JP3532563B2 - Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質 - Google Patents

Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質

Info

Publication number
JP3532563B2
JP3532563B2 JP51718491A JP51718491A JP3532563B2 JP 3532563 B2 JP3532563 B2 JP 3532563B2 JP 51718491 A JP51718491 A JP 51718491A JP 51718491 A JP51718491 A JP 51718491A JP 3532563 B2 JP3532563 B2 JP 3532563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
transferrin
gonorrhoeae
meningitidis
proteins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51718491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06500562A (ja
Inventor
スパーリング,ピー.,フレデリック
コーネリセン,シンチア,ナウ
Original Assignee
ザ ユニバーシティー オブ ノースカロライナ アット チャペル ヒル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ユニバーシティー オブ ノースカロライナ アット チャペル ヒル filed Critical ザ ユニバーシティー オブ ノースカロライナ アット チャペル ヒル
Publication of JPH06500562A publication Critical patent/JPH06500562A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3532563B2 publication Critical patent/JP3532563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/22Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Neisseriaceae (F)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • A61P39/02Antidotes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1203Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria
    • C07K16/1217Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria from Neisseriaceae (F)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria m
eningitidis由来のトランスフェリン結合蛋白質および
免疫学的交差反応性フラグメントおよびそれらのアナロ
グに関するものである。さらに明細書は、そのような蛋
白質に対して惹起される抗体、さらには、N.gonorrhoea
eおよびN.meningitidisの検出におけるそのような蛋白
質および抗体の使用、およびN.gonorrhoeaeおよびN.men
ingitidisにより引き起こされる疾病の処置に関するも
のである。組換えトランスフェリン結合蛋白質をコード
するDNAおよびそのようなDNAを発現する細胞もまた、本
発明に包含されるものである。
N.gonorrhoeaeおよびN.meningitidisは、遺伝子的に
は類似しているが、病原性的には異なる二つのNeisseri
a属病原体である。鉄は、多くの細菌同様、N.gonorrhoe
aeおよびN.meningitidisの増殖における必須栄養素であ
る。大部分の他のグラム陰性細菌とは異なり、N.gonorr
hoeaeおよびN.meningitidisは小さな、シデロフォア(s
iderofore)と呼ばれる溶解性の鉄−キレート化合物を
産生・分泌しない。これらの他のグラム陰性細菌は鉄−
シデロフォア複合体を取り込むことができるレセプター
を有する。
一方、N.gonorrhoeaeおよびN.meningitidisは、各々
ヒトの外分泌物中および血清中に存在する鉄結合糖蛋白
質であるラクトフェリンやトランスフェリンに結合する
膜蛋白質を有すると考えられる。N.gonorrhoeaeおよび
N.meningitidisは、ヒト宿主において、ラクトフェリン
およびトランスフェリンを、これらラクトフェリンおよ
びトランスフェリン−結合膜蛋白質、すなわちレセプタ
ーへ結合させることにより鉄を取り込むと考えられる。
N.meningitidis由来のラクトフェリン結合蛋白質は10
5kDの、鉄調節外層膜蛋白質であると考えられる(Schry
versおよびMorris,Infect.Immun.56,1144−1149(198
8)参照)。N.meningitidisのうちの一つの細胞株に由
来するトランスフェリン結合蛋白質は71kDの鉄調節外層
膜蛋白質であると報告されているが、その他の細胞株は
分子量75kD〜88kD、85kDおよび95kDのトランスフェリン
結合蛋白質を有することが報告されている(Schryvers
およびMorris,Mol.Microbiol.,281−288(1988)参
照)。これらの著者は、N.meningitidisのトランスフェ
リン結合蛋白質の同定の様々な試験結果が互いに一致し
ないことを認めている。事実、85kDおよび95kDの蛋白質
はN.meningitidisのトランスフェリンレセプター機能に
必要でないことが示された(Dyerら,Microbial Pathoge
nesis ,351−363(1987)参照)。
N.gonorrhoeaeの鉄同化能力もまた興味深いものであ
る。ある研究において、鉄欠失条件下で増殖させた細胞
由来の淋菌膜全体を用いたドット結合アッセイ(dot bi
nding assay)により、ラクトフェリンおよびトランス
フェリンの各々のレセプターの存在が示唆された。結合
蛋白質の分子量および他の特性は測定されていない(Le
eおよびSchryvers,Mol.Microbiol.,827−829(1988)
参照)。したがって、N.gonorrhoeaeの結合蛋白質の同
定は、これまで立証されていない。
淋菌および髄膜炎菌感染により引き起こされる疾病は
広まり、しばしば重篤なものとなる。そのような疾病で
ある淋病、髄膜炎および敗血性ショックの予防、検出お
よび処置するための改善方法が必要とされている。
ヒト体内におけるN.gonorrhoeaeおよびN.meningitidi
sの増殖は、これらの細胞の鉄吸収能を低下させること
により阻害できる。淋病および髄膜炎菌細胞の血流中で
の鉄の同化能力は、トランスフェリンレセプター機能を
ブロックすることにより低下させることが可能であろ
う。トランスフェリンレセプターは、例えば、レセプタ
ーに対する抗体によりブロックできるであろう。しかし
ながら、レセプターに対する抗体を惹起させるために
は、レセプターは単離できるように同定されなければな
らない。
したがって、N.gonorrhoeaeおよびN.meningitidis由
来のトランスフェリン結合蛋白質の同定、単離および精
製を行う必要がある。組換えトランスフェリン結合蛋白
質を作製するためには、そのような蛋白質をコードする
DNA分子が必要である。トランスフェリンレセプター機
能を阻害するためには、トランスフェリン結合蛋白質に
対する抗体が必要である。淋菌および髄膜炎菌感染を予
防おおよび処置をするためには、ワクチンが必要であ
る。N.gonorrhoeaeおよびN.meningitidisを検出するた
めには、抗体および核酸プローブが必要である。本発明
の目的は、淋菌および髄膜炎菌感染の検出、予防および
処理のためのそのような蛋白質、抗体、DNA分子および
ワクチンを提供することである。
発明の要旨 これら、およびその他の目的は、当業者にとって明ら
かであるように、Neisseria gonorrhoeaeまたはNeisser
ia meningitidis外層膜に見出され、 (a)洗浄剤; (b)ニトロセルロース/セルロースアセテート紙;お
よび (c)Neisseria gonorrhoeaeおよびNesseria meningit
idis由来のその他の鉄調節蛋白質 を実質的に含有せず; トランスフェリンアフィニティーカラムにより単離さ
れ; Neisseria gonorrhoeaeに見出される分子量およそ100kD
の鉄調節外層膜蛋白質に対して惹起される抗血清に特異
的に結合し; Neisseria gonorrhoeaeまたはNeisseria meningitidis
のトランスフェリンレセプター機能において重要であ
る; 鉄調節蛋白質;およびそのような蛋白質の機能性アナロ
グを提供することにより達成される。
本発明は、さらに、宿主細胞中でトランスフェリン結
合蛋白質およびそのアナログを発現するDNA分子を提供
するものである。その結果得られる組換え蛋白質もまた
本発明に包含される。
本発明はまた、本発明のトランスフェリン結合蛋白質
に対する抗体をも包含するものである。該抗体はN.gono
rrhoeaeおよび/またはN.meningitidisの増殖を阻害
し、これらの病原体の感染を調節するうえで有用であ
る。
本発明は、さらに、本発明のトランスフェリン結合蛋
白質およびそのような蛋白質のアナログを含有するワク
チン組成物、さらにはそのようなワクチンを投与するこ
とにより淋病、髄膜炎および敗血性ショック等の淋病お
よび髄膜炎菌性疾病に対して宿主を免疫する方法を包含
するものである。本発明の抗体は、淋病および髄膜炎菌
性疾病を処置するための受動免疫に用いてもよい。
図面の説明 第1図は、pUNCH401およびpUNCH402挿入部から得られ
る淋菌株FA19由来の100kD蛋白質遺伝子の部分DNAヌクレ
オチド配列を示す。実施例6aおよび実施例7を参照のこ
と。
第2A図は、pUNCH403挿入部における100kDトランスフ
ェリン結合蛋白質遺伝子フラグメントのヌクレオチド配
列を示す。大文字は、クローンpUNCH401およびpUNCH402
(第1図)およびpUNCH403間での重複領域を示す。100k
D淋菌トランスフェリン結合蛋白質の提案される開示コ
ドンは、659番目のヌクレオチドで生じる。オープンリ
ーディングフレームの方向は、図で示される方向とは逆
(すなわち、659番目から1番目のヌクレオチドに向か
う方法)である。実施例8を参照のこと。
第28図は、3.2kbのHinc IIフラグメントの制限酵素地
図を示す。
第3図は、pUNCH403における100kD淋菌トランスフェ
リン結合蛋白質フラグメントのトランスポゾン挿入部お
よび各突然変異体の相当する表現型の位置を示す。トラ
ンスポゾン(mTn3CAT)はシャトル突然変異誘起により
E.coliに挿入された。突然変異体を作製するために、FA
19においてクロラムフェニコール耐性形質転換体を選択
した。各トランスポゾン挿入部(逆三角形で示す。)の
下に、2.5uMヒトトランスフェリン(鉄で25%が飽和さ
れている。)上で増殖およびウエスタンブロットにより
アッセイされる蛋白質の発現を+または−で示す。波線
矢印で示されるオープンリーディングフレームは、右か
ら左へ(第2A図での方向性と同じ。)読み取り、Mで示
されるメチオニンで開始される。典型的な−10ヌクレオ
チド配列が見出されたが(−10)、規範的な−35ヌクレ
オチド配列は同定できなかった。野性型の増殖および蛋
白質の発現は、右側に[No Tn]の見出しの下に示す。
第4図は、髄膜炎菌95kDトランスフェリン結合蛋白質
遺伝子のクローニング化計画を示すものである。1.3kb
のHinc II/EcoR Iフラグメントは、抗体プローブを用い
て、λ−Zap IIライブラリーよりクローン化された。第
2工程で示される5.0kbおよび3.5kbフラグメントは、プ
ローブとして該1.3kbフラグメントを用いて、pHSS6−GC
UのCla Iライブラリーの一部からクローン化された。第
3工程の3.5kbのHinc IIフラグメントは、第2工程の3.
5kbのEcoR I/Cla Iフラグメントをプローブとして用い
て、λ−Zap IIライブラリーからクローン化された。第
1〜3工程で得られたフラグメントは、[FAM20染色
体」と見出しの付いたフラグメントで示されるように、
共に適合する。
第5図は、第4図の第1工程で得られた1.3kbのHinc
II/EcoR Iフラグメントのヌクレオチド系列を示す。リ
ポソーム結合部位には下線を引いてある。ATG開始コド
ンおよび転写方向は矢印で示す。実施例10を参照のこ
と。
第6図は、第4図の第1工程で得られた1.3kbのHinc
II/EcoR Iフラグメントを含むトランスポゾン突然変異
誘起実験の結果を示す。実施例11を参照のこと。
発明の詳細な説明 蛋白質の細菌からの単離 トランスフェリン結合蛋白質は、N.gonorrhoeaeまた
はN.meningitidisの膜から調製される。この膜は当技術
分野で公知の方法により調製することができる。Schryv
ersおよびMorrisによりInfect.Immun.56,1144−1149(1
988)に記載されている方法が適当である。この方法は
ここに参考文献として挙げられる。
膜は鉄欠損培地で増殖した細胞から得られる。増殖培
地は、Difco製のGC培地基(淋菌用培地基)等の標準的
な増殖培地でもよい。この培地は、エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)、エチレン−ジアミン−ジ−オルト−ヒド
ロキシフェニル酢酸(EDDA)またはデスフェラル(desf
eral)(Ciba Pharmaceuticals製)等のキレート剤の添
加により鉄欠損化することができる。一方、増殖培地
は、MickelsenおよびSparling(Inf.Immun.33,555−564
(1981))により記載されている既知組成培地であって
もよく、これはキレート剤であるケレックス(Chelex)
−100(Bio−Rad製)で処理することにより鉄欠損化さ
れている培地である。
本発明では、正常なトランスフェリンレセプター機能
を有する如何なる淋菌株および髄膜炎菌株も有用であ
る。通常、そのような菌株は、American Type Culture
Collection,Bethesda,MarylandおよびNeisseiria Repos
itory,NAMRU,University of California,Berkley等の医
学的およびその他の入手源から入手することができる。
例えば、McKennaら,Infect.Immun.56,785−791(198
8)に記載されている淋菌株FA19;Biswasら,J.Bacterio
l.151,77−82(1979)に記載されているFA248;Westおよ
びSparlin,Infect.and Immun,47,388−394(1985)に記
載されているF62が適当な淋菌トランスフェリン蛋白質
源である。髄膜炎菌株FAM18およびFAM20(Dyerら,Micro
bial Pathogenesis ,351−363(1987))およびB16B
6、X群およびW135群(SchryversおよびMorris 56,1144
−1149(1988))が、代表的な髄膜炎菌トランスフェリ
ン結合蛋白質源である。
トランスフェリンに結合する蛋白質は、当技術分野で
公知であるアフィニティ操作により、固定化トランスフ
ェリンを有する鉄飢餓化N.gonorrhoeaeおよびN.meningi
tidisの他の膜蛋白質から単離されてもよい(例えば、S
chryversおよびMorris,Infect.Immun.56,1144−1149(1
988)参照のこと)。SchryversおよびMorrisの方法は、
ここに参考文献として挙げられる。好ましくは、実施例
2aに記載されているこの操作の応用法が、淋菌および髄
膜炎菌の膜蛋白質からトランスフェリン結合蛋白質を分
離するために用いられる。
要約すれば、鉄飢餓化淋菌および髄膜炎菌細胞由来の
膜を単離し、ビオチニル化(biotinylated)トランスフ
ェリンで処理する。得られた複合体を、例えばアビジン
−またはストレプタビジン−アガロースで処理すること
により固定化する。アフィニティ樹脂ペレットを十分に
洗浄し、緩衝液に懸濁する。トランスフェリンレセプタ
ーを、例えば加熱により固定化トランスフェリンから分
離する。蛋白質を、例えばLaemmli,Nature 227,680−68
5(1970)の方法に従ってSDS−PAGEにより分離する。分
子量がおよそ100kDである蛋白質(以下、100kD蛋白質と
いう。)が淋菌から分離される。分子量がおよそ95〜95
kDである蛋白質(以下、95kD蛋白質という。)が髄膜炎
菌から分離される。
蛋白質の同定 分子量はSDS−PAGE上の単一バンドを解析し、その位
置を既知の標準物質のバンドの位置と比較することによ
り求めた。この方法は3〜5%の範囲内の誤差である
と、当業者には理解される。分子量は測定間でほとんど
バラツキを見せない。淋菌由来の蛋白質の分子量は一定
しており、再現性もよく、髄膜炎菌からの蛋白質の分子
量よりも大きくて97〜100kDであった。
トランスフェリンレセプター活性が欠損している5つ
の異なる淋菌突然変異体を調製することにより、N.gono
rrhoeae由来の100kDトランスフェリン結合蛋白質がトラ
ンスフェリンレセプター機能に重要であることが確認さ
れた。ウサギにおいて惹起されるポリクローナル抗血清
を用いて、ウエスタンブロットにより100kDトランスフ
ェリン結合蛋白質の存在を各突然変異体においてテスト
した。各突然変異体において、100kD外層膜蛋白質の量
は、野性型淋菌株で観察されるよりも非常に少なかっ
た。正常なトランスフェリンレセプター活性を有するそ
の他の突然変異型淋菌株では、野性型レベルの100kD蛋
白質を膜に含有していた。
同様の実験により、髄膜炎菌由来の95kD蛋白質がトラ
ンスフェリンレセプター機能にとって重要であることが
確認された。N.gonorrhoeae由来の100kD蛋白質に対して
惹起される抗血清を用いて、ウエスタンブロット分析を
行ったところ、該蛋白質はN.meningitidis由来の95kD蛋
白質と交差反応することが判明した。したがって、N.go
norrhoeaeおよびN.meningitidisにおいても、トランス
フェリンレセプター活性の欠如は、それぞれ100kD蛋白
質および95kD蛋白質が存在しないことと相関する。
したがって、先行技術に基づく予想に反して、N.gono
rrhoeaeに見出される鉄調節100kD外層膜蛋白質はトラン
スフェリンレセプターである。N.meningitidisに見出さ
れる鉄調節95kD外層膜蛋白質は、驚くべきことに、N.go
norrhoeaeに見出される100kD蛋白質に対して惹起される
抗血清と交差反応し、かつN.meningitidisのトランスフ
ェリンレセプターである。通常、ウサギ、マウス、ヤ
ギ、サルおよびヒト等の哺乳動物において、N.gonorrho
eae由来のトランスフェリンレセプターに対して惹起さ
れる抗血清は、N.meningitidis由来のトランスフェリン
レセプターと交差反応し、N.meningitidis由来のトラン
スフェリンレセプターに対して惹起される抗血清は、N.
gonorrhoeae由来のトランスフェリンレセプターと交差
反応する。モノクローナル抗体もまた、通常95kDおよび
100kD蛋白質と交差反応する。
ここにおいて用いられるように、N.gonorrhoeaeおよ
びN.meningitidis由来のトランスフェリンレセプターと
しては、N.gonorrhoeae由来の鉄調節100kD外層膜蛋白質
およびN.meningitidis由来の鉄調節95kD外層膜蛋白質が
挙げられる。これらのトランスフェリンレセプターは蛋
白質のクラスを構築するものであると理解されるべきで
ある。そのクラスには、例えば、N.gonorrhoeaeおよび
N.meningitidisの様々な細菌株において自然に生じるア
ミノ酸配列が変化したものも含まれる。
本発明の蛋白質としては、さらに、N.gonorrhoeaeま
たはN.meningitidis由来のそれぞれ100kDまたは95kDト
ランスフェリンレセプターの機能性アナログも含まれ
る。蛋白質がそれ以外の蛋白質と免疫学的に交差反応す
る場合および同様の機能を有する場合、該蛋白質は、以
下に記載するように、特異的機能の故に他の蛋白質の機
能性アナログであると考えられる。アナログは、例え
ば、蛋白質のフラグメントまたは蛋白質の置換、付加ま
たは欠失突然変異体であってもよい。
本発明の蛋白質および機能性アナログは本質的には本
精製されたものである。本明細書では、本質的に精製さ
れたものであるということは、蛋白質および機能性アナ
ログが、精製プロセス間に用いられる物質だけでなく、
微量のその他のN.gonorrhoeaeおよびN.meningitidis由
来の鉄調節蛋白質をも含まないことを意味する。N.gono
rrhoeaeおよびN.meningitidis由来のその他の鉄調節蛋
白質としては、その他のトランスフェリン結合蛋白質が
挙げられる。精製プロセスにおいて用いられる物質とし
ては、洗浄剤、アフィニティ結合剤および分離膜が挙げ
られる。洗浄剤としては、ドデシル硫酸ナトリウムおよ
びサルコシンが挙げられる。アフィニティ結合剤として
は、アガロース、アビジン−アガロース、ストレプタビ
ジン−アガロース、ビオチンおよびビオチニル化トラン
スフェリン等のビオチニル化蛋白質が挙げられる。分離
膜としては、ニトロセルロース紙およびニトロセルロー
ス/セルロースアセテート紙が挙げられる。
組換えDNA 蛋白質が単離・精製されると、そのDNAの単離方法は
公知である。多くのこれらの方法が、Maniatisら,“Mo
lecular Cloning:A Laboratory Manual,"Cold Spring H
arbor Laboratory Press(1982)に記載されている。免
疫学的なスクリーニング法か好ましい。
例えば、上記のようなトランスフェリンに結合した鉄
を利用できる淋菌または髄膜炎菌株由来の染色体DNAは
単離され、標準的方法により適当な長さのフラグメント
に切断される。適当なDNA切断法としては、例えば、超
音波処理法や制限エンドヌクレアーゼのを用いる方法等
が挙げられる。適当な平均フラグメント長はおよそ0.5
〜10kbpである。
フラグメントにリンカーを添加し、得られたフラグメ
ントを適当なベクターに連結させる。該リンカーはベク
ター中の制限部位と符号する。適当なリンカーとして
は、例えば、EcoR I、Pst IおよびBamH Iが挙げられ
る。適当なベクターとしてはλ−gtllが挙げられる。連
結したDNAは、Promega製のキット等の市販のキットによ
りパッケージされてもよい。
得られたライブラリーからの蛋白質をクローン化し、
適当な宿主、典型的にはE.Coli内で発現させる。クロー
ン化は好ましくは以下の突然変異、すなわちmcrA、mcr
B、mcrC、mrr、hsdS、hsdRおよびhsdMを伴うE.coli宿主
内で行われる。いくつかの好ましいE.coli株としては、
DH5αMCR(BRL製)および「SURE」(Stratagene製)が
挙げられる。
得られるプラークを当技術分野で公知の方法により免
疫学的に選別する。Maniatisの同著を参照されたい。適
当な方法が下記の実施例6に記載されている。スクリー
ニングは、Stratagene(La Jolla,CA)製のピコブルー
・イムノロジカル・スクリーニングキッド(Picoblue I
mmunological Screening Kit)等の市販のスクリーニン
グキットを用い、添付のStratageneプロトコール(Stra
tageneまたは本明細書のファイルヒストリーから得られ
る。)に従って行うことにより簡便化してもよい。
トランスフェリン結合蛋白質特異性抗血清を結合する
プラークを非反応性プラークから選別し、精製する。Ma
niatisの同著を参照されたい。精製されたファージ由来
のDNAを当技術分野で公知の方法により単離する。適当
な方法としては、例えば、ポリエチレングリコール沈降
法、ファージ溶菌法および陰イオン交換クロマトグラフ
ィーが挙げられ、それらはQiagen(Studio City,CA)製
のキットを使用することにより簡便化できる。
得られたDNAは、当技術分野で公知の方法により増幅
してもよい。一つの適当な方法としては、Mullisらによ
る米国特許第4,683,195号およびSambrook,Fritchおよび
Maniatis編によるMolecular Cloning,A Laboratory Man
ual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(19
89)に記載されているポリメラーゼ・チェーン・リアク
ション(PCR)法が挙げられる。それはλ−gtll−特異
性オリゴマー(New England Biolabsより入手可能)を
用いてλ−gtllベクター中でDNAクローンを増幅させる
のに便利な方法である。
増幅されたクローンを適当なベクターに挿入し、当技
術分野で公知の方法にしたがってヌクレオチド配列を決
定する。適当なヌクレオチド配列決定法としては、Sang
erらによるProc.Natl.Acad.Sci.USA 74,5463−5467(19
77)に記載されているジデオキシチェーンターミネーテ
ィング法が挙げられる。
ヌクレオチド配列決定のための適当なベクターおよび
ポリメラーゼは公知である。適当なベクターとしてはSt
ratagene製のブルースクリプト(Bluescript)ベクター
が挙げられる。適当なポリメラーゼとしてはシーケナー
ゼ(Sequenase)(United States Biochemical Corp.
製,Cleveland,OH)が挙げられる。
通常、上記のイムノスクリーニング法では、トランス
フェリン結合蛋白質特異性抗血清を有するフラグメント
を同定するために、多数のプラークを選別することが必
要である。例えば、ある実験では、淋菌(FA19)染色体
のフラグメントからおよそ500,000プラークが得られ
た。N.gonorrhoeae由来の100kDトランスフェリン結合蛋
白質に対する抗血清を用いて二つのプラークが同定され
た。挿入部の長さが323bpであるクローン(pUNCH401)
が一つのプラークから単離され、それ以外のプラークか
らは挿入部の長さが483bpであるクローン(pUNCH402)
が単離された。これらのDNA配列はFA19染色体の重複す
るフラグメントを表している。この二つのフラグメント
の重複部も含む共通配列を第1図に示す。75番目〜323
番目のヌクレオチドは重複配列を表している。1番目〜
74番目のヌクレオチドは323bpフラグメントの非重複配
列を表している。324番目〜558番目のヌクレオチドは48
3bpフラグメントの非重複配列を表している。オープン
リーディングフレームのみが、第1図に示すものとは反
対方向に(すなわち、558番目のヌクレオチドから1番
目のヌクレオチドに向かって)走っている。実施例6aを
参照のこと。
上記のフラグメントまたはそれらのサブフラグメント
は、トランスフェリン結合蛋白質遺伝子の付加フラグメ
ントを得るためのプローブとして用いられる。この技術
を用いることにより、FA19染色体の8kbのCla Iフラグメ
ントおよび3.2kbのHinc IIフラグメントが、323および4
83bpフラグメントとハイブリダイズする。3.2kbのHinc
IIフラグメントの制限酵素地図を第2B図に示す。得られ
たフラグメントはヌクレオチド配列を決定することがで
きる。実施例7および8並びに第2A図を参照されたい。
フラグメントを適当に伸長することにより、遺伝子全
体がヌクレオチド配列決定される。コードする配列の限
界は、挿入突然変異誘起等の当業界で公知の方法により
決定される。実施例9を参照されたい。95kD髄膜炎菌ト
ランスフェリン結合蛋白質のヌクレオチド配列を決定す
るために、同様の方法が用いられる。実施例10および11
並びに第4〜6図を参照されたい。
組換え蛋白質 本発明の蛋白質は組換えDNA技術により作製すること
もできる。分離されたDNAから組換え蛋白質を作製する
ための適当な方法としては、Maniatisらの同著に記載さ
れている。
要約すれば、本発明のトランスフェリン結合蛋白質を
コードするDNAコードは、それらの蛋白質の機能性アナ
ログをコードするDNA同様、広範囲にわたる様々な宿主
細胞および広範囲にわたる様々なベクターを用いて発現
されてもよい。宿主細胞は、原核細胞であっても真核細
胞であってもよい。DNAは天然源から得られてもよく、
場合によっては修飾されていてもよい。DNAはまた、そ
の全体または部分的に結合されてもよい。
ベクターは染色体DNA配列、非染色体DNA配列および合
成DNA配列のセグメントを含んでいてもよい。いくつか
の適当な原核性ベクターとしては、colE1、pCR1、pBR32
2、pMB9およびRP4等のE.coli由来のプラスミドが挙げら
れる。原核性ベクターとしてはまた、M13およびその他
の糸状菌の一体鎖DNAファージ等のファージDNAの誘導体
も挙げられる。
酵母において有用なベクターが利用できる。適当な例
としては2uプラスミドが挙げられる。
哺乳動物細胞において使用する適当なベクターも公知
である。そのようなベクターとしては、十分公知である
SV−40アデノウイルスの誘導体、レトロウイルス誘導DN
A配列およびプラスミドとファージDNAの組合せから誘導
されるベクターが挙げられる。
さらに真核性発現ベクターも当技術分野で公知である
(例えば、P.J.SouthernおよびP.Berg,J.Mol.Appl.Gene
t.,327−341(1982);S.Subramaniら,Mol.Cell.Biol.
,854−864(1981);R.J.KaufmannおよびP.A.Sharp,
“Amplification And Expression Of Sequences Cotran
sfected with A Modular Dihydrofolate Reductase Com
plementary DNA Gene,"J.Mol.Biol.159,601−621(198
2);R.J.KaufmannおよびP.A.Sharp,Mol.Cell.Biol.159,
601−664(1982);S.I.Scahillら,“Expression And C
haracterization Of The Product Of A Human Immune I
nterferon DNA Gene In Chinese Hamster Ovary Cell
s,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80.4654−4659(1983);G.
UrlaubおよびL.A.Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77,4
216−4220(1980)参照のこと)。
有用な発現宿主としては、十分公知である原核性およ
び真核性宿主が挙げられる。いくつかの適当な原核性宿
主としては、例えば、E.coli SG−936、E.coli HB 10
1、E.coli W3110、E.coli X1776、E.coli X2282、E.col
i DHIおよびE.coli MRC1等のE.coli、Pseudomonas、Bac
illus subtilis等のBacillus、およびStreptomycesが挙
げられる。適当な真核性細胞としては、酵母およびその
他の菌類、昆虫、COS細胞およびCHO細胞などの動物細
胞、組織培養のヒト細胞および植物細胞が挙げられる。
本発明で有用な発現ベクターは、操作上トランスフェ
リン結合蛋白質遺伝子またはそれらのフラグメントに連
結する少なくとも一つの発現調節配列を含有する。調節
配列は、クローン化DNA配列の発現を調節および制御す
るためにベクターに挿入される。有用な発現調節配列の
例としては、lac系、trp系、tac系、trc系、ファージλ
の主なオペレーターおよびプロモーター領域、fd被覆蛋
白質の調節領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼのプ
ロモーター等の酵母の解糖プロモーター、Pho5等の酵母
酸ホスファターゼのプロモーター、酵母の接合因子のプ
ロモーターおよびポリオーマ、アデノウイルス、レトロ
ウイルスおよび、初期および後期プロモーターまたはSV
40等のサルウイルス由来のプロモーター、並びに原核お
よび真核細胞およびそれらのウイルスまたはそれらを組
合せた遺伝子の発現を調節するものとして知られるその
他の配列が挙げられる。
100kDまたは95kD蛋白質は当技術分野で公知の方法に
より精製することができる。例えば、トランスフェリン
結合蛋白質の全体または一部分を、適当な融合パートナ
ーとの融合蛋白質の形態で発現させてもよい。その融合
パートナーは、好ましくは精製および同定を簡便化させ
るものである。いくつかの有用な融合パートナーとして
は、β−ガラクトシダーゼ(Grayら,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 79,6598(1982));trpE(Itakuraら,Science 19
8,1056(1977))およびプロテインA(Uhlenら,Gene 2
3,369(1983))が挙げられる。例えば、β−ガラクト
シダーゼを含有する融合蛋白質は、抗β−ガラクトシダ
ーゼ抗体カラムを用いて、アフィニティクロマトグラフ
ィーにより精製してもよい(Ullman,Gene.29,27−31(1
984))。
所望により、融合蛋白質がトランスフェリン結合蛋白
質と融合パートナーとの間に切断可能な部位を含有する
ような融合蛋白質をコードするDNAを作製する。化学的
および酵素的切断可能部位は共に当技術分野で公知であ
る。酵素的に切断され得る部位の適当な例としては、コ
ラゲナーゼにより特異的に認識され切断される部位(Ke
ilら,FEBS Letters56,292−296(1975));エンテロキ
ナーゼ(Hoppら,Biotechnology ,1204−1210(198
8));ファクターXa(Nagaiら,Methods Enzymol.153,4
61−481(1987));トロンビン(Eatonら,Biochemistr
y 25,505(1986));およびグルタチオンS−トランス
フェラーゼ(Johnson,Nature 338,585(1989);および
Van Ettenら,Cell 58,669(1989))が挙げられる。コ
ラゲナーゼは配列Pro−X−Gly−Pro(配列中のXは中
性のアミノ酸である。)においてプロリンとXとの間を
切断する。エンテロキナーゼは配列Asp−Asp−Asp−Asp
−Lysにおいてリジンの後ろを切断する。ファクターXa
は配列Ile−Glu−Gly−Argにおいてアルギニンの後ろを
切断する。トロンビンは配列Arg−Gly−Ser−Proにおい
てアルギニンとグリシンの間を切断する。
特異的な化学的切断剤も公知である。例えば、臭化シ
アンは蛋白質においてメチオニン残基で切断する。
一方、100kDおよび95kDトランスフェリンレセプター
蛋白質は誘導されるプロモーターの後ろで過剰に発現さ
せ、特異的トランスフェリンレセプター抗体を用いたア
フィニティクロマトグラフィーにより精製されてもよ
い。また別の方法として、過剰発現した蛋白質は、当技
術分野で公知の方法により、イオン交換、サイズ排除お
よび疎水的相互作用クロマトグラフィーを組合せて精製
してもよい。これら、およびその他の適当な方法は、Ma
rstonによる“The Purification of Eukaryotic Polype
ptides Expressed in E.coli"(DNA Cloning,D.M.Glove
r,Ed.,Volume III.IRL Press Ltd.,England,1987)に記
載されている。
有用性 プローブとしての蛋白質 N.gonorrhoeae由来の100kD蛋白質、N.meningitidis由
来の95kD蛋白質、およびそれらの機能性アナログは、淋
菌および髄膜炎菌感染により引き起こされる疾病を検出
および予防するうえで有用である。
例えば、蛋白質は、標識化して、淋病、敗血性ショッ
ク、あるいは髄膜炎の被検患者の血清またはその他の体
液等の試料中の蛋白質に対する抗体を検出するための標
準的イムノアッセイにおけるプローブとして用いてもよ
い。通常、請求の範囲Aによる蛋白質またはそのような
蛋白質の機能性誘導体を、蛋白質の抗体を含有すると思
われる試料とインキュベートする。蛋白質は、インキュ
ベーション前、インキュベーション中またはインキュベ
ーション後のいずれかにおいて標識化する。試料中の抗
体に結合した標識化蛋白質が検出されれば、抗体が存在
することになる。抗体は好ましくは固定化されている。
蛋白質を有する抗体を検出するための適当なアッセイ
としては、当技術分野で公知であり、例えばR.H.Kennet
h,“Enzyme−Linked Antibody Assay with Cells Attac
hed to Polyvinyl Chloride Plates"in Kenneth et al,
Monoclonal Antibodies,Plenum Press,N.Y.,376頁(198
1)に記載されている標準ELISAプロトコールが挙げられ
る。要約すれば、プレートを十分量の抗原性蛋白質で被
覆し、検出可能量の抗体を結合させる。該プレートをポ
リペプチドとインキュベートした後、適当なブロック
剤、例えば10%正常ヤギ血清等でブロックする。患者の
血清などの試料を添加して終結点を決定するために力価
を求める。正および負の調節を同時に加え、未知の試料
中に存在する目的の抗体を定量する。続いてインキュベ
ートし、試料を適当な酵素にコンジュゲートさせたヤギ
抗ヒトIgでプローブする。試料中の抗蛋白質抗体の存在
は酵素の存在により示される。
イムノアッセイに使用するために、蛋白質は放射性ま
たは非放射性原子および分子で標識化されていてもよ
い。それらの蛋白質とコンジュゲートさせるためのその
ような標識および方法は当技術分野では公知である。
有用な放射性標識のいくつかの例としては、32P、125
I、131Iおよび3Hが挙げられる。放射性標識の使用につ
いては英国特許第2,034,323号、米国特許第4,358,535
号、および同第4,302,204号に記載されている。
非放射性標識のいくつかの例としては、酵素、発色
団、電子顕微鏡で検出可能な原子および分子および磁気
特性により検出可能な金属イオンが挙げられる。
いくつかの有用な酵素標識としては、基質中で検出可
能な変化を生じる酵素が挙げられる。いくつかの有用な
酵素およびその基質としては、例えば、西洋ワサビのパ
ーオキシダーゼ(ピロガロールおよびo−フェニレンジ
アミン)、β−ガラクトシダーゼ(フルオレセイン β
−D−ガラクトピラノシド)およびアルカリ性フォスフ
ァターゼ(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフ
ォスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム)が挙げら
れる。酵素標識の使用については、英国特許第2,019,40
4号、欧州特許第63,879号およびRotmanによるProc.Nat
l.Acad.Sci.,47,1981−1991(1961)に記載されてい
る。
有用な発色団としては、例えば、染料以外に、蛍光
性、化学発光性および生物発光性分子が挙げられる。本
発明において有用ないくつかの具体的な発色団として
は、例えばフルオレセイン、ローダミン、テキサスレッ
ド、フィコエリスリン、ウンベリフェロン、ルミノール
が挙げられる。
標識は、当技術分野で公知の方法によりプローブにコ
ンジュゲートしていてもよい。標識は官能基を介して直
接プローブに結合していてもよい。プローブはそのよう
な官能基を含有しているか、あるいは含有させることが
できるものである。適当な官能基のいくつかの例として
は、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリ
ル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシア
ナート基が挙げられる。
標識はまた、上記の方法によりプローブに結合してい
るリガントによりプローブにコンジュゲートしていても
よいし、標識に結合しているリガントのレセプターによ
りプローブに結合していてもよい。いかなる公知のリガ
ンド−レセプター結合体も適当であるが、ビオチン−ア
ビジン結合体が好ましい。
イムノアッセイに用いるために、蛋白質は100kDまた
は95kD蛋白質全体であってもよいし、あるいはそれらの
機能性アナログであってもよい。これらの蛋白質の機能
性アナログとしては、フラグメントおよび該蛋白質の抗
体への結合能力を損なわない置換、付加および欠失突然
変異体が挙げられる。トランスフェリン結合蛋白質に特
異的な抗体を検出できる蛋白質ならば、本発明において
有用である。
ワクチンにおける蛋白質 本発明のトランスフェリン結合蛋白質は、N.gonorrho
eaeおよびN.meningitidisの生体機能にとって重要であ
り、かつ外層膜に見出されるものであるので、これらの
蛋白質はNeisseria感染により引き起こされる淋病、敗
血性ショックおよび髄膜炎等の疾病の予防用ワクチンに
有用である。このためには、該蛋白質が中和抗体を産生
することが必要である。中和抗体とは、インビトロまた
はインビボで著しく細菌細胞の増殖を阻害、かつ/ある
いは死滅させる抗体である。疾病に感染した哺乳動物の
疾病の微候を防ぐ、または弱めるのに十分阻害された場
合、細菌の増殖にインビボで著しく阻害される。
抗原として100kDまたは95kD蛋白質または機能性アナ
ログを含有するワクチンを、本発明に従って淋菌または
髄膜炎菌の増殖を阻害または死滅させるのに用いてもよ
い。このための100kDまたは95kD蛋白質の機能性アナロ
グとしては、ヒト宿主などの哺乳動物宿主内で中和抗体
を産生するフラグメントおよび置換、付加または欠失突
然変異体が挙げられる。
本発明では、さらに、ヒトを含む哺乳動物をN.gonorr
hoeaeおよびN.meningitidisによる感染に対して免疫す
るためのワクチン組成物を包含する。該ワクチンは、N.
gonorrhoeae由来の100kDトランスフェリンレセプターお
よび/またはN.meningitidis由来の95kDトランスフェリ
ンレセプターおよび薬学的に許容されるアジュバントを
含有する。100kDおよび95kD蛋白質の代わりに、上記の
ような機能性アナログを代用してもよい。
ワクチンは適当なキャリア中の抗原を含有する。ワク
チンはムラミルペプチドおよびインターフェロン、イン
ターロイキン−1およびインターロイキン−6等のリン
フォカインなどのアジュバンドを含んでいてもよい。抗
原は、あるいは当技術分野において公知であるように酸
化アルミニウム粒子等の適当な粒子に吸着していてもよ
いし、リポソームに含まれていてもよい。
抗原はまた、S.typhimuriumのようなサルモネラ(Sal
monella)の無発病性の細菌株から誘導されてもよい。
そのようなワクチンは、当技術分野で公知であるよう
に、サルモネラ菌株におけるトランスフェリン結合蛋白
質の活性蛋白質を含むクローン化DNAによって調製され
てもよい(例えば、Curtissら,Vaccine ,155−160(1
988)およびGalanら,Gene 94,29−35(1990)参照のこ
と)。
本発明は、さらにヒトを含む宿主哺乳動物を上記のワ
クチン組成物で免疫する方法を包含するものである。該
ワクチンは、当技術分野で公知の方法により哺乳動物に
投与してもよい。そのような方法としては、例えば、静
脈内、腹腔内、皮下または筋肉内投与が挙げられる。
ワクチン組成物は、100kD蛋白質または95kD蛋白質全
体を含有していてもよいが、好ましくは100kDまたは95k
D蛋白質の非毒性フラグメントを含有している。例え
ば、抗原性蛋白質のフラグメントを作製し、抗原性部位
を含有するそれらのフラグメントを決定することは十分
公知である。抗原性があり非毒性であれば、フラグメン
トの長さは特に限定されない。したがって、該フラグメ
ントはエピトープを決定するのに十分なアミノ酸残基を
含有していなければならない。既知の抗原性ポリペプチ
ドから抗原性フラグメントを単離および同定する方法
は、SalfeldらによるJ.Virol.63,798−808(1989)およ
びIsolaらによるJ.Virol.63,2325−2334(1989)に記載
されている。
フラグメントが、エピトープは決定するが、短すぎて
抗原性がない場合には、キャリア分子にコンジュゲート
してもよい。いくつかの適当なキャリア分子としては、
キーホールリンペットヘモシアニン(keyhole limpet h
emocyanin)およびウシ血清アルブミンが挙げられる。
コンジュゲーションは当技術分野で公知の方法により行
ってもよい。そのような方法の一つは、フラグメントの
システイン残基をキャリア分子上のシステイン残基と結
合することである。
処置用抗体 さらに、本発明は、本発明の蛋白質および機能性アナ
ログを特異的に認識し結合する中和抗体の単離を包含す
るものである。該抗体はポリクローナルまたはモノクロ
ーナルでもよい。中和抗体およびワクチンとのコンジュ
ゲートに用いられる機能性アナログの定義(上記参照)
は、さらに中和抗体の作製にも適用される。
ポリクローナル抗体は、当技術分野で公知の方法によ
り蛋白質または機能性アナログが接種された哺乳動物か
ら単離される。モノクローナル抗体は、当技術分野で公
知の方法により作製されてもよい。これらの方法として
は、KohlerおよびMilsteinのNature 256,495−497(197
5)に記載の免疫学的方法およびHuseらのScience 246,1
275−1281(1989)に記載の組換えDNA法か挙げられる。
本発明はまた、N.gonorrhoeaeまたはN.meningitidis
により引き起こされる疾病に冒されている哺乳動物(ヒ
トを含む)を、本発明の中和抗体をそのような哺乳動物
に有効量投与することにより処置する方法をも包含する
ものである。投与は、上記のようなワクチンの投与と同
様の方法により行ってもよい。
プローブとしての抗体 本発明のトランスフェリン結合蛋白質および機能性ア
ナログはまた、試料中のNeisseria gonorrhoeaeまたはN
esseria meningitidisの存在の検出用プローブとして用
いる抗体の作製に用いられてもよい。該抗体はポリクロ
ーナルまたはモノクローナルであってもよい。この目的
のためには、機能性アナログは、試料中の100kDまたは9
5kD蛋白質の存在が検出可能な抗体を産生するものであ
れば、100kD蛋白質または95kD蛋白質のフラグメントお
よび置換、付加および欠失突然変異体であってもよい。
該試料は、例えば、N.gonorrhoeaeまたはN.meningitidi
sに感染していると思われる哺乳動物(ヒトを含む)の
体液であってもよい。
抗体で蛋白質の存在を検出するアッセイは、先に記載
しており、続いて標準ブロットおよびELISAフォーマッ
ト等の公知のフォーマットを行う。これらのフォーマッ
トは、通常、抗体を95kDまたは100kD蛋白質を含有する
と思われる試料とインキュベートし、抗体と蛋白質の複
合体の存在を検出することである。抗体はインキュベー
ション工程前、インキュベーション工程中、あるいはイ
ンキュベーション工程後のいずれかの段階において標識
化される。好ましくは、蛋白質は検出前に固定化され
る。固定化は、蛋白質をマイクロタイターウェル等の固
相表面に直接結合させるか、あるいは蛋白質を固定化抗
体に結合させることにより達成されてもよい。
プローブとして用いた場合、抗体は通常、当技術分野
で公知の方法により標識化される。蛋白質に有用な標識
(上記参照)と同様の標識もまた、抗体の標識として有
用である。抗体を標識化する方法は、例えば、Hunterお
よびGreenwoodによるNature 144,945(1962)およびDav
idらによるBiochemistry 13,1014−1021(1974)に記載
されている。それ以外の抗体を標識化する方法が米国特
許第3,940,475号および同第3,645,090号に記載されてい
る。
プローブとしての核酸分子 N.gonorrhoeaeまたはN.meningitidisの存在を検出す
るために、特定の配列を有する100kD蛋白質、95kD蛋白
質、あるいは100kDまたは95kD蛋白質のフラグメントを
コード化する核酸分子を用いることができる。核酸分子
はRNAでもDNAでもよい。
核酸分子プローブが試料中の特定の核酸分子を認識す
るかどうかを決定する方法は、当技術分野では公知であ
る。通常、試料中に存在すると思われる核酸配列と相補
的な標識化プローブが調製される。好ましくは、目的と
する核酸分子が固定化される。目的の核酸分子にハイブ
リダイズしたプローブの存在は、試料中の核酸分子の存
在を示すものである。適当な方法の例が、Dallasらによ
る“The Characterization of an Escherichia Coli Pl
asmid Determinant that Encodes for Production of a
Heat−labile Enterotoxin."(K.N.TimmisおよびA.Pue
hler編,Plasmids of Medical,Environmental,and Comme
rcial Importance,Elsevier/North−Holland Publishin
g Co.,Amsterdam,113−122頁(1975);Grunsteinおよび
HognessによるProc.Natl.Acad.Sci USA 72,3961−3965
(1975);Palvaらによる米国特許第4,731,325号(Orion
−yhtyma,Espoo,Finlandに譲渡されている。);Mullis
らによる米国特許第4,683,195号(Cetus Corporation,E
meryville,Californiaに譲渡されている。);Schneider
らによる米国特許第4,882,269号(Princeton Universit
yに譲渡されている。);およびSegevによるPCT出願WO
90/01069号に記載されている。Schneiderらの特許およ
びSegevの出願は、共にImClone Systems Inc.,New York
Cityのライセンスである。
上記のプローブは当技術分野で公知の方法により標識
化される。オルゴヌクレオチドのプローブを標識化する
方法は、例えば、Learyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(19
83)80:4045;RenzおよびKurz,Nucl.Acids Res.(1984)
12:3435;RichardsonおよびGumport,Nucl.Acids Res.(1
983)11:6167;Smithら,Nucl.Acids Res.(1985)13:239
9;およびMeinkothおよびWahl,Anal.Biochem.(1984)13
8:267に記載されている。
実施例 1.細菌株および培養条件 淋菌株FA19は、冷凍保存からGCB寒天に移し、1のG
CB肉汁を含有するフラスコへの接種用として初濃度20KU
(Klett units)とする。培養は5%のCO2を伴って37℃
で激しく攪拌しながら40KUの濃度に達するまで行い、キ
レート剤、すなわちデスフェラス(desferal)を最終濃
度が50uMとなるように添加する。添加後、細胞を4時間
保存する。
髄膜炎菌株FAM20は、GCBおよびデスフェラルの代わり
にケレックス(Chelex)処理したCDMを用いる以外は淋
菌株FA19と同様の方法により調製する。
2a.淋菌トランスフェリン結合蛋白質のアフィニティ精
製 膜の調製法並びに淋菌トランスフェリン結合蛋白質の
単離および精製法は、SchryversおよびMorris(Infect.
and Immun.56,1144−1149(1988))の髄膜炎菌ラクト
フェリン結合蛋白質で用いた方法と同様である。Schryv
ersおよびMorrisの報告文に記載されているこの方法
は、ここに参考文献として挙げられる。Schryversおよ
びMorrisの方法を以下のように修飾した。625ugのビオ
チニル化トランスフェリン(ビオチニレーション反応剤
としてPierce製ビオチン−S−S−NHSを用いてSchryve
rsの方法により調製される。)を、25mlの100mM NaCl/5
0mMトリス(pH8.0)中で、25mgの淋菌株FA19由来の総膜
蛋白質と混合する。混合物はゆっくり攪拌しながら室温
で1時間インキュベートする。膜は17,000×gで10分遠
心分離してペレットにする。ペレットは25mlの100mM Na
Cl/50mMトリス(pH8.0)に再懸濁し、続いてNA2EDTAを
最終濃度が10mMとなるように、またN−ラウロイル−サ
ルコシンを最終濃度が0.75%となるように添加する。膜
は、室温で10分間攪拌して可溶化される。2.5mlのスト
レプタビジン−アガロース(Sigma製)を添加し、室温
で1時間結合させる。樹脂を3000×gで5分間遠心分離
し、上清を除去し、樹脂を5mM EDTAおよび0.5%N−ラ
ウロイル−サルコシンを添加した1M NaCl/50mMトリス
(pH8.0)中で2度洗浄した後、さらに何も添加されて
いない1M NaCl/50mMトリス(pH8.0)中で2度洗浄す
る。蛋白質は、0.45%N−ラウロイル−サルコシンおよ
び125mM β−メルラプトエタノールを添加した1M NaCl/
50mMトリス(pH8.0)によりマトリックスから溶出す
る。
2b.髄膜炎菌トランスフェリン結合蛋白質のアフィニテ
ィ精製 淋菌株FA19の代わりに髄膜炎菌株FAM20を用いる以外
は、実施例2aと同様に操作を行う。
3a.淋菌トランスフェリン結合蛋白質の単離 アフィニティ調製による溶出物(実施例2a)をアミコ
ン・コンセントレーター(Amicon concentrator)(30,
000MW分画)を用いて濃縮する。得られた濃縮蛋白質調
製物を20%グリセロール、4%SDS、130mMトリス(pH8.
0)、10ug/mlブロモフェノール・ブルーに可溶化し、La
emmli(Nature,227,680−685(1970))の方法にしたが
って7.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分離する。
ゲルはクーマシー・ブリリアント・ブルー(Coomassie
Brilliant Blue)で染色し、蛋白質が見えるようにす
る。この方法により2種類の蛋白質が単一のバンドとし
て分離される。トランスフェリンの分子量はおよそ80kD
である。トランスフェリン結合蛋白質の分子量はおよそ
100kDである。100kD蛋白質のバンドは、切り出して凍結
乾燥し、冷浸する。
3b.髄膜炎菌トランスフェリン結合蛋白質の単離 実施例2aの溶出物の代わりに実施例2bの溶出物を用い
る以外は、実施例3Aと同様の操作を行う。
4.トランスフェリン結合蛋白質に対する抗血清 実施例3aおよび3bで得られた微細粉末を別々に生理的
食塩水に再懸濁し、同量のフロインドのアジュバント
(初回注射用として完全アジュバント:追加注射用とし
ては不完全アジュバント)と混合し、ニュー・イングラ
ンド・ホワイト(New England White)種のメスのウサ
ギに注射する。注射は2週間の間隔で行う。抗100kD蛋
白質抗体は、精製されたトランスフェリン結合蛋白質に
対するウエスタンブロッティングにより、3回目の注射
から2週間後に検出できる。
5a.淋菌DNA λ−gtll発現ライブラリー 淋菌株FA19由来の染色体DNAは、Seifertら,J.Bacteri
ol.172,40−46(1990)にしたがって単離され、標準的
な操作(Maniatisら,1982)により超音波処理されて、
平均サイズが500bpのフラグメントを得る。EcoR Iリン
カーを添加し、得られたフラグメントをEcoR I消化λ−
gtllDNAに連結させる(Maniatisら,1982)。連結された
DNAはPromega製キットを用いてパッケージされる。
5b.髄膜炎菌DNA λ−gtll発現ライブラリー 髄膜炎菌株FAM20由来の染色体DNAは、Seifertら,J.Ba
cteriol.172,40−46(1990)にしたがって単離され、制
限エンドヌクレアーゼHinc IIで消化される。EcoR Iリ
ンカーを添加し、得られたDNA分子をEcoR Iで消化し
て、EcoR I消化λ−Zap(Stratagene製)に連結させ
る。連結されたDNAはPromega製キットを用いてパッケー
ジされる。
6a.発現ライブラリーの免疫学的スクリーニング 実施例5aおよび5bのライブラリーから得られたおよそ
500,000のプラークを、ピコブルー・イムノロジカル・
スクリーニング・キット(Picoblue Immunological Scr
eening Kit)に添付されているStratageneのプロトコー
ルに記載されている免疫学的スクリーニング法により選
別する。要約すると、一次抗血清をStratagene製(La J
olla,CA)より入手可能なE.coli/ファージ溶解物に、添
付のプロトコールにしたがって吸着される。およそ5×
104pfu(プラーク形成単位;plaque forming units)を
E.coli宿主菌株であるY1090にプレートする。10mMのイ
ソロピルチオガラクトシド(IPTG)に浸漬したニトロセ
ルロースフィルターをプレートにのせ、続いて42℃で3
〜4時間インキュベートする。そして、フィルターを除
去した後でプレートを一晩インキュベートし、トリス緩
衝化生理食塩水および0.05%ツイーン(Tween)−20(T
BST)で洗浄して、トリス緩衝化生理食塩水および5%
ウシ血清アルブミンで1時間ブロックする。その後、1:
200に希釈した吸着一次抗体でフィルターを1時間イン
キュベートする。一次抗体と共にインキュベートした
後、フィルターをTBSTで十分洗浄し、それから二次抗体
(1:3000に希釈したアルカリ性フォスファターゼとコン
ジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体、Bio−Radより購入)
で1時間インキュベートする。その後、フィルターをTB
STで十分洗浄し、最後に0.3mg/mlニトロブルーテトラゾ
リウム(NBT)、0.15mg/ml 5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドイルフォスフェート(BCIP)、100mMトリス(p
H9.8)、100mM NaCl、5mM MgCl2で十分に発色展開する
までインキュベートする。
トランスフェリン結合蛋白質特異的抗血清に結合して
いるプラークを採取し、その他の非反応プラークから純
別する。精製プラーク由来のDNAを単離し、陰イオン交
換クロマトグラフィー(Qiagen,Studio City,CAより購
入のカラム)を用いて精製する。
6b.DNAプローブを用いた発現ライブラリーのスクリーニ
ング 実施例5aおよび5bのライブラリーから得られたプラー
クもまた、標識化DNAプローブを用いて選別される。オ
リゴマーTfBP1、2、3または5は、ジゴキシジェニン
−11−dUTPおよびDNAテイリングキット(共に、Boehrin
ger Mannhein Biochemicals(BMB)製)を用いて非放射
性的に標識化される。オリゴマーの配列は以下のとおり
である: DNA標識化および検出のプロトコールはBMBより遺伝子
非放射性DNA標識・検出キット(Genius nonradioactive
DNA labeling and detecting kit)として入手可能で
ある。一方、同様のオリゴマーは標準的な技術によりα
−32p−dCTPおよびBMBのDNAテイリングキットを用いて
放射性に標識化される(Maniatisら,1982)。
7.DNAの増幅および塩基配列決定 実施例5または6で得られたDNAは、PCR法(Sambrook
ら編,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版.
Cold Spring Harbor Press(1989))によりλ−gtll特
異性オリゴマーをアンプライマーとして用いて増幅され
る。したがって、増幅される挿入部は、ブルースクリプ
トベクター(Bluescript vector)(Stratagene製)中
で、標準的な技術(Maniatisら,1982)を用いてクロー
ン化され、Sanger(Proc.Natl.Acad.Sci USA 74,5463−
5467(1977))のジデオキシ・チェーン・ターミネーテ
ィンク法によりシーケナーゼ(United States Biochemi
cal Corp.製,Cleveland,OH)を用いて塩基配列が決定さ
れる。
8.淋菌株FA19由来の100kDトランスフェリン結合蛋白質
遺伝子の付加的なヌクレオチド配列 実施例6および7の一般的な方法を用いて、およそ1.
0kbpの染色体Sau3AIフラグメントを同定する。このフラ
グメントをベクターpHSS6−GCUのBamH I部位にクローン
化する(Eikinsら,V.Bacteriol,173,3911−3913(199
1))(GCUとは、淋菌取り込み配列(gonococcal uptak
e sequence)として知られている10bpのヌクレオチド配
列がベクターに含有されていることを意味する。)。こ
のヌクレオチド配列は、淋菌への種特異的なDNAの取り
込みを仲介することが知られている(Elkinsら)。この
クローニングのための宿主菌株はHB101であった。得ら
れたクローンはpUNCH403であることが知られている。
pUNCH403の挿入部は、KraftらによるBiotechniques
,554−556(1988)に記載される方法により、二本鎖
鋳型を用いてその全体が配列決定される。ヌクレオチド
配列は、シーケナーゼ(Sequenase,登録商標)(United
States Biochemicals製)を用いて、Sangerのジデオキ
シ法により決定される。pUNCH403中のSau3AIフラグメン
トのヌクレオチド配列を第2A図に示す。第2A図の1〜55
8番目のヌクレオチドの配列は、pUNCH401とpUNCH402
(第1図)およびpUNCH403(第2A図)の重複部位を示し
ている。ヌクレオチド659番目からヌクレオチド1番目
に向かう一つのオープンリーディングフレームが存在す
る。したがって、メチオニン残基をコード化するヌクレ
オチド659番目(第2A図に示されるものと相補的な鎖
上)から始まるコドンは遺伝子5'末端である。
9.100kDトランスフェリン結合蛋白質の構造および機能
の証明 100kDトランスフェリン結合蛋白質遺伝子の不活性化
の効果を調べるために、SeifertらによるGenetic Engin
eering,Principals and MethodsおよびSetlow,J.K.およ
びHolleander,A.編のPlenum Press,N.Y.,第8巻,123−1
34頁に記載のプロトコールにしたがって、トランスポゾ
ン挿入部をpUNCH403の挿入部の長さに合わせて単離す
る。mTn3CATトランスポゾンをシャトル突然変異誘起に
よりE.coliに挿入し、それから突然変異体を作製するた
めにFA19においてクロラムフェニコール耐性形質転換体
を選択する。mTn3CATトランスポゾンについては、Seife
rtらによりm−Tn3(Cm)として述べられている。その
後、突然変異体を、唯一の鉄供給源としてのトランスフ
ェリン上で増殖能力およびウエスタンブロットによりア
ッセイされる100kD蛋白質の発現能力により評価する。
その実験の結果を第3図に示す。[I」の44、37および
24で示される位置にあるトランスポソン100kD蛋白質の
発現およびトランスフェリン上での増殖能力を共に失わ
せる。しかしながら、「A」位置にあるトランスポゾン
はトランスフェリン上で幾分か増殖させ、いくつかの検
出可能な元来の長さのトランスフェリン結合蛋白質を発
現させる。これらの結果より、659位(第2A図参照)に
ある逆向きの挿入部は野生型の長さの蛋白質を発現させ
るので、100kD蛋白質をコード化している構造遺伝子は
この位置から始まる、という仮定が確認される。発現
が、突然変異体「A」中の野生型レベルで検出されない
という事実から、推定上の開発コドンの逆向きの領域が
100kD蛋白質をコードする遺伝子の調節に重要であるこ
とがわかる。
10.髄膜炎菌ゲノムライブラリーの構築および選別 95kD髄膜炎菌トランスフェリン結合蛋白質遺伝子は3
工程でクローン化された。第1工程では、淋菌の抗血清
を用いて、λ−Zap IIライブラリー由来の1.3kbのHinc
II/EcoR Iフラグメントを同定した(第4図参照)。こ
のフラグメントのヌクレオチド配列を第5図に示す。推
定上の開始コドンを矢印で示すが、これはまた転写の方
向を示すものでもある。先に述べたリポソーム結合部位
には下線を引いてある。1.3kbフラグメントには約500bp
の95kD蛋白質構造遺伝子が含まれている。このクローン
は、髄膜炎菌株FAM20染色体の単一の5kb Cla Iフラグメ
ントにハイブリダイズした。ベクターpHSS6−GCU(実施
例8に記載)における部分的な5kb Cla Iライブラリー
が構築され、プローブとして1.3kbフラグメントを用い
て5kb Cla Iフラグメントをクローン化した。このCla I
フラグメントの部分制限地図により、このフラグメント
は構造遺伝子船隊をコードしないことが示唆された。し
たがって、第3工程において、3.5kbのCla I−EcoR Iフ
ラグメント(第2工程で得られた5kbのCla Iフラグメン
トから産生)をプローブとして用いたところ、λ−Zap
IIライブラリー(Stragagene製)由来の隣接するHinc I
Iフラグメントのクローニングが行われた。このHinc II
フラグメントは約3.5kbの長さであり、おそらく95kD蛋
白質構造遺伝子の残部をコードするものである。この3.
5kb Hinc IIフラグメントは、E.OzkaynakおよびS.D.Put
neyによるBiotechniques ,770(1987)に記載されて
いるように、エクソヌクレアーゼ(Exonuclease)IIIお
よびVIIを用いて一定方向性の欠失を起こすことによ
り、ヌクレオチド配列が決定された。
11.95kDトランスフェリン結合蛋白質の構造および機能
の証明 髄膜炎菌の95kD蛋白質遺伝子を突然変異させるため
に、1.3kDのHinc II/EcoR Iフラグメントを用いた。mTn
3CATトランスポゾンの代わりにmTn3ermトランスポゾン
を1.3kbクローンに導入した以外は、実施例9に記載さ
れているのと同様のシャトル突然変異操作を用いた。mT
n3ermトランスポゾンは、実施例9に記載のmTn3CATトラ
ンスポゾンを修飾してエリスロマイシン耐性を付与する
ことにより作製された。この修飾によりエリスロマイシ
ン耐性髄膜炎菌形質転換体が選択できるようになる。こ
れらの形質転換体は、実施例9で記載されたようなトラ
ンスフェリンプレート上での増殖能力により選別され
た。この突然変異誘起実験の結果を第6図に詳細に示
す。mTn3erm挿入部および2は、95kD蛋白質の発現およ
びトランスフェリンプレート上でのクローンの増殖能力
を完全に失わせたが、mTn3erm挿入部3および4は、ト
ランスフェリン上での増殖が幾分か見られ、ウエスタン
ブロット上にいくらかの95kD蛋白質を示した。ヌクレオ
チド配列決定および突然変異誘起のデータから鑑みて、
mTn3erm挿入部1および2は、各々構造遺伝子およびプ
ロモーター領域中に存在することは明らかであるが、一
方、挿入部3および4は、発現の正の調節領域に含まれ
るであろう逆向きの領域中に存在すると思われる。
補足引用文献 請求の範囲に記載の発明は、明細書および容易に入手
可能な引用文献および出発物質にしたがって実施可能で
ある。しかし、発明の実施および利用が容易になるよう
に、以下の細胞系をAmerican Type Culture Collectio
n,Bethesda,Marylandに1990年7月16日に寄託してい
る: 髄膜炎菌細胞系FAM18(取得番号ACTT55071) 髄膜炎菌細胞系FAM20(取得番号ACTT55072) 淋菌細胞系FA19 (取得番号ACTT55073) さらに、有用なプロトコールおよび情報を含む以下の
パンフレットが本明細書のファイルヒストリーで利用で
きる。
“Predigested Lambda Zap/Eco R I Cloning Kit Ins
truction Manual,"Stratagene,La Jolla,Calofornia(N
ovember 20,1987); “Gigapack Plus"(for packaging recombinant lamb
da phage),Stratagene,La Jolla,California(April 2
5,1988); “picoBlue Immunoscreening Kit"Instruction Manua
l,"Stratagene,La Jolla,California(May 19,1989);
および “Genius Nonradioactive DNA Labeling and Detecti
on Kit,"Boehringer Mannheim Biochemicals,Indianapo
lis,Indiana(January,1989)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 31/04 C12P 21/02 (C12P 21/02 C12R 1:19 C12R 1:19) 1:36 (C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:36) (72)発明者 コーネリセン,シンチア,ナウ アメリカ合衆国 27606 ノースカロラ イナ州,ラレイ,マーシ アベニュー 308 (56)参考文献 特表 平4−506794(JP,A) J.Med.Microbiol., Vol.28,No.3(1989)p.199 −204 Can.J.Microbiol., Vol.35,No.3(1989)p.409 −415 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/00 - 14/825 JICSTファイル(JOIS) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Neisseria gonorrhoeae外層膜に見出され
    るトランスフェリン結合蛋白質をコードするヌクレオチ
    ド配列であって、次の塩基配列を有するヌクレオチド配
    列:
  2. 【請求項2】Neisseria meningitides外層膜に見出され
    るトランスフェリン結合蛋白質をコードするヌクレオチ
    ド配列であって、次の塩基配列を有するヌクレオチド配
    列:
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のヌクレオチド配列を
    含むベクター。
  4. 【請求項4】上記ベクターが、該ヌクレオチド配列に機
    能的に連結された少なくとも一つの発現調節配列を更に
    含む、請求項3記載のベクター。
  5. 【請求項5】請求項3又は4に記載のベクターを含む宿
    主細胞。
  6. 【請求項6】(a)請求項3又は4に記載のベクターを
    含む宿主細胞を前記ヌクレオチド配列によりコードされ
    る蛋白質を発現させる条件下で培養し、そして (b)宿主細胞からトランスフェリン結合蛋白質を精製
    する ことを含む、Neisseria gonorrhoeae又はNeisseria men
    ingitides外層膜に見出されるトランスフェリン結合蛋
    白質を産生する方法。
JP51718491A 1990-08-23 1991-08-23 Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質 Expired - Lifetime JP3532563B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US57218790A 1990-08-23 1990-08-23
US572,187 1990-08-23

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001296757A Division JP2002186489A (ja) 1990-08-23 2001-09-27 NeisseriagonorrhoeaeおよびNeisseriameningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06500562A JPH06500562A (ja) 1994-01-20
JP3532563B2 true JP3532563B2 (ja) 2004-05-31

Family

ID=24286735

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51718491A Expired - Lifetime JP3532563B2 (ja) 1990-08-23 1991-08-23 Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質
JP2001296757A Pending JP2002186489A (ja) 1990-08-23 2001-09-27 NeisseriagonorrhoeaeおよびNeisseriameningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質
JP2003141370A Pending JP2005239548A (ja) 1990-08-23 2003-05-20 NeisseriagonorrhoeaeおよびNeisseriameningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001296757A Pending JP2002186489A (ja) 1990-08-23 2001-09-27 NeisseriagonorrhoeaeおよびNeisseriameningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質
JP2003141370A Pending JP2005239548A (ja) 1990-08-23 2003-05-20 NeisseriagonorrhoeaeおよびNeisseriameningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質

Country Status (10)

Country Link
US (1) US7582730B2 (ja)
EP (2) EP0546118B1 (ja)
JP (3) JP3532563B2 (ja)
AT (2) ATE439859T1 (ja)
AU (1) AU8747791A (ja)
CA (1) CA2087958C (ja)
DE (2) DE69133622D1 (ja)
DK (2) DK1378245T3 (ja)
ES (2) ES2210228T3 (ja)
WO (1) WO1992003467A1 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6887482B2 (en) 1990-07-16 2005-05-03 The University Of North Carolina At Chapel Hill Antigenic iron repressible proteins from N. meningitidis related to the hemolysin family of toxins
US6086896A (en) * 1990-07-16 2000-07-11 Imclone Systems Incorporated Antigenic iron repressible protein from N. meningitidis related to the hemolysin family of toxins
FR2682114B1 (fr) * 1991-10-03 1996-02-23 Pasteur Merieux Serums Vacc Vaccin de sous-unite contre les infections a neisseria meningitidis et sous-unites correspondantes a l'etat purifie.
FR2692592B1 (fr) 1992-06-19 1995-03-31 Pasteur Merieux Serums Vacc Fragments d'ADN codant pour les sous-unités du récepteur de la transferrine de Neisseria meningitidis et procédés les exprimant.
US5439808A (en) * 1993-07-23 1995-08-08 North American Vaccine, Inc. Method for the high level expression, purification and refolding of the outer membrane group B porin proteins from Neisseria meningitidis
FR2724936A1 (fr) * 1994-09-22 1996-03-29 Pasteur Merieux Serums Vacc Recepteur lactoferrine d'helicobacter
US5747287A (en) * 1995-04-28 1998-05-05 North American Vaccine, Inc. Method for the high level expression, purification and refolding of the outer membrane group B porin proteins from Neisseria meningitidis
JPH11502418A (ja) * 1995-10-09 1999-03-02 パストゥール メリユ セリュム エ ヴァサン ヘリコバクターのラクトフェリン受容体
US6610506B1 (en) 1995-12-01 2003-08-26 University Technologies International, Inc. Transferrin binding proteins of Pasteurella haemolytica and vaccines containing same
GB9726398D0 (en) 1997-12-12 1998-02-11 Isis Innovation Polypeptide and coding sequences
ES2304065T3 (es) * 1998-05-01 2008-09-01 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. Antigenos y composiciones de neisseria meningitidis.
US6692752B1 (en) 1999-09-08 2004-02-17 Smithkline Beecham Biologicals S.A. Methods of treating human females susceptible to HSV infection
ES2310776T3 (es) * 1998-10-22 2009-01-16 The University Of Montana Composiciones de vacuna que comprenden proteinas omp de neisseria gonorrhoeae y de neisseria meningitidis.
US6610306B2 (en) 1998-10-22 2003-08-26 The University Of Montana OMP85 protein of neisseria meningitidis, compositions containing the same and methods of use thereof
DK1535928T3 (da) * 1998-10-22 2008-10-20 Univ Montana Vaccinesammensætninger indeholdende Omp85-proteiner af Neisseria gonorrhoeae og Neisseria meningitidis
EP1939215A1 (en) 1998-10-22 2008-07-02 The University of Montana Omp85 proteins of neisseria gonorrhoeae and neisseria meningitidis, compositions containing same and methods of use thereof
EP1069133A1 (en) 1999-07-13 2001-01-17 Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale (Inserm) Neisseria meningitidis compounds and anti-infection applications thereof
RU2281956C2 (ru) * 1999-10-29 2006-08-20 Чирон С.Р.Л. Антигенные пептиды neisseria
JP2006500963A (ja) 2002-08-02 2006-01-12 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム ワクチン組成物
WO2004039417A2 (en) 2002-11-01 2004-05-13 Glaxosmithkline Biologicals S.A. Drying process
WO2005032584A2 (en) 2003-10-02 2005-04-14 Glaxosmithkline Biologicals S.A. Pertussis antigens and use thereof in vaccination
ES2397923T3 (es) 2003-10-02 2013-03-12 Novartis Ag Vacunas líquidas para múltiples serogrupos meningocócicos
GB0505996D0 (en) 2005-03-23 2005-04-27 Glaxosmithkline Biolog Sa Fermentation process
ATE450271T1 (de) 2006-06-12 2009-12-15 Glaxosmithkline Biolog Sa Impfstoff
GB0700562D0 (en) 2007-01-11 2007-02-21 Novartis Vaccines & Diagnostic Modified Saccharides
JP2013521770A (ja) 2010-03-10 2013-06-13 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム ワクチン組成物
US20120171120A1 (en) 2010-11-30 2012-07-05 Genentech, Inc. Low affinity blood brain barrier receptor antibodies and uses therefor

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4681761A (en) * 1985-10-24 1987-07-21 State Of Oregon, Acting By And Through The Oregon State Board Of Higher Education, Acting For And On Behalf Of The Oregon Health Sciences University Major iron-regulated protein of Neisseria gonorrhoeae and its use as vaccine
US5292869A (en) * 1989-04-27 1994-03-08 The Board Of Governors Of The University Method for isolating and purifying transferrin and lactoferrin receptor proteins from bacteria and the preparation of vaccines containing the same
US5141743A (en) 1989-04-27 1992-08-25 University Technologies International, Inc. Method for isolating and purifying transferrin and lactoferrin receptor proteins and vaccines containing the same
US5912336A (en) 1990-08-23 1999-06-15 University Of North Carolina At Chapel Hill Isolated nucleic acid molecules encoding transferrin binding proteins from Neisseria gonorrhoeae and Neisseria meningitidis
FR2692592B1 (fr) 1992-06-19 1995-03-31 Pasteur Merieux Serums Vacc Fragments d'ADN codant pour les sous-unités du récepteur de la transferrine de Neisseria meningitidis et procédés les exprimant.

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Can.J.Microbiol.,Vol.35,No.3(1989)p.409−415
J.Med.Microbiol.,Vol.28,No.3(1989)p.199−204

Also Published As

Publication number Publication date
DE69133334D1 (de) 2003-12-04
ATE253114T1 (de) 2003-11-15
EP1378245B1 (en) 2009-08-19
AU8747791A (en) 1992-03-17
ATE439859T1 (de) 2009-09-15
US7582730B2 (en) 2009-09-01
CA2087958C (en) 2007-05-15
DE69133334T2 (de) 2004-05-13
ES2210228T3 (es) 2004-07-01
WO1992003467A1 (en) 1992-03-05
EP1378245A3 (en) 2004-01-14
DE69133622D1 (de) 2009-10-01
DK1378245T3 (da) 2009-10-26
US20070065453A1 (en) 2007-03-22
CA2087958A1 (en) 1992-02-24
DK0546118T3 (da) 2004-02-16
EP0546118B1 (en) 2003-10-29
EP1378245A2 (en) 2004-01-07
EP0546118A4 (en) 1993-07-14
EP0546118A1 (en) 1993-06-16
ES2329979T3 (es) 2009-12-03
JP2002186489A (ja) 2002-07-02
JP2005239548A (ja) 2005-09-08
JPH06500562A (ja) 1994-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3532563B2 (ja) Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidis由来トランスフェリン結合蛋白質
JP2907552B2 (ja) ヘモフィルス外膜タンパク質
JP4276670B2 (ja) 微生物蛋白質と、この蛋白質を産生する微生物と、該蛋白質のワクチンおよび結核検出での利用
CA2347849C (en) Omp85 proteins of neisseria gonorrhoeae and neisseria meningitidis, compositions containing same and methods of use thereof
JP3797490B2 (ja) 単離されたFrpB核酸分子およびワクチン
US20020025318A1 (en) Transferrin-binding proteins from n.gonorrhoeae and n. meningitidis
PL197449B1 (pl) Wyizolowane polipeptydy, immunogenne fragmenty tych polipeptydów, wyizolowane polinukleotydy, wektor ekspresyjny, komórka gospodarza zawierająca taki wektor, sposób wytwarzania polipeptydu, sposób ekspresji polinukleotydu, kompozycja szczepionki, przeciwciało immunospecyficzne w stosunku do polipeptydu lub jego immunogennego fragmentu, sposób diagnozowania zakażenia Neisseria meningitidis, zastosowania kompozycji zawierającej polipeptyd lub jego immunogenny fragment, lub polinukleotyd i kompozycja terapeutyczna do leczenia choroby wywołanej przez Neisseria meningitidis
JP3329452B2 (ja) 溶血素群毒素に関するN.meningitidis由来抗原性鉄抑制蛋白質
JPH11500630A (ja) ナイセリア・メニンジティディス・サブユニットtbp2
KR100509712B1 (ko) 나이세리아 락토페린 결합 단백질
CA2520386A1 (en) Nontypeable haemophilus influenzae virulence factors
EP1159426B1 (en) Cloning and expression of haemophilus somnus transferrin-binding proteins
KR20000068980A (ko) 스트렙토코커스 유베리스 락토페린 결합 단백질
EP1535928A2 (en) Omp85 proteins of Neisseria gonorrhoeae and Neisseria meningitidis, compositions containing same and methods of use thereof
US6887482B2 (en) Antigenic iron repressible proteins from N. meningitidis related to the hemolysin family of toxins
EP1939215A1 (en) Omp85 proteins of neisseria gonorrhoeae and neisseria meningitidis, compositions containing same and methods of use thereof
JP2002506624A (ja) スタフィロコッカス・アウレウスspo0j2:ポリヌクレオチドおよび蛋白
CZ20004617A3 (cs) Vakcína
CZ2000530A3 (cs) Protein Neisserie vázající laktoferin

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040107

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090312

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090312

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110312

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120312

Year of fee payment: 8