JP3528221B2 - 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents
排気ガス浄化用触媒およびその製造方法Info
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- JP3528221B2 JP3528221B2 JP35300493A JP35300493A JP3528221B2 JP 3528221 B2 JP3528221 B2 JP 3528221B2 JP 35300493 A JP35300493 A JP 35300493A JP 35300493 A JP35300493 A JP 35300493A JP 3528221 B2 JP3528221 B2 JP 3528221B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス浄化用触媒に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のエンジンの排気ガス浄化用触
媒としては、例えば、Pt(白金),Rh(ロジウム)
等の貴金属を触媒成分として担体に担持させたものが一
般的である。
媒としては、例えば、Pt(白金),Rh(ロジウム)
等の貴金属を触媒成分として担体に担持させたものが一
般的である。
【0003】ところが、このようなPt等を用いた従来
の触媒は低温時のHC(炭化水素)の浄化率が十分でな
い。そこで、低温時のHCの浄化性能を改善できる触媒
成分としてPd(パラジウム)が注目され、このPdを
触媒成分とする触媒の開発が行われている。特開昭62
−57651号公報には、このPdを用いた触媒の一例
が記載されている。
の触媒は低温時のHC(炭化水素)の浄化率が十分でな
い。そこで、低温時のHCの浄化性能を改善できる触媒
成分としてPd(パラジウム)が注目され、このPdを
触媒成分とする触媒の開発が行われている。特開昭62
−57651号公報には、このPdを用いた触媒の一例
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば上記のようなP
dを触媒成分とする排気ガス浄化用触媒には、Pdをア
ルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)あるいはセリ
ア(酸化セリウム:CeO2)を母材とする触媒コート
層の形でハニカム状の担体表面に担持させるものである
が、そのコート層母材であるアルミナあるいはセリア
は、空燃比リーンのエンジン運転状態の時に排気ガス中
のSO2(酸化イオウ)等イオウ酸化物を取り込んで硫
酸化合物(M(SOx))をつくる。そして、空燃比リ
ッチになるとその硫酸化合物からイオウ酸化物が分離
し、それが排気ガス中のH2とかHCと反応してH2S
(硫化水素)をつくる。また、触媒成分であるPdもま
た酸化物を吸着しやすい材料であって、やはりリーン状
態でイオウ酸化物を取り込んでS被毒を受けるととも
に、リッチになったときH2Sを生成させる傾向があ
る。そして、このH2Sが生成され排出されると卵が腐
敗したような異臭を放つため、その対策が望まれてい
る。
dを触媒成分とする排気ガス浄化用触媒には、Pdをア
ルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)あるいはセリ
ア(酸化セリウム:CeO2)を母材とする触媒コート
層の形でハニカム状の担体表面に担持させるものである
が、そのコート層母材であるアルミナあるいはセリア
は、空燃比リーンのエンジン運転状態の時に排気ガス中
のSO2(酸化イオウ)等イオウ酸化物を取り込んで硫
酸化合物(M(SOx))をつくる。そして、空燃比リ
ッチになるとその硫酸化合物からイオウ酸化物が分離
し、それが排気ガス中のH2とかHCと反応してH2S
(硫化水素)をつくる。また、触媒成分であるPdもま
た酸化物を吸着しやすい材料であって、やはりリーン状
態でイオウ酸化物を取り込んでS被毒を受けるととも
に、リッチになったときH2Sを生成させる傾向があ
る。そして、このH2Sが生成され排出されると卵が腐
敗したような異臭を放つため、その対策が望まれてい
る。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するもの
であって、触媒中でH2Sが生成されるのを防止するこ
とを目的とする。
であって、触媒中でH2Sが生成されるのを防止するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するための排気ガス浄化用触媒およびその製造方法に係
るものであって、まず、その製造方法は、Pbを触媒成
分とする触媒コート層の母材としてアルミナあるいはセ
リアを担体表面に担持する排気ガス浄化用触媒の製造方
法であって、アルミナあるいはセリアを含む水溶液にN
iの硝酸塩とCaの硝酸塩を加えて撹拌し、その撹拌し
た混合物を乾燥させ、焼成した後、粉末状にして、その
粉末状の生成物に水を加えてスラリーをつくり、該スラ
リーに担体を浸漬することによって前記粉末状の生成物
を前記担体表面に担持させることを特徴とする。
するための排気ガス浄化用触媒およびその製造方法に係
るものであって、まず、その製造方法は、Pbを触媒成
分とする触媒コート層の母材としてアルミナあるいはセ
リアを担体表面に担持する排気ガス浄化用触媒の製造方
法であって、アルミナあるいはセリアを含む水溶液にN
iの硝酸塩とCaの硝酸塩を加えて撹拌し、その撹拌し
た混合物を乾燥させ、焼成した後、粉末状にして、その
粉末状の生成物に水を加えてスラリーをつくり、該スラ
リーに担体を浸漬することによって前記粉末状の生成物
を前記担体表面に担持させることを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒
は、Pbを触媒成分とする触媒コート層の母材としてア
ルミナあるいはセリアを担体表面に担持する排気ガス浄
化用触媒であって、前記母材は、アルミナあるいはセリ
アを含む水溶液にNiの硝酸塩とCaの硝酸塩を加えて
撹拌し、その撹拌した混合物を乾燥させ、焼成した後、
粉末状にして、その粉末状の生成物に水を加えてスラリ
ーをつくり、該スラリーに担体を浸漬することによって
前記粉末状の生成物を前記担体表面に担持させたもので
あり、該母材にPbが担持されていることを特徴とす
る。
は、Pbを触媒成分とする触媒コート層の母材としてア
ルミナあるいはセリアを担体表面に担持する排気ガス浄
化用触媒であって、前記母材は、アルミナあるいはセリ
アを含む水溶液にNiの硝酸塩とCaの硝酸塩を加えて
撹拌し、その撹拌した混合物を乾燥させ、焼成した後、
粉末状にして、その粉末状の生成物に水を加えてスラリ
ーをつくり、該スラリーに担体を浸漬することによって
前記粉末状の生成物を前記担体表面に担持させたもので
あり、該母材にPbが担持されていることを特徴とす
る。
【0008】イオウ酸化物と反応して硫化物を生成しや
すい材料とは、例えば遷移金属であり、とくに、Niと
Caを混合したものを用いるのがよい。また、このよう
にNiとCaを混合したものを用いセリアを使用した生
成物を担体表面に担持させる場合に、その生成物は平均
粒径が2μ以下のセリアを使用したものとするのがよ
く、また、アルミナを使用した生成物を担持させる場合
に、その生成物は比表面積が300m2/g以上のアル
ミナを使用したものとするのがよい。
すい材料とは、例えば遷移金属であり、とくに、Niと
Caを混合したものを用いるのがよい。また、このよう
にNiとCaを混合したものを用いセリアを使用した生
成物を担体表面に担持させる場合に、その生成物は平均
粒径が2μ以下のセリアを使用したものとするのがよ
く、また、アルミナを使用した生成物を担持させる場合
に、その生成物は比表面積が300m2/g以上のアル
ミナを使用したものとするのがよい。
【0009】そして、上記のように粉末状の生成物の形
で担持されたアルミナあるいはセリアにPbを担持させ
るのがよい。
で担持されたアルミナあるいはセリアにPbを担持させ
るのがよい。
【0010】
【作用】本発明によれば、アルミナあるいはセリアがイ
オウ酸化物と反応して硫化物を生成しやすい遷移金属等
の材料を混合した混合物がつくられ、その混合物が焼成
され、その後粉末化されて、その粉末状の生成物に水等
が加えられてスラリーがつくられる。そして、そのスラ
リーに担体が浸漬され、それによって前記生成物が担体
表面に担持される。
オウ酸化物と反応して硫化物を生成しやすい遷移金属等
の材料を混合した混合物がつくられ、その混合物が焼成
され、その後粉末化されて、その粉末状の生成物に水等
が加えられてスラリーがつくられる。そして、そのスラ
リーに担体が浸漬され、それによって前記生成物が担体
表面に担持される。
【0011】このようにしてアルミナあるいはセリアが
Ni,Ca等の遷移金属と混合され焼成され粉末化され
て担体表面に担持されたことにより、アルミナあるいは
セリアの近くにNi,Ca等の硫化物を生成しやすい材
料が安定した状態で存在するようになり、それらNi,
Ca等にイオウ酸化物がくっつくことによって、リーン
運転時にアルミナあるいはセリアにイオウ酸化物が取り
込まれることが少なくなり、その結果、空燃比リッチに
なった時のH2Sの生成が抑制される。
Ni,Ca等の遷移金属と混合され焼成され粉末化され
て担体表面に担持されたことにより、アルミナあるいは
セリアの近くにNi,Ca等の硫化物を生成しやすい材
料が安定した状態で存在するようになり、それらNi,
Ca等にイオウ酸化物がくっつくことによって、リーン
運転時にアルミナあるいはセリアにイオウ酸化物が取り
込まれることが少なくなり、その結果、空燃比リッチに
なった時のH2Sの生成が抑制される。
【0012】混合する遷移金属は特にNiとCaの混合
物であるのがよく、その場合にはNiとCaの相乗作用
によってH2S生成抑制の効果が高まる。また、セリア
の場合にはその平均粒径が2μ以下の場合に上記作用効
果が顕著となり、アルミナの場合にはその比表面積が3
00m2/g以上の場合に作用効果が顕著となることが
実験データにより確認できる。
物であるのがよく、その場合にはNiとCaの相乗作用
によってH2S生成抑制の効果が高まる。また、セリア
の場合にはその平均粒径が2μ以下の場合に上記作用効
果が顕著となり、アルミナの場合にはその比表面積が3
00m2/g以上の場合に作用効果が顕著となることが
実験データにより確認できる。
【0013】また、Pdがアルミナあるいはセリアに担
持されてなる触媒の場合には、同様にPdにイオウ酸化
物が取り込まれることが少なくなって、H2Sの生成が
抑制され、またPd自身のS被毒が生じにくくなる。
持されてなる触媒の場合には、同様にPdにイオウ酸化
物が取り込まれることが少なくなって、H2Sの生成が
抑制され、またPd自身のS被毒が生じにくくなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0015】実施例1.図1は本発明の実施例1の触媒
の模式構造図である。この実施例の触媒は、ハニカム状
の担体1の表面に、第1触媒層として、比表面積300
m2/g以上のAl2O3にNi,Caを担持させた後、
Pdを担持させてなるベースコート層2を形成し、その
上に、第2触媒層として、平均粒径が2μ以下のCeO
2にNi,Ca等を担持させた後、Pdを担持させてな
るオーバーコート層3を形成したものである。
の模式構造図である。この実施例の触媒は、ハニカム状
の担体1の表面に、第1触媒層として、比表面積300
m2/g以上のAl2O3にNi,Caを担持させた後、
Pdを担持させてなるベースコート層2を形成し、その
上に、第2触媒層として、平均粒径が2μ以下のCeO
2にNi,Ca等を担持させた後、Pdを担持させてな
るオーバーコート層3を形成したものである。
【0016】この触媒の製造方法はつぎのとおりであ
る。
る。
【0017】(1)第1触媒層
アルコキシド法等により製造した比表面積300m2/
g以上のγ−Al2O3の粉末480gに対して、ベーマ
イト(水和アルミナ)120gと水1リットルとHNO
3(硝酸)10ccを加え、さらにNiの硝酸塩とCa
の硝酸塩を任意量加えて撹拌し、そのスラリーを乾燥さ
せ、焼成する。そして、その焼成してできた生成物を粉
末化し、その粉末に水1リットルとHNO310ccを
加えてスラリーをつくり、このスラリーに担体1を浸漬
し、引き上げてエアブローをかけ、250゜Cで2時間
乾燥させた後、600゜Cで2時間焼成する。そして、
この担体1を任意のPd担持量となるよう調整したジン
トロジアミンPd水溶液に浸漬し同上条件で乾燥,焼成
する。これで、担体1の表面にベースコート層(第1触
媒層)2が形成される。
g以上のγ−Al2O3の粉末480gに対して、ベーマ
イト(水和アルミナ)120gと水1リットルとHNO
3(硝酸)10ccを加え、さらにNiの硝酸塩とCa
の硝酸塩を任意量加えて撹拌し、そのスラリーを乾燥さ
せ、焼成する。そして、その焼成してできた生成物を粉
末化し、その粉末に水1リットルとHNO310ccを
加えてスラリーをつくり、このスラリーに担体1を浸漬
し、引き上げてエアブローをかけ、250゜Cで2時間
乾燥させた後、600゜Cで2時間焼成する。そして、
この担体1を任意のPd担持量となるよう調整したジン
トロジアミンPd水溶液に浸漬し同上条件で乾燥,焼成
する。これで、担体1の表面にベースコート層(第1触
媒層)2が形成される。
【0018】(2)第2触媒層
平均粒径が2μ以下のCeO2に任意量のNiの硝酸塩
とCaの硝酸塩を加えて撹拌し、乾燥,焼成後ボールミ
ルで粉砕する。そして、その粉末540gに対して水1
リットルとベーマイト60gとHNO310ccと加
え、さらには任意のPd担持量となるよう調整したジン
トロジアミンPd水溶液を加えてスラリーをつくり、こ
のスラリーに上記ベースコート層2を形成した担体1を
浸漬し、引き上げて200゜Cで2時間乾燥させ、次い
で600゜Cで2時間焼成する。これで、ベースコート
層2の上にオーバーコート層(第2触媒層)3が形成さ
れる。つぎに、この実施例1の触媒のH2S抑制性能の
テスト結果を説明する。
とCaの硝酸塩を加えて撹拌し、乾燥,焼成後ボールミ
ルで粉砕する。そして、その粉末540gに対して水1
リットルとベーマイト60gとHNO310ccと加
え、さらには任意のPd担持量となるよう調整したジン
トロジアミンPd水溶液を加えてスラリーをつくり、こ
のスラリーに上記ベースコート層2を形成した担体1を
浸漬し、引き上げて200゜Cで2時間乾燥させ、次い
で600゜Cで2時間焼成する。これで、ベースコート
層2の上にオーバーコート層(第2触媒層)3が形成さ
れる。つぎに、この実施例1の触媒のH2S抑制性能の
テスト結果を説明する。
【0019】図2はそのテストモードを示すタイムチャ
ートであって、横軸に時間をとり、縦軸に触媒入口温度
をとっている。このテストは図に示すように〜のモ
ードで行ったものであって、まず、モードでは、空燃
比13.5のリッチ状態で、SO2濃度を50ppmと
し、30゜C/minで触媒入口温度を500゜Cまで上
昇させた。そして、モードでは、空燃比13.5、S
O2濃度50ppm、触媒入口温度500゜Cの安定状態
を10分間続け、モードではSO2濃度および入口温
度はそのままで空燃比だけを16.0(アルミナおよび
セリアにSO2を貯蔵させるリーン空燃比)に切り替え
て更に10分間保持し、モードで空燃比を再び13.
5(アルミナおよびセリアからSO2が外れH2Sを生成
するようになるリッチ空燃比)に切り替えた。その結
果、H2S生成量は図のような変化を示し、モードに
おいてピーク値が表れた。そのピーク値を比較例(N
i,Caを混合していないもの)の場合のデータを±0
として相対値で示したグラフを図3に示す。このグラフ
に見るように、この実施例1の場合、NiおよびCaを
混合し焼成した後粉末化したもののスラリーを用いたこ
とによってH2S生成量を20%程度低減することがで
きる。なお、図3には後述の実施例2の触媒のデータも
併せて記載している。実施例1は実施例2よりもH2S
低減効果が大きい。
ートであって、横軸に時間をとり、縦軸に触媒入口温度
をとっている。このテストは図に示すように〜のモ
ードで行ったものであって、まず、モードでは、空燃
比13.5のリッチ状態で、SO2濃度を50ppmと
し、30゜C/minで触媒入口温度を500゜Cまで上
昇させた。そして、モードでは、空燃比13.5、S
O2濃度50ppm、触媒入口温度500゜Cの安定状態
を10分間続け、モードではSO2濃度および入口温
度はそのままで空燃比だけを16.0(アルミナおよび
セリアにSO2を貯蔵させるリーン空燃比)に切り替え
て更に10分間保持し、モードで空燃比を再び13.
5(アルミナおよびセリアからSO2が外れH2Sを生成
するようになるリッチ空燃比)に切り替えた。その結
果、H2S生成量は図のような変化を示し、モードに
おいてピーク値が表れた。そのピーク値を比較例(N
i,Caを混合していないもの)の場合のデータを±0
として相対値で示したグラフを図3に示す。このグラフ
に見るように、この実施例1の場合、NiおよびCaを
混合し焼成した後粉末化したもののスラリーを用いたこ
とによってH2S生成量を20%程度低減することがで
きる。なお、図3には後述の実施例2の触媒のデータも
併せて記載している。実施例1は実施例2よりもH2S
低減効果が大きい。
【0020】図4は実施例1の触媒のCeO2粒径によ
るH2S生成量の変化を示している。図にはこの実施例
1の触媒のデータを丸印で示すといともに、比較例のデ
ータを×印で示している。H2S生成量はCeO2粒径が
小さいほど少なく、CeO2粒径が2μ以下のときに低
減効果が大きい。
るH2S生成量の変化を示している。図にはこの実施例
1の触媒のデータを丸印で示すといともに、比較例のデ
ータを×印で示している。H2S生成量はCeO2粒径が
小さいほど少なく、CeO2粒径が2μ以下のときに低
減効果が大きい。
【0021】図5は実施例1の触媒のAl2O3比表面積
によるH2S生成量の変化を示している。やはり丸印が
実施例1のデータで、×印が比較例のデータである。A
l2O3比表面積が300m2/g以上のちきにH2S低減
効果が大きいことがこのテスト結果から判る。
によるH2S生成量の変化を示している。やはり丸印が
実施例1のデータで、×印が比較例のデータである。A
l2O3比表面積が300m2/g以上のちきにH2S低減
効果が大きいことがこのテスト結果から判る。
【0022】実施例2.実施例2の触媒は、前段にCa
とPdを含んだ触媒を配置し、後段にNiとCaを含み
Pdを含まない触媒を配置することによって、PdとN
iが直接反応し合うことによる悪影響を抑えつつH2S
の生成を抑制することができるようにしたものであっ
て、前段側および後段側とも、それぞれ第1触媒層(ベ
ースコート層)の上に第2触媒層(オーバーコート層)
が形成されている。そして、その製造方法はつぎのとお
りである。
とPdを含んだ触媒を配置し、後段にNiとCaを含み
Pdを含まない触媒を配置することによって、PdとN
iが直接反応し合うことによる悪影響を抑えつつH2S
の生成を抑制することができるようにしたものであっ
て、前段側および後段側とも、それぞれ第1触媒層(ベ
ースコート層)の上に第2触媒層(オーバーコート層)
が形成されている。そして、その製造方法はつぎのとお
りである。
【0023】(1)前段例の第1触媒層
アルコキシド法により製造した比表面積300m2/g
以上のγ−Al2O3の粉末480gに対して、ベーマイ
ト120gtと水1リットルとHNO310ccを加
え、さらにCaの硝酸塩とジントロジアミンPd水溶液
を任意量加え、撹拌しスラリーをつくる。そして、この
スラリーにハニカム状担体を浸漬し、引き上げてエアブ
ローをかけ、250℃で2時間乾燥させた後、600℃
で2時間焼成する。
以上のγ−Al2O3の粉末480gに対して、ベーマイ
ト120gtと水1リットルとHNO310ccを加
え、さらにCaの硝酸塩とジントロジアミンPd水溶液
を任意量加え、撹拌しスラリーをつくる。そして、この
スラリーにハニカム状担体を浸漬し、引き上げてエアブ
ローをかけ、250℃で2時間乾燥させた後、600℃
で2時間焼成する。
【0024】(2)前段側の第2触媒層
平均粒径が2μ以下のCeO2に任意量のジントロジア
ミンPd水溶液を加え、撹拌し、乾燥させ焼成した後、
ボールミルで粉砕する。そして、その粉末540gにベ
ーマイト60gと水1リットルとHNO310ccを加
えてスラリーを作り、このスラリーに上記第1触媒層を
形成した担体を浸漬し、同上条件で乾燥,焼成する。な
お、この第2触媒層にもCawo担持させてよく、その
場合には上記スラリー中にCaの硝酸塩を添加する。
ミンPd水溶液を加え、撹拌し、乾燥させ焼成した後、
ボールミルで粉砕する。そして、その粉末540gにベ
ーマイト60gと水1リットルとHNO310ccを加
えてスラリーを作り、このスラリーに上記第1触媒層を
形成した担体を浸漬し、同上条件で乾燥,焼成する。な
お、この第2触媒層にもCawo担持させてよく、その
場合には上記スラリー中にCaの硝酸塩を添加する。
【0025】後段側の触媒も、製造方法は前段側と同様
であって、前段側の製造ではCaとPdを加え、Niを
加えないのに対し、後段側に製造ではNiとCaを加
え、Pdを加えない点だけが異なる。
であって、前段側の製造ではCaとPdを加え、Niを
加えないのに対し、後段側に製造ではNiとCaを加
え、Pdを加えない点だけが異なる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、アルミ
ナあるいはセリアをNi,Ca等と混合し焼成した後粉
末化したものを触媒担体表面に担持させたことによっ
て、アルミナあるいはセリアの近傍にイオウ酸化物と反
応して硫化物を生成しやすいNi,Ca等を安定した状
態で存在させ、アルミナあるいはセリアにイオウ酸化物
が取り込まれるのを抑制してH2S生成量を低減するよ
うにできる。
ナあるいはセリアをNi,Ca等と混合し焼成した後粉
末化したものを触媒担体表面に担持させたことによっ
て、アルミナあるいはセリアの近傍にイオウ酸化物と反
応して硫化物を生成しやすいNi,Ca等を安定した状
態で存在させ、アルミナあるいはセリアにイオウ酸化物
が取り込まれるのを抑制してH2S生成量を低減するよ
うにできる。
【0027】また、本発明は、Pdを担持した触媒に適
用することによって、H2Sの生成量を低減し、またP
dのS被毒を抑制するようにできる。
用することによって、H2Sの生成量を低減し、またP
dのS被毒を抑制するようにできる。
【図1】本発明の実施例1の触媒の模式構造図
【図2】本発明の実施例1の触媒のH2S抑制性能のテ
ストモードを示すタイムチャート
ストモードを示すタイムチャート
【図3】本発明の実施例1の触媒および実施例2の触媒
のH2S抑制性能を示すグラフ
のH2S抑制性能を示すグラフ
【図4】本発明の実施例1の触媒のCeO2粒径による
H2S生成量の変化を示すグラフ
H2S生成量の変化を示すグラフ
【図5】本発明の実施例1の触媒のAl2O3比表面積に
よるH2S生成量の変化を示すグラフ
よるH2S生成量の変化を示すグラフ
1 担体
2 ベースコート層(第1触媒層)
3 オーバーコート層(第2触媒層)
フロントページの続き
(72)発明者 渡辺 康人
広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ
ダ株式会社内
(56)参考文献 特開 平1−242149(JP,A)
特開 平2−107334(JP,A)
特開 平4−48933(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/00 - 53/96
Claims (4)
- 【請求項1】 Pbを触媒成分とする触媒コート層の母
材としてアルミナあるいはセリアを担体表面に担持する
排気ガス浄化用触媒の製造方法であって、アルミナある
いはセリアを含む水溶液にNiの硝酸塩とCaの硝酸塩
を加えて撹拌し、その撹拌した混合物を乾燥させ、焼成
した後、粉末状にして、その粉末状の生成物に水を加え
てスラリーをつくり、該スラリーに担体を浸漬すること
によって前記粉末状の生成物を前記担体表面に担持させ
ることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。 - 【請求項2】 Pbを触媒成分とする触媒コート層の母
材としてアルミナあるいはセリアを担体表面に担持する
排気ガス浄化用触媒であって、前記母材は、アルミナあ
るいはセリアを含む水溶液にNiの硝酸塩とCaの硝酸
塩を加えて撹拌し、その撹拌した混合物を乾燥させ、焼
成した後、粉末状にして、その粉末状の生成物に水を加
えてスラリーをつくり、該スラリーに担体を浸漬するこ
とによって前記粉末状の生成物を前記担体表面に担持さ
せたものであり、該母材にPbが担持されていることを
特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 【請求項3】 前記触媒コート層は平均粒径が2μ以下
のセリアを母材とするものである請求項2記載の排気ガ
ス浄化用触媒。 - 【請求項4】 前記触媒コート層は比表面積が300m
2 /g以上のアルミナを母材とするものである請求項2
記載の排気ガス浄化用触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35300493A JP3528221B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 |
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