JP3524402B2 - コイルボビン及びコイル装置 - Google Patents

コイルボビン及びコイル装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タ等の駆動装置に用いるコイルボビン及びコイル装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータの駆動部等には、コイ
ルボビンにコイルを巻回することにより形成されたコイ
ル装置が用いられている。このコイル装置では、コイル
ボビンに設けられた端子板に外部機器との接続部となる
端子ピンが立設されている。そして、端子ピンには、コ
イルボビンに巻回されたコイルの両端末部分が、テンシ
ョンをかけた状態で絡げられている。なお、このような
コイル装置の一例として、特開昭60−208807号
公報に記載された装置を、図11及び図12に示して説
明する。
【0003】図11及び図12に示す高周波コイル装置
51は、コイルボビン52と、このコイルボビン52に
巻回されたコイル53とから構成されている。コイルボ
ビン52は、コイル53を巻回するための筒状の巻胴部
54と、巻胴部54の端部に設けられた端子板55とを
有している。また、端子板55には、複数の端子ピン5
6が立設されている。さらに、端子板55の各端子ピン
56の近傍には、それぞれ突起57が立設されている。
なお、コイル53の両端末は、それぞれ端子ピン56及
びその近傍に立設された突起57に同時に絡げられてい
る。また更に、各端子ピン56には、プリント基板58
が嵌め込まれている。そして、各突起57の先端部分
は、プリント基板58を各端子ピン56に嵌め込む際の
ストッパーとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような高周波
コイル装置51では、端子ピン56の近傍に小さな突起
57を設け、コイル53の両端末を端子ピン56及び突
起57に同時に巻回するようにしたため、大きなスペー
スを必要とする突起が不要となり、コイル53を端子ピ
ン56に絡げる巻き線動作の自動化が容易なものとなっ
ている。しかしながら、この高周波コイル装置51を含
め、従来の一般的なコイル装置では、各端子ピンにコイ
ルの両端末部分をかなり高いテンションをかけながら絡
げている。そのため、このコイルを絡げる作業をする際
や、あるいは工場間の運搬時等に端子ピンが折れて倒れ
易くなる。端子ピンが倒れると、端子ピンに絡げている
コイルが断線してしまうという問題が生じる。上述の高
周波コイル装置51においても、端子ピン56と突起5
7との間に隙間が生じており、端子ピン56が折れると
いう問題は完全に解消されていない。
【0005】また、図11及び図12に示す高周波コイ
ル装置51では、端子ピン56の近傍に設置されている
突起57が、対向する端子ピン56,56間に設置さ
れ、しかも間隙d1,d2を有しているため、幅Wが小
さくなると、自動巻きのためのコイルノズルの通過スペ
ースが狭くなり、巻き線の自動化がし難いという問題が
生じる。さらに、コイルの端末が導出される側の端面部
分に配置されるのが端子ピンであるため、コイルの端末
がピンと張ることとなり断線し易い状況は、従来どおり
となっている。
【0006】本発明の目的は、上述した問題を解決する
ためになされたもので、コイルが断線しにくいコイルボ
ビン及びコイル装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載のコイルボビンは、コイルを巻回する
ための筒状の巻胴部を2つ並べて対向させて配置し、各
巻胴部の端部より巻胴部の半径方向外側に延出された端
子板と、この端子板に所定間隔離して立設された、各巻
胴部用の複数の金属製の端子ピンと、上記端子板に一体
的に設けられ、それぞれの端子ピンと同方向に突出す
樹脂製の凸部とを備え、凸部は、対となる端子ピン以外
の端子ピンと対向しない位置に設け、各端子ピン間を、
各端子ピンにコイルの端末を絡げるためのコイルノズル
の通過スペースとしている。そのため、端子ピンは、凸
部に支えられて倒れにくいものとなる。さらに、コイル
の巻き線動作を自動化した際に、巻き線用のコイルノズ
ルが各端子ピン間を通過し易く、コイルノズルで端子ピ
ンを倒すことなくスムーズに巻き線動作を行うことが可
能となる。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のコイルボビンにおいて、凸部を巻胴部側において端
子ピンに密接させている。そのため、端子ピンは、巻胴
部側のコイルにより力を受けたとしても、密接した凸部
に支えられているので、倒れにくいものとなる。
【0009】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載のコイルボビンにおいて、凸部をコイルの
端末が導出される側の端面と端子ピンとの間に設けてい
る。そのため、この装置のコイルの巻回作業をコイルノ
ズルを用いて自動化する場合、そのコイルノズルが端子
ピンに接近するときに、凸部が端子ピンをコイルノズル
から保護することとなり、端子ピンを倒すことなくスム
ーズに巻き線動作を行うことが可能となる。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1,
2または3記載のコイルボビンにおいて、凸部の先端を
端子ピンとは反対方向に略直角に伸びるように突出させ
ているので、端子ピンに他の部材、例えばフレキシブル
プリント基板等を挿入する際に、凸部の先端部分がフレ
キシブルプリント基板等に対するストッパーとなる。そ
のため、コイルの巻胴部と端子ピンとの連絡部分となる
位置、すなわち一番テンションのかかる位置である端子
ピンの根元部分にプリント基板等が接触しないこととな
り、コイルの一番断線し易い部分が断線から保護され
る。
【0011】また、請求項5記載のコイル装置は、請求
項1から4のうちの1項記載のコイルボビンの巻胴部に
コイルを巻回し、このコイルの少なくとも一側の端末
を、端子ピンと凸部とを1つの芯とするように巻回し絡
げている。そのため、コイルの端末が凸部で補強された
端子ピンに接続されるため、端子ピンの折れによるコイ
ルの断線が生じにくいものとなる。
【0012】さらに、請求項6記載の発明は、請求項5
記載のコイル装置において、コイルの端末を端子ピンと
凸部とに絡げた状態で端子ピンとコイルとを半田付け固
定することによって、凸部を溶解させてコイルを凸部に
食い込ませコイルの端末を弛ませている。このように、
凸部にコイルが食い込む分だけ、コイルの端末部分のテ
ンションに余裕ができて、コイルが断線しにくいものと
なる。すなわち、端子ピンが折れたり、コイルに負荷が
かかっても、簡単にはコイルが断線しないものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のコイルボビン及びコイル
装置の実施の形態について、図1から図8を用いて説明
する。なお、本実施の形態では、図1に示すように、2
つのコイル装置1a,1bを並べて配置しこれら2つを
接合することによって形成された、いわゆるステッピン
グモータのステータとして使用されるコイル装置1を例
にあげて説明する。しかしながら、各コイル装置1a,
1bは、それぞれ単体でも、本発明のコイル装置として
使用できるものとなっている。なお、このステッピング
モータは、ビデオカメラのレンズ駆動に使用されるもの
で、外周の円筒部の径が10mm程度と極めて小さいも
のとなっている。このため、このコイル装置1の外径Φ
も10mm程度と極めて小さい形状となっている。
【0014】図1において、上側に配置された一方のコ
イル装置1aは、コイルボビン2と、このコイルボビン
2に巻回された銅色のコイル3から構成されている。コ
イルボビン2は、図1及び図2に示すように、コイル3
を巻回するための筒状の巻胴部4及びこの巻胴部4の両
端部にそれぞれ形成されたフランジ5,5から構成され
る本体部6と、本体部6の一方のフランジ5に組み込ま
れた磁性金属材のヨーク7と、を有している。
【0015】ヨーク7は、図3に示すように、内側にロ
ーターマグネット(図示省略)を対向配置させるための
円形の孔部8を有している。また、ヨーク7の孔部8の
縁部分には、孔部8の縁部分を折曲することによって形
成された5本の極歯9が設けられている。これらの極歯
9は、コイルボビン2の巻胴部4の内周側に嵌め込ま
れ、本実施の形態のコイル装置1の内周側に配置される
ローターマグネットと対向されるようになっている。ま
た、ヨーク7の外周部分には、ケーシング等への位置決
めのための突出部10が形成されている。
【0016】また、コイル装置1aの巻胴部4の端部、
すなわち、一方のフランジ5には、このフランジ5に一
体的に接合するように形成された樹脂製の端子板11
が、巻胴部4の半径方向外側に延出するように形成され
ている。この端子板11は、他方のコイル装置1bと兼
用となっており、他方のコイル装置1bのフランジ15
にも一体的に接合されるようになっている。なお、コイ
ル装置1aのヨーク7は、他方のコイル装置1bのヨー
ク17と接合されている。そのため、コイル装置1は、
両コイル装置1a,1bが両ヨーク7,17及び端子板
11によって接合されることによって一体的なものとな
っている。なお、本実施の形態では、端子板11は、2
つのコイル装置1a,1bの双方用の兼用部材となって
いるが、別部材でそれぞれ形成しそれらを接合するよう
にしてもよい。
【0017】また、図1において下側に配置された他方
のコイル装置1bは、一方のコイル装置1aと同様の構
成を有している。すなわち、コイル装置1bは、コイル
ボビン12と、このコイルボビン12に巻回された銅色
のコイル13から構成されている。コイルボビン12
は、上述したコイルボビン2と同様に、コイル13を巻
回するための筒状の巻胴部(図示省略)及びこの巻胴部
の両端部にそれぞれ形成されたフランジ15,15から
構成される本体部16と、本体部16の一方のフランジ
15に組み込まれた磁性金属材のヨーク17と、を有し
ている。
【0018】ヨーク17は、上述したヨーク7と同様
に、内側にローターマグネット(図示省略)円形の孔部
(図示省略)を有しており、この孔部の縁部分には、5
本の極歯(図示省略)が設けられている。そしてこれら
の極歯は、コイルボビン12の内周側に嵌め込まれるよ
うになっており、本実施の形態のコイル装置1の内周側
に配置されるローターマグネットと対向されるためのも
のとなっている。なお、コイル装置1bの各極歯は、一
方のコイル装置1aの各極歯9と半ピッチずつずらして
配置される。また、ヨーク17は、上述のヨーク7と同
様、ケーシング等へ位置決めされるための突出部(図示
省略)を有している。
【0019】また、コイル装置1bのフランジ15に
は、このフランジ15に一体的に接合するように形成さ
れた端子板11が、巻胴部の半径方向外側に延出するよ
うに形成されている。この端子板11は、上述したよう
に一方のコイル装置1aと兼用となっている。
【0020】さらに、2つのコイル装置1a,1bの兼
用の端子板11のコイル装置1a側には、図4及び図5
に示すように、コイル装置1a用の2本の金属製の端子
ピン21a,21bが、所定間隔離れた位置に立設され
ている。また、端子板11のコイル装置1b側には、コ
イル装置1b用の2本の金属製の端子ピン21c,21
dが、所定間隔離れた位置に立設されている。なお、こ
れら合計4本の端子ピン21a,21b,21c,21
dは、千鳥状に配置されており、外部機器との接続部と
なっている。
【0021】また、端子板11には、端子ピン21a,
21b,21c,21dとそれぞれ同方向に突出し,か
つ端子ピン21a,21b,21c,21dの根元部分
にそれぞれに密接する凸部22a,22b,22c,2
2dが設けられている。この凸部22a,22b,22
c,22dは、端子板11と一体的に黒色の樹脂で形成
されている。各凸部22a,22b,22c,22d
は、それぞれ各端子ピン21a,21b,21c,21
dの端子板11への固定を補強し、ピン倒れを防止した
り、コイル3,13の端末のテンションを弱めたりする
ためのものとなっている。
【0022】なお、各凸部22a,22b,22c,2
2dは、それぞれ密接していない他の3本の端子ピンと
対向しない位置となるように設けられている。すなわ
ち、凸部22aは、密接していない端子ピン21b,2
1c,21dと対向しない位置、すなわちコイル3の端
末が導出される側の端面と端子ピン21aとの間に設け
られている。また、凸部22bは、凸部22aと同様な
位置、すなわち、密接していない端子ピン21a,21
c,21dと対向しない位置に設けられる。さらに、凸
部22cは、密接していない端子ピン21a,21b,
21dと対向しない位置、すなわち、コイル13の端末
が導出される側の端面と端子ピン21cとの間に設けら
れる。同様に、凸部22dは、密接していない端子ピン
21a,21b,21cと対向しない位置に設けられて
いる。この構成は、各端子ピン21a,21b,21
c,21d間に図4のSで示すスペースを広く確保し、
このスペースSを各端子ピン21a,21b,21c,
21dにコイル3,13の端末を絡げるためのコイルノ
ズル(図示省略)の通過スペースとすることによって、
巻き線動作をより容易にするものとなっている。
【0023】なお、一方のコイル装置1a用の端子ピン
21a,21bには、巻胴部4に巻回された銅色のコイ
ル3の両端末がそれぞれテンションをかけながら絡げら
れるようになっている。なお、このコイル3の一方の端
末となる巻き始め部分は、端子ピン21aの先端側に、
端子ピン21aに少なくとも3巻分絡げられ、残りを端
子ピン21aと凸部22aを1つの芯とするように少な
くとも2巻分絡げられるようになっている。その後、巻
胴部4にコイル3が巻回される。また、コイル3の他方
の端末となる巻き終わり部分は、端子ピン21bの根元
部分では、端子ピン21bと凸部22bとを1つの芯と
するように少なくとも2巻分絡げられ、残りを端子ピン
21bの先端側に少なくとも3巻分絡げられるようにな
っている。
【0024】また、他方のコイル装置1b用の端子ピン
21c,21dには、巻胴部(図示省略)に巻回された
銅色のコイル13の両端末がそれぞれ絡げられるように
なっている。なお、このコイル13の一方の端末となる
巻き始め部分は、端子ピン21cの先端側に、端子ピン
21cに少なくとも3巻分絡げられ、残りを端子ピン2
1cと凸部22cとを1つの芯とするように少なくとも
2巻分絡げられるようになっている。その後、巻胴部に
コイル13が巻回される。また、コイル13の他方の端
末となる巻き終わり部分は、端子ピン21dの根元部分
では、端子ピン21dと凸部22dとを1つの芯とする
ように少なくとも2巻分絡げられ、端子ピン21dの先
端側に少なくとも3巻分絡げられるようになっている。
【0025】このように各端子ピン21a,21b,2
1c,21dは、それぞれ銅色のコイル3,13の各両
端末を、根元の黒色の樹脂で形成された凸部22a,2
2b,22c,22dと密接した部分に少なくとも2
巻、その先に少なくとも3巻絡げるようになっている。
そのため、製造時の絡げの良、不良を見分ける際に、特
に根元の部分の2巻分の絡げ状態を視認し易い構成とな
っている。
【0026】また、各端子ピン21a,21b,21
c,21dの根元部分では、各コイル3,13の両端末
が、それぞれ凸部22a,22b,22c,22dに同
時に絡げられるようになっているので、各端子ピン21
a,21b,21c,21dの各凸部22a,22b,
22c,22dへの固定が各コイル3,13の端末によ
って確実になされる。その結果、各端子ピン21a,2
1b,21c,21dが倒れにくいものとなる。また、
各コイル3,13の端末が、凹部22a,22b,22
c,22dで補強された端子ピン21a,21b,21
c,21dの最も強い部分である根元に接続されること
となり、端子ピン21a,21b,21c,21dの折
れによるコイル断線が生じにくいものとなる。、
【0027】図6に示すグラフは、各端子ピン21a,
21b,21c,21dに荷重をかけた場合のその荷重
値と変位量との関係を示したものである。図6によれ
ば、本実施の形態のコイル装置1では、各端子ピン21
a,21b,21c,21dを100μm変位させるの
に、約480gfの荷重が必要となる(図表中の
a’)。また、200μm変位させるのに、約580g
fの荷重が必要となる(図表中のb’)。300μm変
位させるのに、約630gfの荷重が必要となる(図表
中のc’)。400μm変位させるのに、約660gf
の荷重が必要となる(図表中のd’)。500μm変位
させるのに、約670gfの荷重が必要となる(図表中
のe’)。
【0028】これに対し、従来技術のコイル装置、すな
わち本実施の形態における凸部22a,22b,22
c,22dのないコイル装置では、100μm変位させ
るのに、約350gfの荷重でよい(図表中のa”)。
また、200μm変位させるのに、約380gfの荷重
でよい(図表中のb”)。300μm変位させるのに、
約400gfの荷重でよい(図表中のc”)。400μ
m変位させるのに、約430gfの荷重でよい(図表中
のd”)。500μm変位させるのに、約450gfの
荷重でよい(図表中のe”)。このように、図6のデー
タからも、凸部22a,22b,22c,22dが設け
られる装置では、ピン倒れが起こりにくくなっているこ
とがわかる。
【0029】なお、本実施の形態のコイル装置1は、コ
イルノズル(図示省略)でコイル装置1aの巻胴部4及
びコイル装置1bの巻胴部(図示省略)にそれぞれコイ
ル3,13を巻回し、コイル3,13の端末をそのまま
コイルノズルで各端子ピン21a,21b,21c,2
1dに絡げた後、ディップ半田工程によって半田付け固
定される。そのため、コイル端末3,13の端末部分の
各端子ピン21a,21b,21c,21dへの固定
が、さらに確実なものとなる。
【0030】一方、この状態で半田付け固定されること
によって、樹脂で形成された凸部22a,22bは半田
付け時の熱により溶解する。このとき、テンションがか
けられた状態で各端子ピン21a,21b,21c,2
1dに絡げられているコイル3,13の各両端末は、熱
で溶解し柔らかくなった両凸部22a,22b,22
c,22dの各部位にそれぞれ食い込む。これによっ
て、凸部22a,22b,22c,22dに各コイル
3,13それぞれの両端末が食い込む分だけ、コイル
3,13の両端末部分を絡げている径が小さくなってコ
イル3,13が弛むため、コイル3,13のテンション
が緩み、その結果、コイル3,13が断線し難くなる。
【0031】上述したように構成されたコイル装置1に
は、図7及び図8に示すように、各端子ピン21a,2
1b,21c,21dの先端部分から、挿入口24a,
24b,24c,24dを挿入することにより、このコ
イル装置1を制御駆動するためのFPC(フレキシブル
プリント基板)23が装着される。なお、各端子ピン2
1a,21b,21c,21dにそれぞれ密接させた各
凸部22a,22b,22c,22dの先端部分が、端
子ピン21a,21b,21c,21dにFPC23を
装着する際のストッパーとなっている。
【0032】なお、本実施の形態では、各凸部22a,
22b,22c,22dの先端部分はストレートな形状
となっているが、図9に示すように、各凸部22a,2
2b,22c,22dの先端部分を、それぞれ密接して
いる端子ピン21a,21b,21c,21dと反対方
向に伸びるように突出させるように構成すると、この突
出部分25が、FPC23をコイル装置1に装着する際
の確実なストッパーとなる。
【0033】このように、各凸部22a,22b,22
c,22dの先端部分をストッパーとしたため、コイル
装置1aの巻胴部4及びコイル装置1bの巻胴部(図示
省略)とそれぞれの端子ピン21a,21b,21c,
21dとの連絡部分となる位置、すなわち一番テンショ
ンのかかる位置である根元部分にFPC23が接触しな
いこととなり、コイル3,13の一番断線し易い部分の
断線防止となる。なお、コイル3,13の端末部分の絡
げは、突出部分25より根元部分にのみするのが好まし
いが、突出部分25より先端側にも一部絡げるようにし
てもよい。
【0034】本発明のコイルボビン及びコイル装置の実
施の形態は、上述したように構成されているが、特にこ
れらに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更が可能である。例えば、上述した実施
の形態では、各凸部22a,22b,22c,22d
を、密接しない3本の端子ピンに対向しない位置に設け
たが、図10(A)及び(B)に示すように、コイル
3,13の端末が導出される側の端面部分27を厚く
し、その反対側部分28を薄くした凸部22a,22
b,22c,22dとしてもよい。このようにすると、
同じコイルが絡げられる端子ピンの間の間隙が狭くなら
ず、この間隙が狭くなっているコイル装置にとって好ま
しいものとなる。
【0035】上述の各実施の形態では、端子ピン21
a,21b,21c,21dの4側面中の1側面または
2側面に密接されて各凸部22a,22b,22c,2
2dを設けたが、各凸部22a,22b,22c,22
dは、それぞれ各端子ピン21a,21b,21c,2
1dの各周囲を取り囲むように設けても良い。このよう
に構成したり、図10(A)及び(B)のように構成す
ると、各端子ピン21a,21b,21c,21dの倒
れ防止効果が向上する。なお、全周を囲むようにする場
合、コイルノズルが通るスペースを広めに確保するため
に、各凸部22a,22b,22c,22dのコイル
3,13の導出する側の端面に対向しない部分について
は、薄めに構成するのが好ましい。
【0036】また、上述した実施の形態では、各コイル
3,13の両端末を、各端子ピン21a,21b,21
c,21dの根元部分で各端子ピン21a,21b,2
1c,21dと各凸部22a,22b,22c,22d
とを1つの芯となるように絡げているが、端子ピン21
a,21b,21c,21dのみを絡げるようにしても
よい。また、各凸部22a,22b,22c,22d
は、各端子ピン21a,21b,21c,21dの根元
部分のみに密接するように端子板11に立設されている
が、各凸部22a,22b,22c,22dは、各端子
ピン21a,21b,21c,21dの全長に密接する
ように構成してもよい。このように構成すると、各端子
ピン21a,21b,21c,21dの倒れ防止の効果
はさらに向上する。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、端子ピンが、端子板に一体的に設けられた
凸部に支えられて倒れにくく、信頼性の高いコイルボビ
ンとすることが可能である。しかもピン倒れが起こりに
くいので、コイルを巻回しコイルの端末を端子ピンに絡
げた際に、コイルの特に端末の部分に断線等の不良が生
ずるのを防止できるものとなる。また、樹脂部分となる
凸部と端子ピンとを1つの芯となるようにコイルを巻回
し、半田付け固定すると、凸部が溶解し、コイル端末が
緩み、断線が生じにくくなる。
【0038】また、請求項2記載の発明によれば、凸部
が端子ピン間に配置されず、このスペースが広く確保さ
れるので、巻き線用のコイルノズルが容易に各端子ピン
間を通過可能となる。そのため、コイルノズルで端子ピ
ンを倒す危険性が少なく、スムーズに巻き線動作を行う
ことができ、製造効率のよりコイルボビンとなる。
【0039】さらに、請求項3記載の発明によれば、コ
イルの巻回作業をコイルノズルを用いて自動化する場
合、そのコイルノズルが端子ピンに接近するときに、凸
部が端子ピンをコイルノズルから保護することとなる。
そのため、ピン倒れを防止でき、スムーズに巻き線動作
によって効率的な製造を行うことのできるコイルボビン
となる。
【0040】また、請求項4記載の発明によれば、凸部
の先端の横方向に突出した部分で、例えばプリント基板
等を受けることができるので、コイルのテンションのか
かりやすい位置にプリント基板等が接触せず断線し難い
コイルボビンとなる。
【0041】また、請求項5記載の発明によれば、端子
ピンの凸部への固定がコイルの端末によって確実になさ
れると共に、端子ピンが補強されるので、端子ピンが倒
れにくい信頼性の高いコイル装置となる。しかもピン倒
れが起こりにくいので、コイルを巻回しコイルの端末を
端子ピンに絡げた際に、コイルの特に端末の部分に断線
等の不良が生ずるのを防止できるものとなる。また、樹
脂部分となる凸部と端子ピンとを1つの芯となるように
コイルを巻回し、半田付け固定すると、凸部が溶解し、
コイル端末が緩み、断線が生じにくくなる。
【0042】さらに、請求項6記載の発明によれば、コ
イルの端末を端子ピンと凸部とに絡げた状態で端子ピン
とコイルとを半田付け固定する。その半田付け時の熱に
よって凸部が溶解し、コイルが凸部に食い込む。そのた
め、凸部にコイルが食い込む分だけ、コイルが弛んでコ
イルのテンションが緩み、コイルが断線しにくいものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のコイル装置を示した平面
図である。
【図2】図1を矢示II方向から見た図で、一方のコイ
ルボビンの一方のフランジを切り欠いて内部のコイルを
一部露出させた背面図である。
【図3】図1に示すコイル装置の一方のコイルボビンの
ヨークを示した斜視図である。
【図4】図1に示すコイル装置の端子ピン近傍を示した
拡大斜視図である。
【図5】図4の矢示V方向から見た平面図である。
【図6】本発明の実施の形態のコイル装置と、凸部部分
がないコイル装置の各端子ピンに荷重をかけた場合のそ
れぞれの荷重値と変位量との関係を示したグラフであ
る。
【図7】本発明の実施の形態のコイル装置にフレキシブ
ルプリント基板を装着した状態の端子ピン近傍を示した
平面図である。
【図8】図7の矢示VIII方向から見た正面図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態のコイル装置の凸部部分を
変形させた第1の変形例の主要部のみを示した側面図で
ある。
【図10】本発明の実施の形態のコイル装置の凸部部分
を変形させた第2の変形例の主要部のみを示した図で、
(A)は平面図で、(B)は(A)の矢示B方向から見
た側面図である。
【図11】従来のコイル装置を示した平面図である。
【図12】図11の矢示XIIから見た図である。
【符号の説明】
1,1a,1b コイル装置 2 コイルボビン 3 コイル 4 巻胴部 5 フランジ(巻胴部の端部) 11 端子板 12 コイルボビン 13 コイル 15 フランジ(巻胴部の端部) 21a,21b,21c,21d 端子ピン 22a,22b,22c,22d 凸部 S 通過スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 3/46 H01F 5/04 H02K 15/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを巻回するための筒状の巻胴部
    2つ並べて対向させて配置し、 巻胴部の端部より上記巻胴部の半径方向外側に延出さ
    れた端子板と、 この端子板に所定間隔離して立設された、各巻胴部用の
    複数の金属製の端子ピンと、上記端子板に一体的に設けられ、それぞれの 上記端子ピ
    ンと同方向に突出する樹脂製の凸部と、 を備え、 上記凸部は、対となる端子ピン以外の端子ピンと対向し
    ない位置に設け、各端子ピン間を、上記各端子ピンに上
    記コイルの端末を絡げるためのコイルノズルの通過スペ
    ースとし たことを特徴とするコイルボビン。
  2. 【請求項2】 前記凸部は、前記巻胴部側において前記
    端子ピンに密接していることを特徴とする請求項1記載
    のコイルボビン。
  3. 【請求項3】 前記凸部を、前記コイルの端末が導出さ
    れる側の端面と前記端子ピンとの間に設けたことを特徴
    とする請求項1または2記載のコイルボビン。
  4. 【請求項4】 前記凸部の先端を前記端子ピンとは反対
    方向に略直角に伸びるように突出させたことを特徴とす
    る請求項1,2または3記載のコイルボビン。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のうちの1項記載のコイ
    ルボビンの前記巻胴部にコイルを巻回し、このコイルの
    少なくとも一側の端末を、前記端子ピンと前記凸部を1
    つの芯とするように巻回し絡げたことを特徴とするコイ
    ル装置。
  6. 【請求項6】 前記コイルの端末を前記端子ピンと前記
    凸部とに絡げた状態で前記端子ピンと前記コイルとを半
    田付け固定することによって、前記凸部を溶解させて前
    記コイルを前記凸部に食い込ませ前記コイルの端末部分
    を弛ませたことを特徴とする請求項5記載のコイル装
    置。
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