JP2955014B2 - 分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン - Google Patents

分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン

Info

Publication number
JP2955014B2
JP2955014B2 JP2505084A JP50508490A JP2955014B2 JP 2955014 B2 JP2955014 B2 JP 2955014B2 JP 2505084 A JP2505084 A JP 2505084A JP 50508490 A JP50508490 A JP 50508490A JP 2955014 B2 JP2955014 B2 JP 2955014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
haemophilus influenzae
peptide
epitopes
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2505084A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07508972A (ja
Inventor
グリーン,ブルース・エイ
ズロトニツク,ゲイリイ・ダブリユー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AMERIKAN SAIANAMITSUDO CO
Original Assignee
AMERIKAN SAIANAMITSUDO CO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AMERIKAN SAIANAMITSUDO CO filed Critical AMERIKAN SAIANAMITSUDO CO
Publication of JPH07508972A publication Critical patent/JPH07508972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2955014B2 publication Critical patent/JP2955014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1203Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria
    • C07K16/1242Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria from Pasteurellaceae (F), e.g. Haemophilus influenza
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/285Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Pasteurellaceae (F), e.g. Haemophilus influenza
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K19/00Hybrid peptides, i.e. peptides covalently bound to nucleic acids, or non-covalently bound protein-protein complexes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/40Fusion polypeptide containing a tag for immunodetection, or an epitope for immunisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 背景 ヘモフィルス・インフルエンザエ(インフルエンザ
菌)(Haemohpilus influenzae)は、2つの群の菌株、
すなわち、分類可能な菌株と分類できない菌株とに分け
られる。公知の莱膜を有する菌株は、標準抗血清と莱膜
との血清学的反応により分類される。a−f型は、同定
されている。標準抗血清と反応しない菌株は、分類でき
ない。
ヘモフィルス・インフルエンザエb型(Hib)は、米
国において新生児の髄膜炎及び他の侵入性感染症の最も
頻繁に起こる原因である[フレーザー等、1974、アメリ
カン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー(Am.J.Epi
demiol)100:29−34]。小児髄膜炎の主要な発生率
は、1才と5才との間で起こる。Hibによる髄膜炎症例
の60%は2才以下の子供に起こる(フレーザー等、上記
文献参照)。
分類できないヘモフィルス・インフルエンザエは、成
人の肺炎、菌血症、髄膜炎、分娩後の敗血症及び急性有
熱性気管気管支炎(acute febrile tracheobronchiti
s)を含む病気の原因ともなることは今日よく証明され
ている[マーフィー等、1985、ジャーナル・オブ・ザ・
インフェクシャス・デイシージス(J.Infect.Disease
s)152:1300−1307]。
更に、分類できないヘモフィルス・インフルエンザエ
は、子供及び若い成人における中耳炎の頻繁に起こる病
原因子である。実際、中耳炎のすべての症例の約20−40
%は、ヘモフィルス・インフルエンザエに帰されうる。
子供は、同じ生物の多重感染にかかることがあるが、そ
の理由は、感染が長期に持続する免疫を付与しないから
である。最近、慢性又は再発性中耳炎は、抗生物質の投
与により、そして必要ならば、内耳の排液法(drainag
e)により処置される。ヘモフィルス・インフルエンザ
エ菌株は、静脈洞炎(sinusitis)の一次的原因として
関与している[チェリー・ジェイ・デー及びジェイ・ピ
ー・ダッドレイ、1981、小児科学感染疾患のテキストブ
ック(Textbook of Pediatric Infections Disease
s)、フェイギン及びチェリー編、103−105頁]。更
に、分類できないヘモフィルス・インフルエンザエは新
生児の敗血症を引き起こす。
Hibの莱膜多糖、ポリリボシルリビトールホスフェー
ト(PRP)に対して生産された抗血清は、殺バクテリア
性でありそしてHibに対して保護性であることが示され
た[スミス等、1973、ペディアトリクス(Pediatric
s)52:637−644;アンダーソン等、1972、ジャーナル
・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.Cli
n.Inv)、51:31−88]。しかしながら、抗PRP抗体は、
分類できないヘモフィルス・インフルエンザエ感染に対
しては効果がない。
最近入手可能なヘモフィルス・インフルエンザエに対
するワクチンは、すべてHibを指向している。すべて
は、抗PRP抗体を誘発させることにより有効である。し
かしながら、抗PRP抗体は、定義によりPRP莱膜を欠けて
いる分類できないヘモフィルス・インフルエンザエに対
しては効果がない。分類できないヘモフィルス・インフ
ルエンザエに対して保護するワクチンに対する長く認め
られた要求がある。
本発明の要約 本発明は、ヘモフィルス・インフルエンザエの外膜タ
ンパク質“e"(outer membrane ptotein “e")及びタ
ンパク質“e"と共通なエピトープを有するペプチド及び
タンパク質に関する。タンパク質“e"は、約28,000ダル
トンの分子量と第7図に示されたアミノ酸配列を有する
リポタンパク質である。本発明は、分類できないヘモフ
ィルス・インフルエンザエ及び分類可能なヘモフィルス
・インフルエンザエに対するワクチン接種するための、
タンパク質“e"及びタンパク質“e"エピトープを有する
ペプチド及びタンパク質の使用にも関する。上記ペプチ
ド及びタンパク質は、分類可能なヘモフィルス・インフ
ルエンザエ又は分類できないヘモフィルス・インフルエ
ンザエの他の抗原と共に[例えば、それとの混合物、融
合体(fusion)又は複合体(conjugates)として]又は
他の感染性バクテリア、ウイルス又は寄生虫の抗原と共
に、一価ワクチン又は多価ワクチンにおいて使用するこ
とができる。上記ペプチド及びタンパク質は、ヘモフィ
ルス・インフルエンザエに対して生物学的に活性な(殺
バクテリア性及び/又はオプソニン作用)抗体を誘発さ
せる。重要なことは、タンパク質“e"は、特にヘモフィ
ルス・インフルエンザエの分類できない菌株に対して、
交差反応性の、殺バクテリア性抗体反応を誘発するの
に、ヘモフィルス・インフルエンザエの他の外膜タンパ
ク質と協力して作用するということであり、かくして本
発明のペプチド及びタンパク質は、これらのタンパク質
と一緒に投与されるとき、特に有効であるということで
ある。更に、タンパク質“e"のエピトープに対して特異
的な抗体は、ヘモフィルス・インフルエンザエに対する
受動免疫のために及びヘモフィルス・インフルエンザエ
についての診断のアッセイにおいて(単独で又は他の外
膜タンパク質のエピトープに対する抗体と共に)使用す
ることができる。
本発明は、天然の精製したタンパク質“e"を製造する
方法及びそれらを含有する種々のワクチン配合物にも関
する。タンパク質“e"は、ヘモフィルス・インフルエン
ザエからの精製により得ることができる。本発明は、タ
ンパク質“e"を、分別洗剤抽出(differential deterge
nt extraction)によりヘモフィルス・インフルエンザ
エから天然のリポタンパク質形態で単離及び精製して、
ヒトに有害と考えられる因子を使用しないで本質的に内
毒素不含有の製剤を得る方法も提供する。タンパク質
“e"は、脂質化された(lipidated)又は脂質化されて
いない(nonlipidated)形態における組換えDNA技術に
より又はタンパク質合成により製造することもできる。
タンパク質“e"のエピトープオリゴペプチド及び他のフ
ラグメント及びこれらの類似体は、組換えDNA技術、化
学的合成又は化学的もしくは酵素的開裂により製造する
ことができる。これらのペプチド又はタンパク質は、化
学的又は遺伝子カップリング法により、ヘモフィルス・
インフルエンザエの他の抗原又は他の微生物(バクテリ
ア、ウイルス、カビ/菌類又は寄生虫)の抗原に融合又
は複合させて、多価抗原性複合体及び融合ペプチド又は
タンパク質を製造することができる。このペプチド又は
タンパク質は、アミノ酸又は他のカップリング基の付加
によるなどして複合のために修飾することができる。ワ
クチン接種のために、上記ペプチド又はタンパク質は、
上記したいずれの形態でも、アジュバントの如き随意の
添加剤と共に製薬学的に許容しうるベヒクル中に配合す
ることができる。
本発明は、天然のタンパク質“e"又はタンパク質“e"
の種々のペプチド誘導体又はタンパク質誘導体のいずれ
かをコード化している単離された核酸配列にも関する。
この配列は、本発明のタンパク質“e"又は誘導されたペ
プチド及びタンパク質のいずれかを製造するための適当
な発現系に組み込むことができる。更に、これらの遺伝
子フラグメント又はオリゴヌクレオチドは、核酸ハイブ
リダイゼーションアッセイにおけるプローブとして使用
することができる。
図面の簡単な説明 第1図は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動による精製したタンパク質“e"の分析を
示す。
第2図(a及びb)は、分類できないヘモフィルス・
インフルエンザエの単離物とタンパク質“e"に対する抗
体との反応性のイムノブロット分析の結果を示す。
第3図は、抗eモノクローナル抗体対大腸菌HB101(p
PX504)の反応性を示す。
第4図は、プラスミドpPX513の地図である。
第5図は、抗eモノクローナル抗体対HB101(pPX51
3)の反応性を示す。
第6図は、ヘモフィルス・インフルエンザエからのタ
ンパク質“e"遺伝子のコード領域のDNA配列及び誘導さ
れたアミノ酸配列を示す。
第7図は、タンパク質“e"のアミノ酸配列を示す。上
記に示された成熟タンパク質“e"のアミノ酸配列は、上
記DNA配列から誘導される。アンダーラインを施した配
列は、種々のプロテイナーゼによる精製したタンパク質
“e"の消化から得られたペプチドのアミノ酸配列により
確認された。
第8図は、ヘモフィルス染色体DNAに対するpPX504の
ハイブリダイゼーションを示す。
本発明の詳細な説明 タンパク質“e"は、約28,000ダルトンの分子量と第7
図に示されたアミノ酸配列を有するヘモフィルス・イン
フルエンザエの外膜タンパク質である。タンパク質“e"
は、バクテリアの外膜−細胞壁コンプレックスと結びつ
いてリポタンパク質として存在することが今回見いださ
れた。
タンパク質“e"は、それ(及びタンパク質“e"のエピ
トープを有するペプチド及びタンパク質)を、分類でき
ないヘモフィルス・インフルエンザエに対してワクチン
接種するために特に価値あるものとする幾つかの性質を
有する。タンパク質“e"は、分類できないヘモフィルス
・インフルエンザエに対して殺バクテリア性免疫反応を
誘発させることができる。重要なことは、タンパク質
“e"は、ヘモフィルス・インフルエンザエ菌株において
高度に保存されているということである。このタンパク
質は、試験されたすべてのヘモフィルス・インフルエン
ザエ菌株におけるドデシル硫酸ナトリウムポリアクリル
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)及びウエスタンブロ
ット分析により検出され、更にモノクローナル抗体デー
タは、このタンパク質が高度に保存されていることを示
す。かくして、このタンパク質は、分類できないヘモフ
ィルス・インフルエンザエの異なる菌株に対して免疫反
応を誘発することができる。更に、タンパク質“e"は、
ヘモフィルス・インフルエンザエの他の外膜タンパク質
に対する抗体と協力して作用する殺バクテリア性抗体を
誘発する。この故に、このタンパク質は、他の外膜タン
パク質と共に使用して更に強力な殺バクテリア性反応を
誘発させることができる。
本発明は、実質的に純粋なタンパク質“e"及びタンパ
ク質“e"のエピトープを有するペプチド及びタンパク質
を包含する。このペプチド又はタンパク質は、タンパク
質“e"との共通なエピトープを有している(従ってタン
パク質“e"と免疫学的に交差反応性である)。それら
は、下記するようにタンパク質“e"のエピトープを含む
フラグメント又はオリゴペプチドを包含する。タンパク
質“e"のアミノ酸配列は、決定されておりそして第7図
に示されている。本発明のペプチド及びタンパク質は、
少なくとも第7図に示されたアミノ酸配列の一部又は生
物学的に同等な配列の少なくとも一部を有するペプチド
又はタンパク質を包含する。改変された配列は、無症状
の変化(silent change)をもたらす配列内の残基を機
能的に同等なアミノ酸残基で替えられている配列を包含
する。例えば、配列内の1個又はそれより多くのアミノ
酸残基を、機能的に同等なものとして作用する同様な極
性の他のアミノ酸により置換して、無症状変化をもたら
すことができる。配列内のアミノ酸に対する置換物は、
そのアミノ酸が属するクラスの他の一員から選ぶことが
でできる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、グ
リシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、
プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン及びメチ
オニンが包含される。極性中性アミノ酸には、セリン、
トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及び
グルタミンが包含されている。荷電した(塩基性)アミ
ノ酸には、アルギニン、リシン及びヒスチジンが包含さ
れる。負に荷電した(酸性)アミノ酸には、アスパラギ
ン酸及びグルタミン酸が包含される。
本発明のペプチド及びタンパク質は、配列内に示され
たタンパク質“e"のエピトープを有するフラグメント又
はオリゴヌクレオチド又はこのようなフラグメント又は
エピトープの類似体も包含する。更に、このペプチド及
びタンパク質のいずれも、例えば、アミノ酸システイン
及びリシン又は他の連結基の如きカップリング基の結合
により、他の分子に複合させるために修飾することがで
きる。
以下に詳細に述べるように、本発明のタンパク質“e"
及びペプチド及びタンパク質は、ワクチン及び診断方法
において、多くの異なる形態で(例えば、単独で又は混
合物中に、又は複合体もしくは融合体として)使用する
ことができる。これらの目的には、ペプチド及びタンパ
ク質は、ヘモフィルス・インフルエンザエからの単離、
化学的合成又は組換え分子としての発現により、製造す
ることができる。本発明のペプチド及びタンパク質を使
用する方法及びそれらの製造方法を以下に述べる。
タンパク質“e"の精製 天然のタンパク質“e"は、分別洗剤抽出の手順により
ヘモフィルス・インフルエンザエから精製することがで
きる。この手順は、ヘモフィルス・インフルエンザエの
外膜タンパク質を選択的に抽出することができるスルホ
ベタイン洗剤の使用に基づいている。この手順は、タン
パク質の重要な抗原性エピトープを破壊することがあり
そしてヒトに投与するのに安全なものとして広範に許容
されてはいない、それぞれ、ドデシル硫酸ナトリウム及
び2−メルカプトエタノールの如き変性剤及び還元剤の
使用を伴わない[マンソン等、1984、インフェクション
・アンド・イムニティ(Infect.Immun)49:544−4
9]。
上記手順は、ヘモフィルス・インフルエンザエ細胞の
外膜成分を最初に得ることを必然的に伴う。外膜成分
は、全細胞膜画分から調製することができる。全膜画分
は、音波処理、粉砕又はフレンチプレス又は他の均質化
装置からの排出の如き方法による、ヘモフィルス・イン
フルエンザエ細胞の破壊の後の分別沈降(differential
sedimentation)により典型的には調製される。全膜画
分は、次いで密度勾配沈降又は或る種の洗剤、例えばポ
リオキシエチレンオクチルフェノール(トリトンX−10
0TM)又はN−ラウロイルザルコシン、ナトリウム塩
(ザルコシル)による内膜成分の分別可溶化(differen
tial solubilization)により内膜と外膜に分別され
る。好ましい態様では、外細胞膜成分は、10mM HEPES−
NaOH 1mM MgCl2、pH7.4中の0.1−2%(w/v)トリト
ンX−100TM中での内膜の分別可溶化により調製され
る。この抽出は、典型的には2回行う。
外膜成分の別のソースとして、ヘモフィルス・インフ
ルエンザエ細胞の培養培地を使用することができる。こ
の培地は、バクテリアの外膜の流し出された成分(shed
components)[“ブレブス”(“blebs")と呼ばれ
る]を含む。ロエブ・エム・アール・(1987)、インフ
ェクション・アンド・イムニティ、55(11):2612−261
8参照。
タンパク質“e"に富む外細胞膜成分の調製物のサブ画
分(subfraction)は、pH8.0の0.1−2.0%(好ましくは
1%)ザルコシルの水性溶液による抽出によって製造す
ることができる。この抽出は、典型的には、2回又は3
回行われ、それにより主要なタンパク質成分及び他の物
質が除去される。
外膜−細胞壁コンプレックスからのタンパク質“e"の
可溶化は、次いで、スルホベタイン洗剤による2段階分
別可溶化により達成することができる。第1段階では、
0.1−10%、典型的には0.1−2%(w/v)ドデシルスル
ホベタイン(ツビッタージェントTM3−12)の水性溶液
を使用して、タンパク質“e"以外の外膜タンパク質を除
去する。好ましくは、1%溶液を使用し、抽出は、通常
2−3回行う。次いで残留不溶性成分を、同じ条件下に
テトラデシル又はヘキサデシルスルホベタイン(ツビッ
タージェントTM3−14又は3−16)の水性溶液で抽出す
る。この抽出は、タンパク質“e"の可溶化をもたらす。
可溶化の後、イオン交換、分子フルイ、疎水性、逆相
又は吸着(例えばヒドロキシルアパタイト)クロマトグ
ラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、クロマト
フォーカシング、等電点フォーカシング及びプレパラテ
イブ電気泳動を包含する標準方法によりタンパク質“e"
の更なる精製を達成することができる。
この方法により精製されたタンパク質“e"は、バクテ
リア内毒素を含まず、ヒトに投与するのに好適である。
タンパク質“e"の精製した調製物は、ヘモフィルス・イ
ンフルエンザエに対するワクチンとして単独で、又は中
耳炎に関与した他の生物の抗原との混合物として配合す
ることができる。所望により、このタンパク質は、標準
の化学的又は酵素的方法によりフラグメント化して、抗
原性セグメントを生成させることができる。
化学的合成によるペプチド及びタンパク質の製造 本発明のペプチド及びタンパク質は、第7図に示され
たアミノ酸配列又は上記の如きこの配列の変更に従って
化学的に合成することができる。ペプチド及びタンパク
質の固相又は液相合成のための標準の化学を使用するこ
とができる。化学的合成は、タンパク質“e"のエピトー
プを含むオリゴペプチドの製造に特に好適でありうる。
組換えDNA法によるペプチド及びタンパク質の製造 タンパク質“e"及びタンパク質“e"のエピトープを共
有するペプチド及びタンパク質は、組換えDNA法により
製造することができる。一般に、これらは、誘導された
ペプチド及びタンパク質をコード化しているDNA配列を
合成又は単離により得、それを発現する適当なベクター
/宿主発現系にそれを導入することを含む。このDNA
は、タンパク質“e"をコード化している遺伝子又はタン
パク質“e"の有用なセグメントをコード化している遺伝
子のセグメントから成ることができる。このDNAを、ヘ
モフィルス・インフルエンザエの他の抗原又は他のバク
テリア、ウイルス、宿主又はカビ・菌類の抗原をコード
化しているDNAに融合させて、遺伝子的に融合した(gen
etically fused)(共通のペプチドバックボーンを共有
する)多価抗原を造り出すことができる。例えば、タン
パク質“e"を、ヘモフィルス・インフルエンザエの他の
外膜タンパク質(又はそのフラグメント又はエピトー
プ)に融合させて、多数外膜タンパク質抗原決定基を含
む融合生成物を得ることができる。
コード化されたペプチド又はタンパク質を特徴付け、
修飾及び/又は適合させるのに遺伝子工学的方法を使用
することもできる。例えば、保護的抗体反応の発生を受
け持つタンパク質の領域(例えば殺バクテリア性又はオ
プソニン性エピトープ)を同定するのに、タンパク質
“e"をコード化している遺伝子の部位特異的突然変異を
使用することができる。これらの方法は、保護性領域の
外側の領域のタンパク質を修飾して、例えばタンパク質
の溶解性を増加させて、精製を容易にするのに使用する
こともできる。
タンパク質“e"をコード化しているDNAを得ること タンパク質“e"をコード化しているDNA又はそのフラ
グメントは、第6図に示されたヌクレオチド配列に従っ
て化学的に合成することができる。所望のヌクレオチド
配列のDNAを合成するのに幾つかの方法が利用可能であ
る。マットイッキ(Matteucci)等、ジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(1984)103:31
85;アラバラド−ウルビナ等、サイエンス(1980)214:2
70参照。DNAセグメントの合成のための好ましい方法
は、β−シアノエチルホスホルアミダイト化学である。
シンハ・デイ・エヌ等、ヌクレイック・アシッド・リサ
ーチ(Nucleic Acids Research) 13:4539(1984)参
照。合成されたDNAは、単離されたDNAについて下記する
方法により適当なベクターに挿入するのに適合させるこ
とができる。
化学的合成に代わる方法として、タンパク質“e"をコ
ード化しているDNAをヘモフィルス・インフルエンザエ
から単離することができる。タンパク質“e"遺伝子のソ
ースとして、いかなるヘモフィルス・インフルエンザエ
菌株も使用することができる。多くのヘモフィルス・イ
ンフルエンザエ菌株は、検出可能なフラスミド又は誘発
性プロファージを含んでいないので、タンパク質“e"遺
伝子は、多分染色体性でり、かくして、該遺伝子はヘモ
フィルス・インフルエンザエ染色体DNAから単離されな
ければならない。この節の残りにおいては、ヘモフィル
ス・インフルエンザエ遺伝子をコード化しているDNAは
“HiDNA"と呼ばれ、タンパク質“e"配列をコード化して
いるDNAは“タンパク質“e"DNA"と呼ばれるであろう。
HiDNAフラグメントを生じさせるために、HiDNAは、種
々の制限酵素により特定の部位で開裂することができ
る。別法として、DNAをワラグメント化するために、低
濃度のDNアーゼIを使用することができ又はDNAを、例
えば音波処理により物理的に剪断することができる。次
いで線状DNAフラグメントを、アガロース及びポリアク
リルアミドゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィー
(例えば、分子ふるい又はイオン交換クロマトグラフィ
ー)又はスクロース勾配での速度沈降の如き標準的方法
により、サイズに従って分離することができる。
タンパク質“e"配列を含むHiDNAフラグメントを発生
させるのに、制限酵素又は制限酵素の組み合わせを、該
酵素がタンパク質“e"遺伝子生成物の所望の性質(例え
ば免疫効力)を破壊しないとの条件下に、使用すること
ができる。例えば、タンパク質のエピトープは、約7個
乃至約14個のアミノ酸から成ることができる。かくし
て、タンパク質“e"のサイズのタンパク質は、多くの別
々のエピトープを有することがあり、それ故、多くの部
分的タンパク質“e"遺伝子配列が、エピトープをコード
化することができる。結果として、タンパク質“e"の異
なる抗原決定基に対するアミノ酸配列をコード化してい
るDNAフラグメントを発生させるのに、制限酵素の多く
の組み合わせを使用することができる。
DNAフラグメントが発生すると、タンパク質“e"遺伝
子を含む特定のDNAフラグメントの同定は、多数の方法
で達成することができる。
タンパク質“e"遺伝子を含むDNA配列は、合成オリゴ
ヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによ
り同定することができる。たくさんの合成オリゴヌクレ
オチドプローブを、実質的に純粋なタンパク質“e"のア
ミノ酸配列に基づいて構築することができる。これらの
合成プローブは、32P−アデノシントリホスフェートに
より放射性標識することができそしてタンパク質“e"特
異的遺伝子配列を含むクローンについてHiDNAライブラ
リーをスクリーニングするのに使用することができる
[アンダーソン等、1983、プロシーディングス・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc.Nat′1 Acad.Sci.USA)8
0:6838−42参照]別法として、タンパク質“e"DNAは、
“ショットガン”法においてクローニングベクターに挿
入の後、同定しそして単離することができる。当業界で
知られた多数のベクター−宿主系を使用することができ
る。ベクター系は、プラスミド又は修飾されたウイルス
であることができる。適当なクローニングベクターは、
λベクター系 λgt11、λgt λWES.tB、シャロン4の
如きウイルスベクター及びpBR322、pBR325、pACYC177、
pACYC184、pUC8、pUC9、pUC18、pUC19、pLG339、pR29
0、pK37、pKC101の合成プラスミドベクター及び他の同
様な系が包含されるが、これらに限定されるものではな
い。ベクター系は、使用する宿主細胞と適合性でなけれ
ばならない。組換え分子は、形質転換、トランスフェク
ション又は感染により細胞に導入することができる。
タンパク質“e"遺伝子又は遺伝子フラグメントを含む
HiDNAがクローニングベクターに挿入されそして適当な
宿主細胞を形質転換するのに使用されるとき、タンパク
質“e"遺伝子又は遺伝子フラグメントの多くのコピーを
発生させることができる。これは、相補的付着端を有す
るクローニングベクターにHiDNAフラグメントを連結さ
せることにより達成することができる。しかしながら、
相補的制限部位が存在しない場合には、DNA分子の端部
を修飾することができる。このような修飾には、一重鎖
DNA末端を消化すること又は端部がブラント末端連結さ
れうるように一重鎖DNA末端を補充すること(filling)
によりブラント末端を生成させることが包含される。別
法として、ヌクレオチド配列(リンカー)をDNA末端に
連結させることにより、所望の部位を生成させることが
できる。これらの連結されたリンカーは、制限部位認識
配列をコード化している特定の化学的に合成されたオリ
ゴヌクレオチドを含むことができる。例えば、マニアチ
スのDNA修飾手順[マニアチス等、1982、モレキュラー
・クローニング(Molecular Cloning)、コールド・ス
プリング・ハーバー・ラボラトリー、107−114頁参照]
に従えば、剪断されたDNAを、制限メチラーゼ(例え
ば、M.EcoR I)で処理し、そしてその酵素の制限部位を
コード化している合成DNAリンカーに連結する。次い
で、DNAを、制限エンドヌクレアーゼで処理して末端リ
ンカーを開裂させ(しかし修飾されは内部制限部位は開
裂しない)そして適当なベクターの腕に連結させる。別
の方法では、開裂されたベクター及びタンパク質“e"DN
Aフラグメントを、ホモポリマーテイリングにより修飾
することができる。
組換えタンパク質“e"は、脂質化された又は脂質化さ
れていないタンパク質として製造することができる。例
えば、天然のリーダーコード化配列(leader−encoding
sequence)を含む、変化を受けていない(intact)タ
ンパク質“e"遺伝子を使用することにより、大腸菌のよ
うな宿主細胞中で脂質化されたタンパク質“e"を生成さ
せることができる。脂質化されていないタンパク質“e"
を製造するためには、タンパク質“e"遺伝子のリーダー
コード化セグメント(leader−encoding segment)を、
除去された、又は宿主細胞中における脂肪アシル化のた
めの部位を特定しないリーダー配列をコード化している
セグメントにより置換することができる。
クローニングされたタンパク質“e"DNAの同定は、ベ
クター系においてヘモフィルス・インフルエンザエの染
色体遺伝子バンクを確立し、そして、タンパク質“e"エ
ピトープに対するポリクローナル又はモノクローナル抗
体との特異的反応を含むがそれに限定はされない本明細
書で述べた方法のいずれかにより、タンパク質“e"又は
タンパク質“e"から誘導されたペプチド又はタンパク質
の製造のための個々のクローンをスクリーニングするこ
とにより達成することができる。
DNA発現系 本発明のペプチド及びタンパク質を発現するのに種々
の宿主−ベクター系を使用することができる。第一に、
このベクター系は使用する宿主細胞と適合性でなければ
ならない。宿主−ベクター系には下記のものが包含され
るが、それらに限定されるものではない。バクテリオフ
ァージDNAにより形質転換されたバクテリア、プラスミ
ドDNA又はコスミドDNA、酵母ベクターを含む酵母の如き
微生物、ウイルス(例えば、ワクシニア・ウイルス、ア
デノウイルス等)に感染した哺乳動物細胞系、ウイルス
(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系。こ
れらのベクターの発現要素は、それらの強度及び特異性
において変わる。利用される宿主−ベクター系の依存し
て、多数の適当な転写及び翻訳要素の任意の一つを使用
することができる。
DNAの効率の良い発現を得るためには、発現ベクター
内にプロモーターが存在しなければならない。RNAポリ
メラーゼは普通はプロモーターに結合しそして遺伝子又
は連結された遺伝子の群及び調節要素(オペロンと呼ば
れる)の転写を開始する。プロモーターは、それらの
“強度”、即ち、それらの転写促進能力において変わ
る。高レベルの転写、従って高レベルのDNA発現を得る
ためには、強いプロモーターを使用することが望まし
い。宿主細胞系に依存して、多数の適当なプロモーター
の任意の一つを使用することができる。例えば、大腸菌
では、そのバクテリオフォージ、プラスミド、プロモー
ター、例えば、lacプロモーター、trpプロモーター、re
cAプロモーター、リボソームRNAプロモーター、及びコ
リファージラムダ(coliphage lamda)のPR又はPLプロ
モーター及び、lacUV5、ompF、bla、lppなどを包含する
がそれらに限定されるものではないその他のプロモータ
ーを、隣接DNAセグメントの高レベルの転写を行うのに
使用することができる。更に、組換えDNA又は他の合成D
NA法により製造されたハイブリッドtrp−lacUV5(tac)
プロモーター又は他の大腸菌プロモーターを、挿入され
たDNAの転写を与えるのに使用することができる。
特定的に誘発されない限りプロモーターの作用を抑制
するバクテリア宿主細胞及び発現ベクターを選ぶことが
できる。或るオペロンでは、挿入されたDNAの効率の良
い転写のためには、特定の誘導物質の添加が必要であ
り、例えば、lacオペロンは、ラクトール又はIPTG(イ
ソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド)の添加により
誘導される。trp、pro等のような種々の他のオペロンは
異なる制御の下である。trpオペロンは、増殖倍地中に
トリプトフアンが存在しない場合に誘導され、そしてラ
ムダのPLプロモーターは、温度感受性ラムダリプレッサ
ー、例えばcI857を含む宿主細胞における温度の増加に
より誘導される。この方法では、プロモーター指令転写
(promoter−directed transcription)95%より多く
が、非誘導細胞において抑制されうる。かくして、組換
えペプチド又はタンパク質の発現は制御することができ
る。これは、DNAの発現生成物が宿主細胞に対して致死
的又は有害な場合には重要である。このような場合に、
形質転換体は、プロモーターが誘導されないような条件
下に培養することができ、次いで、細胞が増殖培地中で
適当な密度に達すると、プロモーターは、タンパク質の
生産のために誘導されることができる。
1つのこのようなプロモーター/オペレーター系は、
いわゆる“tac"又はtrp−lacプロモーター/オペレータ
ー系である(ラッセル及びベンネット、1982、ジェネ
20:2312;デベールの、1982年5月18日に出願されたヨー
ロッパ特許出願第67,540号)。このハイブリッドプロモ
ーターは、trpプロモーターの−35b.p.(−35領域)とl
acプロモータ(RNAポリメラーゼ複合部位であるDNAの領
域)の−10b.p.(−10領域又はプリブナウボックス)を
組み合わせることにより構築される。トリプトフアンプ
ロモーターの強いプロモーター特性を維持することに加
えて、tacは、lacリプレッサーによっても制御される。
真核宿主細胞でクローニングする場合には、エンハン
サー配列(例えば、SV40 DNAの72bpタンデム配列反復
又はレトロウイルスの長い末端反復配列即ちLTRs等)を
挿入して転写効率を増加させることができる。エンハン
サー配列は、近くの遺伝子に対するそれらの位置及び方
位とは相対的に無関係に、転写効率を増加させると思わ
れる真核DNA要素の組である。遺伝子に対してすぐ5′
側に位置しなければならない古典的プロモーター要素
(例えば、ポリメラーゼ複合部位及びゴールドバーグ−
ホグネス“TATA"ボックス)と違って、エンハンサー配
列は、真核遺伝子から上流で、真核遺伝子内で、又は真
核遺伝子から下流で機能する注目すべき能力を有してお
り、従って、挿入されたDNAに対するエンハンサー配列
の位置はあまり重要ではない。
原核細胞における効率の良い遺伝子転写及び翻訳のた
めには、特定の開始シグナルも必要である。これらの転
写及び翻訳開始シグナルは、それぞれ、遺伝子特異的メ
ッセンジャーRNA及び合成されるタンパク質の量により
測定した“強度”において変わりうる。プロモーターを
含むDNA発現ベクターは、種々の“強い”転写及び/又
は翻訳開始シグナルの組み合わせを含有することもでき
る。例えば、大腸菌における効率の良い翻訳は、リボソ
ーム複合部位を与えるための、開始コドン(ATG)に対
して約7−9塩基5′側のシャイン−ダルガルノ(SD)
配列を必要とする。かくして、宿主細胞リボソームによ
り利用することができるSD−ATGの組み合わせを使用す
ることができる。このような組み合わせには、cro遺伝
子又は大腸菌ファージλのN遺伝子からの又は大腸菌ト
リプトフアンE、D、C、B又はAグループからのSD−
ATG組み合わせが包含されるが、これらに限定されるも
のではない。更に、組換えDNA又は合成ヌクレオチドの
組込みを含む他の方法により製造されたSD−ATG組み合
わせを使用することができる。
発現ベクターへのDNAの挿入について述べた方法のい
ずれも、ベクター内の特定の部位にプロモーター及び他
の遺伝子制御要素を連結するのに使用することができ
る、発現のためのヘモフィルス・インフルエンザエ配列
は、ベクタープロモーター及び制御要素に対して特定の
部位で発現ベクターに連結することができ、それによ
り、組換えDNA分子が宿主細胞中に導入されるとき、外
来遺伝子配列を、宿主細胞により発現させる(例えば転
写及び翻訳させる)ことができる。
組換えDNAは、形質転換、形質導入又はトランスフェ
クシヨン(ベクタ/宿主細胞系に依存して)より適当な
宿主細胞(バクテリア、ウイルス、酵母、哺乳動物細胞
又は同様なもの)に導入することができる。ベクターを
含む宿主細胞は、普通にベクター中に存在する1種又は
1種より多くの適当な遺伝子マーカー、例えば、pBR322
におけるアンピシリン耐性又はテトラサイクリン耐性又
は真核細胞宿主系におけるチミジンキナーゼ活性の発現
に基づいて選ばれる。発現ベクターは、通常マーカー機
能を含むクローニングベクターから導くことができる。
このようなベクターには、SV40及びアデノウイルス、ワ
クシニアウイルスベクター、バキュロウイルスの如き昆
虫ウイルス、酵母ベクター、バクテリオファージベクタ
ー、例えば、λgt−WES−λB、シャロン28、シャロン4
A、λgt−1−λBC、λgt−1−λB、M13mp7、M13mp
8、M13mp9、又はプラスミドDNAベクター、例えば、pBR3
22、pAC105、pVA51、pACYC177、pKH47、pACYC184、pUB1
10、pMB9、pBR325、Col E1、pSC101、pBR313、pML21、
RFS2124、pCR1、RP4、pBR328及び同様なものが包含され
るが、これらに限定されるものではない。
複合によるヘモフィルス・インフルエンザエと大腸菌
間の薬物耐性因子の移入[スタイ、1979、ジャーナル・
オブ・バクテリオロジー(J.Bact)139:520−529]及
び形質転換[マン、1979、プラスミド(Plasmid) :
503−505]及び大腸菌中のヘモフィルス染色体遺伝子の
クローニング[ダイヒ等、1988、ジャーナル・オブ・バ
クテリオロジー(J.Bact)170:489−498;マン等、ジ
ェネ(gene) :97−112]は、少なくとも或る遺伝子
は両方の微生物中で効率良く発現されうること、及び転
写及び翻訳制御の基本的機構が同様でありうることを示
す。
DNAインサートを含む発現ベクターは、3つの一般的
方法により同定することができる。(1)挿入された遺
伝子に対して相同性である配列を含むプローブを使用す
るDNA−DNAハイブリダイゼーシヨン、(2)“マーカ
ー”遺伝子機能の存在又は不存在(例えば、抗生物質に
対する耐性、形質転換表現型、チミジンキナーゼ活性
等)及び(3)遺伝子生成物の物理的免疫学的又は機能
的性質に基づく挿入された配列の発現。
タンパク質“e"配列を発現する推定上の組換え体クロ
ーンが同定されると、遺伝子生成物は下記の如くして分
析することができる。免疫学的分析は、最終目標が、遺
伝子生成物を、ワクチン配合物に及び/又は診断イムノ
アッセイの抗原として使用することであるので重要であ
る。ペプチド及び/又はタンパク質免疫反応性であるべ
きである。この反応性は、ラジオイムノ沈降反応、ラジ
オイムノ競合反応、ELISA又はイムノブロットのような
標準的な免疫学的方法により証明することができる。
遺伝子生成物がタンパク質“e"又はタンパク質“e"由
来のペプチド又はタンパク質として同定されると、それ
は、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフイ
ニテイ及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠
心分離、分別溶解性(differential solubility)によ
り、又はタンパク質の精製のための他の標準的方法によ
り単離及び精製することができる。真核細胞からの異種
のタンパク質の精製のための幾つかの方法が存在する。
例えば、オルソン、米国特許第4,518,526号、ホエッツ
ェル、米国特許第4,599,197号及びハング等、米国特許
第4,734,362号参照。しかしながら、生じた精製した調
製物は、ヒトに対して有害な可能性がある宿主毒素を実
質的に含まざるべきである。特に、大腸菌のようなグラ
ム陰性バクテリア宿主細胞内で発現される場合には、精
製したペプチド又はタンパク質は実質内に内毒素汚染物
を含まざるべきである。
ペプチド及びタンパク質の免疫効力の評価 HibPRPの莱膜多糖に対する抗体による実験は、抗体の
試験管内アッセイにおけるバクテリアを殺す能力及び/
又は動物モデル系においてHibによる抗原投与(challan
ge)に対して保護する能力は、幼児における防御免疫
(以下、保護免疫という場合あり)反応を誘発させる能
力と密接に相関していることを示す。
本発明のペプチド及びタンパク質に応答して誘発され
た抗タンパク質“e"抗体は、同様な試験管内アッセイ系
及び動物モデル系に使用して試験して、ヘモフィルス・
インフルエンザエ細胞を殺す能力及びヘモフィルス・イ
ンフルエンザエによる抗原投与から動物モデル系におい
て保護する能力を示すことができる。これらの系からの
結果は、幼児、子供及び成人に対してタンパク質“e"が
保護免疫反応を誘発させる可能性及びワクチン中で働く
可能性との同様な相関を示すはずである。
ヘモフィルス・インフルエンザエに対してPRP及びリ
ポ多糖(LPS)に対する抗体の殺バクテリア活性を測定
するために従来使用されてきた試験管内補体媒介殺バク
テリアアッセイ系[マッシャー等、1983、インフェクシ
ョン・アンド・イムニティ(Infect.Immun)39:297−
304;アンダーソン等、1972、ジャーナル・オブ・クリニ
カル・インベステイゲーシヨン(J.Clin.Invest)51:
31−38]を使用して、特定のペプチド、タンパク質又は
そのフラグメントに対する抗体が、分類できないヘモフ
ィルス・インフルエンザエに対して殺バクテリア活性を
有するか否かを決定することができる。分類できない菌
株の比較的多数の臨床単離物に対してこれらのアッセイ
を行って、広範囲の菌株が殺されるかどうかを決定する
ことができる。
特定のペプチド又はタンパク質に対する抗体のヘモフ
ィルス・インフルエンザエに対して保護する能力に関す
るデータは、チンチラ(chinchilla)中耳炎動物モデル
系を使用して得ることができる。(バレンカンプ等、19
86、インフェクション・アンド・イムニティ、52:572−
78)。この動物モデルでは、チンチラに、ヘモフィルス
・インフルエンザエを内耳管に接種することにより抗原
投与する。ヒトで見られる中耳炎とよく似た中耳炎が発
生する。ヘモフィルス・インフルエンザエの外膜タンパ
ク質で能動的に又はこれらのタンパク質に対する抗体に
より受動的に免疫されたチンチラは、ヘモフィルス・イ
ンフルエンザエによる耳からの抗原投与に対して保護さ
れる。(バレンカンプ等、上記文献)。この動物モデル
系は、Hiに対して保護する抗体の能力を示すのに使用す
ることができた。
タンパク質“e"由来のペプチド又はタンパク質は、相
加的又は相乗的生物学的活性(例えば殺バクテリア及び
/又はオプソニン作用活性)を評価することができる。
証明されたように、タンパク質“e"は、ヘモフィルス・
インフルエンザエの他の外膜タンパク質に対する抗体と
相乗的に作用する殺バクテリア性抗体を誘発させる。相
加的又は相乗的生物学的活性は、殺バクテリア性抗体が
Hiに対してもはや殺バクテリア性ではなくなるように殺
バクテリア性抗体を希釈し、次いでこの希釈した抗体
を、他の抗体と組み合わせて相加的又は相乗的活性につ
いて試験することにより決定することができる。相加的
又は相乗的生物学的活性は、タンパク質“e"又はそのフ
ラグメント又はその複合体と、他の外膜タンパク質又は
そのフラグメントから成る組み合わせワクチンに有用で
ある。
ワクチン 本発明のペプチド及びタンパク質は、分類できないヘ
モフィルス・インフルエンザエに対するワクチン接種の
ためのサブユニットワクチンの免疫源として使用するこ
とができる。このワクチンは、ヘモフィルス・インフル
エンザエの分類できない菌株により引き起こされた急性
中耳炎及び他の疾患に対する罹り易さを防止又は減少さ
せるのに使用することができる。このワクチンは、中耳
炎に対して一般に子供又は成人のワクチン接種するのに
有用であるか、又はこのワクチンは、中耳炎にかかる危
険のある子供(例えば耳感染の経歴のある子供)に有用
でありうる。
本発明のペプチド及びタンパク質は、一価及び多価ワ
クチンとして配合することができる。タンパク質“e"自
体は、上記の方法により製造されたまま又は単離された
ままで使用することができる。このタンパク質は、他の
抗原のB又はT細胞エピトープを包含する他の抗原と混
合、複合又は融合させることができる。一次免疫源とし
て有用であることに加えて、タンパク質“e"は、担体タ
ンパク質として使用して、他の抗原の免疫原性を付与す
るか又は高めることができる。
タンパク質“e"のハプテンペプチド[即ち、同類の
(cognate)抗体と反応するが、それ自体は免疫反応を
誘発することはできないペプチド]が使用される場合に
は、それは免疫原性担体分子に複合させることができ
る。例えば、タンパク質“e"の1個又はそれより多くの
エピトープを含むオリゴペプチドは、ハプテン性であり
うる。免疫原性担体への複合は、そのオリゴペプチドを
免疫原性とすることができる。タンパク質“e"のハプテ
ンペプチドのための好ましい担体タンパク質は、破傷風
毒素又はトキソイド、ジフテリア毒素又はトキソイド及
びCRM197の如きこれらのタンパク質の突然変異体であ
る。他のものには、シュードモナスの外毒素A、大腸菌
の易熱性毒素及びロタウイルス粒子(ロタウイルス及び
VP6粒子を含む)が包含される。あるいは、担体タンパ
ク質又は他の免疫原性タンパク質のフラグメント又はエ
ピトープを使用することができる。例えば、上記ハプテ
ンは、バクテリウ毒素のT細胞エピトープにカップリン
グさせることができる。“複合体ワクチンのための担体
分子としてT細胞エピトープを表す合成ペプチド”と題
する、1988年2月1日に出願された米国特許出願第150,
688号を参照されたい。この出願の教示を本明細書での
説明に替える。
本発明のペプチド又はタンパク質は、ヘモフィルス・
インフルエンザエの他の抗原と組み合わせて多価サブユ
ニットワクチンとして投与することができる。例えば、
それらは、ポリリボシルリビトールホスフェート(PR
P)の如きヘモフィルス・インフルエンザエのオリゴ糖
又は多糖莱膜成分と共に投与することができる。
説明したように、タンパク質“e"のエピトープを有す
るペプチド及びタンパク質は、ヘモフィルス・インフル
エンザエの他の外膜タンパク質に対する抗体と共にヘモ
フィルス・インフルエンザエを殺すのに相乗的に作用す
る殺バクテリア性抗体を誘発する。かくして、本発明の
態様では、タンパク質“e"(又は共通のエピトープを有
するペプチド又はタンパク質)は、ヘモフィルス・イン
フルエンザエの他の外膜タンパク質(又はそのエピトー
プを有するペプチド又はタンパク質)と共に投与され
て、相乗的殺バクテリア活性を達成する。特に好ましい
ヘモフィルス・インフルエンザエの外膜タンパク質は、
タイヒ・アール・エー等、(1988)、ジャーナル・オブ
・バクテリオロジー(J.Bacteriol)170(2):489−
498により述べられた、15,000ダルトンのペプチドグリ
カン結合外膜リポタンパク質(peptidoglycan−associa
ted outer membrane lipoprotein)(PAL)及び15,000
ダルトンヘモフィルスリポタンパク質PCPである。この
文献の教示を本明細書での説明に替える。他の外膜タン
パク質のエピトープと組み合わせた投与のために、タン
パク質“e"ペプチドを、混合物として又は複合体(conj
ugate)もしくは遺伝子的融合(genetic fusion)ペプ
チド又はタンパク質として、別々に投与することができ
る。例えば、PAL及びPCP又はそれら由来のタンパク質、
ペプチド又はエピトープを、タンパク質“e"又はタンパ
ク質“e"由来のペプチド又はタンパク質との混合物とし
て又は複合体もしくは融合体として投与することができ
る。複合体は、タンパク質物質をカップリングさせるた
めの標準的方法により形成することができる。融合体
は、上記の如き組換えDNA法により製造した融合遺伝子
構築物から発現させることができる。
タンパク質“e"又は誘導されたペプチド又はタンパク
質は、他の生物(例えば莱膜に包まれている(encapsul
ated)か又は莱膜に包まれていない(nonencapsulate
d)、バクテリア、ウイルス、カビ・菌類(fungi)及び
寄生虫)の抗原と共に使用することができる。例えば、
タンパク質“e"は、中耳炎に関係がある他の微生物の抗
原と共に使用することができる。これらには、肺炎レン
サ球面(Streptococous pnemoniae)、A群溶血性レン
サ球面(Streptococcous pyogenes,group A)、黄色ブ
ドウ球面(Staphylococcous aureus)、RSウイルス(re
spiratory syncytial virus)及びブラナメラ・カタラ
リス(Branhamella catarrhalis)が包含される。
ワクチン組成物をペプチド又はタンパク質と、単独で
又は上述の種々の組み合わせで配合する際に、免疫原
は、適当な濃度に調節されそして適当なワクチンアジュ
バントと配合される。適当なアジュバントには、界面活
性物質、例えば、ヘキサデシルアミン、オクタデシルア
ミン、オクタデシルアミノ酸エステル、リソレシチン、
ジメチル−ジオクタデシルアンモニウムブロマイド)、
メトキシヘキサデシルグリセロール及びプルロニックポ
リオール(pluronic polyols)、ポリアミン、例えば、
ピラン、デキストランサルフェート、ポリIC、カルボポ
ール;ペプチド、例えば、ムラミルジペプチド、ジメチ
ルグリシン、タフトシン;オイルエマルジョン;及びミ
ネラルゲル、例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アル
ミニウム、等及び免疫刺激性コンプレックスが包含され
るが、これらに限定されるものではない。免疫原は、リ
ポソームに組み入れる(incorporate)こともでき、又
はワクチン配合物に使用するために多糖及び/又は他の
ポリマーに複合させることもできる。
ワクチンは、種々の方法でヒト又は動物に投与するこ
とができる。これらには、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈
内、皮下、経口及び鼻腔内投与経路が含まれる。
生ワクチン 本発明のペプチド及びタンパク質は、生ワクチンとし
て投与することができる。このために、ペプチド又はタ
ンパク質を発現する組換え微生物を調製する。ワクチン
受容菌に、組換え微生物を接種する。この組換え微生物
は、受容菌内で増殖し、タンパク質“e"ペプチド又はタ
ンパク質を発現しそしてヘモフィルス・インフルエンザ
エに対する免疫反応を誘発させる。好ましい生ワクチン
ベクターは、ワクシニアの如きポックスウイルス(パオ
レッティ及びパニカリ、米国特許第4,603,112号)及び
弱毒化されたサルモネラ菌株(ストッカー、米国特許第
4,550,081号)である。
生ワクチンは、特に有利である。何故ならば、それ
は、実質的に長期に持続する免疫を付与することができ
る長期間の刺激をもたらすからである。免疫反応がヘモ
フィルス・インフルエンザエ感染に対して保護性である
場合には、生ワクチン自体を、ヘモフィルス・インフル
エンザエに対する予防ワクチンに使用することができ
る。
多価生ワクチンは、ヘモフィルス・インフルエンザエ
の異なるエピトープ(例えば、PAL及びPCPの如き他の外
膜タンパク質又はそのエピトープ)を発現する単一又は
少数の組換え微生物から製造することができる。更に、
他の病原微生物のエピトープと、ワクチンに組み込むこ
とができる。例えば、ワクシニアウイルスは、ヘモフィ
ルス・インフルエンザエのエピトープの外に他のエピト
ープのコード化配列を含むように工学的に作り出すこと
ができる。このような組換えウイルス自体は、多価ワク
チン中の免疫原として使用することができる。あるい
は、各々が、ヘモフィルス・インフルエンザエの外膜タ
ンパク質の異なるエピトープ及び/又は他の疾患原因生
物のエピトープをコード化している異なる遺伝子を発現
する、ワクシニア又は他のウイルスの混合物を、多価ワ
クチンとして配合することができる。
不活化ウイルスワクチンを製造することができる。不
活化ワクチンは、その感染性が通常化学的処理(例えば
ホルムアルデヒド処理)により破壊されているという意
味で“死んでいる”。理想的には、ウイルスの感染性
は、ウイルスの免疫原性を担うタンパク質に影響を与え
ないで破壊される。不活化ワクチンを製造するために、
所望のエピトープを発現する多量の組換えウイルスを培
養で増殖させて、必要な量の適切な抗原を得る。異なる
エピトープを発現する不活化ウイルスの混合物を、“多
価”ワクチンの配合のために使用することができる。或
る場合には、これらの“多価”不活化ワクチンは、一緒
に投与された生のウイルスの相互の干渉から困難が生じ
る可能性の故に、生ワクチン配合に好ましいものであり
うる。いずれにせよ、不活性ウイルス又はウイルスの混
合物は、抗原に対する免疫学的反応を高めるために、適
当なアジュバント中に配合されるべきである。適当なア
ジュバントには、界面活性物質、例えば、ヘキサデシル
アミン、オクタデシルアミノ酸エステル、オクタデシル
アミン、ノソレシチン、ジメチル−ジオクタデシルアン
モニウムブロマイド、N,N−ジオクタデシル−N′−
N′ビス(2−ヒドロキシエチル−プロパンジアミ
ン)、メトキシヘキサデシルグリセロール及びプルロニ
ックポリオール;ポリアミン、例えば、ピラン、デキス
トランサルフェート、ポリIC、カルボポール;ペプチ
ド、例えば、ムラミルジペプチド、ジメチルグリシン、
タフトシン;オイルエマルジョン;及びミネラルゲル、
例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム等が
包含される。
受動免疫及び抗イディオタイプ抗体 タンパク質“e"エピトープにより誘発された殺バクテ
リア性抗体は、ヘモフィルス・インフルエンザエに対し
て個体を受動免疫するのに使用することができる。受動
免疫は、あらかじめ形成された抗体の投与により受容者
に短期間の保護を与える。受動免疫は、特別の危険、例
えばバクテリア性の髄膜炎患者と接触した子供に緊急用
で使用することができる。
本発明のペプチド及びタンパク質は、ヘモフィルス・
インフルエンザエに対する受動免疫治療に使用するため
のポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を製造す
るのに使用することができる。ヒト免疫グロブリンが好
ましい。その理由は、異種免疫グロブリンは、その外来
の免疫原性成分に対する有害な免疫反応を引き起こす可
能性があるからである。ポリクローナル抗体は、上述の
形態のいずれかにおいてペプチド又はタンパク質により
免疫された個体から得ることができる。次いで免疫グロ
ブリン分画を濃くすることができる。例えば、タンパク
質“e"のエピトープに対して特異的な免疫グロブリン
は、本発明のペプチド又はタンパク質を使用するイムノ
アフィニテイ法により濃くすることができる。この抗体
は、抗血清からタンパク質“e"のエピトープを含む免疫
吸着剤に特異的に吸着されることができ、次いで免疫グ
ロブリンに富んだ画分として免疫吸着剤から溶離させる
ことができる。
タンパク質“e"のエピトープに対するモノクローナル
抗体は、ケーラー及びミルスタイン、ネイチャー 256:
495(1975)の標準的体細胞融合技術により製造するこ
とができる。簡単に言えば、この手順は下記のとおりで
ある。動物をタンパク質“e"又はその免疫原性フラグメ
ント又は複合体で免疫する。例えば、タンパク質“e"の
ハプテンオリゴペプチドを担体タンパク質に複合させて
免疫原として使用することができる。次いでリンパ球様
細胞(例えば脾臓リンパ球)を免疫された動物から得そ
して永久分裂能のある細胞(immortalizing cells)
(例えば、ミエローマ又はヘテロミエローマ)と融合さ
せてハイブリッド細胞を生成させる。ハイブリッド細胞
をスクリーニングして、所望の抗体を生産するハイブリ
ッド細胞を同定する。
ヒト抗体を分泌するヒトハイブリドーマは、ケーラー
及びミルスタイン法により生産することができる。ヒト
抗体は、一般に、ヒトの治療に特に好ましいけれども、
ヒトモノクローナル抗体を長期間生産するための安定な
ヒト−ヒトハイブリドーマを発生させるのは困難であ
る。齧歯動物、特にマウスにおけるハイブリドーマ生産
は、非常に良く確立された手順であり、従って、安定な
ネズミハイブリドーマは、選ばれた特性の抗体の無限の
ソースを与える。ヒト抗体に替わるものとして、マウス
抗体を、遺伝子工学的方法によりネズミ/ヒトキメラ抗
体に転換することができる。ブイ・テイ・オイ等、ビオ
・テクニクス(Bio Techniques) (4):214−221
(1986);エル・ケイ・サン等、ハイブリドーマ(Hybr
idoma) (1986)参照。
タンパク質“e"エピトープに対して特異的なモノクロ
ーナル抗体は、抗イディオタイプ(パラトープ特異的)
抗体を生産するのに使用することができる。例えば、マ
クナマラ等、1984年12月4日、サイエンス、1325頁;ケ
ネディ・アール・シー等、(1986)サイエンス 232:22
0参照。これらの抗体は、タンパク質“e"エピトープに
似ており、かくしてヘモフィルス・インフルエンザエに
対する免疫反応を刺激するのに抗原として使用すること
ができる。
診断アッセイ 本発明のペプチド及びタンパク質は、種々の組織及び
体液、例えば、血液、髄液、痰等の中のヘモフィルス・
インフルエンザエの検出のためのイムノアッセイの抗原
として使用することができる。種々のイムノアッセイ系
を使用することができる。これらには、ラジオイムノア
ッセイ、ELISAアッセイ、“サンドイッチ”アッセイ、
沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集
反応アッセイ、蛍光イムノアッセイ、タンパク質Aイム
ノアッセイ及び免疫電気泳動アッセイが包含される。
更に、タンパク質“e"をコード化している遺伝子のヌ
クレオチド配列(第6図)又はそれとハイブリダイゼー
シヨンするヌクレオチド配列は、患者の種々の組織又は
体液中のヘモフィルス・インフルエンザエの検出のため
の核酸ハイブリダイゼーシヨンアッセイのプローブとし
て使用することができる。このプローブは、サザーンブ
ロット[サザーン、1975、ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(J.Mol.Biol) 98:508];ノザー
ンブロッド[トーマス等、1980、プロシーディングス・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・オブ・ザ・ユーエステー(Proc.Nat′1.Acad.Sci.US
A) 77:5201−05];コロニーブロット[グルンスタイ
ン等、1975、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユーエ
スエー 72:3961−65]等を包含するいかなるタイプの
核酸ハイブリダイゼーシヨンアッセイにでも使用するこ
とができる。ハイブリダイゼーシヨンのストリンジェン
シーは、アッセイの要求に依存して変わり得る。
本発明を、下記の実施例により更に説明する。
例示 I. タンパク質“e"の単離 ヘモフィルス細胞エンベロープの単離 10μg/mlヘミン及び1μg/mlNAD(BHI/XV)を含む悩
心臓灌流培地又はmMIC[ヘリオット等、ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー(J.Bacteriol)101:513−516
(1970)の改変]培地で増殖したHib菌株イーガン細胞
(Hib strain Eagan cells)から、細胞エンベロープを
単離した。細胞は、10,000xg、4℃で10分間の遠心分離
により液体培養物から回収した。細胞ペレットの重量を
測定した。この細胞ペレットを、細胞の湿潤重量の5倍
に等しい容積で、10mM HEPES−NaOH(pH7.4)、1mMEDT
Aに再懸濁させた。細胞を、ガウリンホモジナイザーを
使用して破壊した。破壊した細胞懸濁液を、10,000xg、
4℃で5分間遠心分離して、未破壊細胞及び大きい砕片
を除去した。上澄液画分を取って置き、NaClを0.5Mとな
るように加えた。細胞膜を、100,000xg、4℃で1時間
遠心分離によりペレット化した。1mM HEPES−NaOH中の
2%トリトンX−100、1mMMgCl2、pH7.4により全膜画分
の繰り返し抽出により、全膜画分から内膜を除去するこ
とにより、外膜−細胞壁コンプレックスが得られた。こ
の外膜−細胞壁コンプレックスを含む不溶性残留物を、
350,000xg、4℃で30分間遠心分離によりペレット化し
た。次いでこのコンプレックスを、50mMトリス−HCl、3
mMNa2EDTA、pH8中に再懸濁させそして4℃で保存した。
ヘモフィルス細胞エンベロープからのタンパク質“e"の
単離 下記の如くして分別洗剤抽出により、ヘモフィルス・
インフルエンザエ細胞エンベロープから、汚染タンパク
質を可溶化した。上記の如くして調製した細胞エンベロ
ープを、50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA、pH8中の1%ザ
ルコシルで2回順次に抽出し、不溶性物質を350,000x
g、20℃で30分間遠心分離により回収し、次いで同じ緩
衝液、50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA、pH8中の1%ツビ
ッタージェントTM3−12で2回抽出した。タンパク質
“e"は、50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA、pH8中の1%ツ
ビッタージェントTM3−14による抽出により不溶性残留
外膜−細胞膜物質から可溶化された。この抽出を3回反
復した。可溶化されたタンパク質“e"含有画分をプール
しそして50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA、pH8と平衡化し
たDEAEカラムに通した。タンパク質“e"は、これらの条
件下では保持されなかったが、主要なタンパク質汚染物
は保持された。次いでタンパク質“e"を含む通過画分
を、50mMトリス−HCl、pH8と平衡化されていたヒドロキ
シルアパタイトカラムの上を通した。タンパク質“e"
は、これらの条件下に保持された。吸着されたタンパク
質“e"を有するヒドロキシルアパタイトカラムを、次い
で1カラム容量の50mMトリス−HCl、pH8で洗浄した。タ
ンパク質“e"を0.3M二塩基性リン酸塩、pH8中の1%ツ
ビッタージェントTM3−14でヒドロキシルアパタイトか
ら溶離させた。タンパク質“e"を含む画分をプールし、
電気泳動ろ過(diafiltration)により濃縮し、エタノ
ールで沈殿させた。次いで沈殿したタンパク質“e"を分
別洗剤抽出により再び可溶化した。沈殿を最初に50mト
リス−HCl、pH8中の1%オクチルグリコシドで抽出し、
不溶性タンパク質は沈殿中に残った。次いで、タンパク
質“e"を、50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA、pH8中の1%
ツビッタージェントTM3−14で可溶化した。更に好まい
くは、DEAEカラムからの通過画分を、0.1%ツビッター
ジェントTM3−14を含む50mMトリス−HCl、5mMNa2EDTA
(pH8)と予め平衡化されていたSセファロースTM(フ
ァーマシア)高速流カラム(カチオン交換カラム)の上
を通した。タンパク質“e"はこのカラムに吸着されそし
て同じ緩衝液中の0−0.5MNaCl勾配で溶離された。上記
の如くして調製したタンパク質“e"は、実質的に純粋で
ありそして本質的に内毒素を含まず、更に前記の如くし
て濃縮することができるか又は溶離したままで使用する
ことができた。
アミノ酸組成及び配列によるタンパク質“e"の特徴付け シンプソン等、(ジャーナル・オブ・バイオケミカル
・ケミストリー、251:1936−1940(1976))の手順によ
りアミノ酸分析を行った。肉厚の封却ガラス管中で真空
下に150℃で90分間4Nメタンスルホン酸0.1ml中のタンパ
ク質0.5−1mgを加熱することにより加水分解を達成し
た。各アミノ酸の量は、種々のピーク下の面積を既知量
の標準アミノ酸を使用して得られた面積と比較すること
により得られる。得られた結果を表1に示す。
5倍濃縮された試料緩衝液を使用して0.1Mトリス−HC
l、pH7.0、25mMジチオトレイトール及び2%SDSに試料
を調節し、次いで100℃で5分間加熱することによりSDS
−PAGEによる分析用の試料を調製した。電気泳動の前
に、すべての試料を、6%(w/v)スクロース及び0.001
%ブロモフェノールブルーに調節した。最もルーチンな
分析は、バイオ−ラド・ミニ・プロテイン・ゲル・シス
テム(Bio−Rad Mini Protein Gel Systems)(カリフ
ォルニア州、レドモンド)を使用して行った。ゲルは1.
5mm厚さであり、分離ゲルは30:0.8のアクリルアミド対
ビス比で15%アクリルアミド、0.375Mトリス−HCl(pH
8.8)及び0.1%SDSを含んでいた。積み重ねゲル(stack
ing gel)は、ゲル当たり、同じ割合のアクリルアミド
対ビス比で4.8%アクリルアミド、125mMトリス−HCl(p
H7.0)及び0.1%SDSを含んでいた。電気泳動に続いて、
ゲルをエタノール:酢酸:水(5:1:5)中の0.125%(w/
v)クーマシーブルー、で少なくとも1時間染色し、次
いで青色染料なしの同じ溶媒系中で着色を取り除いた。
下記のもの:オバルブミン、43,000;α−キモトリプシ
ノゲン、25,700;β−ラクトグロブリン、18,400;リゾチ
ーム、14,300;ウシトリプシンインヒビター、6,200;イ
ンシュリン(A及びB鎖)、2,300及び3.400(BRL、ベ
テスダ(Bethesda)、MD)を含んだ予め染色された低分
子量標準を使用して、タンパク質“e"の相対分子量の決
定を助けた。
タンパク質“e"の更なる精製は、イオン交換クロマト
グラフィー、分子ふるい、疎水性又はリザーブ相(rese
rve phase)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシ
ング、ゲル電気泳動などの如き標準の方法により達成す
ることができる。
実質的に純粋なタンパク質“e"を、SDS−PAGE系にお
いて分析して、このタンパク質の還元及び変性された形
態の相対分子量を決定しそしてその純度を評価した(第
1図)。試料精製タンパク質“e"(3ug)を、15%SDS−
PAGE系で分析しそしてクーマシーブルーで染色した。レ
ーン1、精製した“e"タンパク質;リサーチ・ラボラト
リーズ・ライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッ
ドのものであり、オバルブミン、α−キモトリプシノゲ
ン、β−ラクトグロブリン、リゾチーム、ウシトリプシ
ンインヒビター及びインシュリン(A及びB鎖)を含ん
でいた。上記標準の報告されたそれぞれの分子量は、4
3,000、25,700、18,400、6,200、2,300及び3,400であっ
た。
エドマン化学を使用してタンパク質“e"の配列決定の
最初の試みは、ブロックされたN末端残基の故に、満足
な結果が得られなかった。部分的アミノ酸配列情報を得
るために、タンパク質分解酵素でタンパク質“e"を酵素
的に消化して配列分析を受けることが可能なペプチドフ
ラグメントを得ることが必要であった。
“e"タンパク質(0.3mg/ml)の試料を3種のプロテア
ーゼ、エンドプロテイナーゼLys−C、Arg−C又はV8の
1つと、1:100の酵素対タンパク質比で37℃で一夜イン
キュベーションした。これらのエンドプロテイナーゼ消
化物からのペプチドは、逆相HPLC分析により得られた。
消化物の各々の試料(50−100μL)を、220nmに設定さ
れた検出波長でアプライド・システムス・マイクロボア
HPLCのアクアポアRP−300カラムで分析した。緩衝液A
は、0.1%TFAでありそして緩衝液Bは、15分における40
%緩衝液Bまでの0.1%勾配における95%アセトニトリ
ル、次いで17.5分における100%緩衝液Bまでの急な勾
配でありそして100%Bで2.5分更に続けた。画分を手で
集めた。アミノ酸配列決定は、アプライド・バイオシス
テムスタンパク質配列決定機で製造業者の指示に従って
行った。結果を表2に示す。?は、残基が帰属できなか
ったサイクルを示す。
タンパク質“e"を発現するグロボマイシン処理組換え
大腸菌のウエスタンブロット分析は、2つの“e"反応性
バンドの存在を示した。グロボマイシンは、バクテリア
の脂質化シグナル(lipidation signals)を有するシグ
ナルペプチドを開裂するシグナルペプチダーゼIIの作用
を抑制する。かくして、タンパク質“e"は、リポタンパ
ク質について予想されたとおり挙動する。
II. 抗タンパク質“e"抗体の製造 ポリクローナル抗タンパク質“e"抗血清の製造 実質的に純粋なタンパク質“e"を免疫原として使用し
て、抗タンパク質“e"抗体を製造した。タンパク質“e"
を、上記の如くして単離しそして不完全フロイントアジ
ュバントと混合し、乳化させた。アジユバント混合物中
の約50μgのタンパク質“e"をウサギに筋肉内に注射し
た。初期免疫から約4週間及び8週間後、動物を再免疫
しそして最終免疫から1週間後に出血させた。
抗タンパク質“e"モノクローナル抗体の製造 マウスミエローマ細胞系P3XAg.653と下記の如くして
免疫されたBalb/cマウスからの脾臓細胞との融合によ
り、タンパク質“e"に対する抗体を分泌するハイブリド
ーマ細胞系を得た。不完全フロイントアジユアンバント
中に乳化されたタンパク質“e"に富んだOMPs(上記参
照)約10μgで、マウスを、8週間の年齢で腹腔内免疫
した。2週間後、マウスを同じワクチン調製物で追加免
疫した(boosted)。マウスを、静脈内に注射された生
理的食塩水中のタンパク質“e"に富んだ外膜タンパク質
(OMPs)1μgで5週間目に再び追加免疫した、最後の
免疫から3日後、マウスを殺し、脾臓細胞を融合のため
に単離した。融合細胞からの培養上澄液をタンパク質
“e"に富んだOMP調製物に対する活性についてELISAによ
りスクリーニングした。次いで正の培養物をヘモフィル
スの全OMPsに対する活性についてウエスタンブロットに
よりスクリーニングした。約28,000ダルトンのバンドと
反応性の培養物を限界希釈によりクローニングした。得
られるクローンを、精製したタンパク質“e"に対する正
の分泌について再スクリーニングした。細胞系を、大腸
菌OMPs及ヘモフィルス・インフルエンザエのリポオリゴ
糖(LOS)に対する活性についてウエスタンブロットに
より試験した。タンパク質“e"について正であり及び大
腸菌OMPs及びヘモフィルスLOSの両者に対して負である
細胞系を取っておいた。
3種の選ばれた分泌細胞系からのモノクローナル抗体
の結合特異性は、競合ラジオイムノアッセイにより決定
された。モノクローナル抗体は、増殖培地への3H−ロイ
シンの添加により3Hにより固有に標識した。標識された
抗体は、タンパク質“e"に結合させるための未標識抗体
との競合において固相ラジオイムノアッセイにおいて使
用した。モノクローナル抗体EPR5.2.1は、他の2つの抗
体と競合せずそして明白なエピトープを認識する。モノ
クローナル抗体EPR17.1及びEPR35.24は、互いにいくら
かの競合を示すが、互いに結合を完全にはブロックしな
い。かくして、これらの2つの抗体は、オーバーラップ
するか又はタンパク質“e"に結合したときいくらかの立
体障害を及ぼすエピトープを認識する。
III. 臨床の分類できないヘモフィルス・インフルエン
ザエ単離物に対する抗タンパク質“e"抗体の反応性 モノクローナル及びポリクローナル抗タンパク質“e"
抗体を、臨床の分類できない菌株の全細胞単離物に対し
て試験した。臨床菌株を、BHI−XV中で一夜増殖させ、
各培養物のアリクオートをSDS−PAGEゲル上で調べ、そ
して抗タンパク質“e"抗体とのそれらの反応性をイムノ
ブロット分析により検査した。ポリクローナル抗タンパ
ク質“e"抗体によるイムノブロット分析の結果は、タン
パク質“e"はすべての菌株において抗タンパク質“e"抗
血清により認識されることを示す。
モノクローナル抗体は、Mab EPR−5.2.1及びMab EP
R−17.2.1との臨床単離物のイムノブロット分析の結果
を、それぞれ、第2a図及び第2b図に示す。各モノクロー
ナル抗体は、タンパク質“e"上の異なるエピトープを認
識する。モノクローナルのすべては、各臨床単離物中の
タンパク質“e"と反応する。かくして、タンパク質“e"
上のエピトープは、種々の臨床の分類できない単離物に
おいて保存されている。
IV. 組換えプラスミドの製造のために使用される一般
的手順制限酵素消化のための条件 制限エンドヌクレアーゼを、BRL(メリーランド州、
ベテスダ、)、IBI(コネクチカット州、ニュー・ヘブ
ン)、ニュー・イングランド・バイオラブス(New Engl
and Biolabs)(マサチューセッツ州、ビバリー)又はU
Sバイオケミカル(US Biochemical)(オハイオ州、ク
リーブランド)から購入した。
制限酵素消化は、適当な制限緩衝液中にDNAを懸濁さ
せ、制限エンドヌクレアーゼを加えそして適当な期間イ
ンキュベーションして、完全な消化を確実にすることに
より行われた。1ユニットの酵素は、容積20μlの全反
応混合物中で1時間にファージλDNA1.0μgを完全に消
化するのに必要な量として定義される。種々の酵素と共
に使用した緩衝液を下記する。
10mMトリス(pH8.0)、10mM MgCl2及び10mMジチオト
レイトール(DTT)から成るCla I、Hpa I及びKpn Iのた
めに使用した低塩緩衝液。
50mMトリス(pH8.0)、10mM MgCl2、50mM NaCl及び
10mMDTTから成るAva I、EcoR V、Hae II、Hinc II、Hin
d III、Pst I、Sph I、Ssp I及びXho I消化のために使
用される中塩緩衝液。
50mMトリス(pH8.0)、10mM MgCl2、150mM NaCl及
び10mMDTTから成る、BamH I、EcoR I、Pvu I、Sal I及
びXba Iのために使用される高塩緩衝液。
10mMトリス(pH8.0)、20mMKCl、10mM MgCl2及びmM
DTTから成る、Sma Iのために使用される緩衝液。
すべての制限消化は、60℃で行われたTaq I及び25℃
で行われたSma Iを除いては、37℃で行った。
DNAフラグメントのゲル精製 制限酵素消化の後、種々のサイズのDNAフラグメント
を、50mMトリス−アセテート1mMEDTA緩衝液pH7.8を使用
して10ボルト/cmで、低融点アガロース(FMC LGTアガ
ロース)中のゲル電気泳動を用いて、分離し、精製し
た。アガロース濃度は、回収されるべきフラグメントの
サイズに依存して0.8%から1.5%まで変えた。DNAバン
ドは、エチジウムブロミド蛍光により可視化しそしてゲ
ルから切り出した。アガロースを65℃で溶融し、4容量
の0.65M NaCl、10Mトリス−(pH8.0)、1mMEDTAを加え
て、混合物を0.5M NaClの最終濃度にし、0.5mM NaC
l、10mMトリス−pH8.0、1mMEDTA(装填緩衝液)と平衡
化されたNACSカラム(BRL,メリーランド州、ベテスダ)
上にDNAを装填し、このカラムを3−5容量の装填緩衝
液で洗浄し、そして2−3容量の2m NaCl、10mMトリス
pH8.0、1mMEDTAで溶離することによりDNAを回収した。D
NA溶離物を2回蒸留したH2Oで1:1に希釈し、そして3容
量のエタノールで沈降させた。ペレットを70%エタノー
ルで洗浄し、真空乾燥しそして1mMEDTAを含む10mMトリ
ス−HCl緩衝液、pH7.5(TE緩衝液)に再懸濁させた。
DAN連結 すべての連結は、T4DNAリガーゼを使用して行った。T
4DNAリガーゼは、BRL(メリーランド州、ベテスダ)、
ユナイテッド・ステイテス・バイオケミカルス(オハイ
オ州、クリーブランド)又はベーリンガー(インディア
ナ州、インディアナポリス)から購入した。1ユニット
(U)のT4 DNAリガーゼは、0.12μMの5′−DNA末端
濃度(300μg/ml)で20μl容積リガーゼ緩衝液中で16
℃で30分間にバクテリオファヘージλDNAのHind IIIフ
ラグメントの50%連結反応を生じさせるのに必要な量と
して定義される。DNA連結は、50mlトリス(pH7.5)、10
mM MgCl2、10mM DTT、1mMアデノシン三リン酸)から
成るリガーゼ緩衝液中で行った。普通は、2−30μg/ml
の範囲のDNA濃度及び1:2のベクター対インサートのモル
比を使用した。T4 DNAリガーゼは、20μl反応容積当
たり1Uの比で加えた。
インキュベーションは、18−24時間行った。使用した
温度は、付着端連結では15℃でありそしてブラント末端
連結では22℃であった。充分な物質が入手可能ならば、
連結は、アガロースゲル電気泳動により反応混合物の一
部を分析することによりチェックした。
タンパク質イムノブロット分析(ウエスタンブロット) タンパク質を、特定の用途に依存して、種々の方法に
よりイムノブロット分析のためのニトロセルロースシー
トに固定した。無菌の8.1cm直径のニトロセルロースデ
ィスクを10cm直径ファージタイタープレート上に穏やか
に置くことにより、ファージプラークを寒天プレートか
ら移した。シートを完全に湿潤させ、無菌の針でフィル
ターに穴をあけることにより、位置にマークを付け、フ
ィルターを2分後に持ち上げた。コロニーブロットは、
バクテリアコロニーをニトロセルロースシートに移し、
シートを普通寒天上に4−6時間置く(コロニー側を上
にして)ことによりコロニーを増殖させそしてシートを
30分間クロロホルム蒸気にさらしてコロニーを溶解する
ことにより行った、 タンパク質ゲル転写は、分析されるべきタンパク質混
合物を含むSDS−PAGEゲルをニトロセルロースシート上
に置きそしてヘッファー・トランスファー装置(Hoeffe
r Transphor apparatus)において25mMトリス0.38Mグリ
シンp8.8緩衝液中で1.5Aで14時間水平電気泳動にかける
ことにより行った。
タンパク質転写が完了すると、フィルターを、コロニ
ーブロットを除いては、すべての場合に50mMトリス(pH
8.0)、150mMNaCl、5%脱脂乾燥乳[ブロット(BLOTT
O)]中に37℃で1時間ソーキングした。コロニーブロ
ットが行われると、フィルターを、1mg/mlリゾチームを
含むブロット中に4℃で一夜ソーキングして細胞砕片を
消化させる。次いでフィルターを、ブロット中の適当な
希釈率(試行錯誤により決定する)で37℃で3時間第1
抗体プローブで吸収させ、ブロットで15分間3回洗浄
し、セイヨウワサビペルオキシダーゼ複合第2抗体(ho
rseradish peroxidase conjugated second antibody)
[カークガード・アンド・ペリー(Kirkegaard and Per
ry)、メリーランド州、ゲイサースバーグ]でブロット
中1:500の希釈率で37℃で1時間吸収させ、ブロットで1
5分間3回洗浄した。フィルターを、50mMトリス(pH7.
0)、150mMNaCl中に入れ、メタノール中の0.1%過酸化
水素及び0.06%4−クロロ−1−ナフトール[シグマ・
ケミカル・カンパニー、ミズーリ州、セントルイス)を
加えた。20分以内に青色が生じなかったら、反応は負で
あるとみなした。蒸留水にフィルターを移しそしてブロ
ッティング乾燥することにより反応を停止させた。
乾燥フィルターハイブリダイゼーション分析(サザーン
ブロット) スミス及びサマーズの方法[アナリティカル・バイオ
ケミストリー(Anal.Biochem)、109:123−129(198
0)]に従ってDNAフィルターハイブリダイゼーション分
析を行った。分析されるべきDNAを、適当な制限エンド
ヌクレアーゼで消化しそして89mMトリス、89mMホウ酸
塩、8mMEDTA緩衝液を使用して1.5V/cmで0.7%アガロー
ス[シーケン、FMC(Seaken,FMC)、メイン州、ロック
ランド]中のアガロースゲル電気泳動により分離した。
ゲル中のDNAは、0.25mHClで15分間処理することにより
脱プリン化し、次いで0.5MNaOH、1.5MNaCl中で総計30分
間変性した。ゲルを、1M酢酸アンモニウム、0.02MNaOH
で1時間中和し、DNAを、ペーパーブロッティングによ
り上記緩衝液中のニトロセルロース[シュライヘル・ア
ンド・ショイル(Schleicher and Scheull)、ニューハ
ンプシャイアー州、キーン]に二方向で転写した。転写
が終了して約1時間後、フィルターを取り出し、レーン
にインキでマークを付けフィルターを2X SSC(リット
ル当たり175.6gNaCl及び88.2gクエン酸ナトリウムを含
む20Xストック溶液から希釈により調製された)中で洗
浄し、空気乾燥した。DNAフラグメントを、80℃で2時
間真空下に焼き付けることによりフラグメントに固定し
た。
非放射能性DNA標識及びベーリンガー・マンハイム
(インディアナ州、インティアナポリス)から購入した
検出キットを使用してDNAハイブリダイゼーションのた
めのプローブを製造した。プローブDNAを、適当な制限
エンドヌクレアーゼにより線状化し、フェノール:クロ
ロホルムの1:1混合物により抽出し、エタノールで沈殿
させた。このDNA沈殿を、10μlの10mMトリス、1mMEDT
A、pH8.0(TE)に溶解し、90℃に10分間加熱することに
より変性した。DNAをドライアイス/エタノール中で冷
却し、氷に移した。このDNAを、プライマーとしてキッ
トで供給されたランダムヘキサヌクレオチドミックス、
ジゴキシゲニン−dUTP(dig−dUTP)を含む提供された
標識混合物及び大腸菌ポリメラーゼIのクレノウ断片を
使用して標識した。反応混合物を、37℃で18時間インキ
ュベーションした後、1μlの0.5MEDTA、pH8.0の添加
により反応を停止させた。20μgの酵母tRNAを担体とし
て加え、DNAをエタノールで沈殿させた。3μgのテン
プレートDNAは、約0.5μgの標識されたDNAを生じさせ
た。
探られるべきフィルターを、脱イオン水中で再水和さ
せ、5XSSC、0.5%ブロッキング試薬(キットにおいて供
給された)、0.1%N−ラウリルザルコシン、0.02%SDS
を含む溶液中で68℃で6時間インキュベーションした。
ハイブリダイゼーション溶液は、フィルター100cm2当た
り2.5mlの割合ででml当たり30ngの標識されたプローブD
NAを有する上記緩衝液から成っていた。プローブ溶液
を、95℃で10分間加熱することにより変性し、フィルタ
ーに加えた。ハイブリダイゼーションを68℃で18時間行
った。フィルターを、0.1XSSC、0.1%SDSで室温で1回
及び0.1XSSC、0.1SDSで68℃で15分間2回洗浄した。空
気乾燥の後、ハイブリダイゼーションしたdig−dUTP含
有プローブを、1:5000希釈率で供給されたアルカリホス
フアターゼ複合抗ジオキシゲニン抗血清を使用しそして
2−4時間のアルカリホスフアターゼ−ニトロブルーテ
トラゾリウム−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイ
ルホスフェートカラー反応の発生を使用して検出した。
TE中でフィルターを洗浄することにより反応を停止させ
た。上記の条件下に、98%より大きいDNA相同性は、標
識されたフィルターの正の複合を示すであろう。
V. タンパク質“e"遺伝子の単離 6.5.1節に記載の如くして製造した増幅されたファー
ジライブラリーを、TMG中ml当たり10-3PFUに希釈し、10
0μlの大腸菌KH802(5×109細胞/ml)を加えた。37℃
で20分間インキユベーションした後、56℃の10mMMgCl2
及び0.85%寒天を含むLB培地3mlを加え、この懸濁液
を、10mMMgCl2を含むLB寒天プレート上に平板培養し
た。プレートを37℃で一夜インキユベーションして、プ
ラークを形成させ、4℃に急冷した。プラークを吸収に
よりニトロセルロースフィルターに移し、フィルター
を、上記の如くタンパク質“e"と反応するモノクローナ
ル抗体のプールにより探った。このようにして、いくつ
かの正のプラークが同定された。正のプラークを選び取
り、ファージを4℃のTMG1ml中に溶離させた。このファ
ージを、大腸菌KH802中の増殖により増幅させた。プロ
ーブとして抗タンパク質“e"モノクローナル抗体を使用
するSDS−PAGE/ウエスタンブロット法によりファージ溶
解物(phage lysates)をスクリーニングすることによ
り、クローンが証明された。正のクローンは、抗タンパ
ク質“e"モノクローナル抗体と反応する30,000ダルトン
の見かけの分子量のタンパク質を発現した。このタンパ
ク質は、負のプラークの対照溶解物中には存在しなかっ
た。
EP1−1と名付けた1つの正のプラークを、更に分析
するために選んだ。このファージ単離物を、10mMMgCl2
を含むLBブロス中で大腸菌KH802での増殖により増幅さ
せ、20%ポリエチレングリコール6000による沈殿及びCs
Clステップ勾配におけるバンド化すること(マニアチス
等、前記文献参照)によりファージ粒子を回収した。0.
1%SDSプロテイナーゼK(10μg/ml、シグマ・ケミカル
・カンパニー・ミズーリ州、セントルイス)による65℃
で2時間の処理、続いて等容量のフェノール、次いで等
容量のクロロホルムによる抽出により、ファージDNAを
単離した。2Mとなるように酢酸アンモニウムを加えそし
て2.5容量の氷冷エタノールの添加により、DNAを沈殿さ
せた。−20℃でインキュベーションした後、13,000×g
での遠心分離によりDNAをペレット化した。
ファージDNAをEcoR Iで消化して、λアームから挿入
フラグメントを分離した。消化されたDNAを、0.6%アガ
ロースゲルで電気泳動すると、λアームの他に、約15kb
の1つのバンドが観測された。この15kbフラグメント
を、pUC18のEcoR I部位にサブクローニングした。得ら
れるクローンは、抗タンパク質“e"モノクローナル抗体
と反応性で、且つSDS−PAGE/ウエスタンブロット分析
(第3図)により決定して天然タンパク質“e"と同一の
分子サイズのタンパク質を発現した。このプラスミド、
pPX504中の15kb挿入フラグメントを、Ssp Iで消化し
て、過剰のDNAを除去しそしてpUC18のSsp I−Hinc IIフ
ラグメントと連結させた。得られるプラスミド、pPX513
(第4図)は、約1.6kbのEcoR I−Ssp I/Hinc II挿入フ
ラグメントを含んでおり、そして天然のヘモフィルスプ
ロモーターの調節下にタンパク質“e"に対するモノクロ
ーナル抗体と反応するタンパク質を発現した(第5
図)。
VII. タンパク質“e"遺伝子のヌクレオチド配列の決定 テンプレートとして二重鎖プラスミドを使用してジデ
オキシヌクレオチド配列決定すること[ザガルスキー
等、テイバー等、上記文献)により、pPX513のタンパク
質“e"遺伝子のヌクレオチド配列を、プラスミドから直
接決定した。pPX513のEcoR I−Ssp IフラグメントのM1
3、M18及びM19クローンの配列を決定した。すべての配
列決定プライマーは、ニューヨーク、ロチェスターのプ
ラキシス・バイオロジックスで、アプライド・バイオシ
ステムス380B DNA合成機で作られた。プライマーは、
β−シアノエチルホスフェート保護基化学により0.2μ
モルの制御された細孔ガラスカラムで作られた。オリゴ
ヌクレオチドの収率は、更に精製しないでカラムから直
接プライマーの使用を許容するのに十分に純粋であっ
た。遺伝子の全配列を第6図に示す。このORFは、274ア
ミノ酸のポリペプチドをコード化している。タンパク質
“e"の推定アミノ酸配列を第7図に示す。推定されたタ
ンパク質“e"のアミノ酸組成は、精製したタンパク質
“e"の組成にぴったり合致する(表2)。タンパク質
“e"遺伝子は、ペプチドL5の配列と一列をなす(alig
n)内部ペプチド配列(AA)も有する。アミノ末端残基
ペプチドは、他のタンパク質について決定され膜輸送シ
グナル配列に類似している(ワトソン、1984、上記文
献)。かくして我々は、この遺伝子がタンパク質“e"を
コード化していると結論する。
マーマーの方法により大腸菌及びヘモフィルス・イン
フルエンザエ菌株DG−85及びEaganから、染色体DNAを調
製した[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
(J.Mol.Biol):208−218(1962)]。このDNAを
EcoR Iで切断しそしてサザーンブロットを上記の如くし
て調製した。これらのブロットを、上記の如くして調製
したdig−dUTP標識タンパク質“e"遺伝子クローンによ
り探した。結果を第8図に示す。このプローブは、各ヘ
モフィルス・インフルエンザエ染色体における約15kbの
一つのバンドを認識しそしてλ標準又は大腸菌染色体に
ハイブリダイゼーションせず、これはクローニングされ
た遺伝子がヘモフィルス遺伝子であること及びそれが一
つのコピーに担われていることを示す。
VIII. タンパク質“e"サブユニットワクチンの殺バク
テリア活性 上記の如くして製造した抗タンパク質“e"ポリクロー
ナル抗血清を、試験管内補体媒介殺バクテリアアッセイ
系においてそれらのHiを殺す能力について検査した[マ
ッシャー等、インフェクション・アンド・イムニテイ
(Infect.Immun)39:297−304(1983);アンダーソ
ン等、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲ
ーション(J.Clin.Invest)51:31−8(1972)]。補
体源として−70℃で保存された初乳前子牛血清(precol
ostral calf serum)(PCCS)を使用して殺バクテリア
アッセイを行った。試験されるべき分類できないヘモフ
ィルス・インフルエンザエ菌体の全細胞との吸着による
殺バクテリア(BC)アッセイに使用するためのPCCSを調
製した。BHI−XV中で増殖した一夜培養物1ミリリット
ルのアリクォートを、エッペンドルフ卓上遠心分離器で
の遠心分離によりペレット化した。このペレットを、0.
15mMCaCl2及び0.5mMMgCl2を含む無菌リン酸緩衝溶液(P
CM)に再懸濁させそして遠心分離を繰り返すことによ
り、洗浄した。PCCS1ミリリットルを解凍し、このバク
テリアペレットを懸濁させるのに使用した。試料を、1
時間氷上に保持した。バクテリアを遠心分離により除去
しそして第2のバクテリアペレットをPCCSに再懸濁させ
た。これを1時間氷上に保持した。試料を遠心分離して
バクテリアを除去し、次いで0.22ミクロン膜でフィルタ
ー無菌化した。調製したPCCSを、使用するまで氷上に保
持した。一夜培養物をBHI−XVブロス中に1:15に希釈
し、通気しながら37℃でインキュベーションすることに
よりバクテリアを調製した。細胞を、490nmで0.9の光学
密度(約109CFU/ml)となるように増殖させた。バクテ
リアを、0.5%ウシ血清アルブミン(PCMA)を有する無
菌PCM中で40,000倍希釈した。最終希釈液は25%PCCS(v
/v)を含んでいた。ポリクローナルマウス抗タンパク質
“e"抗血清からの免疫グロブリンを、一夜4℃で35%最
終濃度で飽和アンモニウム硫酸アンモニウムで沈殿させ
た。沈殿を、エッペンドルフ遠心分離器で4℃で10分間
遠心分離により集めた。上澄液を捨てそしてペレット
を、元の容積の10倍でPCMに再懸濁させた。試料を、10,
000分子量カットオフ膜を有するセントリコン・マイク
ロコンセントレーター・ユニットを使用して、最初の容
積に戻した。試料を上記の如くして更に4回PCM中で洗
浄して、残留硫酸アンモニウムを除去した。ポリクノー
ナルウサギ血清は、BCアッセイに使用するために予備処
理しなかった。
15μlの血清試料を、氷上に保持された無菌の96ウエ
ルのU字形底部のマイクロタイタープレートの第1ウエ
ルに入れた。PCMAを使用する2倍階段希釈を残りのウエ
ルで行った。プレートを、氷から外しそして15μlの細
胞/補体混合物をウエル中の血清に加えた。プレート
を、37℃で45分間インキュベーションした。10μlの試
料を、各ウエルから無菌的に取り出しそしてBHI−XVプ
レート上に広げた。プレートを、37℃で一夜インキュベ
ーションした。殺バクテリア力価を、元の容積の10倍で
PCMAに再懸濁させたCFUの数の減少させることができる
最も高い血清希釈率の逆数として決定した。試料を、1
0,000分子量カットオフ膜を有するセントリコン・マイ
クロコンセントレーター・ユニットを使用して元の容積
に戻した。試料を、上記の如くして更に4回PCM中で洗
浄して、残留硫酸アンモニウムを除去した。ポリクロー
ナルウサギ血清は、BCアッセイに使用するために予備処
理はしなかった。
15μlの血清試料を、氷上に保持された無菌の96ウエ
ルのU字形底部のマイクロタイタープレートの第1ウエ
ルに入れた。PCMAを使用する2倍階段希釈を残りウエル
で行った。プレートを、氷から外しそして15μlの細胞
/補体混合物をウエル中の血清に加えた。プレートを、
37℃で45分間インキュベーションした。10μlの試料
を、各ウエルから無菌的に取り出しそしてBHI−XVプレ
ート上に広げた。プレートを、37℃で一夜インキュベー
ションした。殺バクテリア力価を、非抗体含有対照ウエ
ルと比較して50%CFUsの数を減少させることができる最
も高い血清希釈率の逆数として決定した。
1つのこのような実験からの結果を下記に示す。
表3から分かるように、抗タンパク質“e"抗体は、分
類できないヘモフィルス・インフルエンザエ菌株に対し
てBC活性を有する。
約28,000ダルトン分子量のタンパク質である、P4と名
付けられたヘモフィルス・インフルエンザエOMPは、幼
ラット(infant rats)における受動保護アッセイ(pas
sive protection assay)では非保護性であることが見
いだされた[グラノフ及びムンセン、ジャーナル・オブ
・ザ・インフェクシャウス・ディシージス(J.Infact.D
is)、1986.153:448−461]。抗体の受動移入アッセイ
で保護性であるヘモフィルス・インフルエンザエのすべ
ての公知の免疫原もまた殺バクテリア性抗体を誘発す
る。ここに我々は、約28,000ダルトンのヘモフィルス・
インフルエンザエタンパク質“e"が殺バクテリア性抗体
を誘発すること、従ってこれらの抗体は保護性であると
予想されることを示す。
抗タンパク質“e"と他の抗体との相乗性 他の研究者は、いくらかのOMPに対する抗体は、他のO
MPに対する抗体の殺バクテリア活性を阻止することがあ
ることを報告している。ケイ・エイ・ジョイナー等、
(1985)、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベステ
ィゲーション(J.Clin.Invest) 76:1765−1772。他の
Hi成分に対する抗体が存在する場合に、抗タンパク質
“e"抗体が阻止効果を有するかどうかを決定するため
に、BCのアッセイを行った。抗体の殺バクテリア活性の
アッセイの詳細は上記に示されている。殺バクテリア性
力価は、定められた数のバクテリアの>50%を殺すこと
ができる抗血清の最も高い希釈率の逆数として読まれ
る。このアッセイは、分類できないヘモフィルス・イン
フルエンザエ(NTHi)又はb型ヘモフィルス・インフル
エンザエのいずれについても行うことができる。NTHi
は、より大きい血清感受性を示し、かくしてこのアッセ
イにおいて幾分殺すことが容易であるが、使用するのが
より困難である。殺バクテリア性力価は、通常、前免疫
(preimmune)及び免疫血清で示される。これは、抗OMP
抗体により殺すことに対するNTHiの非常に変わり易い感
受性の故である。かくして力価は、広い範囲を包含する
ことができる。前及び後免疫血清を示すことは、力価が
どうであれ、この殺すことの特異性を我々に示させる。
抗タンパク質“e"抗体が他のOMPに対する抗体に関し
てこの阻止効果を有するかどうかを決定するために、我
々は、組換えヘモフィルス外膜タンパク質、rPCPに対す
る抗体と抗タンパク質“e"を混合することの効果を検討
した。試験した個々の抗血清及び混合物の殺バクテリア
性力価を表4に示す。阻止効果は観察されない。反対
に、混合物のBC力価は、個々の抗血清のいずれもの力価
より常に大きい。相加的効果がなかったとすれば、混合
物の力価は、活性の大きい方の個々の抗血清と同じであ
ろうと予想される。相加的効果があったとすれば、混合
物の力価は、個々の抗血清の力価の和であると予想され
る。しかしながら、混合物の力価は、個々の抗血清の力
価の和よりも大きい場合には、相乗性を示す。
IX. タンパク質“e"の非脂質化形態 タンパク質“e"の非脂質化体(non−lipidated versi
on)を造り出すために、部位特異的突然変異を使用し
た。“e"配列のアミノ末端において、バイオラド・ラボ
ラトリーズ(カリフォルニア州、リッチモンド)により
供給されたダート−アング系(dut−ung system)を使
用して部位特異的突然変異によりBamH I部位を造り出し
た。下記の変更が“e"遺伝子においてなされた。
成熟“e"タンパク質のアミノ末端をコード化している
遺伝子の配列 に変えた。
これは、“e"遺伝子を含む997bpEcoR I−Dra Iフラグ
メントを、M13mp19のEcoR I−Sma I部位にクローニング
することによりなされた。一重鎖DNAをdut,ung大腸菌株
CJ236の感染後に単離した。このDNAは、チミジン残基に
取って代わるウラシル残基を含んでおりそして普通の大
腸菌に対して非感染性である。この一重鎖U−DNAを、
所望の変異及び相同性フランキング配列を含む一重鎖プ
ライマーと混合し、そしてこれらのDNAをゆっくりとア
ニーリングした。プライマーを、すべての4種のdNTPs
及び大腸菌ポリメラーゼのクレノウ断片を使用して上記
DNA上に延長して、環を完成させた。野生型大腸菌をM13
DNAで感染させて、新しく合成された鎖のみ複製させそ
して遺伝子に突然変異を挿入する。BamH I部位を有する
“e"遺伝子を含むM13DNAを単離し、該遺伝子をBamH Iに
よる消化により単離し(BamH I部位は、M13mp19の多重
クローニング部位から前記遺伝子に対して3′にも存在
する)そしてpUC8にサブクローニングした。pPX524と名
付けられた得られるクローンを、タンパク質“e"に対す
るモノクローナル抗体でスクリーニングした。クローン
を発現するためのタンパク質“e"に対するモノクローナ
ル抗体によるスクリーニングの後、正の単離物は得られ
なかった。クローンの分析は、すべてが、逆の(非発現
性の)方位において、“e"遺伝子を含んでいることを示
した。シグナルレス“e"遺伝子は、調節されたプロモー
ターの制御下に発現された。lac制御下に遺伝子を発現
するために、“e"遺伝子をHinc III及びEcoR Iによる消
化によりpPX524から除去し、EcoR I及びSma I部位でpUC
9に指向的に(directinally)クローニングして、プラ
スミドpPX525の下記の接合配列との融合体を得た。
この融合体は弱く発現されそしてモノクローナル抗体
に対する反応性により可視化された。
シグナレス“e"遺伝子は、pPX525からシグナレス“e"
遺伝子を含むHinc IIIフラグメントを単離し、そして、
それを、PCP−PAL融合体を含むStu I−EcoR I消化され
たpPX521に連結することにより、PCP−PAL融合体にも融
合させた。形成された融合接合部は下記のとおりであ
る。
トリプル融合体の発現は、PCP、PAL及び“e"タンパク
質に対するモノクローナル抗体とトリプル融合プラスミ
ドを含むDH5α(F′lacIq)細胞のウエスタンブロット
により確かめられた。
融合接合部及び部位特異的突然変異の配列は、DNA配
列決定により確かめられた。
微生物の寄託 大腸菌株JM103(pPX513)は、イリノイ州、ペオリア
の、アグリカルチュラル・リサーチ・カルチャー・コレ
クション(NRRL)に寄託され、そして1989年1月26日に
寄託された受け入れ番号NRRL B−18444を割り当てら
れた。
大腸菌株DH5α(F′lac Iq、pPX525)は、1990年3
月8日にNRRLに寄託されそして受け入れ番号NRRL B−
18629を割り当てられた。
均等物 当業者は、ルーチンな実験を行うだけで、本明細書に
記載の特定の態様に対する多くの均等物を認識し又は確
かめることができるであろう。このような均等物は、下
記の請求の範囲により包含されることを意図するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Bacteriology,Vo l.155,No.2,P.878−885 (1983) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/285 C12N 15/00 A61K 39/00 C12N 1/21 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物宿主において防御免疫反応を誘発
    させることができる、ヘモフィルス・インフルエンザエ
    (Haemophilus influenzae)の本質的に純粋な、第7図
    に示されたアミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はそ
    の1つ又は複数のエピトープを有するペプチド又はタン
    パク質。
  2. 【請求項2】前記エピトープが、分類できないヘモフィ
    ルス・インフルエンザエの本質的にすべての菌株の外膜
    に存在している、請求の範囲第1項記載のペプチド又は
    タンパク質。
  3. 【請求項3】分類できないヘモフィルス・インフルエン
    ザエに対する抗体を誘発させることができる、請求の範
    囲第2項記載のペプチド又はタンパク質。
  4. 【請求項4】第7図に示されるアミノ酸配列において1
    若しくは数個のアミノ酸残基が付加、挿入、置換もしく
    は欠失している改変アミノ酸配列を有し、かつ前記タン
    パク質“e"の殺バクテリア性若しくはオプソニン作用又
    はその両方の性質が低減していない請求の範囲第1項記
    載のペプチド又はタンパク質の改変体。
  5. 【請求項5】アミノ酸配列が請求の範囲第4項記載のタ
    ンパク質の改変体の1つ又は複数のエピトープ又は複数
    のエピトープの組み合わせに相当するオリゴペプチドで
    あって、遊離形態又は複合形態のいずれかの形態にある
    該オリゴペプチドが、分類できないヘモフィルス・イン
    フルエンザエに対する1種又は1種より多くの抗体を誘
    発させることができる、オリゴペプチド。
  6. 【請求項6】生物の抗原又はそのエピトープに複合し
    た、ヘモフィルス・インフルエンザエの第7図に示され
    るアミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はその1つ又
    は複数のエピトープを有するペプチド又はタンパク質を
    含んで成り、該ヘモフィルス・インフルエンザエのタン
    パク質“e"又はその1つ又はそれより多くのエピトープ
    を有するペプチド又はタンパク質が哺乳動物宿主におい
    て防御免疫反応を誘発させることができる、抗原性複合
    体。
  7. 【請求項7】前記抗原が、ヘモフィルス・インフルエン
    ザエのオリゴ糖又は多糖又はヘモフィルス・インフルエ
    ンザエの外膜タンパク質又はそのセグメントである、請
    求の範囲第6項記載の抗原性複合体。
  8. 【請求項8】前記外膜タンパク質が、15,000ダルトンペ
    プチドグリカン会合外膜リポタンパク質(PAL)、15,00
    0ダルトンヘモフィルスリポタンパク質PCP、PALとPCPと
    の複合体又は融合タンパク質及びPAL又はPCPの抗原性セ
    グメントから成る群より選ばれた、請求の範囲第7項記
    載の抗原性複合体。
  9. 【請求項9】生物のペプチド又はタンパク質抗原又はそ
    の1つ又は複数のエピトープに融合した、 ヘモフィルス・インフルエンザエの第7図に示されるア
    ミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はその1つ又は複
    数のエピトープを有するペプチド又はタンパク質を含ん
    で成る、遺伝子融合ペプチド又はタンパク質。
  10. 【請求項10】NRRL受け入れ番号NRRL B−18629を有
    するpPX525と名付けられている組換えプラスミドにより
    コードされている、請求の範囲第9項記載の融合ペプチ
    ド又はタンパク質。
  11. 【請求項11】前記抗原がヘモフィルス・インフルエン
    ザエの外膜タンパク質であり、そして15,000ダルトンペ
    プチドグリカン会合外膜リポタンパク質(PAL)、15,00
    0ダルトンヘモフィルスリポタンパク質PCP、PALとPCPと
    の複合体又は融合タンパク質及びPAL又はPCPの抗原性セ
    グメントから成る群より選ばれる、請求の範囲第9項記
    載のペプチド又はタンパク質。
  12. 【請求項12】哺乳動物宿主において防御免疫反応を誘
    発させることができる、ヘモフィルス・インフルエンザ
    エのタンパク質“e"又はそのエピトープを有するペプチ
    ド又はタンパク質をコードする単離された第6図に示さ
    れる核酸配列を有する核酸。
  13. 【請求項13】第6図に示されたヌクレオチド配列にお
    いて哺乳動物宿主における防御免疫反応を誘発させるこ
    とができるヘモフィルス・インフルエンザエのタンパク
    質又はペプチドをコードする該DNAの能力を本質的に減
    じることなく、1若しくは数個のヌクレオチドが付加さ
    れているか、挿入されているか、置換されているか又は
    欠失している請求の範囲第12項記載の核酸の改変体。
  14. 【請求項14】生物の抗原又はその1つ又は複数のエピ
    トープをコードするDNAに連結された、哺乳動物宿主に
    おいて防御反応を誘発させることができる、ヘモフィル
    ス・インフルエンザエのタンパク質“e"又はその1つ又
    はそれより多くのエピトープを有するペプチド又はタン
    パク質をコードする第6図に示される核酸配列を有する
    DNAを含んで成る、融合されたDNA構築物。
  15. 【請求項15】タンパク質“e"をコードする前記DNA
    が、請求の範囲第13項記載の核酸の改変体である請求の
    範囲第14項記載の融合されたDNA構築物。
  16. 【請求項16】前記抗原が、ヘモフィルス・インフルエ
    ンザエの外膜タンパク質であり、そして15,000ダルトン
    ペプチドグリカン会合外膜リポタンパク質(PAL)、15,
    000ダルトンヘモフィルスリポタンパク質PCP、PALとPCP
    との複合体又は融合タンパク質及びPAL又はPCPの抗原性
    セグメントから成る群より選ばれる、請求の範囲第14−
    15項のいずれかに記載の融合されたDNA構築物。
  17. 【請求項17】哺乳動物宿主において防御免疫反応を誘
    発させることができるヘモフィルス・インフルエンザエ
    のタンパク質“e"又はその1つ又は複数のエピトープを
    有するペプチド又はタンパク質をコードする第6図に示
    される核酸配列を有する核酸を含む、組換えクローニン
    グ又は発現ベクター。
  18. 【請求項18】前記核酸が、生物の抗原又はその1つ又
    は複数のエピトープをコードする第6図に示される核酸
    配列を有するDNAに連結された、哺乳動物宿主において
    防御免疫反応を誘発させることができるヘモフィルス・
    インフルエンザエのタンパク質“e"又はその1つ又は複
    数のエピトープを有するペプチド又はタンパク質をコー
    ド化しているDNAを含んで成る融合したDNA構築物であ
    る、請求の範囲第17項記載のクローニング又は発現ベク
    ター。
  19. 【請求項19】タンパク質“e"をコードする前記DNA
    が、請求の範囲第13項記載の核酸の改変体である、請求
    の範囲第17項記載のクローニング又は発現ベクター。
  20. 【請求項20】前記抗原が、ヘモフィルス・インフルエ
    ンザエの外膜タンパク質又はそのフラグメントであり、
    そして15,000ダルトンペプチドグリカン会合外膜リポタ
    ンパク質(PAL)、15,000ダルトンヘモフィルスリポタ
    ンパク質PCP、PALとPCPとの複合体又は融合タンパク質
    及びPAL又はPCPの抗原性セグメントから成る群より選ば
    れる、請求の範囲第18又は19項記載のクローニング又は
    発現ベクター。
  21. 【請求項21】製薬学的に許容しうるベヒクル中のヘモ
    フィルス・インフルエンザエの第7図に示されるアミノ
    酸配列を有するタンパク質“e"又はその1つ又は複数の
    エピトープを有するペプチド又はタンパク質及び随意の
    アジュバントを含有して成り、前記ヘモフィルス・イン
    フルエンザエのタンパク質“e"又はその1つ又は複数の
    エピトープを有するペプチド又はタンパク質が、哺乳動
    物宿主において防御免疫反応を誘発させることができ
    る、組成物。
  22. 【請求項22】製薬学的に許容しうるベヒクル中の、 ヘモフィルス・インフルエンザエの少なくとも1種の他
    のペプチド又はタンパク質抗原又はその1つ又は複数の
    エピトープに融合した、 ヘモフィルス・インフルエンザエの第7図に示されるア
    ミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はその1つ又は複
    数のエピトープを有するペプチド又はタンパク質。 を含んで成る融合ペプチド又はタンパク質と、随意のア
    ジュバントとを含有して成る組成物。
  23. 【請求項23】製薬学的に許容しうるベヒクル中の、生
    物の抗原又はその1つ又は複数のエピトープに複合した
    ヘモフィルス・インフルエンザエの第7図に示されるア
    ミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はその1つ又は複
    数のエピトープを有するペプチド又はタンパク質から成
    る抗原性複合体と、随意のアジュバントとを含有して成
    り、前記ヘモフィルス・インフルエンザエのタンパク質
    “e"又はその1つ又は複数のエピトープを有するペプチ
    ド又はタンパク質が哺乳動物宿主において防御免疫反応
    を誘発させることができる、組成物。
  24. 【請求項24】前記抗原が、ヘモフィルス・インフルエ
    ンザエのオリゴ糖又は多糖又はヘモフィルス・インフル
    エンザエの外膜タンパク質である、請求の範囲第21−23
    項のいずれかに記載の組成物。
  25. 【請求項25】前記外膜タンパク質が、15,000ダルトン
    ペプチドグリカン会合外膜リポタンパク質(PAL)、15,
    000ダルトンヘモフィルスリポタンパク質PCP、PALとPCP
    Cとの複合体又は融合タンパク質及びPAL又はPCPの抗原
    性セグメントから成る群より選ばれる、請求の範囲第24
    項記載の組成物。
  26. 【請求項26】生理学的に許容し得るベヒクル中の、免
    疫原性量のヘモフィルス・インフルエンザエの第7図に
    示されるアミノ酸配列を有するタンパク質“e"又はその
    1つ又は複数のエピトープを有するペプチド又はタンパ
    ク質及び中耳炎の病原因子由来の抗原又はその1つ又は
    複数のエピトープを含有して成る、急性中耳炎にかかり
    易いのを防止又は減少させる組成物。
  27. 【請求項27】前記病原因子が、肺炎レンサ球菌(Stre
    ptococcus pneumoniae)、A群溶血性レンサ球菌(Stre
    ptococcus pyogenes)、黄色ブドウ球菌(Streptococcu
    s aureaus)、ブラナメラ・カララリス(Branhamella c
    atarrhalis)、呼吸性シンシチウムウイルス及びそれら
    の組み合わせから成る群より選ばれる、請求の範囲第26
    項記載の組成物。
  28. 【請求項28】哺乳動物宿主において防御免疫反応を誘
    発させることができる、ヘモフィルス・インフルエンザ
    エの第7図に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質
    “e"又はその1つ又は複数のエピトープを有するペプチ
    ド又はタンパク質を発現することができる、感染性の組
    換え微生物。
  29. 【請求項29】ワクシニア・ウイルス又はサルモネラ属
    (Salmonella)のバクテリアである、請求の範囲第28項
    記載の微生物。
JP2505084A 1989-03-09 1990-03-09 分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン Expired - Lifetime JP2955014B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32097189A 1989-03-09 1989-03-09
US320,971 1989-03-09
PCT/US1990/001317 WO1990010458A1 (en) 1989-03-09 1990-03-09 Vaccines for nontypable haemophilus influenzae

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07508972A JPH07508972A (ja) 1995-10-05
JP2955014B2 true JP2955014B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=23248627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2505084A Expired - Lifetime JP2955014B2 (ja) 1989-03-09 1990-03-09 分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン

Country Status (13)

Country Link
US (4) US5601831A (ja)
EP (2) EP0462210B1 (ja)
JP (1) JP2955014B2 (ja)
KR (1) KR100188323B1 (ja)
AT (2) ATE110965T1 (ja)
AU (1) AU648251B2 (ja)
CA (1) CA2047681C (ja)
DE (2) DE69012318T2 (ja)
DK (2) DK0606921T3 (ja)
ES (2) ES2063965T3 (ja)
FI (1) FI914241A0 (ja)
NO (1) NO913518L (ja)
WO (1) WO1990010458A1 (ja)

Families Citing this family (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1340888C (en) * 1988-09-01 2000-02-01 Algis Anilionis Vaccines and diagnostic assays for haemophilus influenzae
US6797272B1 (en) 1991-10-16 2004-09-28 University Of Saskatchewan Enhanced immunogenicity using leukotoxin chimeras
AU2699192A (en) * 1991-10-16 1993-05-21 University Of Saskatchewan Enhanced immunogenicity using leukotoxin chimeras
US5422110A (en) * 1991-10-16 1995-06-06 University Of Saskatchewan Enhanced immunogenicity using leukotoxin chimeras
EP0624376B1 (en) * 1993-05-13 2000-03-15 American Cyanamid Company Preparation and uses of LOS-depleted outer membrane proteins of gram-negative cocci
US5681570A (en) * 1995-01-12 1997-10-28 Connaught Laboratories Limited Immunogenic conjugate molecules
US20020032316A1 (en) * 1995-03-31 2002-03-14 Cantab Pharmaceuticals Research Limited Hapten-carrier conjugates for use in drug-abuse therapy and methods for preparation of same
KR19990007858A (ko) * 1995-04-17 1999-01-25 존 더블유.로우 박테리아의 리포프로테인으로 폴리사카라이드에 대한 면역반응의 유도및 강화
AR003125A1 (es) * 1995-06-01 1998-07-08 Astra Ab Antigenos bacterianos para el diagnostico de infecciones con helicobacter pylori, una molecula de adn que lo codifica, un vector, una celula huesped,procedimiento para producir el polipeptido, composiciones para vacunas adecuadas para uso terapeutico y profilactico, el uso del polipeptido en la
GB9513074D0 (en) 1995-06-27 1995-08-30 Cortecs Ltd Novel anigen
US6207157B1 (en) * 1996-04-23 2001-03-27 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Conjugate vaccine for nontypeable Haemophilus influenzae
US20040126381A1 (en) * 1996-04-23 2004-07-01 Xin-Xing Gu Intranasal immunization with detoxified lipooligosaccharide from nontypeable haemophilus influenzae or moraxella
BR9814957A (pt) * 1997-11-12 2000-10-03 Hoffmann La Roche Tratamento de doenças imune mediadas por célula auxiliar "t" tipo 2 com antagonistas retinóides
US6255050B1 (en) * 1998-05-22 2001-07-03 Lorne Park Research, Inc. Dynamic hybridization system
IL146894A0 (en) 1999-06-25 2002-08-14 American Cyanamid Co Extraction of integral membrane proteins
US7101989B1 (en) 1999-07-09 2006-09-05 University Of North Carolina At Chapel Hill DsrA protein and polynucleotides encoding the same
US6391313B1 (en) * 1999-07-15 2002-05-21 Aventis Pasteur Limited Multi-component vaccine to protect against disease caused by Haemophilus influenzae and Moraxella catarrhalis
JP2003507433A (ja) * 1999-08-20 2003-02-25 ザ ゼネラル ホスピタル コーポレーション 敗血症治療において治療に用いる対象としての外膜タンパク質a、ペプチドグリカン関連リポタンパク質およびムレインリポタンパク質
US7384640B1 (en) * 1999-09-30 2008-06-10 Wyeth Holdings Corporation Mutant cholera holotoxin as an adjuvant
US20030232055A1 (en) * 2000-07-31 2003-12-18 Ruslan Medzhitov Innate immune system-directed vaccines
AU2001286405B2 (en) * 2000-07-31 2007-05-10 Yale University Innate immune system-directed vaccines
GB0025486D0 (en) * 2000-10-17 2000-11-29 Smithkline Beecham Biolog Novel compounds
US20030175287A1 (en) * 2001-01-03 2003-09-18 Yale University Innate immune system-directed vaccines
AT410798B (de) * 2001-01-26 2003-07-25 Cistem Biotechnologies Gmbh Verfahren zur identifizierung, isolierung und herstellung von antigenen gegen ein spezifisches pathogen
US6834384B2 (en) * 2001-03-14 2004-12-21 General Instrument Corporation Methods and apparatus for upgrading firmware in an embedded system
CA2446355A1 (en) * 2001-05-03 2002-11-14 The Government Of The United States Of America Intranasal immunization with detoxified lipooligosaccharide from nontypeable haemophilus influenzae or moraxella catarrhalis
WO2002098369A2 (en) * 2001-06-07 2002-12-12 Wyeth Holdings Corporation Mutant forms of cholera holotoxin as an adjuvant
ATE451386T1 (de) 2001-06-07 2009-12-15 Wyeth Corp Mutantenformen von cholera holotoxin als adjuvans
AU2002310760A1 (en) * 2001-06-12 2002-12-23 Glaxosmithkline Biologicals S.A. Proteins derived from non-typable haemophilus influenzae (nthi) strain
GB0117762D0 (en) * 2001-07-20 2001-09-12 Glaxosmithkline Biolog Sa Novel compounds
MX339524B (es) 2001-10-11 2016-05-30 Wyeth Corp Composiciones inmunogenicas novedosas para la prevencion y tratamiento de enfermedad meningococica.
JP2005532789A (ja) * 2002-03-15 2005-11-04 ワイス・ホールデイングス・コーポレーシヨン 減少した酵素活性を有する型別不能なインフルエンザ菌(Haemophilusinfluenza)のP4タンパク質の変異体
EP2425853A1 (en) 2005-04-08 2012-03-07 Wyeth LLC Multivalent Pneumococcal Polysaccharide-Protein Conjugate Composition
US7709001B2 (en) 2005-04-08 2010-05-04 Wyeth Llc Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition
KR20070047455A (ko) * 2005-11-02 2007-05-07 삼성에스디아이 주식회사 전자 방출 표시 디바이스
ES2555544T3 (es) * 2006-03-07 2016-01-04 Vaxinnate Corporation Composiciones que incluyen hemaglutinina, métodos de preparación y métodos de uso de las mismas
PT1915913E (pt) * 2006-10-23 2016-02-16 Nestec Sa Modulação do sabor e do aroma de produtos lácteos por biotransformação
AR064642A1 (es) 2006-12-22 2009-04-15 Wyeth Corp Polinucleotido vector que lo comprende celula recombinante que comprende el vector polipeptido , anticuerpo , composicion que comprende el polinucleotido , vector , celula recombinante polipeptido o anticuerpo , uso de la composicion y metodo para preparar la composicion misma y preparar una composi
CN102216781B (zh) * 2009-01-07 2014-05-21 大塚制药株式会社 全部流感嗜血杆菌的测定方法
PL2608805T3 (pl) 2010-08-23 2017-12-29 Wyeth Llc Trwałe preparaty antygenów rLP2086 Neisseria meningitidis
CN103096920B (zh) 2010-09-10 2016-03-23 惠氏有限责任公司 脑膜炎奈瑟球菌orf2086抗原的非脂质化变体
TW201302779A (zh) 2011-04-13 2013-01-16 Glaxosmithkline Biolog Sa 融合蛋白質及組合疫苗
SA115360586B1 (ar) 2012-03-09 2017-04-12 فايزر انك تركيبات لعلاج الالتهاب السحائي البكتيري وطرق لتحضيرها
MY198910A (en) 2012-03-09 2023-10-02 Pfizer Neisseria meningitidis compositions and methods thereof
WO2014136064A2 (en) 2013-03-08 2014-09-12 Pfizer Inc. Immunogenic fusion polypeptides
KR102199096B1 (ko) 2013-09-08 2021-01-06 화이자 인코포레이티드 나이세리아 메닌지티디스 조성물 및 그의 방법
EP3270959A1 (en) 2015-02-19 2018-01-24 Pfizer Inc Neisseria meningitidis compositions and methods thereof
EP3577130A2 (en) 2017-01-31 2019-12-11 Pfizer Inc Neisseria meningitidis compositions and methods thereof

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4220717A (en) * 1977-12-22 1980-09-02 American Cyanamid Company Isolation and purification of polyribosyl ribitol phosphate from Haemophilus influenzae type b.
US4220722A (en) * 1978-02-10 1980-09-02 Syva Company Method for conjugating to polyamino compounds employing haloacyl groups and compositions prepared thereby
US4356170A (en) * 1981-05-27 1982-10-26 Canadian Patents & Development Ltd. Immunogenic polysaccharide-protein conjugates
US4496538A (en) * 1982-07-06 1985-01-29 Connaught Laboratories, Inc. Haemophilus influenzae b polysaccharide-diphtheria toxoid conjugate vaccine
US4661347A (en) * 1982-11-12 1987-04-28 Scripps Clinic Cytotoxic compositions
US4762713A (en) * 1983-07-05 1988-08-09 The University Of Rochester Boosting of immunogenic conjugate vaccinations by unconjugated bacterial capsular polymers
NZ214503A (en) * 1984-12-20 1990-02-26 Merck & Co Inc Covalently-modified neutral bacterial polysaccharides, stable covalent conjugates of such polysaccharides and immunogenic proteins, and methods of preparing such polysaccharides and conjugates
JPS62502262A (ja) * 1985-03-27 1987-09-03 ブロンコスタット・プロプライアタリー・リミテツド アジユバントを含有しないワクチン
US4707543A (en) * 1985-09-17 1987-11-17 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Process for the preparation of detoxified polysaccharide-outer membrane protein complexes, and their use as antibacterial vaccines
JP2534529B2 (ja) * 1986-07-24 1996-09-18 ブリティシュ・テレコミュニケ−ションズ・パブリック・リミテッド・カンパニ 放射発生器
US5173294A (en) * 1986-11-18 1992-12-22 Research Foundation Of State University Of New York Dna probe for the identification of haemophilus influenzae
AU623353B2 (en) * 1987-12-10 1992-05-14 Board Of Regents, The University Of Texas System Methods and compositions for the production of haemophilus influenzae type b major outer membrane protein antigens

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J.Bacteriology,Vol.155,No.2,P.878−885(1983)

Also Published As

Publication number Publication date
EP0462210A1 (en) 1991-12-27
ATE195076T1 (de) 2000-08-15
DE69012318T2 (de) 1995-03-09
WO1990010458A1 (en) 1990-09-20
CA2047681C (en) 2000-02-01
DE69012318D1 (de) 1994-10-13
DE69033600T2 (de) 2001-04-05
EP0606921A1 (en) 1994-07-20
AU648251B2 (en) 1994-04-21
EP0462210B1 (en) 1994-09-07
NO913518D0 (no) 1991-09-06
DK0606921T3 (da) 2000-09-04
AU5332690A (en) 1990-10-09
EP0606921B1 (en) 2000-08-02
KR100188323B1 (ko) 1999-06-01
JPH07508972A (ja) 1995-10-05
CA2047681A1 (en) 1990-09-10
NO913518L (no) 1991-10-29
ATE110965T1 (de) 1994-09-15
US5955580A (en) 1999-09-21
ES2063965T3 (es) 1995-01-16
US5780601A (en) 1998-07-14
US6420134B1 (en) 2002-07-16
DK0462210T3 (da) 1994-10-10
DE69033600D1 (de) 2000-09-07
US5601831A (en) 1997-02-11
FI914241A0 (fi) 1991-09-09
ES2150450T3 (es) 2000-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2955014B2 (ja) 分類できないヘモフイルス・インフルエンザエに対するワクチン
JP3436756B2 (ja) 髄膜炎菌のクラスiの外膜タンパク質のワクチン
US7238345B1 (en) Recombinant microorganism expressing meningococcal class 1 outer membrane protein
KR960016208B1 (ko) 인플루엔자균(Haemophilus influenzae)의 백신 및 진단방법.
US5110908A (en) Haemophilus influenzae peptides and proteins
US5098997A (en) Vaccines for Haemophilus influenzae
Bhushan et al. Antigenic characterization and analysis of the human immune response to outer membrane protein E of Branhamella catarrhalis
JP2803058B2 (ja) 淋菌piタンパク質およびワクチンの製造
KR0162488B1 (ko) 혈호균속 인플루엔자용 백신과 진단검사법
US5196338A (en) Recombinant vectors for Haemophilus influenzae peptides and proteins
KR100216390B1 (ko) 헤모필루스 외부막 단백질
CA2007248C (en) Meningococcal class 1 outer-membrane protein vaccine
AU695173B2 (en) Novel opacity associated proteins, DNA encoding the same, and methods of use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 11