JP3521107B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3521107B2
JP3521107B2 JP08435197A JP8435197A JP3521107B2 JP 3521107 B2 JP3521107 B2 JP 3521107B2 JP 08435197 A JP08435197 A JP 08435197A JP 8435197 A JP8435197 A JP 8435197A JP 3521107 B2 JP3521107 B2 JP 3521107B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動されなが
ら表面にトナー像が形成される像担持体と、そのトナー
像を転写材に転写する転写装置と、トナー像の転写後に
像担持体表面に付着する転写残トナーを除去して像担持
体表面を清掃するクリーニング部材と、像担持体表面に
接触するブラシを有し、かつ回転駆動されながら像担持
体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材とを具備する
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子複写機、プリンタ、ファクシミリ、
或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機な
どとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より
周知である(特開昭56−154778号公報参照)。
この形式の画像形成装置によると、その像担持体表面に
潤滑剤が塗布されるので、像担持体表面のトナーに対す
る摩擦係数を低下させることができ、これによって像担
持体表面に形成されたトナー像を転写材に転写するとき
の転写不良の発生を抑え、転写されたトナー像の画質を
高めることができる。特に、文字画像中の一部が虫くい
状に欠ける文字部中抜け現象の発生を抑え、その画質を
向上させることが可能である。
【0003】ところが、像担持体表面に潤滑剤を塗布す
ると、その表面のトナーに対する摩擦係数が低下するの
で、像担持体表面への潤滑剤の塗布量が不均一となる
と、その塗布むらによって、像担持体表面に形成される
トナー像のトナー付着量が不均一となり、トナー像に濃
度むらが発生してその画質が劣化する。潤滑剤の塗布量
が多い像担持体表面部分にはトナーの付着量が少なくな
り、逆に潤滑剤の塗布量の少ない部分にはトナーが多量
に付着し、これによってトナー像に濃度むらが発生する
のである。特に低濃度のトナー像に濃度むらが発生しや
すい。
【0004】そこで、従来より像担持体表面への潤滑剤
の塗布量を均一にするための各種構成が提案されている
が、そのいずれの対策も、画像形成装置の構成が複雑化
したり、そのコストが上昇する欠点を伴うものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
で低コストな構成によって、像担持体表面に塗布された
潤滑剤の塗布量の均一性を高めることのできる冒頭に記
載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置におい
て、潤滑剤塗布部材のブラシの毛の密度が2万本/64
5.16mm以上であり、潤滑剤塗布部材の回転数を
R、潤滑剤塗布部材のブラシの像担持体表面へのくい込
み量をδ、該ブラシが接触する固形潤滑剤を当該ブラシ
に当接させる圧力をPとしたとき、55rpm≦R≦22
0rpm、0mm<δ≦1mm、0mN<P≦400mNをそれぞ
れ満たすことを特徴とする画像形成装置を提案する(請
求項1)。
【0007】
【0008】また、上記請求項1に記載の画像形成装置
において、像担持体の回転方向に関し、前記転写装置に
よってトナー像を転写材に転写する転写部よりも下流側
であって、前記クリーニング部材によって像担持体表面
を清掃するクリーニング部よりも上流側の像担持体表面
に、前記潤滑剤塗布部材のブラシが接触すると共に、該
ブラシが接触する固形潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材
を有しており、潤滑剤塗布部材のブラシによって像担持
体表面から掻き取られた転写残トナーが、潤滑剤保持部
材を通過する開口を当該潤滑剤保持部材に形成すると有
利である(請求項2)。
【0009】さらに、上記請求項1又は2に記載の画像
形成装置において、像担持体の回転方向に関し、前記転
写装置によってトナー像を転写材に転写する転写部より
も下流側であって、前記クリーニング部材によって像担
持体表面を清掃するクリーニング部よりも上流側の像担
持体表面に、前記潤滑剤塗布部材のブラシが接触すると
共に、該ブラシが接触する固形潤滑剤を保持する潤滑剤
保持部材を有しており、潤滑剤塗布部材のブラシに当接
するブラシ当接部材を設けると有利である(請求項
3)。
【0010】また、上記請求項3に記載の画像形成にお
いて、潤滑剤塗布部材の回転方向に関し、該潤滑剤塗布
部材のブラシが像担持体表面に接触する部分よりも下流
側であって、該ブラシが固形潤滑剤に接触する部分より
も上流側のブラシ部分に前記ブラシ当接部材が当接して
いると有利である(請求項4)。
【0011】さらに、上記請求項3又は4に記載の画像
形成装置において、前記ブラシ当接部材を潤滑剤保持部
材と一体に形成し、潤滑剤塗布部材のブラシによって像
担持体表面から掻き取られた転写残トナーが通過する開
口を当該ブラシ当接部材に形成すると有利である(請求
項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って詳細に説明する。
【0013】図1は、プリンタとして構成されたカラー
画像形成装置の内部構造を示す概略図である。ここに示
した画像形成装置の本体1は、床面などの設置面に不動
に載置される固定本体2と、この固定本体2に回動可能
に枢支された回動本体3とから成り、この回動本体3
に、複数のプロセス要素を一体的に組付けて成るプロセ
スユニット4が着脱可能に装着されている。図2はプロ
セスユニット4の内部を示す断面図である。
【0014】図1及び図2において、プロセスユニット
4のユニットケース5に回転自在に支持されたローラ
6,7には、像担持体の一例を構成する無端ベルト状の
感光体8が巻き掛けられている。像担持体として、ドラ
ム状の感光体や、誘電体ドラム又は誘電体ベルトなどを
用いることもできる。またこの感光体8に対向した位置
には帯電チャージャ9より成る帯電装置が配置され、こ
の帯電チャージャ9もユニットケース5に支持されてい
る。
【0015】一方、固定本体2には、レーザ書き込みユ
ニット10として構成された露光装置と、回転型のカラ
ー現像ユニット11と、ブラック現像ユニット12とが
それぞれ支持され、両現像ユニット11,12によって
現像装置が構成されている。レーザ書き込みユニット1
0は、図示していないレーザ光源と、その光源からの光
を感光体表面に走査する光学系を有している。
【0016】カラー現像ユニット11は、イエロー現像
器11Y,マゼンタ現像器11M及びシアン現像器11
Cを一体的に組付けたユニットとして構成され、その全
体が、固定本体2に回転可能に支持されている。イエロ
ー現像器11Y、マゼンタ現像器11M、シアン現像器
11C及びブラック現像ユニット12には、それぞれイ
エロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の現像剤
が収容されている。現像剤としては、トナーとキャリア
を有する二成分系現像剤、又はキャリアを有さない一成
分系現像剤のいずれを用いてもよい。また現像剤として
液状のものを用いることもできるが、図示した例では粉
体状の現像剤が用いられている。
【0017】画像形成動作時に、ローラ7が図示してい
ない駆動装置によって回転駆動されることにより、感光
体8は矢印A方向に回転駆動される。このとき除電装置
の一例である除電ランプ13によって感光体表面が除電
作用を受け、次いで帯電チャージャ9より成る帯電装置
によって感光体表面が一様に帯電され、その帯電面が、
レーザ書き込みユニット10から出射する光変調された
レーザ光Lによって露光され、これによって感光体表面
に第1の静電潜像が形成される。このとき、例えば、カ
ラー現像ユニット11のイエロー現像器11Yが感光体
8の表面に対向して位置し、このイエロー現像器11Y
によって上述の第1の静電潜像がイエロートナー像とし
て可視像化される。このときブラック現像ユニット12
は感光体8の表面から離間し、現像動作を行うことはな
い。
【0018】一方、ユニットケース5には、互いに離間
して配置された適数の、本例では2本のローラ14,1
5が回転自在に支持され、これらのローラ14,15に
は、中間転写体の一例である無端の中間転写ベルト16
が巻き掛けられ、一方のローラ14が図示していない駆
動装置によって駆動されることにより、中間転写ベルト
16が矢印B方向に回転駆動される。この中間転写ベル
ト16と感光体8は、転写部17の部位で互いに当接
し、この部位における中間転写ベルト16の裏面側には
転写装置の一例である転写ブラシ18の先端が当接し、
かかる転写ブラシ18もユニットケース5に支持されて
いる。この転写装置として転写ローラやコロナ放電器な
どを用いることもできる。
【0019】前述のように感光体8の表面に形成された
イエロートナー像が転写部17に至ったとき、転写ブラ
シ18には、そのトナーと逆極性の電圧が印加され、こ
れによって感光体8表面のトナー像が中間転写ベルト1
6の表面に転写される。このように、中間転写ベルト1
6は、感光体の表面に形成されたトナー像を転写される
転写材の一例を構成している。
【0020】トナー像を転写した後の感光体表面には、
転写されずに残されたトナーが付着しており、かかる転
写残トナーは、ユニットケース5に支持されて先端部を
感光体8に圧接されたクリーニングブレード19より成
るクリーニング部材によって掻き取り除去される。この
ようにして感光体表面から除去された転写残トナーは、
ユニットケース5に一体に組付けられたクリーニングケ
ース20内に落下する。クリーニング部材として、ファ
ーブラシなどの他の適宜な手段を採用することもでき、
また複数のクリーニング部材を併用することもできる。
クリーニングブレード19と、クリーニングケース20
と、後述するトナー搬送スクリュー38とによって、感
光体8用のクリーニング装置70が構成される。
【0021】上述のようにして表面を清掃された感光体
表面は再び除電ランプ13により除電作用を受けた後、
帯電チャージャ9によって一様に帯電され、次いでその
帯電面にレーザ書き込みユニット10から出射するレー
ザ光Lを照射され、感光体表面に第2の静電潜像が形成
される。この静電潜像がカラー現像ユニット11を通る
とき、該ユニット11の回転によって、例えばマゼンタ
現像器11Mが感光体8に対向しており、これによって
その第2の静電潜像がマゼンタトナー像として可視像化
される。このトナー像も、先に説明したところと全く同
様に転写ブラシ18の作用によって、先にイエロートナ
ー像の転写された中間転写ベルト16の表面に、当該イ
エロートナー像に重ね合されて転写される。マゼンタト
ナー像を転写した後の感光体8の表面に残留するトナー
も、クリーニングブレード19によって感光体表面から
除去される。
【0022】上述したところと全く同様にして、感光体
表面には、感光体表面に対向したシアン現像器11Cと
ブラック現像ユニット12によって、それぞれシアント
ナー像とブラックトナー像が順次形成され、これらが中
間転写ベルト16の表面に、先に転写されたトナー像に
重ね合せられて順次転写される。感光体表面は、各トナ
ー像の転写ごとに、クリーニングブレード19によって
転写残トナーを除去され、その表面が清掃される。この
ようにして、中間転写ベルト16の表面には、フルカラ
ートナー像が形成される。ブラックトナー像の形成時に
は、ブラック現像ユニット12が感光体8の表面に近づ
けられ、所定の現像動作を実行する。
【0023】一方、固定本体2にセットされた給紙カセ
ット21には、紙又はプラスチックシートなどから成る
記録媒体22がスタックされ、給紙ローラ23の回転に
よって、その記録媒体22が1枚ずつ矢印C方向に給送
される。このようにして給送された記録媒体22は、回
動本体3に回転自在に支持された搬送ローラ対24とレ
ジストローラ対25によって搬送され、中間転写ベルト
16の表面に形成されたフルカラートナー像に整合する
タイミングで中間転写ベルト16と、これに対置された
転写装置の一例である転写ローラ26との間のニップ部
に送り込まれる。このとき転写ローラ26に印加され
た、トナーと逆極性の電圧によって、中間転写ベルト1
6表面のフルカラートナー像が記録媒体22の表面に転
写される。転写装置の一例を構成する転写ローラ26
は、回動本体3に回転自在に支持されおり、かかる転写
装置としても、コロナ放電器やブラシなどの適宜な手段
を採用することができる。
【0024】フルカラートナー像を転写された記録媒体
22は、中間転写ベルト16を離れた後、固定本体2に
設けられた定着装置27の定着ローラ28と加圧ローラ
29との間を通り、このとき熱と圧力の作用によって、
そのトナー像が記録媒体22の表面に定着される。定着
装置27を出た記録媒体22は、固定本体2に回転自在
に支持された排紙ローラ対30によって、固定本体上部
の排紙スタック部31に、画像面を下に向けて排出され
る。
【0025】一方、フルカラートナー像を記録媒体22
に転写した後に中間転写ベルト16上に残留する転写残
トナーは、中間転写ベルト16の表面に先端部を圧接し
たクリーニングブレード32によって掻き取られ、中間
転写ベルト16の表面が清掃される。クリーニングブレ
ード32は中間転写ベルト16用のクリーニング部材の
一例を構成するものであり、かかるクリーニングブレー
ド32は、ユニットケース5に揺動自在に支持されたア
ーム33に固定され、クリーニングブレード32によっ
て中間転写ベルト16から掻き取られた転写残トナー
は、アーム33に固定されたトナー受け34に受け止め
られる。このクリーニング部材としても、ファーブラシ
などの他の適宜な形態のクリーニング部材を採用するこ
とができる。
【0026】クリーニングブレード32は、アーム33
の揺動によって中間転写ベルト表面に対して接離自在と
なっていて、中間転写ベルト16の表面に各トナー像が
転写されるとき、クリーニングブレード32は中間転写
ベルト表面から離間している。中間転写ベルト表面のフ
ルカラートナー像を記録媒体22に転写した後、その表
面に残留するトナーを清掃するときだけ、アーム33の
揺動によってクリーニングブレード32の先端部が中間
転写ベルト表面に圧接し、その転写残トナーを掻き取り
除去する。
【0027】クリーニングブレード32は、中間転写ベ
ルト16の幅方向に長く延び、これに沿ってトナー受け
34が延びていて、クリーニングブレード32によって
中間転写ベルト表面から掻き取られた転写残トナーは、
トナー搬送スクリュー37によって図2の紙面に対して
手前側に搬送される。次いで、このトナーは、ユニット
ケース5の手前側に配置されたトナー搬送ダクト36を
通してクリーニングケース20に送り込まれる。
【0028】また、感光体8の表面に圧接するクリーニ
ングブレード19も、感光体8の幅方向に長く延び、こ
れに沿ってクリーニングケース20が長く延びていて、
クリーニングブレード19によって感光体8の表面から
掻き落された転写残トナーと、トナー搬送ダクト36を
通してクリーニングケース20に送られた転写残トナー
は、クリーニングケース20の底部に設けられたトナー
搬送スクリュー38により搬送された後、トナー排出口
50からトナー案内管51に落下し、次いで廃トナー容
器35に、その入口40から送り込まれ、ここに収容さ
れる。
【0029】以上の説明は、記録媒体22上にフルカラ
ー画像を形成するときの画像形成動作であるが、カラー
現像ユニット11を構成する各現像器及びブラック現像
ユニット12のいずれか1つだけを使用して単色画像を
形成したり、2色又は3色の画像を形成することもでき
る。
【0030】また図示した画像形成装置においては、画
像形成装置本体1の一部を構成する回動本体3が、固定
本体2に対して、中間転写ベルト16を巻き掛けた一方
の回転ローラ15の中心軸線のまわりに、図1における
矢印E方向に回動可能に枢支されている。このように回
動したときの回動本体3の一部の様子を、図1に鎖線で
示してある。回動本体3をこのように開放位置に回動さ
せると、廃トナー容器35の上方が開放されるので、廃
トナー容器35内の廃トナーが満杯となったとき、この
容器35をユニットケース5から取り外し、廃トナー容
器35を交換することができる。また感光体8の劣化が
進み、これが寿命となったようなときも、回動本体3を
図1に鎖線で示した開放位置に回動させ、プロセスユニ
ット4の全体を新たなものと交換することができる。
【0031】図1における左側の部位には、電装制御装
置41が設けられ、その上方にはファン42が配置さ
れ、このファン42によって機内を排風し、機内の温度
過昇を防止することができる。また図1の右側の部位に
は、比較的小規模の給紙装置43が備えられている。
【0032】以上のように、本例の画像形成装置は、回
転駆動されながら表面にトナー像が形成される感光体8
として構成された像担持体と、そのトナー像を中間転写
ベルト16より成る転写材に転写する転写ブラシ18と
して構成された転写装置と、トナー像の転写後に像担持
体表面に付着する転写残トナーを除去して像担持体表面
を清掃するクリーニングブレード19として構成された
クリーニング部材とを具備している。
【0033】ここで、像担持体の一例である感光体8の
表面に形成されたトナー像を、転写材の一例である中間
転写ベルト16の表面に転写するときの転写不良を抑
え、完成した画像中に文字中抜けが発生することを防止
するため、図示した画像形成装置には、図3にも示すよ
うに潤滑剤塗布部材60が設けられている。
【0034】図に一例として示した潤滑剤塗布部材60
は、感光体8の幅方向、すなわちその軸方向に長く延び
る中心軸61と、その外周面に設けられた多数の毛より
なるブラシ62とを有している。例えば、図示していな
い基布上にブラシ62を植設し、その基布を中心軸61
の外周面に固定することにより潤滑剤塗布部材60が構
成される。ブラシ62は、その先端部が感光体8の表面
に、そのほぼ全幅に亘って接触する。また回転軸61
は、感光体表面から一定の間隔をあけて図1乃至図3の
紙面に対して垂直な方向に延び、その支持部材の一例を
構成するクリーニングケース20の前後の側壁に回転自
在に支持され、図示していない駆動装置によって適宜な
方向、図の例では時計方向(矢印D方向)に回転駆動さ
れる。ブラシ62と、感光体8より成る像担持体表面の
接触部において、両者が互いに反対方向に移動する向き
に潤滑剤塗布部材60の回転方向が設定されているので
ある。
【0035】前述のように、本例の潤滑剤塗布部材60
はクリーニング装置70のクリーニングケース20の内
部に設けられているが、そのクリーニングケース20に
は、ピン63を介して板状の潤滑剤保持部材64の基端
部が回動可能に枢着され、その潤滑剤保持部材64の先
端部には固形潤滑剤65が保持され、図示していない加
圧ばねより成る付勢部材によって、潤滑剤保持部材64
が図3における時計方向に付勢され、これによって固形
潤滑剤65がブラシ62に圧接する。潤滑剤保持部材6
4には、図4にも示すように開口66が形成されている
が、これについては後に詳しく説明する。
【0036】矢印D方向に回転する潤滑剤塗布部材60
のブラシ62が固形潤滑剤65に接触することにより、
その固形潤滑剤65から潤滑剤を少量ずつ掻き取る。こ
のようにしてブラシ62に移行した潤滑剤が、ブラシ6
2に接触しながら矢印A方向に駆動される感光体8の表
面に塗布される。これにより、感光体表面のトナーに対
する摩擦係数が下げられ、感光体表面に形成されたトナ
ー像を中間転写ベルト16の表面に効率よく転写でき、
転写不良に基づく中間転写ベルト表面のトナー像の文字
中抜け現象の発生を効果的に抑制し、最終的な記録媒体
22に転写された画像の画質を高めることができる。
【0037】固形潤滑剤65としては、例えば乾燥した
固体疎水性潤滑剤が用いられ、その代表例としては、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリ
ン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロン
チウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オ
レイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバル
ト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン
酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パル
チミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸
アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸
鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバル
ト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミ
ウムの如き比較的高次の脂肪酸などを挙げることができ
る。また、カルナウバワックスのような天然ワックスを
用いることもできる。
【0038】以上のように、本例の画像形成装置は、感
光体8より成る像担持体の表面に接触するブラシ62を
有し、かつ回転駆動されながら、像担持体表面に潤滑剤
を塗布する潤滑剤塗布部材60を具備する。
【0039】ところで、上述の潤滑剤塗布部材60によ
って感光体表面に塗布された潤滑剤の量、すなわち潤滑
剤の塗布量が不均一となると、先にも説明したように、
感光体表面に形成されるトナー像に濃度むらが発生す
る。特に、本例のようにブラシ62がクリーニングブレ
ード19よりも上流側の感光体表面部分に接触している
と、その感光体表面に付着した転写残トナーの一部がブ
ラシ62によっても掻き取られ、このときそのトナーと
一緒にわずかな量の潤滑剤が感光体表面から除去され
る。これは、クリーニングブレード19が感光体表面か
ら転写残トナーを掻き取るときも同様であると考えられ
る。
【0040】このとき、転写残トナーは、感光体表面に
均一量に分布して付着しているのではなく、転写前のト
ナー像が形成された部分に比較的多量の転写残トナーが
付着し、その他の部分には実質的に転写残トナーは付着
していない。またそのトナー像の画像濃度によっても、
転写残トナーの量が相違する。このように転写残トナー
の付着量が多いところからは、そのトナーと共に多量の
潤滑剤がブラシ62及びクリーニングブレード19によ
って掻き取られ、これによって感光体表面に塗布された
潤滑剤の量が不均一となるおそれがある。
【0041】感光体表面に塗布された潤滑剤は、その表
面の摩擦係数を低下させるので、その塗布量が不均一と
なると、感光体表面に形成されるトナー像のトナー量も
潤滑剤の塗布量のむらに対応して不均一となり、その画
像濃度にむらが発生することになる。特に低濃度画像の
場合に、その濃度むらが発生しやすくなる。
【0042】そこで、本発明者は、画像形成装置のコス
ト上昇を抑え、かつ感光体表面に潤滑剤を均一に塗布で
きるようにするための対策を多数の実験を繰返しながら
検討した。
【0043】その結果、感光体表面の潤滑剤の塗布むら
を抑えるには、潤滑剤塗布部材60のブラシ62の毛の
密度を高めることが重要であり、これによって潤滑剤塗
布部材60の回転数と感光体8に対するブラシ62のく
い込み量を極く小さく設定しても、感光体表面に潤滑剤
を均一に塗布できることが明らかとなった。特に、その
毛の密度が、1平方インチ(645.16mm2)当り2
万本以上に設定すると、潤滑剤塗布部材の回転数とブラ
シのくい込み量を極く小さく設定しても、感光体表面に
潤滑剤を均一に塗布できることが判明した。
【0044】本例の画像形成装置は、かかる知見に基づ
き、潤滑剤塗布部材60のブラシ62の毛の密度が2万
本/645.16mm2以上に設定されている。この構成
により、上述した作用効果を奏し得ることを明らかにす
るため、本発明者の行った実験例を紹介する。
【0045】この実験は全て、図1乃至図4に示した画
像形成装置を使用し、現像装置としてはブラック現像ユ
ニット12のみを用い、紙より成る記録媒体22上に黒
色の単色画像を形成した。このときの記録媒体の面積に
対する画像面積の比率は5%とした。
【0046】先ず、ブラシ62の毛の密度が1平方イン
チ(645.16mm2)当り、0.5、1、2、3.5
及び5万本の新品の潤滑剤塗布部材60を用意し、その
それぞれを図1乃至図4に示したように画像形成装置に
順番に組付け、そのそれぞれによって常温常室にて、紙
より成る記録媒体22上に1000枚ずつトナー像を形
成し、そのプリント枚数が1枚、100枚、200枚及
び1000枚となる毎に、記録媒体22上の画像の画質
を評価した。その結果を表1に示す。
【0047】表1中の○は感光体8に対する潤滑剤の塗
布むらが極めて少なく、得られた記録媒体上のトナー像
の低濃度部にも濃度むらが見られなかったことを示し、
△はその低濃度部に若干の濃度むらが見られたことを示
し、×は濃度むらがはっきりと現われたことを示してい
る。これは、後述する表2乃至表4においても同じとす
る。
【0048】表1に示す第1の実験では、潤滑剤塗布部
材60の回転数Rを110rpm、潤滑剤塗布部材60の
ブラシ62の感光体表面へのくい込み量δを1mm、固形
潤滑剤65がブラシ62に当接する圧力Pを400mN
(ミリニュートン)、感光体8の表面の線速を96mm/
秒とした。表1中のブラシ密度は、ブラシの毛の密度を
示し、単位は万本/645.16mm2である。また、固
形潤滑剤65がブラシ62に当接する圧力Pは、固形潤
滑剤65及び潤滑剤保持部材64の自重と、固形潤滑剤
65をブラシ62に対して加圧する前述の加圧ばねの力
の合計の値である。
【0049】
【表1】
【0050】表1から判るように、ブラシの毛の密度が
0.5万本/645.16mm2と1万本/645.16m
m2とでは、記録媒体22上の画像に濃度むらが現われて
いる。これに対し、ブラシ密度が2万本/645.16
mm2以上となると、画像の濃度むらは急激になくなり、
その画像品質が高められる。
【0051】上述のようにブラシ62の毛の密度を2万
本/645.16mm2以上に設定すると、感光体表面に
潤滑剤を均一に塗布でき、画像濃度のむらを防止できる
が、このときの潤滑剤塗布部材60の回転数Rは110
rpm、またブラシのくい込み量δは1mmと、いずれも小
さな値である。潤滑剤塗布部材60の回転数を高め、し
かもそのブラシ62を感光体表面に大きな圧力で圧接さ
せ、感光体表面に当接したブラシの先端部を感光体表面
からの反力によって大きく曲げ変形させてブラシのくい
込み量を大きくすると、画像形成装置の作動中、ブラシ
62に大きな荷重が常に作用し、ブラシ62に過大な応
力が発生することになり、当該ブラシ62が早期に劣化
し、その寿命が縮められる。ブラシの毛の密度を2万本
/645.16mm2以上に設定すると、感光体表面に潤
滑剤を均一に塗布できると共に、ブラシのくい込み量を
少なくし、かつ潤滑剤塗布部材60の回転数を下げるこ
とができ、潤滑剤塗布部材の寿命を伸ばすことができる
のである。
【0052】なお、ブラシ62の毛の密度は2万本/6
45.16mm2以上であれば画像濃度むらの発生を抑え
ることができ、その上限値は特に定められるものではな
い。ただ、ブラシ62の毛の密度が10万本/645.
16mm2を越えると、当該密度が高まりすぎるため、ブ
ラシとしての機能が低下すると共に、10万本/64
5.16mm2以上の密度のブラシを製造することは現在
の製造技術では容易ではない。従って、このブラシの毛
の密度を2万本/645.16mm2以上で10万本/6
45.16mm2以下に設定することが、実際上、最も好
ましい。
【0053】ここで、ブラシ62の感光体表面へのくい
込み量について説明すると、先ず図7に示すように、ブ
ラシ62が撓むことのないようにフリー状態にし、その
ブラシ先端を像担持体、この例では感光体8の表面に接
触させたとき、潤滑剤塗布部材60の回転中心Xからブ
ラシ62の先端が接触した像担持体表面までの距離をD
1とする。一方、図8は、図1乃至図4に示したように
潤滑剤塗布部材60を実際に画像形成装置に組み込み、
ブラシ62の先端部を感光体8より成る像担持体表面に
圧接させ、そのブラシの先端部を撓ませたときの様子を
示しているが、このときの潤滑剤塗布部材60の回転中
心Xからブラシ先端部が圧接した像担持体表面までの距
離をD2とする。そして、D1−D2で表わされるδが、
ブラシ62のくい込み量である。
【0054】次に、表2は固形潤滑剤65がブラシ62
に当接する圧力Pを変化させたときの第2の実験結果を
示している。このときのブラシの毛の密度は2万本/6
45.16mm2、感光体表面へのブラシ62のくい込み
量δは1mm、潤滑剤塗布部材60の回転数は110rp
m、感光体表面の線速は96mm/秒である。
【0055】
【表2】
【0056】表2から判るように、固形潤滑剤加圧力P
が600mN以上となると、記録媒体22上の画像に濃度
むらが現われており、従って、加圧力Pは400mN以下
であって、0mNより大きいことが好ましい。このよう
に、ブラシの毛の密度を2万本/645.16mm2以上
に設定すると、固形潤滑剤65がブラシ62に接する圧
力Pを小さくした方が感光体表面への潤滑剤の塗布むら
発生を抑えることができる。圧力Pを大きくすると、感
光体表面への潤滑剤の塗布量が増大するが、ブラシ62
の毛の密度を2万本/645.16mm2以上とすること
により、圧力Pの値を下げることができ、これによって
潤滑剤の使用量を抑えることが可能となる。
【0057】表3は、ブラシ62の感光体表面へのくい
込み量δを変えたときの記録媒体上の画像の濃度むらの
変化を調べた実験結果を示している。このときのブラシ
の毛の密度は2万本/645.16mm2、固形潤滑剤6
5がブラシ62に当接する圧力Pは400mN、潤滑剤塗
布部材60の回転数は110rpm、感光体表面の線速は
96mm/秒である。
【0058】
【表3】
【0059】表3から判るように、ブラシ62のくい込
み量δは1mm以下、すなわち0mm<δ≦1mmであると、
画像の濃度むらが発生しないことを理解できる。このよ
うに、ブラシ62の毛の密度を2万本/645.16mm
2以上に設定すると、ブラシ62のくい込み量δを小さ
くした方が感光体表面に潤滑剤を均一に塗布でき、これ
によって潤滑剤塗布部材の寿命を伸ばすことが可能とな
る。
【0060】次に、表4は潤滑剤塗布部材60の回転数
Rを変化させたときの記録媒体22上の画像の濃度むら
を調べた実験結果を示している。このときのブラシ62
の毛の密度は2万本/645.16mm2、固形潤滑剤6
5がブラシ62に圧接する圧力Pは400mN、感光体表
面に対するブラシ62のくい込み量は1mm、感光体表面
の線速は96mm/秒である。
【0061】
【表4】
【0062】表4から、潤滑剤塗布部材60の回転数が
55〜220rpmの範囲内にあるとき、画像の濃度むら
を抑えることができることを理解できる。このように、
ブラシ62の毛の植設密度を2万本/645.16mm2
以上に設定すると、潤滑剤塗布部材の回転数Rを低く設
定しても潤滑剤の塗布むらを抑えることができ、潤滑剤
塗布部材60の寿命を伸ばすことが可能となる。
【0063】以上の実験結果から、潤滑剤塗布部材60
のブラシ62の毛の密度を2万本/645.16mm2
上に設定することにより、潤滑剤の使用量を抑え、かつ
潤滑剤塗布部材の寿命を伸ばすことができることを理解
できる。
【0064】より具体的に示すと、潤滑剤塗布部材60
のブラシ62の毛の植設密度を2万本/645.16mm
2以上とすると共に、潤滑剤塗布部材の回転数をR、潤
滑剤塗布部材のブラシの像担持体表面へのくい込み量を
δ、該ブラシが接触する固形潤滑剤を当該ブラシに当接
させる圧力をPとしたとき、55rpm≦R≦220rpm、
0mm<δ≦1mm、0mN<P≦400mNをそれぞれ満たす
ように、その各値を設定するのである。
【0065】ところで、図示した画像形成装置において
は、感光体8より成る像担持体の回転方向に関し、転写
ブラシ18より成る転写装置によって、トナー像を、中
間転写ベルト16より成る転写材に転写する転写部17
よりも下流側であって、クリーニングブレード19より
成るクリーニング部材によって像担持体表面を清掃する
クリーニング部よりも上流側の像担持体表面に、潤滑剤
塗布部材60のブラシ62を接触させている。潤滑剤塗
布部材60のブラシ62が感光体の表面に当接させる位
置は、感光体表面のトナー像を乱すことのない位置であ
れば、上述した位置以外の適宜な位置に設定でき、例え
ば、感光体8の回転方向に関してクリーニングブレード
19よりも下流側の感光体表面部分にブラシ62を接触
させても潤滑剤をその表面に塗布することができる。
【0066】このように、感光体表面に潤滑剤を塗布す
るという点だけを考えれば、ブラシを感光体表面に当接
させる位置は適宜設定できるのであるが、本例の画像形
成装置のように潤滑剤塗布部材60の位置を定めると、
ブラシ62が感光体表面の転写残トナーを一部掻き取る
働きもなし、感光体表面に対するクリーニング効率を高
めることができる、という副次的な効果を奏することが
できる。
【0067】ところが、この構成によると、常に感光体
表面の転写残トナーがブラシ62に掻き取られ、そのブ
ラシ62が固形潤滑剤65に接触するとき、ブラシ62
に付着した一部の転写残トナーがブラシ62から掻き取
られる。このとき、図示した画像形成装置は、そのブラ
シ62が接触する固形潤滑剤65を保持する潤滑剤保持
部材64を有しているので、ブラシ62から掻き取られ
た転写残トナーが、潤滑剤保持部材にブロックされて固
形潤滑剤65の上端面65a(図3)に堆積し、かかる
堆積トナーが、トナーの粉圧によって、経時的に固形潤
滑剤65の上端面65aやブラシ自体に固着したり、そ
のトナーが再び飛散し、これによって感光体表面への潤
滑剤の塗布むらが生じるおそれがある。
【0068】そこで、本例の画像形成装置においては、
図3及び図4に示すように、潤滑剤塗布部材60のブラ
シ62によって、感光体8より成る像担持体表面から掻
き取られた転写残トナーが、潤滑剤保持部材64を通過
する開口66が、その潤滑剤保持部材64に形成されて
いる。ブラシ62に付着した転写残トナーは、ブラシ6
2が固形潤滑剤65に当ることによりブラシ62から掻
き取られるが、このトナーは、図3に矢印Fで示すよう
に、潤滑剤保持部材64に形成された開口66を通し
て、固形潤滑剤65が保持された面と反対の潤滑剤保持
部材64面の側へ逃げることができ、転写残トナーが固
形潤滑剤65の上端面65aに堆積することを防止でき
る。これにより、画像形成装置を長期に亘って使用した
ときも、前述の不具合が発生することを防止でき、感光
体表面に、より一層均一に潤滑剤を塗布することが可能
となる。
【0069】また、以上説明した画像形成装置におい
て、図5及び図6に示すように、潤滑剤塗布部材60の
ブラシ62に当接する板状のブラシ当接部材67を固定
配置し、そのブラシ当接部材67の先端部を、潤滑剤塗
布部材60の長手方向全体に亘ってブラシ62に当接さ
せると、ブラシ62に付着した転写残トナーを、このブ
ラシ当接部材67によって掻き落すことができる。この
ため、転写残トナーの付着量が極く少なく、或いは実質
的にトナーの付着していないブラシ62の部分を感光体
表面に接触させることができる。これによってブラシ6
2による感光体表面のクリーニング性を向上させること
ができ、しかも感光体表面にトナーがフィルミング状に
固定するフィルミング現象の発生を抑え、感光体表面に
形成されるトナー像の画質を一層高めることが可能とな
る。
【0070】また、感光体表面には転写残トナーが均一
に付着していないことは先にも説明したが、これによっ
てブラシ62に付着した転写残トナーもブラシ62の全
長に亘って均一とならず、従って、このようなブラシ6
2が感光体表面に再び接触したとき、感光体表面への潤
滑剤の塗布量が不均一となるおそれがある。ところが、
上述のようにブラシ当接部材67を設けると、ブラシ6
2に付着した転写残トナーを潤滑剤塗布部材60の長手
方向に均一に分散させることができるので、ブラシ62
によって感光体表面に潤滑剤をより一層均一に塗布する
ことが可能となる。
【0071】その際、図5及び図6に示すように潤滑剤
塗布部材60の回転方向に関し、該潤滑剤塗布部材60
のブラシ62が感光体8より成る像担持体の表面に接触
する部分よりも下流側であって、該ブラシ62が固形潤
滑剤65に接触する部分よりも上流側のブラシ部分に、
ブラシ当接部材67を当接させると、転写残トナーが比
較的多量に付着しているブラシ部分にブラシ当接部材6
7が当るので、ブラシ62に付着したトナーを均一に分
散させる効果を高めることができる。
【0072】また、図5及び図6に示した例では、ブラ
シ当接部材67が潤滑剤保持部材64と一体に形成され
ており、これによって部品点数を減少させ、画像形成装
置のコストの低減を達成できる。ところが、この構成を
採用した場合、ブラシ当接部材67によってブラシ62
から掻き取られた転写残トナーの一部が、そのブラシ当
接部材67に堆積し、これが経時的に固着し、またこれ
が飛散し、これによって感光体表面の潤滑剤の塗布むら
が発生するおそれがある。
【0073】そこで、図5及び図6に示した例では、潤
滑剤塗布部材60のブラシ62によって、感光体8より
成る像担持体の表面から掻き取られた転写残トナーが通
過する開口68が、そのブラシ当接部材67に形成され
ている。かかる構成により、ブラシ62から掻き取られ
たトナーは、その開口68を通してブラシ当接部材67
を通過するので、そのブラシ当接部材67に転写残トナ
ーが堆積することを抑え、上述した不具合の発生を防止
することができる。
【0074】以上、感光体より成る像担持体の表面に潤
滑剤を塗布する例を説明したが、例えば図1及び図2に
示した中間転写ベルト16より成る中間転写体の表面に
潤滑剤を塗布する画像形成装置にも本発明を適用でき
る。この場合には、回転駆動されながら表面にトナー像
が形成される像担持体が、例えば中間転写ベルト16よ
り成る中間転写体によって構成され、そのトナー像を転
写される転写材は、記録媒体22より成る。またそのト
ナー像を転写材に転写する転写装置は、例えば図1に示
した転写ローラ26によって構成され、トナー像の転写
後に像担持体表面に付着する転写残トナーを除去して、
その像担持体表面を清掃するクリーニング部材は、例え
ば図1に示したクリーニングブレード32により構成さ
れる。かかる画像形成装置において、その像担持体表面
に接触するブラシを有し、かつ回転駆動されなから、そ
の像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材が、
図1乃至図6に例示した潤滑剤塗布部材60と同様にし
て設けられる。そして、かかる潤滑剤塗布部材が、先に
潤滑剤塗布部材60に関連して説明したところと全く同
様にして構成されるのである。
【0075】但し、先に説明したように、中間転写ベル
ト上に互いに色の異なるトナー像を順次重ね転写する場
合には、その各トナー像が潤滑剤塗布部材の部位を通過
する際、潤滑剤塗布部材を中間転写ベルトから離間さ
せ、トナー像が乱されないようにする必要がある。トナ
ー像が乱されるおそれのないタイミングで潤滑剤塗布部
材のブラシを中間転写ベルト表面に当接させ、その表面
に潤滑剤を塗布するのである。このように、本発明を、
カラー画像形成装置の中間転写体に潤滑剤を塗布する構
成に採用したときは、潤滑剤塗布部材を中間転写体に対
して接離させる接離手段を設ける必要がある。
【0076】中間転写体としては、最終転写材である記
録媒体をクランプする転写ドラムを用いることもでき、
かかる転写ドラムに巻き付けられた記録媒体表面に感光
体からトナー像が転写される。
【0077】また本発明は、感光体と中間転写体の両方
の表面にそれぞれ潤滑剤を塗布する画像形成装置にも支
障なく適用でき、さらには電子複写機、ファクシミリ又
はその複合機などから成る画像形成装置にも本発明を広
く適用できるものである。また、カラー画像形成装置以
外の画像形成装置、中間転写体がなく、感光体から直に
最終転写材である記録媒体にトナー像を転写する画像形
成装置などにも、本発明を広く適用できる。
【0078】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、潤滑剤
塗布部材の回転数を低く抑え、かつ像担持体表面に対す
るブラシのくい込み量を小さくしながら、像担持体表面
に均一に潤滑剤を塗布することができ、これによって画
像の濃度むら発生を抑え、その画像品質を高めることが
できると共に、潤滑剤塗布部材の寿命を延ばすことがで
きる。
【0079】
【0080】請求項2に記載の発明によれば、像担持体
表面からブラシによって掻き取られた転写残トナーが固
形潤滑剤上に堆積することを防止でき、像担持体表面へ
の潤滑剤の塗布均一性をより一層高めることができる。
【0081】請求項3に記載の発明によれば、ブラシ当
接部材によって、ブラシに付着した転写残トナーを掻き
取ることができるため、像担持体表面のクリーニング効
率の向上、像担持体表面のトナーフィルミングの発生を
抑え、しかもブラシに付着した転写残トナーの量を均一
に均すことができ、これによって像担持体表面に潤滑剤
をより一層均一に塗布することができ、画像の濃度むら
の発生をより確実に防止できる。
【0082】請求項4に記載の発明によれば、ブラシに
付着した転写残トナーの量をより一層確実に均すことが
でき、像担持体表面への潤滑剤の塗布むらをより一層確
実に抑え、画像の濃度むら発生をさらに効果的に抑える
ことができる。
【0083】請求項5に記載の発明によれば、転写残ト
ナーがブラシ当接部材に堆積することを防止でき、これ
によって像担持体表面への潤滑剤の塗布むらをさらに効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す断面正面図である。
【図2】プロセスユニットの内部構造を示す断面図であ
る。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図3に示した潤滑剤保持部材と固形潤滑剤を、
潤滑剤塗布部材の側から見た図である。
【図5】ブラシ当接部材を設けた例を示す、図3と同様
な図である。
【図6】図5に示したブラシ当接部材を、図5の矢印VI
方向に見た図である。
【図7】ブラシのくい込み量を説明する図である。
【図8】ブラシのくい込み量を説明する図である。
【符号の説明】
17 転写部 60 潤滑剤塗布部材 62 ブラシ 64 潤滑剤保持部材 65 固形潤滑剤 66 開口 67 ブラシ当接部材 68 開口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−242677(JP,A) 特開 平7−334054(JP,A) 特開 平8−248821(JP,A) 特開 平7−155222(JP,A) 特開 平8−95455(JP,A) 特開 平8−115028(JP,A) 特開 平7−181860(JP,A) 実開 昭56−161657(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 G03G 21/10 - 21/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動されながら表面にトナー像が形
    成される像担持体と、そのトナー像を転写材に転写する
    転写装置と、トナー像の転写後に像担持体表面に付着す
    る転写残トナーを除去して像担持体表面を清掃するクリ
    ーニング部材と、像担持体表面に接触するブラシを有
    し、かつ回転駆動されながら像担持体表面に潤滑剤を塗
    布する潤滑剤塗布部材とを具備する画像形成装置におい
    て、 前記潤滑剤塗布部材のブラシの毛の密度が2万本/64
    5.16mm以上であり、潤滑剤塗布部材の回転数を
    R、潤滑剤塗布部材のブラシの像担持体表面へのくい込
    み量をδ、該ブラシが接触する固形潤滑剤を当該ブラシ
    に当接させる圧力をPとしたとき、55rpm≦R≦22
    0rpm、0mm<δ≦1mm、0mN<P≦400mNをそれぞ
    れ満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 像担持体の回転方向に関し、前記転写装
    置によってトナー像を転写材に転写する転写部よりも下
    流側であって、前記クリーニング部材によって像担持体
    表面を清掃するクリーニング部よりも上流側の像担持体
    表面に、前記潤滑剤塗布部材のブラシが接触すると共
    に、該ブラシが接触する固形潤滑剤を保持する潤滑剤保
    持部材を有しており、潤滑剤塗布部材のブラシによって
    像担持体表面から掻き取られた転写残トナーが、潤滑剤
    保持部材を通過する開口を当該潤滑剤保持部材に形成し
    た請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 像担持体の回転方向に関し、前記転写装
    置によってトナー像を転写材に転写する転写部よりも下
    流側であって、前記クリーニング部材によって像担持体
    表面を清掃するクリーニング部よりも上流側の像担持体
    表面に、前記潤滑剤塗布部材のブラシが接触すると共
    に、該ブラシが接触する固形潤滑剤を保持する潤滑剤保
    持部材を有しており、潤滑剤塗布部材のブラシに当接す
    るブラシ当接部材を設けた請求項1又は2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 潤滑剤塗布部材の回転方向に関し、該潤
    滑剤塗布部材のブラシが像担持体表面に接触する部分よ
    りも下流側であって、該ブラシが固形潤滑剤に接触する
    部分よりも上流側のブラシ部分に前記ブラシ当接部材が
    当接している請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記ブラシ当接部材を潤滑剤保持部材と
    一体に形成し、潤滑剤塗布部材のブラシによって像担持
    体表面から掻き取られた転写残トナーが通過する開口を
    当該ブラシ当接部材に形成した請求項3又は4に記載の
    画像形成装置。
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