JP4265318B2 - ステッピングモータコイルボビンの巻線製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報機器分野・映像機器製品などに使用されるステッピングモータのコイルボビン製造方法および巻線処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータコイル端子部でのコイル断線を防ぐためにコイルに巻回されるマグネットワイヤの巻き始め及び巻き終り部分に弛みを付与し,断線を防止する方法が実施されている(例えば、特許文献1参照)。図4は前記特許文献1に記載された従来の巻線方法を示すものである。
【0003】
図4によればステップモ−タのコイルボビン24に突設する端子ピン27の側部に櫛歯状の突起35を置き,端子ピン27にマグネットワイヤ26を絡み付かせる。この突起35は先端がボビン24の胴部側に突出しない程度としている。この状態でノズル32,33の位置を胴部の位置にした後に下降させ,ボビン24を取付けたスピンドル31を一回転させる。すると突起35にワイヤ26が掛かった状態で巻付けられる。その後ノズル32,33を上昇させ,スピンドル31を回転させてコイルを巻く。そして再びワイヤ26を突起35に掛けた状態で他の端子ピン28にその終端を絡み付かせる。そして各端子ピンを半田付けして突起35から取外す。これによりコイルに巻回されるマグネットワイヤの巻始め及び巻終り部分に弛みを付与し,断線を防止している。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−239707号公報(第5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータの小型化要求に伴い端子間のピッチも狭まる為、ピッチ間に治具を挿入したり除去したりすることでの線たるませによる断線対策は、困難になってきている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、端子間のピッチが狭いコイルボビンでも線をたるませて断線を防ぐ巻線方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、コイルボビンの端子を端子用穴の底面より手前まで挿入した後、コイル巻き始め・巻き終わりを各々端子に巻回したのち上記端子をさらに端子用穴に押し込むことで、線のたるませを実現する。これにより端子間に治工具を挿入抜去することなく断線対策が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1に記載のステッピングモータコイルボビンの巻線製造方法は、複数の端子とステータコイル巻線のための樹脂成型による巻枠と、この巻枠の端面に設けられた端子保持部と、前記端子保持部に設けられ、前記複数の端子を挿入する端子用穴とを備えたステッピングモータコイルボビンの巻線製造方法であって前記端子用穴は、前記端子の長手方向に対して垂直かつ巻枠に向かって穴が空けられたものであり、前記端子を前記端子用穴に挿入して、コイル巻き始め・巻き終わりを各々端子に巻回した後、前記端子を前記端子用穴に沿うように前記端子の長手方向に対して垂直方向にかつ巻枠に向かってさらに押し込むのである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0010】
(実施例1)
実施例1は、ステッピングモータコイルボビン及びその巻線製造方法である。
【0011】
図1は、巻線前のコイルボビンを示すものである。巻枠1は樹脂成型品にて生産される。巻枠端面には、端子を保持する部位2を有する。端子保持部2には端子挿入用穴3が空けられている。この穴に、端子4を底面までではなく手前まで挿入する。必要に応じて端子の接着・溶着で保持強度を上げてもよい。
また、図1では端子、穴形状はともに丸(円柱)であるが、楕円であっても直方体・立方体であってもかまわない。
【0012】
次に巻線工程を説明する。
【0013】
図2において、巻線機にコイルボビンを装着する。まずコイルボビン端子41に巻き始めのコイル線5をコイルボビン端子からげ処理部51に数回巻回してからげ保持する。続いて巻線機を回転させ、コイルボビン巻枠内にコイル線5を充填する。もうひとつのコイルボビン端子からげ処理部52に巻き終りのコイル線5を巻き始めと同様に端子に数回巻回しからげ保持する。その後上記巻き始め41・巻き終り42の端子をからげがなされている状態で端子用穴内側方向へ押し込む。
【0014】
これにより、図2で張りつめていた端子からげ部へのコイル渡り線61,62は、図3に示すようににたるみを設けたコイル渡り線63,64とすることが出来る。
【0015】
なお、図1,2,3では端子二本の場合であるが、端子が3本以上の場合でも同様の作業により、同様の効果が得られる。
【0016】
【発明の効果】
上記の実施例1から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、端子を端子用穴の底面より手前まで挿入し、コイル巻き始め・巻き終わりを各々端子に巻回した後、上記端子を端子用穴にさらに押し込むことにより、十分にたるみをもたせることができるので断線を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるコイルボビンの斜視図
【図2】本発明の実施例1における端子再押し込み前コイルボビンおよび巻線の斜視図
【図3】本発明の実施例1における端子再押し込みを施してたるみを持たせたコイルボビンおよび巻線の斜視図
【図4】特開平4−239707号公報の従来例の図
【符号の説明】
1 コイルボビンの巻枠部
2 コイルボビン端面に形成された端子保持部
3 端子保持部に設けた端子挿入用穴
4 端子
5、26 コイル(マグネットワイヤー)
24 コイルボビン
27、28 コイルボビンに突設する端子ピン
31 スピンドル
32,33 ノズル
35 櫛歯状の突起
41 コイル巻き始め結線(からげ用)端子
42 コイル巻き終わり結線(からげ用)端子
51 コイル巻き始め端子結線(からげ)処理部)
52 コイル巻き終わり端子結線部(からげ)処理部
61 端子再押し込み前のコイル巻き始めの渡り線
62 端子再押し込み前のコイル巻き終わりの渡り線
63 端子再押し込み後のコイル巻き始めの渡り線
64 端子再押し込み後のコイル巻き終わりの渡り線

Claims (1)

  1. 複数の端子とステータコイル巻線のための樹脂成型による巻枠と、この巻枠の端面に設けられた端子保持部と、前記端子保持部に設けられ、前記複数の端子を挿入する端子用穴とを備えたステッピングモータコイルボビンの巻線製造方法であって
    前記端子用穴は、前記端子の長手方向に対して垂直かつ巻枠に向かって穴が空けられたものであり、
    前記端子を前記端子用穴に挿入して、コイル巻き始め・巻き終わりを各々端子に巻回した後、
    前記端子を前記端子用穴に沿うように前記端子の長手方向に対して垂直方向にかつ巻枠に向かってさらに押し込むことを特徴とするステッピングモータコイルボビンの巻線製造方法。
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