JP3522430B2 - スプリングシート - Google Patents
スプリングシートInfo
- Publication number
- JP3522430B2 JP3522430B2 JP33359695A JP33359695A JP3522430B2 JP 3522430 B2 JP3522430 B2 JP 3522430B2 JP 33359695 A JP33359695 A JP 33359695A JP 33359695 A JP33359695 A JP 33359695A JP 3522430 B2 JP3522430 B2 JP 3522430B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plate
- spring seat
- hub
- flange
- spring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプリングシー
ト、特に、ダンパー機構に用いられる弾性部材の両端を
受けるためのスプリングシートに関する。 【０００２】 【従来の技術】たとえば車輌のクラッチに用いられるク
ラッチディスク組立体は、円板状入力側プレートと、外
周にフランジを有する出力側ハブと、入力側プレートと
フランジとの間で両者の相対回転を制限するように配置
されたコイルスプリングとを備えている。さらに、従来
のフランジをハブから分離するとともに、この分離フラ
ンジとハブとを低剛性のコイルスプリングで連結した分
離ハブ型クラッチディスク組立体も提供されている。 【０００３】分離ハブ型クラッチディスク組立体におい
て、フランジとハブとを連結するコイルスプリングは、
ハブ側のフランジに形成された切欠きと分離フランジ側
に形成された切欠き内に収容されている。コイルスプリ
ングの両端には樹脂製のスプリングシートが設けられて
いる。スプリングシートの円周方向外側端面には、ハブ
のフランジと分離フランジのそれぞれの切欠き部分が当
接している。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】前記従来のクラッチデ
ィスク組立体において、スプリングシートにおいて分離
フランジとハブのフランジの切欠きが当接する箇所に
は、断面Ｖ字状傾斜面が形成されている。この傾斜面は
径方向両側から中心に向かうに従って円周方向内側に低
くなっている。すなわち、２つの傾斜面の境界線が軸方
向に延びている。分離フランジ側とハブ側の切欠き部は
円周方向内側に向いて延びており、２つの傾斜面にそれ
ぞれ当接している。 【０００５】前記従来のスプリングシートでは、組立ラ
インで作業者がコイルスプリングの両端にスプリングシ
ートを取り付けた状態で、それらをハブのフランジおよ
び分離フランジの切欠き内に挿入する。このとき、スプ
リングシートの断面Ｖ字状傾斜面をハブのフランジと分
離フランジの傾斜した切欠き部分に一致させる必要があ
る。すなわちスプリングシートを組み付ける際の向きが
限定されており、たとえばスプリングシート正しい向き
から９０°回転した状態では組み付けができない。この
ように作業者はスプリングシートの向きに注意して作業
する必要があるため、組み付け作業性が悪い。 【０００６】本発明の目的は、スプリングシートを組み
付ける際の作業性を向上させることにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】請求項１に記載のスプリ
ングシートは、同一平面に配置された入力回転プレート
と出力回転プレートの間に配置される弾性部材の両端を
受けるためのものであり、受け側面と反対側面とを有し
ている。受け側面は弾性部材を受ける。反対側面には、
互いに交差する複数の断面Ｖ字状傾斜部が形成されてい
る。入力回転プレートと出力回転プレートは複数の断面
Ｖ字状傾斜部の一つの各傾斜部にそれぞれ当接する。 【０００８】作業者は組み付ける際にスプリングシート
の複数の断面Ｖ字状傾斜部のどれを入力側プレートと出
力側プレートに当接させても良い。すなわちスプリング
シートの向きの限定が緩和され、組み付け作業性が良く
なる。このスプリングシートでは、スプリングシートは
正方形であり、複数の断面Ｖ字状傾斜部は２本であり、
スプリングシートの前記反対側面を４つの正方形に分割
するように延びる。従来であればスプリングシートの反
対側面には１つの断面Ｖ字状傾斜面が形成されていただ
けなので、断面Ｖ字状傾斜面の境界線が軸方向に延びる
ようにしなければスプリングシートをセットできない。
すなわち、正方形の４辺のうち上側にくるべき辺は４辺
のうち２辺でしかない。本発明のスプリングシートで
は、上側にくる辺は４辺どれでも良いため、組み付け作
業性が良い。 【０００９】 【発明の実施の形態】図１に示す本発明の一実施形態に
よるクラッチディスク組立体１は、図１の左側に配置さ
れたエンジン（図示せず）からのトルクを図１の右側に
配置されたトランスミッション（図示せず）に伝達およ
び遮断するための装置である。図１においては、Ｏ−Ｏ
がクラッチディスク組立体１の回転軸線である。 【００１０】このクラッチディスク組立体１は、主に、
出力側部材としてのハブ２と、入力側部材としてのクラ
ッチディスク３およびリテーニングプレート４と、中間
部材としてのサブプレート５と、サブプレート５とハブ
２との間に両者の相対回転を制限するように配置された
小コイルスプリング６と、プレート３，４とサブプレー
ト５との間に両者の相対回転を制限するように配置され
た大コイルスプリング７と、プレート３，４とハブ２と
の間で相対回転が生じる時に所定のヒステリシストルク
を発生させる摩擦抵抗発生機構８とから構成されてい
る。 【００１１】ハブ２は、クラッチディスク組立体１の中
心に配置され、トランスミッションの軸（図示せず）に
連結される。ハブ２は、軸方向に延びる円筒状のボス２
ａと、ボス２ａの外周に一体に形成されたフランジ２ｂ
とから構成されている。ボス２ａの内周側には、トラン
スミッションの軸（図示せず）にスプライン係合するス
プライン孔２ｅが形成されている。フランジ２ｂには、
図２に示すように、径方向外方に延びる複数の外周歯２
ｃが形成されている。各外周歯２ｃ間には、分離フラン
ジ５の内周部に形成された内周歯５ｄが挿入されてい
る。外周歯２ｃと内周歯５ｄとの円周方向間には所定の
隙間が確保されている。 【００１２】フランジ２ｂにおいて径方向に対向する２
箇所には、図４に示すように、切欠き２ｄが形成されて
いる。そして、切欠き２ｄの円周方向両側に形成された
支持部２ｅは、円周方向内側に傾斜している。分離フラ
ンジ５において切欠き２ｄに対応する位置には切欠き５
ｅが形成されている。切欠き５ｅの円周方向両側に形成
された支持部５ｆは円周方向内側に傾斜している。 【００１３】ハブ２のフランジ２ｂの外周でほぼ同一平
面状にはサブプレート５（分離フランジ）が配置されて
いる。サブプレート５は円板状のプレートである。サブ
プレート５は、図２から明らかなように、径方向外方に
延びる４つの突出部５ａを有している。各突出部５ａに
は、円周方向に延びる窓孔５ｂが形成されている。各突
出部５ａの間には外側切欠き５ｃが形成されている。 【００１４】切欠き２ｄ，５ｅ内には、図４に示すよう
に、小コイルスプリング６、１対のスプリングシート３
２、ラバーフロート３１が配置されている。図５および
図６から明らかなように、スプリングシート３２は、一
定の厚みを有する正方形の本体３３と本体３３から延び
る突出部３４とからなる。突出部３４は本体３３の受け
面３５側に形成されている。受け面３５には小コイルス
プリング６が当接し、突出部３４は小コイルスプリング
６内に延びている。本体３３の受け面３５と反対側の当
接面３６には、直交する２本の断面Ｖ字状傾斜部３７，
３８が形成されている。この傾斜部３７，３８により、
当接面３６は４つの正方形に分割されている。傾斜部３
７，３８は４辺の中心から当接面３６の中心に向かって
低くなるように傾斜している。これにより、支持部２ｅ
と支持部５ｆは傾斜部３７，３８のいずれに当接させて
もよい。 【００１５】従来であればスプリングシートの向きを正
しくセットし、断面Ｖ字状傾斜面が支持部に正しく当接
するようにしなければならなかった。すなわち断面Ｖ字
状傾斜面の境界線が軸方向に延びるようにしなければス
プリングシートをセットできず、正方形の４辺のうち上
側にくるべき辺は４辺のうち２辺でしかない。本発明の
スプリングシートでは、上側にくる辺は４辺どれでも良
いため、組み付け作業性が良い。 【００１６】ラバーフロート３１はコイルスプリング６
内に配置されている。サブプレート５の両側方には、ク
ラッチプレート３およびリテーニングプレート４が配置
されている。クラッチプレート３およびリテーニングプ
レート４は、概ね円板状の１対の部材であり、ハブ２の
ボス２ａの外周側に回転自在に配置されている。クラッ
チプレート３およびリテーニングプレート４は外周部で
当接ピン１１により互いに固定されている。この当接ピ
ン１１は、サブプレート５に形成された外側切欠き５ｃ
内を挿通している。当接ピン１１と外側切欠き５ｃとに
は円周方向に所定の隙間が確保されているため、プレー
ト３，４とサブプレート５とは相対回転可能である。 【００１７】クラッチディスク３の外周には、摩擦連結
部１０が配置されている。摩擦連結部１０は、主に、円
環状のクッショニングプレート１２と、摩擦フェーシン
グ１３とから構成されている。クッショニングプレート
１２は、環状部１２ａが当接ピン１１によりクラッチプ
レート３に固定されている。クッショニングプレート１
２外周側には、複数のクッショニング部１２ｂが形成さ
れている。このクッショニグ部１２ｂの両面には摩擦フ
ェーシング１３が固着されている。 【００１８】クラッチプレート３およびリテーニングプ
レート４には、それぞれサブプレート５の窓孔５ｂに対
応した位置に、窓孔３ａおよび窓孔４ａが形成されてい
る。各窓孔３ａおよび窓孔４ａの径方向両側には軸方向
外方に切り起こされた押え部３ａ，押え部４ｂが形成さ
れている。大コイルスプリング７は合計４個であり、サ
ブプレート５の窓孔５ｂ内に配置されている。径方向に
対向する大コイルスプリング７内には小コイルスプリン
グが配置されている。大コイルスプリング７は、リテー
ニングプレート４の押さえ部４ｂおよびクラッチプレー
ト３の押さえ部３ｂによって軸方向への移動を制限され
ている。 【００１９】次に、摩擦抵抗発生機構８について説明す
る。摩擦抵抗発生機構８は、クラッチプレート３の内周
部とリテーニングプレート４の内周部との軸方向間でボ
ス２ａの外周側に配置されたそれぞれ環状の部材から構
成されている。摩擦抵抗発生機構８を構成する部材は、
第１フリクションワッシャー１４と第２フリクションワ
ッシャー１５と第１コーンスプリング１６と第２コーン
スプリング１７と第３フリクションワッシャー１８であ
る。 【００２０】第１フリクションワッシャー１４は樹脂製
円板状部材である。第１フリクションワッシャー１４
は、ハブ２のフランジ２ｂのトランスミッション側側面
に当接している。第１フリクションワッシャー１４とリ
テーニングプレート４の軸方向間には、第１コーンスプ
リング１６が圧縮された状態で配置されている。第２フ
リクションワッシャー１５は、樹脂製円板状の部材であ
り、第１フリクションワッシャー１４の外周側に配置さ
れている。第２フリクションワッシャー１５はサブプレ
ート５の内周端面に当接している。第２フリクションワ
ッシャー１５は第１フリクションワッシャー１４と相対
回転不能に係合している。第２フリクションワッシャ１
５は、リテーニングプレート４に相対回転不能にかつ軸
方向に移動自在に係合する突起を有している。第２コー
ンスプリング１７は、第２フリクションワッシャー１５
とリテーニングプレート４との軸方向間に圧縮された状
態で配置されている。 【００２１】クラッチプレート３の内周部とハブ２のフ
ランジ２ｂおよびサブプレート５の内周端との軸方向間
には第３フリクションワッシャー１８が配置されてい
る。次に、クラッチディスク組立体１の動作について説
明する。摩擦フェーシング１３がエンジン側のフライホ
イール（図示せず）に押し付けられると、エンジン側の
フライホイールのトルクがクラッチプレート３およびリ
テーニングプレート４に入力される。このトルクは、大
コイルスプリング７、サブプレート５、小コイルスプリ
ング６を介してハブ２に伝達され、さらに図示しないト
ランスミッション側の軸に伝達される。 【００２２】エンジン側のフライホイール（図示せず）
からクラッチディスク組立体１に捩じり振動が伝達され
ると、プレート３，４とサブプレート５とハブ２との間
で周期的な相対回転が生じる。このとき小コイルスプリ
ング６と大コイルスプリング７が圧縮され、摩擦発生機
構８によりヒステリシストルクが発生する。捩じり特性
について説明する。捩じり角度の小さな範囲では、プレ
ート３，４およびサブプレート５が一体回転し、それら
とハブ２との間で相対回転が生じる。このとき、小コイ
ルスプリング６が円周方向に圧縮され、第１フリクショ
ンワッシャー１４および第３フリクションワッシャー１
８がハブ２のフランジ２ｂに摺動する。捩じり角度が大
きくなると、フロートラバー３１がスプリングシート３
２に圧縮される。これは外周歯２ｃと内周歯５ｄが当接
するまで続く。このようにして低剛性・低ヒステリシス
トルクの特性が得られる。 【００２３】捩じり角度の大きな範囲では、サブプレー
ト５とハブ２とが一体回転し、これらとプレート３，４
との間で相対回転が生じる。このとき、大コイルスプリ
ング７が圧縮され、第１フリクションワッシャー１４が
ハブ２のフランジ２ｂと摺動し、第２フリクションワッ
シャー１５がサブプレート５の内周側側面に摺動し、さ
らに第３フリクションワッシャー１８がハブ２のフラン
ジ２ｂおよびサブプレート５の内周部に摺動する。これ
は当接ピン１１と切欠き５ｃが当接するまで続く。この
ようにして高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得ら
れる。 【００２４】 【発明の効果】本発明の一見地に係るに係るスプリング
シートでは、作業者は組み付ける際にスプリングシート
の複数の断面Ｖ字状傾斜部のどれを入力側プレートと出
力側プレートに当接させても良い。すなわちスプリング
シートの向きの限定が緩和され、組み付け作業性が良く
なる。 【００２５】このスプリングシートでは、上側にくる辺
は４辺どれでも良いため、組み付け作業性が良い。
ト、特に、ダンパー機構に用いられる弾性部材の両端を
受けるためのスプリングシートに関する。 【０００２】 【従来の技術】たとえば車輌のクラッチに用いられるク
ラッチディスク組立体は、円板状入力側プレートと、外
周にフランジを有する出力側ハブと、入力側プレートと
フランジとの間で両者の相対回転を制限するように配置
されたコイルスプリングとを備えている。さらに、従来
のフランジをハブから分離するとともに、この分離フラ
ンジとハブとを低剛性のコイルスプリングで連結した分
離ハブ型クラッチディスク組立体も提供されている。 【０００３】分離ハブ型クラッチディスク組立体におい
て、フランジとハブとを連結するコイルスプリングは、
ハブ側のフランジに形成された切欠きと分離フランジ側
に形成された切欠き内に収容されている。コイルスプリ
ングの両端には樹脂製のスプリングシートが設けられて
いる。スプリングシートの円周方向外側端面には、ハブ
のフランジと分離フランジのそれぞれの切欠き部分が当
接している。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】前記従来のクラッチデ
ィスク組立体において、スプリングシートにおいて分離
フランジとハブのフランジの切欠きが当接する箇所に
は、断面Ｖ字状傾斜面が形成されている。この傾斜面は
径方向両側から中心に向かうに従って円周方向内側に低
くなっている。すなわち、２つの傾斜面の境界線が軸方
向に延びている。分離フランジ側とハブ側の切欠き部は
円周方向内側に向いて延びており、２つの傾斜面にそれ
ぞれ当接している。 【０００５】前記従来のスプリングシートでは、組立ラ
インで作業者がコイルスプリングの両端にスプリングシ
ートを取り付けた状態で、それらをハブのフランジおよ
び分離フランジの切欠き内に挿入する。このとき、スプ
リングシートの断面Ｖ字状傾斜面をハブのフランジと分
離フランジの傾斜した切欠き部分に一致させる必要があ
る。すなわちスプリングシートを組み付ける際の向きが
限定されており、たとえばスプリングシート正しい向き
から９０°回転した状態では組み付けができない。この
ように作業者はスプリングシートの向きに注意して作業
する必要があるため、組み付け作業性が悪い。 【０００６】本発明の目的は、スプリングシートを組み
付ける際の作業性を向上させることにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】請求項１に記載のスプリ
ングシートは、同一平面に配置された入力回転プレート
と出力回転プレートの間に配置される弾性部材の両端を
受けるためのものであり、受け側面と反対側面とを有し
ている。受け側面は弾性部材を受ける。反対側面には、
互いに交差する複数の断面Ｖ字状傾斜部が形成されてい
る。入力回転プレートと出力回転プレートは複数の断面
Ｖ字状傾斜部の一つの各傾斜部にそれぞれ当接する。 【０００８】作業者は組み付ける際にスプリングシート
の複数の断面Ｖ字状傾斜部のどれを入力側プレートと出
力側プレートに当接させても良い。すなわちスプリング
シートの向きの限定が緩和され、組み付け作業性が良く
なる。このスプリングシートでは、スプリングシートは
正方形であり、複数の断面Ｖ字状傾斜部は２本であり、
スプリングシートの前記反対側面を４つの正方形に分割
するように延びる。従来であればスプリングシートの反
対側面には１つの断面Ｖ字状傾斜面が形成されていただ
けなので、断面Ｖ字状傾斜面の境界線が軸方向に延びる
ようにしなければスプリングシートをセットできない。
すなわち、正方形の４辺のうち上側にくるべき辺は４辺
のうち２辺でしかない。本発明のスプリングシートで
は、上側にくる辺は４辺どれでも良いため、組み付け作
業性が良い。 【０００９】 【発明の実施の形態】図１に示す本発明の一実施形態に
よるクラッチディスク組立体１は、図１の左側に配置さ
れたエンジン（図示せず）からのトルクを図１の右側に
配置されたトランスミッション（図示せず）に伝達およ
び遮断するための装置である。図１においては、Ｏ−Ｏ
がクラッチディスク組立体１の回転軸線である。 【００１０】このクラッチディスク組立体１は、主に、
出力側部材としてのハブ２と、入力側部材としてのクラ
ッチディスク３およびリテーニングプレート４と、中間
部材としてのサブプレート５と、サブプレート５とハブ
２との間に両者の相対回転を制限するように配置された
小コイルスプリング６と、プレート３，４とサブプレー
ト５との間に両者の相対回転を制限するように配置され
た大コイルスプリング７と、プレート３，４とハブ２と
の間で相対回転が生じる時に所定のヒステリシストルク
を発生させる摩擦抵抗発生機構８とから構成されてい
る。 【００１１】ハブ２は、クラッチディスク組立体１の中
心に配置され、トランスミッションの軸（図示せず）に
連結される。ハブ２は、軸方向に延びる円筒状のボス２
ａと、ボス２ａの外周に一体に形成されたフランジ２ｂ
とから構成されている。ボス２ａの内周側には、トラン
スミッションの軸（図示せず）にスプライン係合するス
プライン孔２ｅが形成されている。フランジ２ｂには、
図２に示すように、径方向外方に延びる複数の外周歯２
ｃが形成されている。各外周歯２ｃ間には、分離フラン
ジ５の内周部に形成された内周歯５ｄが挿入されてい
る。外周歯２ｃと内周歯５ｄとの円周方向間には所定の
隙間が確保されている。 【００１２】フランジ２ｂにおいて径方向に対向する２
箇所には、図４に示すように、切欠き２ｄが形成されて
いる。そして、切欠き２ｄの円周方向両側に形成された
支持部２ｅは、円周方向内側に傾斜している。分離フラ
ンジ５において切欠き２ｄに対応する位置には切欠き５
ｅが形成されている。切欠き５ｅの円周方向両側に形成
された支持部５ｆは円周方向内側に傾斜している。 【００１３】ハブ２のフランジ２ｂの外周でほぼ同一平
面状にはサブプレート５（分離フランジ）が配置されて
いる。サブプレート５は円板状のプレートである。サブ
プレート５は、図２から明らかなように、径方向外方に
延びる４つの突出部５ａを有している。各突出部５ａに
は、円周方向に延びる窓孔５ｂが形成されている。各突
出部５ａの間には外側切欠き５ｃが形成されている。 【００１４】切欠き２ｄ，５ｅ内には、図４に示すよう
に、小コイルスプリング６、１対のスプリングシート３
２、ラバーフロート３１が配置されている。図５および
図６から明らかなように、スプリングシート３２は、一
定の厚みを有する正方形の本体３３と本体３３から延び
る突出部３４とからなる。突出部３４は本体３３の受け
面３５側に形成されている。受け面３５には小コイルス
プリング６が当接し、突出部３４は小コイルスプリング
６内に延びている。本体３３の受け面３５と反対側の当
接面３６には、直交する２本の断面Ｖ字状傾斜部３７，
３８が形成されている。この傾斜部３７，３８により、
当接面３６は４つの正方形に分割されている。傾斜部３
７，３８は４辺の中心から当接面３６の中心に向かって
低くなるように傾斜している。これにより、支持部２ｅ
と支持部５ｆは傾斜部３７，３８のいずれに当接させて
もよい。 【００１５】従来であればスプリングシートの向きを正
しくセットし、断面Ｖ字状傾斜面が支持部に正しく当接
するようにしなければならなかった。すなわち断面Ｖ字
状傾斜面の境界線が軸方向に延びるようにしなければス
プリングシートをセットできず、正方形の４辺のうち上
側にくるべき辺は４辺のうち２辺でしかない。本発明の
スプリングシートでは、上側にくる辺は４辺どれでも良
いため、組み付け作業性が良い。 【００１６】ラバーフロート３１はコイルスプリング６
内に配置されている。サブプレート５の両側方には、ク
ラッチプレート３およびリテーニングプレート４が配置
されている。クラッチプレート３およびリテーニングプ
レート４は、概ね円板状の１対の部材であり、ハブ２の
ボス２ａの外周側に回転自在に配置されている。クラッ
チプレート３およびリテーニングプレート４は外周部で
当接ピン１１により互いに固定されている。この当接ピ
ン１１は、サブプレート５に形成された外側切欠き５ｃ
内を挿通している。当接ピン１１と外側切欠き５ｃとに
は円周方向に所定の隙間が確保されているため、プレー
ト３，４とサブプレート５とは相対回転可能である。 【００１７】クラッチディスク３の外周には、摩擦連結
部１０が配置されている。摩擦連結部１０は、主に、円
環状のクッショニングプレート１２と、摩擦フェーシン
グ１３とから構成されている。クッショニングプレート
１２は、環状部１２ａが当接ピン１１によりクラッチプ
レート３に固定されている。クッショニングプレート１
２外周側には、複数のクッショニング部１２ｂが形成さ
れている。このクッショニグ部１２ｂの両面には摩擦フ
ェーシング１３が固着されている。 【００１８】クラッチプレート３およびリテーニングプ
レート４には、それぞれサブプレート５の窓孔５ｂに対
応した位置に、窓孔３ａおよび窓孔４ａが形成されてい
る。各窓孔３ａおよび窓孔４ａの径方向両側には軸方向
外方に切り起こされた押え部３ａ，押え部４ｂが形成さ
れている。大コイルスプリング７は合計４個であり、サ
ブプレート５の窓孔５ｂ内に配置されている。径方向に
対向する大コイルスプリング７内には小コイルスプリン
グが配置されている。大コイルスプリング７は、リテー
ニングプレート４の押さえ部４ｂおよびクラッチプレー
ト３の押さえ部３ｂによって軸方向への移動を制限され
ている。 【００１９】次に、摩擦抵抗発生機構８について説明す
る。摩擦抵抗発生機構８は、クラッチプレート３の内周
部とリテーニングプレート４の内周部との軸方向間でボ
ス２ａの外周側に配置されたそれぞれ環状の部材から構
成されている。摩擦抵抗発生機構８を構成する部材は、
第１フリクションワッシャー１４と第２フリクションワ
ッシャー１５と第１コーンスプリング１６と第２コーン
スプリング１７と第３フリクションワッシャー１８であ
る。 【００２０】第１フリクションワッシャー１４は樹脂製
円板状部材である。第１フリクションワッシャー１４
は、ハブ２のフランジ２ｂのトランスミッション側側面
に当接している。第１フリクションワッシャー１４とリ
テーニングプレート４の軸方向間には、第１コーンスプ
リング１６が圧縮された状態で配置されている。第２フ
リクションワッシャー１５は、樹脂製円板状の部材であ
り、第１フリクションワッシャー１４の外周側に配置さ
れている。第２フリクションワッシャー１５はサブプレ
ート５の内周端面に当接している。第２フリクションワ
ッシャー１５は第１フリクションワッシャー１４と相対
回転不能に係合している。第２フリクションワッシャ１
５は、リテーニングプレート４に相対回転不能にかつ軸
方向に移動自在に係合する突起を有している。第２コー
ンスプリング１７は、第２フリクションワッシャー１５
とリテーニングプレート４との軸方向間に圧縮された状
態で配置されている。 【００２１】クラッチプレート３の内周部とハブ２のフ
ランジ２ｂおよびサブプレート５の内周端との軸方向間
には第３フリクションワッシャー１８が配置されてい
る。次に、クラッチディスク組立体１の動作について説
明する。摩擦フェーシング１３がエンジン側のフライホ
イール（図示せず）に押し付けられると、エンジン側の
フライホイールのトルクがクラッチプレート３およびリ
テーニングプレート４に入力される。このトルクは、大
コイルスプリング７、サブプレート５、小コイルスプリ
ング６を介してハブ２に伝達され、さらに図示しないト
ランスミッション側の軸に伝達される。 【００２２】エンジン側のフライホイール（図示せず）
からクラッチディスク組立体１に捩じり振動が伝達され
ると、プレート３，４とサブプレート５とハブ２との間
で周期的な相対回転が生じる。このとき小コイルスプリ
ング６と大コイルスプリング７が圧縮され、摩擦発生機
構８によりヒステリシストルクが発生する。捩じり特性
について説明する。捩じり角度の小さな範囲では、プレ
ート３，４およびサブプレート５が一体回転し、それら
とハブ２との間で相対回転が生じる。このとき、小コイ
ルスプリング６が円周方向に圧縮され、第１フリクショ
ンワッシャー１４および第３フリクションワッシャー１
８がハブ２のフランジ２ｂに摺動する。捩じり角度が大
きくなると、フロートラバー３１がスプリングシート３
２に圧縮される。これは外周歯２ｃと内周歯５ｄが当接
するまで続く。このようにして低剛性・低ヒステリシス
トルクの特性が得られる。 【００２３】捩じり角度の大きな範囲では、サブプレー
ト５とハブ２とが一体回転し、これらとプレート３，４
との間で相対回転が生じる。このとき、大コイルスプリ
ング７が圧縮され、第１フリクションワッシャー１４が
ハブ２のフランジ２ｂと摺動し、第２フリクションワッ
シャー１５がサブプレート５の内周側側面に摺動し、さ
らに第３フリクションワッシャー１８がハブ２のフラン
ジ２ｂおよびサブプレート５の内周部に摺動する。これ
は当接ピン１１と切欠き５ｃが当接するまで続く。この
ようにして高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得ら
れる。 【００２４】 【発明の効果】本発明の一見地に係るに係るスプリング
シートでは、作業者は組み付ける際にスプリングシート
の複数の断面Ｖ字状傾斜部のどれを入力側プレートと出
力側プレートに当接させても良い。すなわちスプリング
シートの向きの限定が緩和され、組み付け作業性が良く
なる。 【００２５】このスプリングシートでは、上側にくる辺
は４辺どれでも良いため、組み付け作業性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例によるクラッチディスク組立
体の縦断面概略図。 【図２】一部が切り欠かれた図１におけるII矢視図。 【図３】図１の円Ａ拡大図。 【図４】図２の部分拡大図。 【図５】スプリングシートの側面図。 【図６】図５におけるVI矢視図。 【符号の説明】 １ クラッチディスク組立体 ２ ハブ ３ クラッチプレート ４ リテーニングプレート ５ サブプレート ６ 小コイルスプリング ７ 大コイルスプリング ８ 摩擦抵抗発生機構 ３１ ラバーフロート ３２ スプリングシート ３３ 本体 ３５ 受け面 ３６ 当接面 ３７，３８ 断面Ｖ字状傾斜部
体の縦断面概略図。 【図２】一部が切り欠かれた図１におけるII矢視図。 【図３】図１の円Ａ拡大図。 【図４】図２の部分拡大図。 【図５】スプリングシートの側面図。 【図６】図５におけるVI矢視図。 【符号の説明】 １ クラッチディスク組立体 ２ ハブ ３ クラッチプレート ４ リテーニングプレート ５ サブプレート ６ 小コイルスプリング ７ 大コイルスプリング ８ 摩擦抵抗発生機構 ３１ ラバーフロート ３２ スプリングシート ３３ 本体 ３５ 受け面 ３６ 当接面 ３７，３８ 断面Ｖ字状傾斜部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F16F 1/12
F16F 15/134
F16D 13/64
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】同一平面に配置された入力回転プレートと
出力回転プレートの間に配置される弾性部材の両端を受
けるためのスプリングシートであって、 前記弾性部材を受ける受け側面と、 互いに交差する複数の断面Ｖ字状傾斜部が形成された反
対側面と有し、 前記入力回転プレートと出力回転プレートは前記複数の
断面Ｖ字状傾斜部の一つの各傾斜部にそれぞれ当接し、 前記スプリングシートは正方形であり、 前記複数の断面Ｖ字状傾斜部は２本であり、前記スプリ
ングシートの前記反対側面を４つの正方形に分割するよ
うに延びる、 スプリングシート。
Priority Applications (17)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33359695A JP3522430B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | スプリングシート |
| DE69635235T DE69635235T2 (de) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Dämpfungsscheibeneinheit mit einem Reibungsmechanismus mit verbesserten Reibungselementen und Federteilen zur Dämpfung, wobei die Federteile verbesserte Schultern aufweisen |
| DE69634763T DE69634763T2 (de) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Verbesserte Federteile in einer Dämpfungsscheibeneinheit |
| MYPI96002946A MY141439A (en) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Damper disc assembly having spring seats for changing a phase relationship of the disc assembly and damper disc assembly having non-rotatable spring seats |
| EP03026505A EP1394440B1 (en) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Damper disc assembly having a friction mechanism with improved friction elements |
| MYPI20031870A MY134332A (en) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Friction element for a damper disc having a friction adjusting element |
| EP96111540A EP0756104B1 (en) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Improved spring seats in a damper disc |
| EP04013683A EP1452768B1 (en) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Damper disc assembly having a friction mechanism with improved friction elements and spring members for vibration dampening, the spring members having improved spring seats |
| DE69634788T DE69634788T2 (de) | 1995-07-24 | 1996-07-17 | Dämpfungsscheibeneinheit mit einem Reibungsmechanismus mit verbesserten Reibungselementen |
| US08/681,426 US5954585A (en) | 1995-07-24 | 1996-07-23 | Damper disc assembly having friction elements each having a different coefficient of friction |
| CNB001227920A CN1143967C (zh) | 1995-07-24 | 1996-07-24 | 具有带改进的摩擦件的摩擦机构的阻尼圆盘组件 |
| CN96108894XA CN1065033C (zh) | 1995-07-24 | 1996-07-24 | 具有改进弹簧座的阻尼圆盘组件 |
| KR1019960029943A KR100244958B1 (ko) | 1995-07-24 | 1996-07-24 | %개선된 마찰 요소들을 포함한 마찰 메커니즘과 개선된 스프링 시트들을 갖는 떨림 완충용 스프링부 부재를 가지고 있는 댐퍼 디 스크 어셈블리 |
| CNB001227939A CN1139736C (zh) | 1995-07-24 | 1996-07-24 | 具有改进弹簧座的阻尼圆盘组件 |
| US09/146,346 US6004213A (en) | 1995-07-24 | 1998-09-03 | Damper disc assembly having spring seats for changing a phase relationship of the disc assembly |
| US09/327,675 US6293870B1 (en) | 1995-07-24 | 1999-06-08 | Friction element for a damper disc having a friction adjusting element |
| US09/334,274 US6210280B1 (en) | 1995-07-24 | 1999-06-16 | Damper disc assembly having non-rotatable spring seats |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33359695A JP3522430B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | スプリングシート |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09177851A JPH09177851A (ja) | 1997-07-11 |
| JP3522430B2 true JP3522430B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=18267815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33359695A Expired - Lifetime JP3522430B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-12-21 | スプリングシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3522430B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102852995A (zh) * | 2012-09-20 | 2013-01-02 | 安徽江淮汽车股份有限公司 | 一种离合器从动盘 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002257195A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-11 | Aisin Seiki Co Ltd | 捩れ振動緩衝装置 |
-
1995
- 1995-12-21 JP JP33359695A patent/JP3522430B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102852995A (zh) * | 2012-09-20 | 2013-01-02 | 安徽江淮汽车股份有限公司 | 一种离合器从动盘 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09177851A (ja) | 1997-07-11 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3727160B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| US7467699B2 (en) | Double mass flywheel | |
| JP3434391B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| US5857914A (en) | Configuration for connecting outer radial portions of disk portions of a damper disk assembly | |
| US7438166B2 (en) | Flywheel assembly | |
| US20060260900A1 (en) | Clutch driven disc with wave washer | |
| JP3522430B2 (ja) | スプリングシート | |
| JPH09242777A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| KR100217195B1 (ko) | 댐퍼 디스크 어셈블리용 마찰 발생 메카니즘 | |
| JPH10103407A (ja) | ダンパー機構 | |
| JP3556008B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP3138725B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP3986266B2 (ja) | クラッチディスク組立体 | |
| JP3422599B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP3518935B2 (ja) | クラッチディスク組立体 | |
| JPH0989026A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP3504805B2 (ja) | プレート部材及びダンパーディスク組立体 | |
| JP3225182B2 (ja) | スプリングシート、ダンパー機構及びその捩じり特性変更方法 | |
| JPH07293579A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP3365590B2 (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JPH11173380A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP2000310282A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JPH09144812A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
| JP2606714Y2 (ja) | ダンパーディスク | |
| JPH0953653A (ja) | ダンパーディスク組立体 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040127 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040204 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160220 Year of fee payment: 12 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |