし
て得られるが、特開昭63−253081号公報に記載
の方法等にしたがって、合成的にも得ることができる。
化合物1には不整炭素原子に由来する立体異性体が存在
するが、本発明には光学活性体およびラセミ体が含まれ
る。本発明の害虫忌避剤が有効な害虫としては、たとえ
ばハマダラカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等の
Aedes類、アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ
類、ブユ、サシバエ、サンドフライ、ヌカカ等の吸血害
虫等をあげることができる。
は、有効成分そのものを皮膚に塗布するか、または適当
な担体に配合した組成物(以下、本発明組成物と称す
る。)として用いることができ、たとえばローション、
エアゾール等の液剤やクリーム剤等の形態に調製して利
用される。また、化合物1を含有する植物、特にキク科
植物のArtemisia austriaca Jacqの植物体そのものを利
用して、その鉢植え、葉やドライフラワー等を用いて、
害虫忌避をおこなうこともできる。液剤を調製する際に
用いられる担体としては、たとえば水、メタノール、エ
タノール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジ
ン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類が
あげられる。液剤には、さらに通常の乳化剤または分散
剤、展着・湿潤剤、懸濁化剤、保存剤、噴射剤等の製剤
用補助剤等を添加配合することもでき、さらに通常の塗
膜形成剤を配合することもできる。具体的には、たとえ
ば石鹸類、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポ
リオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルアリールスルホン酸
塩等の乳化剤;グリセリン、ポリエチレングリコール等
の展着・湿潤剤;カゼイン、ゼラチン、アルギン酸、カ
ルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ベントナイト等の懸濁化剤;パラ
オキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パ
ラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル
等の保存剤;ジメチルエーテル、クロロフルオロカーボ
ン類、炭酸ガス等の噴射剤;ニトロセルロース、アセチ
ルセルロース、アセチルブチリルセルロース、メチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル樹脂等のビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール等の各種塗膜形成剤
をあげることができる。また、クリーム剤を調製する際
に用いられる担体としては、たとえば流動パラフィン、
ワセリン、パラフィン等の炭化水素類、ジメチルシロキ
サン、コロイド状シリカ、ベントナイト等のシリコン
類、エタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアル
コール等の1価のアルコール類、ポリエチレングリコー
ル、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコー
ル類、ラウリン酸、ステアリン酸等のカルボン酸類、蜜
蝋、ラノリン等のエステル類等があげられる。さらに、
上記液剤と同様の製剤用補助剤を添加配合することもで
きる。さらにまた、マイクロカプセル化した形態に調製
して、ローション、エアゾール等に製剤して用いること
もできる。
剤、酸化防止剤、その他の添加剤等を配合することもで
きる。配合可能な他の害虫忌避剤としては、たとえばカ
ラン−1,2−ジオール、D-eet 、p−メンタン−3,
8−ジオール、2,3,4,5−ビス(△2 −ブチレ
ン)テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソ
シンコメロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−
ヒドロキシエチルオクチルスルフィドおよびエンペント
リン{1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル d
−シス、トランス−クリサンセメート(シス:トランス
比=2:8)}等を、共力剤としては、たとえばN−
(2−エチルヘキシル)−8,9,10−トリノルボルン
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK-264) 等
を、酸化防止剤としては、たとえばブチルヒドロキシア
ニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロー
ル、γ−オリザノール等をそれぞれ例示できる。
は、直接皮膚等に処理することができ、また、予めシー
ト状、フィルム状、網目状、帯状等の適当な基材に塗
布、含浸、混練、滴下等の処理をしておき、該基材で皮
膚の露出部または衣服の上を被覆する等の方法で使用で
きる。該基材の材質としては、たとえばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ビニロン、ナイロン等の合成繊維や
樹脂、絹、綿、羊毛等の動植物繊維、アルミニウム等の
無機質繊維またはそれらの混合物があげられる。網目状
の基材を用いる場合、網目は細かいほど好ましいが、一
般には16メッシュ以下程度であれば充分に有効であ
る。本発明組成物中、有効成分である化合物1の含有量
は、剤型や適用方法により異なるが、たとえばローショ
ン、エアゾール等の液剤あるいはクリーム剤等で用いる
場合または基剤に含有させて用いる場合には、有効成分
量は 0.5〜70重量%、好ましくは3〜40重量%であ
る。また、本発明組成物の処理量は、通常、皮膚の面積
1cm2 当り、有効成分化合物を0.01〜5mg、好ましくは
0.1〜1mg含有する量であり、これらの量は、有効成分
化合物を単独で処理する場合にも用いられる量である。
上述の処理量は、製剤の種類、対象の害虫種、その密
度、使用時刻、気象条件または使用する人の年令等によ
って異なり、上記の範囲にかかわることなく、増加させ
たり減少させたりすることができる。
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。 参考例 トルコのカルス地方で採集したArtemisia austriaca Ja
cqの地上部1.0kg を6リットルのクロロホルムで抽出
後、溶媒を留去し、20gの濃縮物を得た。これを減圧
下で蒸留し、揮発性分画(bp 50 ℃〜250 ℃/20mmHg)
3.8gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン−酢酸エチル系) に付し、9−ヒドロキ
シ−1,8−シネオール(化合物1)48mgを得た。その
理化学的性質を以下に示す。 mp63-65 ℃ 旋光度 〔α〕D 23=+0.80°(c=1.0,CHCl3) IR(ニート) 3400cm-1(水酸基)1 H−NMR(CDCl3 ,TMS) δ(ppm) 1.07(3H,s)、1.28(3H,s)、1.5-1.8(6H,m) 、1.9-2.1(3
H,m) 、3.40(1H,d,J=10.5H Z ) 、3.63(1H,d,J=10.5H
Z )13 C−NMR(CDCl3 ,TMS) δ(ppm) 22.62(t)、22.84(t)、23.68(q)、27.32(q)、29.70(d)、
31.80(t)、31.98(t)、69.1(t) 、70.1(s) 、75.5(s) 質量スペクトル 170(M + )、139(M + -CH2OH, base peak),121(M + -CH
2OH-H2O)
を表わす。 製剤例1 化合物1 10部をエタノールに溶解して全体を35部
とし、エアゾール容器に充填する。ついでバルブを付け
た後、該バルブ部分を通じて、フロン11および12の
1:1の混合物(噴射剤)65部を加圧充填すればエア
ゾールを得る。 製剤例2 化合物1 10部に、ステアリン酸10部、セチルアル
コール2部、ラノリン1部、流動パラフィン2部および
水62部を加え、加熱して溶解混和し、これに、さら
に、加熱したグリセリン13部を注入し、よく攪拌して
クリーム剤を得る。 製剤例3 化合物1 6部、ラノリン 0.5部およびTween 60(I
CI社製ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト)6部からなる混合物を80℃に加熱し、これを、水
75部とサリチル酸 2.5部との混合物(60℃)中に入
れ、迅速に攪拌しながら、化合物1 10部を添加して
ローションを得る。
して有用であることを試験例により示す。尚、該試験で
用いた化合物1は前記参考例で取得したものである。 試験例 供試化合物をエタノールで希釈した所定濃度の溶液90
μlを、バリカンで羽毛を除去したヒヨコ腹部の皮膚
(2.5cm×4cm)に塗布した(有効成分として1.5g/m2 相
当)。ヒヨコは、処理部分のみが露出されるように固定
した。このヒヨコ各2羽を、ネッタイシマカAedes ae
gypti の羽化後6〜8日令成虫約500頭(雌雄ほぼ同
数)を放飼したナイロンゴース製のケージ(21×21
×30cm)上面にそれぞれ置き、2分後に、誘引された
雌の蚊の数を観察した。実験は、1化合物につき、同種
のケージ、2ケージを用いて行ない、観察は、処理直後
および1時間後にそれぞれ行なった。忌避率は下記の式
により求めた。
6および83%の忌避率を示した。
Claims (2)
- 【請求項1】式 化1 【化1】 で示される9−ヒドロキシ−1,8−シネオールを有効
成分として含有することを特徴とする害虫忌避剤。 - 【請求項2】請求項1記載の式 化1で示される9−ヒ
ドロキシ−1,8−シネオールを用いることを特徴とす
る害虫忌避方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01351794A JP3533690B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 害虫忌避剤および害虫忌避方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01351794A JP3533690B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 害虫忌避剤および害虫忌避方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07215807A JPH07215807A (ja) | 1995-08-15 |
JP3533690B2 true JP3533690B2 (ja) | 2004-05-31 |
Family
ID=11835352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01351794A Expired - Lifetime JP3533690B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 害虫忌避剤および害虫忌避方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3533690B2 (ja) |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP01351794A patent/JP3533690B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07215807A (ja) | 1995-08-15 |
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