JP3525982B2 - 野菜移植機 - Google Patents

野菜移植機

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JP3525982B2
JP3525982B2 JP27448096A JP27448096A JP3525982B2 JP 3525982 B2 JP3525982 B2 JP 3525982B2 JP 27448096 A JP27448096 A JP 27448096A JP 27448096 A JP27448096 A JP 27448096A JP 3525982 B2 JP3525982 B2 JP 3525982B2
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正俊 日朝
芳明 蔵屋
尚勝 伊藤
修一 清水
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ヤンマー農機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、野菜などの苗を、
主として畝上に移植する移植機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から野菜移植機において、エンジン
や移植部などを搭載した機体がスライドフレーム上を左
右にスライドしたり、車軸を伸縮移動してピンを差し替
えたり車軸ケースに対して車輪を反転させたりしてトレ
ッドを変更して、畝幅に合わせて移植作業ができるよう
にした技術や、スイングロッドを回動して車輪を上下に
スイングさせる技術は公知となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は移植機
に設置した油圧シリンダー等で構成されているスイング
駆動機構やスライド機構が本体の左右中央部に配置され
ていると、トレッドを変更したときに、その重量によっ
て車両の左右方向の重量バランスがくずれ、走行時の直
進性などが良好でない場合があった。また、スイング駆
動機構のスイングロッドのねじれ具合が左右で等しくな
かったため、左右のスイング状態が不均一になり、車体
の傾きやねじれが発生することがあった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。エン
ジン2や移植部3などを搭載した機体4を、前スライド
フレーム11と後スライドフレーム12と右スライドフ
レーム14により構成したスライドフレーム上で左右に
スライド可能とし、該前スライドフレーム11と後スラ
イドフレーム12に嵌挿した、前ズーム用フレーム91
と後ズーム用フレーム92の伸縮でトレッドを調節可能
とした野菜移植機において、トレッド変更時に固定部と
なるスライドフレームの右端部を構成する右スライドフ
レーム14部分に、前記機体4のスライド駆動機構8を
構成する油圧シリンダー81、及び車輪を上下するスイ
ング駆動機構5を構成する油圧シリンダ51配置し、ス
ライドフレームの後端に、スイング駆動機構5において
左右両方の車輪をスイングさせるスイ ングロッド16、
及び該スイングロッド16に嵌入したズームスイングロ
ッド50を配置し、トレッド最大時における前記スイン
グロッド16内におけるズームスイングロッド50の未
嵌入部の長さY1と、同じくズームスイングロッド50
のスイングロッド16からの突出部の長さY2とが略等
しくなるよう構成し、トレッド最大時にスイングロッド
16と該スイングロッド16から延出したズームスイン
グロッド50とを加算した左右方向の長さWに対する略
中央部に、前記右スライドフレーム14が配置されるよ
うに構成したものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の解決すべき課題及び手段
は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の
一実施例を説明する。 図1は本発明にかかる移植機の全体構造を示す右側面
図、 図2は同じく左側面図、 図3は同じく平面図、 図4は同じくスイング駆動機構の右側面図、 図5はスライド機構部の側面断面図、 図6は同じく正面図、 図7は機体の側面図、 図8は同じく平面図、 図9はトレッドを最小幅にした移植機の平面図、 図10は同じくスイング駆動機構とズーム用フレームの
位置関係を示す正面図である。 【0006】図11は車輪取付け位置によるドレッドの
違いを示す図、 図12は車輪取付け位置によるズーム用フレームの位置
の違いを示す図、 図13は前後ネジ軸の駆動機構を説明する左側面図、 図14は同じく平面図、 図15はトレッド最大時におけるスイングロッド及びズ
ームスイングロッドの長さを示す平面図、 図16はトレッド最小時におけるスイングロッド及びズ
ームスイングロッドの長さを示す平面図、 図17は機体のスライド可能範囲及びトレッドの調節可
能範囲を示す図である。 【0007】図1、図2、図3、図4より本発明の移植
機の全体構成から説明する。フレーム1は、エンジン2
や移植部3が搭載された機体4を左右方向にスライド可
能に支持すると共に、該フレーム1の上部に配設したス
イング駆動機構5を介して前輪61・61及び後輪62
・62を上下方向にスイング可能に支持している。前記
機体4の後方には操向ハンドル10を設けて、四輪歩行
タイプとしている。 【0008】前記フレーム1は、該フレーム1の前後部
に左右方向に横設した前スライドフレーム11及び後ス
ライドフレーム12と、該前後スライドフレーム11・
12の両左端同士及び両右端同士を連結する左スライド
フレーム13及び右スライドフレーム14とによって枠
状に形成されている。該左右スライドフレーム13・1
4の後端は、前記後スライドフレーム12よりも後方に
突出しており、この突出部は、スイングロッド16を後
スライドフレーム12と平行に、また回転可能に支持し
ている。該スイングロッド16は筒状部材であり、その
内断面は六角形状に形成されている。また、該スイング
ロッド16右端から六角柱状に形成したズームスイング
ロッド50を嵌入している。 【0009】前記右スライドフレーム14の右方には縦
ズームフレーム15が該右スライドフレーム14と平行
に配設され、該縦ズームフレーム15の前端から前ズー
ム用フレーム91、後端から後ズーム用フレーム92が
右スライドフレーム14側に突出し、その先端は前記前
後スライドフレーム11・12にそれぞれ摺動自在に嵌
入している。また、縦ズーム用フレーム15の後端は、
前記後ズーム用フレーム92よりも後方に突出してお
り、この突出部は、前記ズームスイングロッド50の右
端を回転可能に支持している。 【0010】前記左右スライドフレーム13・14は、
前端の左右に前部側板17・17をそれぞれ固着して、
これら前部側板17・17間に円筒状の前スライドフレ
ーム11を貫通させて連結し、後端の左右には後部側板
18・18をそれぞれ固着してこれら後部側板18・1
8間に円筒状の後スライドフレーム12及びスイングロ
ッド16を貫通させて連結している。同様に、前記縦ズ
ーム用フレーム15の前端には前部側板17・17を固
着して、該前部側板17・17間に円筒状の前ズーム用
フレーム91を貫通させて連結し、後端には後部側板1
8・18を固着して、該後部側板18・18間に円筒状
の後ズーム用フレーム92及びズームスイングロッド5
0を貫通させて連結している。また、前記左右スライド
フレーム13・14及び縦ズーム用フレーム15は、そ
れぞれ曲げ荷重に強い角パイプで形成しており、補強フ
レームを用いることなくフレーム1の強度を高めるよう
構成している。 【0011】前記左スライドフレーム13に固着した前
部側板17・17の前スライドフレーム11の支持部下
方には、左右方向に延びる支持部19aを回動可能に支
持させて、該支持部19aには前車輪61を回転自在に
支持する支持アーム63の上端ボス部64をピンやボル
ト等で固定支持している。また同様に、前記縦ズーム用
フレーム15に固着した前部側板17・17の前ズーム
用フレーム91の支持部下方には、左右方向に延びる支
持部19bを回動可能に支持させて、該支持部19bに
は前車輪61を回転自在に支持する支持アーム65の上
端ボス部66をピンやボルト等で固定支持している。 【0012】さらに、前記左スライドフレーム13に固
着した後部側板18・18の後スライドフレーム12の
支持部下方には、後車輪62の車軸を支持する伝動ケー
ス67の端部連結部67aを支持し、該連結部67a内
を貫通する出力軸7の左端部を、伝動ケース67内の動
力伝達機構を介して後車輪62に連動させている。ま
た、前記縦ズーム用フレーム15に固着した後部側板1
8・18の後ズーム用フレーム92の支持部下方には、
後車輪62の車軸を支持する伝動ケース68の端部連結
部68aを支持している。 【0013】次に、駆動力伝達機構を説明する。前記出
力軸7と一体に回転するスリーブ74にスプロケットを
固設し、フレーム1の前部に前スライドフレーム11と
平行に横設した伝動管99aにはスプロケットを摺動可
能に配設し、該両スプロケットにチェーン98aを巻回
して出力軸7と伝動管99aとが連動するようにしてい
る。前記伝動管99aは管状部材で、その内断面は六角
形状に形成されている。該伝動管99aの右端からは六
角柱状に形成した伝動軸99が摺動自在に嵌入してお
り、該伝動軸99の右端には支持管99bが嵌合してい
る。該支持管99bと前記端部連結部68a内の軸とに
それぞれスプロケットを固設して、該両スプロケットに
チェーン98bを巻回して、伝動管99aの回転を前記
伝動ケース68内の動力伝達機構を介して後車輪62に
伝達するよう構成している。また、伝動管99aには機
体4に固定したスライドパイプ99cを外嵌している。
伝動管99aは前記スライドパイプ99c内を回転可能
で、スライドパイプ99cは伝動管99aと摺動自在に
嵌合している。そして、該スライドパイプ99cはチェ
ーン98a及び伝動管99aに配設したスプロケット
が、機体4と一体的にスライド可能なようにチェーンケ
ース98を支持している。 【0014】前記出力軸7は、前記エンジン2の回転動
力が入力される駆動ギア75を持つ駆動ユニット70
と、左右一対のスプライン軸71・72とを備え、該ス
プライン軸71・72と駆動ユニット70とを左右一対
のスリーブ73・74を介して連動させることにより、
前記機体4に追従してエンジン2が左右にスライドして
も該エンジン2の回転動力を左右の後車輪62・62に
伝達できるよう構成している。前記駆動ユニット70に
おける駆動ギア75の両側には、左右の後車輪62・6
2をそれぞれ独立して回転駆動させるための左右サイド
クラッチ76・77を配設している。 【0015】前記移植部3は、前記機体4の後部側に設
けた植付け伝動ケース31を介して動力が伝達され、上
方側の苗受取位置と下方側の苗受取位置との間で上下往
復動作される二つの分割片から成るバケット状の移植爪
32と、複数のポット苗収容部を持つトレイTを搬送す
る搬送部33と、該搬送部33で搬送される苗トレイT
からポット苗を取り出して苗受取位置で待機する移植爪
32内に取出苗を放出する苗取出爪34とで構成してい
る。また、移植部3の下部には、畝上に被覆したマルチ
フィルムに移植孔を開設するためのマルチカッタ35
と、移植爪32により畝に植付けられたポット苗に培土
するための培土輪36とが配設されている。 【0016】また、前記機体4の後方側に延設する操向
ハンドル10には、左右サイドクラッチレバー10a、
前記移植部への動力を入切操作する植付クラッチレバー
10b、スイング駆動機構5を動作させて前車輪61・
61及び後車輪62・62を上下にスイングさせるため
のスイングレバー10c、走行主変速レバー10d、機
体4をスライドさせるスライド操作レバー10e、株間
調整レバー10fなどを配置している。 【0017】図5、図6、図7の如く、前記機体4の前
部には、下端側が開放された略コ字状に形成した前部ブ
ラケット41が連結体42を介して取付けられ、該機体
4の後部の左右には下端側が開放された略コ字状に形成
した後部上ブラケット44a・44aが取付けられ、該
後部上ブラケット44a・44aの下方にはそれぞれ後
部下ブラケット44b・44bが取付けられている。 【0018】前記前部ブラケット41上部左右には、転
動体であるローラー43を回転軸43aを介して回転自
在に支持した前部上ローラーカバー90a・90aが固
設されている。該前部上ローラーカバー90a・90a
は下端側が開放された略コ字状に形成され、ローラー4
3・43は前部ブラケット41の上面に開口した孔から
該前部ブラケット41内へ挿入している。また、前部ブ
ラケット41下部に取付けられた前部下ローラーカバー
90bは上端側が開放された略コ字状に形成して、左右
にローラー43・43を回転軸43bを介して回転自在
に支持している。さらに後部上ブラケット44a・44
a及び後部下ブラケット44b・44bは、それぞれ回
転軸を介してローラー45を回転自在に支持している。 【0019】前記前部ブラケット41の左右に配置され
た上下のローラー43・43を前スライドフレーム11
外周の上下に摺接させ、左右の前記後部上下ブラケット
44a・44bに支持されたローラー45・45を後ス
ライドフレーム12外周の上下に摺接させることによっ
て、機体4が前記ローラ上を左右にスライドできるよう
に構成している。 【0020】さらに、図7、図8に示すように、前記機
体4において、エンジン2が搭載される第一機枠4A前
部には、第二機枠4Bが結合され、該第二機枠4B前端
には前部ブラケット41が固定されている。また、後部
上ブラケット44a・44a及び後部下ブラケット44
b・44bが固定された第三機枠4Cが、第一機枠4A
後部に結合している。これらの各機枠4A・4B・4C
の結合部分をそれぞれ溶接(W1・W2)することによ
り、全体をユニット化している。また、前記機枠4Cの
両側面に切欠き部4d・4dを設けて、その切欠き部に
後スライドフレーム12を貫通させているので、機体4
上方及び下方にスペースが広くとれ、また支持した機体
4の重心位置を低くできるので、安定してスライドする
ことができる。 【0021】図9に示すように、前記フレーム1と機体
4との間には、該機体4を左右スライドフレーム13・
14間の範囲で左右にスライドさせるための、スライド
駆動機構8を設けている。該スライド駆動機構8におい
て、ピストンロッド80を有した油圧シリンダ81は、
取付板17aに支持されているが、該取付板17aは前
記右スライドフレーム14の前部側板17・17及び右
スライドフレーム14の外側に設けた支持フレーム95
に固定されている。前記油圧シリンダ81は、切換弁を
介して機体4のエンジン2近傍に配設した油圧ポンプP
と接続している。また、前記ピストンロッド80の先端
が揺動アーム83の中間部に連結され、該揺動アーム8
3の一端は前記取付板17aに枢支され、他端は前記機
体4に固定した受入体82の長孔に摺動自在に係合され
ている。このように構成して、前記油圧ポンプPからの
圧油で油圧シリンダ81のピストンロッド80を伸縮動
作させると、前記揺動アーム83が左右方向に揺動さ
れ、機体4が左右にスライドされるのである。 【0022】前記スイング駆動機構5について、図2、
図3、図4を用いて説明する。前記油圧ポンプPと切換
弁を介して油圧シリンダ51が接続され、該油圧シリン
ダ51は前記右スライドフレーム14と支持フレーム9
5との間上方に固定され、該油圧シリンダ51のピスト
ンロッド51aの先端と突片52とが軸96にて連結さ
れている。該突片52とスイングロッド16に突設した
突片53とが連結ロッド59aで連結されており、スイ
ングロッド16左端には突片54aが、該スイングロッ
ド16に嵌入したズームスイングロッド50右端には突
片54bがそれぞれ突設されている。 【0023】前記左伝動ケース67の連結部67a上に
は突片56が突設され、右伝動ケース68の連結部68
a上には突片55が突設され、それぞれ突片54a及び
突片54bと連結ロッド59bにて連結されている。さ
らに、前記左前車輪61を支持する支持部19a上に突
片58が突設され、右前車輪61を支持する支持部19
b上に突片57が突設され、それぞれが突片56及び突
片55と連結ロッド59cにて連結されている。 【0024】以上のように構成して、前記油圧ポンプP
からの圧油で油圧シリンダ51のピストンロッド51a
を伸縮動作させて、突片52・53を介してスイングロ
ッド16及びズームスイングロッド50を回転させるこ
とにより、前記各突片54a・54b・55・56・5
7・58と各連結ロッド59b・59b・59c・59
cとを介して、前車輪61・61及び後車輪62・62
を図1の実線及び仮想線で示す範囲で上下方向にスイン
グさせ、前記フレーム1の対地高さを任意に調整できる
よう構成している。 【0025】この場合、前記スイングロッド16の内断
面は六角形状に形成され、かつ六角柱状に形成した前記
ズームスイングロッド50が該スイングロッド16に摺
動自在に嵌入しているので、任意のトレッドにおいて突
片53を操作してスイングロッド16を回動させれば、
ズームスイングロッド50も一体的に回動して、左右両
方の車輪をスイングさせることができる。 【0026】図15に示すように、油圧シリンダー81
等で構成された前記スライド駆動機構8及び油圧シリン
ダー51等で構成された前記スイング駆動機構5は、ト
レッド変更時には固定側となる機体フレーム1の右端前
方部に配置して、特にトレッド最大時にはスイングロッ
ドと該スイングロッドから延出したズームスイングロッ
ドとの左右方向の長さ(W)に対する略中央部(スイン
グロッド16の左端からW/2、及びズームスイングロ
ッド50の右端からW/2に略相当する位置)に、前記
機体4のスライド駆動機構8及びスイング駆動機構5は
位置する。このよう構成したので、移動側のズームフレ
ーム130は軽量となり、該ズームフレーム130の伸
縮をスムースに行うことができ、簡単な構成にすること
が可能で、また強度的にも有利である。そのうえ、トレ
ッドの変更可能範囲内での車体の左右方向における重量
バランスも良く、作業時の走行直進性が良好となり直線
的に植え付けることができる。 【0027】また、スイングロッド16のズームスイン
グロッド50の未嵌入部の長さと、ズームスイングロッ
ド50のスイングロッド16からの突出部の長さを略同
じ長さに構成している。例えば、ドレッドが最大の場合
には、図15に示すように、スイングロッド16のズー
ムスイングロッド50の未嵌入部の長さY1は、ズーム
スイングロッド50のスイングロッド16からの突出部
の長さY2と略同じであり、トレッドが最小の場合に
は、図16に示すように、スイングロッド16のズーム
スイングロッド50の未嵌入部の長さY3は、ズームス
イングロッド50のスイングロッド16からの突出部の
長さY4と略同じとなっている。このように構成してい
るので、任意のトレッドにおいて車輪の上下スイングを
行ったり、走行する場合に、前記スイングロッド16と
ズームスイングロッド50のねじれが略等しくなり、車
体の傾きや歪みが防止できる。 【0028】次にトレッド変更機構について、図3、図
5、図6を用いて説明する。前記前スライドフレーム1
1に摺動自在に嵌入した前ズーム用フレーム91内に、
ナット93が嵌合固定されている。該ナット93は前ス
ライドフレーム11内に配設されたネジ軸94と螺合し
ており、該ネジ軸94が回転することによって前ズーム
用フレーム91が左右方向に摺動するよう構成してい
る。同様に、前記後スライドフレーム12に摺動自在に
嵌入した後ズーム用フレーム92内に、ナット93が嵌
合固定されている。該ナット93は後スライドフレーム
12内に配設されたネジ軸94と螺合しており、該ネジ
軸94が回転することによって後ズーム用フレーム92
が左右方向に摺動するよう構成している。 【0029】図13、図14に示すように、前記機体4
におけるエンジン2の左前方にはモータMが配設され、
該モータMの回転はベベルギア113を介して駆動スプ
ロケット110に伝達されるよう構成している。また、
前後スライドフレーム内に配設されたネジ軸94・94
の左端は、それぞれ前後部側板17・18から外側に突
出し、その先端にはスプロケット111・112がそれ
ぞれ固設されている。該スプロケット111・112及
び前記駆動スプロケット110にチェーン114を巻回
し、駆動スプロケット110の回転を前後のネジ軸94
・94に伝えている。前記チェーンはテンションスプロ
ケット115によって緊張されており、前記スプロケッ
ト111及びスプロケット112の歯数は共に同じであ
るので、前後のネジ軸94・94は共に同じ速度で回転
することとなる。 【0030】そして、前記モータMを回転駆動させるこ
とにより前記ベベルギア113、チェーン114及びス
プロケット111・112を介して、前後スライドフレ
ーム11・12内のネジ軸94・94を回転させ、前記
前後ズーム用フレーム91・92を左右にスライドさせ
ることによってトレッドの調整を行うのである。このよ
うに、トレッドの調節をネジ軸の回転にて行うと大きな
推進力を得ることができるので、例えば畑等の中でも容
易にトレッドの変更を行うことが可能である。 【0031】前述の如く構成した機体4のスライド駆動
機構8及びトレッド調節機構において、図17に示す如
くトレッドの調節可能範囲S2は、機体4のスライド可
能範囲S1よりも広く構成している。これにより例えば
四条植えなどの多条植えに対応しながらも、車幅の小さ
な軽トラック等に積載可能となり、狭い畦道の通行も容
易になった。また逆に、例えば一畝を往復移動して四条
植えをする際には、機体4は片側の二条間をスライドで
きれば足りるので、前述の如く該機体4のスライド範囲
を小さく構成してフレーム1の強度低下を防止したり、
構造の簡略化を図っている。 【0032】また、図2、図9、図10に示すように、
縦ズームフレーム15、前後車輪61・62、支持アー
ム65及び車軸ケース68をフレーム1上の昇降機構5
よりも下方に配置しており、トレッドを最小幅にした場
合にはこれらの縦ズームフレーム15、前後車輪61・
62、支持アーム65及び車軸ケース68が昇降機構5
の下方に収納されることとなり、移植機の車幅を小さく
することができ、車幅の小さな小型の積載車両にも積載
することが可能となり、移植機の運搬が容易にできるの
である。 【0033】さらに、右側の前後車輪61・62、すな
わち移動側の車輪を支持アーム65及び車軸ケース68
の内側に配置してあり、移植機の車幅をより小さくする
ことが可能となっている。例えば図11に示す如く、後
車輪62を車軸ケース68の内側に配置した場合の車幅
L1は、後車輪62を車軸ケース68の外側に配置した
場合の車幅L2に比べて幅L3分だけ小さくできる。ま
た、後車輪62を車軸ケース68の外側に配置した場合
に、車幅を前記車幅L1まで小さくすると図12に示す
ように、縦ズーム用フレーム15が右スライドフレーム
14の内側まで入り込んでくる(15’)ため、機体4
のスライド可能範囲が狭くなったり、トレッド調節機構
の構造が複雑化したりする。 【0034】従って、車軸ケースの内側に車輪を配置し
たことにより、畝や畝に貼設したマルチフィルムに車軸
ケースがひっかかることを防止できたり、移植機を車幅
の小さな小型の積載車両に積載する場合に、車輪が歩み
板の中央部を通ることができるので安定して積載するこ
とができるようになった。そのうえ、車軸ケース68の
支持部68aが地面から受ける負荷が少なくなり、該支
持部を簡単な構成にすることができるので、コストが低
減できたり、移植機の軽量化によって取扱い性の向上を
図ることができたりした。 【0035】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したことに
より、次のような効果が得られる。即ち、トレッド変更
時に固定部となる機体フレームの右端部に、機体のスラ
イド駆動機構及びスイング駆動機構を配置し、特にトレ
ッド最大時にはスイングロッドと該スイングロッドから
延出したズームスイングロッドとの左右方向の長さ
(W)に対する略中央部(スイングロッド16の左端か
らW/2、及びズームスイングロッド50の右端からW
/2に相当する位置)に、前記機体のスライド駆動機構
及びスイング駆動機構が位置するよう構成したので、移
動側のズームフレーム130は軽量となり、該ズームフ
レーム130の伸縮をスムースに行うことができ、簡単
な構成にすることが可能で、また強度的にも有利となっ
た。その上トレッドの変更可能範囲内での車体の左右方
向における重量バランスも良く、作業時の走行直進性が
良好となり直線的に植付けることができるので、植付け
た苗の育成ばらつきを減少させることが可能となった。 【0036】また、機体フレーム後端に配設したスイン
グロッド及び該スイングロッドに嵌入したズームスイン
グロッドにおけるスイングロッドのズームスイングロッ
ドの未嵌入部の長さと、ズームスイングロッドのスイン
グロッドからの突出部の長さとが略等しくなるよう構成
したので、任意のトレッドにおいて、車輪の上下スイン
グを行ったり走行する場合に、前記スイングロッドとズ
ームスイングロッドのねじれが略同じとなり、車体の傾
きや歪みが防止できることとなった。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明にかかる移植機の全体構造を示す右側面
図である。 【図2】同じく左側面図である。 【図3】同じく平面図である。 【図4】同じくスイング駆動機構の右側面図である。 【図5】スライド駆動機構部の側面断面図である。 【図6】同じく正面図である。 【図7】機体の側面図である。 【図8】同じく平面図である。 【図9】トレッドを最小幅にした移植機の平面図であ
る。 【図10】同じくスイング駆動機構とズーム用フレーム
の位置関係を示す正面図である。 【図11】車輪取付け位置によるドレッドの違いを示す
図である。 【図12】車輪取付け位置によるズーム用フレームの位
置の違いを示す図である。 【図13】前後ネジ軸の駆動機構を説明する左側面図で
ある。 【図14】同じく平面図である。 【図15】トレッド最大時におけるスイングロッド及び
ズームスイングロッドの長さを示す平面図である。 【図16】トレッド最小時におけるスイングロッド及び
ズームスイングロッドの長さを示す平面図である。 【図17】機体のスライド可能範囲及びトレッドの調節
可能範囲を示す図である。 【符号の説明】 L1 スイングロッドのズームスイングロッドの未嵌入
部の長さ L2 ズームスイングロッドのスイングロッドからの突
出部の長さ M モータ P 油圧ポンプ W トレッド最大時のスイングロッド及びズームスイン
グロッドの長さ 1 機体フレーム 2 エンジン 3 移植部 4 機体 5 スイング駆動機構 7 出力軸 8 スライド駆動機構 11 前スライドフレーム 12 後スライドフレーム 15 縦ズーム用フレーム 51・81 油圧シリンダ 68 伝動ケース 68a 連結部 91 前ズーム用フレーム 92 後ズーム用フレーム 130 ズームフレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 修一 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マー農機株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−84711(JP,A) 特開 平9−131105(JP,A) 特開 平8−37829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/00 - 11/02 303

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エンジン2や移植部3などを搭載した機
    体4を、前スライドフレーム11と後スライドフレーム
    12と右スライドフレーム14により構成したスライド
    フレーム上で左右にスライド可能とし、該前スライドフ
    レーム11と後スライドフレーム12に嵌挿した、前ズ
    ーム用フレーム91と後ズーム用フレーム92の伸縮で
    トレッドを調節可能とした野菜移植機において、 トレッド変更時に固定部となるスライドフレームの右端
    部を構成する右スライドフレーム14部分に、前記機体
    4のスライド駆動機構8を構成する油圧シリンダー8
    1、及び車輪を上下するスイング駆動機構5を構成する
    油圧シリンダ51配置し、 スライドフレームの後端に、スイング駆動機構5におい
    て左右両方の車輪をスイングさせるスイングロッド1
    6、及び該スイングロッド16に嵌入したズームスイン
    グロッド50を配置し、 トレッド最大時における前記スイングロッド16内にお
    けるズームスイングロッド50の未嵌入部の長さY1
    と、同じくズームスイングロッド50のスイングロッド
    16からの突出部の長さY2とが略等しくなるよう構成
    し、 トレッド最大時にスイングロッド16と該スイングロッ
    ド16から延出したズームスイングロッド50とを加算
    した左右方向の長さWに対する略中央部に、前記右スラ
    イドフレーム14が配置されるように構成した ことを特
    徴とする野菜移植機。
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