JP3519385B2 - 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置 - Google Patents

材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置

Info

Publication number
JP3519385B2
JP3519385B2 JP2001237145A JP2001237145A JP3519385B2 JP 3519385 B2 JP3519385 B2 JP 3519385B2 JP 2001237145 A JP2001237145 A JP 2001237145A JP 2001237145 A JP2001237145 A JP 2001237145A JP 3519385 B2 JP3519385 B2 JP 3519385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smoke
timber
chamber
combustion chamber
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001237145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003011107A (ja
Inventor
好喜 岩田
Original Assignee
株式会社岩田材木店
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社岩田材木店 filed Critical 株式会社岩田材木店
Priority to JP2001237145A priority Critical patent/JP3519385B2/ja
Publication of JP2003011107A publication Critical patent/JP2003011107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3519385B2 publication Critical patent/JP3519385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材木に施される燻
煙乾燥処理方法、及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、材木の乾燥方法としては
自然乾燥と人工乾燥があり、現在では人工乾燥による方
法が主流となっている。どちらの方法とも、乾燥するこ
とによって材木の細胞内の含水率を低下させると共に、
材木の内部応力を除去し、歪み、ねじれの具合を低下さ
せることができる。この含水率(含有水分量の材木全乾
重量に対する百分率)は材木を加工するにあたって非常
に大きな意味を持つ。即ち、含水率が繊維飽和点以下
(約30%以下)になると収縮しはじめ、大気の湿度に
平衡する気乾状態、さらには水分を全く含まない全乾状
態まで、その寸法が含水率に比例して直線的に減少する
のである。また、材木の含水率は材木の重量、みかけの
比重を左右するだけでなく、寸法の伸び縮み、強度、菌
害や虫害の発生率等、多くの性質に著しい影響を及ぼ
す。また、材木関係、とりわけ木造軸組工法の建築分野
においては、時代経過とともにプレカット材の多用と加
工精度の向上、集成材や木質系材料との組合せ、工期の
短縮化、冷暖房施設の普及に伴う高気密化、施行後にお
けるクレームの解消手段等から、高精度の乾燥材の使用
が望まれているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記で示したように、
さまざまな技術開発が施されている人工乾燥装置である
が、巨額な初期設備投資及び、乾燥の熱源に大量の燃料
を消費するという問題点がある。また、熱風を単に未処
理材木に供給するだけではさまざまな含水率を持つ材木
に均一化した乾燥を施すことができないという課題が生
じるのである。さらに、環境保全の為の規制により材木
関係のみならずさまざまな分野で、加工処理後の廃材を
容易に処分できなくなっている。つまり、乾燥を施す熱
源の燃料コスト及び初期設備投資額の抑制、材木含水率
を均一化し、環境対策に有効な乾燥装置が望まれている
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、燃焼室で植物性有機燃料を燃焼させて、この煙を燻
煙乾燥処理室に送り込み収納された材木を乾燥処理する
材木の燻煙乾燥処理方法であって、燃焼室で植物性有機
燃料を燃焼させて煙を生成する工程と、この煙を燃焼室
から燻煙乾燥処理室に流し込む工程と、流し込んだ煙が
燻煙乾燥処理室内の上部で隔壁から離れる方向に流れる
一方、燻煙乾燥処理室内の下部は、それと逆方向の流れ
を作ることにより、燻煙乾燥処理室内に流し込んだ煙を
燃焼室に戻して循環させる工程とを有する材木の燻煙乾
燥処理方法である。
【0005】請求項2に記載の発明は、植物性有機燃料
を燃焼させて煙を発生させる燃焼室と、送り込まれた上
記煙により収納された未処理材木が乾燥処理される燻煙
乾燥処理室と、燃焼室と燻煙乾燥処理室とを隔てる隔壁
と、隔壁の上部に設けられた電子制御ダンパーと、隔壁
の下部に設けられた電子制御ダンパーとを備えた燻煙乾
燥処理装置であって、上記燻煙乾燥処理室は、隔壁から
離れるにつれ高さが高くなるような勾配をつけた天井
と、燻煙乾燥処理室内の下部に設けられ、隔壁の下部に
設けられた電子制御ダンパーに向かって煙を送風する送
風ファンとを有する材木の燻煙乾燥処理装置である。
【0006】請求項3に記載の発明は、上記燃焼室に
は、この燃焼室内の温度を感知する温度センサーと、上
記温度センサーに基づいて酸素を吸入し燃焼室内の燃焼
を促進する通気口とが設けられるとともに、上記燻煙乾
燥処理室には、燻煙乾燥処理室内に水分を補充する散霧
ノズルが設けられた請求項2に記載の材木の燻煙乾燥処
理装置である。
【0007】本発明は、燻煙乾燥の為の熱源を加工済切
削屑を人為的に燃焼させることによって発生させ、それ
によって得られる熱と煙を燻煙乾燥処理室内に送り込み
循環させると共に、未処理材木及び加工済切削屑に含ま
れる水分に加え、散水管に設置された散霧ノズルによる
水分補充によって処理室内の内部気圧を上昇させること
を特徴とするものである。また、燻煙乾燥処理室は、完
全密閉が可能であり、この処理室と、これに配設された
燃焼室とを電子制御ダンパーのみで連結することによ
り、燃焼室で発生させた熱と煙をすべて燻煙乾燥処理室
に送り込むことができることを特徴とする。次に、当該
燻煙乾燥処理室内においては、燃焼室から供給される熱
と煙を温度センサーで管理し、処理室全体に熱と煙を循
環させるように、数カ所吸気口と排気口を設置し、送風
ファンにより再び燃焼室へ循環させることを特徴とす
る。また、当該燻煙乾燥処理室内における湿度である
が、さまざまな含水率を持つ未処理材木及び加工済切削
屑から発生される水蒸気に加え、散水管に設置された散
霧ノズルにより水分補充を行い、処理室内を燻すことを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、まず処理すべき材木に
対し、加工済切削屑を燃焼させることにより熱と煙を発
生させ、未処理材木の材温が適温になるように熱温を付
与し、完全密閉された処理室内の内部気圧を上昇させ、
燻煙乾燥処理するものである。
【0009】本発明は、以下のような装置により実施す
ることができる。図1は本発明の実施形態に係わる材木
燻煙乾燥処理装置の平面図、図2は断面図である。図に
おいて符号1は燻煙乾燥処理装置全体を示し、この処理
装置1は大きく次の2つの装置によって構成されてい
る。当該未処理材木が充分に収容できる大きさがあり、
且つ密閉可能な燻煙乾燥処理室2と、熱源発生装置があ
る燃焼室3である。尚、燻煙乾燥処理室2・燃焼室3の
上部は、燃焼室から未処理材木の搬入口4上部へと天井
に勾配をつけている。これはいうまでもなく、燃焼室3
から発生した熱と煙が処理室2上部からつたわりやすく
するためのものである。尚、材木燻煙乾燥処理装置細部
の過程について以下順をおって説明していきたい。
【0010】まず、燻煙乾燥処理室2に桟積(両水平方
向及び鉛直方向に隙間を有する様に積むこと)された未
処理材木を滑車5に載せて、処理室内のレール6に浴っ
て搬入口4から搬入する。
【0011】このように準備をして、燃焼室3に熱源と
なる加工済切削屑を投入し着火させる。この燃焼室に
は、完全密閉されたこの装置で唯一外気との接触が可能
な通気口7を2カ所設置している。また、燃焼室上部側
壁には温度センサー8及び、散水管9を設置している。
燃焼室内が一定以上の温度に上昇すると、この温度セン
サーが感知し、散水管に設置された散霧ノズル23によ
る水分補充で冷却し、また一定以下の温度になると通気
口7より酸素を吸入し、燃焼を促進させる。
【0012】この燃焼室において発生した熱と煙が、燻
煙乾燥処理室の方へ送られるわけだが、燃焼室と燻煙処
理室の隔壁上部には、電子制御ダンパー14が設置され
ている。この電子制御ダンパーを通り、勾配をつけた処
理室上部から、熱と煙が搬入口上部へと伝わる。また、
処理室側壁上部には吸気口15を設置し、熱と煙が処理
室側壁下部へ伝わるように両者を連結させ、送風ファン
17により斜め向きに熱風を送り込み、処理室と燃焼室
との隔壁下部へと対流を促進させる。その熱と煙は、隔
壁下部に設置された電子制御ダンパー18により、再び
燃焼室内3へと循環することができるのである。また、
未処理材木搬入口4付近には、側壁下部に吸気口19
を、側壁上部には排気口20を設置し、燻煙乾燥処理室
内全体に均一化した熱と煙を循環させることが可能なの
である。このようにして、乾燥処理室内で熱と煙を循環
させる為には、側壁中央部に設置された温度センサー2
1が重要な役割を担う。つまり、材温付近の温度を適温
になるように隔壁上部、下部に設置された電子制御ダン
パー14・18を作動させ、煙乾燥処理室上部の散水管
に設置された散霧ノズル23による水分補充も行なわせ
る。また、未処理材木付近に煙突24を設置し、燻煙乾
燥処理室内の内部気圧が上昇すると、煙突下部の排気弁
25が作動し、内部気圧が一定になるように制御するこ
とになるのである。以上のような作業工程を、実際に下
記未処理材木を用い、乾燥処理室内の材温付近の温度を
90度になるような状態を約40時間保持する実験を行
なった。
【0013】処理する材木は、梁幅110ミリ×梁成3
05ミリ×3メートルが3本(A〜C),梁幅110ミ
リ×梁成155ミリ×3メートルが3本(D〜F),梁
幅135ミリ×梁成135ミリ×1.3メートルが2本
(G,H)の合計8本である。この無作為に抽出された
処理材木を、上記作業工程に従い試験を行なうと、次の
ような結果を得ることができた。
【0014】
【発明の効果】さまざまな含水率をもつ材木を燻煙乾燥
処理することにより、多少の誤差は生じるものの一定の
含水率に均一化することができた。結果を図3に示す。
【0015】また、燻煙乾燥処理前と処理後とでは、梁
幅・梁成の多少の収縮は生じたが、乾燥することによ
り、動的ヤング率(固体中の引張り又は圧縮応力と、そ
の方向における歪みとの比)が高くなり、材木の強度を
増加させることがきる。結果を表1に示す。
【表1】
【0016】尚、燃料源を加工済切削屑など植物性有機
燃料としていることで、燻煙乾燥により、燻煙中に含ま
れる熱・タール等が材木に寄生する害虫・菌害を殺菌す
ることができ、処理後の材木の防虫・防カビ・防腐の効
果が得られる。
【0017】さらに、熱源燃料を加工済切削屑にするこ
とで燃料コストを下げ、また乾燥時間の短縮化に伴いラ
ンニングコストを大幅に抑制することができる。つま
り、材木市場へ低価格の乾燥材を供給することができる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の材木燻煙乾燥処理装置の概略を示す
平面図である。
【図2】 本発明の材木燻煙乾燥処理装置の概略を示す
断面図である。
【図3】 くん煙乾燥処理前後での材木の含水率の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燻煙乾燥処理装置、 2 燻煙乾燥処理室、 3 燃焼室、 4 未処理材木搬入口、 5 滑車、 6 レール、 7 通気口、 8 温度センサー、 9 散水管、 10 燃料搬入口、 11 点検口、 12 水槽、 13 ポンプ、 14 電子制御ダンパー、 15 吸気口、 16 排気口、 17 送風ファン、 18 電子制御ダンパー、 19 吸気口、 20 排気口、 21 温度センサー、 21’ 温度センサー、 22 散水管、 23 散霧ノズル、 24 煙突、 25 排気弁(排気口)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室で植物性有機燃料を燃焼させて、
    この煙を燻煙乾燥処理室に送り込み収納された材木を乾
    燥処理する材木の燻煙乾燥処理方法であって、 燃焼室で植物性有機燃料を燃焼させて煙を生成する工程
    と、 この煙を燃焼室から燻煙乾燥処理室に流し込む工程と、 流し込んだ煙が燻煙乾燥処理室内の上部で隔壁から離れ
    る方向に流れる一方、 燻煙乾燥処理室内の下部は、それと逆方向の流れを作る
    ことにより、燻煙乾燥処理室内に流し込んだ煙を燃焼室
    に戻して循環させる工程とを有する材木の燻煙乾燥処理
    方法。
  2. 【請求項2】 植物性有機燃料を燃焼させて煙を発生さ
    せる燃焼室と、 送り込まれた上記煙により収納された未処理材木が乾燥
    処理される燻煙乾燥処理室と、 燃焼室と燻煙乾燥処理室とを隔てる隔壁と、 隔壁の上部に設けられた電子制御ダンパーと、 隔壁の下部に設けられた電子制御ダンパーとを備えた燻
    煙乾燥処理装置であって、 上記燻煙乾燥処理室は、隔壁から離れるにつれ高さが高
    くなるような勾配をつけた天井と、 燻煙乾燥処理室内の下部に設けられ、隔壁の下部に設け
    られた電子制御ダンパーに向かって煙を送風する送風フ
    ァンとを有する材木の燻煙乾燥処理装置。
  3. 【請求項3】 上記燃焼室には、この燃焼室内の温度を
    感知する温度センサーと、上記温度センサーに基づいて
    酸素を吸入し燃焼室内の燃焼を促進する通気口とが設け
    られるとともに、 上記燻煙乾燥処理室には、燻煙乾燥処理室内に水分を補
    充する散霧ノズルが設けられた請求項2に記載の材木の
    燻煙乾燥処理装置。
JP2001237145A 2001-06-29 2001-06-29 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3519385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237145A JP3519385B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237145A JP3519385B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003011107A JP2003011107A (ja) 2003-01-15
JP3519385B2 true JP3519385B2 (ja) 2004-04-12

Family

ID=19068281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001237145A Expired - Fee Related JP3519385B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3519385B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110744667A (zh) * 2019-11-07 2020-02-04 宁夏华泰家俱制造有限公司 一种木门制造工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003011107A (ja) 2003-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950012155B1 (ko) 목재건조방법 및 장치
US7993709B2 (en) Process for treating lignocellulosic material, and apparatus for carrying out the same
JP2757170B2 (ja) 木材処理方法及び装置
JP3519385B2 (ja) 材木の燻煙乾燥処理方法及びその装置
US5899004A (en) Wood smoking-seasoning method
WO1996011780A1 (fr) Bois d'×uvre a membranes de faveoles detruites
CN106078989A (zh) 木材综合处理装置及方法
JP3309097B2 (ja) 木材改質装置
JP2005022371A (ja) 木材の燻煙処理装置および燻煙処理方法
CN205870784U (zh) 木材综合处理装置
JP2001071305A (ja) 燻煙処理木質材料
JP2017080994A (ja) 木材の燻煙処理装置
JP2000317913A (ja) 燻煙処理木質建築材
JP4074478B2 (ja) 木質系素材乾燥装置
JP4074479B2 (ja) 木質系素材乾燥装置
JPH05269706A (ja) 硬質改良材を生産する方法およびその装置
JP3616789B2 (ja) 木材の燻煙乾燥法
JPH07137006A (ja) 木ガスによる木材生長応力除去方法およびその装置
JP3294816B2 (ja) 木材乾燥処理方法及びその装置
CA2580389A1 (en) Process for treating lignocellulosic material, and apparatus for carrying out the same
JP2000094406A (ja) 建築用木材の防虫・防腐処理方法および建築用木材
JPH0228073B2 (ja) Mokuzainoshorihohooyobisonosochi
JP3294815B2 (ja) 木材乾燥処理方法及びその装置
JP2006130849A (ja) 燻煙乾燥設備および木材の燻煙乾燥方法
JP2003211413A (ja) 燻煙乾燥処理方法と装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040128

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees