以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
<実施の形態1>
[半導体装置の構成例]
図1は、各実施の形態による半導体装置または半導体集積回路装置の構成の一例を示す図である。図1には、半導体装置の一例としてマイクロコンピュータの構成が示されている。
図1を参照して、マイクロコンピュータ100は、単結晶シリコン等の半導体基板(半導体チップ)上に、公知のCMOS製造方法を利用することによって形成されている。マイクロコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)120、ROM(Read Only Memory)130、およびADコンバータ140等の機能ブロックや、入出力インターフェースなどのその他の機能ブロック150を複数含む。これらの各機能ブロックは、バス170を介して相互に接続される。
CPU110は、マイクロコンピュータ100全体を制御するとともにプログラムを実行することによって演算処理などを行う。RAM120およびROM130は、CPU110の主記憶として用いられる。
ADC140は、動作モードとして、入力端子173から入力されたアナログ信号AIN0をデジタル値に変換する通常モードと、内蔵のC−DACを構成する各キャパシタの精度判定を行う検査モードとを有する。なお、入力端子173から入力されたアナログ信号AINは一旦サンプルホールド(S/H:Sample and Hold)回路(図2の参照符号50)に保持される。
マイクロコンピュータ100は、さらに、電源端子171から入力された外部電源電圧VCCに基づいて、各機能ブロック(110、120、130、150)に供給されるデジタル回路用の電源電位VDDを生成する電源回路160を含む。マイクロコンピュータ100は、さらに、ADコンバータ140に供給されるアナログ回路用の外部電源電位AVCCを受ける電源端子180、およびアナログ回路用の接地電位AGNDを受ける接地端子181などを有する。なお、本実施の形態の場合、ADコンバータ140に供給される参照電位VREFは、アナログ回路用の外部電源電位AVCCから生成され、参照電位VREFは外部電源電位AVCCと同じ電位(AVCC=VREF)とされる。参照電位VREFは、専用の外部端子を設け、その外部端子へ供給されても良い。マイクロコンピュータ100の接地端子172には、さらに、各機能ブロック(110、120、130、150)に供給されるデジタル回路用の接地電位GNDが与えられる。アナログ回路用の外部電源電位AVCCと接地電位AGNDとを、デジタル回路用の電源電位VDDと接地電位GNDとから分離して供給することは、デジタル回路の動作によって発生する電源ノイズのアナログ回路の動作への影響を低減させる。後述される図2、図8、図11、図14、図17、図20の回路には、外部電源電位AVCCと接地電位AGNDが供給される。マイクロコンピュータ100には、さらに、入出力インターフェースなどの機能ブロック150に結合されるデータ入出力端子(D1、D2)が設けられる。
[逐次比較型ADコンバータの構成]
図2は、実施の形態1による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ140の構成を示すブロック図である。図2を参照して、ADコンバータ140は、入力信号切替え部40と、比較部10と、C−DAC20と、R−DACと、サンプルホールド回路50と、劣化検出用キャパシタ部60と、制御部70とを含む。
入力信号切替え部40は、2入力1出力(信号は双方向に伝送可能なので、1入力2出力と言ってもよい)のスイッチSW_Ainを含む。スイッチSW_Ainの一方の入力ノードには、サンプルホールド回路50を介してアナログ入力信号Ainが入力される。スイッチSW_Ainの他方の入力ノードには、参照電位VREFが入力される。
比較部10は、通常モード時に用いられる増幅器(AMP:Amplifier)12と、検査モード時に用いられる比較器11と、増幅器12の入出力ノード間に接続されるスイッチSW_ampと、比較器11の2つの入力ノード間に接続されるスイッチSW_comとを含む。
C−DAC20は、上位側mビットのAD変換に用いられる。図3は、C−DACの詳細な構成を示す回路図である。図3には、m=8の場合の構成が示されている。図2および図3を参照して、C−DAC20は、信号出力線21と、電圧線22と、接地線23と、互いに並列接続される複数のキャパシタと、複数のスイッチとを含む。
信号出力線21は、比較器11の一方の入力ノードおよび増幅器12の入力ノードに接続される。電圧線22は、入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの出力ノードに接続される。接地線23には接地電位AGNDが与えられる。
8ビット用のC−DACの場合には、C−DAC20は、256個のMOSキャパシタと、512個のスイッチとを含む。各キャパシタには2個のスイッチが対応する。各キャパシタは同一のゲートサイズを有し、同一の容量を有するように設計され製造されている。256個のキャパシタは9個のグループに分類することができる。
具体的に、第1のグループ(C0グループとも称する)は、1個のMOSキャパシタC0によって構成される。キャパシタC0の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_G0およびSW_V0を介して、接地線23およびR−DAC30の出力ノード33にそれぞれ接続される。
第2のグループ(C1グループとも称する)は、1個のMOSキャパシタC1によって構成される。MOSキャパシタC1の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V1およびSW_G1を介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第3のグループ(C2グループとも称する)は、2個のMOSキャパシタC2_1およびC2_2によって構成される。MOSキャパシタC2_1の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V2_1およびSW_G2_1を介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。MOSキャパシタC2_2の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V2_2およびSW_G2_2を介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第4のグループ(C4グループとも称する)は、4個のMOSキャパシタC4_1〜C4_4によって構成される。各MOSキャパシタC4_i(i=1〜4)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V4_iおよびSW_G4_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
図3では図示を省略しているが、以下同様に、第5のグループ(C8グループとも称する)は、8個のMOSキャパシタC8_1〜C8_8によって構成される。各MOSキャパシタC8_i(i=1〜8)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V8_iおよびSW_G8_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第6のグループ(C16グループとも称する)は、16個のMOSキャパシタC16_1〜C16_16によって構成される。各MOSキャパシタC16_i(i=1〜16)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V16_iおよびSW_G16_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第7のグループ(C32グループとも称する)は、32個のMOSキャパシタC32_1〜C32_32によって構成される。各MOSキャパシタC32_i(i=1〜32)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V32_iおよびSW_G32_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第8のグループ(C64グループとも称する)は、64個のMOSキャパシタC64_1〜C64_64によって構成される。各MOSキャパシタC64_i(i=1〜64)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V64_iおよびSW_G64_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
第9のグループ(C128グループとも称する)は、128個のMOSキャパシタC128_1〜C128_128によって構成される。各MOSキャパシタC128_i(i=1〜128)の一端は信号出力線21に接続され、他端は対応のスイッチSW_V128_iおよびSW_G128_iを介して電圧線22および接地線23にそれぞれ接続される。
上記の各グループのキャパシタの個数は、上位の各ビットの重み付けに対応している。したがって、通常モード時には各グループ単位で対応するスイッチが開閉される。一方、C−DAC20を構成する各キャパシタの精度判定を行う検査モード時には、各キャパシタ単位で対応するスイッチが開閉される。
再び図2を参照して、R−DAC30は下位側nビットのAD変換に用いられる。図4は、R−DACの詳細な構成を示す回路図である。図4には、5ビットの電圧加算型のR−2Rラダー回路の構成が示されている。5ビットのうち4ビットが下位4ビット(n=4)のAD変換に用いられ、残りの1ビットがキャパシタの容量値が変化した場合の電圧調整のため(自己修復機能)に用いられる。
図2および図4を参照して、R−DAC30は、参照電位VREFが与えられる電圧線31と、接地電位AGNDが与えられる接地線32と、ノードND1〜ND5と、2入力1出力(信号は双方向に伝送可能なので、1入力2出力と言ってもよい)のスイッチSW_R1〜SW_R5と、16個の抵抗素子(抵抗値R)とを含む。
ノードND1とND2との間、ノードND2とND3との間、ノードND3とND4との間、およびノードND4とND5との間にはそれぞれ1個の抵抗素子(抵抗値R)が接続される。ノードND5は、R−DAC30の出力ノード33に接続される。ノードND1は、2個の抵抗素子(抵抗値:2×R)を介して接地線32に接続される。
スイッチSW_R1〜SW_R5の一方の入力ノードは電圧線31に接続され、他方の入力ノードは接地線32に接続される。スイッチSW_R1〜SW_R5の出力ノードは、2個の抵抗素子(抵抗値:2×R)を介してノードND1〜ND5にそれぞれ接続される。
上記の構成によれば、スイッチSW_R5のみを電圧線31に接続し、他のスイッチを接地線32に接続した場合には、(16/32)×VREFの電位が出力ノード33から出力される。スイッチSW_R4のみを電圧線31に接続し、他のスイッチを接地線32に接続した場合には、(8/32)×VREFの電位が出力ノード33から出力される。スイッチSW_R3のみを電圧線31に接続し、他のスイッチを接地線32に接続した場合には、(4/32)×VREFの電位が出力ノード33から出力される。スイッチSW_R2のみを電圧線31に接続し、他のスイッチを接地線32に接続した場合には、(2/32)×VREFの電位が出力ノード33から出力される。スイッチSW_R1のみを電圧線31に接続し、他のスイッチを接地線32に接続した場合には、(1/32)×VREFの電位が出力ノード33から出力される。さらに、上記の組合せによって、R−DAC30は、0から(31/32)×VREFまでの31通りの電位を出力可能である。
劣化検出用キャパシタ部60は、MOSキャパシタClおよびChと、スイッチSWl,SWl_G,SWl_V,SWh,SWh_G,SWh_Vとを含む。MOSキャパシタClの一端はスイッチSWlを介して電圧線61と接続され、この電圧線61を介して比較器11の他方の入力ノード(信号出力線21と異なる側)に接続される。MOSキャパシタClの他端はスイッチSWl_GおよびSWl_Vを介して接地線23およびR−DAC30の出力ノードとそれぞれ接続される。MOSキャパシタChの一端はスイッチSWhを介して電圧線61と接続される。MOSキャパシタChの他端は、スイッチSWh_GおよびスイッチSWh_Vを介して接地線23および電圧線22とそれぞれ接続される。
MOSキャパシタClおよびChは、C−DAC20を構成する各キャパシタと同じゲートサイズおよび容量を有するように設計され製造されている。これらのMOSキャパシタClおよびChは、C−DAC20を構成する各キャパシタの検査モード時にのみ使用されるので、NBTIおよびTDDBなどによる劣化が生じ難い。このため、検査モード時には、C−DAC20を構成する各キャパシタに生じる電圧を、MOSキャパシタClおよびChに生じる電圧と比較することによって、C−DAC20を構成する各キャパシタの容量が適正か否かを正確かつ簡便に判定することができる。
制御部70は、C−DAC用スイッチ駆動回路71と、逐次比較シーケンサ72と、自己診断回路73とを含む。
逐次比較シーケンサ72は、R−DAC30に含まれる各スイッチの切替えを制御するための制御信号81、入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの切替えを制御するための制御信号82、および劣化検出用キャパシタ部60に含まれる各スイッチの開閉を制御するための制御信号83を出力する。逐次比較シーケンサ72は、さらに、スイッチ駆動回路71を介して、C−DAC20に含まれる各スイッチの開閉を制御するための制御信号84を出力する。
通常モード時には、逐次比較シーケンサ72は、上記のR−DAC30、入力信号切替え部40、およびC−DAC20に含まれるスイッチの切替えを制御することによって、バイナリーサーチを用いて入力アナログ信号Ainに対応するデジタル値(コード)を決定する。
自己診断回路73は、図1のCPU110から供給された動作モード(通常モード、検査モード)を表す信号80に基づいて、逐次比較シーケンサ72を制御する。検査モード時には、逐次比較シーケンサ72は、C−DAC20、R−DAC30、および劣化検出用キャパシタ部60に含まれるスイッチの切替えを制御することによって、C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの精度判定を行う。なお、検査モード時には、入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainは、常時、参照電位VREF側に切替えられている。
[通常モード時の動作]
以下、通常モード時のADコンバータ140の動作について簡単に説明する。なお、通常モード時には、劣化検出用キャパシタ部60に含まれるスイッチは全てオフ状態である。これによって、MOSキャパシタClおよびChは回路から切り離されている。比較器11は非動作状態であり、比較器11の入力側のスイッチSW_cmpはオフ状態である。
MOSキャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0は常時オフ状態であり、スイッチSW_V0は常時オン状態である。したがって通常モード時には、キャパシタC0の一端にはR−DAC30の出力電圧が印加されている。
図5は、図2のADコンバータ140の通常モード時の動作を説明するためのタイミング図である。図2、図3および図5を参照して、通常モードでは、最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)から順番に、各ビットの値がバイナリーサーチによって決定される。図5の例では、最上位ビットは第11ビットである。第11ビット(MSB)から第4ビットまでの値は、C−DAC20の出力を切替えることによって決定される。この間、R−DAC30の出力電圧は0である。
具体的に、図5の時刻t1からt2の間で、スイッチSW_Ainの入力側がアナログ信号Ainに切替えられる。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端にはアナログ信号Ainが入力される。さらに、増幅器12の入出力ノードを接続するスイッチSW_ampはオン状態である。これによって、信号出力線21の電位は、増幅器AMPの出力ノードに等しい電位、すなわち、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t1からt2の間で、スイッチSW_Ainの入力側が参照電位VREFに切替えられる。C−DAC20のグループC128を構成する各MOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力されるように対応のスイッチが切替えられる。さらに、増幅器12の入出力ノードを接続するスイッチSW_ampがオフ状態になる。これよって、信号出力線21には、アナログ信号Ainの電位とVREF/2との電位差に応じた電位が生じる。増幅器12の出力は、信号出力線21の電位に応じてハイレベル(Hレベル)またはローレベル(Lレベル)に切り替わる。逐次比較シーケンサ72は、増幅器12の出力に基づいて入力信号Ainの第11ビットの値を決定する。ここでは、入力信号Ainの第11ビットの値を“1”とする。
次の時刻t3からt5の間で、入力信号Ainの第10ビットの値が決定される。具体的に、時刻t3からt4の間では、時刻t1からt2の間と同様に、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t4からt5の間で、C−DAC20のグループC64およびC128を構成する各キャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、グループC1〜C32を構成する各キャパシタの一端に接地電位AGNDが入力される。これによって、アナログ信号Ainの電位とコード“11000000”の対応する電位とが比較される。この結果、アナログ信号Ainの第10ビットの値が決定される。
以下同様にC−DAC20を構成するグループC1〜C128の各キャパシタの一端に入力される電位を切替えることによって、第11ビットから第4ビットまでのコードが“10000001”に決定される。第3ビットから第0ビットまでの値は、図3に示すR−DACの各スイッチを切替えることによって、バイナリーサーチを用いて決定される。以上により、入力信号Ainの電圧値に対応する12ビット分(最上位の第11ビットから最下位の第0ビット)のコードが決定される。
[検査モード時の動作]
検査モード時には、C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの精度が個別に検証される。
具体的に、第1段階では、劣化検出用キャパシタ部60を構成するキャパシタClの一端にVREF×(1/16)、すなわち1LSB(least Significant Bit)に相当する電位が入力され、キャパシタChの一端に参照電位VREFが入力される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端に参照電位VRRFが個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、1LSBに相当する容量増加が各MOSキャパシタに生じているか否かが判定される。なお、検査モード時には、増幅器12は非動作状態であり、スイッチSW_ampはオフ状態である。
次に第2段階において、劣化検出用キャパシタ部60を構成するキャパシタChの一端に参照電位VREFが入力される。キャパシタClは対応するスイッチによって回路から切り離される。一方、MOSキャパシタC0の一端にVREF×(1/16)が入力され、グループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端に参照電位VRRFが個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、1LSBに相当する容量減少が各MOSキャパシタに生じているか否かが検証される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図6は、図2のADコンバータ140の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図2、図3および図6を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSWl_GおよびSWh_Gはオフ状態で固定される。スイッチSWh_GおよびSWh_Vはオン状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DACの出力はVREF×(1/16)、すなわち1LSBに相当する電圧に固定される。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のスイッチSWhおよびSWlがオフ状態になることによって、キャパシタClおよびChは比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になることによって、信号出力線21および61は等電位に設定される。比較器11の出力には、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21および61に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のスイッチSWhおよびSWlがオン状態になることによって、キャパシタClおよびChは比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSWhおよびSWlがオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量増加が生じているか否かが判定される。
図7は、図2のADコンバータ140の検査モード時(第2段階)の動作を説明するための図である。図2、図3および図7を参照して、第2段階も第1段階と同様に、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。検査モード時(第2段階)では、劣化検出用キャパシタ部60のMOSキャパシタClは使用されないので、スイッチSWlはオフ状態に固定される。劣化検出用キャパシタ部60の他のスイッチの開閉状態は第1段階と同じである。第1段階と同様に、R−DACの出力はVREF×(1/16)、すなわち1LSBに相当する電圧に固定される。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になる。劣化検出用キャパシタ部60のスイッチSWhがオフ状態になることによって、キャパシタClは比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC0〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。これによって、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力は参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。劣化検出用キャパシタ部60のスイッチSWhがオン状態になることによって、キャパシタChは比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように対応のスイッチSW_G128_128,SW_V128_128が切替えられるとともに、キャパシタC0の一端にVREF×1/16が入力されるように対応のスイッチSW_G0,SW_V0が切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSWhおよびSWlがオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、キャパシタC0の一端にVREF×1/16が入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量減少が生じているか否かが判定される。上記のように第1段階および第2段階の精度判定を各MOSキャパシタに対して行うことによって、各MOSキャパシタの容量値の精度が±1LSBの範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
[実施の形態1の効果]
以上のとおり、実施の形態1による半導体装置に含まれるADコンバータ140によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±1LSB内の精度に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<実施の形態2>
図8は、実施の形態2による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ141の構成を示すブロック図である。図8のADコンバータ141は、比較部10Aに増幅器12およびスイッチSW_ampのみが設けられ、比較器11およびスイッチSW_cmpが設けられていない点で図2のADコンバータ141と異なる。さらに、図8のADコンバータ141は、劣化検出用キャパシタ部60を構成するMOSキャパシタChおよびClの一端がそれぞれ対応するスイッチSWhおよびSWlを介して信号出力線21に接続されている点で、図2のADコンバータ140と異なる。
図8のその他の点は図2と同じなので同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。さらに、ADコンバータ141の通常モード時の動作は、実施の形態1のADコンバータ140の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
検査モード時の動作は第1段階と第2段階に分かれる。第1段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60を構成するキャパシタClの一端にVREF×(1/16)、すなわち1LSBに相当する電位が入力され、キャパシタChの一端に参照電位VREFが入力される。その他のMOSキャパシタの各一端には接地電位AGNDが入力される。このとき、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタ(ClおよびChを含む)の一端が接地電位AGNDに切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。
検査モード時の第2段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60を構成するキャパシタChの一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタ(Clを含む)の各一端には接地電位AGNDが入力される。このとき、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、劣化検出用キャパシタ部60を構成するキャパシタClの一端に参照電位VREF×(1/16)が入力され、その他のMOSキャパシタ(Chを含む)の各一端には接地電位AGNDが入力される。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図9は、図8のADコンバータ141の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図8および図9を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSWlおよびSWhはオン状態で固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DACの出力はVREF×(1/16)、すなわち1LSBに相当する電圧に固定される。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタClの一端には、対応するスイッチSWl_VおよびSWl_Gが切替えられることによってVREF×(1/16)が入力される。キャパシタChの一端には、対応するスイッチSWh_VおよびSWh_Gが切替えられることによって参照電位VREFが入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタClおよびChの一端には対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタClの一端にはVREF×(1/16)が入力され、キャパシタChの一端にはVREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端(ClおよびChを含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量増加が生じているか否かが判定される。
図10は、図8のADコンバータ141の検査モード時(第2段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図8および図10を参照して、第2段階においても同様に、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。スイッチSWlおよびSWhはオン状態で固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DACの出力はVREF×(1/16)、すなわち1LSBに相当する電圧に固定される。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタClの一端には、対応するスイッチSWl_VおよびSWl_Gが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。キャパシタChの一端には、対応するスイッチSWh_VおよびSWh_Gが切替えられることによって参照電位VREFが入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタClの一端には、対応するスイッチSWl_VおよびSWl_Gが切替えられることによってVREF×(1/16)が入力される。キャパシタChの一端には、対応するスイッチSWh_VおよびSWh_Gが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、キャパシタClの一端には接地電位AGNDが入力され、キャパシタChの一端にはVREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。さらに、スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、キャパシタClの一端にVREF×(1/16)の電位が入力され、その他のMOSキャパシタの一端(Chを含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量減少が生じているか否かが判定される。上記のように第1段階および第2段階の精度判定を各MOSキャパシタに対して行うことによって、各MOSキャパシタの容量値の精度が±1LSBの範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
以上のとおり、実施の形態2による半導体装置に含まれるADコンバータ141によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±1LSB内の精度に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<実施の形態3>
図11は、実施の形態3による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ142の構成を示すブロック図である。図11のADコンバータ142は、劣化検出用キャパシタ部60AにMOSキャパシタChおよびClに代えてC+およびC−が設けられる点で図2のADコンバータ140と異なる。キャパシタC+の容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値よりもΔCだけ大きい。キャパシタC−の容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値よりもΔCだけ小さい。容量値の差ΔCは、1LSBまたはそれよりも小さい精度に設定される。
図11に示すように、劣化検出用キャパシタ部60Aは、MOSキャパシタC−およびC+と、スイッチSW−,SW−_G,SW−_V,SW+,SW+_G,SW+_Vとを含む。MOSキャパシタC−の一端はスイッチSW−を介して電圧線61と接続され、この電圧線61を介して比較器11の他方の入力ノード(信号出力線21と異なる側)に接続される。MOSキャパシタC−の他端はスイッチSW−_GおよびSW−_Vを介して接地線23および電圧線22とそれぞれ接続される。MOSキャパシタC+の一端はスイッチSW+を介して電圧線61と接続される。MOSキャパシタC+の他端は、スイッチSW+_GおよびスイッチSW+_Vを介して接地線23および電圧線22とそれぞれ接続される。
図11のその他の点は図2と同じなので同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。さらに、ADコンバータ142の通常モード時の動作は、実施の形態1のADコンバータ140の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
検査モード時の動作は第1段階と第2段階とに分かれる。具体的に、第1段階では、劣化検出用キャパシタ部60Aを構成するキャパシタC+の一端に参照電位VREFが入力される。キャパシタC−は対応するスイッチによって回路から切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端に参照電位VRRFが個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、ΔCを超える容量増加が各MOSキャパシタに生じているか否かが判定される。なお、検査モード時には、増幅器12は非動作状態であり、スイッチSW_ampはオフ状態である。
第2段階では、劣化検出用キャパシタ部60Aを構成するキャパシタC−の一端に参照電位VREFが入力される。キャパシタC+は対応するスイッチによって回路から切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端に参照電位VRRFが個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、ΔCを超える容量減少が各MOSキャパシタに生じているか否かが判定される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図12は、図11のADコンバータ142の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図11および図12を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSW−_G、SW−_V、SW−はオフ状態で固定される。すなわち、MOSキャパシタC−は回路から切り離される。スイッチSW+_Gはオフ状態に固定され、スイッチSW+_Vはオン状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30は不使用である。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60AのスイッチSW+がオフ状態になることによって、キャパシタC+は比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になることによって、信号出力線21および61は等電位に設定される。比較器11の出力には、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21および61に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60AのスイッチSW+がオン状態になることによって、キャパシタC+は比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、ΔCを超える容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSW+がオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、ΔCを超える容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様にΔCを超える容量増加が生じているか否かが判定される。
図13は、図11のADコンバータ142の検査モード時(第2段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図11および図13を参照して、検査モード時(第2段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第2段階では、スイッチSW+_G、SW+_V、SW+はオフ状態で固定される。すなわち、MOSキャパシタC+は回路から切り離される。スイッチSW−_Gはオフ状態に固定され、スイッチSW−_Vはオン状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30は不使用である。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60AのスイッチSW−がオフ状態になることによって、キャパシタC−は比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になることによって、信号出力線21および61は等電位に設定される。比較器11の出力には、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21および61に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60AのスイッチSW−がオン状態になることによって、キャパシタC−は比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、ΔCを超える容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSW−がオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、ΔCを超える容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様にΔCを超える容量減少が生じているか否かが判定される。
以上のとおり、実施の形態3による半導体装置に含まれるADコンバータ142によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±ΔCの誤差範囲内(すなわち、±1LSB以内の精度)に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<実施の形態4>
図14は、実施の形態4による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ143の構成を示すブロック図である。図14のADコンバータ143は、劣化検出用キャパシタ部60AにMOSキャパシタChおよびClに代えてC+およびC−が設けられる点で、図8に示す実施の形態2によるADコンバータ141と異なる。キャパシタC+の容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値よりもΔCだけ大きい。キャパシタC−の容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値よりもΔCだけ小さい。容量値の差ΔCは、1LSBまたはそれよりも小さい精度に設定される。
図14に示す劣化検出用キャパシタ部60Aの構成は、図11の場合と同じであるので説明を繰り返さない。図14のその他の点は図8と同じなので同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。さらに、ADコンバータ143の通常モード時の動作は、実施の形態1のADコンバータ141の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
検査モード時の動作は第1段階と第2段階とに分かれる。具体的に、第1段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60Aを構成するキャパシタC+の一端に参照電位VREFが入力される。キャパシタC−は対応するスイッチによって回路から切り離されている。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの一端に接地電位AGND入力される。このとき、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタ(C+を含む)の一端が接地電位AGNDに切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、ΔCを超える容量増加が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。
第2段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60Aを構成するキャパシタC−の一端に参照電位VREFが入力される。キャパシタC+は対応するスイッチによって回路から切り離されている。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの一端に接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタ(C−を含む)の一端が接地電位AGNDに切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、ΔCを超える容量減少が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図15は、図14のADコンバータ143の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図14および図15を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSW−_G、SW−_V、SW−はオフ状態で固定される。すなわち、MOSキャパシタC−は回路から切り離される。スイッチSW+はオン状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30は不使用である。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC+の一端には、対応するスイッチSW+_VおよびSW+_Gが切替えられることによって参照電位VREFが入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC+の一端には対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、ΔCを超える容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC+の一端にはVREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端(C+を含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、ΔCを超える容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様にΔCを超える容量増加が生じているか否かが判定される。
図16は、図14のADコンバータ143の検査モード時(第2段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図14および図16を参照して、検査モード時(第2段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第2段階では、スイッチSW+_G、SW+_V、SW+はオフ状態で固定される。すなわち、MOSキャパシタC+は回路から切り離される。スイッチSW−はオン状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R+DAC30は不使用である。入力信号切替え部40のスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC−の一端には、対応するスイッチSW−_VおよびSW−_Gが切替えられることによって参照電位VREFが入力される。C+DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC−の一端には対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチが切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、ΔCを超える容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタC−の一端にはVREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端(C−を含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、ΔCを超える容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様にΔCを超える容量減少が生じているか否かが判定される。
以上のとおり、実施の形態4による半導体装置に含まれるADコンバータ143によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±ΔCの誤差範囲内(すなわち、±1LSB以内の精度)に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<実施の形態5>
図17は、実施の形態5による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ144の構成を示すブロック図である。図17のADコンバータ144は、劣化検出用キャパシタ部60BにMOSキャパシタChおよびClに代えて単一のキャパシタCdが設けられる点で図2のADコンバータ140と異なる。キャパシタCdの容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値に等しくなるように設計され製造される。
図17に示すように、劣化検出用キャパシタ部60Bは、MOSキャパシタCdと、スイッチSWd,SWd_G,SWd_V,SWd_Rとを含む。MOSキャパシタCdの一端はスイッチSWdを介して電圧線61と接続され、この電圧線61を介して比較器11の他方の入力ノード(信号出力線21と異なる側)に接続される。MOSキャパシタCdの他端は、スイッチSWd_Gを介して接地線23に接続され、スイッチSWd_Vを介して参照電位VREFが入力され、スイッチSWd_Rを介してR−DAC30の出力ノード33に接続される。
図17のADコンバータ144は、さらに、入力信号切替え部40Aに設けられるスイッチSW_Ainが3入力1出力(信号の双方向に伝送可能なので1入力3出力と言ってもよい)に変更さされる点で、図2のADコンバータ140と異なる。スイッチSW_Ainの第1の入力ノードには、サンプルホールド回路50を介してアナログ入力信号Ainが入力される。スイッチSW_Ainの第2の入力ノードには、参照電位VREFが入力される。スイッチSW_Ainの第3の入力ノードには、R−DAC30の出力電圧が入力される。スイッチSW_Ainの出力ノードは電圧線22に接続される。
図17のその他の点は図2と同じなので同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。さらに、ADコンバータ144の通常モード時の動作は、実施の形態1のADコンバータ140の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
検査モード時の動作は第1段階と第2段階とに分かれる。具体的に、第1段階では、劣化検出用キャパシタ部60Bを構成するキャパシタCdの一端にスイッチSWd_Vを介して参照電位VREFが入力される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端には、R−DAC30から出力されるVRRF×(15/16)が個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、1LSBに相当する容量増加が各MOSキャパシタに生じているか否かが判定される。なお、検査モード時には、増幅器12は非動作状態であり、スイッチSW_ampはオフ状態である。
第2段階では、劣化検出用キャパシタ部60Bを構成するキャパシタCdの一端にスイッチSWD_Rを介してVRRF×(15/16)が入力される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各MOSキャパシタの一端には参照電位VRRFが個別に入力される。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較される。これによって、1LSBに相当する容量減少が各MOSキャパシタに生じているか否かが判定される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図18は、図17のADコンバータ144の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図17および図18を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSWd_GおよびSWd_Rはオフ状態に固定される。スイッチSWd_Vはオン状態に固定される。これによって、劣化検出用キャパシタ部60BのキャパシタCdの一端には参照電位VREFが入力される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30からはVREF×(15/16)の電位が出力される。入力信号切替え部40AのスイッチSW_Ainの入力側はR−DAC30の出力に固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60BのスイッチSWdがオフ状態になることによって、キャパシタCdは比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になることによって、信号出力線21および61は等電位に設定される。比較器11の出力には、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21および61に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60BのスイッチSWdがオン状態になることによって、キャパシタCdは比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端にVREF×(15/16)が入力されるように、対応のスイッチSW_G128_128およびSW_V128_128が切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSWdがオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端にVREF×(15/16)が入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量増加が生じているか否かが判定される。
図19は、図17のADコンバータ144の検査モード時(第2段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図17および図19を参照して、検査モード時(第2段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第2段階では、スイッチSWd_GおよびSWd_Vはオフ状態に固定される。スイッチSWd_Rはオン状態に固定される。これによって、劣化検出用キャパシタ部60BのキャパシタCdの一端はR−DAC30の出力ノード33に接続される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30からはVREF×(15/16)の電位が出力される。入力信号切替え部40AのスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60BのスイッチSWdがオフ状態になることによって、キャパシタCdは比較器11の入力ノードから切り離される。C−DAC20のグループC1〜C128を構成する各キャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。比較器11の入力ノード側のスイッチSW_cmpがオン状態になることによって、信号出力線21および61は等電位に設定される。比較器11の出力には、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位が生じる。なお、信号出力線21および61に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60BのスイッチSWdがオン状態になることによって、キャパシタCdは比較器11の入力ノードに接続される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチSW_G128_128およびSW_V128_128が切替えられる。このとき、比較器11によって信号出力線21の電位と電圧線61の電位とが比較されることによって、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、信号出力線21および61は等電位に設定され、比較器11の出力が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_cmpがオフ状態に切替えられ、スイッチSWdがオン状態に切替えられ、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量減少が生じているか否かが判定される。
以上のとおり、実施の形態5による半導体装置に含まれるADコンバータ144によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±1LSB内の精度に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<実施の形態6>
図20は、実施の形態6による半導体装置に設けられる逐次比較型ADコンバータ145の構成を示すブロック図である。図20のADコンバータ145は、劣化検出用キャパシタ部60BにMOSキャパシタChおよびClに代えて単一のキャパシタCdが設けられる点で図8のADコンバータ141と異なる。キャパシタCdの容量値は、C−DAC20に設けられている各キャパシタの容量値に等しくなるように設計され製造される。
図20に示すように、劣化検出用キャパシタ部60Bは、MOSキャパシタCdと、スイッチSWd,SWd_G,SWd_V,SWd_Rとを含む。これらの要素の接続は、図17の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
図20のADコンバータ145は、さらに、入力信号切替え部40Aに設けられるスイッチSW_Ainの構成が異なる。具体的には図17の場合と同じであるので説明を繰り返さない。図20のその他の点は図8と同じなので同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。さらに、ADコンバータ145の通常モード時の動作は、実施の形態1のADコンバータ141の場合と同じであるので説明を繰り返さない。
検査モード時の動作は第1段階と第2段階とに分かれる。具体的に、第1段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60Bを構成するキャパシタCdの一端に参照電位VREFが入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの一端に接地電位AGND入力される。このとき、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端にVREF×15/16が入力され、その他のMOSキャパシタ(Cdを含む)の一端が接地電位AGNDに切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。
第2段階では、最初に、劣化検出用キャパシタ部60Bを構成するキャパシタCdの一端にVREF×15/16が入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの一端に接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampが接続されることによって、信号出力線21の電位が、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次に、増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampをオフ状態に切替えるとともに、検査対象のMOSキャパシタの一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタ(Cdを含む)の一端が接地電位AGNDに切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少が検査対象のMOSキャパシタに生じているか否かが判定される。以下、図面を参照して具体的に説明する。
図21は、図20のADコンバータ145の検査モード時(第1段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図20および図21を参照して、検査モード時(第1段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第1段階では、スイッチSWdはオン状態に固定され、スイッチSWd_Rはオフ状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30からはVREF×(15/16)の電位が出力される。入力信号切替え部40AのスイッチSW_Ainの入力側はR−DAC30の出力に固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端には、対応するスイッチSWd_VおよびSWd_Gが切替えられることによって参照電位VREFが入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端には対応するスイッチSWd_VおよびSWd_Gが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端にVREF×(15/16)が入力されるように、対応のスイッチSW_G128_128およびSW_V128_128が切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端にはVREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端にVREF×(15/16)が入力され、その他のMOSキャパシタの一端(Cdを含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量増加がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量増加が生じているか否かが判定される。
図22は、図20のADコンバータ145の検査モード時(第2段階)の動作を説明するためのタイミング図である。図3、図20および図22を参照して、検査モード時(第2段階)では、MOSキャパシタC128_128からMOSキャパシタC1まで、順に個別に各キャパシタの容量値の精度が判定される。第2段階では、スイッチSWdはオン状態に固定され、スイッチSWd_Vはオフ状態に固定される。キャパシタC0に接続されるスイッチSW_G0はオン状態に固定され、スイッチSW_V0はオフ状態に固定される。R−DAC30からはVREF×(15/16)の電位が出力される。入力信号切替え部40AのスイッチSW_Ainの入力側は参照電位VREFに固定される。
まず、時刻t21から時刻t23の間に、キャパシタC128_128の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t21からt22の間に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端には、対応するスイッチSWd_RおよびSWd_Gが切替えられることによってVREF(15/16)が入力される。C−DAC20を構成する各MOSキャパシタの各一端にはそれぞれ対応するスイッチが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。増幅器12の入出力ノード間のスイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位は、参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。なお、信号出力線21に所定の電位を与えるようにしてもよい。
次に時刻t22からt23の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられる。これとともに、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端には対応するスイッチSWd_VおよびSWd_Gが切替えられることによって接地電位AGNDが入力される。さらに、判定対象のキャパシタC128_128の一端に参照電位VREFが入力されるように、対応のスイッチSW_G128_128およびSW_V128_128が切替えられる。このときの増幅器12の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_128に生じているか否かが判定される。
次の時刻t23からt25の間でMOSキャパシタC128_127の容量値の精度が判定される。具体的に、時刻t23からt24の間では、時刻t21からt22の間と同様に、劣化検出用キャパシタ部60のキャパシタCdの一端にはVREF×(15/16)が入力され、その他のMOSキャパシタの一端には接地電位AGNDが入力される。スイッチSW_ampがオン状態になることによって、信号出力線21の電位が参照電位VREFと接地電位AGNDとの中間の基準電位に設定される。次の時刻t24からt25の間で、スイッチSW_ampがオフ状態に切替えられるとともに、判定対象のキャパシタC128_127の一端に参照電位VREFが入力され、その他のMOSキャパシタの一端(Cdを含む)の一端に接地電位AGNDが入力される。このときの比較器11の出力に基づいて、1LSBに相当する容量減少がキャパシタC128_127に生じているか否かが判定される。
MOSキャパシタC128_126からC1までの各容量値についても、上記と同様に1LSBに相当する容量減少が生じているか否かが判定される。
以上のとおり、実施の形態6による半導体装置に含まれるADコンバータ145によれば、C−DAC20を構成する各キャパシタが±1LSB内の精度に収まっているか否かを、自己診断することができ、ユーザの利便性を高めることができる。なお、R−DAC30の出力を調整することによって、精度劣化しているキャパシタの出力を補正する自己修復機能を実現することも可能である。
<変形例>
上記の各実施の形態のADコンバータは、主DACとしてC−DACを含み、副DACとしてR−DACを含む構成について説明したが、主DACのみを含む構成または主DACおよび副DACともにC−DACによって構成される場合にも、上記のMOSキャパシタの精度判定を適用することができる。ただし、実施の形態1および2の場合には、1LSBに相当するVREF×(1/16)の電位を外部または内部の基準電位生成回路から供給する必要がある。実施の形態5および6の場合には、VREF×(15/16)の電位を外部または内部の基準電位生成回路から供給する必要がある。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。