JP3291568B2 - 害虫忌避剤 - Google Patents
害虫忌避剤Info
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Description
有効成分とする害虫忌避剤に関するものである。
来、蚊類、ハエ類等の吸血害虫等からヒトおよび動物の
身を守る為に忌避剤が用いられており、たとえばN,N
−ジエチル−3−トルアミド(以下、Deetと称する)
が、スプレー,ローション,クリーム等の形態で使用さ
れてきたが、Deetも残効性等の点で害虫忌避剤の有効成
分としては必ずしも常に充分とは言えない。
虫忌避剤を見出すべく鋭意検討した結果、ハマゴウ(Vi
tex rotundifolia)の葉に含まれる、式 化2
し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は式
化2で示されるジアルデヒド化合物(以下、化合物1と
称する)を有効成分として含有することを特徴とする害
虫忌避剤を提供する。
ia)の葉から、例えば、後記の参考例のようにして得ら
れるが、例えば、Tetrahedron,33, 851-854 (1977) に
記載の方法にしたがって、合成的にも得ることができ
る。化合物1には不整炭素原子に由来する立体異性体が
存在するが、本発明には光学活性体およびラセミ体が含
まれる。本発明の害虫忌避剤が有効な害虫としては、た
とえばハマダラカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
等の Aedes類、アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエ
カ類、ブユ、サシバエ、サンドフライ、ヌカカ等の吸血
害虫等をあげることができる。
は、有効成分そのものを皮膚に塗布するか、または適当
な担体に配合した組成物(以下、本発明組成物と称す
る。)として用いることができ、たとえばローション、
エアゾール等の液剤やクリーム剤等の形態に調製して利
用される。液剤を調製する際に用いられる担体として
は、たとえば水、メタノール、エタノール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、
ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水
素類、酢酸エチル等のエステル類があげられる。液剤に
は、さらに通常の乳化剤または分散剤、展着・湿潤剤、
懸濁化剤、保存剤、噴射剤等の製剤用補助剤等を添加配
合することもでき、さらに通常の塗膜形成剤を配合する
こともできる。具体的には、たとえば石鹸類、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂
肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪
酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコ
ールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ等のアルキルアリールスルホン酸塩等の乳化剤;グリ
セリン、ポリエチレングリコール等の展着・湿潤剤;カ
ゼイン、ゼラチン、アルギン酸、カルボキシメチルセル
ロース、アラビアガム、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ベントナイト等の懸濁化剤;パラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸
プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の保存剤;ジメ
チルエーテル、クロロフルオロカーボン類、炭酸ガス等
の噴射剤;ニトロセルロース、アセチルセルロース、ア
セチルブチリルセルロース、メチルセルロース等のセル
ロース誘導体、酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂、ポリ
ビニルアルコール等の各種塗膜形成剤をあげることがで
きる。また、クリーム剤を調製する際に用いられる担体
としては、たとえば流動パラフィン、ワセリン、パラフ
ィン等の炭化水素類、ジメチルシロキサン、コロイド状
シリカ、ベントナイト等のシリコン類、エタノール、ス
テアリルアルコール、ラウリルアルコール等の1価のア
ルコール類、ポリエチレングリコール、エチレングリコ
ール、グリセリン等の多価アルコール類、ラウリン酸、
ステアリン酸等のカルボン酸類、蜜蝋、ラノリン等のエ
ステル類等があげられる。さらに、上記液剤と同様の製
剤用補助剤を添加配合することもできる。さらにまた、
マイクロカプセル化した形態に調製して、ローション、
エアゾール等に製剤して用いることもできる。
剤、酸化防止剤、その他の添加剤等を配合することもで
きる。配合可能な他の害虫忌避剤としては、たとえばカ
ラン−1,2−ジオール、D-eet 、p−メンタン−3,
8−ジオール、2,3,4,5−ビス(△2 −ブチレ
ン)テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソ
シンコメロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−
ヒドロキシエチルオクチルスルフィドおよびエンペント
リン{1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル d
−シス、トランス−クリサンセメート(シス:トランス
比=2:8)}等を、共力剤としては、たとえばN−
(2−エチルヘキシル)−8,9,10−トリノルボルン
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK-264) 等
を、酸化防止剤としては、たとえばブチルヒドロキシア
ニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロー
ル、γ−オリザノール等をそれぞれ例示できる。
は、直接皮膚等に処理することができ、また、予めシー
ト状、フィルム状、網目状、帯状等の適当な基材に塗
布、含浸、混練、滴下等の処理をしておき、該基材で皮
膚の露出部または衣服の上を被覆する等の方法で使用で
きる。該基材の材質としては、たとえばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ビニロン、ナイロン等の合成繊維や
樹脂、絹、綿、羊毛等の動植物繊維、アルミニウム等の
無機質繊維またはそれらの混合物があげられる。網目状
の基材を用いる場合、網目は細かいほど好ましいが、一
般には16メッシュ以下程度であれば充分に有効であ
る。本発明組成物中、有効成分である化合物1の含有量
は、剤型や適用方法により異なるが、たとえばローショ
ン、エアゾール等の液剤あるいはクリーム剤等で用いる
場合または基剤に含有させて用いる場合には、有効成分
量は 0.5〜70重量%、好ましくは3〜40重量%であ
る。また、本発明組成物の処理量は、通常、皮膚の面積
1cm2 当り、有効成分化合物を0.01〜5mg、好ましくは
0.1〜1mg含有する量であり、これらの量は、有効成分
化合物を単独で処理する場合にも用いられる量である。
上述の処理量は、製剤の種類、対象の害虫種、その密
度、使用時刻、気象条件または使用する人の年令等によ
って異なり、上記の範囲にかかわることなく、増加させ
たり減少させたりすることができる。
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。 参考例 種子島で採集した新鮮なハマゴウ(Vitex rotundifoli
a) の葉5kgを10リットルのクロロホルムで抽出後、
溶媒を留去し、45gの濃縮物を得た。これを減圧下で
蒸留し、揮発性分画(bp 150℃〜180 ℃/20mmHg) 3.3g
を得た。これをシリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘ
キサン−酢酸エチル=2:1 v/v) に付し、2−(2−
ホルミル−3−メチル−シクロペント−2−エニル)ア
セトアルデヒド(化合物1)0.25gを油状化合物として
得た。その理化学的性質を以下に示す。 高分解能MS 実測値 152.0837;計算値 152.0837(C9 H12O2 ) 旋光度 〔α〕D 23=+39.3° IR(ニート) 1725cm-1(飽和アルデヒド基) 1665cm-1(α,β−不飽和アルデヒド基)1 H−NMR(CDCl3 ,TMS) δ(ppm) 9.95(1H,s)、9.73(1H,t,J=2.0)、3.45(1H,m)、2.87(1H,
ddd,J=2.2, 8.0, 16.2) 、2.70〜2.40(3H,m)、2.35(1H,
ddd,J=2.2, 6.0, 16.2) 、2.13(3H,br s) 、1.50(1H,dd
dd)13 C−NMR(CDCl3 ,TMS) δ(ppm) 201.9(s)、187.9(d)、164.2(s)、139.2(s)、48.1(d) 、
39.3(t) 、38.5(t) 、28.4(t) 、14.7(q)
を表わす。 製剤例1 化合物1 10部をエタノールに溶解して全体を35部
とし、エアゾール容器に充填する。ついでバルブを付け
た後、該バルブ部分を通じて、フロン11および12の
1:1の混合物(噴射剤)65部を加圧充填すればエア
ゾールを得る。 製剤例2 化合物1 10部に、ステアリン酸10部、セチルアル
コール2部、ラノリン1部、流動パラフィン2部および
水62部を加え、加熱して溶解混和し、これに、さら
に、加熱したグリセリン13部を注入し、よく攪拌して
クリーム剤を得る。 製剤例3 化合物1 6部、ラノリン 0.5部およびTween 60(I
CI社製ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト)6部からなる混合物を80℃に加熱し、これを、水
75部とサリチル酸 2.5部との混合物(60℃)中に入
れ、迅速に攪拌しながら、化合物1 10部を添加して
ローションを得る。
して有用であることを試験例により示す。尚、該試験で
用いた化合物1は前記参考例で取得したものである。 試験例 供試化合物をエタノールで希釈した所定濃度の溶液90
μlを、バリカンで羽毛を除去したヒヨコ腹部の皮膚
(2.5cm×4cm)に塗布した(有効成分として1.5g/m2 相
当)。ヒヨコは、処理部分のみが露出されるように固定
した。このヒヨコ各2羽を、ネッタイシマカAedes ae
gypti の羽化後6〜8日令成虫約500頭(雌雄ほぼ同
数)を放飼したナイロンゴース製のケージ(21×21
×30cm)上面にそれぞれ置き、2分後に、誘引された
雌の蚊の数を観察した。実験は、1化合物につき、同種
のケージ、2ケージを用いて行ない、観察は、処理直
後、1、2および3時間後にそれぞれ行なった。忌避率
は下記の式により求めた。
す。
Claims (1)
- 【請求項1】式 化1 【化1】 で示されるジアルデヒド化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする害虫忌避剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15685393A JP3291568B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 害虫忌避剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15685393A JP3291568B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 害虫忌避剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0710710A JPH0710710A (ja) | 1995-01-13 |
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Family
ID=15636812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15685393A Expired - Fee Related JP3291568B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 害虫忌避剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3291568B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-06-28 JP JP15685393A patent/JP3291568B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Bianco,A.,et al.,Partial synthesis of isoeucommiol,a new cyclopenten oid−tetrol,Tetrahedron(1977),英国,Vol.33,No.8,pp.851−854 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0710710A (ja) | 1995-01-13 |
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