JP3528079B2 - 鉄道車両の構体構造 - Google Patents

鉄道車両の構体構造

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    • Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体長手方向に押
出し成形された複数種類の中空押出し形材同士を溶接接
合して構成した鉄道車両の構体構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】例えば、特許第２６０４２２６号公報に
示される如く、軽合金材料の内板と、外板と、両板間を
トラス状に接続するリブとからなる断面中空材を車体長
手方向に押出し成形して、床形材、台枠側梁形材、腰板
形材、窓部形材、幕板形材、軒桁形材、屋根形材等の複
数種類の中空押出し形材を製造し、これら各形材を溶接
接合して、車体長手方向の構体全体を構成した鉄道車両
の構体構造がある。また、台枠以外の側構体及び屋根構
体を同様に成形した複数種類の中空押出し形材を用いて
構成した構体構造もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述の構体構造は、製
作工数を大幅に低減できる利点があるが、製造上の制約
から、内板、外板及びリブの肉厚を薄くするには限度が
あるので、トータル的に重量が増加する傾向にある。
【０００４】そこで本発明は、構体全体の剛性を確保し
つつ軽量化を図った鉄道車両の構体構造を提供すること
を目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、内板と、外板と、両板間を接続するリ
ブとからなる断面中空材を車体長手方向に押出し成形し
た腰板形材と窓部形材とで側構体を構成した鉄道車両の
構体構造において、前記腰板形材に前記内板とリブとを
切欠いた切欠き部を複数形成し、各切欠き部は、前記窓
部形材の窓開口部両側の吹寄せ部下方に連続する縦方向
リブ部と、窓開口部下方の腰帯部と、台枠側梁形材上方
の長土台とに囲まれ、両縦方向リブ部間を、一方の縦方
向リブ部下部から他方の縦方向リブ部の上部に連続する
斜め方向リブ部を残し、該斜め方向リブ部の両側に、該
斜め方向リブ部側の一辺と、前記縦方向リブ部側の一辺
と、前記腰帯部又は長土台側の一辺とからなる三角形に
形成され、前記各斜め方向リブ部は、車体長手方向中央
から一方の妻部側の内板に形成される各斜め方向リブ部
と、他方の妻部側の内板に形成される各斜め方向リブ部
との傾斜方向がそれぞれ車体下部から妻部上方方向へ向
かうように対称に形成されていることを特徴としてい
る。また、前記切欠き部は、外板に前記リブの接続根元
部分を残したことを特徴としている。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。車体長手方
向の構体１は、台枠２を床部材３と台枠側梁形材４で、
側構体５を腰板形材６と窓部形材７と幕板形材８と軒桁
形材９で、屋根構体１０を複数の屋根形材１１でそれぞ
れ構成している。
【０００７】床部材３を除く各形材４，６，７，８，
９，１１は、車体長手方向に連続形成した長尺材で、内
板１２ａと、外板１２ｂと、両板１２ａ，１２ｂ間をト
ラス構造状に接続するリブ１２ｃとからなる断面中空材
を呈するもので、これらの形材４，６，７，８，９，１
１は、それぞれ軽合金を材料にして押出し成形機にて一
体形成されており、各形材４，６，７，８，９，１１を
車体長手方向に沿って溶接接合することにより構体１が
構成される。
【０００８】前記腰板形材６には、窓部形材７の各窓開
口部１３の下方に、内板１２ａとリブ１２ｃとを切欠い
た切欠き部１４がそれぞれ形成されている。各切欠き部
１４は、窓開口部１３を挟んだ両側の吹寄せ部１５，１
５下方に連続する縦方向リブ部１６，１６と、窓開口部
１３下方の腰帯部１７と、台枠側梁形材４上方の長土台
１８とに囲まれ、両縦方向リブ部１６，１６間を、一方
の縦方向リブ部１６下部から他方の縦方向リブ部１６の
上部に対角に連続する斜め方向リブ部１９を残し、該斜
め方向リブ部１９の両側に、斜め方向リブ部１９側の一
辺と、縦方向リブ部１６側の一辺と、腰帯部１７又は長
土台１８側の一辺とからなる三角形に形成され、縦方向
リブ部１６側の一辺と腰帯部１７又は長土台１８側の一
辺との角部を円弧にしている。
【０００９】すなわち、前記腰板形材６は、縦方向リブ
部１６，１６、腰帯部１７、長土台１８及び斜め方向リ
ブ部１９の各部分は切欠ずに、これらに囲まれた部分に
内板１２ａとリブ１２ｃとを切欠いて切欠き部１４を形
成している。なお、リブ１２ｃは、外板１２ｂとの接続
根元部分を残して切除されており、これにより、外板１
２ｂの面板としての剛性を残せ、座屈防止に有効であ
る。
【００１０】前記縦方向リブ部１６，１６、腰帯部１
７、長土台１８及び斜め方向リブ部１９は、車体に負荷
される荷重に対応する梁部材として機能するために最適
な幅に形成されている。
【００１１】各斜め方向リブ部１９は、車体長手方向中
央ＣＬを挟んで、一方の妻部側の内板１２ａに形成され
る各斜め方向リブ部１９と、他方の妻部側の内板１２ａ
に形成される各斜め方向リブ部１９との傾斜方向がそれ
ぞれ車体下部から妻部上方方向へ向かうように対称に形
成されている。
【００１２】このように各斜め方向リブ部１９を形成す
ることにより、図３に示されるように、前記側構体５に
作用する垂直荷重に対して、各斜め方向リブ部１８に矢
印方向の引張り応力が働き、圧縮力による座屈が生じな
いので、各斜め方向リブ部１９の内板１２ａは、例え板
厚が薄くても有効に作用する。また、各切欠き部１４の
部分は、外板１２ｂが面板としての剛性を有している。
【００１３】したがって、製造上の制約から、内板１２
ａ、外板１２ｂ及びリブ１２ｃの肉厚を薄くするには限
度がある中空押出し形材の腰板形材６では、各切欠き部
１４の部分に強度的に余裕があるので、各切欠き部１４
の部分を切欠いて贅肉を除いても車体剛性を確保して軽
量化が図れ、車体総重量の低下に伴う列車運転電力費の
低減、レール負荷の減少による騒音・摩耗の低減、ブレ
ーキ距離の短縮につながる。
【００１４】なお、図４に示されるように、側構体５の
一部である幕板形材８にも、前記腰板形材６と同様に、
斜め方向リブ部２０を残して切欠き部２１を形成するこ
とにより、側構体５に作用する垂直荷重に対して、各斜
め方向リブ部２０が有効に作用するから軽量化が図れ
る。また、軒桁形材９も切欠きすることができ、さら
に、屋根構体１０は、パンタグラフ、冷房機器、空調機
器等の重量物を搭載しない場合、強度的に余裕があるの
で、屋根形材１１の内板１２ａとリブ１２ｃとを、例え
ば、円形や楕円形に切欠くことができ、これにより、前
記腰板形材６と並んで相当の軽量化が図れる。
【００１５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄道車両
の構体構造は、内板と、外板と、両板間を接続するリブ
とからなる中空押出し形材の腰板形材に、内板とリブを
切欠いた切欠き部を複数形成し、各切欠き部は、窓部形
材の窓開口部両側の吹寄せ部下方に連続する縦方向リブ
部と、窓開口部下方の腰帯部と、台枠側梁形材上方の長
土台とに囲まれ、両縦方向リブ部間を、一方の縦方向リ
ブ部下部から他方の縦方向リブ部の上部に連続する斜め
方向リブ部を残し、斜め方向リブ部の両側に、斜め方向
リブ部側の一辺と、縦方向リブ部側の一辺と、腰帯部又
は長土台側の一辺とからなる三角形に形成され、各斜め
方向リブ部は、車体長手方向中央から一方の妻部側の内
板に形成される各斜め方向リブ部と、他方の妻部側の内
板に形成される各斜め方向リブ部との傾斜方向がそれぞ
れ車体下部から妻部上方方向へ向かうように対称に形成
されているので、側構体に作用する垂直荷重に対して、
各斜め方向リブ部に引張り応力が働き、圧縮力による座
屈が生じないので、各斜め方向リブ部の内板は有効に作
用する。また、各切欠き部は、外板にリブの接続根元部
分を少し残しているので、外板が面板としての剛性を有
しているから、各切欠き部の部分の内板とリブを切欠い
て贅肉を除いても車体剛性を確保して軽量化が図れ、車
体総重量の低下に伴う列車運転電力費の低減、レール負
荷の減少による騒音・摩耗の低減、ブレーキ距離の短縮
につながる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の鉄道車両構体の一実施形態例を示す
斜視図である。
【図２】 同じく側構体の断面図である。
【図３】 同じく鉄道車両の側面図である。
【図４】 幕板形材にも切欠き部を形成した鉄道車両の
側面図である。
【符号の説明】
１…構体、５…側構体、６…腰板形材、７…窓部形材、
１２ａ…内板、１２ｂ…外板、１２ｃ…リブ、１３…窓
開口部、１４，２１…切欠き部、１５…吹寄せ部、１６
…縦方向リブ部、１７…腰帯部、１８…長土台、１９，
２０…斜め方向リブ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B61D 17/08 B61D 17/00 B61D 17/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内板と、外板と、両板間を接続するリブ
    とからなる断面中空材を車体長手方向に押出し成形した
    腰板形材と窓部形材とで側構体を構成した鉄道車両の構
    体構造において、前記腰板形材に前記内板とリブとを切
    欠いた切欠き部を複数形成し、各切欠き部は、前記窓部
    形材の窓開口部両側の吹寄せ部下方に連続する縦方向リ
    ブ部と、窓開口部下方の腰帯部と、台枠側梁形材上方の
    長土台とに囲まれ、両縦方向リブ部間を、一方の縦方向
    リブ部下部から他方の縦方向リブ部の上部に連続する斜
    め方向リブ部を残し、該斜め方向リブ部の両側に、該斜
    め方向リブ部側の一辺と、前記縦方向リブ部側の一辺
    と、前記腰帯部又は長土台側の一辺とからなる三角形に
    形成され、前記各斜め方向リブ部は、車体長手方向中央
    から一方の妻部側の内板に形成される各斜め方向リブ部
    と、他方の妻部側の内板に形成される各斜め方向リブ部
    との傾斜方向がそれぞれ車体下部から妻部上方方向へ向
    かうように対称に形成されていることを特徴とする鉄道
    車両の構体構造。
  2. 【請求項２】 前記切欠き部は、外板に前記リブの接続
    根元部分を残したことを特徴とする請求項１記載の鉄道
    車両の構体構造。
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