JP3568938B2 - ディジタル・アナログ変換回路 - Google Patents

ディジタル・アナログ変換回路 Download PDF

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、簡易な動作試験機能を備えたディジタル・アナログ変換回路(以下、「D/A変換回路」という)に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
図2は、従来のD/A変換回路の試験構成図である。
【0005】
このD/A変換回路は、LSI(Large Scale Integrated−Circuit)等の集積回路に組み込まれるもので、内部の入力データDIと端子1から与えられるテストデータDTとを、端子2から与えられるモード信号MSに従って切り替えて出力するセレクタ(SEL)3を有している。セレクタ3の出力側は、ディジタルのデータをアナログの電圧に変換して出力するディジタル・アナログ変換器(以下、「DAC」という)4に接続されている。DAC4の出力側には、演算増幅器(OP)で構成したバッファ増幅器5が接続されている。バッファ増幅器5から出力されるアナログ電圧VAは、集積回路内の回路に与えられると共に、端子6から外部に出力されるようになっている。
【0006】
このようなD/A変換回路を試験する場合、端子1,2に試験治具JGを接続すると共に、端子6に電圧計VMを接続する。そして、試験治具JGから端子2に対して、試験モードに切り替えるためのモード信号MSを与える。
【0007】
次に、試験治具JGから端子1に、例えば値が0のテストデータDTを与え、端子6に接続した電圧計VMによって、この端子6に出力されるアナログ電圧VAを測定する。アナログ電圧VAが許容誤差の範囲にあれば、テストデータDTの値を1にして、端子6に出力されるアナログ電圧VAを測定する。
【0008】
このように、試験治具JGによってテストデータDTの値を順次増加させ、その都度、端子6に出力されるアナログ電圧VAを電圧計VMで測定し、所定の仕様を満たしているか否かを試験する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来のD/A変換回路では、次のような課題があった。
端子6に順次出力されるアナログ電圧VAの値を電圧計VMで測定し、試験治具JGから与えたテストデータDTと比較して良否を判定するため、試験に長時間がかかった。
【0011】
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、短時間で簡単に機能を試験することができる試験回路を備えたD/A変換回路を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本発明は、D/A変換回路において、試験動作が指定されたときに、外部から与えられる第1及び第2のテストデータをそれぞれ選択する第1及び第2の選択部と、第1及び第2の選択部で選択されたデータをそれぞれ第1及び第2のアナログ電圧に変換して出力する第1及び第2のD/A変換部と、前記第1及び第2のアナログ電圧の差分に応じた差電圧を出力する差動増幅部と、サンプル信号に従って前記差電圧を保持して保持電圧として出力する電圧保持部と、前記差電圧と前記保持電圧を比較して比較結果の信号を出力する電圧比較部とを備えている。
【0020】
発明によれば、次のような作用が行われる。
【0021】
例えば第2のテストデータの値を0に固定し、第1のテストデータの値を0から順次増加させることにより、第1の発明と同様の作用が行われ、第1のD/A変換部の機能を確認できる。また、第1のテストデータの値を0に固定し、第2のテストデータの値を0から順次増加させることにより、第2のD/A変換部の機能を確認できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0024】
図1は、第1の参考例のD/A変換回路の構成図である。
【0025】
このD/A変換回路は、LSI等の集積回路に組み込まれるもので、通常動作時の内部の入力データDIと、試験動作時に端子11から与えられるテストデータDTとを、端子12から与えられるモード信号MS1に従って切り替えて出力するセレクタ13を有している。セレクタ13の出力側は、ディジタルのデータをアナログの電圧に変換して出力するDAC14に接続されている。DAC14の出力側は、演算増幅器をボルテージ・フォロワ接続して構成したバッファ増幅器15に接続されている。
【0026】
バッファ増幅器15から出力されるアナログ電圧VAは、集積回路内の所定の回路に与えられると共に、特性試験用の端子16から外部に出力されるようになっている。更に、バッファ増幅器15の出力側は、端子17から与えられるモード信号MS2によってオン/オフされるスイッチ18を介して、比較器(CMP)19の+入力端子と電圧保持部20の入力側に接続されている。
【0027】
電圧保持部20は、端子21から与えられるサンプル信号SHに従って、入力側に与えられた電圧を保持し、保持電圧VHとして出力するものである。電圧保持部20の出力側は、比較器19の−入力端子に接続されている。比較器19は、2つの入力端子に与えられる電圧を比較し、+入力端子の電圧が−入力端子の電圧よりも高いときにレベル“H”、それ以外のときはレベル“L”の比較結果信号COを出力するものである。比較器19の出力側は、端子22に接続されている。
【0028】
図3は、図1のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。以下、この図3を参照しつつ、図1の試験時の動作を説明する。ここで、DAC14は、入力側のデータの値がi(但し、iは整数)のとき、iVのアナログ電圧VAを出力するものとする。
【0029】
動作試験に先立って、図1に示すように、試験治具JIGをこのD/A変換回路の端子11,12,17,21,22に接続する。
【0030】
まず、試験治具JIGからモード信号MS1,MS2を出力して、セレクタ13をテストデータDT側に切り替えると共に、スイッチ18をオンにする。これに引き続いて、試験治具JIGから値が0のテストデータDTを出力する。
【0031】
テストデータDTは、端子11とセレクタ13を介してDAC14へ与えられ、所定の変換時間の後、このDAC14から0Vのアナログ電圧VAが出力される。アナログ電圧VAは、スイッチ18を介して比較器19に与えられ、ここで電圧保持部20に保持されている保持電圧VHと比較される。このときの保持電圧VHは不定であるので、比較器19から出力される比較結果信号COは無視される。
【0032】
DAC14及び比較器19の安定な動作に必要な時間と、この比較器19の比較結果信号COを判定するために必要な時間の経過後、試験治具JIGからサンプル信号SHが出力される。サンプル信号SHは、端子21を介して電圧保持部20に与えられ、この電圧保持部20によって、0Vのアナログ電圧VAが保持されて0Vの保持電圧VHが出力される。これにより、比較器19に与えられる2つの電圧は等しくなり、比較結果信号COは“L”となる。
【0033】
その後、サンプル信号SHの出力は停止されるが、電圧保持部20の0Vの保持電圧VHの出力は、そのまま維持される。
【0034】
次に、試験治具JIGから出力するテストデータDTの値は、1だけ増加されて1となる。これにより、DAC14の変換時間の後、このDAC14から出力されるアナログ電圧VAは、1Vに上昇する。
【0035】
1Vに上昇したアナログ電圧VAは、比較器19と電圧保持部20に与えられる。この時点では、電圧保持部20にサンプル信号SHは与えられていないので、この電圧保持部20から出力される保持電圧VHは0Vのままである。このため、比較器19から出力される比較結果信号COは“H”となり、DAC14から出力されるアナログ信号VAが上昇したことが示される。
【0036】
その後、試験治具JIGからサンプル信号SHが出力され、電圧保持部20に1Vのアナログ電圧VAが保持されて保持電圧VHは1Vとなる。これにより、比較器19から出力される比較結果信号COは“L”に戻る。
【0037】
このように、試験治具JIGから所定の時間間隔で1ずつ増加するテストデータDTと、これに対応するタイミングでサンプル信号SHが順次出力される。そして、D/A変換回路では、電圧保持部20に保持された1つ前のテストデータDTに対応するアナログ電圧VAの保持電圧VHと、現在のテストデータDTに対応するアナログ電圧VAとが、比較器19で比較されてその比較結果信号COが出力される。従って、DAC14から出力されるアナログ電圧VAが安定したイミングで、比較結果信号COを監視して常に“H”であれば、テストデータDTの増加に応じて、順次上昇するアナログ電圧VAが出力されていると判定することができる。
【0040】
図4は、第2の参考例のD/A変換回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0041】
このD/A変換回路は、図1のD/A変換回路のスイッチ18の出力側に反転増幅部23を挿入したものである。反転増幅部23は抵抗23a,23bと演算増幅器23cで構成されている。抵抗23aの一端はスイッチ18の出力側に接続され、他端が演算増幅器23cの−入力端子に接続されている。演算増幅器23cの+入力端子は接地電位GNDに接続され、この演算増幅器23cの出力側と−入力端子の間に抵抗23bが接続されている。これにより、抵抗23a,23bの値をRa,Rbとすると、反転増幅部23の出力側には、アナログ電圧VAを−(Rb/Ra)倍にした電圧が出力される。その他の構成は、図1と同様である。
【0042】
このD/A変換回路の動作は、DAC24でアナログに変換されたアナログ電圧VAを反転増幅部23で増幅した後、比較器19で比較するようにしている他は、図1の動作と同様である。
【0045】
図5は、第3の参考例のD/A変換回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0046】
このD/A変換回路は、図1のD/A変換回路の比較器19に代えて差動増幅部24を設けたものである。差動増幅部24は抵抗24a,24b,24c,24dと演算増幅器24eで構成されている。電圧保持部20の出力側は、抵抗24aを介して演算増幅器24eの−入力端子に接続され、この演算増幅器24eの−入力端子と出力側の間に抵抗24bが接続されている。
【0047】
一方、スイッチ18の出力側は、抵抗24cを介して演算増幅器24eの+入力端子に接続され、この演算増幅器24eの+入力端子が抵抗24dを介して接地電位GNDに接続されている。そして、演算増幅器24eの出力側は端子25に接続され、この端子25から出力電圧VOが出力されるようになっている。その他の構成は、図1と同様である。
【0048】
この差動増幅器24では、例えば抵抗24a〜24dの値をすべて同一にすることにより、増幅率1の差動増幅器となり、アナログ電圧VAと保持電圧VHの差の電圧が、出力電圧VOとして端子25から出力される。
【0049】
図6は、図5のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。
【0050】
この図6に示すように、DAC14及び電圧保持部20の動作は、図1と同様である。一方、差動増幅部24では、現在のテストデータDTに対応するアナログ電圧VAと、電圧保持部20に保持された1つ前のテストデータDTに対応するアナログ電圧VAの保持電圧VHとの差の電圧が、出力電圧VOとして出力される。従って、DAC14から出力されるアナログ電圧VAが安定したタイミングで、出力電圧VOを監視して常に1V(或いは、許容誤差を含めて0.9〜1.1Vの範囲)であれば、テストデータDTの増加に応じて、アナログ電圧VAが順次上昇していると判定することができる。
【0053】
図7は、本発明の実施形態を示すD/A変換回路の構成図であり、図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0054】
このD/A変換回路は、LSI等の集積回路に組み込まれるもので2系統のD/A変換部と、これらに対する共通の試験回路を備えている。
【0055】
即ち、1系統目のD/A変換部は、内部の入力データDI1と端子11aから与えられるテストデータDT1とを、端子12から与えられるモード信号MS1に従って切り替えて出力するセレクタ13aを有している。セレクタ13aの出力側はDAC14aに接続され、このDAC14aの出力側がバッファ増幅器15aに接続されている。そして、バッファ増幅器15aからアナログ電圧VA1が出力されて、集積回路内の所定の回路と端子16aに与えられると共に、スイッチ18aの入力側に与えられるようになっている。
【0056】
同様に、2系統目のD/A変換部は、内部の入力データDI2と端子11bから与えられるテストデータDT2とを、モード信号MS1に従って切り替えて出力するセレクタ13bを有している。セレクタ13bの出力側はDAC14bに接続され、このDAC14b出力側がバッファ増幅器15bに接続されている。そして、バッファ増幅器15bからアナログ電圧VA2が出力されて、集積回路内の所定の回路と端子16bに与えられると共に、スイッチ18bの入力側に与えられるようになっている。
【0057】
スイッチ18a,18bは、端子17から与えられるモード信号MS2によってオン/オフされるもので、これらの出力側は、抵抗23a,23bと演算増幅器23cで構成された反転増幅器23に接続されている。反転増幅器23の抵抗23aの一端はスイッチ18aの出力側に接続され、他端が演算増幅器23cの−入力端子に接続されている。演算増幅器23cの+入力端子はスイッチ18bの出力側に接続され、この演算増幅器23cの出力側と−入力端子の間に抵抗23bが接続されている。この反転増幅部23では、抵抗23a,23bの値を等しく設定することにより、アナログ電圧VA2とアナログ電圧VA1の差の電圧VDが出力されるようになっている。
【0058】
反転増幅部23の出力側は、比較器19の−入力端子と電圧保持部20の入力側に接続されている。電圧保持部20は、端子21から与えられるサンプル信号SHに従って、入力側に与えられた電圧を保持して保持電圧VHとして出力するものである。電圧保持部20の出力側は、比較器19の+入力端子に接続されている。比較器19は、2つの入力端子に与えられる電圧を比較し、+入力端子の電圧が−入力端子の電圧よりも高いときに“H”、それ以外のときは“L”の比較結果信号COを出力するものである。比較器19の出力側は、端子22に接続されている。
【0059】
図8は、図7のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。以下、この図8を参照しつつ、図7の試験時の動作を説明する。ここで、DAC14a,14bは、入力側のデータの値がiのとき、それぞれiVのアナログ電圧VA1,VA2を出力するものとする。
【0060】
まず、モード信号MS1によって、セレクタ13a,13bをそれぞれテストデータDT1,DD2側に切り替えると共に、モード信号MS2によって、スイッチ18a,18bをオンにする。これに引き続いて、テストデータDT1,DT2として0を与える。
【0061】
テストデータDT1,DT2は、それぞれDAC14a,14bへ与えられ、所定の変換時間の後、これらのDAC14a,14bから0Vのアナログ電圧VA1,VA2が出力される。アナログ電圧VA1,VA2は、それぞれスイッチ18a,18bを介して反転増幅部23に与えられ、この反転増幅部23からアナログ電圧VA2とアナログ電圧VA1の差の電圧VD(この場合は、0V)が出力され、比較器19と電圧保持部20へ与えられる。
【0062】
比較器19では、電圧VDと電圧保持部20に保持されている保持電圧VHとが比較される。このときの保持電圧VHは不定であるので、比較器19から出力される比較結果信号COは無視される。
【0063】
次に、DAC14a,14b、反転増幅部23及び比較器19の安定な動作に必要な時間と、この比較器19の比較結果信号COを判定するために必要な時間の経過後、サンプル信号SHが出力される。サンプル信号SHは、電圧保持部20に与えられ、この電圧保持部20によって、電圧VD(0V)が保持されて保持電圧VHとして出力される。これにより、比較器19に与えられる2つの電圧は等しくなり、比較結果信号COは“L”となる。
【0064】
その後、サンプル信号SHの出力は停止されるが、電圧保持部20の0Vの保持電圧VHは、そのまま維持される。
【0065】
次に、テストデータDT1の値は、1だけ増加されて1となる。一方、テストデータDT2の値は0のまま固定される。これにより、DAC14aの変換時間の後、アナログ電圧VA1は1Vに上昇する。
【0066】
1Vに上昇したアナログ電圧VA1は反転増幅部23へ与えられ、この反転増幅部23から出力される電圧VDは−1Vとなる。この時点では、電圧保持部20にサンプル信号SHは与えられていないので、この電圧保持部20から出力される保持電圧VHは0Vのままである。このため、比較器19から出力される比較結果信号COは“H”となり、DAC14aから出力されるアナログ信号VA1が上昇したことが示される。
【0067】
その後、サンプル信号SHが出力され、電圧保持部20に−1Vの電圧VDが保持されて保持電圧VHは−1Vとなる。これにより、比較器19から出力される比較結果信号COは“L”に戻る。
【0068】
このように、所定の時間間隔で1ずつ増加するテストデータDT1と、これに対応するタイミングでサンプル信号SHが順次出力される。そして、電圧保持部20に保持された1つ前のテストデータDT1に対応する電圧VDの保持電圧VHと、現在のテストデータDT1に対応する電圧VD1とが、比較器19で比較されてその比較結果信号COが出力される。従って、DAC14aから出力されるアナログ電圧VA1が安定したタイミングで、比較結果信号COを監視して常に“H”であれば、D/A変換回路は、テストデータDT1の増加に応じて、順次上昇するアナログ電圧VA1が出力されていると判定することができる。
【0069】
また、テストデータDT1を0に固定して、テストデータDT2を順次増加させることにより、DAC14bの機能を試験することができる。
【0070】
以上のように、この実施形態のD/A変換回路は、DAC14a,14bから出力されるアナログ電圧VA1,VA2の差の電圧VDを外部から与えられるサンプル信号SHで保持する電圧保持部20を有している。更にこのD/A変換回路は、電圧保持部20で保持された保持電圧VHと電圧VDを比較して、比較結果信号COを出力する比較器19を有している。これにより、外部から所定のタイミングで順次増加するテストデータDT1,DT2と、これに対応したサンプル信号SHを与えることにより、テストデータDT1,DT2に対応したアナログ電圧VA1,VA2が順次生成されているか否かを、簡単かつ短時間で調べることができるという利点がある。
【0072】
図9は、第4の参考例のD/A変換回路の構成図であり、図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0073】
このD/A変換回路は、図7中の反転増幅器23、比較器19及び電圧保持部20に代えて、差動増幅部24を設けたものである。
【0074】
差動増幅部24は抵抗24a〜24dと演算増幅器24eで構成されている。スイッチ18aの出力側は、抵抗24aを介して演算増幅器24eの−入力端子に接続され、この演算増幅器24eの−入力端子と出力側の間に抵抗24bが接続されている。一方、スイッチ18bの出力側は、抵抗24cを介して演算増幅器24eの+入力端子に接続され、この演算増幅器24eの+入力端子が抵抗24dを介して接地電位GNDに接続されている。そして、演算増幅器24eの出力側は端子25に接続され、この端子25から出力電圧VOが出力されるようになっている。その他の構成は、図7と同様である。
【0075】
図10は、図9のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。以下、この図10を参照しつつ、図9の試験時の動作を説明する。
【0076】
ここでは、差動増幅部24の抵抗24a〜24dの値はすべて同一とする。これにより、差動増幅器24の増幅率は1となり、アナログ電圧VA2とアナログ電圧VA1の差の電圧が、出力電圧VOとして端子25から出力される。
【0077】
まず、モード信号MS1によって、セレクタ13a,13bをそれぞれテストデータDT1,DT2側に切り替えると共に、モード信号MS2によって、スイッチ18a,18bをオンにする。これに引き続いて、テストデータDT1の値を0、テストデータDT2の値を1を設定する。
【0078】
テストデータDT1,DT2は、それぞれDAC14a,14bへ与えられ、所定の変換時間の後、これらのDAC14a,14bからそれぞれ0V,1Vのアナログ電圧VA1,VA2が出力される。アナログ電圧VA1,VA2は、それぞれスイッチ18a,18bを介して差動増幅部24に与えられ、この差動増幅部24からアナログ電圧VA2とアナログ電圧VA1の差の出力電圧VO(この場合は、1V)が出力される。
【0079】
所定の時間後、テストデータDT1,DT2の値は1ずつ増加され、それぞれ1,2となる。これにより、差動増幅部24に与えられるアナログ電圧VA1,VA2は、それぞれ1V,2Vに上昇するが、この差動増幅部24の出力電圧VOは、1Vのままである。
【0080】
以後、一定の周期でテストデータDT1,DT2の値が1ずつ増加されるが、差動増幅部24の出力電圧VOは、1Vのままで変化しない。従って、出力電圧VOが常に1V(或いは、許容誤差を含めて0.9〜1.1Vの範囲)であるか否かを調べることにより、DAC14a,14bの動作を確認することができる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
【0083】
(a) テストデータDT,DT1,DT2を、最小値(即ち、0)から順に増加させて試験しているが、最大値から順に減少させて試験するようにしても良い。
【0084】
(b) 反転増幅部23及び差動増幅部24の増幅率を1として説明したが、この増幅率は任意である。DAC14,14a,14bの1ステップの差の電圧が小さい場合には、増幅率を高くすることによって、より正確に動作の確認をすることができる。
【0085】
【発明の効果】
【0089】
発明によれば、第1及び第2のD/A変換部から出力される第1及び第2のアナログ電圧の差分に応じた差電圧を出力する差動増幅部と、この差電圧をサンプル信号に従って保持する電圧保持部と、この電圧保持部で保持された保持電圧と差電圧を比較して比較結果の信号を出力する電圧比較部を有している。これにより、例えば、外部から所定のタイミングで順次増加するテストデータを与えて、比較結果の信号を監視することにより、D/A変換部の機能を短時間で簡単に調べることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の参考例のD/A変換回路の構成図である。
【図2】従来のD/A変換回路の試験構成図である。
【図3】図1のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。
【図4】第2の参考例のD/A変換回路の構成図である。
【図5】第3の参考例のD/A変換回路の構成図である。
【図6】図5のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。
【図7】本発明の実施形態を示すD/A変換回路の構成図である。
【図8】図7のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。
【図9】第4の参考例のD/A変換回路の構成図である。
【図10】図9のD/A変換回路の試験時の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
13,13a,13b セレクタ
14,14a,14b DAC(ディジタル・アナログ変換器)
19 比較器
20 電圧保持部
23 反転増幅部
24 差動増幅部

Claims (1)

  1. 通常動作と試験動作を切り替えるモード信号で試験動作が指定されたときに、外部から与えられる第1のテストデータを選択する第1の選択部と、
    前記モード信号によって試験動作が指定されたときに、外部から与えられる第2のテストデータを選択する第2の選択部と、
    前記第1の選択部で選択されたデータを第1のアナログ電圧に変換して出力する第1のディジタル・アナログ変換部と、
    前記第2の選択部で選択されたデータを第2のアナログ電圧に変換して出力する第2のディジタル・アナログ変換部と、
    前記第1及び第2のアナログ電圧の差分に応じた差電圧を出力する差動増幅部と、
    外部から与えられるサンプル信号に従って前記差電圧を保持して保持電圧として出力する電圧保持部と、
    前記差電圧と前記保持電圧を比較して比較結果の信号を出力する電圧比較部とを、
    備えたことを特徴とするディジタル・アナログ変換回路。
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