JP3528997B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JP3528997B2 JP32709995A JP32709995A JP3528997B2 JP 3528997 B2 JP3528997 B2 JP 3528997B2 JP 32709995 A JP32709995 A JP 32709995A JP 32709995 A JP32709995 A JP 32709995A JP 3528997 B2 JP3528997 B2 JP 3528997B2
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岡 英 登 松
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田 智 明 下
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • C08G64/307General preparatory processes using carbonates and phenols

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリカーボネートの製造
方法に関し、さらに詳しくはポリカーボネートの製造工
程で副生される芳香族ヒドロキシ化合物をポリカーボネ
ート製造用原料であるジアリールカーボネートの製造に
再利用してポリカーボネートを効率よく製造する方法に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ジフェニルカーボネートなどのジ
アリールカーボネートと、芳香族ジヒドロキシ化合物と
を溶融重縮合させることによりポリカーボネート類を生
産しうることはよく知られている。ジアリールカーボネ
ートと、芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させるに際
しては、アミン類などの含窒素塩基性化合物、アルカリ
金属化合物(またはアルカリ土類金属化合物)などの触
媒が用いられている。この溶融重縮合法は、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる界面法
(溶液法)と比較して安価にポリカーボネートを製造す
ることができるという利点を有するとともに、ホスゲン
などの毒性物質を用いないので、環境衛生上好ましい。
【0003】このようにして得られるポリカーボネート
は、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、
透明性などにも優れており、各種機械部品、光学用ディ
スク、自動車部品などの用途に広く用いられている。
【0004】ところでポリカーボネート製造用原料とし
て用いられるジアリールカーボネートは、ジアルキルカ
ーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させるこ
とにより得られることが知られている。たとえばジメチ
ルカーボネートとフェノールとを反応させると、下記の
ようにジフェニルカーボネートが得られる。
【0005】
【化1】
【0006】また上記のような反応では、目的生成物で
あるジアリールカーボネート以外にもアルキル芳香族エ
ーテルが副生することが知られており、たとえばジメチ
ルカーボネートとフェノールとを反応させると、低選択
率であるがアニソールが副生されることが知られてい
る。
【0007】
【化2】
【0008】このアニソールは、反応生成物であるメチ
ルフェニルカーボネートの脱炭酸反応によって生成する
と考えられている。上記のようなポリカーボネートの製
造方法では、反応生成物であるポリカーボネートととも
にフェノールなどの芳香族ヒドロキシ化合物も副生され
る。
【0009】したがってポリカーボネートを経済的に製
造するには、ポリカーボネート製造工程において副生さ
れた芳香族ヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート
製造工程に循環して再利用すればよいことになる。
【0010】本発明者は、このようなポリカーボネート
の製造方法について研究したところ、ポリカーボネート
製造工程から回収された芳香族ヒドロキシ化合物をその
ままジアリールカーボネートの反応系に循環再利用しな
がら連続運転を行なうと、ジアリールカーボネートの反
応効率が低下してくることを見出した。本発明者はこの
原因についてさらに検討したところ、ジアルキルカーボ
ネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応では、上述し
たようにアニソールなどのアルキル芳香族エーテルが副
生されるが、このアルキル芳香族エーテルの副生反応
は、アルキルアリールカーボネートの熱分解反応である
と考えられているにもかかわらずポリカーボネート製造
工程から循環された芳香族ヒドロキシ化合物(特にフェ
ノール)中にアミンなどの含窒素塩基性化合物触媒が残
存していると、アルキル芳香族エーテルの副生量が増加
してしまうことを見出した。
【0011】そしてこのような知見に基づいて、含窒素
塩基性化合物触媒を用いたポリカーボネート製造工程か
ら回収される芳香族ヒドロキシ化合物から含窒素塩基性
化合物を分離除去した後に、ジアリールカーボネート製
造工程に循環再利用することによってポリカーボネート
を生産性よく製造することができることを見出して本発
明を完成するに至った。
【0012】
【発明の目的】本発明は、ポリカーボネートの製造によ
って副生されるフェノールなどの芳香族ヒドロキシ化合
物を有効に再利用して、アルキル芳香族エーテルの生成
を抑制しながらジアリールカーボネートを製造し、次い
でこのジアリールカーボネートを用いてポリカーボネー
トを生産性よく製造することができるポリカーボネート
の製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係るポリカーボネートの製造方
法は、[I]ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキ
シ化合物とを、触媒の存在下に反応させて、副生アルコ
ール類および副生ジアルキルカーボネートを反応系外に
留去させながらジアリールカーボネートを製造する工程
と、[II]得られたジアリールカーボネートと芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とを、少なくとも含窒素塩基性化合物
を含む触媒の存在下に溶融重縮合反応させてポリカーボ
ネートを製造するとともに、副生された芳香族ヒドロキ
シ化合物を反応系外へ留去する工程と、[III]上記工
程で副生された芳香族ヒドロキシ化合物から含窒素塩基
性化合物を分離除去した後、得られた芳香族ヒドロキシ
化合物を前記工程[I]に循環させる工程と、からなる
ことを特徴としている。
【0014】上記工程[III]において、前記工程
[I]に循環させる芳香族ヒドロキシ化合物の含窒素塩
基性化合物含有量は、10-4モル以下であることが望ま
しい。上記のジアルキルカーボネートは、ジメチルカー
ボネートまたはジエチルカーボネートであることが好ま
しい。
【0015】芳香族ヒドロキシ化合物は、フェノール、
m-および/またはp-クレゾールであることが好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】本発明に係るポリカーボネートの
製造方法は、[I]ジアルキルカーボネートと芳香族ヒ
ドロキシ化合物とを、触媒の存在下に反応させて、副生
アルコール類および副生ジアルキルカーボネートを反応
系外に留去させながらジアリールカーボネートを製造す
る工程と、[II]得られたジアリールカーボネートと芳
香族ジヒドロキシ化合物とを、少なくとも含窒素塩基性
化合物を含む触媒の存在下に溶融重縮合反応させてポリ
カーボネートを製造するとともに、副生された芳香族ヒ
ドロキシ化合物を反応系外へ留去する工程と、[III]
上記工程で副生された芳香族ヒドロキシ化合物から含窒
素塩基性化合物を分離除去した後、得られた芳香族ヒド
ロキシ化合物を前記工程[I]に循環させる工程と、か
らなることを特徴としている。
【0017】図1に本発明に係るポリカーボネートの製
造方法のプロセスフロー図を示す。以下に上記のような
各工程について詳細に説明する。[I]ジアリールカーボネートの製造 本発明では、工程[I]において、ジアルキルカーボネ
ートと芳香族ヒドロキシ化合物とを、触媒の存在下に反
応させて、副生アルコール類および副生ジアルキルカー
ボネートを反応系外に留去しながらジアリールカーボネ
ートを製造している。
【0018】ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキ
シ化合物とを反応させると、下記のようにアルキルアリ
ールカーボネート、ジアリールカーボネートまたはこれ
らの混合物が生成される。
【0019】ジアリールカーボネートは一旦アルキルア
リールカーボネートを製造し、次いでこのアルキルアリ
ールカーボネートからジアリールカーボネートを製造す
ることが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】ジアリールカーボネート製造工程[I]で
用いられるジアルキルカーボネートは、下記式(i) で示
される。
【0022】
【化4】
【0023】(Ra、Rbはアルキル基、アルケニル基、
脂環族基、アラールキル基であり、R aとRbとはそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよく、RaとRbとで環
を構成していてもよい。) Ra、Rbとしては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などのアルキ
ル基、アリル基、ブテニル基などのアルケニル基、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基などの脂環族基、シ
クロヘキシルメチル基などの脂環族基含有アルキル基、
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェ
ニルブチル基、メチルベンジル基などのアラールキル基
などが挙げられる。
【0024】さらにこれらの基は、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲンで置換されていて
もよく、不飽和結合を有していてもよい。このような式
(i) で示されるジアルキルカーボネートとしては、たと
えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
プロピルカーボネート、ジアリルカーボネート、ジブテ
ニルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジペンチル
カーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジヘプチルカ
ーボネート、ジオクチルカーボネート、ジノニルカーボ
ネート、ジデシルカーボネート、メチルエチルカーボネ
ート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカー
ボネート、エチルプロピルカーボネート、エチルブチル
カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メ
トキシエチル)カーボネート、ジ(クロロエチル)カー
ボネート、ジ(シアノエチル)カーボネート、ジシクロ
ペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネー
ト、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボ
ネート、ジフェネチルカーボネート、ジ(フェニルプロ
ピル)カーボネート、ジ(フェニルブチル)カーボネー
ト、ジ(クロロベンジル)カーボネート、ジ(メトキシ
ベンジル)カーボネートなどが挙げられる。
【0025】これらを2種以上組み合わせて用いること
もできる。これらのうちでも、Ra、Rbがそれぞれ炭素
数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネート
が好ましく、さらにジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネートが好ましく、特にジメチルカーボネートが好
ましい。
【0026】またジアリールカーボネート製造工程
[I]で用いられる芳香族ヒドロキシ化合物は、下記一
般式(ii)で示される。 Ar1OH … (ii) Ar1 は一価の芳香族基であり、芳香族基は置換基を有
していてもよい。
【0027】このような芳香族モノヒドロキシ化合物と
しては、たとえばフェノール、クレゾール、キシレノー
ル、トリメチルフェノール、テトラメチルフェノール、
エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノ
ール、ジエチルフェノール、メチルエチルフェノール、
メチルプロピルフェノール、ジプロピルフェノール、メ
チルブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシル
フェノール、シクロヘキシルフェノールなどのアルキル
フェノール類、メトキシフェノール、エトキシフェノー
ルなどのアルコキシフェノール類、ナフトール類、置換
ナフトール類、
【0028】
【化5】
【0029】(ここでR4 、R5 、R6 、R7 はそれぞ
れ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基であり、これらはハロゲン原子、
アルコキシ基で置換されていてもよい。またkは3〜1
1の整数であって、水素原子は低級アルキル基、アリー
ル基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。) また芳香環は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エ
ステル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、シア
ノ基などの置換基によって置換されていてもよい。〕 ヒドロキシピリジン、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシ
キノリンなどのヘテロ芳香族ヒドロキシ化合物類などが
挙げられる。
【0030】さらに芳香族ジヒドロキシ化合物を用いる
こともでき、たとえばハイドロキノン、レゾルシン、カ
テコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアン
トラセン、およびこれらのアルキル置換体、下記式で示
される芳香族ジヒドロキシ化合物類を用いることができ
る。
【0031】
【化6】
【0032】(Aは、上記Aと同様であり、芳香環は、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、シアノ基などの置換
基によって置換されていてもよい。) 本発明では、これらのうちでも、上記式(ii)中のAr1
が炭素数6〜10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロ
キシ化合物が好ましく、フェノール、m-および/または
p-クレゾールが好ましく、特にフェノールが好ましい。
また芳香族ヒドロキシ化合物を2種以上組み合わせて用
いることもできる。
【0033】ジアリールカーボネートの製造工程[I]
において、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ
化合物との反応によって得られるジアリールカーボネー
トとしては、具体的にたとえば、ジフェニルカーボネー
ト、ジトリールカーボネート、フェニルトリルカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジ
ルカーボネート、ジ(エチルフェニル)カーボネート、
フェニル(エチルフェニル)カーボネート、ジナフチル
カーボネート、ジ(ヒドロキシフェニル)カーボネー
ト、ジ〔2-(ヒドロキシフェニルプロピル)フェニル〕
カーボネートなどが挙げられる。
【0034】これらのうちでも、ジフェニルカーボネー
ト、ジトリルカーボネート、フェニルトリルカーボネー
トを製造することが好ましく、特にジフェニルカーボネ
ートを製造することが好ましい。
【0035】なおジアルキルカーボネートと芳香族ヒド
ロキシ化合物との反応では、Ar1ORaまたはAr1
bで示されるようなアルキル芳香族エーテルが副生さ
れる。たとえばジメチルカーボネートとフェノールとを
反応させたときには、アルキル芳香族エーテルとしてア
ニソールが副生される。
【0036】
【化7】
【0037】上記のようなジアルキルカーボネートと芳
香族ヒドロキシ化合物との反応は、触媒の存在下に、通
常液状状態で行われる。
【0038】本発明では、この触媒として、ジアリール
カーボネート類を製造しうる触媒であれば公知の触媒を
特に限定することなく広く用いることができる。本発明
で用いられる触媒は、反応条件において反応液に溶解し
うるものであってもよく(均一系)、反応液に溶解しえ
ないものであってもよい(不均一系)。
【0039】触媒としては、たとえばルイス酸類、有機
スズ化合物、鉛化合物、銅族金属化合物、アルカリ金属
錯体、亜鉛錯体、鉄族金属化合物、ジルコニウム錯体、
固体触媒などが挙げられる。より具体的には、ルイス酸
類としては、AlX3 、TiX3 、TiX4 、VO
3 、VX5 、ZnX2 、FeX3 、SnX4 (ここ
で、Xはハロゲン、アセトキシ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基)などのルイス酸およびルイス酸を発生す
る遷移金属化合物が挙げられる。より具体的には、四塩
化チタン、チタンテトラフェノキサイド、チタンテトラ
メトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラク
レゾレート、チタンテトライソプロピラート、チタンテ
トラドデシラート、スズテトライソオクチラート、アル
ミニウムトリイソプロピラートなどが挙げられる。
【0040】有機スズ化合物としては、トリメチルスズ
アセテート、トリエチルスズアセテート、トリブチルス
ズアセテート、トリフェニルスズアセテート、ジブチル
スズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオク
チルスズジラウレート、ジブチルスズアジピネート、ジ
ブチルジメトキシスズ、ジメチルスズグリコラート、ジ
ブチルジエトキシスズ、水酸化トリエチルスズ、ヘキサ
エチルスタノキサン、ヘキサブチルスタノキサン、ジブ
チルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ブチ
ルスズトリイソオクチラート、オクチルスズトリイソオ
クチラート、ブチルスタノニックアシッド、オクチルス
タノニックアシッド、さらにポリ〔オキシ(ジブチルス
タニレン)〕などのポリマー状スズ化合物、ポリ(エチ
ルヒドロキシスタノキサン)などのポリマー状ヒドロキ
シスタノキサンなどが挙げられる。
【0041】鉛化合物としては、PbO、PbO2 、P
34 などの酸化鉛類、PbS、Pb2Sなどの硫化鉛
類、Pb(OH)2 、Pb22(OH)2 などの水酸化
鉛類、Na2PbO2 、K2PbO2 、NaHPbO2
KHPbO2 などの亜ナマリ酸塩類、Na2PbO3
Na22PbO4 、K2PbO3 、K2〔Pb(O
H)6 〕、K4PbO4 、Ca2PbO4 、CaPbO3
などの鉛酸塩類、PbCO 3 、2PbCO3・Pb(O
H)2 などの鉛炭酸塩およびその塩基性塩類、Pb(O
COCH32 、Pb(OCOCH34 、Pb(OCO
CH32 ・PbO・3H2Oなどの有機酸の鉛塩および
鉛炭酸塩およびその塩基性塩類、R4Pb、R3PbCl
、R3PbBr 、R3PbまたはR6Pb2 、R3PbO
H、R3PbO(ここでRはC49などのアルキル基ま
たはフェニルなどのアリール基)などの有機鉛化合物
類、Pb(OCH32 、(CH3O)Pb(OPh)、
Pb(OPh)2 などのアルコキシ鉛類、アリールオキ
シ鉛類、Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−
Sn、Pb−Sbなどの鉛合金類、ホウエン鉱、センア
エン鉱などの鉛鉱物類、およびこれら鉛化合物の水和物
などが挙げられる。
【0042】銅族金属化合物としては、CuCl 、Cu
Cl2、CuBr 、CuBr2、CuI、CuI2 、Cu
(OAc)2 、Cu(acac)2 、オレフィン酸銅、
Bu2Cu、(CH3O)2Cu、AgNO3 、AgBr
、ピクリン酸銀、AgC66ClO4Ag(ブルバレ
ン)3NO3 、〔AuC≡C−C(CH33n〔Cu
(C78)Cl〕4 などの銅族金属の塩および錯体(こ
こでacacはアセチルアセトンキレート配位子)など
が挙げられる。
【0043】アルカリ金属錯体としては、Li(aca
c)、LiN(C492 などが挙げられる。亜鉛錯体
としては、Zn(acac)2 などが挙げられる。
【0044】カドミウム錯体としては、Cd(aca
c)2 などが挙げられる。鉄族金属化合物としては、F
e(C108)(CO)5 、Fe(CO)5 、CoC5
6)(CO)7 、Ni−C55NO、フェロセンなどが
挙げられる。
【0045】ジルコニウム錯体としては、Zr((ac
ac)4 、ジルコノセンなどが挙げられる。固体触媒と
しては、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカチタニ
ア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、ゼオ
ライト、希土類酸化物などが挙げられる。
【0046】これらのうちでも、均一系触媒が好まし
く、特にチタンテトラフェノキサイド、チタンテトラメ
トキシド、チタンテトライソプロピラートなどのルイス
酸、Bu2SnO、〔(Bu2Sn(OPh)〕2Oなど
の有機スズ化合物、Pb(OPh)2 などのアルコキシ
鉛などが好ましく用いられる。
【0047】これらの触媒は、反応に不活性な化合物あ
るいは担体と混合して用いることもでき、担体に担持さ
せて用いることもできる。さらに触媒は、反応系中に存
在する反応原料、反応生成物と反応しうるものであって
もよく、予め反応原料、反応生成物とともに加熱処理さ
れていてもよい。
【0048】本発明では、触媒として均一系触媒を用い
る場合には、たとえば触媒を連続的に反応装置内に供給
することにより反応系に存在させることができ、また不
均一系触媒を用いる場合には、反応装置内に配置するこ
とにより反応系に存在させることができる。
【0049】均一系触媒を反応装置内に連続的に供給す
る際には、反応原料のジアルキルカーボネートおよび/
または芳香族ヒドロキシ化合物と混合して供給してもよ
く、あるいは別々に供給してもよい。
【0050】本発明では、上記の反応は、必要に応じて
溶媒の共存下に行うこともできる。この溶媒としては、
反応不活性な溶媒を用いることができ、たとえばエーテ
ル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類
などを用いることができる。
【0051】また窒素、ヘリウム、アルゴンなどの反応
不活性なガスの共存下に反応を行うこともできる。反応
装置としては、反応蒸留塔、蒸留塔を有する反応装置に
代表される蒸留塔付連続反応装置などを用いることがで
きるが、反応蒸留塔を用いることが好ましい。
【0052】反応蒸留塔としては、前記反応が生成系側
に移行しやすいように気液界面積の大きい装置を用いる
ことが好ましい。具体的には、2段以上の蒸留段数を有
する多段蒸留塔を用いることができ、棚段塔式、充填塔
式、棚段塔式と充填塔式とを組み合わせたものなど公知
の多段蒸留塔を用いることができる。このような多段蒸
留塔では、触媒は全ての段に触媒を存在させておくこと
が好ましい。また充填塔式において固体触媒を用いる場
合には、この固体触媒を充填物の一部または全部とする
こともできる。
【0053】本発明では、2基の反応塔を用いてジアリ
ールカーボネート製造工程[I]を実施し、第1の反応
塔において前記反応(1)を行なって主にアルキルアリ
ールカーボネートを生成させ、第2の反応塔において反
応(2)および(3)を行ってジアリールカーボネート
を生成させることが好ましい。
【0054】反応条件は、反応装置の種類、構造、反応
原料などによっても異なるが、通常50〜350℃、好
ましくは100〜280℃、特に好ましくは150〜2
80℃の反応温度(塔内温度)で行われる。また減圧、
常圧、加圧下のいずれであってもよいが、通常2600
〜5.4MPaの圧力下で行われる。反応装置内での平
均滞留時間は、通常、0.001〜50時間、好ましく
は0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時間
程度である。
【0055】またジアルキルカーボネートと芳香族ヒド
ロキシ化合物とは、反応系でのモル比(ジアルキルカー
ボネート/芳香族ヒドロキシ化合物)が0.2〜10、
好ましくは0.5〜5となるような量で供給されること
が望ましい。
【0056】ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキ
シ化合物とは、反応装置へ別々に供給してもよく、同一
供給管から供給してもよい。触媒は、その種類、反応条
件などによっても異なるが、触媒を反応装置内に連続的
に供給する場合には、通常反応原料である芳香族ヒドロ
キシ化合物に対して0.001〜10モル%、好ましく
は0.01〜5.0モル%の量で用いられることが望まし
い。
【0057】ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキ
シ化合物との反応によって生成したジアリールカーボネ
ートは、通常反応装置下部から抜き出される。反応装置
下部からは、このジアリールカーボネートとともに、通
常未反応原料であるジアルキルカーボネートおよび芳香
族ヒドロキシ化合物、副生アルキル芳香族エーテル、触
媒などを含む反応混合物が抜き出される。
【0058】ジアリールカーボネートは、このような反
応混合物から分離精製した後、ポリカーボネート製造工
程[II]に供給されることが好ましい。この分離精製
は、通常蒸留によって行なうことができる。
【0059】反応装置下部からジアリールカーボネート
とともに抜き出される未反応原料は、蒸留分離後、製造
工程[I]に循環して再利用することができる。またジ
アリールカーボネートの製造工程[I]では、副生アル
コール類を通常反応装置上部から留去しながら反応を行
うが、反応装置上部からは、副生アルコール類とともに
未反応ジアルキルカーボネートなども抜き出される。こ
の反応装置上部から抜き出された未反応ジアルキルカー
ボネートも、蒸留によって副生アルコール類を分離除去
し、またアルキル芳香族エーテルを分離除去して精製し
た後に、製造工程[I]に循環させることができる。
【0060】[II]ポリカーボネートの製造工程 本発明では、次いでポリカーボネートの製造工程[II]
において、上記のようにして得られたジアリールカーボ
ネートと、芳香族ジヒドロキシ化合物とを、少なくとも
含窒素塩基性化合物を含む触媒の存在下溶融重縮合反応
させてポリカーボネートを製造するとともに、副生され
た芳香族ヒドロキシ化合物を反応系外へ留去している。
【0061】この芳香族ジヒドロキシ化合物としては、
特に限定されないが、たとえば下記式(iii) で示される
化合物を用いたときには、ジアリールカーボネートと芳
香族ジヒドロキシ化合物との反応は下記のように示され
る。
【0062】
【化8】
【0063】上記芳香族ジヒドロキシ化合物を示す式(i
ii) 中、R1 およびR2 は、ハロゲン原子またはハロゲ
ンで置換されていてもよい1価の炭化水素基であり、こ
れらは同一であっても異なっていてもよい。pおよびq
はそれぞれ置換基数を示す0〜4の整数であり、pまた
はqが2以上のとき、R1 同士またはR2 同士は同一で
あっても異なっていてもよい。
【0064】
【化9】
【0065】ここでR3 およびR4 は水素原子または1
価の炭化水素基であり、R5 は2価の炭化水素基であ
る。上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物としては、
具体的には、下記のような化合物を挙げることができ
る。
【0066】ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニル
メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1- メチルフェニル)
プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェ
ニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アル
カン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペン
タン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン
類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒド
ロキシアリールエーテル類、4,4'-ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジ
フェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスル
フィド類、4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
ホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド
類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒ
ドロキシジアリールスルホン類。
【0067】これらのうちでは、特に2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールA)が
好ましく用いられる。さらに芳香族ジヒドロキシ化合物
としては、レゾルシンおよび3-メチルレゾルシン、3-エ
チルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾ
ルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシ
ン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾ
ルシン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシンなどの置換レ
ゾルシン、カテコール、ハイドロキノンおよび3-メチル
ハイドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プロピル
ハイドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-ブチル
ハイドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-クミル
ハイドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロキノ
ン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハイドロキノン、2,3,5,6
-テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラブロ
ムハイドロキノンなどの置換ハイドロキノン、2,2,2',
2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロ
ビ-[IH-インデン]-6,6'-ジオールを用いることもでき
る。
【0068】芳香族ジヒドロキシ化合物およびジアリー
ルカーボネートは、それぞれ2種以上組み合わせて用い
ることもできる。ジアリールカーボネートと芳香族ジヒ
ドロキシ化合物を重縮合反応させるに際して、ジアリー
ルカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対
して、通常1.0〜1.30モル、好ましくは1.01〜
1.20モルの量で用いられることが望ましい。
【0069】またポリカーボネートの製造工程では、芳
香族ジヒドロキシ化合物、ジアリールカーボネートとと
もにジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを重縮
合反応させてもよい。
【0070】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなど
の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェ
ニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル
などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボ
ン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタ
ンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,
3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン
酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。
【0071】これらのジカルボン酸あるいはジカルボン
酸エステルは、2種以上組合わせて用いてもよく、ジア
リールカーボネートの使用量を100モル%とすると
き、この100モル%中50モル%以下、好ましくは3
0モル%以下の量で含まれるような量で用いることがで
きる。
【0072】また本発明では、ポリカーボネートを製造
するに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物
とジアリールカーボネートとともに、1分子中に3個以
上の官能基を有する多官能化合物とを用いることもでき
る。
【0073】このような多官能化合物としては、フェノ
ール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好
ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物
が好ましい。具体的にはたとえば、1,1,1-トリス(4-ヒ
ドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロ
キシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α-メチル-
α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチ
ルベンゼン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フロログリシ
ン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニ
ル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)
ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニ
ル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、1,
3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが挙
げられる。
【0074】多官能化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合
物1モルに対して、通常0.03モル以下好ましくは0.
001〜0.02モルさらに好ましくは0.001〜0.
01モルの量で用いることができる。
【0075】本発明では、上記のような芳香族ジヒドロ
キシ化合物とジアリールカーボネートとを、触媒の存在
下に溶融重縮合させてポリカーボネートを製造している
が、この触媒としては少なくとも含窒素塩基性化合物を
用いている。
【0076】本発明では、含窒素塩基性化合物として、
高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化合物が
好ましく用いられる。具体的には、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェ
ニルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、
トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシ
ルアミン、トリトリデシルアミン、トリテトラデシルア
ミン、トリペンタデシルアミン、トリヘキサデシルアミ
ン、トリヘプタデシルアミン、トリオクタデシルアミ
ン、トリノナデシルアミン、トリエイコシルアミン、ト
リテトラシクロドデシルアミン、トリヘキサシクロヘプ
タデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニ
ルアミンなどの第三級アミン類、R2 NH(式中Rはメ
チル、エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなど
のアリール基などである)で示される第二級アミン類、
たとえばジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテ
トラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデ
シルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルア
ミン、ジノナデシルアミン、ジエイコシルアミン、ジヘ
ンエイコシルアミン、ジドエイコシルアミン、ジテトラ
シクロドデシルアミン、ジヘキサシクロヘプタデシルア
ミン、ジフェニルアミン、ジトルイルアミンなど、RN
2 (式中Rは上記と同じである)で示される第一級ア
ミン類、たとえばテトラコシルアミン、ヘプタコシルア
ミン、ヘキサコシルアミン、ヘプタコシルアミン、オク
タコシルアミン、ノナコシルアミン、トリアコンチルア
ミン、テトラコンチルアミン、ペンタコンチルアミン、
ヘキサコンチルアミンなどのアミン類が挙げられる。
【0077】さらに、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロ
キシド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリー
ル、アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオ
キシド類、4-ジメチルアミノピリジン、4-ジエチルアミ
ノピリジン、4-ピロリジノピリジンなどのピリジン類、
2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ジ
メチルアミノイミダゾールなどのイミダゾール類、アン
モニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド
(Me4NBH4 )、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4NBH4 )、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性塩
などが挙げられる。
【0078】これらのうちでも、第三級アミン、特に炭
素数24〜50の第三級アミン、テトラアルキルアンモ
ニウムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用
テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類などが好ま
しく用いられる。
【0079】この含窒素塩基性化合物は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対して、通常1×10-6〜1×1
-1モル、好ましくは1×10-5〜1×10-2モルの量
で用いることができる。
【0080】本発明では、触媒として含窒素塩基性化合
物に加えて、アルカリ金属化合物(またはアルカリ土類
金属化合物)および/またはホウ酸化合物を用いること
ができる。
【0081】アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金
属化合物としては、具体的には、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化
物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく挙げ
られる。
【0082】より具体的に、アルカリ金属化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水
素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二
カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩などを挙げることができ
る。
【0083】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的に、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどを挙げることができる。
【0084】これらは2種以上組み合わせて用いること
もできる。このようなアルカリ金属化合物(またはアル
カリ土類金属化合物)は、上記芳香族ジヒドロキシ化合
物1モルに対して、通常1×10-8〜1×10-3モル、
好ましくは1×10-7〜2×10-6モルの量で用いるこ
とができる。
【0085】触媒として含窒素塩基性化合物とともにア
ルカリ金属化合物(またはアルカリ土類金属化合物)を
併用すると、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカ
ーボネートとの重縮合反応を十分な速度で進行させるこ
とができ、高分子量のポリカーボネートを、高活性で生
成させることができて好ましい。またアルカリ金属化合
物(またはアルカリ土類金属化合物)を上記のような量
で用いると、高活性でポリカーボネートを製造できると
ともに、得られるポリカーボネートに悪影響を及ぼさな
い量の酸性化合物によってこれら化合物が示す塩基性を
充分に中和するかあるいは弱めることができる。
【0086】また本発明では、触媒として含窒素塩基性
化合物とともにホウ酸化合物を用いることもできる。ホ
ウ酸化合物としては、ホウ酸およびホウ酸エステルなど
を用いることができる。
【0087】ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示
されるホウ酸エステルを挙げることができる。 B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1、2または3である。
【0088】ホウ酸エステルとしては、たとえばホウ酸
トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホ
ウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフ
ェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなどが
挙げられる。
【0089】このホウ酸化合物は、芳香族ジヒドロキシ
化合物1モルに対して、通常1×10-8〜1×10-1
ル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モル、さらに好
ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量で用いること
ができる。
【0090】ホウ酸化合物を含む触媒は、熱老化後に分
子量低下を起こしにくいポリカーボネートを製造するこ
とができて好ましい。このような触媒の存在下、芳香族
ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの重縮
合反応は、従来知られている重縮合反応条件と同様な条
件下で行なうことができる。
【0091】具体的には、第一段目の反応を80〜25
0℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0
〜4時間、さらに好ましくは0〜3時間、常圧下、芳香
族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反
応させる。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高
めて、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートとの反応を行ない、最終的には5mmHg以下、好ま
しくは1mmHg以下の減圧下で、240〜320℃で芳
香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの
重縮合反応を行なう。
【0092】上記のような重縮合反応は、連続式、バッ
チ式いずれで行ってもよい。また反応装置は、槽型であ
っても管型であっても塔型であってもよい。上記のよう
なポリカーボネートの製造工程[II]では、通常、20
℃塩化メチレン中で測定した極限粘度が、0.10〜1.
0dl/g、好ましくは0.30〜0.65dl/gのポリカ
ーボネートが得られる。上記のように本発明において
は、ポリカーボネートを製造するに際して、毒性物質で
あるホスゲン、塩化メチレンなどを用いないので、環境
衛生上好ましい。
【0093】[III]芳香族ヒドロキシ化合物の循環工
上記のようなポリカーボネートの製造工程[II]では、
上述の反応式で示されるようにポリカーボネートととも
に芳香族ヒドロキシ化合物が副生され、副生された芳香
族ヒドロキシ化合物を、反応系外へ留去している。
【0094】本発明では、この芳香族ヒドロキシ化合物
を前記工程[I]に循環させるに際して、芳香族ヒドロ
キシ化合物から含窒素塩基性化合物を分離除去した後、
得られた芳香族ヒドロキシ化合物を前記工程[I]に循
環させて再使用する。
【0095】芳香族ヒドロキシ化合物から含窒素塩基性
化合物を分離除去するには、公知の方法を採用すること
ができる。具体的には、ポリカーボネートの製造工程
[II]においてたとえば反応装置から抜き出された副生
物を、蒸留することにより芳香族ヒドロキシ化合物と含
窒素塩基性化合物とを分離することができる。また副生
物に酸を添加した後蒸留してもよい。さらにイオン交換
樹脂あるいは活性白土などの固体酸を用いた吸着によっ
て含窒素塩基性化合物を除去することもできる。また、
蒸留と吸着を組み合わせてもよい。これらのうちでは、
酸添加蒸留と吸着が好ましい。
【0096】このように精製された芳香族ヒドロキシ化
合物中に含まれる含窒素塩基性化合物の含有量は、10
-4モル以下好ましくは10-5モル以下であることが好ま
しい。
【0097】上記のように本発明では、ポリカーボネー
トの製造工程で副生された芳香族ヒドロキシ化合物から
含窒素塩基性化合物を分離除去した後ジアリールカーボ
ネート製造工程に循環させて再使用している。このよう
に含窒素塩基性化合物が除去された芳香族ヒドロキシ化
合物を用いてジアリールカーボネートを製造すると、ア
ニソールなどのアルキル芳香族エーテルの生成率(選択
率)を低く抑えることができる。したがってポリカーボ
ネート製造工程で副生される芳香族ヒドロキシ化合物を
有効的に利用してジアリールカーボネートを製造するこ
とができるとともに結果的にポリカーボネートを生産性
よく製造することができる。
【0098】なお芳香族ヒドロキシ化合物とジアルキル
カーボネートとの反応において、含窒素塩基性化合物の
含有量が10-4モルを超える芳香族ヒドロキシ化合物を
用いると、アルキル芳香族エーテルの生成率は高くな
る。
【0099】本発明では、上記のような工程[I]〜
[III]を連続的に行なってポリカーボネートを製造す
ることが好ましい。
【0100】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、ポリカー
ボネートを製造するに際して、芳香族ヒドロキシ化合物
とジアルキルカーボネートとから製造したジアリールカ
ーボネートをポリカーボネート製造用原料として用いる
とともに、ポリカーボネート製造工程で副生される芳香
族ヒドロキシ化合物を精製後ジアリールカーボネート製
造用原料として再利用しており、しかもこの再利用によ
ってジアリールカーボネートの選択率を低下させること
がない。したがって本発明によればポリカーボネートを
生産性よく製造することができる。
【0101】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0102】
【参考例1】1リットルオートクレーブに試薬フェノー
ル220.8gとジメチルカーボネート257.7gを仕
込み、窒素雰囲気下で、220℃まで温度を高める。こ
こに、濃度31%のチタンテトラフェノキシド触媒のフ
ェノール溶液40.6gを160℃に加熱し、添加し
た。反応温度を220℃に維持しながら、4時間反応さ
せた。フェニルメチルカーボネートのフェノール当たり
の収率は4.9%であり、アニソールのフェノール当た
りの収率は0.16%であった。
【0103】
【参考例2】参考例1と同じ条件で、トリメチルアミン
32ppm (5×10-5モル)が含まれたフェノールを用
いたが、フェニルメチルカーボネート並びにアニソール
の収率は参考例1と全く同じであった。
【0104】
【参考例3】参考例1と同じ条件で、トリエチルアミン
55ppm (5×10-5モル)が含まれたフェノールを用
いたが、フェニルメチルカーボネート並びにアニソール
の収率は参考例1と全く同じであった。
【0105】
【参考例4】参考例1と同じ条件で、トリメチルアミン
320ppm (5×10-4モル)が含まれたフェノールを
原料として用いたところ、フェニルメチルカーボネート
収率は差が生じなかったが、アニソール収率は0.8%
となり、アニソールの生成量が増えていた。
【0106】
【参考例5】参考例2で使用したトリメチルアミンが含
まれているフェノール1リットルにp-トルエンスルホン
酸をトリメチルアミンの2倍モル添加して常圧で蒸留し
た。初留100mlを除いた後、800ml集めた。この蒸
留フェノール中のトリメチルアミン濃度は10ppm 以下
であった。得られたフェノールを原料として用いて、参
考例1と同様に反応を行った。フェニルメチルカーボネ
ートの収率は4.9%であり、アニソールの収率は0.1
5%であり、参考例1と全く同じ結果となった。
【0107】
【参考例6】参考例2で使用したトリメチルアミンが含
まれているフェノール1リットルを常圧で蒸留した。初
留を300mlとり、蒸留分として500ml集めた(トリ
メチルアミン濃度は15ppm )。得られたフェノールを
原料として用いて、参考例1と同様に反応を行った。フ
ェニルメチルカーボネートの収率は4.9%であり、ア
ニソールの収率は0.16%であり、参考例1と全く同
じ結果となった。
【0108】
【参考例7〜10】参考例2で使用したトリメチルアミ
ンが含まれているフェノール1リットルに活性白土ある
いは、イオン交換樹脂を添加して、窒素雰囲気下、60
℃で4時間攪拌し、熱時濾過して処理フェノールを得
た。なお、処理前に、活性白土は500℃で焼成したも
のを、イオン交換樹脂は試薬フェノールで洗浄したもの
を用いた。処理に用いた固体酸と反応成績を表1に示
す。
【0109】
【表1】
【0110】
【参考例11〜13】参考例1と同じ条件で、トリメチ
ルアミン10ppm (1.5×10-5モル)が含まれたフ
ェノールを用いて、触媒を変えて、反応を実施した。結
果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
【実施例1】 [I]ジフェニルカーボネート製造工程 下記のポリカーボネートの製造工程[II]、フェノール
の循環工程[III]を経たフェノール毎時0.94キロモ
ル、チタンテトラフェノキサイド触媒毎時0.01キロ
モルを理論段数20段のトレイ式蒸留塔と理論段数20
段の充填式蒸留塔を組み合わせた40段の蒸留塔を備え
た第一の連続反応蒸留装置の20段目に供給し、ジメチ
ルカーボネート毎時3.3キロモルを第一の連続反応蒸
留塔装置の塔底に供給し、206℃の温度、塔底での滞
留時間30分で連続的に反応させた。塔頂よりメタノー
ルを含む低沸点成分を留去しながら、触媒成分とフェニ
ルメチルカーボネートを含む高沸点成分を塔底より連続
的に抜き出し、理論段数20段の充填式蒸留塔を備えた
第二の連続反応蒸留装置の中間部に供給する。塔底の温
度200℃、滞留時間1.5時間で連続的に反応させ
た。塔頂よりジメチルカーボネートを含む低沸点成分を
留去しながら、塔底より触媒成分とジフェニルカーボネ
ートを含む高沸点成分を連続的に抜き出し、理論段数2
5段の第三の充填式蒸留塔の20段目に供給し、塔頂の
温度179℃、圧力15torr、還流比0.8の条件
で連続してジフェニルカーボネートと触媒を分留した。
精製されたジフェニルカーボネートは毎時0.16キロ
モルの量が連続的に次のポリカーボネートの製造工程に
供給された。
【0113】[II]ポリカーボネートの製造工程 ビスフェノールA(日本ジーイープラスチック社製)を
元素分析した結果、アルカリ金属およびアルカリ土類金
属の量が、1ppb以下であったので、これを原料として
そのまま使用した。ジフェニルカーボネート製造工程で
製造されたジフェニルカーボネートは、アルカリ金素陸
オヨビカリ土類金属量が、1ppb以下であることを確認
して、原料として使用した。テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド20%水溶液(東洋合成社製)を、アルカ
リ金属およびアルカリ土類金属量が1ppb以下であるこ
とを確認して、原料として使用した。
【0114】ビスフェノールA(日本ジーイープラスチ
ックス(株)製)0.44キロモルと、ジフェニルカー
ボネート製造工程で製造されたジフェニルカーボネート
0.449キロモルとを第1の250リットル槽に仕込
み、140℃で溶解し、このレベルを保つようにビスフ
ェノールA、ジフェニルカーボネートをそれぞれ毎時
0.16キロモル、0.163キロモルずつフィードしな
がら、この混合溶液を毎時ビスフェノールA換算で0.
16キロモルずつ第2の50リットル槽片攪拌槽に送液
する。この槽片攪拌槽の温度は180℃に保つ。
【0115】触媒としてテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシドを毎時0.04モル(2.5×10-4モル/モル
−ビスフェノールA)および水酸化ナトリウムを毎時
0.00016モル(1×10-6モル/モル−ビスフェ
ノールA)を添加し、滞留時間が30分となるようレベ
ルを調整し攪拌する。
【0116】次に、この反応溶液を毎時ビスフェノール
A換算で0.16キロモルずつ次の第2の音取り210
℃、圧力200mmHgの50リットル槽片攪拌槽に送液
する。滞留自利管が30分となるようレベルを調整し、
攪拌を行う。連続的に発生するフェノールは、蒸留塔に
よりビスフェノールA、ジフェニルカーボネートおよび
ポリカーボネートオリゴマーを反応系にもどしながら留
出除去する。
【0117】次に、この反応溶液を毎時ビスフェノール
A換算で0.16キロモルずつ次の第3の温度240
℃、圧力15mmHgの50リットル槽型攪拌槽に送液す
る。滞留時間が30分となるようレベルを調整し、上記
と同様にフェノールを留出除去させながら攪拌する。反
応が定常になって得られた反応物の極限粘度[η]は
0.15dl/gであった。
【0118】次にこの反応物をギヤポンプで昇圧し、毎
時ビスフェノールA換算で0.16キロモルずつ遠心式
薄膜蒸発機に送入し、反応を進める。薄膜蒸発機の温
度、圧力はそれぞれ270℃、2mmHgにコントロール
した。蒸発機下部よりギヤポンプにて290℃、0.2m
mHgにコントロールされた二軸横型攪拌重合槽(L/
D=3、攪拌翼回転直径220mm、内容積80リット
ル)に毎時ビスフェノールA換算で0.16キロモル
(約40kg/時間)ずつ送り込み滞留時間30分にて重
合させた。発生するフェノールは上記と同様に留出除去
させながらポリカーボネートを連続的に製造させた。こ
のときの、ポリマーの極限粘度[IV]は0.49dl
/gであった。このポリカーボネートの製造工程により
発生する全フェノール量は、毎時約0.32キロモル
で、全て次の循環工程へ連続的に搬送した。このフェノ
ールには、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの分
解生成物であるトリメチルアミンが78ppm(1.25×
10-4モル/モル−フェノール)含まれていた。
【0119】[III]フェノールの循環工程 上記のポリカーボネートの製造工程により連続的に発生
するフェノールにp-トルエンスルホン酸をフェノール中
に含有されているトリメチルアミンの2倍モル添加し、
スタティックミキサー内で連続的に攪拌した後、単蒸留
塔に導き、常圧で連続的に蒸留した。蒸留後のフェノー
ル中のトリメチルアミンは、5ppm以下であった。(8
×10-6モル/モル−フェノール以下) このフェノールを全量、上記のジフェニルカーボネート
製造工程へ連続的に搬送した。
【0120】24時間の連続運転後、工程[I]におけ
るアニソールの選択率は、フェノール当りにして、0.
5%であった。
【0121】
【比較例1】実施例1において、[III]フェノールの
循環工程でp-トルエンスルホン酸を添加しなかった以外
は、実施例1と同様の運転を行った。
【0122】24時間の連続運転後、工程[I]におけ
るアニソールの選択率は、フェノール当りにして、2.
1%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリカーボネートの製造方法のプ
ロセスフロー図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下 田 智 明 栃木県真岡市荒町3−45−7−701 (72)発明者 金 澤 明 郎 千葉県袖ヶ浦市蔵波台6−14−10 (72)発明者 宇 野 一 豊 千葉県千葉市稲毛区穴川2−3−28− 704 (56)参考文献 特開 平6−49197(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]ジアルキルカーボネートと芳香族ヒ
    ドロキシ化合物とを、触媒の存在下に反応させて、副生
    アルコール類および副生ジアルキルカーボネートを反応
    系外に留去させながらジアリールカーボネートを製造す
    る工程と、[II]得られたジアリールカーボネートと芳
    香族ジヒドロキシ化合物とを、少なくとも含窒素塩基性
    化合物を含む触媒の存在下に溶融重縮合反応させてポリ
    カーボネートを製造するとともに、副生された芳香族ヒ
    ドロキシ化合物を反応系外へ留去する工程と、[III]
    上記工程で副生された芳香族ヒドロキシ化合物から含窒
    素塩基性化合物を分離除去した後、得られた芳香族ヒド
    ロキシ化合物を前記工程[I]に循環させる工程と、か
    らなることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】工程[III]において、前記工程[I]に
    循環させる芳香族ヒドロキシ化合物の含窒素塩基性化合
    物の含有量が10-4モル以下であることを特徴とするポ
    リカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】ジアルキルカーボネートが、ジメチルカー
    ボネートまたはジエチルカーボネートであることを特徴
    とする請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノール、
    m-および/またはp-クレゾールであることを特徴とする
    請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
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