JP3523001B2 - 含フッ素有機ケイ素化合物 - Google Patents

含フッ素有機ケイ素化合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縮合反応硬化型シ
リコーンゴム組成物のベースポリマーとして有用な含フ
ッ素有機ケイ素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
末端にSi−OH基を有するオルガノポリシロキサンを
ベースポリマーとし、これにビニルトリアセトキシシラ
ン、ビニルトリイソプロペノキシシラン等の加水分解性
基を有するケイ素化合物を架橋剤として配合した縮合反
応硬化型のシリコーンゴム組成物は、種々の用途に使用
されている。この種の硬化性シリコーンゴムは、架橋剤
のSi−X(Xはアセトキシ基、イソプロペノキシ基
等)とベースポリマーの末端のSi−OH基とが縮合反
応してシロキサン結合を形成し、次いで雰囲気中の水分
の作用により過剰のSi−Xが加水分解縮合することに
より硬化する(1液タイプ)。ここでベースポリマーの
末端のSi−OH基と当量の架橋剤を使用すればSi−
OHとSi−Xとの縮合反応のみで硬化させることもで
きる(2液タイプ)。この場合は雰囲気中の水分は特に
必要としない。
【0003】一方、フッ素化ポリエーテルの末端にSi
−OCH3を導入したタイプのベースポリマー(オイル
状)を用いた縮合反応硬化型のフッ素変性シリコーンゴ
ム組成物も知られている(特開平6−234923号公
報)。これは、下記式:
【0004】
【化5】 の化合物を主成分とし、雰囲気中の水分によるSi−O
CH3基の加水分解縮合により硬化するものである。こ
のフッ素変性シリコーンゴムは、従来のジメチルポリシ
ロキサンを主成分とするシリコーンゴムに比較して、耐
溶剤性、耐薬品性及び耐汚染性に特に優れた特性を持っ
ているが、フッ素含有率の高いポリマーであるために水
分透過性が低く、しかも硬化するためには雰囲気中の水
分を必要とすることから、深部まで硬化するのに長時間
を要するという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の目
的は、従来技術における上記欠点を改善し、硬化反応に
水分を必要としない縮合反応硬化型シリコーンゴム組成
物のベースポリマーとして、フッ素化ポリエーテルの両
末端にSi−OH基を導入したタイプの含フッ素有機ケ
イ素化合物を提供することである。
【0006】本発明者は、上記目的を達成するため、鋭
意検討を行った結果、両末端にエチレン性不飽和基を有
するフッ素化ポリエーテルと、一分子中に二つ以上のS
i−H基を有する有機ケイ素化合物とを触媒の存在下で
付加反応(ヒドロシリル化反応)させることにより、両
末端にSi−H基を有するフッ素化ポリエーテルが得ら
れ、更に、この両末端にSi−H基を有するフッ素化ポ
リエーテルとH20とを触媒の存在下に脱水素反応させ
て、Si−H基をSi−OH基に変換させることによ
り、両末端にSi−OH基を有する新規のフッ素化ポリ
エーテルが得られることを見出した。また、この新規な
フッ素化ポリエーテルをフッ素変性シリコーンゴム組成
物のベースポリマーとして用いた場合、深部硬化性に優
れたフッ素変性シリコーンゴム組成物が得られることを
見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は下記一般式(1):
【0008】
【化6】 〔式中、Rfは2価のフッ素化ポリエーテル基であり、
1は、結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及
びイオウ原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
原子を介在してもよいし、アミド結合又はスルホンアミ
ド結合を含有してもよい、下記一般式(1 ' )又は(1 '
' )で表される基を式中のZとの結合部に有する、
【0009】
【化7】 ハロゲン置換又は非置換の2価の炭化水素基であり、ま
たZは下記一般式(2)又は(3):
【0010】
【化8】 (R2、R3、R4同一の又は異なるハロゲン置換もし
くは非置換の1価炭化水素基であり、b及びcは1、2
又は3であり、またdは0〜3の整数である。)で表さ
れる基である。〕で示される含フッ素有機ケイ素化合物
を提供する。
【0011】また、本発明は、上記含フッ素有機ケイ素
化合物であって、上記一般式(1)中のR 1 が、R 11
12 で表され、R 11 は下記式:
【0012】
【化9】 (上記各式中、Meはメチル基であり、Phはフェニル
基である。)で表される基の何れかであり、R 12
−CH 2 −CH 2 又は −CH ( CH 3) −CH 2 であ
る、含フッ素有機ケイ素化合物を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。含フッ素有機ケイ素化合物 本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、上記一般式
(1)で表されるように、両末端にSi−OH基を有す
る新規のフッ素化ポリエーテルである。
【0014】上記一般式(1)において、Rfは2価の
フッ素化ポリエーテル基であり、例えば下記 一般式: −(Rf’−O)q− (但し、Rf’は炭素数1〜6、特に1〜3の直鎖状又
は分岐状のパーフルオロアルキレン基、qは1〜20
0、好ましくは2〜150、更に好ましくは2〜100
の整数である。)で示されるものを挙げることができ
る。ここで−(Rf’−O)−で示される繰り返し単位
としては、例えば−CF2O−、−CF2CF2O−、−
CF2CF2CF2O−、−C(CF3)FCF2O−、−
CF2CF2CF2CF2O−、−CF2CF2CF2CF2
2CF2O−、−C(CF32O−等を挙げることがで
きるが、中でも好ましいものは−CF2O−、−CF2
2O−、−CF2CF2CF2O−、−C(CF3)FC
2O−である。なお、上記パーフルオロポリエーテル
構造は、これらの−(Rf’−O)−で示される繰り返
し単位の1種単独で構成されていても、或いは2種以上
の組み合わせで構成されていてもよい。
【0015】Rfとして具体的には下記のものが例示さ
れる。
【0016】
【化10】 一般式(1)において、R1は2価の有機基であり、特
に、結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫
黄原子の1種又は2種以上を介在してもよいし、アミド
結合又はスルホンアミド結合を含有してもよい、置換又
は非置換の2価炭化水素基であるが、この2価炭化水素
基としては炭素数2〜20のものが好ましい。ここで、
酸素、窒素、ケイ素原子又は硫黄原子を介在せず、且つ
アミド結合又はスルホンアミド結合を含有しない、置換
又は非置換の2価炭化水素基の具体例としては、エチレ
ン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、
ヘキサメチレン基等のアルキレン基;シクロヘキシレン
基等のシクロアルキレン基;これらアルキレン基とフェ
ニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、
ビフェニレン基等のアリーレン基との組み合わせ;及び
これらアルキレン基及びアリーレン基の水素原子の一部
又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
【0017】上記2価炭化水素基において、酸素原子は
−O−として、窒素原子は−NR−(Rは水素原子、又
は各々炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基)又
は−N=として、ケイ素原子は−SiR′R″−
(R′、R″は各々炭素数1〜10のアルキル基又はア
リール基)として、また硫黄原子は−S−として介在す
ることができる。また、アミド基は−CONR−(Rは
上記と同じ)として、またスルホンアミド基は−SO2
NR−(Rは上記と同じ)として介在することができ
る。このような結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素
原子又は硫黄原子が介在するか、或いはアミド結合又は
スルホンアミド結合を含有する2価炭化水素基の具体例
としては、下記のものが挙げられる。なお、下記式でM
eはメチル基、Phはフェニル基であり、また下記の各
式において左側にRf’基、右側にZ基が結合する。
【0018】
【化11】
【0019】次に、一般式(1)において、Zは前記一
般式(2)又は(3)で示される基である。前記一般式
(2)又は(3)において、R2、R3、R4同一の又
は異なるハロゲン置換もしくは非置換の1価炭化水素基
であり、b及びcは1、2又は3であり、またdは0〜
3の整数である。
【0020】上記R2 3 及びR 4 のハロゲン置換又は
非置換の1価炭化水素基としては炭素数1〜12のもの
が好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリ
ール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロ
ピル基等のアラルキル基;及びこれらの基の水素原子の
一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等
で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプ
ロピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,
5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げ
られる。
【0021】含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法 本発明の含フッ素有機ケイ素化合物を製造するには、先
ず、両末端にエチレン性不飽和基を有するフッ素化ポリ
エーテル(A)と、一分子中に二つ以上のSi−H基を
有する有機ケイ素化合物(B)とを触媒の存在下で付加
反応(ヒドロシリル化反応)させることにより、両末端
にSi−H基を有するフッ素化ポリエーテル(C)を調
製する。
【0022】前記エチレン性不飽和基含有フッ素化ポリ
エーテル(A)は下記一般式(4): R5−Rf−R5 ・・・(4) (式中Rfは前述した通りであり、またR5はエチレン性
不飽和基を有する1価の有機基である。)で示される。
ここで、R5はエチレン性不飽和基を有する1価の有機
基であり、Si−H基と付加反応して前記R1を形成す
る基である。したがって、R5は、結合途中に酸素原
子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種
以上を介在してもよいし、アミド結合又はスルホンアミ
ド結合を含有してもよい、エチレン性不飽和基(CH2
=CH−又は−CH=CH−)を有する置換又は非置換
の、好ましくは炭素数2〜20の1価炭化水素基であ
り、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプ
ロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル
基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;シクロアル
ケニル基;及び下記式で示されるものが挙げられる。
【0023】
【化12】 前記一分子中に二つ以上のSi−H基を有する有機ケイ
素化合物は、下記式(5)及び(6):
【0024】
【化13】 (式中、R2、R3、R4同一の又は異なるハロゲン置
換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、b及びcは
1、2又は3であり、またdは0から3の整数であ
る。)で示され、具体的には、下記のものが例示でき
る。
【0025】
【化14】 前記エチレン性不飽和基含有フッ素化ポリエーテル
(A)と前記Si−H基含有有機ケイ素化合物(B)と
を触媒の存在下で付加反応させる場合、Si−H基含有
有機ケイ素化合物(B)を過剰量で用いることが好まし
い。具体的には、Si−H基含有有機ケイ素化合物
(B)は、エチレン性不飽和基含有フッ素化ポリエーテ
ル(A)の3倍モル以上、好ましくは3.5〜8倍モル
の過剰量で使用することが望ましい。Si−H基含有有
機ケイ素化合物(B)の量が少なすぎると、ゲル状物が
生成し易くなって目的物の収率が低下する。また多すぎ
ると収率の点は問題ないが、経済的でなく、ポットイー
ルドの観点から不利である。
【0026】上記付加反応は、付加反応触媒の存在下に
行われるが、この付加反応触媒としては公知のものを用
いることができる。即ち、周期律表第VIII族元素又はこ
れら元素を含む化合物が好適に使用される。具体的に
は、塩化白金酸;アルコール変性塩化白金酸(米国特許
第3220972号);塩化白金酸とオレフィンとのコ
ンプレックス(米国特許第3159601号、同第31
59662号、同第3775452号);白金黒、パラ
ジウム等をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持
させた触媒;ロジウムとオレフィンとのコンプレック
ス;ウィルキンソン触媒と呼ばれるクロロトリス(トリ
フェニルフォスフィン)ロジウム等が挙げられる。これ
ら触媒のうち、錯体系触媒は、アルコール系、ケトン
系、エーテル系等の有機溶剤に溶解して用いることが好
ましい。
【0027】上記触媒の使用量は特に制限されるもので
はなく、通常、金属換算でSi−H基含有有機ケイ素化
合物(B)全量当たり1〜1000ppmである。
【0028】なお、上記反応に際し、反応に影響を与え
ない範囲内で、必要に応じて反応系を有機溶媒で希釈す
ることもできる。この場合、有機溶媒が各成分や反応物
を溶解し、均一に分散させることが可能である場合に
は、反応を円滑に行うことができるので有用である。こ
のような有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン、トルエン、石油エーテル、キシレン等の
炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、n−ブチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶
媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、
酢酸エチル等のケトン系溶媒;メチレンクロライド、ク
ロルベンゼン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶
媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;トリフルオロ
ベンゼン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン等
のフッ素系溶媒等が挙げられる。これらは、1種単独で
又は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】上記付加反応における反応条件は特に制限
されないが、反応温度は50〜150℃が好ましく、更
に好ましくは60〜120℃である。反応時間は通常
0.5〜10時間である。
【0030】次に、上記付加反応で得られた、両末端に
Si−H基を有するフッ素化ポリエーテル(C)を触媒
の存在下で水(D)と反応させて、Si−H基をSi−
OH基に変換する。この反応では、水(D)は前記Si
−H基含有フッ素化ポリエーテル(C)全量に対し、3
倍モル以上の過剰量で使用する。
【0031】この変換反応では触媒として、周期律表第
VIII族元素又はこれらの元素を含む化合物を使用するこ
とができる。このような触媒としては、具体的には塩化
白金酸;白金黒;パラジウム;ロジウム;白金黒、パラ
ジウム、ロジウム等をアルミナ、シリカ、カーボン等の
担体に担持させた触媒等が挙げられるが、好ましくは白
金黒、パラジウム、ロジウム等を前記担体に担持させた
触媒である。触媒の使用量は特に制限されるものではな
く、通常、金属換算でSi−H基を有するフッ素化ポリ
エーテル全量当たり0.01〜0.3重量%である。
【0032】上記変換反応は、Si−H基含有フッ素化
ポリエーテル(C)と水(D)との混合を円滑に行うた
めに溶媒を使用して行うことが好ましい。このような溶
媒としては、例えばエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸
エチル、及びこれらの溶媒にトリフロロベンゼン、1,
3−ビストリフロロベンゼン等のフッ素系溶媒を混合し
た混合溶媒等が挙げられるが、中でも前記混合溶媒が好
ましい。
【0033】上記変換反応における反応条件は特に制限
されないが、反応温度は10〜100℃が好ましい。反
応時間は通常10分〜5時間である。反応終了後、活性
炭吸着処理又は濾過等適当な方法を用いて触媒を分離す
れば、本発明の含フッ素有機化合物である、両末端にS
i−OH基を有するフッ素化ポリエーテルが得られる。
【0034】
【実施例】実施例1 撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた500mLフ
ラスコに、下記式(7):
【0035】
【化15】 (m+nは平均値で35) で示される化合物260g、1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン58g、1,3−ビストリフロロメチ
ルベンゼン260gを入れ、撹拌しながら80℃に加熱
した。つぎにフラスコ内に塩化白金酸と1,3−ジビニ
ル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯
体トルエン溶液0.07g(白金金属換算で0.5重量
%)を添加した。その後、75〜85℃にて2.5時間
撹拌して反応を行った。反応終了後、反応系を室温まで
冷却し、活性炭2.6gを加え5時間撹拌してから濾過
し、濾液から揮発分を120℃/10mmHgの条件で
ストリップしたところ、各々25℃における比重1.3
3、屈折率1.743、粘度3072cPのオイル状物
質が得られた。
【0036】この物質を1H−NMR及びIRで分析し
たところ、下記式(8)で示される構造の化合物である
ことが確認された。そのIRスペクトルを図1に示す。
【0037】
【化16】 (m+nは平均値で35)
【0038】次に、撹拌機、温度計、コンデンサー、を
備えた1000mLフラスコにメチルエチルケトン10
2g、水6.8g、1,3−ビストリフロロメチルベン
ゼン100g及びカーボンにパラジウムを10wt%担
持させた触媒0.2gを入れ、20℃にて撹拌しなが
ら、上記式(8)の化合物190gと1,3−ビストリ
フロロメチルベンゼン90gとの混合液を滴下ロートを
用いてフラスコ内に約20分かけて滴下した。滴下と同
時に内容物が発泡するのが観察された。滴下終了時のフ
ラスコ内の温度は25℃に上昇していた。その後、1.
5時間撹拌を継続して反応を完了した。反応混合物を濾
過して触媒を取り除き、2に分離した濾液の下を取
り出して、100℃/10mmHgの条件でストリップ
したところ、各々25℃における比重1.33、屈折率
1.750及び粘度8908cpのオイル状物質が得ら
れた。
【0039】この物質を1H−NMR及びIRで分析し
たところ、下記式(9)で示される構造の化合物である
ことが確認された。そのIRスペクトルを図2に示す。
【0040】
【化17】 (m+nは平均値で35)
【0041】
【発明の効果】本発明の、フッ素化ポリエーテルの両末
端にSi−OH基を導入した含フッ素有機ケイ素化合物
は、縮合反応硬化型フッ素変性シリコーンゴム組成物の
ベースポリマーとして有用であり、この化合物を用いる
ことにより、特に深部硬化性の優れた縮合反応硬化型フ
ッ素変性シリコーンゴム組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた式(8)で示される化合
物のIRスペクトル図である。
【図2】 実施例1で得られた式(9)で示される化合
物のIRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 高至 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−90084(JP,A) 特開 平6−234923(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/12 C08G 77/385 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1):【化1】 〔式中、Rfは2価のフッ素化ポリエーテル基であり、
    1は、結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及
    びイオウ原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    原子を介在してもよいし、アミド結合又はスルホンアミ
    ド結合を含有してもよい、下記一般式(1 ' )又は(1 '
    ' )で表される基を式中のZとの結合部に有する、 【化2】 ハロゲン置換又は非置換の2価の炭化水素基であり、ま
    たZは下記一般式(2)又は(3): 【化3】 (R2、R3、R4同一の又は異なるハロゲン置換もし
    くは非置換の1価炭化水素基であり、b及びcは1、2
    又は3であり、またdは0〜3の整数である。)で表さ
    れる基である。〕で示される含フッ素有機ケイ素化合
    物。
  2. 【請求項2】 前記R 1 が、R 11 −R 12 で表され、R
    11 は下記式: 【化4】 (上記各式中、Meはメチル基であり、Phはフェニル
    基である。)で表される基の何れかであり、 12 −CH 2 −CH 2 又は −CH ( CH 3) −CH
    2 である、 請求項1記載の含フッ素有機ケイ素化合物。
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