JP3329452B2 - 溶血素群毒素に関するN.meningitidis由来抗原性鉄抑制蛋白質 - Google Patents

溶血素群毒素に関するN.meningitidis由来抗原性鉄抑制蛋白質

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、Neisseria meningitidisから単離された抗
原性ポリペプチド、該ポリペプチドに対して生じる抗
体、該ポリペプチドを含有するワクチンおよび該ポリペ
プチドをコードするDNAに関する。ポリペプチドとは溶
血素群毒素の一つであり、典型的なものとしてはE.coli
由来のα−溶血素が挙げられる。
細菌性の病因は複雑であり、プロセスはほとんど理解
されていない。多くの病因性細菌は動物細胞の代謝や機
能を損なう毒素を分泌する。様々なクラスの分子がその
ような毒素を構築する。
蛋白質毒素の一例が、ヒトの腸外感染を引き起こす病
因性E.coli株に見出される。そのような感染は哺乳動物
赤血球の溶血を特徴とする。その溶血活性は溶血素とし
て知られる一群の毒素によるものである。そのクラスに
はα−溶血素およびβ−溶血素が含まれる(Welchら,In
fection and Immunity 42,178−186(1983)参照のこ
と)。
もう一つの蛋白質毒素はアデニル酸シクラーゼであ
り、それはBordetella pertussisおよびBacillus anthr
acisに見出され、プロフェッショナル食細胞の機能を阻
害する。これらの細菌は各々百日咳および炭疽病の原因
である。
第3の病因性細菌由来の蛋白質毒素類はロイコトキシ
ンであり、幼年期の局所的な歯周炎の病原剤であるActi
nobacillus actinomycetemcomitans、およびウシ白血球
を死滅させるPasteurella haemolyticaに見出される。
興味深いことに、B.pertussisおよびB.anthracis由来
のアデニル酸シクラーゼ、およびA.actinomycetemcomit
antsおよびP.haemolytica由来のロイコトキシンはE.col
i由来のα−溶血素のアミノ酸配列とかなりの相同性を
示すアミノ酸配列を有する(Glaserら,Molecular Biolo
gy ,19−30(1988)およびKolodrubetzら,Infection
and Immunity 57,1465−1469(1989)参照のこと)。
明らかに、様々な細菌属に見出される一連の毒素群が存
在する。細胞毒素のこの群のアミノ酸配列は、高頻度に
繰り返された9個のアミノ酸のモチーフ、すなわちLxGG
xGNDx(但し、xはいずれかのアミノ酸を示す。)に特
徴がある。本明細書の目的は、この一連の毒素が溶血素
群毒素に関することを述べるものである。
「溶血素群毒素」が当業者にとって一般的な属名であ
り、実際には大部分が細胞毒素であるが、全てが溶血性
でないことを意味するものであると理解されるべきであ
る。その群としての資格は以下に定義するようなアミノ
酸配列の相同性である。上記に加えて、相同する蛋白質
はSerratiaおよびProteusにも見出されているが、これ
ら溶血素群のメンバーが実際に細胞毒素であるかどうか
は不明である。
この重要で、時には死をもたらす細菌であるNeisseri
a meningitidisは脊髄性髄膜炎および敗血症ショックの
原因であるが、この菌についてはほとんど知られていな
い。N.meningitidisおよびこれが引き起こす疾病につい
ては、PatersonによりBiologic and Clinical Basis of
Infectious Diseases,の“Neisseria meningitidis a
nd Meningococcal Disease",W.B.Saunders Company,Cha
pter 43(1980)に記載されている。
N.meningitidisの遺伝子型はN.gonorrhoeaeの遺伝子
型と大変よく類似しているが、表現型は全く異なる。こ
れらNeisseria種を区別することが重要となる場合があ
る。免疫学的種形成は、十分量のグループ特異性抗原が
ないため、困難な場合がある。
N.meningitidisは様々な血清型として存在し、その有
患率は時間と存在場所により変わる。血清型には、A、
B、C、D、X、Y、Z、29−EおよびW−135があ
る。
N.meningitidis感染の3つの最も重要な公知の抗原性
および/または有毒性成分は、莢膜多糖、リポ多糖−エ
ンドトキシン細胞壁複合体およびNeisseria−特異性蛋
白質である。莢膜多糖は髄膜炎菌を、分裂した好中球に
よる食作用に抵抗できるようにする主な病毒性要因であ
る。
髄膜炎菌の多糖を含有するワクチンは、いくつかのN.
meningitidis血清型に対して用いる。例えば、A、C、
YおよびW−135血清型に対する防御が多糖ワクチンに
より可能になる。しかしながら、そのようなワクチンは
N.meningitidisの感染に対する全般的な防御には不十分
である。例えばAおよびC血清型の多糖ワクチンに対す
る免疫応答は、特に髄膜炎菌性疾病に最も感受性の高い
2才以下の子供ではほとんどない。さらに、B血清型に
有効なワクチンが存在せず、おそらくそれはB群の莢膜
多糖が比較的非免疫原性であることによる。
N.meningitidisの病理学についてさらに研究をする必
要があることは明らかなことである。おそらく、この病
原体をさらに理解することにより、現在利用可能なもの
よりもより多くの血清型に対して全般的に有用なワクチ
ンの発見が導かれるであろう。
例えば、何故呼吸器系のN.meningitidisによる感染が
激しい髄膜炎菌性疾病に進行し、時折人によっては死に
到るのに、明らかに同様の危険な状態にあるその他大多
数の人々はそうならないのか、については不明である。
莢膜多糖の量もリポ多糖−エンドトキシン複合体の量も
この疾病の危険性とは相関しない。N.meningitidisの莢
膜多糖と交叉反応する抗原性成分を持つ微生物にさらす
方法は、一つの解釈を導いてくれた(Petersonの同著書
参照のこと)。
それ以外の解釈もまた可能である。例えば、莢膜多糖
とは異なる抗原への交叉免疫を除外することはできな
い。この点に関して、N.meningitidisと結合する蛋白質
毒素が知られていないことに注目することは興味深いこ
とである。この一つの理由としては、N.meningitidis
が、大抵はヒト宿主内には存在しない鉄過剰な条件下、
インビトロで培養されることが挙げられる。しかしなが
ら、いくつかの髄膜炎菌の蛋白質が鉄で抑制され、かつ
インビボでは発現するがインビトロでは観察されないこ
とが知られている。Blackら,Infection and Immunity
54,710−713(1986)およびBrenerら,ibid.33,59−66
(1981)参照のこと。
本発明における問題点の一つは、N.meningitidisの同
定およびN.gonorrhoeaeとの識別を可能にする抗原性ポ
リペプチドおよびDNA配列の発見である。また、本発明
のもう一つの問題点は、髄膜炎菌性疾病に対して有効な
抗体の製造を可能にする蛋白質の発見である。
発明の概要 当業者にとって明白なように、これら、およびそれ以
外の問題は、少なくとも50アミノ酸残基を有するセグメ
ントを含み、かつ該セグメントのアミノ酸配列がN.meni
ngitidisに存在し、さらに該アミノ酸配列が溶血素群毒
素の一つのセグメントのアミノ酸配列とは異なるが実質
的に相同する、単離された抗原性ポリペプチドを提供す
ることにより解決されるものである。
ポリペプチドのもう一つの決定方法は、N.meningitid
isに存在するアミノ酸配列を有するセグメントを含み、
かつ該アミノ酸配列が9個のアミノ酸の溶血素共通配列
の少なくとも3つの繰り返しを含み、該溶血素共通配列
が 位置1のL; 位置3のG; 位置4のG; 位置6のG; 位置7のN; 位置8のD;および 位置2、5および9のx; (ただし、xは独立していかなる単一アミノ酸残基を表
す。) のうち少なくとも4つを含む、単離されたポリペプチド
であることを示すことである。
さらに本発明は、前述のポリペプチドの抗原性フラグ
メント、該ポリペプチドに対して生じる抗体、該ポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列、および該ポリペ
プチドを含有するワクチンを包含するものである。
発明の詳細な説明 ポリペプチドセグメント 鉄制限条件下でN.meningitidisを生育させた時、溶血
素群毒素のセグメントとは異なるが、実質的に相同する
アミノ酸配列を有するセグメントからなるポリペプチド
が発現することが思いがけず発見された。例えばA4.85
(以下参照)のように、N.meningitidisに見出されるポ
リペプチドに対して生じるモノクローナル抗体は、E.co
liのhlyA遺伝子により産生されるα−溶血素(HlyA)お
よびBordetella pertussisにより産生されるアデニル酸
シクラーゼとウエスタン・ブロットで交叉反応する。
ここで用いられる溶血素群毒素としては、Escherichi
a、Serratia、Pasteurella、Proteus、Actinobacillu
s、およびBordetella属の細菌に見出される相同性の、
細胞障害性または蛋白質分解性ポリペプチドが挙げら
れ、特にα−溶血素、ロイコトキシン、およびアデニル
酸シクラーゼが挙げられる。
二つのアミノ酸配列が実質的に相同するか否かの決定
は、本明細書では、PearsonおよびLipmanのProc.Natl.A
cad.Sci.USA85,2444−2448(1988)によるFASTA検索法
に基づいて行った。本発明による実質的に相同する配列
は、ここでは引例であるPearsonおよびLipmanの方法に
より求めた時、アミノ酸配列において少なくとも15%一
致しており、好ましくは少なくとも20%、さらに好まし
くは少なくとも25%が一致している。
本発明のポリペプチドは、溶血素群毒素のその他のも
のと同一なセグメントを含有する必要はない。FASTA法
による同一性は90%または95%程度であってよいが、通
常N.meningitidisから単離された場合には40%または50
%以上の同一性を示すことはない。
ポリペプチドの大きさに制限はなく、溶血素群毒素の
一つのセグメントと実質的に相同するセグメントを含有
する程度の長さであればよい。実質的に相同するセグメ
ントは少なくとも50アミノ酸残基を有し、好ましくは少
なくとも100アミノ酸残基、さらに好ましくは少なくと
も200アミノ酸残基を有する。本明細書において、「ポ
リペプチド」という用語は「蛋白質」や「ペプチド」の
ような用語と区別できないと考えられる。
溶血素群毒素のセグメントと実質的に相同する髄膜炎
菌ポリペプチドのセグメントは、全ての溶血素群毒素の
特徴を示す同じ9個のアミノ酸のモチーフを含有する。
共通する配列はLxGGxGNDxであり、以下溶血素共通配列
という。xで表されるアミノ酸はいかなるアミノ酸でも
よい。
本発明のポリペプチドは、上記の実質的な相同性基準
だけでなく、溶血素共通配列により定義されてもよい。
このため、9個のアミノ酸配列が少なくとも4個、好ま
しくは少なくとも5個、そしてさらに好ましくは全6個
の特定のアミノ酸残基(すなわち、L−GG−GND−)を
正しい位置に含有しているならば、それは溶血素共通配
列であると考えられる。
第2図(以下に記載されている)はN.meningitidisか
ら単離されたポリペプチドの一部であり、これによれ
ば、相同するセグメントは溶血素共通配列が多数繰り返
されている3つの範囲、すなわち486番目と512番目のア
ミノ酸の間、623番目と712番目のアミノ酸の間、および
823番目から最後のアミノ酸の間からなる。第2図には
完全な共通配列が21存在する。
本発明のポリペプチドには、N.meningitidisに存在
し、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つ、さら
に好ましくは少なくとも10の溶血素共通配列を含むセグ
メントが含まれる。本発明のポリペプチドは少なくとも
21程度の溶血素共通配列を有していてもよい。
ポリペプチドは単離されるが、それは本質的にその他
の蛋白質、特にN.meningitidisのその他の蛋白質から遊
離することを意味する。本質的に他の蛋白質から遊離す
るということは、他の蛋白質から少なくとも90%が遊離
していることであり、好ましくは少なくとも95%、さら
に好ましくは少なくとも98%が遊離していることを意味
する。
好ましくは、ポリペプチドは本質的に純粋なものであ
り、それはポリペプチドが他のポリペプチドからだけで
なく、ポリペプチドの単離や同定に用いられる他の物
質、例えばニトロセルロース紙だけでなくドデシル硫酸
ナトリウムや他の洗浄剤等からも遊離していることを意
味する。ポリペプチドはそのような物質から少なくとも
90%が遊離しており、好ましくは少なくとも95%、さら
に好ましくは少なくとも98%が遊離しているものであ
る。
本発明のポリペプチドは抗原性であるが、これはポリ
ペプチドが哺乳動物において特異的な抗体を誘導するこ
とを意味する。好ましくは、ポリペプチドは免疫原性で
ある。
ポリペプチドはN.meningitidisに存在するような完全
なポリペプチドであってもよく、または全ポリペプチド
の抗原性、好ましくは免疫原性のフラグメントであって
もよい。抗原性および/または免疫原性ポリペプチドの
抗原性および/または免疫原性フラグメントは、当技術
分野において公知の方法により同定してもよい。通常、
抗原性フラグメントは、溶血素群毒素の一つであるポリ
ペプチドのセグメントのアミノ酸配列とは異なるが相同
するアミノ酸配列を有するセグメントの少なくとも一部
からなるか、あるいは少なくとも3つ、好ましくは少な
くとも5つ、さらに好ましくは少なくとも10の溶血素共
通配列を有するセグメントの少なくとも一部からなる。
ポリペプチドの調製 本発明のポリペプチドは当技術分野で公知である方法
により調製してもよい。そのような方法としては、ポリ
ペプチドを直接N.meningitidisから単離すること;ポリ
ペプチドをコードするDNAを単離または合成し、該DNAを
用いて組み換えポリペプチドを製造すること;およびポ
リペプチドを個々のアミノ酸から合成すること等が挙げ
られる。
ポリペプチド、またはポリペプチドをコードするDNA
はN.meningitidisのいかなる血清型から単離してもよ
い。そのような血清型としては、A、B、C、D、X、
Y、Z、29−EおよびW−135が挙げられる。
ポリペプチドまたはポリペプチドをコードするDNAが
単離される適当な髄膜炎菌株の入手源が利用できる。そ
のような入手源としてAmerican Type Culture Collecti
on(Bethesda,MD)およびNeisseria Repository(NAMR
U,University of California,Berkeley)が挙げられ
る。適当な菌株としてはFAM18およびFAM20(Dyerら,Mic
robial Pathogenesis ,351−363(1987))、および
FAM19が挙げられる。それ以外の髄膜炎菌株はSchryvers
およびMorrisによるInfection and Immunuty 56,1144
−1149(1988)に記載されている。
ポリペプチドはN.meningitidisから当該技術分野で公
知の方法により直接単離してもよい。まず、髄膜炎菌の
外層膜を単離し、公知の方法で調製する。WestおよびSp
arlingによるInfect.Immun.47,388−394(1985)に記載
された方法、およびSchryversおよびMorrisによるInfec
t.Immun.56,1144−1149(1988)に記載された方法が適
当である。
単離された膜蛋白質は公知の方法、例えば洗浄剤の添
加等により可溶化してもよい。通常用いられる洗浄剤と
しては、オクチル−β−グルコシド、チャップス(Chap
s)、ツバイターゲント(Zwittergent)3.14またはトラ
イトン−X(Triton−X)が挙げられる。膜蛋白の溶解
性を促進するために洗浄剤を用いることは、Jonesらに
よるFinby,Solubilization and Reconstitution of Mem
brane Proteins:A Practical Approach,IRL Press(198
6)、HeleniusらによるBiochim.Biophys.Acta 415,29
(1975)、およびHjeimelandとChrambachによるMethods
Enzymol.104,305(1984)に記載されている。
蛋白質は可溶化された膜分画から標準的な方法により
単離される。いくつかの適当な方法としては、沈降法
や、イオン交換、疎水性相互作用およびゲルろ過等の液
体クロマトグラフィープロトコールが挙げられる。例え
ば、Methods Enzymol.182(Guide to Protein Chemistr
y,Deutscher,Ed.Sectino VII)309(1990)およびScope
s,Protein Purification.Springer−Verlag,New York
(1987)を参照のこと。
一方、精製された物質は、分取SDS−PAGEゲルで蛋白
質を分離し、目的のバンドを分割し、当技術分野で公知
の方法により蛋白質をアクリルアミドのマトリックスか
ら電気溶出させることにより得られる。洗浄剤SDSは、
透析やPierceのExtracti−ゲルカラム等の適当なカラム
の使用などの公知の方法により蛋白質から除去される。
ポリペプチドは、ポリペプチドをコードするDNAを単
離すること;適当な宿主内でDNAをクローニングするこ
と;宿主内でDNAを発現させること;およびポリペプチ
ドを採取することにより製造されてもよい。
本発明のポリペプチドをコードする第1のDNAはイム
ノスクリーニング法により単離された。そのような方法
がManiatisらによる“Molecular Cloning:Alaboratory
Manual,“Cold Spring Harbor Laboratory Press,Clod
Spring Harbor,New York(1982)に記載されている。
要約すれば、モノクローナル抗体はN.meningitidis
FAM20株の鉄抑制外層膜蛋白質に対して産生される。モ
ノクローナル抗体の一つであるA4.85はFAM20の外層膜の
ウエスタン・ブロッツ(Western blots)上のいくつか
の鉄抑制蛋白質を認識した。A4.85は、発現ベクター−
λ−gt11に作られたFAM20の染色体ライブラリーからク
ローンを単離するために用いた。このクローンの配列は
決定され、隣接する染色体抑制フラグメントをクローン
するために用いた。この領域の隣接したDNA配列は長い
オープンリーディングフレームを含有しており、それを
第1図に示す。第1図のヌクレオチド配列から予示され
るアミノ酸配列を第2図に示す。
オープンリーディングフレーム(第2図)から推測さ
れるアミノ酸配列を、PearsonおよびLipman(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 85,2444−2448(1988))に従ってFAST
A相同性検索を行った。驚くべきことに、このアミノ酸
配列は、上記で議論したように、いくつかの溶血素群毒
素と実質的な相同性を示した。
さらにN.meningitidisから単離されたポリペプチドが
毒素の溶血素群の一つであることから明らかなように、
第2図に示されるポリペプチドに対して生じ、そのペプ
チドを単離するために用いられる抗体、すなわちA4.85
はE.coli由来のα−溶血素(HlyA)およびBordetella p
ertusssisで産生されるアデニル酸シクラーゼと強く交
叉反応した。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の付加的な
フラグメント、または完全なポリペプチドをコードする
遺伝子を得るために、イムノスクリーニング法を繰り返
してもよい。むろん、このイムノスクリーニングプロセ
スを繰り返さなくともよい。完全な遺伝子または遺伝子
の付加的なフラグメントは、好ましくは公知のDNA配列
またはそれらのフラグメントを用いることによりプロー
ブとして単離される。そのために、すでにクローン化さ
れた領域の末端の側面に位置しているか、あるいは完全
な領域を含有している髄膜炎菌のDNA制限フラグメント
を、第1図に示すような予め決定された配列、またはそ
れらのフラグメント由来の標識化オリゴヌクレオチドプ
ローブを用いて、サザンハイブリダイゼーションにより
同定する。
得られるDNAは当技術分野では公知の方法により増幅
してもよい。一つの適当な方法としては、Mullisらの米
国特許第4,683,195号およびSambrook,FritschおよびMan
iatis(著者)のMolecular Cloning,A Laboratory Manu
al,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(198
9)に記載されているポリメラーゼチェーンリアクショ
ン(PCR)法が挙げられる。それは、アンプライマーと
してλ−gt11−特異性オリゴマー(Stratagene社製を利
用できる)を用いてλ−gt11ベクターでクローンを増幅
するのに便利な方法である。
制限フラグメントはプラスミドまたはバクテリオファ
ージ等の適当なベクターにクローンされ、当技術分野で
公知の方法により配列される。適当な配列方法として
は、SangerらによるProc.Natl.Acad.Sci.USA 74,5463
−5467(1977)に記載されているジデオキシチェーン・
ターミネーティング法が挙げられる。配列のための適当
なベクターおよびポリメラーゼは公知である。適当なベ
クターとしては、Stratagene社製のブルースクリプト
(Bluescript)ベクターが挙げられる。適当なポリメラ
ーゼとしては、シークエナーゼ(Sequenase)(United
States Biochemical Corp.,Cleveland,OH)が挙げられ
る。
本発明のポリペプチドをコードするDNAは、多様なベ
クターを用い、多様な宿主細胞において組み換えポリペ
プチドを発現するために用いてもよい。宿主は原核性ま
たは真核性でもよい。DNAは天然から得てもよく、場合
によっては修飾されていてもよい。遺伝子は全体または
部分的に合成されてもよい。
クローニングベクターは染色体性、非染色体性および
合成されたDNA配列からなっていてもよい。いくつかの
適当な原核性ベクターとしては、colE1、pCR1、pBR32
2、pMB9、およびRP4等のE.coli由来のプラスミドが挙げ
られる。また、原核性ベクターとしては、M13、fd、お
よびその他の糸状一本鎖DNAファージ等のファージDNAの
誘導体が含まれる。
細菌、特にE.coliでの蛋白質発現用ベクターも公知で
ある。そのようなベクターとしては、pK233(またはプ
ラスミドのtac群のいずれか)、T7、およびλPLが挙げ
られる。融合蛋白質を発現するベクターの例としては、
DieckmannおよびTzagoloffによるJ.Biol.Chem.260,1513
−1520(1985)に記載されているPATHベクターが挙げら
れる。これらのベクターにはアントラニル酸シンセター
ゼ(TrpE)をコードするDNA配列が含まれており、その
カルボキシ末端にポリリンカーが続いている。その他の
発現ベクター系はβ−ガラクトシダーゼ(pEX);マル
トース結合蛋白質(pMAL);およびグルタチオン S−
トランスフェラーゼ(pGST)に基づくものである(Gene
67,31(1988)およびPeptide Resesarch ,167(199
0)参照)。
酵母において有用なベクターを利用してもよい。適当
な例としては2uプラスミドが挙げられる。
哺乳動物細胞に用いる適当なベクターも公知である。
そのようなベクターとしては、十分公知であるSV−40誘
導体、アデノウイルス、レトロウイルス由来のDNA配列
およびプラスミドとファージDNAの結合体由来のベクタ
ーが挙げられる。。
それ以外の真核生物の発現ベクターが当技術分野では
公知である(例えば、P.J.SouthernおよびP.Berg,J.Mo
l.Appl.Genet.,327−341(1982);S.Subramaniら,Mo
l.Cell.Biol.,845−864(1981);R.J.Kaufmannおよび
P.A.Sharp,“Amplification And Expression Of Sequen
ces Cotransfected with A Modular Dihydrofolate Red
uctase Complementary DNA Gene,"J.Mol.Biol.159,601
−621(1982);R.J.KaufmannおよびP.A.Sharp,Mol.Cel
l.Biol.159,601−644(1982);S.I.Scahillら,“Expre
ssion And Characterization Of The Product Of A Hum
an Immune Interferon DNA Gene In Chinese Hamster O
vary Cells,"Proc,Natl.Acad.Sci.USA 80,4654−4659
(1983);G.UrlaubおよびL.A.Chasin,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 77,4216−4220,(1980)参照)。
有用な発現宿主としては十分公知である原核および真
核細胞が挙げられる。いくつかの適当な原核宿主として
は、例えば、E.coli SG−936、E.coli HB−101、E.co
li W3110、E.coli X1776、E.coli X2282、E.coli DH
I、およびE.coli MRCl等のE.coli、Pseudomonas、Baci
llussubtilis等のBacillus、およびStreptomycesが挙げ
られる。適当な真核細胞としては、酵母およびその他の
菌類、昆虫やCOS細胞やCHO細胞等の動物細胞、並びに組
織培養ヒト細胞および植物細胞が挙げられる。
本発明に有用な発現ベクターは、発現さるべきDNA配
列またはフラグメントに結合する少なくとも一つの発現
制御配列を含有する。調節配合は、クローン化されたDN
A配列の発現を制御・調節するためにベクターに挿入さ
れる。有用な発現制御配列の例としては、lac系、trp
系、tac系、trc系、ファージλの大部分のオペレーター
およびプロモーター領域、fdコート蛋白質の制御領域、
3−フォスフォグリセリン酸キナーゼのプロモーター等
の酵母の解糖プロモーター、Pho5等の酵母の酸性フォス
ファターゼのプロモーター、酵母のα−交接因子、およ
びSV40の初期または後期プロモーター等のポリオーマ、
アデノウイルス、レトロウイルス、およびサルウイルス
等由来のプロモーター、および原核または真核細胞およ
びそれらのウイルスまたはそれらを組み合わせたものの
遺伝子の発現を制御するとして知られているその他の配
列が挙げられる。
組み換えポリペプチドは、当技術分野で公知の方法に
より精製される。適当な方法が、F.A.O.Marston,“The
Purification of Eukaryotic Polypeptides Expressed
in Escherichia coli,"in DNA Cloning,D.M.Glover,E
d.,Vol.III,IRL Press Limited,England(1987)に記載
されている。
本発明のポリペプチドおよび該ポリペプチドをコード
するDNAも、当技術分野で公知の方法により個々のアミ
ノ酸残基およびヌクレオチドから各々化学的に合成して
もよい。ポリペプチド合成の適当な方法はStuartおよび
Youngによる“Solid Phase Peptide Synthesis,"第2
版,Pierce Chemical Company(1984)に記載されてい
る。DNA合成の適当な方法はCaruthersによるScience 23
0,281−285(1985)に記載されている。
ワクチン 溶血素群毒素の一つのアミノ酸配列とは異なるが実質
的に相同するアミノ酸配列を有するセグメントからなる
ポリペプチドは、予想外に、哺乳動物をN.meningitidis
による感染性疾病から保護するのに有用な抗原である。
該哺乳動物とは、典型的にはヒトである。
有効に用いるためには、抗原は免疫される哺乳動物に
対して非毒性である。抗原が毒性である場合、当技術分
野で公知の方法により非毒性にしてもよい。そのような
方法としては、例えば、抗原性があり非毒性の完全なポ
リペプチドのフラグメントを調製すること、あるいは毒
性を破壊する抗原性に影響を与えないキャリヤ分子に毒
素を結合させる等により、ポリペプチドを非毒性にする
ことが挙げられる。キャリヤ分子は、典型的にはそれ以
外のポリペプチドである。
好ましくは、抗原のアミノ酸配列はN.meningitidisに
見出されるポリペプチドに存在するものである。ポリペ
プチド、または哺乳動物を免疫するのに有用な非毒性で
抗原性のあるフラグメントは、上述のようなN.meningit
idisからの単離、組み換えDNA技術による製造、または
化学合成等の当技術分野で公知の方法により作られても
よい。
フラグメントの長さは、フラグメントが抗原性かつ非
毒性であるかぎり、制限はない。したがって、フラグメ
ントはエピトープを決定するのに十分なアミノ酸残基を
含有していなければならない。公知の抗原性ポリペプチ
ドから抗原性フラグメントを単離・同定する方法はSalf
eldらによるJ.Virol.63,798−808(1989)およびIsola
らによるJ.Virol.63,2325−2334(1989)に記載されて
いる。
フラグメントが、エピトープは決定するが短すぎて抗
原性でない場合には、キャリヤ分子に接合してもよい。
いくつかの適当なキャリヤ分子としては、キーホール・
リンペット(Keyhole limpet)ヘモシアニンおよびウシ
血清アルブミンが挙げられる。接合は当技術分野で公知
の方法によって行ってもよい。そのような一つの方法は
フラグメントのシステイン残基をキャリヤ分子上のシス
テイン残基と結合させるものである。
本発明はさらに、N.meningitidis感染に対する哺乳動
物(ヒトを含む)免疫用ワクチン組成物を包含するもの
である。ワクチン組成物は適当なキャリヤ中の上記のよ
うな免疫原性抗原を含む。適当なキャリヤとしては、
水、リン酸緩衝化塩溶液、およびエマルジョン等の標準
的薬物として許容可能ないかなるキャリヤも含まれる。
ワクチンには、アジュバント、例えばムラミルペプチ
ド、およびインターフェロン、インターロイキン−1お
よびインターロイキン−6等のリンホカインが挙げられ
る。抗原は、当技術分野で公知であるように、酸化アル
ミニウム粒子のような適当な粒子に吸着してもよいし、
あるいはリポソームに保持されていてもよい。
本発明はさらに、N.meningitidisにより引き起こされ
る疾病からの保護が必要な場合、上記のワクチン組成物
を哺乳動物に投与することにより、ヒトを含む宿主哺乳
動物を免疫する方法をも包含するものである。ワクチン
は哺乳動物に対して非毒性な形態の免疫厳正ポリペプチ
ドを含む。ポリペプチドは一連の溶血素群毒素のアミノ
酸配列と相同性のあるアミノ酸配列を有する。アミノ酸
配列は、好ましくはN.meningitidisに存在し、通常はN.
meningitidisの外層膜に見出される。しかし、抗体は本
発明のポリペプチドおよびその他の細菌属由来の溶血素
群毒素と交叉反応するので、ワクチン組成物中の抗原は
それらの他の属のアミノ酸配列、例えばE.coliまたはB.
pertussis等由来のものからなるものであってよい。
ワクチンは当技術分野で公知の方法により哺乳動物に
投与される。そのような方法には、例えば、静脈内、腹
腔内、皮下、または筋肉内投与が挙げられる。
抗体 本発明は、発明のポリペプチドに対して生じる抗体を
提供するものである。ポリペプチドはエピトープを決定
し、さらに溶血素群毒素の一つのアミノ酸配列と実質的
に相同するアミノ酸配列からなる。抗体は好ましくは、
N.meningitidisに存在し、かつ他の細菌属の溶血素群毒
素とは異なるアミノ酸配列からなるポリペプチドに対し
て産生される。
抗体は好ましくはモノクローナルである。モノクロー
ナル抗体は当技術分野で公知の方法により製造されても
よい。これらの方法としては、KohlerおよびMilsteinに
よるNatura 256,495−497(1975)に記載された免疫学
的方法、およびHuseらによるScience 246,1275−1281
(1989)に記載された組み換えDNA法が挙げられる。
N.meningitidis感染による疾病に悩まされているヒト
を含む哺乳動物を、溶血素群毒素の一つに特異的な抗体
を投与することにより治療することもできる。いかなる
属の細菌溶血素群毒素の一つに対して生じる抗体も適当
であるが、N.meningitidisに存在するアミノ酸配列から
なるポリペプチドに対して生じる抗体が好ましい。
治療上の目的には、本発明の抗原性ポリペプチドが中
和抗体を産生することが必要である。中和抗体とは、細
菌細胞の生育を著しく阻害あるいは死滅させる、および
/またはポリペプチドの毒素機能をインビトロまたはイ
ンビボで著しく中和する抗体である。阻害または中和が
疾病に感染した哺乳動物の症状をなくす、あるいは弱め
るのに十分効果的な場合、細菌の生育が著しく阻害され
るか、またはポリペプチドの毒性機能がインビボで著し
く中和される。
中和抗体は、N.meningitidis感染により引き起こされ
る疾病に悩まされている哺乳動物(ヒトを含む)免疫用
ワクチンとして有用な抗イディオタイプの抗体の調製に
用いてもよい。抗イディオタイプの抗体は当技術分野で
公知の方法により調製される。
核酸分子 本発明は、本発明記載のいかなるポリペプチドをコー
ドする単離された核酸分子をも包含するものである。核
酸分子はDNAであってもRNAであってもよい。
核酸分子の有用性は、以下で説明するように、N.meni
ngitidis検出用プローブとして用いることができるこ
と、あるいは上記で説明したような本発明のポリペプチ
ドを製造できることにある。核酸分子は当技術分野で公
知の方法により調製されてもよい。適当な方法として
は、上記のように、DNAをN.meningitidisから単離する
こと、または公知の操作法によりDNAを合成することが
挙げられる。
プローブ 本発明はさらに、試料中のN.meningitidisの存在を検
出する方法を提供する。この方法は、溶血素群毒素、特
にN.meningitidisに存在する溶血素群毒素の一つである
ポリペプチド、またはそのようなポリペプチドをコード
する遺伝子を認識するプローブを用いることを包含す
る。もし試料中にN.meningitidisが存在すれば、プロー
ブがそれを認識する。
プローブは抗体であってもよく、好ましくはモノクロ
ーナル抗体である。抗体は上記のように調製してもよ
い。
ポリペプチドを抗体で検出する方法は公知である。例
えば、ポリペプチドは固相の支持体上で固定されていて
もよい。ポリペプチドの固定化は、ポリペプチドに特異
的な固定化一次抗体を介して行ってもよい。固定化一次
抗体はポリペプチドを含有していると思われる試料と共
にインキュベートされる。もしポリペプチドが存在すれ
ば、一次抗体と結合する。
二次抗体もまたポリペプチドに特異的であるが、これ
は固定化ポリペプチドに結合する。二次抗体は当技術分
野で公知である方法により標識されてもよい。非固定化
物質は洗い出され、固定された標識が存在すればポリペ
プチドが存在することになる。このイムノアッセイ法お
よびその他のイムノアッセイ法がDavidらにより米国特
許第4,376,110号(Hybritech,Inc.,La Jolla,Californi
aに譲渡された)に記載されている。
プローブはまた、N.meningitidisに存在する溶血素群
毒素の一つをコードするRNAまたはDNA分子を認識する核
酸分子であってもよい。核酸分子プローブが試料中の特
異的な核酸分子を認識するか否かを決定する方法は当技
術分野で公知である。一般的に、試料中に存在すると思
われる核酸配列に相補性な標識化プローブを調製する。
目標とする核酸分子とハイブリダイズしたプローブの存
在により、核酸分子の存在が示される。適当な方法がSc
hneiderらによる米国特許第4,882,269号(Princeton Un
iversityに譲渡された。)およびSegevによるPCT出願WO
90/01069号に記載されている。Schneiderらの特許およ
びSegevの出願は共にImClone Systems Inc.,New York C
ityの認可を受けている。
上記のプローブは当技術分野で公知の方法により標識
される。抗体を標識する方法は、例えば、Hunterおよび
GreenwoodによるNature 144,945(1962)、およびDavid
らによるBiochemistry 13,1014−1021(1974)に記載
されている。抗体を標識するそれ以外の方法が米国特許
第3,940,475号および同第3,645,090号に記載されてい
る。オリゴヌクレオチドプローブを標識する方法は、例
えば、LearyらによるProc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)8
0:4045;RenzおよびKurzによるNucl.Acids Res.(1984)
12:3435;RichardsonおよびGumportによるNucl.Acids Re
s.(1983)11:6167;SmithらによるNucl.Acids Res.(19
85):13:2399;およびMeinkothおよびWahlによるAnal.Bi
ochem.(1984)138:267に記載されている。
標識は放射性であってもよい。有用な放射性標識のい
くつかの例としては、32P、125I、131Iおよび3Hが挙げ
られる。放射性標識を用いることが英国特許第2,034,32
3号、米国特許第4,358,535号および同第4,302,204号に
記載されている。
非放射性標識のいくつかの例としては、酵素、発色
団、電子顕微鏡観察法により検出可能な原子および分
子、および磁気特性により検出可能な金属イオンが挙げ
られる。
いくつかの有用な酵素標識には、基質に検出可能な変
化を与える酵素が挙げられる。いくつかの有用な酵素お
よびそれらの基質としては、例えば、西洋ワサビのペル
オキシダーゼ(ピロガロールおよびo−フェニレンジア
ミン)、β−ガラクトシダーゼ(フルオレセインβ−D
−ガラクトピラノシド)、およびアルカリ性フォスファ
ターゼ(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォ
スフェート/ニトロブルーテトラゾリン)が挙げられ
る。酵素標識を用いることは、英国特許第2,019,404
号、欧州特許第63,879号、およびRotmanによるProc.Nat
l.Acad.Sci.,47,1981−1991(1961)が挙げられる。
有用な発色団としては、例えば、染料以外に、蛍光
性、化学発光性、および生物発光性の分子が挙げられ
る。本発明で有用ないくつかの発色団としては、例えば
フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、フィコ
エリスリン、ウンベリフェロン、ルミノールが挙げられ
る。
標識は、当技術分野で十分公知ないかなる方法により
抗体またはヌクレオチドプローブに接合されていてもよ
い。標識は官能基を介してプローブに直接結合させても
よい。プローブはそのような官能基を含有しているか、
または含有するようにできる。適当な官能基のいくつか
の例としては、例えば、アミノ、カルボキシル、スルフ
ヒドリル、マレイミド、イソシアナート、イソチオシア
ナートが挙げられる。
標識もまた、上記の方法によりプローブに結合したリ
ガンド、およびリガンドが標識に結合するためのリセプ
ターによってプローブと接合されていてもよい。いかな
る公知のリガンド−リセプター結合も適当である。ビオ
チン−アビジン結合が好ましい。
本発明のポリペプチドは、試料中のN.meningitidisに
特異的な抗体の存在の検出に用いられてもよい。その方
法は、溶血素群毒素の一つと実質的に相同するアミノ酸
配列を有するセグメントを含有するポリペプチドの調製
からなる。ポリペプチドは上記のようにして調製しても
よい。好ましくは、ポリペプチドはN.meningitidisに存
在するアミノ酸配列を有するセグメントを含む。
試料は、例えば、N.meningitidisに感染していると思
われる患者からのものであってもよい。適当なアッセイ
は、当技術分野で公知であり、例えばR.H.Kennethによ
り記載されている(Kennethら,Monoclonal Antibodies,
Plenum Press,N.Y.,376頁(1981)の“Enzyme−Linked
Antibody Assay with Cells Attached to Polyvinyl Ch
loride Plates")標準的ELISAプロトコール等がある。
要約すれば、プレートは、検出可能な量の抗体を結合
させるのに十分な濃度の抗原性ポリペプチドで被覆され
ている。プレートをポリペプチドと共にインキュベート
した後、プレートは例えば10%標準ヤギ血清等の適当な
ブロッキング剤でブロンクされる。患者の血清等の試料
を添加し、終点決定のための力価測定を行う。陽性およ
び陰性の対照試料を同時に加えて、未知な試料に存在す
る抗体量を定量する。インキュベートに続いて、適当な
酵素に接合したヤギ抗ヒトIgで試料をプローブ化する。
試料中の抗ポリペプチド抗体の存在は酵素の存在により
示される。
本発明のポリペプチドに対して生じる抗体はN.mening
itidisを認識し、試料中の髄膜炎菌細胞を淋菌細胞と識
別することができる。例えば、A4.84モノクローナル抗
体は鉄抑制髄膜炎菌細胞により発現されるポリペプチド
を認識することができる。しかし、A4.84は鉄抑制N.gon
orrhoeae中の蛋白質を認識しない。
抗体は上記のような公知の方法により標識化してもよ
い。鉄抑制髄膜炎菌細胞を鉄抑制淋菌細胞と識別するた
めのアッセイは、標準ブロットやELISAフォーマット等
の公知のフォーマットに従って行う。
実施例 実施例1.A4.85MAbの単離 細菌の外層膜を以下のようにしてNeisseria meningit
idis FAM20株の鉄抑制培養から調製する。FAM20をケレ
ックス・デファインド(chelexed defined)培地(CDM,
Westら,J.Bacteriology 169,3414(1987))に接種す
る。この培地は、細菌内に貯蔵されている鉄がなくなる
までしか生育できないようになっている。この間に、鉄
利用性によって調節される一組の蛋白質が発現するよう
になる。細菌を採取し、外層膜をDyerらによるInfectio
n and Immunity 56,977(1988)に記載されているよう
にして調製する。
3〜5匹のメスのBALB/cのマウスを、筋肉内(im)ま
たは腹腔内(ip)経路のいづれかにより鉄抑制FAM20外
層膜で免疫する。im経路を用いる場合、0日目に100ug
の抗原(Ag)を完全フロイントアジュバントに乳化して
二つの異なる部位に注射し、続いてここで不完全フロイ
ントアジュバントに乳化したAgで2週間後にブースター
注射を行う。ip経路では、0、7、14および28日目に10
0ugのAgで免疫する。血清抗体レベルを求めるために、
血清抗体レベルは、ELISAまたはウエスタンブロッティ
ングのいずれかにより最後のブースターを注射した後3
日チェックされる。マウスは融合する前にそれぞれ連続
した3日間に最後のブースターipを注射する。融合する
日にマウスを頸部脱臼により屠殺し、脾臓を無菌的に取
出す。脾細胞は2本の曲がった19ゲージ針を用いて嚢か
ら細胞を細片化して抽出する。抽出された細胞は再懸濁
して単一細胞の懸濁液にする。
マウスのミエローマ細胞であるSP2.0−AG14(ATCC C
RL1581)を、Dulbecco's Modified Bagle's Mediumu/Ha
m's F−12(DMEM/F12)に15%ウシ胎児血清(FCS)を添
加した培地で生育させ、これを融合相手として用いる。
脾細胞:ミエローマ細胞を10:1の比率で混合し、50m
容遠心管内で共にペレットにする。上清を吸い取り、残
った乾燥ペレットに1mの50%ポリエチレングリコール
(PEG)(37℃に余熱したもの)を加える。細胞をそっ
と再懸濁し、室温で2分間放置した後、血清を添加しな
いDMEM/F12を1m加え、さらに細胞をそっと再懸濁す
る。そして、細胞をさらに希釈し、2分間隔で2、4、
8、および16mのDMEM/F12を加えて再懸濁する。そし
て細胞をペレットにして、上清を吸い取る。15%のFCS
を追添した2mのDMEM/F12を注意深く加えてペレットが
再懸濁しないようにし、その後37℃で1時間インキュベ
ートする。
1時間のインキュベートが終了したら、懸濁液を希釈
して最終濃度を1×106細胞/mにする。この懸濁液を
組織培養フラスコに注ぎ、一夜インキュベートする。翌
日、2×HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミ
ジン)成分を追添した同量の培養培地を、96ウェルのプ
レートに、1×105脾細胞/ウェルで200μ/ウェルと
なるように入れる。その細胞は、融合後4〜5日毎に培
地の半分をウェルから吸い取り、新規の1×HAT培地を
添加することにより栄養補給される。ウェルは10〜14日
後に生育が記録され、生育しているウェルは、培養上清
をELISAまたはウエスタンブロッティングのいずれかで
スクリーニングすることにより、分泌された抗体の存在
がテストされる。アッセイに陽性であると判明したウェ
ルは、生育させるため、HT添加物(アミノプテリンは含
有せず)を含む培養培地中の24ウェル培養皿に広げら
れ、再テストされる。再テストで陽性と判明したもの
は、さらに大きい組織培養槽に広げられ、それから制限
希釈培養法により2度クローン化される。
単一のマウスの脾細胞から発生した細胞系(A4.85)
が単離された。A4.85は、合成が細菌生育培地中の鉄の
存在によりその各合成が抑制されるいくつかの蛋白質種
(質量が70キロダルトン〜数百キロダルトン)とFAM20
外層膜のウエスタン・ブロット上で反応するモノクロー
ナル抗体(MAb)を産生する。
実施例2A.染色体のクローンの単離 A.ライブラリーの作成 Neisseria meningitidis FAM20株の染色体DNAのライ
ブラリーは、バクテリオファージベクターλ−gt11にお
いて、以下のようにして作成される。FAM20株染色体DNA
は標準法(Maniatisら,1982)により単離される。DNAは
超音波処理によりおよそ300〜1000bpのフラグメント長
に切断される。合成EcoR Iリンカーをこれらの分子の末
端に連結し、続いてEcoR I制限エンドヌクレアーゼで切
り出され、各分子の末端にEcoR I制限部位が生じる。そ
の結果得られたフラグメントはEcoR I−切断λ−gt11DN
A(Maniatisら,Molecular Cloning:A Laboratory Manua
l,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,Now York(1982))と連結される。連結したDNA
は、λパッケージング抽出物(Promega Corp.,Madison,
Wisconsin)を用いて、業者の指示に従ってλファージ
頭部にパッケージされる。
B.ライブラリースクリーニングおよびDNAの単離 A4.85MAbで認識されるエピトープを発現するクローン
を検出するために、上記で作成されたライブラリーをA
4.85MAbでスクリーンする。λ−gt11発現ライブラリー
からの500,000の組み換えプラークが、Maniatisら(198
2)の方法によりスクリーンされる。A4.85MAbと反応す
る精製クローンは、反応性プラークを再プレーティング
およびスクリーニングを2度行うことにより単離され
る。精製λクローン(λ4.85)からの髄膜炎菌挿入DNA
は、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)技術に
よりPerkin−Blmer/Cetusのキットを用いて増幅され
る。PCR増幅DNAは、配列しているベクターM13mp19(Man
iatisら,1982)、およびSangerらのジデオキシチェーン
ターミネーション法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74,5463
−5467(1987))によりシークエナーゼキット(Strata
gene,La Jolla,CA)を用いて決定されるDNA配列にクロ
ーン化される。
クローン化された髄膜炎菌DNAは、Boehringer−Mannh
eim(Indianapolis,IN)キットを用いてランダムプライ
ムド(random primed)法により32Pで標識され、λ4.85
にクローン化されたDNAに隣接するFAM20染色体のDNA制
限フラグメントを同定するためにサザンハイブリダイゼ
ーション(Maniatisら,1982)に用いられる。およそ560
および1600bpの染色体のSau3A Iフラグメントは、ク
ローン化髄膜炎菌DNAにハイブリッドする。FAM20 DNA
はSau3A Iで切断され、準備されたアガロースゲル上
で断片化される。二つのサイズのフラグメント、すなわ
ち400〜700bpのものと1400〜1800bpのものが単離され
る。
560bpのSau3A Iフラグメントは、FAM20−Sau3A I
フラグメントの400〜700bpのフラクションをBamH I−切
断プラスミドpBR322と連結することによりクローン化さ
れる(Maniatisら,1982)。所望する560bpのフラグメン
トのクローンは、32P標識化λ4.85挿入DNAを有する組み
換えプラスミドを含有する細菌コロニーのハイブリダイ
ゼーションにより同定される(Maniatisら,1982)。DNA
プローブとハイブリッドした純粋なコロニーのプラスミ
ドDNA(pUNCH201)を調製し、二本鎖配列化に用いるた
めに修飾されたシークナーゼを用いてその配列を決定す
る(Kraftら,Bio Techniques ,544(1988))。クロ
ーン化フラグメントがFAM20ゲノムにそのままの状態で
存在するフラグメントの典型であることを確認するため
に、サザンハイブリダイゼーションが用いられる。
1600bpのフラグメントをクローン化するために、FAM2
0−Sau3A Iフラグメントの1400〜1800bpのフラクショ
ンの末端をクレノウ(Klenow)酵素およびDNAヌクレオ
チドとの反応により平滑にする。合成EcoR Iリンカーを
これらの分子に添加し、続いてλZAP DNAキットで提供
される技術的情報に従って、EcoR Iで切断されたアルカ
リ性フォスファターゼ処理λZAP DNA(Stratagene,La
Jolla,CA)と連結させる。連結したDNAは、パッカジー
ン(Packagene)λパッケージング抽出物(Promega)を
用いてλ頭部にパッケージされる。1400〜1800bpのFAM2
0−Sau3A Iフラグメントのライブラリーは32P標識化
オリゴヌクレオチド(SAT1)でスクリーンされ、λ4.85
挿入部の一端でDNA配列と一致するよう合成される(5'G
CCATTGCCACTGTAGATA 3')。SAT1オリゴヌクレオチドと
ハイブリッドしているλZAPプラークは上記のようにし
て精製される。λZAPクローン(λZAP202)の内側部は
ヘルパーバクテリオファージの添加により“切り出され
る”。その切り出しにより、クローン化髄膜炎菌挿入部
を含有する多複写プラスミド(pUNCH202)が得られる。
クローン化フラグメントがFAM20ゲノムにそのままの状
態で存在するフラグメントの典型であることを確認する
には、サザンハイブリダイゼーションを用いる。クロー
ン化DNAフラグメントの配列は、上記のような二本鎖に
配列することにより決定される。
pUNCH201、pUNCH202、及びλ4.85挿入部の隣接配列に
より、クローン化DNA全体を含有するオープンリーディ
ングフレームの存在が判明する。遺伝子の開始点も末端
もクローン化DNAには存在しない。第1図にそのDNA配列
を示す。オープンリーディングフレームにより予示され
るアミノ酸配列は835個のアミノ酸(91kD)を含有す
る。その配列を第2図に示す。
FASTA配列比較検索(上記参照)により決定されたよ
うに、DNAも、この領域から予測されるポリペプチド配
列も、細菌毒素の溶血素群と高度に類似する。例えば、
第1図に示したDNA配列はB.pertussisのcya遺伝子(ア
デニル酸シクラーゼ)と54%;E.coliのhlyA、hlyB、hly
C、およびhlyD遺伝子(溶血素)と60%;E.coliのhlyA、
hlyBおよびhlyC遺伝子(溶血素)と65%;A.actinomycet
emcomitansのロイコトキシン遺伝子と56%;A.pleuropne
umoniaeの溶血素遺伝子と56%;P.haemolyticaのロイコ
トキシン遺伝子と60%;P.haemolyticaのA1ロイコトキシ
ン遺伝子と62%;およびE.chrvsanthemiのプロテアーゼ
B遺伝子と57%の同一性を示す。
このDNA配列から予示されるアミノ酸配列は、ロイコ
トキシンと25%〜28%;溶血素と22%〜28%;およびア
デニル酸シクラーゼと30%の同一性を示す。
髄膜炎菌FAM20株には、本発明ポリペプチドをコード
するDNAのコピーが少なくとも二つ含まれる。このこと
は、染色体DNAを、切断頻度の低いBgl II、Spe I、Nhe
I、およびNhe IとSpe Iを組み合わせたもので消化する
ことにより証明することができる。パルスフィールド勾
配電気泳動により分離される消化されたDNAのサザンブ
ロッツは、厳しい条件下、本発明のポリペプチドをコー
ドする遺伝子配列のフラグメントを含有する遺伝子プロ
ーブとハイブリッドする二つの主要なバンドを示す。
本発明の鉄調節ポリペプチドをコードする遺伝子の残
部は、pUNCH201およびpUNCH202を単離するための上記の
方法と類似した方法で単離される。すでにクローン化さ
れた領域の端に隣接する、あるいはその完全な領域を含
有するDNA制限フラグメントは、予め決定されたDNA配列
由来のオリゴヌクレオチドのプローブを用いたサザンハ
イブリダイゼーションにより同定される。これらのフラ
グメントは、pUNCH201およびpUNCH202のクローン化で上
記したようにしてプラスミドあるいはバクテリオファー
ジーベクターのいずれかにクローン化される。新たにク
ローン化されたフラグメントのDNA配列は上記のように
して決定され、遺伝子のいずれかの末端に到達した時判
明する。遺伝子が単一のDNAフラグメントで単離される
場合、この遺伝子によりコードされる蛋白質がA48.5MAb
と反応することを確認するためのインビトロのアッセイ
で発現する。その遺伝子が単一のDNAフラグメントで完
全にクローン化されない場合は、完全な遺伝子を得るた
めに標準的な分子生物学的技術により再構築される(Ca
rbonetti,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,9084(198
7))。
例えば、本発明のポリペプチドをコードしている構造
遺伝子の二つのコピーのうちの一つからのDNAフラグメ
ントがアガロースゲルで精製され、クローン化および配
列された。第3図はそのDNA配列を示すものであり、遺
伝子5'末端で完結する。第3図において下線を引いた部
分は−35および−10領域を有する典型的なプロモータ
ー、リボゾーム結合部位、ATG開始部位、および共通す
るファーボックス(fur box)であり、グラム陰性鉄調
節プロモーターにおいて典型的に見られるものである。
実施例2B.ウエスタンブロットおよび分子量 髄膜炎菌FAM20株から得られる完全なポリペプチド
は、ウエスタンブロット分析により230〜250kDの分子量
を示す。ウエスタンブロットは以下のようにして行って
もよい。すなわち: 鉄飢餓処理したFAM20の全細胞を、WestおよびSparlin
gによるJ.Bacteriol.169,3414−3421(1987)の方法に
従って調製する。細胞を氷冷ディビス(Davis)最小培
地A(Lederberg,Methods in Med.Res.,3:5(1950))
中で洗浄し、すぐに氷中で冷却し、0℃、20,000psiで
フレンチ・プレッシャー・セル(French pressure cel
l)内で破裂させる。得られた混合物を10分間、20,000G
で遠心分離し、沸騰させたSDSに溶解したペレットを得
る。溶解した膜蛋白質は、ラエムリ(Laemli)緩衝液中
で標準的な7.5%SDS−PAGEにより分離されるが、そのこ
とはLaemlによるNature 227,680−685(1970)に記載さ
れていた。蛋白質は移動して(16時間,80uA)オプティ
バインド(Optibind)ニトロセルロース膜(Schleicher
& Schuellのものが利用できる)上に移る。その膜
を、5%BSAのTBS(20mM トリス,500mM NaCl,pH7.5)
で1時間ブロックし;TBSで5分間すすぎ;5%BSA中でモ
ノクローナル抗体A48.5(上記参照)を1:2に希釈して1
時間インキュベートし;TBSおよび0.05%Tween20で5分
間、2度洗浄し;5%BSAで希釈された二次抗体(ヤギ抗
マウスIgGアルカリ性フォスファターゼ接合)中で1時
間インキュベートし(BioRad社製(希釈率=1:3000)ま
たはSigma社製(希釈率=1:1000)が使用可能である);
TBS/Tweenで5分間、3度洗浄し;再度TBSで5分間洗浄
し;10mの炭酸緩衝液(pH9.8)(0.1M NaHCO3;1mM MgC
l2)中に45uニトロブルーテトラゾリン(Sigma社製
(75mg/m)が使用できる)、35u 5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリルフォスフェイト、p−トルニ
ジン塩(50mg/m)を含有するアルカリフォスファター
ゼ基質で展開する。
実施例3.試料中の抗体のアッセイ 蛋白質内のポリペプチドに対する抗体の存在をスクリ
ーンするために、標準ELISAプロトコールが用いられ
る。要約すれば、96ウェルのマイクロタイタープレート
を、高pH(9.6)炭酸緩衝液で、抗原を50〜1000ng/ウェ
ルの濃度に換えて被覆する。プレートを9℃で一昼夜イ
ンキュベートし、10%標準ヤギ血清で37℃で1時間ブロ
ックする。患者の血清を添加し、終点を決定するために
力価を測定する。対照試料の陽性および陰性血清を同時
に添加し、未知の試料中に存在する目的の抗体量を定量
する。37℃で2〜3時間インキュベートした後、試料を
西洋ワサビのパーオキシダーゼに接合するヤギ−抗ヒト
Igでプローブ化する。TMBを用いて陽性の試料を決定す
る。
請求の範囲の発明は、本明細書および容易に利用可能
の引用文献や出発物質により実施可能である。さらに、
本発明の実施および使用を簡便にするために、以下の細
胞系を1990年7月12日にAmerican Type Culture Collec
tion,Bethesda,Marylandに寄託している。
髄膜炎菌細胞系FAM18(承認番号55071) 髄膜炎菌細胞系FAM20(承認番号55072) ハイブリドーマ細胞系A4.85(承認番号HB10504) さらに、以下の有用なプロトコールおよび情報を含む
パンフレットが本明細書のファイルヒストリーにおいて
利用できる。
“Predigested Lambda Zap/EcoR I Cloning Kit Inst
ruction Manual."Stratagene,La Jolla,California(No
vember 20,1987); “Gigapack Plus"(for packaging recombinant lamb
da phage),Stratagene,La Jolla,California(April 2
5,1988);および “picoBlue Immunoscreening Kit Instruction Manua
l,"Stratagenea,La Jolla,California(May 19,198
9).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 39/108 A61K 39/108 39/395 39/395 C07K 16/12 C07K 16/12 C12P 21/02 C12P 21/02 G01N 33/53 G01N 33/53 (56)参考文献 Infect.Immun.,Vo l.33(1981),No.1,p.59−66 Infect.Immun.Vol. 54(1986),No.3,p.710−713 J.Exp.Med.,Vol.165 (1987),No.4,p.1041−1057 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/22 A61K 39/00 G01N 33/53 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N.meningitidis由来であって、下記のアミ
    ノ酸配列を有する単離された免疫原性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】純粋な形態である請求項1記載のポリペプ
    チド。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のポリペプチドに対す
    るモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のポリペプチドをコー
    ドする単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】試料に、請求項1又は2記載のポリペプチ
    ドを接触させて、該ポリペプチドが試料中の抗体を認識
    するか否かを決定することを特徴とする、試料中のN.me
    ningitidisに特異的な抗体の存在を検出する方法。
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