JP3523870B2 - グアノシンからのフルダラビン−ホスフェートの製法 - Google Patents

グアノシンからのフルダラビン−ホスフェートの製法

Info

Publication number
JP3523870B2
JP3523870B2 JP51339194A JP51339194A JP3523870B2 JP 3523870 B2 JP3523870 B2 JP 3523870B2 JP 51339194 A JP51339194 A JP 51339194A JP 51339194 A JP51339194 A JP 51339194A JP 3523870 B2 JP3523870 B2 JP 3523870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
acyl
converted
moiety
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51339194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08505608A (ja
Inventor
ジー ボーマン,ジョン
シー ワイアッシング,ランドルフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bayer Pharma AG
Original Assignee
Schering AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Schering AG filed Critical Schering AG
Publication of JPH08505608A publication Critical patent/JPH08505608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3523870B2 publication Critical patent/JP3523870B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/16Purine radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/16Purine radicals
    • C07H19/20Purine radicals with the saccharide radical esterified by phosphoric or polyphosphoric acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明はフルダラビン(fludarabine)又はフルダラ
ビン−ホスフェートの製法に関する。同様に、本発明は
フルダラビン又はフルダラビン−ホスフェートの製造に
有用な中間体、並びにそのような中間体の製法に関す
る。
9−β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロアデ
ニン−5′−ホスフェートとして公知のフルダラビン−
ホスフェートは抗ガン剤、9−β−D−アラビノフラノ
シル−2−フルオロアデニン、すなわちフルダラビン又
はF−Ara−A、の前駆薬剤形である。従って、フルダ
ラビン−ホスフェートは化学療法に有効な薬剤形であ
り、生体内において親薬剤に変換する。
米国特許第4210745号明細書はこの抗ガン剤の合成法
を開示しており、米国特許第4357324号明細書はこの抗
ガン剤をホスホリル化し、前駆薬剤フルダラビン−ホス
フェートを獲得することを記載している。国際特許明細
書WO 91/08215号はフルダラビン−ホスフェートの合成
に関する関連製法を開示している。この概要は、フルダ
ラビン及びフルダラビン−ホスフェートは、通常次の工
程により製造される: (a)アシル化:2,6−ジアミノプリン(2−アミノアデ
ニンともいう)をピリジン及びカルボン酸無水物の混合
物中で還流し、2,6−ジアシルアミドプリンとし、ここ
でアミノ基をアシル基で保護する; (b)カップリング:2,3,5−トリ−O−ベンジル−1−
O−p−ニトロベンゾイル−D−アラビノフラノース
(TBNA)を相当する塩化糖、2,3,5−トリ−O−ベンジ
ル−1−α−クロロ−D−アラビノフラノースに変換
し、次いでこれを2,6−ジアシルアミドプリンと、全て
の塩化糖が消費されるまで数日にわたって非極性溶剤、
例えば二塩化エチレン中で、かつ触媒、例えばモレキュ
ラーシーブの存在で、又は塩酸アクセプター、例えばジ
イソプロピルエチルアミンの存在で結合させ、保護され
たヌクレオシドである2,6−ジアシルアミド−9−β−
D−(2′,3′,5′−トリ−O−ベンジルアラビノフラ
ノシル)プリンを製造する; (c)脱アシル化:(b)工程の保護されたヌクレオシ
ドをメタノール性ナトリウムメチレートと共に還流し、
アシル基を除去し、O−保護ヌクレオシドである2−ア
ミノ−9−β−D−(2′,3′,5′−トリ−O−ベンジ
ルアラビノフラノシル)アデニンを得る; (d)ジアゾ化/フッ素化:(c)工程のO−保護ヌク
レオシドをテトラヒドロフラン−フッ化硼素酸(THF−H
BF4)システム中で亜硝酸ナトリウム及びフッ化硼素酸
と反応させることによりジアゾ化及びフッ素化して、2
−フルオロ−9−β−D−(2′,3′,5′−トリ−O−
ベンジルアラビノフラノシル)アデニンを獲得し; (e)脱ベンジル化:工程(d)からの生成物を三塩化
硼素で、又は水素及び塩化パラジウムで処理して、ベン
ジル保護基を除去し、9−β−D−アラビノフラノシル
−2−フルオロアデニン、親薬剤を獲得するか;又は (f)ホスホリル化:工程(e)からの生成物をアルキ
ルホスフェート、例えばトリエチルホスフェート、又は
トリメチルホスフェート中でオキシ塩化燐と混合し、引
き続き水中で加水分解し、前駆薬剤である9−β−D−
アラビノフラノシル−2−フルオロアデニン−5′−ホ
スフェート又はフルダラビン−ホスフェートが得られ
る。
この方法の欠点の1つは工程(b)で使用される保護
された糖(TBNA)が非常に高価であり、かつ市販で手に
入ることが限られていることである。工程(d)でのジ
アゾ化/フッ素化反応が比較的低い収率を有しているの
で、高価な原料からのフルダラビン又はフルダラビンホ
スフェートの総収率は不所望に低い。従って、高価な保
護糖の使用を回避する方法を提供することが望まれてい
る。更に、カップリング反応はスケールアップすること
が困難であり、かつ完全に立体選択性でないため、この
タイプのカップリング工程を必要としない方法が望まし
い。
国際特許第91/08215号明細書に記載された改変法を用
いて、十分にカップリング反応の収率及び信頼性が改良
され、かつ反応時間が減少したが、この改変法は、市販
されていない、より複雑な無水物の使用を必要とする。
このことは、無水物自体を製造しなければならないた
め、方法に更に付加的な工程を加える。
出発物質である2,6−ジアミノプリンも、同様に高価
であり、かつ市販に限りがある。従って、この出発物質
を必要としない方法を提供することが望まれる。
公知法の更なる欠点は、前記のように、THF−HBF4
ステムを用いるジアゾ化/フッ素化工程からの2−フル
オロ−アデノシン化合物の低い収率である。従って、2
−フルオロ基がより効果的に導入される方法を提供する
ことが有利である。
発明の概要 本発明の目的はフルダラビン又はフルダラビンホスフ
ェートを合成するための新規方法を提供することであ
る。より詳細には、本発明の課題は前記従来技術と結び
付いた欠点を示さず、かつ出発物質としてヌクレオシド
を使用する、フルダラビン又はフルダラビンホスフェー
トを合成するための新規方法を提供することである。
更に、明細書及び添えられたクレームを研究する際
に、本発明の更なる課題及び利点が該分野の専門家には
明らかになる。
この課題はフルダラビンの製法により達せられるが、
この方法においてはグアノシンに次の工程を施す: (a)6−ケト基の6−アミノ基への変換、 (b)2−アミノ基の2−フルオロ基への変換、及び (c)リボフラノシル部のアラビノフラノシル部への変
換。工程(a)、(b)及び(c)は個別に、又は同時
に、かつ任意の順序で実施することができる。
更に、本発明の一定の態様はとくに有利である。次の
ものが含まれる: (a)リボフラノシル糖部の、3′,5′−ジシロキサン
橋、2′−オキソ基及び2−フルオロ基を有する中間体
を経てのアラビノフラノシル部への変換; (b)糖変換の間に、3′,5′−ジアシル−2′−OSO2
R2−2−フルオロ中間体の生産及び使用; (c)糖変換の間に、3′,5′−ジアセチル−2′−オ
キソ−2−フルオロアデニン中間体の生産及び使用; (d)触媒としてDABCOを利用し、6−クロロ又は6−
ブロモ化合物の6−フルオロへのハロゲン変換; (e)先行するフッ素化工程からのHF−ピリジン媒体を
用いるアシル化;及び (f)後続のフッ素化と共に2−アミノ−アデノシン化
合物のアシル化。
本発明方法により、ヌクレオシドのグアノシン、C10H
13N5O5、すなわち2−アミノ−9−β−D−リボフラノ
シル−9H−プリン−6(1H)−オンを親薬剤であるフル
ダラビン、C10H12FN5O4、すなわち9−β−D−アラビ
ノフラノシル−2−フルオロアデニン又は9−β−D−
アラビノフラノシル−2−フルオロ−9H−プリン−6−
アミンの合成法に出発材料として使用する。次いで、フ
ルダラビンをホスホリル化すると、前駆薬剤フルダラビ
ンホスフェート、C10H13FN5O7Pが得られる。
1実施態様によれば、本発明はグアノシン出発材料に
最初にヒドロキシ保護工程を施す工程を包含し、この工
程の際に糖又はリボフラノシル部の2′−、3′−、及
び5′−ヒドロキシ基はAcO保護基(ここでAcはアシル
基である、すなわちAcはR−CO−であり、ここでRは有
機基である)に変換する。このヒドロキシ保護工程にハ
ロゲン化が続く。ハロゲン化工程の間に、塩基又はプリ
ン部の6−ケト基はハロゲン、例えばCl、Br、又はF、
有利にFに変換する。2−アミノ基は次いで2−フルオ
ロ基に変換する。
6−ハロゲン基は次いでアミノ基に変換し、中間体で
ある2−フルオロ−2′,3′,5′−トリ−O−アシルア
デノシン化合物が得られる。次いで、選択的脱アシル化
を実施することができ、この際2′−AcO保護基がヒド
ロキシ基に変換する。あるいは変法として、全てのアシ
ル−O−保護基を除去し、次いで3′,5′−位をジシロ
キサン橋により選択的に保護することができる。次いで
2′−ヒドロキシ基が変換するが、その際リボフラノシ
ル部がアラビノフラノシル部に変換し3′−及び5′−
保護基(例えば、AcO又はジシロキサン橋)、及び、も
し存在するならば2′−保護基(AcO)HA除去されて、
フルダラビンが得られる。所望であれば、次いで5′−
ヒドロキシ基を選択的にホスホリル化し、フルダラビン
ホスフェートを得る。前記方法は、特に図式1中に示さ
れている(X=ハロゲン)。
選択的な変法として、6−ハロ基の6−アミノ基への
変換を2−位のフッ素化の前に実施することができ、2
−アミノ−2′,3′,5′−トリ−O−アシルアデノシン
中間体が得られる。XがNH2である図式1の化合物3を
参照。次いで、2−アミノ基を2−フルオロ基に変換す
ると、前記2−フルオロ−2′,3′,5′−トリ−O−ア
シルアデノシン中間体が得られる。更に、この実施態様
においては、6−O−スルホニル基、すなわち−OSO2R
(ここで、Rは有機基、有利に2,4,6−トリイソプロピ
ルフェニルである)を6−ハロ基の代わりに使用するこ
とができる。Xが−OSO2R4で、R4はCH3、CF3、アリール
(例えば、フェニル)、又はC1-4−アルキル及び/又は
C1-4−アルコキシ基3個までで置換されたアリールであ
る図式1の化合物3参照。
本発明の他の実施態様によれば、グアノシンの6−ケ
ト基を最初にアミノ化し(ハロ−又は−OSO2R中間体の
生成を行うか、又は行わずに)、保護されていない中間
体2,6−ジアミノ−9−β−D−リボフラノシル−9H−
プリン、すなわちいわゆる2−アミノアデノシンが形成
される(場合によってはO−アシル化化合物を得ること
もできる)。図式2の化合物12参照。この中間体化合
物、場合によってはO−アシル化された化合物を、2−
アミノ基がフッ素に変換し、次いでヒドロキシ基の好適
な保護と共に、リボフラノシル糖部の2′−ヒドロキシ
基を反転してアラビノフラノシル糖部を形成するか、又
は反対に糖反転を最初に実施し、次いでアミノ基を2−
フルオロ基に変換する。反応図式2参照。
本発明の他の実施態様によれば、最初にグアノシンに
糖反転を行ない、この際リボフラノシル部はアラビノフ
ラノシル部に変換し、9−β−D−アラビノフラノシル
グアニン(いわゆるアラ(ara)−グアノシン)化合物
が得られ、この化合物は保護基を有さないか、又は炭水
化物上のヒドロキシ基にアシル又はジシロキサン保護基
を有している。次いで、6−ケト基を6−アミノ基に変
換し、かつ保護基が存在する場合は、保護基を除去し、
9−β−D−アラビノフラノシル−2,6−ジアミノプリ
ン(2−アミノ−アラ−アデノシンとも呼ばれる)が得
られる。次いで、この2−アミノ基を、炭水化物ヒドロ
キシ基を保護するか又は保護しないで、フルオロ基に変
換して、フルダラビン(F−アラ−A)を獲得する。ア
ラ−グアノシンの6−ケト基の6−アミノ基への変換は
直接に実行するか、又はヒドロキシ基を適当な保護の下
に、類似のリボフラノシル化合物、グアノシンに関して
前記したと同様にして、6−ハロ又は−OSO2R誘導体を
介して実行する。この2−アミノ基を相応するリボフラ
ノシル類似化合物に関して記載した方法で2−フルオロ
基に変換することもできる。
本発明方法においては出発物質としてグアノシンを使
用することが記載されている。しかしながら、例えば部
分的にアシル化されたグアノシンのようなグアノシン誘
導体を出発材料として使用することもできることを認め
るべきである。
本発明方法によれば、アシル化による2′−、3′
−、及び/又は5′−ヒドロキシ基の保護は最初に好適
な懸濁媒体中に保護基を有さないか、又は部分的に保護
されたヌクレオシドを有利に懸濁又は溶解することによ
り実施する。この媒体は1つ又は複数の極性の非プロト
ン溶剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、アセトニトリル又はピリジンからな
る。この媒体はテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサ
ン又はハロゲン化溶剤のような僅かに極性の非プロトン
共溶剤を含有していてもよい。この媒体は有利に更に酸
スキャベンジャー、例えば過剰のピリジン又はトリエチ
ルアミンのような3級アミンの1又は数当量を含有す
る。多くの場合、4−ジメチルアミノピリジンのような
アシルトランスファー触媒が反応速度を増加させ、かつ
反応を低温で開始可能にすることができる。選択的な方
法として、主溶剤はアシル化剤として適用されるカルボ
ン酸無水物に相当するカルボン酸であってよい。
ヌクレオシドは低い溶解性を示し、完全な溶解な困難
である。従って、低量の溶剤を使用するという観点から
懸濁液がしばしば有利である。
アシル化剤、例えばハロゲン化アセチル又は塩化ベン
ゾイルのようなアシルハロゲン化物であってよいが、有
利には酢酸無水物、プロピオン酸無水物、イソ酪酸無水
物又は安息香酸無水物のようなカルボン酸無水物が有利
であるアシル化剤の3当量又はそれ以上を懸濁液に、有
利に撹拌下に添加する。反応混合物の温度を水分の排除
下に約0〜90℃に保持する。反応の進行は薄層クロマト
グラフィー(TLC)のような好適な方法で、反応が完結
するまで監視するのがよい。
過剰のアシル化剤は有利にヒドロキシ基を有する溶剤
(例えば、メタノールのような低級アルコール又は水)
の添加によりクエンチし、生じた混合物を有利に真空下
に濃縮する。このアシル化生成物を好適な方法で残分か
ら、有利に好適な溶剤又は溶剤混合物から沈殿させるこ
とにより単離し、かつ必要な場合は同じ、又は異なる溶
剤又は溶剤混合物から再結晶する。
有利な沈殿用溶剤は水、又は水と1種以上の水混和性
溶剤、例えばアセトニトリル、アセトンのようなケト
ン、又は2−プロパノールのような低分子アルコールと
の混合溶剤である。好適な再結晶用溶剤はこれらの溶
剤、又はこれらの溶剤と、酢酸エチルのようなエステ
ル、テトラヒドロフラン(THF)又は1,4−ジオキサンの
ようなエーテルとの混合物を包含し、かつN,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)のような極性非プロトン溶剤少量を包含していても
よい。引き続き、生じた沈殿を、有利に濾過又は遠心分
離により集めて、所望の保護されたヌクレオシドを獲得
する。
選択的な単離法としては、残分を水と好適な水非混和
性の溶剤、例えば酢酸エチルとの間で分配する。水非混
和性溶剤層を炭酸水素ナトリウム塩のような緩和な水性
塩基で抽出し、過剰なアシル化剤から誘導された全ての
残留カルボン酸を除去し、かつ同様に酸水溶液で洗い、
過剰な酸スキャベンジャーを除去するか、又は銅イオン
を含有する水溶液で残留ピリジンを除去することができ
る。水非混和性溶剤の蒸発はトリ−O−アセチル化生成
物を提供する。一般に、この生成物はほとんどの使用に
好適な程度に純粋であるが、必要であれば再結晶又はク
ロマトグラフィーのような常法で精製することができ
る。
こうして、例えば、2−フルオロ−2′,3′,5′−ト
リ−O−アシルアデノシンを得るために、2−フルオロ
アデノシンをアシル化し、この際リボフラノシル糖部の
2′−、3′−、及び5′−ヒドロキシ基がアシル保護
された基、例えばAcOに変換し、ここでAcは有利に炭素
原子を12個まで有するアシル基、例えば炭素原子1〜5
個を有するアルカノイル基(例えば、アセチル、プロピ
オニル、ブチリル)、ベンゾイル、又はCH3、ハロ、ニ
トロ、及び/又はメトキシ基1〜3個により置換された
ベンゾイル、ナフトイル、又はCH3、ハロ、ニトロ、又
はメトキシ基により置換されたナフトイル、である。ア
セチル又はベンゾイルが有利である。反応図式2の化合
物15参照。
前記の常用の成分に加えて、アシル化媒体は40重量%
までフッ化水素及び他のジアゾ化/フッ素化反応混合物
の成分を含有していてよい。この場合、存在する酸スキ
ャベンジャーは有利にピリジンのような芳香族複素環塩
基である。有利に、フッ化水素の量は、ピリジンのよう
な酸スキャベンジャーの量を、モルをベースにして3倍
を越える過剰ではない。媒体中にフッ化水素が存在する
場合、有利にアシルトランスファー触媒を反応媒体から
除去する。
アシル化反応媒体中にフッ化水素が存在する可能性
は、先行する2−アミノ置換基の2−フルオロ基への変
換に適用されるフッ化水素−ピリジン媒体から未保護の
フルオロヌクレオシドを単離するための有利な別法を提
供する。更に、フッ化水素が反応混合物中に存在する場
合、酸HFを用いる場合に関する安全性を考慮する、幾つ
かの単離法の別法を適用することができる。
例えば、反応混合物を塩基及び不溶性のフッ化物塩を
形成する金属イオン、例えばカルシウムイオンを含有す
る水性懸濁液又は水溶液と組み合わせることができる。
例えば、反応混合物を炭素カルシウムの水性懸濁液と混
合し、かつ生成物を好適な有機溶剤中に抽出するか又は
溶解させ、前記のように精製することができる。
単離法の有利な別法は反応混合物をボレートイオン
類、有利に硼酸を含有する水性又はアルコール性溶液又
は懸濁液と混合し、生じた沈殿を濾過又は遠心分離によ
り集めることである。硼酸は他の常用のボレート類、例
えばナトリウムテトラボレート(硼砂)又はカリウムテ
トラボレートより有利である。その理由は硼酸は、アセ
チル化生成物を汚染する難溶性無機塩、例えばフッ化ナ
トリウム、フルオロ硼酸カリウム、又はヒドロキシトリ
フルオロ硼酸カリウムを形成する危険性を回避するため
である。この別法として、又は収率を改善するために、
水性濾過液に前記のような抽出単離法を行なうことがで
きる。
所望の3′,5′−ジ−O−アシル中間体を獲得するた
めに、選択的アシル保護法よりも、むしろ完全な保護/
選択的脱保護系を行なうことが有利である。
2−アミノアデノシン化合物の選択的トリ−O−アシ
ル化は2−アミノ基の付随アシル化のために、失敗した
ことが記載されている(Montgomery等著、J.Med.Che
m.、1969、第12巻、第498〜504行)。しかしながら、緩
和な酸性条件下で実施する場合、プリンアミノ基の僅か
な程度のアシル化で、完全なO−アシル化を達成するこ
とができる。アシル基がアセチル基である場合、生じた
生成物の混合物は再結晶で分離することは困難である
が、この混合物に以下に記載するジアゾ化/フッ素化法
を実施し、生じた2−フルオロアデノシン化合物を粗反
応残分から結晶化することにより適当な収率で単離する
ことができる。フッ素化が生じるかもしれないし、生じ
ないかもしれない不所望なN−アシル副生成物は容易に
この精製法で除去される、それというのも極性溶剤中及
び水中へのその高い溶解性、及び低い結晶性のためであ
る。
アシル化は合成法からのフルダラビンの総収率を上昇
させるために、部分的に保護されたヌクレオシド副生成
物を後続工程から回収し、再使用するための有利な方法
として使用することもできる。例えば、アシル化は2′
−O−脱アシル化反応からの2′,5′−アシル、2′,
3′−アシル及び他の副生成物の混合物を回収するため
に使用することができる。この場合、ヒドラジン又はヒ
ドロキシルアミン誘導体、例えばアシルヒドラジド、ヒ
ドロキサム酸、ヒドラゾン又はオキシムが再使用するた
めの材料中に存在することがある。もしそうである場
合、これらの基の完全なアシル化を確実にするために十
分量のアシル化剤を加え、かつ所望のトリ−O−アシル
ヌクレオシド中間体を形成することが有利である。
本発明によるハロゲン化は種々の方法で実施すること
ができる。例えば、6−ケト基の6−クロロ又は6−ブ
ロモ基への変換は有利に脱水ハロゲン化法により実施さ
れる。この方法はO−保護出発材料を好適な溶剤、有利
にアセトニトリル中に溶かすことを包含する。脱水剤及
びハロゲン化剤、有利にこれらの両方の機能を有する単
独の薬剤、例えばオキシ塩化燐のようなハロゲン化ホス
ホリル、を添加する。有利に、反応混合物は相当する遊
離ハロゲンイオンの補助源を同様に1当量以上含有す
る。好適な補助ハロゲン源はベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロリドのようなテトラアルキルアンモニウムハ
ロゲン化物である。反応混合物から水分を遮断するのが
有利である。次いで、反応混合物を5〜60分の間、60〜
100℃の温度に、有利に還流下に加熱する。反応の開始
時に溶液の形成は必要ではないが、反応混合物が加熱の
間、均質になることが有利である。ロビンス(Robins)
等著、Can.J.Chem.、1981、第59巻、第2601〜2607頁参
照。
次いで、反応混合物を真空下に濃縮し、残分を氷水
と、水不混和性有機溶剤、例えばジクロロメタン、又は
有利に酢酸エチルとの間で分配する。生じた混合物を氷
と共に撹拌し、有機層及び水層を分離する。有機部分を
乾燥し、濾過し、かつ真空下に濃縮する。所望の6−ハ
ロ化合物、ここでハロはCl又はBrである、を生じた残分
から適当な方法、例えばクロマトグラフィー、又は有利
に好適な媒体、例えば2−プロパノールで結晶化するこ
とにより精製する。
相応する6−フルオロ化合物を製造するために、6−
クロロ又は6−ブロモ化合物をハロゲン交換することが
できる。この方法においては、6−Cl又は6−Br化合物
を、好適な極性非プロトン溶剤、例えばジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はケ
トン溶剤、特にアセトン中に最初のハロゲン化の生成物
を、フッ素化剤として使用するための可溶性フッ素イオ
ン源と一緒に溶かすことにより処理する。好適なフッ素
化剤はテトラアルキルアンモニウムフッ化物塩、例えば
テトラブチルアンモニウムフッ化物、又はフッ化カリウ
ム又はフッ化セシウム;広い表面積を有するフッ化カリ
ウム、すなわちスプレー乾燥したもの、が有利である。
6−クロロ又は6−ブロモ化合物の6−フルオロ化合
物への変換は立体障害のない3級アミン触媒、例えばト
リメチルアミン、キヌクリジン、又は有利に1,8−ジア
ザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)の触媒量が反応
媒体中に存在する場合、最も効果的である。室温で固体
であるDABCOは室温で気体であるトリメチルアミンに対
して幾つかの利点を示す。例えば、DABCOはトリメチル
アミンより高い反応速度を提供し、揮発性が低く、こう
して反応の間反応容器から容易に漏れず、取扱が容易で
あり、かつより正確に測定することができる。
生じた溶液又は懸濁液を約20〜50℃に約6〜48時間、
保持した後、溶液/懸濁液を真空下に濃縮し、生じた残
分を好適な懸濁媒体、例えばクロロホルム又は酢酸エチ
ル中に懸濁させ、この懸濁液を濾過する。濾液は、例え
ば2−プロパノールから再結晶し、相応するフルオロ化
合物を獲得することができる。
ロビンス等著、Can.J.Chem.、1981、第59巻、第2601
〜2607頁を再度参照。
6−O−スルホニル誘導体は2′,3′,5′−トリ−O
−アシル−グアノシン化合物をスルホン酸無水物又は塩
化スルホニルで、ピリジン又はハロカーボン媒体、例え
ばジクロロメタン中で、酸スキャベンジャーとして3級
アミン、例えばトリエチルアミンと共に処理することに
より製造することができる。
ブリッドソン(Bridson)等の方法、J.C.S.、Chem.Co
mmun.、1977、第791〜792頁参照。
6−OSO2R4の6−Fへの変換はDABCO又はトリメチル
アミンの存在で好適なフッ素化剤、例えばフッ化カリウ
ムで行なうべきである。6−OSO2R4の6−NH2又は6−N
3への変換は立体障害を有さない3級アミン触媒の存在
においてアンモニアのような好適なアミノ化剤を用いて
実施することができる。6−Cl又は6−Br化合物の6−
アジドへの変換に関しては下記の図1の議論も参照。
2−アミノ置換基を有する、モノハロゲン化、6−ハ
ロ化合物、例えば6−Cl、6−Br又は有利に6−F化合
物、並びに非ハロゲン化2−アミノ−アデノシン又は2
−アミノ−アラ−アデノシン化合物にジアゾ化/フッ素
化工程を行ない、2,6−ジハロ化合物(例えば、クロロ
フルオロ又はジフルオロ)又は2−F−6−アミノ化合
物をそれぞれ獲得することができる。
例えば、6−フルオロ−2−アミノ化合物に、更にジ
アゾ化剤、例えば亜硝酸アルキル、有利に亜硝酸t−ブ
チル又は無機亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウム、又は
より有利に亜硝酸カリウム、及びフッ素化剤、例えばフ
ッ化硼素酸、又は有利にHF−ピリジンを用いるフッ素化
を温度−30℃〜+30℃、有利に−15℃〜0℃、で行なう
ことができる。
有利な媒体はフッ化水素を50〜70重量%、より有利に
は55〜60重量%を含有するフッ化水素及びピリジンの混
合物である。この媒体は無水である。しかし、亜硝酸ナ
トリウムのような無機硝酸を使用するならば、有利に反
応混合物に濃水溶液として加える。生じた混合物を前記
温度範囲内に約10〜120分間保持する。
アシル保護なしでのHF−ピリジン反応及び生じた反応
媒体からの2−フルオロ化合物の単離は、関連する同時
係属出願第07/981333号、1992年11月25日出願、中に更
に記載されている。
次いで、所望の生成物を単離するか、又は同じ媒体中
で後続の反応を行なう。例えば、もしフッ化水素−ピリ
ジンをフッ素化媒体として使用し、かつ生成物が有機溶
解性を付与するアセチル保護基1つ以上を有しているな
らば、反応混合物をジクロロメタン又は有利に酢酸エチ
ルのような有機溶剤中の水の間で分配する。引き続き、
水層及び有機層を分離し、水で抽出し、次いで炭酸水素
ナトリウム又はカリウムのような緩和な塩基性水溶液
で、過剰なフッ化水素を除去し、かつ場合により、希鉱
酸水溶液、又は銅イオン水溶液で残留ピリジンを除去す
る。有機抽出物を乾燥し、濾過し、真空下に濃縮する。
鉱酸又は銅イオン洗浄を行なわない場合、生じた残分を
好適な高沸点溶剤、例えばトルエン中に再懸濁又は再溶
解し、かつ真空中で濃縮し全ての残留ピリジンを除去す
る。フッ化水素−ピリジンをフッ素化剤として使用し、
かつ全てのヒドロキシ基がアシル基によって保護されて
いる場合に単離法の有利な別法においては、反応混合物
をボレート類、例えば硼砂又は有利に硼酸の水性溶液又
は懸濁液と混合する。生じた沈殿を濾過又は遠心分離に
より集め、更に前記のように精製する。選択的に、又は
収率を改善するために、反応の生成物を水非混和性溶
剤、例えば酢酸エチル中に抽出し、前記の一般的抽出法
により精製する。反応混合物とボレート混合物とを混合
することによりえられた懸濁液又は溶液を、場合により
所望のように、緩和な塩基の添加により、又は緩衝剤水
溶液を添加して中和する。ピリジンがフッ素化用媒体中
に存在する場合、有利な塩基なピリジンであり、必要な
場合、付加的なピリジンを加える。
前記処置工程におけるボレートの使用はフッ素化媒体
からの過剰のフッ化水素をフルオロボレートイオン(BF
4 -)又はヒドロキシトリフルオロボレートイオン(BF3
(OH))に変換する。この方法は前記の単離法に対し
て幾つかの利点を有する。第1に、腐食性であり、かつ
揮発性のフッ化水素の濃度が十分に低下し、このことは
この方法をより安全で、便利なものにしている。第2
に、反応混合物の中和に必要な塩基の量が十分に低下
し、こうして生成する無機水の量が十分に低下する。こ
の2つの利点はスケールアップを促進する。
生じた2,6−ジハロ又は2−フルオロ−6−アミノ化
合物は油状残分として、又は固体として得られる。次い
で、この残分を更に精製することなしに、後続の工程
(例えば、6−位のアミノ化、糖部の変換)に使用する
ことができる。しかしながら、もし精製を望むのであれ
ば、この生成物をクロマトグラフィーのような好適な方
法で、又は好適な溶剤、例えば2−プロパノールで結晶
化することにより精製することができる。
HF−ピリジンのような媒体中で非保護の2,6−ジアミ
ノプリンヌクレオシドのジアゾ化/フッ素化は生じたフ
ルオロアデニン化合物の単離に特別な方法を必要とす
る。フルオロアデニンヌクレオシドの単離法は関連同時
係属明細書第07/981333号明細書(1992年11月25日出
願)中に開示されている。選択的な方法においては、非
保護フルオロヌクレオシドの単離は、処理に先行してこ
れを相応するトリ−O−アシル化化合物に変換すること
により、有利に回避することができる。
例えば、2−アミノアデノシンを50〜70%HF−ピリジ
ンの媒体中でフッ素化した後、アシル化剤、有利にカル
ボン酸無水物、例えばプロピオン酸無水物またはより有
利には酢酸無水物を反応媒体中に添加する。アシルトラ
ンスファー触媒、例えば4−ジメチルアミノピリジン
(DMAP)も添加してもよい。HF−ピリジンのような媒体
中で、カルボン酸無水物は同様にHFと反応し、弱いアシ
ル化剤であるアシルフッ素化物を形成する。従って、こ
の競合反応を処理可能なレベルに抑えるために、媒体中
のHFの割合が無水物の添加の前に低下していることが有
利である。HFの割合を低下させるための簡単で有利な方
法は反応を無水ピリジンで希釈し、HF:ピリジンのモル
比を3:1〜1:1にする。より高い割合ではアシルフッ化物
の形成が早く、何倍ものアシル化剤の過剰が必要であ
り、アシル化反応の完了の前に生成物の低下が生じる。
この割合を1:1より低くするためには多量のピリジンが
必要になる。いずれの場合も、添加したピリジン又はア
シル化剤は有利な単離法を妨害する。
アシル化法のためには、有利なHF:ピリジンのモル比
は約2:1又は約HF34w/w%である。この条件下に、約5〜
10モル当量(2−アミノアデノシンの量に対して)を使
用する場合、トリ−O−アシル化化合物の最高収率が得
られる。フッ素化反応媒体中に水が存在する場合、例え
ば亜硝酸アルカリ金属塩を水溶液として添加した場合、
いくらか多量に必要である。
次いで、アシル化反応を15〜40℃で4〜48時間、又は
有利に室温で1夜実施する。好適な方法、例えばHPCLC
又はTLCで測定し、アシル化が完了した場合、トリ−O
−アシル化化合物を前記方法の1つで、最も有利にはボ
レート法により単離する。
こうして、ジアゾ化/フッ素化及びアシル化反応が完
了した後、この反応物を有利に硼酸の水溶液又は懸濁液
と混合し、生じた沈殿を濾過又は遠心分離で集め、かつ
水及び/又はアルコール溶剤で洗浄し、残留水溶液反応
成分を除去する。次いで、集めた固体、粗2−フルオロ
−2′,3′,5′−トリ−O−アシル化合物をアシル化法
の論議で記載したように更に精製する。沈殿を集めない
場合、また収率を増加させるためには、濾液を有機溶剤
で抽出し、付加的な化合物を獲得する。これは後続の反
応に使用する前にクロマトグラフィー又は再結晶による
更なる精製を通常必要とする。
このアシル化法及びボレート単離法の利点は、この連
続法を非保護2−フルオロアデニンヌクレオシドの単離
のための有利な別法にする。この方法は、もし3′,5′
−ジ−O−アシル中間体を製造するための、選択的脱保
護工程を後続のリボフラノシル部のアラビノフラノシル
部への変換に適用する場合、特に有利である。この方法
は、フッ素化工程直後の中間化合物を精製するためにも
有利な状況をもたらす。
この方法の最も明らかな利点は、生成物が2−フルオ
ロ−2′,3′,5′−トリ−O−アセチルアデノシンであ
る、有利な例によって示される。ボレート処理法が適用
される場合、所望の生成物は、反応を硼酸でクエンチし
た後で得られる水性混合物中に、反応混合物中の重要な
成分だけが高い溶解性を示さない成分である。こうし
て、生成物を濾過又は遠心分離により良好な収率で、か
つ高い純度で単離することができ、付加的な有機溶剤を
必要としないか、又は僅かに必要とする。更に、この化
合物のほとんどの常用有機溶剤中への室温での低い溶解
性は、この化合物を更に精製するために、かつ再結晶に
おける高い回収率で有利な化合物にする。この化合物の
低い溶解性は明らかに抽出単離法にも必要である。
前記脱水ハロゲン化法は6−位にハロゲン原子、Cl又
はBrを提供するために使用することができる。次いで、
F原子をハロゲン交換によって6−位に挿入することが
できる。最終的に、ジアゾ化/フッ素化は6−Cl−2−
NH2、6−Br−2−NH2又は6−F−2NH2化合物をジハロ
ゲン化化合物、すなわち6−Cl−2−F、6−Br−2−
F、及び6−F−2−F化合物にそれぞれ変換するため
に使用することができる。更に、ジアゾ化/フッ素化法
は2−アミノ−アデノシンヌクレオシドからアデノシン
ヌクレオシドのアデニン部の2−位にF原子を挿入する
ためにも使用することができる。
この一般的ハロゲン化法はヌクレオシドのフラノシル
炭水化物部のキラル中心の配置から独立している。こう
して、これらの方法はリボフラノシル又はアラビノフラ
ノシル部のいずれを有するヌクレオシドにも適用するこ
とができる。通常、フラノシル部のヒドロキシ基をハロ
ゲン化の間保護する。しかしながら、2−アミノ−アデ
ノシン又は2−アミノ−アラ−アデノシンの場合2−位
のフッ素化は糖部のヒドロキシ基を保護することなく実
施することができる。反応図式2、化合物12から化合物
7、及び反応図式2、化合物17から化合物10を参照。2
−位のフッ素化に続いて、ヒドロキシ基のアシル保護を
実施することができる。図式2、化合物7から化合物15
を参照。
有利な順序において、2′,3′,5′−トリ−O−アシ
ル化グアノシンヌクレオシド(化合物2)に、例えば最
初のハロゲン化工程(すなわち、脱水ハロゲン化)を行
なう、この際6−ケト基をClに変換し(化合物3、X=
Cl)、2−アミノ−6−クロロ−9−β−D−(2′,
3′,5′−トリ−O−アシルリボフラノシル)−9H−プ
リンを獲得する。次いで、フッ素化工程(すなわち、ハ
ロゲン交換)を実施し、相応する6−フルオロ化合物を
獲得することができる(化合物3、X=F)。次いで、
更なるフッ素化工程を実施し、ジフルオロ化合物、2,6
−ジフルオロ−9−β−D−(2′,3′,5′−O−アシ
ルリボフラノシル)−9H−プリン(化合物4、X=F)
を獲得することができる。同様に、反応図式5参照。
本発明の合成法中のジハロ化合物のアミノ化は、例え
ば、最初にジハロ化合物を、最も有利にはジフルオロ化
合物を好適な無水非プロトン溶剤中に溶かすことによっ
て実施する、ここで非プロトン溶剤とは、有利にエーテ
ル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサ
ン、又は1,2−ジメトキシエタンである。もしアミノ化
工程と同時にO−アシル保護基を除去することを望まな
いのであれば、アルコールのようなプロトン溶剤は回避
すべきである。モントゴメリイ(Montgomery)等著、J.
Org.Chem.、1968年、第33巻、第432頁参照。
このアミノ化は有利に無水アンモニア中で、約10〜30
℃の温度で、例えばTLC又はHPLCのような好適な分析法
により測定し、ジハロ化合物が消費されるまで、撹拌す
ることにより達成する。生じた混合物を真空下に濃縮
し、粗残分を獲得し、この残分を更にクロマトグラフィ
ー、水及び有機溶剤、例えば酢酸エチル又はハロカーボ
ン溶剤間での分配、又は生成物の有機溶剤、例えば酢酸
エチル又はハロカーボン溶剤中への溶解及び無機沈殿物
の濾過による除去、又は水溶液中への抽出により精製す
ることができる。最終的な精製は有利に好適な溶剤又は
溶剤の組合せからの再結晶により行ない、この際この溶
剤は、広範囲の種々の有機溶剤、例えばヒドロキシ保護
基の特性に依存してアミド類、エステル類、エーテル
類、アルコール類、ハロカーボン類又は炭水化物類に加
えて水を包含してよい。
ロビンス等著、Can.J.Chem.、1981、第59巻、第2608
〜2611頁を同様に参照。
2,6−ジハロ中間体は、例えば反応図式中に示すよう
に、有利に粗生成物の精製なしに、直接アミノ化を行な
うことにより得られ、、ここで6−ハロ基(有利に6−
F)を6−アミノ基に変換し、2−ハロ−2′,3′,5′
−トリ−O−アシル化−保護−アデノシンが得られる。
6−クロロ−2−フルオロ及び6−ブロモ−2−フルオ
ロ化合物はアミノ化反応において有利な基質ではない、
それというのもアミノ化は2−フルオロアデノシン及び
2−アミノ−6−クロロプリンヌクレオシド又は2−ア
ミノ−6−ブロモプリンヌクレオシド化合物の混合物に
導くためである。この結果、所望のフルオロアデノシン
化合物の収率が低下し、その単離を複雑にする。
この方法によるアミノ化は同様に、前記O−アシル保
護2−アミノアデノシン化合物のフッ素化に適用する場
合、ジアゾ化/フッ素化法の収率を上昇させるための方
法として適用することができる。この場合、特にジアゾ
化剤の過剰が使用される場合、ジアゾ化/フッ素化法の
選択性が完全ではないため、著しい量の相応する2,6−
ジフルオロ化合物が形成される。このジフルオロ化合物
はこのアミノ化法によって所望のフルオロアデノシン化
合物に変換する。
アミノ化はジフルオロヌクレオシド及びフルオロアデ
ノシンの粗混合物のいずれにも実施することができる。
別法で、この化合物を、例えばフルオロアデノシン化合
物の結晶化により分離し、次いでこの結晶化の母液から
回収されるジフルオロ化合物をアミノ化することができ
る。この方法は特にアミノアデノシン又はアミノ−アラ
−アデノシンのアシル化から得られた生成物の粗混合物
にフッ素化を実施するときに有利である、なぜならば必
要とされるジアゾ化剤の量はN−アシル化のレベルにお
ける可変性のために見積もることが困難であるからであ
る。反応図式2の化合物12から化合物14、そして15を参
照。
2−アミノ−6−ハロヌクレオシド化合物のアミノ化
は、有利に2工程を介して達成される、この際ハロ基は
最初にトリメチルアミンを触媒としてアゾ基に置換す
る。次いで、このアゾ基はアミノ基に還元され(Robins
等著、Can.J.Chem.、1981年、59巻、第2601頁に記
載)、2−アミノアデノシン化合物を形成する。有利な
方法においては、DABCOはハロゲン交換反応の場合前記
のように、ハロゲン置換の触媒として使用される。
グアノシンの直接アミノ化はフォアブリッゲン(Vorb
rueggen)等により記載された方法(Liebigs Ann..Che
m.、1976、第745−761頁)により達成され、この際、ヌ
クレオシドを最初に過シリル化し、次いでアンモニア化
合物と共に加熱する。この工程において、シリル基は有
利にトリメチルシリル基であり、これらの基は単離工程
において脱離し、2−アミノアデノシンが形成される。
同様な方法で、アラ−グアノシンのアミノ化は9−β−
D−アラビノフラノシル−2,6−ジアミノプリン(2−
アミノ−アラ−アデノシン)を生成する。
2′−、3′−、及び5′−O−アシル保護基の完全
な除去は、種々の方法で実施することができる。2−フ
ルオロアデニンヌクレオシドからO−アシル保護基を除
去することは、例えばモントゴメリー(Montgomery)等
によって記載されており(J.Org.Chem.、1986年、第33
巻、第432頁)、エタノール性アンモニアを用いて2−
フルオロアデノシンを製造した。セクリスト等(J.Med.
Chem.、1988、第31巻、第404〜410頁)は水酸化リチウ
ムを使用して、2,2′−ジフルオロ−アラ−2′−デオ
キシアデノシンを製造した。これらは、O−アシル保護
された、2−フルオロアデニンを含む、種々のフラノシ
ル炭水化物部を有するヌクレオシドの脱保護に適用する
ことのできる一般的な方法である。
水酸化リチウムに加えて、他の水酸化物、例えば水酸
化ナトリウム又は水酸化カリウムもO−アシル基の加水
分解による切断に使用することができる。しかしなが
ら、これら他の水酸化物を2−フルオロアデニンヌクレ
オシドからO−アシル基を除去するために使用する場
合、反応時間及び反応温度を調節するために、及び過剰
の水酸化物試薬の使用を回避するために特別に注意をす
べきである。
これらの方法のそれぞれは、汚染物を形成する潜在的
能力を有し、こうして2−フルオロ置換基が脱保護剤に
よって置換されて基本の2−アミノ、2−ヒドロキシ、
又は2−アルコキシアデノシン化合物を形成する。本発
明による有利な実施態様によれば、粗生成物の水性アル
コール溶液をスルホン酸イオン交換樹脂のカラムを介し
て通過させることを含む、方法をこの不純物を除去する
ために適用する。
2′−ヒドロキシ基の反転を達成するためには、2′
−ヒドロキシ基を3′−及び5′−ヒドロキシ基と区別
することが必要である。これを達成するための1つの方
法は、嵩高いジシロキサンタイプの保護基を使用する;
この保護基は最初にあまり立体障害を有さない1級の
5′−ヒドロキシ基と選択的に反応し、次いで5′及び
3′−ヒドロキシ基の間に架橋し環化する。ジシロキサ
ン保護基の例は、1,1,3,3−テトラ−t−ブトキシジシ
ロキサン−1,3−ジイリジン(TBDS)、〔これはマルキ
ービッツ(Markiewicz)等により記載されている(Tetr
ahedron Lett.、29、1561、1988)〕、1,1,3,3−テト
ライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイリジン(TIPD
S)、〔これはセクリスト(Secrist)等により適用され
た(J.Med.Chem.,1988、31、第405〜410頁)〕、及び2
−フルオロアデノシンの保護のための1,1,3,3−テトラ
フェニルジシロキサン−1,3−ジイリジン(TPDS)であ
る。
3′,5′−ジ−O−保護ヌクレオシドを製造するため
の有利な別法は完全なヒドロキシアセチル化ヌクレオシ
ド誘導体から選択的に2′−O−アシル基を除去するこ
とである。このタイプの選択的脱保護のために、4:1ピ
リジン:酢酸中のヒドラジン、又はピリジン又はアルコ
ール溶剤中の酢酸ヒドロキシルアンモニウムの使用はイ
シド(Ishido)等(J.Chem.Soc.P1、1979、第2088頁及
び同1980、第563頁)によって記載されている。ここで
記載されているように、この方法は2′−又は3′−O
−アシル保護基1つ又は両方が除去された生成物の混合
物の形成に導く。更に、このれらの異性体モノ−脱保護
生成物は種々の条件下に、例えば反応条件下に、及び典
型的な精製法において相互変換(すなわち、平衡)する
ことは公知である。従って、この反応の成功は或る又は
他のアシル基の除去に関する固有の選択性よりむしろ、
所望の異性体の選択的単離の可能性に依存する。
平衡の結果として、どちらの異性体が与えられた例中
で単離されるかということは、予め予想することは不可
能である。幾つかの場合、単離工程における好適な交換
が不所望な異性体又は異性体混合物の排除的単離に導く
ことができ、こうして反応は予測できない。
しかしながら、この予知できないという問題は、以下
に記載された、選択的脱アシル化を2−フルオロ−
2′,3′,5′−トリ−O−アシルアデノシンに行う本発
明の方法の有利な実施態様においては示されない。
所望の異性体を単離する容易性は複素環塩基(例え
ば、プリン又はピリミジン等)の特性、及びその置換
基、及びO−アシル保護基の特性に強く依存する、それ
というのも、これらは粗反応混合物の種々の成分の相対
溶解性を決定し、こうして所望の生成物を単離する、有
利に粗混合物から結晶化により単離することができる可
能性を決定するからである。
反応物質が、2′,3′,5′−トリ−O−アシル−2−
フルオロ−アデノシンである場合、有利なアシル基はア
セチルである、なぜならばこの基は粗反応混合物の結晶
化の際に所望の異性体を高純度で、容易に単離すること
を可能にするためである。
前記イシド等による文献は所望の3′,5′−ジ−O−
アシル中間体を単離することを可能にするグアノシンの
ための保護基の好適な組合せの幾つかの例を挙げ、かつ
アラ−グアノシンを製造するためのこの使用法を記載す
る。イシド等により記載された幾つかの選択的脱アシル
化法は2′,5′−ジ−O−アシル化化合物を優先的な量
で製造する。更に、これらの著者はハロゲン化ヌクレオ
シドの選択的脱保護を記載していない。
前記のような、イシド等の欠点は2−フルオロ−トリ
−O−アシル化合物を選択的脱保護する場合示されな
い。例えば、反応図式1に沿って、化合物4(X=F及
びR=アセチル)に選択的脱アシル化を行う場合、ここ
で例えばリボフラノシル部の2′−位のアシル−O−基
はヒドロキシ基に変換し、2−フルオロ−9−β−D−
(3′,5′−ジ−O−アシルリボフラノシル)−9H−ア
デニンが得られる。化合物5参照。該化合物は容易に単
離され、かつ高純度で得られる。
選択的脱アシル化を実施するために、出発物質及び脱
アシル化剤を好適な媒体中の溶液及び分散液として合
し、この反応を約1〜50時間の間、約15〜80℃の温度で
実施する。好適な反応時間は薄層クロマトグラフィー
(THL)又はHPLCのような好適な方法によって反応を監
視することによって決定することができ、過剰な試薬を
トリアシル出発材料及び過反応生成物、すなわち5′−
モノ−O−アシル化合物の量が匹敵する程度でクエンチ
する。反応媒体はピリジン又はメタノール又は2−メト
キシエタノールのような炭素原子4個までを有するアル
コール性溶剤1種又は複数の溶剤を含有していてよく、
かつ炭素原子8個までを有するカルボン酸25容量%ま
で、及び水20容量%までを含有していてよい。
好適な脱アシル化剤はヒドロキシアミン、又はヒドラ
ジン及び可溶性のそのカルボン酸塩、例えば酢酸ヒドロ
キシルアンモニウムを含む。脱アシル化/ヒドロキシル
化剤は公知法で市販の材料から分離した方法で製造する
ことができ、又は有利に反応媒体中で好適な市販の塩を
混合することによって生成することができる。例えば、
好適なピリジン中の酢酸ヒドロキシルアンモニウムの溶
液は、ピリジン中の塩酸ヒドロキシルアミン及び酢酸ナ
トリウム又は酢酸カリウムの懸濁液を混合することによ
り生成することができる。
次いで、生じた生成物を単離し、好適な精製を行う。
有利な単離法はアセトンのようなケトン溶剤の過剰を加
えることにより残りの脱アシル化剤をクエンチし、かつ
反応混合物を、有利に真空下に濃縮する。次いで、生じ
た粗残分を好適な結晶媒体中に懸濁し、かつ固体沈殿物
を濾過又は遠心分離により集める。有利な結晶媒体は水
であるか、又は反応副生成物は溶けるが、所望の生成物
は溶けないアルコール性溶剤である。結晶化生成物を必
要であれば、前記のようにトリ−O−アセチル化中間体
の再結晶に好適な溶剤、又は溶剤混合物で再結晶する
か、又は有利にスラリーを形成することによって更に精
製してもよい。
例えば、この反応の有利な生成物、3′,5′−ジ−O
−アセチル−2−フルオロアデノシンは粗反応残分を水
中に懸濁させ、かつ生じた沈殿を集めることによって単
離することができる。次いで、主にヌクレオシド化合物
を含有する沈殿を、酢酸エチル又はアセトニトリル及び
アセトンのような溶剤又は溶剤混合物中に加熱下に、懸
濁してスラリーとする。混合物を冷却する際に、生じた
沈殿を再び集め、洗浄し、かつ乾燥する。
選択的に、反応図式1中に示されているように、2−
フルオロ−6−ハロ−2′,3′,5′−トリ−O−アシル
化合物(化合物4;X=ハロ)を直接、完全な脱アシル化
及びアミノ化により、非保護化合物、2−フルオロ−ア
デノシンに、すなわち2−フルオロ−アデノシン(化合
物7)に変換することができる。次いで、脱アシル化化
合物にジシロキサン橋(化合物5;両方のR1基と共に、=
O((Z)2Si))を介して、リボフラノシル部の選
択的3′,5′−位の保護を行うことができる。糖変換の
際に3′−及び5′−アシル基よりむしろ架橋基で保護
された3′,5′−位を有することが望ましい場合に、こ
の方法は使用することができる。
グアノシンにおいて示されるようなリボフラノシル部
からフルダラビンが有するようなアラビノフラノシル部
への変換は、リボフラノシル部の2′−立体中心の立体
化学配置の反転を包含する。変換は有利に出発物質とし
て部分的に保護された化合物、3′−及び5′−位が、
例えばO−アシル基又はテトライソプロピルシロキサン
又はテトラ−t−ブトキシジシロキサンのような架橋基
によって保護された化合物を用いて実施される。糖変換
は反応図式に示されたように、オキソ中間体又はスルホ
ニルオキシ中間体を経て、実施される。
非ハロゲン化ヌクレオシド化合物の変換は、サカイリ
(Sakairi)等(Nucleosides,&Nucleotides、1983、
2、221〜229;O−アシル保護基を使用)、サマノ(Sama
no)等(J.Org.Chem.、1990、55、5186〜5188)、及び
ハンスッケ(Hansske)等(Tetrahedoron、1984、40、1
25〜135;シリル基及び他のO−保護基を使用)によって
記載されているようにオキソ中間体を経て実施すること
ができる。先ず、選択的に保護された基質を好適な酸化
剤で処理し、2′−ヒドロキシ基をケト基に変換する。
第2に、ケト中間体を好適な還元剤でケト中間体を立体
選択的方法で優先的に還元し、所望のアラビノフラノシ
ル化合物を主還元生成物として生成する。酸化及び還元
工程を分離した反応工程で実施することもできるが、有
利に中間体ケト中間体の単離なしに実施する。
好適な酸化剤の例はサマノ等(前記)によって記載さ
れている。代表的な試薬は(1)一定のクロム(VI)試
薬;(2)ジメチルスルホキシド(DMSO)及び脱水剤を
組み合わせることによって製造されたスヴェルン−モフ
ァット−フィッツナー(Swern−Moffatt−Pfitzner;SM
P)タイプの酸化剤;及びデス−マーチン(Dess−Marti
n)ペルヨージナン(periodinane)試薬(1,1,1−トリ
ス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨ
ードキソール−3(1H)−オン)のようなペルヨージナ
ン試薬である。例えば、クロム(VI)試薬を用いる好適
な方法はジクロロメタンのようなハロゲン化溶剤中のCr
O3、ピリジン、及び酢酸無水物の混合物を使用する。
試薬システムのSMPタイプの好適な脱水剤は無機又は
カルボン酸無水物又は酸クロリド、例えば酢酸無水物又
はトリフルオロ酢酸無水物、オキザリルクロリド、ホス
ゲン(又はそのオリゴマー)、三酸化硫黄−ピリジン、
五酸化燐、又はカルボジイミド、例えば1,3−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドである。これらの試薬を使用す
る場合、DMSOを反応媒体として使用し、これはもし基質
がこの溶剤中に十分に可溶性でない場合、ジクロロメタ
ンのようなハロゲン化溶剤を含有していてもよいし、ピ
リジン又はトリエチルアミンのような緩和な塩基を含有
していてもよい。
有利な反応温度及び反応時間は脱水剤の反応性に依存
する。オキザリルクロリドのようなより強力な脱水剤を
用いる場合、有利な温度は約−90℃〜−50℃である。酢
酸のようなより緩和な試薬には15〜30℃が有利である。
一般に、6〜50時間の反応時間が必要である。
ペルヨージナン試薬を使用する場合、有利な溶剤はハ
ロカーボンである。従って、このタイプの試薬は、基質
がハロカーボン溶剤中に可溶性である場合、例えばジシ
ロキサンタイプの保護基により保護されているような場
合のみ有利である。
アラビノフラノシル化合物を獲得するためのオキシ中
間体の変換は緩和な水素化物還元剤での還元によって達
成される。還元工程の媒体は、もしSMP条件が適用され
るのであればその酸化反応の成分を包含してよいが、ハ
ロゲン化溶剤は有利ではない。この媒体はエタノール又
はカルボン酸のようなプロトン溶剤、又はテトラヒドロ
フランのようなエーテル溶剤を含有していてもよい。有
利な還元剤は硼水素化ナトリウム、又は他の種類、例え
ばトリアセトキシ硼水素化ナトリウムであり、これは反
応条件下に硼水素化ナトリウムから形成される。
リボフラノシル部をアラビノフラノシル部に変換する
ための酸化/還元法はフルダラビン又はフルダラビンホ
スフェートの生産のための方法という観点からその市販
を妨げる若干の欠点を有する。これらの方法の多くは環
境問題を包含する、反応媒体としてのハロゲン化溶剤の
使用に依存する。クロム試薬は更なる環境問題を包含す
る。ペルヨージナン試薬はその不安定性及びその爆発の
可能性により限定された量でのみ適用可能である。SMP
酸化法は収率を減少させる種々のタイプの副生成物の形
成、及びアラビノフラノシル生成物の複雑な精製に導く
ことが知られている。この副生成物は基質から(2′−
ヒドロキシ基のアシル化又はメチルチオメチル化が酸化
よりむしろ生じる)、又は特にO−アシル基が他のヒド
ロキシ基を保護するために使用されているならば、SMP
条件下に他の反応から攻撃を受けやすいオキソ化合物か
ら誘導される。
酸化反応はオキソ中間体の公知不安定性のために監視
することが困難である。更に、還元工程は立体特異的で
はない。こうして、還元は所望のアラビノフラノシル生
成物に加えて、ある程度のリボフラノシル副生成物を製
造する(すなわち、オキソ中間体の前駆体の再生)。こ
のことは問題のある異性体生成物の分割を必要とし、経
済的に不所望のクロマトグラフィー分離を必要とする。
従って、例えばプリン部が2−フルオロアデニンであ
る場合、下記のスルホニルオキシ変換法が酸化/還元法
より有利である。しかしながら、基質が保護されたグア
ノシン又は2−アミノアデノシン化合物である場合、こ
れらのプリン基とスルホニル化剤との反応性、及び他の
複雑な状態により、(前記の)酸化/還元法はスルホニ
ルオキシ変換より有利である。
スルホニルオキシ中間体の製造はセクリスト(Secris
t;J.Med.Chem.、1988、31、405〜410)等;又はジアン
グ等(Jiang;Nucleosides,&Nucleotides、1988、7、2
71〜294)の方法により達成することもできる。2′−
ヒドロキシ−3′,5′−O−保護−リボフラノシル化合
物をハロゲン化溶剤又はピリジン中に懸濁、又は溶解
し、トリエチルアミン及び4−ジメチルアミノピリジン
で処理し、同様に、トリフルオロメタンスルホニルクロ
リド又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物のような
スルホニル化剤で処理する。本発明によれば、2′−ヒ
ドロキシを式−OSO2R2(ここで、R2は有利に強力な電子
吸引基、例えばペルフルオルアルキル又はペルフルオル
アリール、例えばC1-4−ペルフルオルアルキル又はペル
フルオルフェニルである)のスルホニルオキシ基に変換
する。有利に、R2はCF3である。
有利な方法においては、反応媒体はピリジンであり、
3級アミン又は4−ジメチルアミノピリジンを加えな
い、それというのもこれらは反応性生成物の単離を妨害
し、不所望な副反応を促進するためである。有利に、ス
ルホニル化剤はスルホニルクロリドより、むしろスルホ
ン酸無水物である、それというのもスルホニル化をより
緩和な条件下に(すなわち、より迅速に、かつ/又は低
温で)実施することができるためである。これは不所望
な副反応の形成を最少にする。例えば、O−アシル保護
基を使用する場合、スルホニル化が極端に遅ければ、
3′,5′−ジ保護中間体の異性化が生じ、これは不所望
な3′−O−スルホニル化合物の形成に導くことがあ
る。スルホン酸無水物はクロリドによるスルホニルオキ
シ生成物の置換を妨げる。最も有利なスルホニル化剤は
トリフルオロメタンスルホン酸無水物である。
反応成分を有利に10〜30℃で懸濁液として合し、TLC
又はHPLCのような好適な方法で監視し、有利にこの温度
で、1〜24時間反応が完結するまで撹拌する。これらの
条件下に、次いで反応生成物を単に水で反応混合物を希
釈することにより、又は真空下に反応混合物を濃縮し、
かつ混合物を水で希釈することにより単離することがで
きる。この方法は有利な単離法である。形成された沈殿
物を濾過又は遠心分離により集めることができる。しか
しながら、更なる精製又は収率の増加が所望である場
合、前記アシル化法において記載された、抽出法を適用
することができる。付加的な精製を必要とする場合、粗
生成物をクロマトグラフィー法又は好適な溶剤からの再
結晶によって精製することができる。
2′−O−スルホニルリボフラノシル部の所望のアラ
ビノフラノシル部への変換は、例えば亜硝酸塩又は有利
にカルボキシレート類のような好適な酸素中心親核性基
でスルホニルオキシ基を親核置換によって達成する。好
適なカルボキシレート類はアルキル又はアリールカルボ
キシレートイオン、例えばアセテート、プロピオネー
ト、ベンゾエート、又は4−ニトロベンソエートのよう
な置換ベンゾエートを包含する。
この方法はスルホニル化合物及び酸素親核性基1〜10
モル当量を好適な極性非プロトン溶剤、例えば酢酸エチ
ル、DMSO、又はDMF中で混合することによって達成す
る。反応媒体は同様に水のようなプロトン溶剤1種以上
を25容積%まで、かつカルボキシレート類に相応するカ
ルボン酸10容積%までを含有していてよい。これらのプ
ロトン溶剤類は、アルカリ金属塩を使用するとき、DMF
又はDMSOのような溶剤中に均質な反応混合部を得るため
に必要であるならば、加えることができる。プロトン溶
剤類の過剰量は意図する反応を阻止する傾向にあり、か
つ競合する脱離反応を促進する。クラウンエーテル相間
移動触媒、例えば18−クラウン−6は、所望であればナ
トリウム塩又はカリウム塩の溶解性を助けるために使用
することもできる。過剰量の水は、もし酢酸エチルのよ
うな水不混和性溶剤が反応媒体の主成分である場合、不
均一系に導くので、この場合、水を最少に留めるべきで
ある。
親核性基を好適なアルカリ金属塩の形で反応混合物に
導入することができ、この際アルカリ金属はナトリウ
ム、カリウム又はセシウムであり、又はトリアルキル又
はテトラアルキルアンモニウム塩として、又は通常相間
移動試薬として使用される他の高有機可溶性カチオンの
塩、例えばテトラアルキルホスホニウム塩、例えばテト
ラフェニルホスホニウムとして反応混合物に導入するこ
とができる。これらの塩は溶媒和物質であっても又は溶
媒和物質でなくともよい、例えば酢酸ナトリウム・三水
和物のように水を含んでいても、又はカルボン酸塩の場
合のように相応するカルボン酸(50重量%まで)を含有
していてよい。好適なアルキルアンモニウム塩、有利に
炭素原子6〜20個を含有するアルキルアンモニウム塩の
アンモニウムイオンは、例えばトリエチルアンモニウ
ム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、ベンジルジエ
チルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、
又はテトラブチルアンモニウムである。
選択的な方法として、カルボン酸の塩を好適な塩基、
例えばトリアルキルアミンと所望のカルボン酸1モル当
量以上とを混合して、その場で生成してもよい。トリア
ルキルアンモニウム塩のその場での生成はカルボキシレ
ート類を導入するために、特にこれらが相応するカルボ
ン酸の形でのみ市販されている場合に、有利な方法であ
る。
幾つかの条件下に、この反応は室温で4時間以内に完
結する。他の条件下には、混合物を100℃という高温
に、48時間という長い間加熱する必要があるが、有利に
は反応混合物の通常の沸点より高温でないことが有利で
ある。
有利な方法においては、スルホニル化合物、例えば
3′,5′−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2′−O
−トリフルオルメタンスルホニルアデノシン、過剰の3
級アミン、有利に1.5〜4当量のトリエチルアミン又は
ジイソピルエチルアミン、及び類似の物質、又は大過剰
のカルボン酸、有利に1.5〜5当量の酢酸、プロピオン
酸又は安息香酸を酢酸エチル中で混合し、還流加熱する
と均質な混合物が得られる。この反応を一夜加熱し、次
いで場合によって真空下に濃縮する。生じた残分を水中
に懸濁させ、生じた沈殿を濾過により集め、又は遠心分
離し、水及び/又はメタノールのようなアルコール溶剤
で洗浄する。これは有利な単離法である;しかしなが
ら、更なる精製又は収率を上昇させることを望む場合、
前記アシル化法で記載したような抽出法を適用すること
ができる。付加的な精製が必要な場合、粗生成物をクロ
マトグラフィー法により、又は好適な溶剤から再結晶す
ることにより精製することができる。
選択的な有利な方法においては、スルホニル化合物、
例えば3′,5′−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−
2′−O−トリフルオロメタンスルホニルアデノシン、
及び過剰のアルカリ金属カルボン酸塩、有利に1.2〜4
当量の、例えば酢酸カリウム又は安息香酸ナトリウムを
DMF又はDMSO及び水(約10:1)の混合物中に溶かし、40
〜60℃で1夜加熱する。次いで、この混合物を2〜10容
量の水で希釈し、沈殿を集め、かつ前記のように更に精
製すると、例えば、2−フルオロ−9−β−D−
(2′,3′,5′−トリ−O−アセチルアラビノフラノシ
ル)アデニン、又は9−β−D−(2′−ベンゾイル−
3′,5′−ジ−O−アセチルアラビノフラノシル)−2
−フルオロアデニンが生じる。
他の有利な方法において、スルホニル化合物、例えば
3′5′−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2′−O
−トリフルオロメタンスルホニルアデノシン、及び過剰
のアルカリ金属カルボン酸塩、有利に1.2〜3当量の、
カルボン酸セシウム塩、例えばプロピオン酸セシウム−
プロピオン酸錯体を極性非プロトン溶剤、例えば、DMF
又はDMSO中に溶かし、室温で4〜24時間撹拌する。生成
物、例えば、9−β−D−(3′,5′−ジ−O−アセチ
ル−2′−O−プロピオニルアラビノフラノシル)−2
−フルオロアデニンを、混合物を水で希釈することによ
り単離する。生じた沈殿を集め、更に前記のように精製
する。
アシル保護基のみが存在する場合、完全な脱アシル化
を前記のように実施し、2′,3′,5′−トリ−O−アシ
ル−2−フルオロ−アラ−アデノシンからフルダラビン
が得られる。脱シリル化は種々の方法で行われ、脱保護
剤としてフッ素イオンの使用が最も行われる。ヌクレオ
シド化合物の脱シリル化はツァング(Zhang)等(Tetra
hedron Lett.、1992、33、1177〜1780)により開示さ
れている。最も強力な脱シリル化剤の1つはフッ化テト
ラブチルアンモニウムであり、これはテトラヒドロフラ
ン(THF)のような溶剤中で通常使用される。他のフッ
素化試薬、例えばトリエチルアミン−フッ化水素錯体又
はフッ化水素−ピリジン錯体も好適である。ツァング等
によって記載されているように、フッ化アンモニウムは
ヌクレオシドからジシロキサン保護基を除去するための
安価で、便利な試薬であり、かつ反応媒体としてメタノ
ールを使用する。
O−シリル及びO−アセチル保護基が共に存在する場
合、両方のタイプの保護基を1工程で、又は一連の工程
で、部分的な脱保護中間体の精製なしに除去するのが有
利である。脱保護を2工程で実施する場合、脱アシル化
を脱シリル化に先行して行うか、又はこの逆であっても
よい。しかしながら、もし脱シリル化を最初に実施し、
脱シリル化中間体を単離することが必要であれば、R3
結晶化の際に中間体の単離を容易にするように選択すべ
きである。そのような場合、R3は有利にアロイル又は置
換されたアロイルである。
フルダラビンホスフェートは常法に従って、フルダラ
ビンをホスホリル化することによって得ることができ
る。例えば、米国特許第4357324号明細書参照。
図面の簡単な説明 添付の図面と関連させ、考慮するとき、本発明の種々
の他の課題、特徴及び付随する利点をより正しく評価
し、同様により良く理解する。この図面において、それ
ぞれの図面における各符号は同様の意味を有する。図面
中: 図1(反応図式1)は本発明による一般的な方法を示
す; 図2(反応図式2)は本発明による一般的な別法を示
す; 図3及び4(反応図式3及び4)はグアノシンのアラ
グアノシンへの糖部変換を実施するための別法を示す;
及び 図5、6及び7(反応図式5、6及び7)は本発明に
よる特別な反応法を示す。
図面の詳細な説明 図1、又は反応図式1は本発明による反応工程を示
し、ここではグアノシンの6−ケト基を最初にアミノ基
に変換し、次いで2−アミノ基の2−フルオロ基への変
換を行う。別法において、2−アミノ基の2−フルオロ
基への変換を6−ケト基の6−アミノ基への完全な変換
の前に完了することができる。最終的に、リボフラノシ
ル糖部をアラビノフラノシルに変換する。
図1に関して、化合物1、すなわちグアノシンを最初
にアシル化し、ここで2′,3′,5′−ヒドロキシ基をア
シル−O−基、例えばアセチル−O−基に変換し化合物
2を獲得する。次いで、この化合物に種々の反応工程を
行うことができ、ここで6−ケト基を6−X基(化合物
3)に変換する(ここでXはハロゲン、例えば、Cl、Br
又はF;N3;NH2;又は−OSO2R4(R4はCH3、又は場合により
C1−C4−アルキル又はC1−C4−アルコキシによって置換
されていてよいアリール(例えば、2,4,6−トリイソプ
ロピルフェニル))である)。
6−ケト基のCl又はBrへの変換は脱水ハロゲン化によ
って実施することができる。生じた6−Cl又は6−Br化
合物を6−Fにハロゲン交換により変換することができ
る。
6−アジド化合物は6−クロロ又は6−ブロモ化合物
を極性溶剤中でアルカリ金属アジド、例えば、LiN3、Na
N3又はKN3と反応させることにより得ることができる。
同時係属明細書07/620236号、1990年11月29日出願を参
照、ここでは2−アミノ−クロロプリンを2−アミノ−
アジドプリンに変換している。化合物3(ここでXはア
ミノ)、すなわち2−アミノアデノシンを得るために、
6−アジド基を好適な還元剤を使用してアミノ化するこ
とができる。実施例3c参照。
6−OSO2R4を得るための6−ケト基のスルホニル化は
ブリッドソン(Bridson)等によって開示された6−位
にスルホニル基を有する保護されたグアノシン中間体を
得るための反応方法(J.C.S.Chem.Commun.、1977、第79
1〜792頁)により実施することができる。式中XがNH2
を表す化合物3は6−Cl、6−Br又は6−OSO2R4にアミ
ノ化を行うことにより得ることができる。更に、6−OS
O2R4をトリメチルアミン又はDABCOのような立体障害を
有さない3級アミンを用いて6−NH2、6−N3又は6−
Fに変換することができる。
アシル保護2−アミノ−6−X化合物の相応する2−
フルオロ化合物(化合物4)への変換はジアゾ化及びフ
ッ素化を経て実施することができる。この反応工程は6
−Cl、6−Br又は6−OSO2R4の6−Fへの変換又は6−
N3、6−Cl、6−Br又は6−OSO2R4の6−NH2への変換
の前又は後に実施することができる。生じた生成物は化
合物4であり、再度、式中Rはアシルであり、かつXは
Cl、Br、F、N3、NH2、又は−OSO2R4である。
化合物4から化合物7(式中、XはCl、Br、F又は−
OSO2R4である)を獲得するために、2工程法を実施する
ことができる。特に、6−X基を最初にアミノ化し、か
つ次いで生じた生成物を完全な脱アシル化する。別法と
して、XがFである化合物4の場合、アミノ化及び完全
な脱アシル化はアルコール溶剤及びアンモニアを用いて
単一工程で達成することができる。この1工程変換法は
有利である。化合物4中のXがNH2である場合、化合物
7は完全脱アシル化単一工程法で製造される。他方、化
合物4中XがN3である場合、6−アジド基を最初に還元
し、次いで生じた化合物を完全に脱アシル化して化合物
7を獲得する。
化合物4の別の処理法は、XがNH2である場合使用す
ることができる。この化合物を2′−O−アシル基選択
的脱アシル化に使用するとき部分的に保護された3′,
5′−ジ−O−アシルヌクレオシド(化合物5、式中R1
はアシル)が得られる。3′,5′−部分的に保護された
ヌクレオシドを獲得するための別法は化合物4(X=NH
2)を完全に脱アシル化し、化合物7を得て、次いで
5′−及び3′−位間にジシロキサン架橋の連続的形成
を行い、化合物5とする、式中2つのR1基は一緒になっ
て−Si(Z)−O−Si(Z)を表し、Zは有利に分
枝鎖C3〜C6−アルキル又はアルコキシ基、特にイソプロ
ピル又はt−ブチルオキシ、又はフェニルである。
化合物5の部分的に保護されたリボフラノシル部の化
合物9のアラビノフラノシル部への変換は、反応図式1
により2工程で実施することができる。第1に、部分的
に保護された化合物5の2′−ヒドロキシ基を酸化して
オキソ基を形成し、化合物8を獲得する。次いで、この
化合物を還元し、R3がHである化合物9を得る。第2
に、化合物5をスルホニル化し、この際2′−ヒドロキ
シ基が−OSO2R2のスルホニル基に変換する、ここでR2
例えばC1-4−ペルフルオロアルキル又はペルフルオルフ
ェニルであってよい(CF3は有利である)。2′−OSO2R
2基の親核置換は2′−位のR3O基(ここで、R3はH又は
アシル)を有するアラビノフラノシル部を有する相応す
る化合物、すなわち化合物9が得られる。こうして、化
合物9において、基R1はアシル基であるか、又は一緒に
ジシロキサン橋を形成することができる。R3はH又はア
シルであってよい。
連続的な脱アシル化及び/又は脱シリル化は化合物1
0、すなわちフルダラビンを生成する。フルダラビンの
ホスホリル化は常法で行うことができ、前駆薬剤形のフ
ルダラビンホスフェート、すなわち化合物11を得る。
反応図式2は、とりわけ2,6−ジアミノ化合物に前記
の、かつ同時係属明細書第07/981333号、1992年11月29
日出願中により詳細に記載されている、HF−ピリジン反
応を実施し、2,6−ジアミノ−非保護化合物(化合物1
2)に変換し、結果的な化合物である2−フルオロアデ
ノシンすなわち化合物7を獲得するための方法を記載し
ている。次いで、この化合物をアシル化し、十分にアシ
ル保護された化合物2′,3′,5′−トリ−O−アシル−
2−フルオロ−アデノシン、すなわち化合物15を得るこ
とができる。化合物15はXがNH2である反応図式1の化
合物4に相当する。フルダラビン及びフルダラビンホス
フェートを獲得するための化合物15の更なる処理は反応
図式1中に示された化合物4の処理に相応して実施する
ことができる。
逆に、非保護の2,6−ジアミノ、化合物12を先ずアシ
ル化し、化合物14(反応図式1の化合物3、ここでXは
NH2)を得、引き続きジアゾ化/フッ素化を行うことに
より、保護された2−フルオロ化合物(化合物15)を達
成する。
更に、反応図式2は2−位のフッ素化に先行してリボ
フラノシル部をアラビノフラノシル部に変換する別法を
も示す。2,6−ジアミノ非保護化合物をジシロキサン架
橋により部分的に保護する。部分的に保護された化合物
を還元及び酸化し、かつ脱保護し、化合物16及び17を得
る。化合物17をジアゾ化/フッ素化し、フルダラビン、
すなわち化合物10を獲得する。ハンスッケ(Hansske)
等は化合物12の糖部を変換し化合物17にすることを記載
している(Tetrahedron、第40巻、No1、第125〜135頁
(1984))。
図3、反応図式3は化合物17を得るために糖部の変換
に関する更なる選択法を記載している。この方法におい
て、グアノシンを最初に3′−位及び5′−位でジシロ
キサン基により部分的に保護する。連続的な酸化(化合
物19)、還元(化合物20)及びジシロキサン架橋の除去
によりアラ−グアノシン、すなわち化合物21が得られ
る。ハンスッケ(Hansske)等はグアノシンのアラ−グ
アノシンへの変換を記載している(Tetrahedron、第40
巻、No1、第125〜135頁(1984))。次いで、化合物17
は、例えば過シリル化、アミノ化及び脱シリル化によっ
て製造することができる。フォアブリッゲン(Vorbrueg
gen)等(Liebigs Ann.Chem.、1976、第745〜761頁)
参照。
更なる別の糖変換法は図4、すなわち反応図式4中に
記載されている。この方法においては、完全に保護され
た化合物2′,3′,5′−トリ−O−アシル−グアノシン
を相応する8−カルバモイル化合物、すなわち化合物22
に変換する。次いで、糖変換は脱アシル化、2′−ヒド
ロキシの2′−トルエンスルホニルオキシ基への変換及
びカルバモイル及びトルエンスルホニルオキシの連続的
除去により達せられる。チモシュック(Timoschuk)等
(Pharmaceutical Chemisutry journal、19、第259〜
261頁(1985))参照。
反応図式5は一般的反応図式1による特別な反応方法
を示す。最初に、グアノシンをアシル化し、この際
2′,3′,5′−ヒドロキシ基はO−アシル基、有利にO
−アセチル基に変換する。脱水ハロゲン化の際に6−ケ
ト基は6−Clに変換する。引き続きハロゲン交換法は6
−フルオロ−O−アシル保護化合物を製造する。2−フ
ルオロ−O−アシル保護アデノシン化合物はジアゾ化/
フッ素化及びアミノ化によって得られる。次いで、糖変
換は2′−O−アシル基の選択的脱アシル化、2′−ヒ
ドロキシ基のスルホニル化及び引き続き2−スルホニル
オキシ基のカルボキシレートでの置換により実施し、ア
ラビノフラノシル部が得られる。2′−、3′−及び
5′−位の脱アシル化によりフルダラビンが生じ、その
後のホスホリル化は前駆薬剤形フルダラビンホスフェー
トを形成する。
図6、すなわち反応図式6は本発明による特に有利な
反応法を示す。6−ケト基の変換を最初に実施し、ここ
でグアノシンをアミノ化し2−アミノアデノシンを獲得
する。次いで、この化合物を反応図式2に示されている
化合物12の化合物15への変換により処理する(Acはアシ
ル、有利にアセチルである)。2′−位の選択的脱アシ
ル化に続き、スルホニル化及びその後のアシル化によ
り、2′,3′,5′−トリ−O−アシル−2−フルオロア
デノシンが得られる。フルダラビン及び前駆薬剤形フル
ダラビンホスフェートを脱アシル化及びホスホリル化に
より得ることができる。
最後に、反応図式7(図7)は本発明による他の特別
の反応方法を記載している。6−ケト基のアミノ化は非
保護2,6−ジアミノ化合物を生成する。2−位のフッ素
化は、反応図式2中の化合物12から化合物15への変換に
示されているように、アシル化及びジアゾ化/フッ素化
により又は逆の順序で実施する。完全な脱アシル化は2
−フルオロアデニンを生成し、次いでこれを3′−及び
5′−位間にジシロキサン架橋を形成することにより部
分的に保護する。2′−ヒドロキシ基のスルホニル化に
続いて連続的なアシル化及び全ての保護基の除去はフル
ダラビンを生成する。
この分野の専門家はこの記載により、更に努力するこ
となく、十分に本発明を利用することができる。従っ
て、次の有利な特別の実施態様は例として構成されるも
のであって、本発明を決して限定するものではない。
この明細書中の例において、全ての温度はセ氏度で未
補正のものであり、かつ他に記載のない限り、全ての部
及びパーセンテージは重量に関する。
本明細書中に引用した全ての明細書、特許及び刊行物
は参考文献とされている。
実施例 例 1a:2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノシン [アシル化] 無水酢酸(89.3ml、0.95モル)を、迅速に、アセトニト
リル(500ml、合成等級)中の無水グアノシン(76.56
g、0.27モル)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、
2.47g、0.02モル)及びトリエチルアミン(TEA、149m
l、1.07モル)の磁気により撹拌される懸濁液に添加し
た。この混合物を、磁気により撹拌すると、短時間の誘
導期の後に、混合物の温度が約50℃まで上昇する実質的
な発熱が観察される。3〜5分の間に、混合物は、やや
濁った溶液になった。この溶液を30分撹拌し、その時点
で、TLC(酢酸エチル:DMF:1−ブタノール 6:3:1で溶離
されるシリカゲルプレート)は、標題化合物及び痕跡量
のN2−アセチル−2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノ
シン(より高いRf)及びDMAP(非常に低いRf)のみを示
した。
メタノール(70ml)を添加して、無水酢酸の残留をク
エンチし、かつ5分の撹拌の後に、この混合物を真空下
で濃縮した。シロップ状の残留物を、沸騰2−プロパノ
ール(600ml)中に溶かし、かつ激しく撹拌した;結晶
化が、ほぼすぐに開始された。この懸濁液を室温まで冷
却し、次いで、冷凍した。綿状の白色沈殿物を濾過によ
り集め、かつ2−プロパノールで洗浄した。この湿潤固
体を、風乾し、次いで真空下、80℃で乾燥して、純粋な
標題化合物86.5g(78%)を得た。
mp 228−230℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.02(s,3H),
2.03(s,3H),2.10(s,3H),4.24(dd,1H,H−5′a),
4.30(q,1H,H−4′),4.37(dd,1H H−5′b),5.48
(t,1H,H−3′),5.78(t,1H,H−2′),5.97(d,1H,H
−1′),6.54(bs,2H,NH2),7.92(s,1H,H−8),>
9.5(bs,1H,NH),FT−IR(KBr)3448,3339,3199,1749,1
693,1631,1596,1372,1232,cm-1,UV(メタノール)λmax
256,270(sh)nm. Matsuda et al.のSynthesis、1986、385〜386頁は、
アセトニトリル/トリエチルアミン中及びDMAPの存在下
で、無水酢酸を用いて、グアノシンをアセチル化する方
法を記載している。
例 1b:2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノシン [アシル化] 反応図式1参照;化合物1を、式中のRがアセチルで
ある化合物2に。
丸底フラスコ中で、グアノシン(87g、0.31ml、真空
下、100℃、P2O5上で2日間予め乾燥)を無水酢酸(180
ml、1.9モル)、ピリジン(90ml、1.11モル)及びN,N−
ジメチルホルムアミド(DMF、245ml)と混合し、75℃油
浴中で加熱した。反応を、酢酸エチル:DMF:1−ブタノー
ル 6:3:1で溶離されるシリカゲルプレートでのTLCによ
り監視した。2時間後に、グアノシン(Rf=0.13)は消
費され、かつ標題化合物(Rf=0.56)が主要生成物とし
て観察された。
混合物を、真空下で濃縮した。残留物を、エチルエー
テル:2−プロパノール 1:1中に懸濁させ、かつ固体を
濾過により集めた。この固体を、無水エタノールから再
結晶させ、かつ生成物を、80℃、真空下で乾燥させて、
標題化合物106.9g(84%)を綿状白色固体として得た。
mp229〜233℃。
Robins et al.のCan.J.Chem、1981、59、2601〜2607
頁は、DMF中で、無水酢酸及びピリジンを使用して、グ
アノシンをアセチル化する方法を記載している。
例 2:2',3',5'−トリ−O−アセチル−6−クロログア
ノシン [脱水ハロゲン化] 反応図式1参照;化合物2を、化合物3に(式中のR
はアセチルであり、かつXはクロロである)。
磁気撹拌機を備え付けられた1lフラスコ中で、蒸留さ
れたオキシ塩化リン(47.7ml、510ミリモル)を、無水
アセトニトリル(200ml、P2O5から蒸留)中の乾燥され
た2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノシン(36.1g、8
8ミリモル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリ
ド(40.2g、176ミリモル)及びN,N−ジメチルアニリン
(11.2ml、88ミリモル、CaH2から蒸留)の溶液に添加し
た。このフラスコに、還流冷却器を備え付け、かつ予め
100℃に加熱された油浴中に設置した。混合物を、還流
加熱し、かつ加熱を、更に10分続けた。この混合物を、
真空下で濃縮し、かつ残留物を、ジクロロメタン(800m
l)中に溶かした。この溶液を、氷と共に15分撹拌し、
その後、層を分離した。次いで、水性層を、ジクロロメ
タンで数回洗浄した。合わせた有機抽出物を、中性にな
るまで、水で、次いで飽和炭酸水素ナトリウムで数回洗
浄した。最後に、これをMgSO4上で乾燥させ、濾過し、
かつ真空下で濃縮した。残留物をそれぞれ300mlの2−
プロパノールから2回再結晶させて、精製された標題化
合物を得た。
32.2g(85%);mp 146−148℃;1H NMR(DMSO−d6)δ
2.04(s,6H),2.15(s,3H),4.2−4.5(m,3H),5.54(d
d,1H),5.88(t,1H),6.11(d,1H),7.07(bs,2H),8.3
7(s,1H);FT−IR(KBr)3444,3313,3210,1634,1614,15
59,1248,1217cm-1;UV(メタノール)λmax 250,310nm. Robins et al.のCan.J.Chem.、1981、59、2601〜2607
頁は、アセトニトリル、テトラエチルアンモニウムクロ
リド、N,N−ジ−メチルアニリン及び三塩化リンを使用
してCl原子を、2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノシ
ンの6−位に導入する方法を記載している。
例 3a:6−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルグ
アノシン [ハロゲン交換] 反応図式1参照;式中のRがアセチルであり、かつX
がClである化合物3を、式中のRがアセチルであり、か
つXがFである化合物3に。
機械的撹拌機及び指型冷却装置を備え付けられた31三
頸丸底フラスコに、フッ化カリウム(140g、2.4モル、
噴霧乾燥済)、2',3',5'−トリ−O−アセチル−6−ク
ロログアノシン(70g、0.16モル)及び無水DMF(1.5l)
を充填した。トリメチルアミン約5〜7mlを、このフラ
スコ中で凝縮させた。懸濁液を、室温で24時間撹拌し、
次いで、この混合物を、真空下で濃縮した。残留物をク
ロロホルム中に懸濁させ、かつ濾過し、かつ非溶解物質
を、クロロホルム(全部で1.5l)で充分に洗浄した。濾
液を真空下で濃縮し、かつ残留物を、2−プロパノール
から再結晶させて、標題化合物61.7g(92%)を得た。
mp 143−144℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.048(s,3H).
2.055(s,3H),2.14(s,3H),4.25−4.45(m,3H),5.57
(dd,1H),5.89(t,1H),6.14(d,1H),7.09(bs,2H),
8.35(s,1H);13C NMR(DMSO−d6)20.12,20.30,20.44,
62.91,70.22,71.89,79.65,84.95,111.71(d,2JCF=31.0
Hz,C−5),140.94(s,C−8),157.07(d,3JCF=11.7H
z,C−4),159.28(d,1JCF=251.3Hz,C−6),159.90
(d,3JCF=18.2Hz,C−2),169.21,169.35,170.01ppm;F
T−IR(KBr)3441,3317,3207,1739,1643,1571,1220c
m-1;UV(エタノール)λmax 246,290nm. Robins et al.のCan.J.Chem.、1981、59、2601〜2607
頁は、触媒としてのトリメチルアミンを有するDMF中で
フッ化カリウムを用いて、2',3',5'−トリ−O−アセチ
ル−6−クロログアノシン中の6−Cl原子を6−Fと交
換する方法を記載している。
例 3b:6−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルグ
アノシン [ハロゲン交換] 反応図式1参照;式中のRがアセチルであり、かつX
がClである化合物3を、式中のRがアセチルであり、か
つXがFである化合物3に(触媒としてのDABCOを使
用)。
無水DMF(10ml)中のフッ化カリウム(2.0g、34.5ミ
リモル、噴霧乾燥済)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタン(13mg、0.12ミリモル、DABCO)及び2',3',5'
−トリ−O−アセチル−6−クロログアノシン(1.0g、
2.23ミリモル)の混合物を室温で撹拌した。290nm(生
成物)及び310nm(基質)でのUV吸収の相対強度をその
時間内にわたり監視した。2日間の撹拌の後に、310nm
にピークは認められず、かつ320nmでの吸収はごく僅か
であった。この混合物を真空下、50℃で濃縮し、かつそ
の残留物を、クロロホルム中に懸濁させ、かつ濾過し、
かつ非溶解物質を、クロロホルムで充分に洗浄した。濾
液を、真空下で濃縮し、かつ残留物を、2−プロパノー
ルから再結晶させて、標題化合物0.97g(100%)を得
た。
この物質のUV及び1H NMRスペクトルは、基準試料に
より得られたスペクトルと一致した。
1H NMR(DMSO−d6)δ2.058(s,3H),2.061(s,3H),
2.15(s,3H),4.25−4.45(m,3H),5.58(dd,1H),5.90
(t,1H),6.15(d,1H),7.10(bs,2H),8.36(s,1H);U
V(エタノール)λmax 246,290nm. 例 3c:2,6−ジアミノ−9−β−D−(2',3',5'−トリ
−O−アセチルリボフラノシル)プリン [アジド形成及び還元] 反応図式1参照;式中のXがClである化合物3を、式
中のXがN3である化合物3に、式中のXがNH2である化
合物3に(Rはアセチルである)。
アジ化ナトリウム(4.00g、58モル)、2−アミノ−
6−クロロ−9−β−D−(2',3',5'−トリ−O−アセ
チルリボフラノシル)プリン(10.00g、23.35ミリモ
ル)、14−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(2.62g、
23.4ミリモル、DABCO)、水(10ml)及びアセトニトリ
ル(100ml)の混合物を、窒素下、暗所中で激しく撹拌
した。15分の後に、TLCは、反応が約40%完結したこと
を示したので、更に、DABCO(2.62g、23.4ミリモル)及
びアジ化ナトリウム(4.0g、58ミリモル)を添加した。
全部で70分の後に、TLCは、反応が完結したことを示し
たので、混合物を真空下で濃縮した。残留物を、クロロ
ホルム(500ml)と水中に分配させた。クロロホルム層
を、水、次いで飽和NaClで洗浄し、次いでNa2SO4上で乾
燥させ、濾過し、かつ真空下で濃縮した。これは、粗製
2−アミノ−6−アジド−9−β−D−(2',3',5'−ト
リ−O−アセチルリボフラノシル)プリンを泡沫状物と
してもたらした。この泡沫状物を、2−メトキシエタノ
ール(150ml)中に溶かし、かつ水素化ビンに移した。
このビンに窒素を充填し、かつ10%Pd/C(3.0g)を添加
した。この混合物を、55psiで一晩水素化した。TLC(酢
酸エチル:2−プロパノール 7:3)によると、反応は完
結したので、この混合物を珪藻土(セライト)を通して
濾過し、かつこの濾過装置を、更に2−メトキシエタノ
ールで洗浄した。濾液を、真空下で濃縮して、標題化合
物8.68g(93%)を痕跡量の2−メトキシエタノールを
含有する泡沫状物として得た。この物質を、更なる精製
をせずに使用した。
1H NMR(DMSO d6,300MHz)δ2.06(s,3H),2.07(s,3
H),2.14(s,3H),4.25−4.50(m,3H,H−4′,2H−
5′),5.56(t,1H,H−3′),5.86(t,1H,H−2′),
6.06(d,1H,H−1′),6.8(bs,2H,NH2),7.3(bs,2H,N
H2),8.15(s,1H,H−8);FT−IR(KBr)3367,3199,174
8,1645,1606,1233cm-1;UV(メタノール)λmax 256,284
nm. 例 4a:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルア
デノシン [ジアゾ化/フッ素化及びアミノ化] 反応図式1参照;式中のRがアセチルであり、かつX
がFである化合物3を、式中のRがアセチルであり、か
つXがNH2である化合物4に。
70%HF−ピリジン(100g、Aldrich)の市販のビン
に、磁気撹拌棒及びそれを通してテフロン−被覆された
温度計及び窒素管が備え付けられる隔膜を備え付けた。
このビンを、ドライアイス/アセトン浴中で冷却し、か
つ無水ピリジン(25ml)を注射器を介して撹拌下に添加
した。添加の間、内部温度を0℃未満に保持した。この
混合物(約56%HF−ピリジン)を、注射器を介して、同
様に備えられ、かつ6−フルオロ−2',3',5'−トリ−O
−アセチルグアノシン(17.0g、41.3ミリモル)を充填
された同様のプラスチック製容器に移し、かつ氷−塩浴
中で冷却した。亜硝酸t−ブチル(7.64ml、90%、57.8
ミリモル)を注射器を介して45分間にわたり滴加する
間、生ずる溶液をt−ブチル−5℃〜0℃に保持した。
この混合物を、更に、0℃で15分撹拌し;次いで、これ
を、プラスチック製ビーカー中の氷(1.5kg)上に撹拌
下で注いだ。ジクロロメタン(500ml)を添加し、かつ
撹拌を大部分の氷が溶けるまで続けた。層をガラス製分
液漏斗中で分離し、かつ水性層を、それぞれジクロロメ
タン500mlで2回洗浄した。合わせたジクロロメタン抽
出物を、順次、それぞれ500mlの5%炭酸水素ナトリウ
ム、水及びブラインで洗浄した。次いで有機層を、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、かつ真空下で濃縮した。残留
物を、トルエン中に再び溶かし、かつ真空下で濃縮させ
て、残留ピリジンを除去した。これは、粗製2,6−ジフ
ルオロ−9−β−D−(2',3',5'−トリ−O−アセチル
−リボフラノシル)プリン14.2g(83%)をもたらし
た。式中のXがFである化合物4を参照のこと。油状の
残留物は、更に精製しなくとも次の段階での使用に好適
であるが;注意深く冷2−プロパノールから結晶化させ
ることにより、精製された試料を得ることができる。
1H NMR(DMSO−d6)δ2.06(s,3H),2.08(s,3H),2.
15(s,3H),4.39(dd,1H),4.4−4.5(m,2H),5.64(t,
1H),5.95(t,1H),6.35(d,1H),8.90(s,1H);13C NM
R(DMSO−d6)δ20.10,20.26,20.33,62.55,69.69,72.7
6,79.76,86.17,119(d,2JCF=30Hz,C−5),146.46(t,
4JCF5JCF=2.9Hz,C−8),155.90(dd,1JCF=215.3H
z,3JCF=17.6Hz,C−2),156.31(dd,4JCF=17.9 and 1
2.1Hz,C−4),159.78(dd,1JCF=260.9Hz,3JCF=18.8H
z,C−6),169.15,169.31,169.93ppm. 粗製物質を、無水1,2−ジメトキシエタン(250ml)中
に溶かし、かつ無水アンモニアを、気泡でその溶液に導
通させる間、磁気により撹拌した。TLC(ジクロロメタ
ン:メタノール 20:1又は酢酸エチル:メタノール 1
0:1で溶離されるシリカゲルプレート)による測定によ
ると、15分の後に、反応は完結した。溶剤を真空下で除
去し、かつ残留物を、クロロホルム(11)中に懸濁さ
せ、かつ濾過して、塩化アンモニウムを除去した。濾液
を、真空下で濃縮し、かつ残留物を温2−プロパノール
中に懸濁させた。冷却の後に、固体を濾過により集め
て、全部で標題化合物12.6g(全部で74%)を、白色固
体として得、これは、TLCによると単一のスポットであ
った。
mp 201−202℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.02(s,3H),
2.05(s,3H),2.12(s,3H),4.2−4.5(m,3H),5.57
(t,1H),5.91(t,1H),6.13(d,1H),7.95(bs,2H),
8.34(s,1H);FT−IR(KBr)3302,3154,1749,1374,1233
cm-1;UV(メタノール)λmax 262nm. Robins et al.のCan.J.Chem.、1981、59、2608〜2611
頁は、6−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルグ
アノシンを、60%HF/ピリジン中、−30℃で亜硝酸t−
ブチルで処理して、2,6−ジフルオロ−9−β−D−
(2',3',5'−トリ−O−アセチル−リボフラノシル)プ
リン(これを、引き続き、無水1,2−ジメトキシエタン
中で無水アンモニアを用いて処理する)を得る方法を記
載している。
例 4b:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルア
デノシン [ジアゾ化/フッ素化及びアミノ化] 反応図式1参照;式中のRがアセチルであり、かつX
がFである化合物3を、式中のRがアセチルであり、か
つXがNH2である化合物4に。
テトラヒドロフラン(THF、125ml、試薬)中の6−フ
ルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルグアノシン(1
0.0g、24ミリモル)の溶液を、−15℃〜−10℃まで冷却
し、かつ48%フッ化ホウ素酸水溶液(13.9ml)を、一度
に添加した。THF(10ml)中の亜硝酸t−ブチル(4.17m
l、90%、31.6ミリモル)の溶液を、冷却された反応混
合物に10分にわたり添加した。更に、−10℃での10分間
の後に、冷却浴を外し、この混合物を、徐々に40℃まで
温水浴中で加温した。この浴を外し、かつ混合物を、氷
水450gを有するビーカー中に注いだ。生成物を、この水
性混合物から酢酸エチル(3×250ml)を用いて抽出
し、かつ、合わせた有機相を、順次、水(2×200m
l)、5%炭酸水素ナトリウム(3×200ml)及びブライ
ン(2×200ml)で洗浄した。次いで、有機層を、MgSO4
上で乾燥させ、かつ活性炭で脱色した。乾燥させた溶液
を濾過し、かつ溶剤を、真空下で蒸発させた。残留物
を、トルエン中に溶かし、かつ真空下で濃縮した。これ
は、ジフルオロプリン(化合物4;式中のXはFである)
中間体9.57gをもたらし、これを、無水1,2−ジメトキシ
エタン中に溶かし、かつ無水アンモニアを、気泡で溶液
に20分間導通する間、撹拌した。次いで、混合物を、真
空下で濃縮し、かつ残留物を温クロロホルム(250ml)
中に懸濁させ、かつ濾過した。非溶解物質を、更に温ク
ロロホルム(250ml)で洗浄し、かつ濾液を合わせ、真
空下で濃縮した。残留物を2−プロパノール100ml中に
溶かし、次いでこれを、エチルエーテルで希釈した。生
じた沈殿物を濾過により集め、かつ2−プロパノールか
ら再結晶させて、標題化合物4.23g(42%)を淡黄色固
体として得た。mp200〜203℃。
例 4c:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルア
デノシン [ジアゾ化/フッ素化] 反応図式1参照;化合物3を、化合物4に(式中のX
はNH2であり、かつRはアセチルである)。
ポリカーボネート遠心分離管に、2,6−ジアミノ−9
−β−D−(2',3',5'−トリ−O−アセチルリボフラノ
シル)プリン(1.37g、3.36ミリモル)及びHF−ピリジ
ン(10ml、約56%HF)を充填した。この混合物を、窒素
雰囲気下、室温で、均質になるまで撹拌した(約15分
間)。この溶液を、−10℃まで冷却し、かつ亜硝酸t−
ブチル(0.40ml、3.4ミリモル、90%)を注射器を介し
て1分間にわたり添加した。ガス発生が激しくなり、次
いで温度を−5℃未満に保持した15分間にわたり、静ま
った。次いで、この温度を室温まで45分間にわたり加温
させた。この混合物を、氷上に注ぎ、かつ生成物を、ク
ロロホルム(4×25ml)中で抽出した。合わせたクロロ
ホルム抽出物を、順次、それぞれ25mlの飽和Cu(II)SO
4、水、飽和NaHCO3、飽和NaClで洗浄し、次いで、MgSO4
上で乾燥させ、濾過し、かつ真空下で濃縮した。TLC
(酢酸エチル)によると、残留物(1.13g)は、標題化
合物及び2,6−ジフルオロ−9−β−D−(2',3',5'−
トリ−O−アセチルリボフラノシル)プリンの混合物を
含有した。この残留物を無水エチルエーテル(75ml)と
一緒に砕き、沈殿物を濾過により集め、かつ乾燥させ、
標題化合物0.79g(57%)を得た;mp197〜198℃;これ
は、TLC、1H NMR、IR及びUVによると、基準試料と一致
した。濾液は、大部分2,6−ジフルオロ−9−β−D−
(2',3',5'−トリ−O−アセチルリボフラノシル)プリ
ンである油状緑色残留物0.35gをもたらし、これは、無
水アンモニアを用いてエーテル溶剤中で処理することに
より標題化合物に移行させることができる。
Robins et al.のCan.J.Chem.、1981、59、2608〜2611
頁で推奨されている温度よりも高い温度を使用するこの
方法は、そこに記載されている40%の収率よりもかなり
高い収率を達成する。従って、−15℃〜+10℃の温度範
囲が有利である。
例 5a:3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロアデノ
シン [選択的脱アシル化] 反応図式1参照;式中のXがNH2である化合物4を、
化合物5に(式中のR及びR1はアセチルである)。
2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノ
シン(8.0g、19.4ミリモル)と無水ピリジン(80ml)と
の混合物を、磁気により撹拌し、かつ均質になるまで穏
やかに加熱した。この溶液を、室温まで冷却し、かつ栓
をされるフラスコ中に秤量された酢酸ヒドロキシルアン
モニウム(5.45g、58.3ミリモル)を1度に添加した。
秤フラスコをピリジン(20ml)ですすぎ、これを、反応
混合物に添加した。この混合物を、室温で2時間撹拌
し;次いで反応を、アセトン(10ml)、続いてメタノー
ル(25ml)を添加することによりクエンチした。1時間
の後に、均質な混合物を、真空下で濃縮した。残留物
を、トルエン(50ml)中に溶かし、かつ真空下で濃縮し
て、残留ピリジンを除去した。残留物を、水(150ml)
と一緒に砕き、かつ生じた固体を濾過により集め、かつ
少量のエチルエーテルで洗浄した。これは、粗製3',5'
−ジ−O−アセチル−2−フルオロアデノシン5.1gをも
たらし、これは、2−フルオロアデノシンの2',3',5'−
トリ−O−アセチル−2',5'−ジ−O−アセチル−及び
5'−O−アセチル−誘導体により不純であった。この粗
製物質を、温アセトニトリル(250ml)中に溶かし、ノ
ーライトA(Norit A)で処理し、熱時濾過し、次いで2
4時間凍結させた。生じた固体を濾過により集め、少量
のエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題
化合物3.61g(50%)を得、これは、痕跡量の5'−O−
アセチル−2−フルオロアデノシンを含有するが、更な
る精製をせずに次の段階で使用する。
mp 209−214℃;1H NMR(DMSO−d6)δ2.04(s,3H,C
H3),2.12(s,3H,CH3),4.2−4.4(m,3H,H−4′and 2H
−5′),4.94(q,1H,H−2′),5.26(dd,1H,H−
3′),5.82(d,1H,H−1′),5.93(d,1H,OH),7.9(b
s,2H,NH2),8.35(s,1H,H−8);13C NMR(DMSO−d6)2
0.47,20.68,63.21,70.73,72.25,79.37,87.39,117.61(b
d,4JCF=4.1Hz,C−5),140.07(d,5JCF=2.8Hz,C−
8),150.63(bd,3JCF=20.5Hz,C−4),158.17(d,3J
CF=21.3Hz,C−6),158.56(d,1JCF=204.3Hz,C−
2),169.60,170.06ppm,FT−IR(KBr)3340,3160,1745,
1649,1610,1373,229cm-1;FAB−MS(m/z)370(M+H)
+. 酢酸ヒドロキシルアンモニウムの製造に関するHiguch
i et al.のAnal.Chem.、1956、28、1022参照。
Ishido et al.のJ.Chem.Soc.P1.、1980、563〜573頁
は、2',3',5'−トリ−O−アシル−ヌクレオシドの部分
的脱アシル化の研究を記載している。
例 5b:3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロアデノ
シン [選択的アシル化] 反応図式1参照;式中のXがNH2である化合物4を、
化合物5に(式中のR及びR1はアセチルである)。
2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノ
シン(30.0g、72.8ミリモル)を、無水ピリジン(300m
l)中のヒドラジン一水和物(5.29ml、一水和物として1
09ミリモル、Aldrich)及び氷酢酸(6.24ml、109ミリモ
ル)の磁気により撹拌される溶液に1度に添加した。こ
の均質な混合物を室温で撹拌した。16時間の後に、少量
を取り出し、かつアセトン(1.5ml)でクエンチし、こ
の溶液をHPLCで分析した。これは、反応混合物が、2−
フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノシン
(8%)、3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロア
デノシン(56%、所望の生成物)、2',5'−ジ−O−ア
セチル−2−フルオロアデノシン(22%)及び5'−O−
アセチル−2−フルオロアデノシン(14%)から成るこ
とを示した。TLC(酢酸エチル:メタノール 10:1)
は、3つの主なスポットを示した;異性体ジアセチル成
分が一緒にRf≒0.65で溶離し、出発物質がRf≒0.73で現
われ、かつモノアセテート(ジオール)がRf≒0.43で現
われた。17時間で、反応を、アセトン(25ml)を添加し
てクエンチし、この混合物を30分間撹拌した。次いで、
この混合物を真空下で濃縮し、かつ残留物をアセトン
(50ml)及びトルエン(50ml)中に懸濁させ、かつ再び
真空下で乾燥するまで濃縮した。残留物を、水(100m
l)で充分に洗浄し、固体を濾過により集めた。湿潤固
体を、沸騰アセトン(100ml)中に懸濁させ、これを、
アセトニトリル(200ml)で希釈することにより精製し
た。アセトンを留去し、次いで混合物を4℃で1時間凍
結した。沈殿物を濾過により集め、冷アセトニトリルで
洗浄し、次いで、真空下で乾燥させて、標題化合物12.5
g(収率46%)を得た。更に、濾液を、別に濃縮するこ
とにより、1.04g(4%)の収量を得た。1H NMRによる
と、これらの物質の双方とも、基準物質と一致した。
例 5c:3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロアデノ
シン [選択的脱アシル化] 反応図式1参照;式中のXがNH2である化合物4を、
化合物5に(式中のR及びR1はアセチルである)。
無水ピリジン(300ml)中のヒドロキシルアミンヒド
ロクロリド(7.58g、109ミリモル)及び無水酢酸ナトリ
ウム(8.95g、72.8ミリモル)の懸濁液を、室温で30分
撹拌した。2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチ
ルアデノシン(30.0g、72.8ミリモル)を、磁気により
撹拌される懸濁液に一度に添加した。この混合物はすぐ
に均質となり、これを室温で撹拌した。17時間の後に、
一部を取り出し、アセトン(1.5ml)でクエンチし、か
つこの溶液を、HPLCにより分析した。これは、反応混合
物が2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデ
ノシン(12%、出発物質)、3',5'−ジ−O−アセチル
−2−フルオロアデノシン(53%、所望の物質)、2',
5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロアデノシン(23
%、不所望な異性体)及び5'−O−アセチル−2−フル
オロアデノシン(12%)から成ることを示した。
18時間で、反応をクエンチし、かつ混合物を例5bの記
載と同様に処理して、13.6gの第1の収量(収率50%)
及び1.45gの第2の収量(収率5%)を得た。1H NMRに
よると、これらの物質は双方とも、3',5'−ジ−O−ア
セチル−2−フルオロアデノシンの基準試料と一致し
た。
例 5d:3',5'−ジ−O−ベンゾイル−2−フルオロアデ
ノシン [選択的脱アシル化] 反応図式1参照;化合物4を、化合物5に(式中のX
はNH2であり、かつR及びR1はベンゾイルである。
無水ピリジン(2ml)中の酢酸ヒドロキシルアンモニ
ウム(47mg、0.5ミリモル)及び2−フルオロ−2',3',
5'−トリ−O−ベンゾイルアデノシン(100mg、0.167ミ
リモル)の混合物を、室温で24時間撹拌した。過剰の酢
酸ヒドロキシルアンモニウムを、混合物をアセトン(5m
l)で希釈することによりクエンチした。次いで、この
混合物を、真空下で濃縮し、かつ生じる残留物を、トル
エン中に懸濁し、かつ混合物を真空下で再び濃縮した。
次いで、残留物を、酢酸エチルと水中に分配させ、かつ
有機層を、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、次いで硫酸マ
グネシウム上で乾燥させた。乾燥させた溶液を濾過し、
かつ真空下で濃縮し、かつ残留物の成分を、ジクロロメ
タン:酢酸エチル 1:1で開始し、かつ純酢酸エチルで
終了する勾配を用いて溶離することによる、シリカゲル
のカラムでのクロマトグラフィーにより分離した。カラ
ムから回収された主要な成分は、標題化合物の3',5'−
ジ−O−ベンゾイル−2−フルオロアデノシンと一致し
た;19mg(収率23%)。
1H NMRδ4.6−4.75(m,3H),5.17(q,1H),5.68(dd,
1H),5.99(d,1H),6.08(d,1H),7.45−7.8(m,6H),
7.8−8.15(m,6H),8.36(s,1H). 例 6a:3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2'−
O−トリフルオロメタンスルホニルアデノシン [スルホニル化] 反応図式1参照;化合物5を、化合物6に(式中のR1
はアセチルであり、かつR2はCF3である)。
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.00ml、5.9
ミリモル)を、注射器を介して15分間にわたり、無水ピ
リジン(36ml)中の3',5'−ジ−O−アセチル−2−フ
ルオロアデノシン(2.00g、5.4ミリモル)、DMAP(0.66
g、5.4ミリモル)及びトリエチルアミン(TEA、0.83m
l、5.9ミリモル)の撹拌される混合物に添加した。TLC
(酢酸エチル:メタノール 10:1で溶離されるシリカゲ
ルプレート)での測定によると、室温での1時間の撹拌
の後に、反応は完結した。この混合物を氷上に注ぎ、か
つ生成物をクロロホルム(4×100ml)中で抽出した。
合わせた有機抽出物を、順次、水(3×100ml)及びブ
ライン(100ml)で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ
た。この溶液を濾過し、溶剤を真空下で蒸発させた。残
留物を、トルエン中に溶かし、かつ真空下で濃縮して、
残留ピリジンを除去した。残留物をジクロロメタン中に
溶かし、かつジクロロメタン中の酢酸エチル15〜50%の
勾配を用いてシリカゲルに通して濾過した。生成物を含
有するフラクションを合わせ、真空下で濃縮して、標題
化合物2.52g(93%)を淡桃色の固体として得た。
例 6b:3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2'−
O−トリフルオロメタンスルホニルアデノシン [スルホニル化] 反応図式1参照;化合物5を化合物6に(式中のRは
アセチルであり、R2はCF3である)。
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(4.08ml、24.3
ミリモル)を、注射器を介して25分間にわたり、無水ピ
リジン(40.8ml)中の3',5'−ジ−O−アセチル−2−
フルオロアデノシン(6.80g、18.4ミリモル)の撹拌さ
れる懸濁液に添加し、氷−水浴中で冷却した。生じた溶
液を、この温度で撹拌し、TLC(純酢酸エチル)により
監視した。沈殿物が、約20分後に形成され、かつ80分後
に反応が完結したので、過剰の無水物を水(1ml)を添
加してクエンチした。撹拌を30分続け、次いで、混合物
を、真空下で約30mlの体積まで濃縮した。濃スラリー
を、水(68ml)中に懸濁させ、かつ室温での1時間の放
置の後に、沈殿した固体を濾過により集め、かつ水(2
×34ml)で洗浄し、かつ風乾して、粗製標題化合物9.24
g(定量的収量)を得た。粗製生成物は、次の反応での
使用に好適であったが;一部(6.0g)を、更に2−プロ
パノールからの再結晶により精製した。粗製物質の大部
分が温2−プロパノール中に溶けた後に、脱色炭を暗色
懸濁液に添加し、かつ非溶解物質を熱時濾過により除去
した。0℃まで徐々に冷却した後に、沈殿物を、濾過に
より集め、2−プロパノール(2×5ml)ですすぎ、か
つ風乾して分析的に純粋な標題化合物4.43gを得た。mp1
56.4〜158℃;C15H15N5F4O6Sの分析的計算値;C、35.93;
H、3.02;N、13.97;F、15.16;S、6.39。実測値:C、35.9
7;H、2.93;N、14.07;F、15.16;S、6.44。1H NMRによる
と、これは、基準試薬と一致した。
例 7a:2−フルオロ−9−β−D−(2',3',5'−トリ−
O−アセチル−アラビノフラノシル)アデニン [糖変換/スルホン酸塩とカルボン酸塩との置換] 反応図式1参照;化合物6を化合物9に(式中のR1
アセチルであり、R2はCF3であり、かつR3はアセチルで
ある)。
水(50μl)中の酢酸カリウム(78mg、0.8ミリモ
ル)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(50μl)
中の3',5'−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2'−O
−トリフルオロメタンスルホニルアデノシン(0.20g、
0.40ミリモル)の溶液に添加し、かつこの混合物を約50
℃まで加温した。この温度で15時間放置した後に、TLC
(酢酸エチル)は、反応が完結したことを示した。この
混合物を室温まで冷却し、水(2ml)で希釈した。沈殿
物が形成され、これを濾過により集め、メタノール(2
×1ml)で洗浄し、風乾して、標題化合物0.10g(収率60
%)を得た。1H NMRによると、これは、基準試料と一
致した。
例 7b:2−フルオロ−9−β−D−(2',3',5'−トリ−
O−アセチル−アラビノフラノシル)アデニン [糖変換/スルホン酸塩とカルボン酸塩との置換] 反応図式1参照;化合物6を化合物9に(式中のR1
アセチルであり、R2はCF3であり、かつR3はアセチルで
ある)。
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.10ml、12.1ミ
リモル)を、酢酸エチル(40ml)中の3',5'−ジ−O−
アセチル−2−フルオロ−2'−O−トリフルオロメタン
スルホニルアデノシン(2.02g、4.02ミリモル)及び氷
酢酸(0.92ml、16.1ミリモル)の混合物に添加し、かつ
この混合物を、窒素雰囲気下で還流加熱した。反応をTL
C(酢酸エチルで溶離されるシリカゲルプレート)によ
り監視し、かつこれは、還流下での24時間後に完結し
た。混合物を冷却し、かつ酢酸エチルで希釈し、次い
で、順次、水、5%炭酸水素ナトリウム及びブラインで
洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させた。この溶液を濾過
し、かつ真空下で濃縮して、粗製標題化合物1.56g(94
%)を得た。無水エタノールからの再結晶により、標題
化合物1.33g(80%)を針状物として得た。
mp 182−183℃;1H NMR(DMSO−d6)δ1.79(s,3H),
2.04(s,3H),2.12(s,3H),4.2−4.45(m,3H),5.56
(t,1H),5.60(t,3H),6.42(d,1H),7.9(bs,2H),8.
21(s,1H);FT−IR(KBr)3315,3155,1748,1666,1610,1
370,1228,1051cm-1. 例7c:9−β−D−(3',5'−ジ−O−アセチル−2'−O
−プロピオニル−アラビノフラノシル)−2−フルオロ
アデニン [糖変換/スルホン酸塩とカルボン酸塩との置換] 反応図式1参照;化合物6を、化合物9に(式中のR1
はアセチルであり、R2はCF3であり、かつR3はプロピオ
ニルである)。
無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.5ml)中の3',5'
−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2'−O−トリ−フ
ルオロメタンスルホニルアデノシン(0.60g、1.2ミリモ
ル)及びプロピオン酸セシウム−プロピオン酸(0.672
g、2.4ミリモル)の混合物を、室温で撹拌した。24時間
後に、TLC(酢酸エチル)は、反応が完結したことを示
した。この混合物を、激しい撹拌下に水(5ml)で希釈
し、かつ生じた沈殿物を濾過により集めた。濾過ケーキ
を、水(2×2ml)で洗浄し、かつ風乾して、標題化合
物0.36g(収率67%)をオフホワイトの粉末として得
た。1H NMRによると、この試料は、痕跡量のDMFを除け
ば純粋であった。エタノールからの再結晶により精製さ
れた標題化合物の試料は、次の特性を有した。
mp 159−160℃.1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ0.69
(t,3H),1.9−2.25(m,2H),2.04(s,3H),2.11(s,3
H),4.25−4.45(m,3H),5.5−5.7(m,2H),6.43(d,1
H),7.9(bs,2H),8.20(s,1H);FT−IR(KBr)3334,31
84,1747,1648,1609,1370,1226cm-1;UV(メタノール)λ
max 262nm. 例 7d:9−β−D−[3',5'−ジ−O−アセチル−2'−
O−(4−ニトロベンゾイル)アラビノフラノシル]−
2−フルオロアデニン [糖変換/スルホン酸塩とカルボン酸塩との置換] 反応図式1参照;化合物6を、化合物9に(式中のR1
はアセチルであり、R2はCF3であり、かつR3は4−ニト
ロベンゾイルである)。
トリエチルアミン(0.112ml、0.8ミリモル、TEA)、
4−ニトロ安息香酸(0.167g、1.0ミリモル)及び3',5'
−ジ−O−アセチル−2−フルオロ−2'−O−トリフル
オロメタンスルホニルアデノシン(0.20g、0.40ミリモ
ル)を、N,N−ジメチルホルムアミド(500μl)中で混
合し、かつ55℃で2時間加熱した。更に、TEA(0.15m
l)を添加し、かつ混合物を水(2ml)で希釈し、かつ激
しく混合した。生じた沈殿物を濾過により集め、かつ水
(2×2ml)で洗浄し、かつ風乾して、標題化合物0.18g
(収率87%)を得た。1H NMRによると、生成物は、痕
跡量のDMF及び4−ニトロ安息香酸を除けば純粋であっ
た。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ2.04(s,3H),2.11(s,
3H),4.35−4.5(m,3H),5.84(t,1H),5.91(t,1H),
6.58(d,1H),7.82(bs,2H),7.89(d,2H),8.23(d,2
H),8.30(s,1H). 例 8a:9−β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロ
アデニン(フルダラビン) [完全な脱アシル化] 反応図式1参照;式中のR1及びR3がアセチルである化
合物9を、化合物10に。
無水エタノール(130ml)中の2−フルオロ−9−β
−D−(2',3',5'−トリ−O−アセチルアラビノフラノ
シル)アデニン(1.27g、3.08モル)の懸濁液を、磁気
により撹拌し、かつ0℃まで氷−ブライン浴中、窒素下
に冷却した。懸濁液が均質になるまで(30分)、無水ア
ンモニアを気泡で懸濁液に導通した。次いで、フラスコ
を、隔膜で密閉し、かつ冷蔵庫中、0〜4℃で放置し
た。4日の後に、この混合物を、真空下で濃縮した。残
留物を、クロロホルムと一緒に砕いて、3:1のモル比の
標題化合物とアセトアミドとの混合物からなる粉末0.88
gを得た。これを、50%エタノール水溶液25mlから再結
晶させた。生じた固体を濾過により集め、エタノール水
溶液で洗浄し、一夜風乾し、次いで100℃、真空下、P2O
5上で乾燥させて、無水物の形の純フルダラビン0.75g
(85%)を得た。
mp 252−254℃;1H NMR(DMSO−d6)δ3.6−3.75(m,2
H,2H−5′)3.77(q,1H,H−4′),4.05−4.2(m,2H,H
−2′ and H−3′),5.07(t,1H,5′−OH),5.52(d,
1H,OH),5.63(d,1H,OH),6.11(d,1H,H−1′),7.8
(bs,2H,NH2),8.17(s,1H,H−8);FT−IR(KBr)345
5,3308,3185,1641,1378cm-1. 例 8b:9−β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロ
アデニン(フルダラビン) [完全な脱アシル化] 反応図式1参照;式中のR1がアセチルであり、かつR3
がプロピオニルである化合物9を、化合物10に。
水酸化リチウム一水和物(84mg、2.0ミリモル)を、
テトラヒドロフラン(5ml)及び水(1ml)の混合物中の
9−β−D−(3',5'−ジ−O−アセチル−2'−O−プ
ロピオニルアラビノフラノシル)−2−フルオロアデニ
ン(0.21g、0.50ミリモル)の溶液に添加した。この混
合物を、室温で撹拌し、かつTLC(クロロホルム:メタ
ノール 9:1)により監視した。2時間の後に、反応が
完結したので、混合物を氷酢酸(29μl、0.5ミリモ
ル)で中和し、かつ真空下で約1mlまで濃縮して、良好
な沈殿物を生ぜしめた。混合物を、室温で約30分放置
し、次いで、沈殿物を濾過により集め、かつ水(2×1m
l)で洗浄した。集めた固体を風乾して、フルダラビン
水和物0.13g(収率90%)をオフホワイトの粉末として
得た。これは、TLCの際に単一のスポットであり、かつI
R、TLC及び1H NMRによるとフルダラビン・0.25H2Oの基
準試料と一致した。mp247〜249℃(d)。FT−IR(KB
r)3475、3387、3128、1672、1621、1382、1057cm-1
例 8c:9−β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロ
アデニン(フルダラビン) [完全な脱アシル化] 反応図式1参照;式中のR1がアセチルであり、かつR3
が4−ニトロベンゾイルである化合物9を、化合物10
に。
2.5N水酸化ナトリウム溶液(0.35ml、0.875ミリモ
ル)を撹拌下で、テトラヒドロフラン(2ml)と水(0.2
ml)との混合物中の9−β−D−[3',5'−ジ−O−ア
セチル−2'−O−(4−ニトロベンゾイル)アラビノフ
ラノシル]−2−フルオロアデニン(0.104g、0.20ミリ
モル)の氷−水冷却される溶液に滴加した。混合物を、
氷−水溶中で撹拌し、かつTLC(クロロホルム:メタノ
ール 9:1)により監視した。1時間の後に、反応が完
結したので、混合物を氷酢酸(17μl)で中和し、かつ
真空下で乾燥するまで濃縮した。残留物を、水(1ml)
でスラリー化し、次いで遠心分離した。上澄液をデカン
テーションし、湿潤残留物を、50%エタノール水溶液
(1.6ml)から再結晶させた。生じた沈殿物を、濾過に
より集め、かつエタノール(0.5ml)で洗浄し、かつ風
乾して、フルダラビン水和物28mg(収率48%)を白色粉
末として得た。mp254〜255℃(d)。これはTLCの際に
単一のスポットであり、かつIR、TLC及び1H NMRによる
と基準試料と一致した。
例 9a:2−フルオロアデノシン [完全な脱アシル化] 反応図式1参照;化合物4を化合物7に(式中のXは
NH2であり、かつR1はアセチルである)。
無水エタノール(500ml)中の2−フルオロ−2',3',
5'−トリ−O−アセチル−アデノシン(2.10g、5.1ミリ
モル)の磁気により撹拌される懸濁液に、無水アンモニ
アを、気泡で氷−水浴中での冷却下に導通した。30分の
後に、混合物は均質になったので、アンモニアの添加を
止めた。容器を密閉し、4℃で数日貯蔵し、次いで、混
合物を真空下で濃縮した。残留物を、エタノールから2
回再結晶させ、乾燥させて、標題化合物1.32g(90%)
を得た。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ3.5−3.75(m,2H),3.9
6(q,1H),4.15(q,1H),4.54(q,1H),5.09(t,1H),
5.32(d,1H),5.50(d,1H),5.81,(d,1H),7.9(bs,2
H),8.38(s,1H);FT−IR(KBr)3323,1688,1617,1368c
m-1;UV(エタノール)λmax 262nm. Montgomery et al.のJ.Org.Chem.、1968、33、432〜4
34頁参照。
例 9b:2−フルオロアデノシン [完全脱アシル化] 反応図式1参照;化合物4を化合物7に(式中のXは
NH2であり、かつR1はアセチルである。
2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノ
シン(0.41g、10ミリモル)を、1,4−ジオキサン(7m
l)と水(2ml)との混合物中に溶かし、かつ溶剤を、氷
−水溶中で冷却した。2.5M NaOH(1.40ml、3.5ミリモ
ル)を、激しい撹拌下に2分間にわたり滴加した。生じ
た淡黄色溶液を、0℃で撹拌し、かつTLC(クロロホル
ム:メタノール 9:1)により監視した。2時間の後
に、黄色がほとんど消失し、かつTLCは、アセチル化さ
れた中間体の残留を示さなかった。均質な反応混合物
を、直接、AG50−X4(H+、100〜200メッシュ、10ml容
量)イオン交換樹脂のカラム上に注入し、かつカラム
を、それぞれカラム容積のメタノール:水 1:1で数回
溶離した。2−フルオロアデノシンが、直ちに溶離され
始め、かつ2−フルオロアデノシンを含有する全てのフ
ラクションを、真空下で濃縮して白色部分結晶固体を
得、これを、60℃、真空下で一夜乾燥させた:0.20g(収
率70%)、mp220〜227℃(d)。この物質は、TLC、IR
及びUVによると2−フルオロアデノシンの基準試料と一
致した。
例 9c:2−フルオロアデノシン [完全脱アシル化] 反応図式1参照;化合物4を化合物7に(式中のXは
NH2であり、かつR1はアセチルである)。
2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノ
シン(0.41g、1.0ミリモル、淡黄色固体)を、1,4−ジ
オキサン(5ml)と水(1ml)との混合物中に溶かした。
この溶液を、室温で撹拌し、固体LiOH・H2O(1.40ml、
3.5ミリモル)を、1度に添加した。反応の進行を、TLC
(クロロホルム:メタノール 9:1)により監視した。
2時間の後に、懸濁させた固体の大部分が溶解し、かつ
TLCは、アセチル化された中間体の残留を示さなかっ
た。濁った反応混合物を、直接、AG50−X4(H+、100〜2
00メッシュ、10ml容量)イオン交換樹脂のカラム上に注
入し、かつカラムを、それぞれカラム容積のメタノー
ル:水 1:1で数回溶離した。2−フルオロアデノシン
の溶離が、直ちに開始され、かつ2−フルオロアデノシ
ンを含有する全てのフラクションを真空下で濃縮して、
白色部分結晶固体を得、これを、60℃、真空下で一晩乾
燥させた:0.18g(収率63%)、mp227〜230℃(d)。こ
の物質は、TLC、IR及びUVによると2−フルオロアデノ
シンの基準試料と一致した。
例 10:2−フルオロ−3',5'−O−(1,1,3,3−テトライ
ソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン [選択的ジシロキサン保護] 反応図式1参照;化合物7を、式中のR1が−Si(イソ
プロピル)−O−Si(イソプロピル)−である化合
物5に。
無水ピリジン(100ml)中の乾燥2−フルオロアデノ
シン(3.00g、10.5ミリモル)の磁気により撹拌される
懸濁液に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピ
ルジシロキサン(3.36ml、10.5ミリモル、Aldrich)
を、注射器を介して添加した。この混合物を、窒素下、
室温で3時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残留物
を、2回、トルエン中に懸濁させ、かつ真空下で再濃縮
した。残留物を、酢酸エチルと水中に分配させ、かつ有
機層を、順次、1N HCl(2×)、飽和NaHCO3、飽和NaC
lで洗浄し、次いでNa2SO4上で乾燥させた。溶液を濾過
し、かつ真空下で濃縮した。これは、標題化合物2.56g
(46%);mp200〜205℃をもたらした。更に、母液か
ら、1.11g(20%、mp195〜200℃)及び0.62g(11%、mp
194〜200℃)の収量を回収した。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ0.6−1.3(m,21H),3.9
−4.1(m,3H),4.51(t,1H),4.71(dd,1H),5.62(d,1
H),5.79(s,1H),7.85(bs,2H),8.18(s,1H);FT−IR
(KBr)3333,3188,2946,2869,1649,1606cm-1;UV(メタ
ノール)λmax 262nm. 例 11:2−フルオロ−3',5'−O−(1,1,3,3−テトライ
ソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2'−O−
(トリフルオロメタンスルホニル)アデノシン [スルホニル化] 反応図式1参照;化合物5を、化合物6に(式中のR1
は、−Si(イソプロピル)−O−Si(イソプロピル)
−であり、かつR2は、CF3である)。
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.70ml、4.2
ミリモル)を、注射器を介して、磁気による撹拌下で、
無水ジクロロメタン(65ml)中の2−フルオロ−3',5'
−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−
1,3−ジイル)アデノシン(2.00g、3.79ミリモル)、ト
リエチルアミン(0.58ml、4.2ミリモル)及び4−ジメ
チルアミノピリジン(0.46g、3.8ミリモル)の溶液に、
室温、窒素雰囲気下で添加した。この混合物を、1.5時
間撹拌し、次いで、氷上に注ぎ、かつ生成物を、ジクロ
ロメタン(3×100ml)中で抽出した。合わせたジクロ
ロメタン抽出物を、水(2×250ml)で、次いで飽和NaC
lで洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、かつ真
空下で濃縮した。生成物を、100%ジクロロメタンから1
00%酢酸エチルへの勾配を使用するシリカゲル(60g)
クロマトグラフィーにより精製した。これは、標題化合
物1.39g(55%)を橙色固体としてもたらし、これを更
には精製しなかった。
mp 160−161℃,1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ0.8−1.
2(m,21H),3.9−4.15(m,3H),5.22(dd,1H),6.02
(d,1H),6.42(s,1H),8.0(vbs,2H),8.22(s,1H);F
T−IR(KBr)3329,3187,2949,2871,1650,1605cm-1. 例 12:9−β−D−[2'−O−アセチル−3',5',−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)アラビノフラノシル]−2−フルオロアデニン [糖変換/スルホン酸塩とカルボン酸塩との置換] 反応図式1参照;化合物6を、化合物9に(式中のR1
は−Si(イソプロピル)−O−Si(イソプロピル)
−であり、R2はCF3であり、かつR3は、アセチルであ
る)。
2−フルオロ−3',5'−O−(1,1,3,3−テトライソプ
ロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2'−O−トリフ
ルオロメタンスルホニル)−アデノシン(0.31g、0.47
ミリモル)、氷酢酸(0.11ml,1.9ミリモル)、N,N−ジ
イソプロピルエチルアミン(0.25ml、1.4ミリモル)及
び酢酸エチル(6.0ml)の混合物を、還流加熱した。24
時間の後に、更に、酢酸(0.11ml、1.9ミリモル)及び
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25ml、1.4ミリモ
ル)を添加し、かつ加熱を続けた。更に、24時間の後
に、混合物を冷却し、かつ酢酸エチルで希釈した。溶液
を、5%NaCO3、次いで飽和NaClで数回洗浄し、次いでM
gSO4上で乾燥させた。溶液を濾過し、かつ真空下で濃縮
させて、標題化合物0.25g(93%)を黄色油状物として
得、これを、更には精製しなかった。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ0.7−1.4(m,21H),1.6
5(s,3H),3.9−4.0(m,2H),4.19(dd,1H),4.98(t,1
H),5.56(t,1H),6.33(d,1H),7.9(bs,2H),8.05
(s,1H);FT−IR(neat)3334,3190,2947,2869,1750,16
49,1606cm-1. 例 13:2−フルオロ−9−β−D−アラビノフラノシル
アデニン(フルダラビン) [完全な脱保護:脱シリル化及び脱アシル化] 反応図式1参照;式中の2個のR1基が一緒になって、
−Si(イソプロピル)−O−Si(イソプロピル)
であり、かつR3がアセチルである化合物9を、化合物10
に。
フッ化テトラブチルアンモニウム(0.84ml、0.84ミリ
モル、THF中1M、Aldrich)を、注射器を介してテトラヒ
ドロフラン(4ml、THF)中の2−フルオロ−9−β−D
−[2'−O−アセチル−3',5'−O−(1,1,3,3−テトラ
イソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アラビノフ
ラノシル]アデニン(0.24g、0.42ミリモル)の溶液に
添加した。15分の後に、この混合物を真空下で濃縮し
た。残留物を、温50%エタノール水溶液中に添加し、か
つ溶液を冷却した。室温までの冷却の後に、溶液を濾過
し、かつ濾液を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチ
ルと水中に分配させた。水層を、酢酸エチルで洗浄し、
かつ合わせた有機抽出物を、MgSO4上で乾燥させ、次い
で濾過し、かつ真空下で濃縮した。これは、固体残留物
(0.12g)をもたらし、これは、1H NMRによると、数種
のテトラブチルアンモニウム塩及びイソプロピルシリル
副産物と共に、2'−O−アセチル−F−アラ−Aを含有
した。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ1.73(s,3H),3.6−3.8
(m,2H),3.8−3.9(m,1H),4.39(q,1H),5.07(t,1
H),5.27(t,1H),5.84(d,1H),6.31(d,1H),7.85(b
s,2H),8.24(s,1H). 粗製中間体の一部(0.10g)を、無水エタノール(50m
l)中に懸濁させ、かつ氷浴中で冷却した。懸濁液が均
質になるまで、無水アンモニアを気泡でそれに導通し
た。次いで、この溶液を、4℃で3日貯蔵し、真空下で
濃縮した。残留物を、50%エタノール水溶液から再結晶
させた。沈殿物を、濾過により集め、かつ真空下、90℃
で乾燥させて、フルダラビン26.9mg(試料の補正をした
後の2段階の収率約27%);mp256℃(分解)を得、これ
は、TLC、1H NMR及びIRによると基準試料と一致した。
例 14:9−β−D−(3',5'−ジ−O−アセチルアラビ
ノフラノシル)−2−フルオロアデニン [酸化/還元] 反応図式1参照;化合物5を、化合物8に、化合物9
に(式中のR1はアセチルであり、かつR3はHである)。
ジクロロメタン(3.0ml)中の3',5'−ジ−O−アセチ
ル−2−フルオロアデノシン(0.148g、0.4ミリモ
ル)、酸化クロム(VI)(0.120g、1.2ミリモル)、ピ
リジン(0.20ml)及び無水酢酸(0.12ml)の混合物を、
室温で1時間撹拌した。反応混合物を、直接、シリカゲ
ルカラム上に注入し、中間体2'−ケト型生成物を単一フ
ラクションとして酢酸エチルを用いて溶離した。真空下
での溶離物の濃縮の後に、残留物を、トルエン中に溶か
し、かつ再濃縮した。1H NMRによると、この中間体試
料は、2'−ケト型化合物と相応するケトン水和物(即
ち、2',2'−ジオール)との混合物であった。この少量
の混合物を、氷酢酸(2ml)中に溶かし、かつ水素化ホ
ウ素ナトリウム(84mg、0.4ミリモル)を添加した。約2
4時間の後に、この混合物を、真空下で乾燥するまで濃
縮した。残留物を、酢酸エチルと水中に分配させた。酢
酸エチル抽出物を、順次、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム、飽和NaClで洗浄し、かつ真空下で濃縮した。残留物
を、酢酸エチル0〜100%含有のジクロロメタンでの勾
配溶離を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで処理し
て標題化合物20mgを得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ2.03(s,3H),2.12(s,3H),4.
1−4.2(m,1H),4.30(dd,1H),4.35−4.5(m,2H),5.2
2(t,1H),6.15−6.2(m,2H),7.9(bs,2H),8.15(s,1
H);FT−IR(KBr)3330,3180,1743,1653,1611,1372,127
cm-1;UV(メタノール)λmax 260nm. 例 15:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルア
デノシン [ジアゾ化/フッ素化及びアシル化] 反応図式2参照;化合物12を、化合物7に、化合物15
に(式中のRはアセチルである)。
冷56%HF−ピリジン(20.0ml、24.3g)を、迅速に注
射器を介して、2−アミノアデノシン(4.80g、17.0ミ
リモル)を充填され、かつテフロン−被覆された温度計
と共に、1"磁気回転棒を備え付けられている100mlプラ
スチック製ビンに導入し、かつ窒素管を、ゴム製隔膜を
通して備え付けた。均質になるまで、この混合物を外部
から冷却せずに撹拌した。溶液を−15℃まで冷却し、か
つ亜硝酸t−ブチル(2.50ml、18.9ミリモル、90%)
を、注射器を介して、−10℃〜−15℃に保持された内部
温度下に20分にわたり添加した。反応を、−10℃〜12℃
で40分撹拌し、次いで、混合物を−15℃まで冷却し、か
つ無水ピリジン(16.6ml、0.205モル)を、注射器を介
して添加した。その添加量の始めの1/4を添加するま
で、内部温度を、−10℃未満に保持し、次いで、残分の
添加の間、0℃まで上昇させた。無水酢酸(8.02ml、85
ミリモル)を、迅速に注射器を介して添加し、かつ冷却
浴を取外した。穏やかなガス発生が、温度の約10℃まで
の上昇と同時に観察された。温度は、徐々に25℃まで45
分間にわたり上昇を続けた。撹拌を室温で続け、かつ反
応を時々、TLCにより監視した。一晩の撹拌の後に、所
望の生成物の一部が溶液から沈殿し、TLCは、ジ−O−
アセチル中間体10%未満の残留と共に、大部分、所望の
トリ−O−アセチル誘導体を示した。反応を、この濃ス
ラリーを脱イオン水(200mL)中のオルト硼酸(10.51
g、0.17モル、H3BO3)の撹拌される溶液に25℃で注入す
ることによりクエンチした。氷(60g)を、生じた薄ス
ラリーに添加して、30℃未満の温度を保持した。このス
ラリー(pH〜4.5)を、15分撹拌し、次いで沈殿物を濾
過により集め、かつ水(2×20ml)及びメタノール(2
×10ml)で洗浄し、かつ風乾して、2−フルオロ−2',
3',5'−トリ−O−アセチルアデノシン3.5g(収率50
%)をオフホワイトの粉末として得た;mp195〜196℃。
例 16:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−アセチルア
デノシン [アセチル化及びジアゾ化/フッ素化] 反応図式2参照;化合物12を、化合物14に、化合物15
に(式中のRはアセチルである)。
2−アミノアデノシン(1.22g、4.3ミリモル)と氷酢
酸(15ml)との混合物を、均質になるまで除々に加熱
し、次いで、室温まで冷却した。4−ジメチルアミノピ
リジン(26mg、0.2ミリモル、DMAP)及び無水酢酸(1.3
4ml、14.2ミリモル)を添加し、かつ混合物を、室温で
4日撹拌した。水(5ml)を添加し、かつ撹拌を1時間
続け、その後、混合物を真空下で濃縮した。残留物をク
ロロホルム中に溶かし、かつpHが中性になるまで、クロ
ロホルム溶液を、飽和NaHCO3で繰返し洗浄した。クロロ
ホルム層を、飽和NaClで洗浄し、かつMgSO4上で乾燥さ
せ、次いで、濾過し、かつ真空下で濃縮して白色泡沫状
物1.9gを得た。1H NMRによる測定では、これは、2−
アミノ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノシン(60
%)、2−アセトアミド−2',3',5'−トリ−O−アセチ
ルアデノシン(30%)、2,6−ビス−アセトアミド−9
−β−D−(2',3',5'−トリ−O−アセチルリボフラノ
シル)プリン(8%)及びN−6−アセチル−2−アミ
ノ−2',3',5'−トリ−O−アセチルアデノシン(2%)
からなっていた。
前記の混合物(1.42g、約3.2ミリモル)を、ポリプロ
ピレン製試験管中、窒素雰囲気下に、HF−ピリジン(10
ml、約56%HF)中に溶かした。この溶液を磁気により撹
拌し、かつ−10℃まで冷却し、かつ亜硝酸t−ブチル
(0.40ml、3.4ミリモル、90%)を注射器を介して1分
間にわたり添加した。ガス発生が観察される間、温度を
−5℃未満に15分間保持し、次いで、混合物を、室温ま
で45分間にわたり上昇させた。次いで、この混合物を、
氷上に注ぎ、かつ生成物を、クロロホルム(3×25ml)
中で抽出した。合わせたクロロホルム抽出物を、順次、
それぞれ25mlの飽和Cu(II)SO4、水、飽和NaHCO3及び
飽和NaClで洗浄した。クロロホルム抽出物を、MgSO4
で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、淡褐色泡沫状
物0.85gを得、これは、1H NMRによる測定では大部分、
2,6−ジフルオロ−9−β−D−(2',3',5'−トリ−O
−アセチルリボフラノシル)プリンであった。この泡沫
状物を、無水1,2−ジメトキシエタン中に溶かし、かつ
無水アンモニアを気泡で溶液に導通した。室温での5分
間の撹拌の後に、微細な沈殿物が形成され、かつTLC
(酢酸エチル:メタノール 10:1)は、ジフルオロ化合
物が消滅したことを示した。混合物を真空下で濃縮し、
かつ残留物を沸騰無水エタノール(30ml)中に懸濁させ
た。固体を濾過により集め、かつ真空下、55℃で乾燥さ
せて、標題化合物0.61gを得た。mp195〜198℃。この物
質は、TLC、1H NMR、IR及びUVによると基準試料と一致
した。
例 17a:2',3',5'−トリ−O−アセチル−2−フルオロ
アデノシン [アシル化] 反応図式2参照;化合物7を、化合物15に(式中のR
はアセチルである)。
無水酢酸(1.89ml、20ミリモル)を、無水ピリジン
(11.4ml)中の2−フルオロアデノシン(1.14g、4.0ミ
リモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(24mg、0.20
ミリモル)の溶液に、撹拌下で5分間にわたり添加し
た。この混合物を、室温で1時間撹拌し、この時点で、
TLC(クロロホルム:メタノール 9:1)による測定によ
ると、反応は完結していた。過剰の無水酢酸を、水(0.
57ml)の添加によりクエンチし、更に15分間撹拌した後
に、濃ペースト状残留物が得られるまで、混合物を真空
下で濃縮した。残留物を、水(11ml)中に懸濁させ、か
つ撹拌を30分続けた。生じた沈殿物を、濾過により集
め、かつ水(2×11ml)で充分に洗浄し、次いで風乾し
た。これは、淡黄褐色粉末としての標題化合物1.39g(8
4%)をもたらし、これは、NMRによると基準試料と一致
した。
例 17b:2−フルオロ−2',3',5'−トリ−O−ベンゾイ
ルアデノシン [アシル化] 反応図式2参照;化合物7を、化合物15に(式中のR
はベンゾイルである)。
無水ピリジン(5.0ml)中の2−フルオロアデノシン
(0.30g、1.05ミリモル)及び無水安息香酸(0.713g、
3.15ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(6m
g)の溶液を、室温で撹拌した。4時間の後に、TLC(酢
酸エチル:ジクロロメタン 6:4)は、単一の新規の生
成物を示した。反応を、水(5ml)を添加することでク
エンチし、かつ生じた懸濁液を真空下で乾燥するまで濃
縮した。残留物を、トルエン中に懸濁させ、かつ真空下
で再濃縮した。残留物を、クロロホルムと飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液中に分配させ、かつ有機層を、順次、
飽和炭酸水素ナトリウム、水で、かつ飽和塩化ナトリウ
ム溶液で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥さ
せた。乾燥させた溶液を濾過し、かつ真空下で濃縮し
た。シリカゲルクロマトグラフィーを用いて、酢酸エチ
ル0〜50%を含有するジクロロメタンを用いる勾配分離
により、所望の生成物を、生じた残留物から単離して、
標題化合物0.42g(収率67%)を固体として得た。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ4.66(dd,1H),4.76(d
d,1H),4.84(q,1H),6.20(t,1H),6.37(t,1H),6.50
(d,1H),7.4−7.55(m,6H),7.6−7.75(m,3H),7.85
−8.05(m,8H),8.38(s,1H);FT−IR(KBr)3350,318
8,1729,1642,1602,1267cm-1. 例 18:2',3',5'−トリ−O−アセチル−2−フルオロ
アデノシン [アシル化;部分的に脱アシル化された副産物の回収] 反応図式1参照;5及びその他の部分的にアシル化され
た化合物の混合物からの化合物4の合成(式中のR及び
R1はアセチルであり、かつXはNH2である)。
TLCは、数種の選択的脱保護反応に由来する水性及び
有機母液を合わせ、かつ濃縮することにより得られた暗
褐色残留物(14.5g)が、2−フルオロ−2',3',5'−ト
リ−O−アセチルアデノシン、2',5'−ジ−O−アセチ
ル−2−フルオロアデノシン、3',5'−ジ−O−アセチ
ル−2−フルオロアデノシン、5'−O−アセチル−2−
フルオロアデノシン及び酢酸ヒドロキシルアンモニウム
脱保護反応からのその他の副産物、たとえば、アセトヒ
ドロキサム酸及びアセトンオキシムから成る混合物を含
有することを示した。この残留物を、無水酢酸(26ml、
1.5ml/残留物g)及び4−ジメチルアミノピリジン(DM
AP、0.17g、0.01g/残留物g)と一緒であるピリジン(1
70ml)中に懸濁させた。この混合物を、室温で2時間撹
拌し、その時点でTLC(クロロホルム:メタノール 9:
1)は、もはや部分的にO−アセチル化された化合物が
残留していないことを示した。混合物を、真空下で約25
mlまで濃縮し、かつ濃油状残留物を、トルエン(約50m
l)中に懸濁させ、かつ真空下で再濃縮した。この残留
物を、繰返し、水(3×50ml)中に懸濁させ、激しく撹
拌し、その都度、水性層を、残留ペースト状有機残留物
からデカンテーションした。残留物を温エタノール(約
100ml)中に溶かし、かつ生成物を、結晶化させた。混
合物を約0℃まで冷却し、かつ沈殿物を濾過により集
め、かつエタノール(2×10ml)で洗浄し、かつ風乾し
た。これは、標題化合物5.53gを淡黄褐色固体としても
たらした。これは、選択的脱保護反応で処理された物質
の量に対して、物質の28%の回復に相当し、その反応で
の再使用に好適であった。
前記の例で使用されたものを、一般的に又は特定的に
記載された本発明の反応物及び/又は作動条件と換えて
も、前記の例は、繰返し同様に成功させることができ
る。
前記の記載から、当業者は容易に本発明の本質的な特
性を確認することが可能であり、かつその真意と視野か
ら外れることなく、本発明を様々な使用及び条件に適応
させるために、それを様々に変化かつ変性させることが
できる。
フロントページの続き (56)参考文献 国際公開92/09604(WO,A1) 国際公開91/08215(WO,A1) 国際公開92/11276(WO,A1) Tetrahedron,1984,Vo l.40,No.1,pp.125−135 Tetrahedron Let t.,1988,Vol.29,No.13,p p.1561−1564 J.Med.Chem.,1988,Vo l.31,No.1,pp.405−410 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/00 - 19/24 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】9−β−D−アラビノフラノシル−2−フ
    ルオロアデニンを製造するために、グラノシンに、 (a)6−ケト基の6−アミノ基への変換、 (b)2−アミノ基の2−フルオロ基への変換、及び (c)リボフラノシル部のアラビノフラノシル部への変
    換、 を任意の順序で行うことを特徴とする9−β−D−アラ
    ビノフラノシル−2−フルオロアデニンの製法。
  2. 【請求項2】リボフラノシル部を、 式:−O−Si(Z)−O−Si(Z)−O−(ここで
    ZはC3〜C6分枝鎖アルキル又はアルコキシ基であるか、
    又はフェニルである)の3′,5′−ジシロキサン橋;2′
    −オキソ基;及び2−F基を示す中間体を経て、アラビ
    ノフラノシル部に変換する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】リボフラノシル部を、3′,5′−ジ−O−
    アシル−2′−OSO2R2(式中、アシル基は炭素原子12個
    までを有し、かつR2はC1〜4−ペルフルオロアルキル
    又はペルフルオロフェニルを表す)中間体を介して、ア
    ラビノフラノシル部に変換する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】リボフラノシル部を、3′,5′−ジ−O−
    アセチル−2′−オキソ−2−フルオロ中間体を介し
    て、アラビノフラノシル部に変換する請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】脱水ハロゲン化により6−ケト基を6−ハ
    ロ基(ここで、ハロはCl又はBrである)に変換し、かつ
    この6−ハロ基を触媒量の1,8−ジアゾビシクロ〔2.2.
    2〕オクタンの存在下にハロゲン交換することにより6
    −フルオロに変換する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】2−フルオロ中間体の2′−、3′−及び
    5′−ヒドロキシ基のアシル化を、先行する2−アミノ
    アデノシンヌクレオシドのジアゾ化及びフッ素化に使用
    されたHF−ピリジン媒体中で実施する請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】2−アミノアデノシンヌクレオシドがリボ
    フラノシル部を有する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】2−アミノアデノシンヌクレオシドがアラ
    ビノフラノシル部を有する請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】2−アミノアデノシンの2′−、3′−及
    び5′−ヒドロキシ基を、Ac−O基(ここで、Acは炭素
    原子を12個まで有するアシル基である)に変換し、次い
    で生じたO−アシル保護化合物に2−アミノ基のフッ素
    化を行う請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】(1)グアノシンにヒドロキシ保護工程
    を行い、この際リボフラノシル部の2′−、3′−及び
    5′−ヒドロキシ基をそれぞれAcO基(ここで、Acは炭
    素原子を12個まで有するアシル基である)に変換し;か
    つ (2)(1)の生成物をハロゲン化し、この際2−アミ
    ノ基及び6−ケト基をハロゲン原子に変換する(ここ
    で、2−ハロ基はFであり、6−ハロ基はF、Cl又はBr
    である)、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】(3)(2)の生成物をアミノ化して、
    6−ハロゲン置換基をアミノ基で置換し; (4)(3)の生成物を選択的に脱アシル化して、2′
    −AcO基をヒドロキシ基に変換し; (5)(4)の生成物を糖変換し、リボフラノシル部を
    アラビノフラノシル部に変換するが、この際: (a)リボフラノシル部の2′−ヒドロキシ基をスルホ
    ニル化により2′−OSO2R2(ここで、R2はC1〜4−ペ
    ルフルオロアルキル又はペルフルオロフェニルを表す)
    に変換し;かつ (b)(5)(a)の生成物の2′−OSO2R2基を親核置
    換して、アラビノフラノシル部とし;かつ (6)(5)(b)から得られた生成物を脱アシル化
    し、ここでアラビノフラノシル部のAcO基をヒドロキシ
    基に変換する、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】アシル基がアセチル基であり、かつ: (3)(2)の生成物をアミノ化して、6−ハロゲン置
    換基をアミノ基で置換し; (4)(3)の生成物を選択的脱アシル化して、2′−
    アセチル−O−基をヒドロキシ基に変換し; (5)(4)の生成物を糖変換して、リボフラノシル部
    をアラビノフラノシル部に変換するが、この際: (a)リボフラノシル部の2′−ヒドロキシ基を酸化に
    より2′−オキソ基に変換し;かつ (b)(5)(a)の生成物の2′−オキソ基を還元
    し、アラビノフラノシル部とし;かつ (6)(5)(b)で得られた生成物を脱アシル化し
    て、リボフラノシル部中のアセチル−O基をヒドロキシ
    基に変換する、請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】(3)(2)の生成物をアミノ化して、
    6−ハロゲン置換基をアミノ基で置換し、かつ脱アシル
    化して、2′−、3′−及び5′−AcO基をヒドロキシ
    基に変換し; (4)(3)の生成物を選択的に保護して、この際3′
    −及び5′−位を式:−O−Si(Z)−O−Si(Z)
    −O−(ここで、ZはC3〜C6分枝鎖アルキル又はアル
    コキシ基であるか、又はフェニルである)のジシロキサ
    ン架橋基で結合し; (5)(4)の生成物を糖変換して、この際リボフラノ
    シル部の2′−ヒドロキシ基を酸化して、2′−オキソ
    基に変換し、かつ2′−オキソ基を還元してアラビノフ
    ラノシル部とし;かつ (6)(5)から得られた生成物を脱シリル化し、ここ
    で3′,5′−ジシロキサン橋を除去し、9−β−D−ア
    ラビノフラノシル−2−フルオロアデニンを獲得する、
    請求項10記載の方法。
  14. 【請求項14】最初にグアノシンをアミノ化して、この
    際6−ケト基をアミノ基に変換して2−アミノ−アデノ
    シンとし、引き続き単離することなくジアゾ化及びフッ
    素化及びアシル化を行い、2−フルオロ−2′,3′,5′
    −トリ−O−アシル−アデノシン(ここで、アシル基は
    それぞれ炭素原子を12個まで有する)を獲得する、請求
    項1記載の方法。
  15. 【請求項15】最初にグアノシンをアミノ化して、6−
    ケト基をアミノ基に変換し、2−アミノ−アデノシンを
    獲得し、次いでこれをアシル化し、かつその後ジアゾ化
    及びフッ素化を行い、2−フルオロ−2′,3′,5′−ト
    リ−O−アシル−アデノシン(ここで、アシル基はそれ
    ぞれ炭素原子を12個まで有する)を獲得する、請求項1
    記載の方法。
  16. 【請求項16】2−アミノアデノシンヌクレオシドをHF
    −ピリジン媒体中でジアゾ化及びフッ素化を行い、引き
    続きアシル化を行い、2−フルオロ−アシル化−アデノ
    シンヌクレオシドを獲得し、その後HF−ピリジン媒体を
    ボレート類で処理しHFと反応させ、フルオロボレート類
    を形成する請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】2−アミノ−6−X−9−β−D−
    2′,3′,5′−トリ−O−アシル−アラビノフラノシル
    プリン(式中、XはCl、Br、F、NH2又はN3である)のH
    F−ピリジン媒体中でのジアゾ化及びフッ素化に続い
    て、このHF−ピリジン媒体をボレート類で処理し、HFと
    反応させフルオロボレート類を形成する請求項1記載の
    方法。
  18. 【請求項18】9−β−D−アラビノフラノシル−2−
    フルオロアデニンの製法において、これが: (a)グアノシンのアミノ化、ここで6−ケト基を6−
    アミノ基に変換し、 (b)(a)の生成物をジアゾ化及びフッ素化し、ここ
    で2−アミノ基を2−Fに変換し、引き続きアシル化
    し、2′,3′,5′−ヒドロキシ基をアシル−O基(ここ
    で、アシル基はそれぞれ炭素原子を12個まで有する)に
    変換し; (c)(b)の生成物を選択的に脱アシル化し、ここで
    2′−O−アシルを2′−ヒドロキシに変換し; (d)(c)の生成物を糖変換し、ここでリボフラノシ
    ル部をアラビノフラノシル部に変換し、ここで、 (1)リボフラノシル部の2′−ヒドロキシ基をスルホ
    ニル化により2′−OSO2R2(ここで、R2はC1〜4−ペ
    ルフルオロアルキル又はペルフルオロフェニルを表す)
    に変換し;かつ (2)(d)(1)の生成物の2′−OSO2R2基をカルボ
    キシレートで親核置換して、2′−O−アシル基(ここ
    で、アシル基は炭素原子を12個まで有する)を有するア
    ラビノフラノシル部とし;かつ (e)(d)(2)から得られた生成物を脱アシル化
    し、ここでアラビノフラノシル部のアシル−O基はヒド
    ロキシ基に変換することからなることを特徴とする9−
    β−D−アラビノフラノシル−2−フルオロアデニンの
    製法。
  19. 【請求項19】式:2−フルオロ−2′−OSO2R2−3′,
    5′−ジ−O−アシルアデノシン(式中、アシル基は炭
    素原子を12個まで有し、かつR2はC1〜4−ペルフルオ
    ロアルキル又はペルフルオロフェニルを表す)の2−フ
    ルオロアデノシン化合物。
  20. 【請求項20】式:9−β−D−〔2′−O−アシル−
    3′,5′−O−(ジシロキサン−1,3−ジイル)アラビ
    ノフラノシル〕−2−フルオロアデニン(式中、アシル
    基は炭素原子12個まで有し、かつジシロキサン基は式:
    −Si(Z)−O−Si(Z)−(ここでZはC3〜C6
    分枝鎖アルキル又はC3〜C6−分枝鎖アルコキシ基、又は
    フェニルである)の2−フルオロ−アラ−アデノシン化
    合物。
JP51339194A 1992-11-25 1993-11-24 グアノシンからのフルダラビン−ホスフェートの製法 Expired - Lifetime JP3523870B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/981,114 1992-11-25
US07/981,114 US5602246A (en) 1992-11-25 1992-11-25 Process for the preparation of fludarabine or fludarabine phosphate from guanosine
PCT/US1993/011472 WO1994012514A1 (en) 1992-11-25 1993-11-24 Process for the preparation of fludarabine phosphate from guanosine

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08505608A JPH08505608A (ja) 1996-06-18
JP3523870B2 true JP3523870B2 (ja) 2004-04-26

Family

ID=25528119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51339194A Expired - Lifetime JP3523870B2 (ja) 1992-11-25 1993-11-24 グアノシンからのフルダラビン−ホスフェートの製法

Country Status (11)

Country Link
US (2) US5602246A (ja)
EP (1) EP0670845B1 (ja)
JP (1) JP3523870B2 (ja)
AT (1) ATE162197T1 (ja)
AU (1) AU676874B2 (ja)
CA (1) CA2149117A1 (ja)
DE (1) DE69316391T2 (ja)
DK (1) DK0670845T3 (ja)
ES (1) ES2114173T3 (ja)
GR (1) GR3026499T3 (ja)
WO (1) WO1994012514A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108640960A (zh) * 2018-06-14 2018-10-12 慎终(上海)生物科技有限公司 氟达拉滨碱的合成工艺

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE59409594D1 (de) * 1993-09-28 2000-12-28 Schering Ag Verfahren zur herstellung von arabinonukleotiden
DE69638137D1 (de) * 1995-09-07 2010-04-15 Univ Georgia Therapeutische azidverbindungen
WO1999029710A2 (de) 1997-12-11 1999-06-17 Schering Aktiengesellschaft Reinigungsverfahren zur herstellung von fludarabin-phosphat
JP2000040679A (ja) * 1998-07-24 2000-02-08 Hitachi Ltd 半導体集積回路装置の製造方法
ES2405825T3 (es) * 2002-09-25 2013-06-03 Brigham Young University Método para la preparación de compuestos 2-halo-2'-desoxiadenosina a partir de 2'-desoxiguanosina
EP1464708A1 (en) * 2003-04-03 2004-10-06 Pro. Bio. Sint. S.p.A. A process for the preparation of fludarabine phosphate from 2-fluoroadenine
WO2006135655A2 (en) * 2005-06-10 2006-12-21 Florida State University Research Foundation, Inc. Processes for the production of polycyclic fused ring compounds
CA2610908A1 (en) * 2005-06-10 2006-12-21 Florida State University Research Foundation, Inc. Processes for the preparation of paclitaxel
CN101092441A (zh) * 2007-07-17 2007-12-26 北京本草天源药物研究院 一种奈拉滨的合成方法
FR2926079B1 (fr) 2008-01-03 2012-12-28 Commissariat Energie Atomique Procede de preparation d'un derive de purine marque, ledit derive et ses utilisations
CN101830955B (zh) * 2009-03-13 2013-09-11 浙江海正药业股份有限公司 抗肿瘤药物氯法拉宾的合成工艺
US20120220762A1 (en) * 2009-05-12 2012-08-30 Mathias Berwe Method for the manufacture of 2-fluoro-ara-adenine
CN101735296B (zh) * 2009-12-18 2013-03-27 天津市炜杰科技有限公司 一种氟达拉滨的制备方法
CN102311472B (zh) 2010-07-09 2014-09-03 神隆(昆山)生化科技有限公司 2-氯-9-(2’-脱氧-2’-氟-β-D-阿拉伯呋喃糖基)-腺嘌呤的制备
EP2428201A1 (en) 2010-09-08 2012-03-14 Merck Serono S.A. Oral administration of nucleoside monophosphates
CN102485738A (zh) * 2011-10-18 2012-06-06 连云港盛和生物科技有限公司 氟达拉滨中间体2-氟-2′,3′,5′-三-o-乙酰基腺苷合成方法
CN102911230A (zh) * 2012-04-16 2013-02-06 淮海工学院 一种氟达拉滨的合成方法
CN103333215A (zh) * 2013-07-01 2013-10-02 淮海工学院 一种合成2-氟腺苷的方法
CN107556356B (zh) * 2017-09-27 2020-07-10 新乡拓新药业股份有限公司 一种合成阿糖腺苷的方法
CN109776639B (zh) * 2019-03-05 2022-04-08 重庆海腾制药有限公司 一种阿糖苷类化合物杂质的合成方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2719834A (en) * 1951-01-26 1955-10-04 Chemstrand Corp Fiber-forming polymers
US2719843A (en) * 1951-10-24 1955-10-04 Davoll John Method of synthesizing nucleosides and analogous compounds and compounds prepared thereby
US3074930A (en) * 1955-08-11 1963-01-22 Burroughs Wellcome Co 6-mercaptopurine nucleosides and method of preparing them
US3074929A (en) * 1955-08-11 1963-01-22 Burroughs Wellcome Co Glycosides of 6-mercaptopurine
CH443312A (fr) * 1963-10-29 1967-09-15 Ajinomoto Kk Procédé de préparation du 1-N-oxyde d'hypoxanthine et du 1-N-oxyde d'inosine substituée ou non, et utilisation des produits obtenus par ce procédé poutilisation des produits obtenus par ce procédé pour la préparation de la 2,6-dichloro-purine et 9-B-D-ribofuranosyl purine substitua ée ou non
US3309358A (en) * 1965-09-20 1967-03-14 Upjohn Co 7-deazaadenine 2', 5'-and 3', 5'-dinucleoside phosphate and process therefor
DE1670884A1 (de) * 1967-06-24 1971-02-18 Hoechst Ag Verfahren zur Herstellung von Nucleosiden
US4038479A (en) * 1969-11-17 1977-07-26 Burroughs Wellcome Co. Amino purine derivatives
US4188378A (en) * 1978-01-04 1980-02-12 The United States Of America As Represented By The Department Of Health, Education And Welfare Anticancer and antiviral activity of 9-β-D-arabinofuranosyl-2-fluoroadenine
US4210745A (en) * 1978-01-04 1980-07-01 The United States Of America As Represented By The Department Of Health, Education And Welfare Procedure for the preparation of 9-β-D-arabinofuranosyl-2-fluoroadenine
US4357324A (en) * 1981-02-24 1982-11-02 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Prodrug derivatives of 9β-D-arabinofuranosyl-2-fluoroadenine
US4594350A (en) * 1984-07-30 1986-06-10 Reagents Of University Of Minnesota (3-ethoxypropionate) esters of cyclaradine
US4760137A (en) * 1984-08-06 1988-07-26 Brigham Young University Method for the production of 2'-deoxyadenosine compounds
US4751221A (en) * 1985-10-18 1988-06-14 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research 2-fluoro-arabinofuranosyl purine nucleosides
US4921950A (en) * 1988-06-09 1990-05-01 Burroughs Wellcome Co. Preparation of 3'azido-3-'-deoxythymidine
US4908441A (en) * 1988-07-19 1990-03-13 Warner-Lambert Company Deoxyadenosine compounds and methods of making and using the same
US5110919A (en) * 1989-12-04 1992-05-05 Ash Stevens, Inc. Process for the preparation of 2-amino-9-(2,3,5-tri-o-benzyl-beta-d-arabinofuranosyl) adenine and novel intermediates
ES2118752T3 (es) * 1990-06-27 1998-10-01 Ash Stevens Inc Procedimiento para la preparacion de 9-beta-d-arabinofuranosil-2-fluoroadenina-5'-fosfato.
US5180824A (en) * 1990-11-29 1993-01-19 Berlex Biosciences Inc. 6-azido-2-fluoropurine, useful in the synthesis of nucleosides
WO1992011276A1 (en) * 1990-12-18 1992-07-09 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Novel synthesis of 2'-'up' fluorinated 2''-deoxy-arabinofuranosylpurines

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J.Med.Chem.,1988,Vol.31,No.1,pp.405−410
Tetrahedron Lett.,1988,Vol.29,No.13,pp.1561−1564
Tetrahedron,1984,Vol.40,No.1,pp.125−135

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108640960A (zh) * 2018-06-14 2018-10-12 慎终(上海)生物科技有限公司 氟达拉滨碱的合成工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08505608A (ja) 1996-06-18
ES2114173T3 (es) 1998-05-16
DK0670845T3 (da) 1998-09-14
CA2149117A1 (en) 1994-06-09
WO1994012514A1 (en) 1994-06-09
ATE162197T1 (de) 1998-01-15
AU5679294A (en) 1994-06-22
US5602246A (en) 1997-02-11
DE69316391D1 (de) 1998-02-19
AU676874B2 (en) 1997-03-27
DE69316391T2 (de) 1998-08-13
EP0670845A1 (en) 1995-09-13
US5668270A (en) 1997-09-16
GR3026499T3 (en) 1998-07-31
EP0670845B1 (en) 1998-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3523870B2 (ja) グアノシンからのフルダラビン−ホスフェートの製法
JP3313191B2 (ja) 立体選択的グリコシル化法
EP2318423B1 (en) Process for making 5-azacytosine nucleosides and their derivatives
JP3379993B2 (ja) アルファ−アノマーに富む2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−d−リボフラノシルスルホネートを製造する方法
HAYAKAWA et al. Direct C-8 lithiation of naturally-occurring purine nucleosides. A simple method for the synthesis of 8-carbon-substituted purine nucleosides
JP3055910B2 (ja) 糖類の塩素化方法
EP2404926B1 (en) Preparation of 2-chloro-9-(2'-deoxy-2'-fluoro-beta-D-arabinofuranosyl)-adenine
US4689404A (en) Production of cytosine nucleosides
JP4593917B2 (ja) プリンヌクレオシドを調製する方法
JPH07206856A (ja) 5−メチルウリジンを用いる2’,3’−ジデヒドロ−3’−デオキシチミジン(d4T)の大量製造法
US8586729B2 (en) Synthesis of decitabine
EP0638586B1 (en) Nucleoside derivatives and methods for producing them
US5466793A (en) Process for preparing 2', 3'- dideoxyinosine
US5466787A (en) Process for preparing AZT
US5290927A (en) Process for preparing 2',3'-dideoxyadenosine
WO2004018490A1 (en) Process for the preparation of 9-beta-anomeric nucleoside analogs
Sharma et al. Synthesis of 5′-fluoro-5′-deoxy-and 5′-amino-5′-deoxytoyocamycin and sangivamycin and some related derivatives
CA2610283C (en) Process of making an alpha-anomer enriched 2-deoxy-2,2-diflouro-d-ribofuranosyl sulfonate and use thereof for making a beta nucleoside
JPH07165785A (ja) 3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法
ITMI971211A1 (it) Prodcedimento per la preparazione di un derivato della desossiuridina
RU2131880C1 (ru) Способ получения обогащенных бета-аномером нуклеозидов
JPH0597885A (ja) 2−デオキシ−d−トレオ−ペントフラノシドの製造方法、それらの製造中間生成物及びそれらの使用
JP4174895B2 (ja) ヌクレオシド誘導体とその製法
WO1999038879A1 (fr) Procede servant a preparer des derives de nucleosides

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031113

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040210

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

S212 Written request for registration of transfer of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315211

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term