JP3532314B2 - D/a変換器及びその試験方法 - Google Patents

D/a変換器及びその試験方法

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JP3532314B2
JP3532314B2 JP21073795A JP21073795A JP3532314B2 JP 3532314 B2 JP3532314 B2 JP 3532314B2 JP 21073795 A JP21073795 A JP 21073795A JP 21073795 A JP21073795 A JP 21073795A JP 3532314 B2 JP3532314 B2 JP 3532314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試験容易化回路が内蔵
されたD/A変換器及びその試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来のD/A変換器10Aを示
す。このD/A変換器10Aは、基準電圧生成回路11
と、ラダー抵抗12と、スイッチ群13と、デコーダ1
4と、演算増幅回路15とを備えている。量産されてい
るD/A変換器10Aに対する試験においては、例えば
D/A変換器10Aが10ビット入力の場合、試験回路
20Aからデコーダ14へ0、1、2、・・・、102
3の値が順に供給され、スイッチ群13のスイッチSW
1、SW2、・・・、SWnがこの順に1つずつ選択さ
れてオンにされる。基準電位V1と基準電位V2との差
をラダー抵抗12で分圧した電位の1つがスイッチ群1
3で選択され、演算増幅回路15の非反転入力端に供給
される。演算増幅回路15は、その出力端が反転入力端
に接続されたボルテージホロアであり、高入力インピー
ダンスかつ低出力インピーダンスのバッファ回路として
機能する。試験回路20Aは、演算増幅回路15からの
出力電圧VOが、デコーダ14へのデジタル値に対応し
た規定範囲内にあるかどうかにより、D/A変換器10
Aの良否を判定する。
【0003】
【発明が解決しようする課題】演算増幅回路15は、高
速応答のためのコンデンサを備えており、出力電圧VO
は図4(B)に示す如く、演算増幅回路15の入力がス
テップ変化した後に振動する。上記良否判定は、演算増
幅回路15の入力がステップ変化した後、整定時間が経
過するのを待って行う必要があり、試験所要時間が長く
なる原因となっていた。
【0004】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、試験所要時間を短縮することができるD/A変換器
及びその試験方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】第1発
明では、デジタル入力値に応じてスイッチ群がオン/オ
フ制御され、該スイッチ群を通った信号が出力バッファ
回路を介しアナログ出力値として取り出されるD/A変
換器において、該スイッチ群は第1a〜naスイッチを
有し、該デジタル入力値により該第1a〜naスイッチ
のうちの1つを選択的にオンにすることが可能であり、
該出力バッファ回路は、出力範囲が制限された演算増幅
回路と、一端が基準電位供給線に接続されたコンデンサ
と、制御信号に応じて、該スイッチ群の出力を該演算増
幅回路の非反転入力端と該コンデンサの他端との一方に
導通させ、該コンデンサの他端と該演算増幅回路の反転
入力端との間を導通/遮断させ、該演算増幅回路の反転
入力端と該演算増幅回路の出力端との間を導通/遮断さ
せる切換回路とを有する。
【0006】第1発明の第1態様では、上記切換回路
は、上記スイッチ群の出力を上記演算増幅回路の非反転
入力端と上記コンデンサの他端との一方に導通させる第
1bスイッチと、該コンデンサの他端と該演算増幅回路
の反転入力端との間を導通/遮断させる第2bスイッチ
と、該演算増幅回路の反転入力端と該演算増幅回路の出
力端との間を導通/遮断させる第3bスイッチとを有す
る。
【0007】第2発明のD/A変換器試験方法では、上
記構成のD/A変換器に対し、上記第3bスイッチをオ
フにし、上記スイッチ群の第1a〜naスイッチをオフ
にし、次に、上記第2bスイッチをオフにし、かつ、上
記第1bスイッチを上記コンデンサ側への導通状態に
し、この状態で、該コンデンサを、故障検出を可能にす
る所定電位でリセットし、次いで該スイッチ群の第ia
スイッチをオンにする第1ステップと、該第1bスイッ
チを上記演算増幅回路側への導通状態にし、該スイッチ
群の第iaスイッチをオフにし、該スイッチ群の第(i
+1)aスイッチをオンにし、かつ、該第2bスイッチ
をオンにする第2ステップと、該D/A変換器の出力レ
ベルに応じて良否判定する第3ステップとを実質的に、
i=1からiの値を1ずつ増加させて実行する。
【0008】この試験では、第3bスイッチをオフにし
ているので、演算増幅回路の出力はその制限範囲内でフ
ルスイングし、比較器として機能する。このため、第2
ステップの動作後、整定時間を待つことなく直ちに第3
ステップの判定を行うことができ、試験所要時間を従来
よりも短縮することができる。経験上、D/A変換器の
アナログ出力が規定範囲外となるのはパスが故障である
場合が殆どであるので、本願発明は有効である。
【0009】第1発明の第2態様では、上記スイッチ群
は、上記第1a〜naスイッチの各々の一端が互いに導
通され、該デジタル入力値に応じた電位が該一端から取
り出される。第2発明の第1態様では、上記D/A変換
器に対し、上記スイッチ群のうちの一部のスイッチにつ
いては、該一部のスイッチの各々について、上記第1b
スイッチを上記演算増幅回路側への導通状態にし、上記
第2bスイッチをオフにし、かつ、上記第3bスイッチ
をオンにし、この状態で、該一部のうちの1つのスイッ
チのみをオンにし、該D/A変換器の出力が規定範囲内
であるかどうかを判定する。
【0010】この第1態様によれば、従来法のみによる
試験の正確性の利点と本願第2発明のみによる試験の高
速性の利点との相補的効果により、本願第2発明の有効
性が高められる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は、試験容易化回路が内蔵されたD/A変
換器10を示す。このD/A変換器10は、図3のD/
A変換器10Aの構成要素11〜15と同一のものを備
え、さらに、切換回路16と、コンデンサ17とを備え
ている。
【0012】ラダー抵抗12は、分圧を取り出すための
抵抗R1〜Rn−1が直列接続され、その一端及び他端
にそれぞれ、基準電圧生成回路11で生成された基準電
位V1及びV2が供給される。V1<V2であるとす
る。抵抗R1〜Rn−1は互いに同一抵抗値である。ス
イッチ群13は、スイッチSW1〜SWnの一端がそれ
ぞれ、抵抗R1の一端、抵抗R1と抵抗R2との間、・
・・、抵抗Rn−1の一端に接続され、スイッチSW1
〜SWnの他端が出力端として共通に接続されている。
スイッチSW1〜SWnは、その1つがデコーダ14で
選択的にオンにされ、この選択は、デコーダ14に供給
されるデジタル入力値に応じて定まる。
【0013】演算増幅回路15は、その内部のリミッタ
ー回路により出力電圧VOの範囲が制限されている。切
換回路16は、試験回路20からの信号により制御さ
れ、入力端を出力端Aと出力端Bとの一方に選択的に導
通させる切換スイッチ161と、オン/オフ制御される
スイッチ162及び163とを備えている。切換スイッ
チ161は、その入力端がスイッチ群13の出力端に接
続され、出力端Aが演算増幅回路15の非反転入力端に
接続され、出力端Bが、一方ではコンデンサ17を介し
てグランド線に接続され、他方ではスイッチ162を介
して演算増幅回路15の反転入力端に接続されている。
スイッチ163は、演算増幅回路15の出力端と反転入
力端との間に接続されている。
【0014】コンデンサ17は、例えば5〜10pF程
度で充分であり、そのチップ上占有面積は10μm×1
0μm程度である。コンデンサ17は、A/D変換器1
0に対し外付けであってもよいが、内蔵形の方が高速充
電可能であるので好ましく、かつ、チップ上占有面積も
問題にならない。D/A変換器10は、通常使用におい
ては、切換スイッチ161が出力端A側にされ、スイッ
チ162がオフにされ、スイッチ163がオンにされ
て、図3のD/A変換器10Aと同一回路になる。量産
されているD/A変換器10に対する試験は、試験回路
20により図2に示す如く行われる。以下、括弧内の数
値は図2中のステップ識別番号を示す。
【0015】(30)最初、スイッチ群13のスイッチ
SWnとSW1について、上述の従来法で試験が行われ
る。すなわち、スイッチ群13のスイッチSWnのみオ
ンにされ、切換回路16が上記通常使用の状態にされ、
出力電圧VOが規定範囲内にあるかどうかが判定され
る。規定範囲内にあれば、スイッチSWnのパスが正常
であると判定される。次に、スイッチ群13のスイッチ
SW1のみオンにされ、出力電圧VOが規定範囲内にあ
るかどうかが判定される。規定範囲内にあれば、スイッ
チSW1のパスが正常であり、かつ、演算増幅回路15
が正常動作すると判定される。
【0016】(31)スイッチ163がオフにされ、i
にされる。 (32)スイッチ162がオフにされ、切換スイッチ1
61が出力端B側にされる。コンデンサ17を、故障検
出を可能にする電位V2でリセットするために、スイッ
チSWiが一旦オフにされ、スイッチSWnがオンにさ
れる。次いで、スイッチSWnがオフにされ、スイッチ
SWiがオンにされる。これにより、抵抗Ri−1とス
イッチSWiのパスが正常な場合には、抵抗Riと抵抗
Ri−1との間の電位がスイッチSWi及び切換スイッ
チ161を通ってコンデンサ17に保持される。このパ
スに故障があれば、上記リセットによりコンデンサ17
の電位はV2に保持されている。
【0017】(33)切換スイッチ161が出力端A側
にされ、スイッチSWiがオフにされ、スイッチSWi
+1がオンにされ、かつ、スイッチ162がオンにされ
る。これにより、抵抗Riと抵抗Ri+1との間の電位
がスイッチSWi+1及び切換スイッチ161を通って
演算増幅回路15の非反転入力端に供給され、コンデン
サ17に保持された電位がスイッチ162を通って演算
増幅回路15の反転入力端に供給される。スイッチ16
3がオフであるので、演算増幅回路15は比較器として
機能する。
【0018】スイッチSWiを含むパス及びSWi+1
を含むパスが正常であれば、出力電圧VOが高レベルに
なり、出力電圧VOが低レベルであればこれらのいずれ
かのパスに故障があると判定できる。正常な場合、出力
電圧VOは図4(A)に示す如く変化する。この例は、
演算増幅回路15の出力範囲が0〜3Vに制限されてい
る場合を示す。出力電圧VOの立ち上がり後の変動幅Δ
Vは100mV程度であり、3Vに比し充分小さい。
【0019】試験回路20内の入力段には、出力電圧V
Oが低レベルであるか高レベルであるかを判定する比較
回路を備えており、高レベル及び低レベルの判定のしき
い値VH及びVLはそれぞれ例えば2V及び1Vであ
る。図4(A)から明らかなように、ステップ33の動
作後、整定時間を待つことなく直ちに上記判定を行うこ
とができる。
【0020】(34、35)VO>VHであれば、ステ
ップ36へ進む。VO≦VHであれば、スイッチSWi
又はSWi+1を含むパスに故障があると判定され、故
障パスを示すi+1が記憶される。 (36、37)iがインクリメントされ、i≠であれ
ば上記ステップ32へ戻り、i=となれば処理が終了
する。
【0021】本実施例によれば、上記のように、ステッ
プ33の動作後、整定時間を待つことなく直ちにステッ
プ34の判定を行うことができるので、試験所要時間を
従来の1/10〜1/100程度に短縮することができ
る。経験上、D/A変換器10のアナログ出力が規定範
囲外となるのは抵抗値の精度不良よりもラダー抵抗12
とスイッチ群13のパスが故障である場合が殆どである
ので、本願発明の有効性は高い。また、従来構成に対し
付加された試験容易化回路は、切換回路16とコンデン
サ17とであり、構成が簡単である。
【0022】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。例えば、30での処理は、スイッチ群13内の
複数のスイッチ、例えば100個に1つのスイッチにつ
いて行ってもよい。また、スイッチ群13内の例えば1
000個毎に1個のスイッチに対しサンプル的に従来法
のみ実施して、全アナログ出力の各々が規定範囲内にあ
るかどうかを確認するようにすれば、本願発明の有効性
がさらに高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の試験容易化回路内蔵D/A
変換器の回路図である。
【図2】図1のD/A変換器に対する試験の手順を示す
フローチャートである。
【図3】従来のD/A変換器の回路図である。
【図4】試験時のD/A変換器出力電圧波形図であり、
(A)は本実施例の場合であり、(B)は従来例の場合
である。
【符号の説明】
10 D/A変換器 11 基準電圧生成回路 12 ラダー抵抗 13 スイッチ群 14 デコーダ 15 演算増幅回路 16 切換回路 20 試験回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル入力値に応じてスイッチ群がオ
    ン/オフ制御され、該スイッチ群を通った信号が出力バ
    ッファ回路を介しアナログ出力値として取り出されるD
    /A変換器において、該スイッチ群は第1a〜naスイ
    ッチを有し、該デジタル入力値により該第1a〜naス
    イッチのうちの1つを選択的にオンにすることが可能で
    あり、該出力バッファ回路は、 出力範囲が制限された演算増幅回路と、 一端が基準電位供給線に接続されたコンデンサと、 制御信号に応じて、該スイッチ群の出力を該演算増幅回
    路の非反転入力端と該コンデンサの他端との一方に導通
    させ、該コンデンサの他端と該演算増幅回路の反転入力
    端との間を導通/遮断させ、該演算増幅回路の反転入力
    端と該演算増幅回路の出力端との間を導通/遮断させる
    切換回路とを有することを特徴とするD/A変換器。
  2. 【請求項2】 前記切換回路は、 前記スイッチ群の出力を前記演算増幅回路の非反転入力
    端と前記コンデンサの他端との一方に導通させる第1b
    スイッチと、 該コンデンサの他端と該演算増幅回路の反転入力端との
    間を導通/遮断させる第2bスイッチと、 該演算増幅回路の反転入力端と該演算増幅回路の出力端
    との間を導通/遮断させる第3bスイッチとを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のD/A変換器。
  3. 【請求項3】 前記スイッチ群は、前記第1a〜naス
    イッチの各々の一端が互いに導通され、該デジタル入力
    値に応じた電位が該一端から取り出されることを特徴と
    する請求項1又は2記載のD/A変換器。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のD/A変換器に対
    し、 前記第3bスイッチをオフにし、前記スイッチ群の第1
    a〜naスイッチをオフにし、次に、 前記第2bスイッチをオフにし、かつ、前記第1bスイ
    ッチを前記コンデンサ側への導通状態にし、この状態
    で、該コンデンサを、故障検出を可能にする所定電位で
    リセットし、次いで該スイッチ群の第iaスイッチをオ
    ンにする第1ステップと、 該第1bスイッチを前記演算増幅回路側への導通状態に
    し、該スイッチ群の第iaスイッチをオフにし、該スイ
    ッチ群の第(i+1)aスイッチをオンにし、かつ、該
    第2bスイッチをオンにする第2ステップと、 該D/A変換器の出力レベルに応じて良否判定する第3
    ステップとを実質的に、i=1からiの値を1ずつ増加
    させて実行することを特徴とするD/A変換器試験方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のD/A変換器に対
    し、前記スイッチ群のうちの一部のスイッチについて
    は、該一部のスイッチの各々について、 前記第1bスイッチを前記演算増幅回路側への導通状態
    にし、前記第2bスイッチをオフにし、かつ、前記第3
    bスイッチをオンにし、この状態で、 該一部のうちの1つのスイッチのみをオンにし、該D/
    A変換器の出力が規定範囲内であるかどうかを判定する
    ことを特徴とする請求項4記載のD/A変換器試験方
    法。
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