JP3523412B2 - GaP:N発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

GaP:N発光ダイオードの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、GaP発光ダイオ
ドの製造方法に関し、特に窒素(N)を添加した高輝
度の黄緑色系GaP:N発光ダイオードの素子構造と、
その製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来例の黄緑色系GaP:N発光ダイオ
ード素子構造の図を図7に示し、従来例のn型エピタキ
シャル層を2層構造としたGaP:N発光ダイオード素
子構造の図を図8に示し、従来例の電極側のp型層n型
エピタキシャル層に窒素が添加されているGaP:N発
光ダイオード素子構造の図を図9に示す。 【0003】高輝度の黄緑色系GaP発光ダイオード
は、その発光中心として窒素(N)を添加したものが一
般的である。従来の素子構造は図7に示されるように、
SやTeなどをドープしたn型GaP単結晶基板101
上にn型GaPバッファ層102を設け、次に、窒素を
添加したn型GaP:Nエピタキシャル層103及び窒
素を添加したp型GaP:Nエピタキシャル層104よ
り構成される。そして、n型GaP:Nエピタキシャル
層103及びp型GaP:Nエピタキシャル層104界
面のp−n接合から黄緑色の発光が生じる。発光中心の
窒素の濃度は、約1×1018cm-3程度に最適値がある
ことがすでに知られている。従って、高輝度の黄緑色系
GaP発光ダイオードの開発方向としては、(1)p−
n接合近傍の結晶性の向上と、(2)p−n接合近傍の
キャリア濃度分布の最適化などが目指されている。 【0004】(1)の方法としては、図8に示すよう
に、n型エピタキシャル層を2層構造としたものであ
り、n型GaP単結晶基板101上にn型GaPバッフ
ァ層102を設け、次に結晶性改善のためのn型GaP
エピタキシャル層105を挿入し、次に、通常のn型G
aP:Nエピタキシャル層103を形成し、更に窒素を
添加したp型GaP:Nエピタキシャル層104より構
成される。n型エピタキシャル層を2層構造とし、且つ
厚くすることにより、p−n接合近傍の結晶性の向上を
図っている。この(1)の例としては、特開昭59−2
2374号公報、出願人:松下電器産業株式会社があ
る。 【0005】また別の(1)の方法としては、特開平6
−120561号公報、出願人:信越半導体株式会社が
ある。この先行例では、n型エピタキシャル層をn型G
aPバッファ層とn型GaP:Nエピタキシャル層の2
層構造とし、且つn型GaPバッファ層の硫黄(S)濃
度を5×1016[atoms/cc]以下とすることに
より、p−n接合近傍の結晶性の向上を図っている。 【0006】(2)の方法として、結晶性の向上を図り
つつ、p−n接合近傍のキャリア濃度分布の改善により
注入効率の向上を図った素子構造を出願人は先に提出し
た(特開平7−326792号公報、出願人:シャープ
株式会社)。 【0007】その素子構造は図9に示されるように、n
型GaP単結晶基板(n=3〜4×1017cm-3)10
1上にn型GaPバッファ層(n=2×1017cm-3
102を設け、次に、窒素を添加したn型GaP:Nエ
ピタキシャル層(n=約1×1016cm-3)103及び
窒素を添加したp型GaP:Nエピタキシャル層(p=
約1×1016cm-3)106及び亜鉛と窒素を添加した
p型GaP:Nエピタキシャル層(p=約1×1018
-3)104より構成される。そして、この従来例で
は、窒素を添加したp型GaP:Nエピタキシャル層
(p=約1×1016cm-3)106のp型ドーパントと
して、液相エピタキシャル成長ボート材を構成するカー
ボン(C)を用いている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
黄緑色系GaP発光ダイオードにおいては以下に示すよ
うな問題点があった。即ち、(3)p型GaP:Nエピ
タキシャル層の光吸収の問題、(4)p型ドーパントの
Znによる成長系の汚染の問題、 である。 【0009】(3)については、発光ダイオードの効率
は、内部量子効率と外部出射効率とに分けられ、高輝度
化を図るためにはこの光の外部への取り出し効率(外部
出射効率)についても対策する必要がある。GaP中の
窒素は発光中心であるとともに吸収帯としても作用す
る。従来例の図9におけるp型GaP:Nエピタキシャ
ル層104中の窒素(濃度は約1×1018cm-3程度)
は特に吸収帯としての作用効果が大きく、光の外部への
取り出し効率に対して悪影響となっていた。 【0010】(4)については、図9に示したように、
従来例においては、量産性を考慮して、1液法による液
相エピタキシャル成長が用いられていた。1液法とは、
GaP多結晶とn型ドーパントとを入れたGa溶液と成
長すべき多数枚のGaP単結晶ウェハとを入れたカーボ
ンボートを加熱し、980℃程度でGa溶液をGaP単
結晶ウェハに接触させ、その後、所定の速度で炉を冷却
することにより、液相エピタキシャル成長を行ってい
た。そして、窒素を添加後、p型GaPエピタキシャル
層を得るために、p型ドーパントの亜鉛(Zn)を蒸気
化させて気相から添加しており、この時カーボンボート
を含む成長系を汚染させる問題点があった。 【0011】この1液法による液相エピタキシャル成長
に対して、2液法が提案された。2液法とは、n型Ga
Pエピタキシャル層を得るためのGaP溶液と、p型G
aPエピタキシャル層を得るためのGaP溶液とに分離
して行う方法であり、この2液法の場合、エピタキシャ
ル成長ゾーンに対して各溶液に対する独立の成長室が必
要であるため、1度の液相エピタキシャル成長で処理で
きるウェハ枚数が3割から5割程度少なくなることと、
成長系のクリーニングの手間等の問題があった。また、
別々の2回の成長工程が必要なため、単位時間に処理で
きるウェハ枚数が5割程度少なくなることの問題点があ
った。 【0012】この本発明は、光の外部出射効率の効率向
上を図り高輝度化させる素子構造と、量産性を考慮しつ
つ、それを得るための製造方法を提供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のGaP:N発光ダイオードの製造方法は、n型GaP
バッファ層、窒素が添加されたn型GaPエピタキシャ
ル層及び窒素が添加されたp型GaPエピタキシャル層
を順次形成させる第1のGaP溶液を用いた液相エピタ
キシャル工程と、窒素を添加しないp型GaPエピタキ
シャル層を形成させる第2のGaP溶液を用いた液相エ
ピタキシャル工程とからなり、第1のGaP溶液を用い
た液相エピタキシャル工程後に、第2のGaP溶液を用
いた液相エピタキシャル工程においてアニール効果をも
たせるために、500℃を経由して室温まで成長炉を冷
却し、次いで窒素が添加されたp型GaPエピタキシャ
ル層をメルトバックすることを特徴とするものである。 【0014】 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【発明の実施の形態】図1乃至図6は本発明の一実施の
形態に関する図である。図1は本発明の素子構造とその
キャリア濃度分布図であり、図2は黄緑色系GaP:N
発光ダイオードの構造断面図であり、図3は黄緑色系G
aP:N発光ダイオードの発光スペクトル及びp型Ga
P:Nエピタキシャル層の光吸収特性図であり、図4は
液相エピタキシャル成長の温度プログラム図である。 【0019】先ず、図4は本発明の一実施の形態よりな
る黄緑色系GaP:N発光ダイオードの液相エピタキシ
ャル成長の温度プログラム図であり、2液法による1回
成長法を用いている。n型ドーパントである適量のSi
(シリコン)とGaP多結晶とを含むGaP溶液(第1
のGaP溶液)と、p型ドーパントである適量のZn
(亜鉛)とGaP多結晶とを含むGaP溶液(第2のG
aP溶液)とを用意する。次に、この第1溶液と第2溶
液と複数枚の成長用のGaP単結晶ウェハ(キャリア濃
度n=4〜8×1017cm-3程度)とを液相成長炉にセ
ットし、水素ガス雰囲気中で約980℃まで昇温する。
この温度で約60分間程度保持し、充分にGaP溶液が
飽和状態となった後、第1のGaP溶液を成長用のGa
P単結晶ウェハと接触させ、所定の冷却速度、例えば、
約0.5〜2.0℃/分程度で降温させ、n型GaP単
結晶基板1上にn型GaPバッファ層(n1=1〜2×
1017cm-3程度)2をエピタキシャル成長させる。 【0020】炉の温度が約920℃に下がった時、降温
を一旦止め、水素ガスにNH3(アンモニア)ガスを添
加しつつ、この温度に約30〜50分間程度保持する。
NH3ガスを流し始めると、n型ドーパントSiはNH3
との反応により、SiはGaP溶液中から取り去られ、
その結果、n型キャリア濃度は急速に低下する。所定の
降温速度、例えば約0.5〜1.0℃/分程度の所定の
冷却速度により、窒素が添加され且つ低濃度方向へキャ
リア濃度の勾配を持ったn型GaP:Nエピタキシャル
層3が形成される。ドーパントSiが使い尽くされ、カ
ーボン等の残留不純物(バックグラウンド不純物)によ
り、伝導型はp型となり、約920〜850℃程度まで
の徐冷により、窒素が添加されたp型GaP:Nエピタ
キシャル層(p1<2×1016cm-3)4が形成され
る。このp型GaP:Nエピタキシャル層の窒素の含有
濃度は、約1×1018cm-3程度である。 【0021】次に第1のGaP溶液を抜き去り、p型ド
ーパントであるZnを含んだ第2のGaP溶液に切り換
え、第2のGaP溶液を窒素が添加されたp型GaP:
Nエピタキシャル層4に接触させ、830℃まで所定の
降温速度で徐冷し、その後室温付近まで自然冷却する。
第2のGaP溶液をp型GaP:Nエピタキシャル層4
に接触させた時、この層の表面をごく僅かメルトバック
してもよいことは勿論である。これにより、窒素が殆ど
添加されていないp型GaPエピタキシャル層(キャリ
ア濃度p2=約1〜3×1018cm-3程度)5が形成さ
れる。ここで、窒素が殆ど添加されていないp型GaP
エピタキシャル層と記述したのは、第2溶液が待機中
に、NH3ガスを流入させることから、何等かの原因で
微量の窒素が混入する可能性があると推察されるためで
ある。しかし、意識的には窒素(N)を添加しないとこ
は当然である。 【0022】図1において、1はGaP単結晶基板(キ
ャリア濃度n=4〜8×1017cm-3程度)、2はn型
GaPバッファ層(n1=1〜2×1017cm-3
度)、3は窒素が添加されたn型GaP:Nエピタキシ
ャル層(n2=1×1016cm-3程度)、4は窒素が添
加されたp型GaP:Nエピタキシャル層(p1<2×
1016cm-3)、5は窒素が殆ど添加されていないp型
GaPエピタキシャル層(キャリア濃度p2=約1〜3
×1018cm-3程度)5である。また、各エピタキシャ
ル層の厚さは、n型GaPバッファ層2は約30〜10
0μm程度、n型GaP:Nエピタキシャル層3は約1
〜20μm程度、p型GaP:Nエピタキシャル層4は
約5〜20μm程度、p型GaPエピタキシャル層5は
約10〜50μm程度である。 【0023】請求項3の関係において述べると、窒素が
添加されたp型GaP:Nエピタキシャル層4のキャリ
ア濃度は約2×1016cm-3未満であることが望まし
い。望ましくは窒素が添加されたp型GaP:Nエピタ
キシャル層4のキャリア濃度は約0.3〜1×1016
-3程度である。 【0024】次にこの液相成長したGaPウェハの基板
側1を研磨し、エッチングして、厚さを調整し、約25
0〜300μm程度にする。これに、n側電極6にAu
−Si系材料、p側電極7にAu−Be系材料を用いて
電極付けを行い、黄緑色系GaP発光ダイオード(およ
そ280μm角程度の大きさ)を得る。これを図2に示
す。 【0025】図3(a)に黄緑色系GaP発光ダイオー
ドの発光スペクトルを示し、スペクトルAは本発明の一
実施の形態よりなる例であり、スペクトルBは従来例で
ある。この結果を波長555nmと570nmとで比較
すると、スペクトルAは波長555nmで強い発光を示
しており、高輝度化と短波長化(緑色化)が達成できた
ことを示している。 【0026】図3(b)にGaP層の光吸収特性を示
す。従来例のp電極側のp層はp型GaP:Nエピタキ
シャル層で構成され、多量の窒素(約1×1018cm-3
程度)を含有しており、これを曲線Cとして図示してい
る。一方、上記の本発明によるp電極側のp層はp型G
aPエピタキシャル層で構成され、ほとんど窒素を含有
しておらず、これを曲線Dとして図示している。同図に
おいて、本発明による曲線Dは従来の曲線Cより下(低
い吸収係数)にあり、短波長側の透明度が高いこと示し
ている。その結果、外部出射効率の向上が図れ、又、色
調もより緑色になることを示している。 【0027】図5は本発明の他の一実施の形態よりなる
黄緑色系GaP発光ダイオードの液相エピタキシャル成
長の温度プログラム図である。図4の場合と比較して異
なる点は、第1のGaP溶液及び第2のGaP溶液を用
いる点では同じであるが、第1GaP溶液による液相エ
ピタキシャル成長と第2GaP溶液による液相エピタキ
シャル成長との操作を2回に分けて、別々に行う点であ
る。 【0028】図5(a)に示すように、先ず、n型ドー
パントである適量のSi(シリコン)とGaP多結晶と
を含むGaP溶液(第1のGaP溶液)と、p型ドーパ
ントである適量のZn(亜鉛)とGaP多結晶とを含む
GaP溶液(第2のGaP溶液)とを用意する。次に、
この第1溶液と第2溶液と複数枚の成長用のGaP単結
晶ウェハ(キャリア濃度n=4〜8×1017cm-3
度)とを液相成長炉にセットし、水素ガス雰囲気中で約
980℃まで昇温する。この温度で約60分間程度保持
し、充分にGaP溶液が飽和状態となった後、第1のG
aP溶液を成長用のGaP単結晶ウェハと接触させ、所
定の冷却速度、例えば約0.5〜2.0℃/分程度で降
温させ、n型GaP単結晶基板1上にn型GaPバッフ
ァ層(n1=1〜2×1017cm-3程度)2を成長させ
る。 【0029】炉の温度が約920℃に下がった時、降温
を一旦止め、水素ガスにNH3(アンモニア)ガスを添
加しつつ、この温度に約30〜50分間程度保持する。
NH3ガスを流し始めると、n型ドーパントSiはNH3
との反応により、SiはGaP溶液中から取り去られ、
その結果、n型キャリア濃度は急速に低下する。所定の
降温速度、例えば約0.5〜1.0℃/分程度の所定の
冷却速度により、窒素が添加され且つ低濃度方向へキャ
リア濃度の勾配を持ったn型GaP:Nエピタキシャル
層3が形成される。ドーパントSiが使い尽くされ、カ
ーボン等の残留不純物により、伝導型はp型となり、約
920〜850℃程度までの徐冷により、p型GaP:
Nエピタキシャル層(キャリア濃度p1<2×1016
-3)4が形成される。望ましくは窒素が添加されたp
型GaP:Nエピタキシャル層4のキャリア濃度は約
0.3〜1×1016cm-3程度である。p型GaP:N
エピタキシャル層4の窒素の含有濃度は、約1×1018
cm-3程度である。その後、500℃を経由し室温まで
自然冷却させて、第1のエピタキシャル工程は終了す
る。 【0030】図5(b)に示すように、第2のエピタキ
シャル工程では、700℃〜800℃で未飽和となるp
型ドーパント、例えばZnを添加したGaP溶液と第1
のエピタキシャル工程で得られたエピタキシャルウェハ
を700℃〜800℃に昇温し、次に第1のエピタキシ
ャル工程で得られたエピタキシャルウェハにGaP未飽
和溶液を接触させ、窒素の添加されたp型GaP:Nエ
ピタキシャル層4の表面をごく僅かメルトバックさせ
る。その後、徐冷させ窒素が殆ど添加されていないp型
GaPエピタキシャル層5が形成される。5は窒素が殆
ど添加されていないp型GaPエピタキシャル層(キャ
リア濃度p2=約1〜3×1018cm-3程度)5であ
る。また、各エピタキシャル層の厚さは、n型GaPバ
ッファ層2は約30〜100μm程度、n型GaP:N
エピタキシャル層3は約1〜20μm程度、p型Ga
P:Nエピタキシャル層4は約5〜20μm程度、p型
GaPエピタキシャル層5は約10〜50μm程度であ
る。 【0031】図6にこのようにして得られた黄緑色系G
aP発光ダイオードの光度分布を示す。図6(a)は図
4の液相エピタキシャル成長の温度プログラム図(1工
程法、連続成長法)によって得られたものであり、図6
(b)は図5の液相エピタキシャル成長の温度プログラ
ム図(2工程法、分割成長法)によって得られたもので
ある。順方向電流IF=20mA(順方向電圧VF=2.
1V〜2.3V程度)を流した場合の結果で、図10に
示される従来例の頻度分布のピークが7mcdであった
のに対し、図6(a)ではティピカル値が10mcd、
図6(b)ではティピカル値が10mcdとなり、従来
のティピカル値の7mcdに比して共に約1.3倍程度
輝度を向上することができた。図6(a)に比較して、
図6(b)の光度分布が高光度側に集まり、改善されて
いる要因は結晶品位の低い部分に対して、第2のエピタ
キシャル工程における加熱(室温〜500℃〜約700
℃)によるアニール効果により結晶品位が向上したため
と考えられる。 【0032】 【発明の効果】以上のように、本発明のGaP:N発光
ダイオードの素子構造によれば、p−n接合のp側領域
は複数のp型層より構成され、p型電極に接するp層に
はN(窒素)を含有しないことを特徴としており、この
構造を用いることにより、発光領域にのみ窒素が添加さ
れ、且つ窓層となるp型GaPエピタキシャル層には窒
素を添加していないでのp−n接合からの発光に対する
透明度が向上し、外部出射効率を向上することができ
る。 【0033】また本発明のGaP:N発光ダイオードの
素子構造によれば、p−n接合近傍のn側領域は窒素が
添加されたn型GaP:Nエピタキシャル層より構成さ
れ、p側領域は窒素が添加されたp型GaP:Nエピタ
キシャル層より構成されることを特徴としており、p−
n接合近傍の十分なる窒素(N)濃度により、高効率の
黄緑色系GaP:N発光ダイオードを得ることができ
る。 【0034】また本発明のGaP:N発光ダイオードの
素子構造によれば、p−n接合近傍のp側領域は窒素が
添加されたp型GaP:Nエピタキシャル層より構成さ
れ、且つこの層のキャリア濃度が2×1016cm-3未満
であることを特徴としており、低濃度のため、電子及び
正孔のキャリアライフタイムを大きくすることができ、
注入効率の向上により、高効率の黄緑色系GaP:N発
光ダイオードを得ることができる。 【0035】また本発明のGaP:N発光ダイオードの
製造方法によれば、n型GaPバッファ層、窒素が添加
されたn型エピタキシャル層及び窒素が添加されたp型
GaPエピタキシャル層を順次形成させる第1のGaP
溶液を用いた液相エピタキシャル工程と、前記窒素が添
加されたp型GaPエピタキシャル層をメルトバックさ
せた後、窒素を添加しないp型GaPエピタキシャル層
を順次形成させる第2のGaP溶液を用いた液相エピタ
キシャル工程とから成ることを特徴としており、高効率
の黄緑色系GaP:N発光ダイオードを得ることができ
ると共に、p型ドーパントであるZnは蒸気化させずに
添加できるため、次のエピタキシャル工程ヘの影響及び
クリーニングの手間等が省略でき、生産性を向上するこ
とができる。 【0036】また本発明のGaP:N発光ダイオードの
製造方法によれば、第1のGaP溶液を用いた液相エピ
タキシャル工程と第2のGaP溶液を用いた液相エピタ
キシャル工程との間に成長炉を500℃以下に冷却する
工程を含むことを特徴としており、2回目の昇温のアニ
ール効果により、より高効率の黄緑色系GaP:N発光
ダイオードを得ることができる。 【0037】以上の説明による本発明の素子構造及びそ
の製造方法によれば、従来より約1.3倍程度高効率の
黄緑色系GaP:N発光ダイオードを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態よりなる黄緑色系Ga
P:N発光ダイオードの素子構造とそのキャリア濃度分
布図である。 【図2】本発明の一実施の形態よりなる黄緑色系Ga
P:N発光ダイオード構造断面図である。 【図3】黄緑色系GaP発光ダイオードの発光スペクト
ル及びGaP層の光吸収特性図であり、(a)は黄緑色
系GaP発光ダイオードの発光スペクトルを示し、本発
明の発光スペクトルをスペクトルAとして、また従来例
の発光スペクトルをスペクトルBとして示し、(b)に
GaP層の光吸収特性を示し、本発明によるGaP層の
光吸収特性を曲線Dとして、また従来例のGaP層の光
吸収特性を曲線Cとして示す。 【図4】本発明の一実施の形態よりなる黄緑色系Ga
P:N発光ダイオードの液相エピタキシャル成長の温度
プログラム図であり、2液法による1回成長法の場合の
例である。 【図5】本発明の一実施の形態よりなる黄緑色系Ga
P:N発光ダイオードの液相エピタキシャル成長の温度
プログラム図であり、2液法による2回成長法の場合の
例である。 【図6】本発明の一実施の形態よりなる黄緑色系Ga
P:N発光ダイオードの光度分布を示す図であり、
(a)は図4の液相エピタキシャル成長の温度プログラ
ム図(2液法の1回成長法)の場合の図であり、(b)
は図5の液相エピタキシャル成長の温度プログラム図
(2液法の2回成長法)の場合の図である。 【図7】従来例の黄緑色系GaP:N発光ダイオード素
子構造の図である。 【図8】従来例の黄緑色系GaP:N発光ダイオード素
子構造の図であり、n型エピタキシャル層を2層構造と
したものである。 【図9】従来例の黄緑色系GaP:N発光ダイオード素
子構造の図であり、電極側のp型層及びp−n接合のn
型エピタキシャル層に窒素が添加されている。 【図10】従来例の黄緑色系GaP:N発光ダイオード
の光度分布を示す図である。 【符号の説明】 1 GaP単結晶基板 2 n型GaPバッファ層(エピタキシャル成長層) 3 窒素が添加されたn型GaP:Nエピタキシャル
層 4 窒素が添加されたp型GaP:Nエピタキシャル
層 5 窒素が添加されていないp型GaPエピタキシャ
ル層(p電極側) 6 n側電極 7 p側電極 101 n型GaP単結晶基板 102 n型GaPバッファ層 103 窒素を添加したn型GaP:Nエピタキシャル
層 104 亜鉛と窒素を添加したp型GaP:Nエピタキ
シャル層(p電極側) 105 結晶性改善のためのn型GaPエピタキシャル
層 106 窒素を添加したp型GaP:Nエピタキシャル
層(p−n接合側)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 GaP:N発光ダイオードの製造方法に
    おいて、n型GaPバッファ層、窒素が添加されたn型
    GaPエピタキシャル層及び窒素が添加されたp型Ga
    Pエピタキシャル層を順次形成させる第1のGaP溶液
    を用いた液相エピタキシャル工程と窒素を添加しない
    p型GaPエピタキシャル層を形成させる第2のGaP
    溶液を用いた液相エピタキシャル工程とからなり、第1
    のGaP溶液を用いた液相エピタキシャル工程後に、第
    2のGaP溶液を用いた液相エピタキシャル工程におい
    てアニール効果をもたせるために、500℃を経由して
    室温まで成長炉を冷却し、次いで窒素が添加されたp型
    GaPエピタキシャル層をメルトバックすることを特徴
    とするGaP:N発光ダイオードの製造方法。
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