JP2003211413A - 燻煙乾燥処理方法と装置 - Google Patents

燻煙乾燥処理方法と装置

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JP2003211413A
JP2003211413A JP2002013233A JP2002013233A JP2003211413A JP 2003211413 A JP2003211413 A JP 2003211413A JP 2002013233 A JP2002013233 A JP 2002013233A JP 2002013233 A JP2002013233 A JP 2002013233A JP 2003211413 A JP2003211413 A JP 2003211413A
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drying
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drying chamber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廉価な費用で施工できるとともに、上下方向に
多数載積された原木を均一な温度で加熱・乾燥させて品
質の向上を図ることのできる燻煙乾燥処理方法と装置を
提供すること。 【解決手段】隔壁3を間にして燃焼室1と乾燥室2とを
左右方向に並設させる。隔壁3の下部には煙通路31を
形成して燃焼室1内で発生した煙と熱を乾燥室2の下部
に導入可能とし、乾燥室2には上下方向に二分するよう
に、仕切り板22を間にして下部に第2の煙道24を、
上部に原木収納室25を配置させる。原木収納室25の
上部には、少なくとも1本が乾燥室2から燃焼室1内を
通って外部に突出する複数の煙突27を配置して、第2
の煙道24から上昇して原木収納室25で対流した煙と
熱を煙突27から排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原木を燻煙乾燥処
理する燻煙乾燥処理方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】木材は、建築用材・家具用材等として使
用され、森林から伐採されると乾燥した後加工される。
そして、木材を乾燥不十分なまま使用すると、乾燥する
のに伴って割れやねじれ等による狂いが生じて使用後の
建築に悪影響を及ぼしてしまう。従って、乾燥工程を十
分に行なうことが重要とされてきた。しかも、木材を乾
燥させることによって木材自体に強度を増すことにな
り、十分な乾燥を行なうことが、建築構造の品質を向上
させることとなっていた。
【0003】近年、木材を乾燥させる方法としては、蒸
気乾燥による方法、高周波乾燥による方法等が開発され
て利用されている。しかし、建築用材として広く使用さ
れる杉は、伐採された個々の杉における水分のばらつき
が多いだけでなく、材中に含まれる水分が多く、心材部
分と辺材部分とでは乾燥にばらつきを生じやすく乾燥を
困難にしていた。
【0004】このことから、割れや反り等の原因となる
残留応力を除去させる効果のある燻煙乾燥処理方法が注
目されてきている。この燻煙乾燥処理は、木質系バイオ
マスを燃焼させて、その燃焼ガスを乾燥室へ導入し、熱
と煙により木材を乾燥処理するものである。これによっ
て、乾燥効果を向上した原木を提供できるとともに、製
材時に発生する木屑や端材を燃料として利用できること
から化石燃料の消費を抑制できるとともに資源の有効利
用を図ることができる。
【0005】しかも、化学薬品を使用しないことによっ
て環境の悪化を防止でき、さらに、燻煙処理によって、
木材の防腐・防カビ・防蟻性能を有して耐久性を向上さ
せることができる。
【0006】従来の燻煙乾燥処理としては、燃焼室の上
方に乾燥室を配置して行なう上下配列方法や、特公平4
−72151号に示されるような、燃焼室と乾燥室とを
左右方向に並設する左右配列方法とが知られている。一
般に、上下配列方法では、燃焼して発生した煙がそのま
ま上方に移動して乾燥室内の原木を直接燻すことができ
ることから、煙の流れをつくることにその利点があり、
左右配列方法では設置が容易で廉価に施工できること、
また移動式としても有効であるという利点を備えてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述の上下配列
方法の場合では、煙を下方から上方に導入することにつ
いては有効であるものの、上方の乾燥室に原木を収納す
るために地面を掘削した状態で燃焼室を下方に配置しな
ければならず、施工費用が莫大にかかるとともに、燃料
の投入に手間がかかることとなっていた。
【0008】また、特公平4−72151号に示される
左右並列方式の場合、処理装置40においては、図8に
示すように、燃焼室41と乾燥室42とは、燃焼室41
からの熱風を上下に折り返して移動しながら乾燥室42
に導入するための4枚の仕切り板43を間に配置させて
並設されている。一方、乾燥室42の前方扉44には、
開口部45が形成され、外部からの冷風を乾燥室42内
の下部に導入できるようにしている。そして、冷風は、
乾燥室42内の下部から仕切り板43の下部に形成され
た通路46を通って燃焼室41内に流入するように構成
されている。
【0009】従って、この処理方法では、熱風と冷風と
を接触することによって、木材の乾燥を効率よく行なう
ようにしている。
【0010】しかし、乾燥室42内において、上下の対
流が起きず高温の煙は室内の上部に貯留され、低温の煙
は室内の下部に貯留することとなっていた。従って、乾
燥室42内には上下左右に載積した多数の原木48が収
納されていることから、上方に配置されている原木48
aと下方に配置されている原木48bとでは、乾燥温度
にムラが生じて乾燥のばらつきが発生することとなって
いた。
【0011】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、廉価な費用で施工できる左右配列方法を採用すると
ともに、煙を万遍なく対流させて乾燥室内における温度
ムラをなくして均一な品質で乾燥処理できる燻煙乾燥処
理方法と装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる燻煙乾
燥処理方法では、上記の課題を解決するために、以下の
ように行なうものである。すなわち、請求項1記載の発
明の燻煙乾燥処理方法は、収納されている原木に如何に
均一に煙を燻して乾燥させることができるかという課題
を解決するものであり、この発明の燻煙乾燥処理方法
は、木質燃料による煙で燻しながら乾燥するものであっ
て、煙を発生させる燃焼室と原木を収納して燻煙乾燥処
理するための乾燥室とが隔壁を間にして水平方向に並設
されるとともに、前記乾燥室の上部には、室内から室外
に向かって煙突が配設され、前記乾燥室の下部には前記
燃焼室から連通する煙道が配設され、前記燃焼室から発
生する煙が、前記燃焼室から前記乾燥室内の前記煙道に
流入した後、前記煙道から上昇し、前記煙道の上方で対
流して、前記煙突から外部に排出するように流れること
を特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明の燻煙乾燥処理装置
は、収納されている原木に、如何に均一に煙を燻して乾
燥させるように構成することができるかという課題を解
決するものであり、この発明にかかわる燻煙乾燥処理装
置では、木質燃料による煙で燻しながら乾燥するもので
あって、煙を発生させる燃焼室と原木を収納して燻煙処
理するための乾燥室とが隔壁を間にして水平方向に並設
され、前記隔壁の下部に、前記燃焼室と前記乾燥室とを
連通する煙通路が形成され、前記乾燥室には、上部に前
記原木を載置する原木収納室が配置されるとともに、下
部に仕切り板を間にして前記燃焼室から流入する煙が流
通する煙道が配置され、前記原木収納室には、煙の対流
を促すための煙突が、前記原木収納室から外部に向かっ
て配置されて、前記燃焼室で発生する煙が前記煙通路か
ら前記煙道に流入され、さらに前記煙道から前記原木収
納室内を対流して前記煙突から外部に流出するように構
成されることを特徴とするものである。
【0014】請求項3記載の発明は、上下に載積されて
いる原木をさらに均一に燻煙するために乾燥室内におけ
る煙の対流を如何に向上させることができるかという課
題を解決するものであり、この燻煙乾燥処理装置は、前
記乾燥室内に配置される少なくとも1本の煙突が、前記
乾燥室から前記燃焼室を通って室外に向かって突出する
ように配置されていればよい。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3の発明に
基づいて、さらに向上された煙の対流を行なえるかの課
題を解決するものであり、この燻煙乾燥処理装置は、前
記少なくとも1本の煙突に吸熱用板を装着すればよい。
【0016】請求項5記載の発明は、収納されている原
木の上下に配置された原木はもちろんのこと、原木の長
手方向に沿って、如何に均一に燻煙処理できるかという
課題を解決するために、この燻煙乾燥処理装置は、前記
乾燥室内の仕切り板には、前記隔壁側から半隔壁側に向
かって、開口量が増加するように開口部が形成されてい
ればなおよい。
【0017】請求項6記載の発明は、燃料の燃焼速度を
如何に効率的に管理できるかという課題を解決するもの
であり、この発明の燻煙乾燥処理装置は、前記煙突に
は、熱と煙の吐出し量を調整する開閉装置が配置されて
いればよい。
【0018】請求項7記載の発明は、燻煙乾燥中に原木
の表面割れを如何に防止できるかという課題を解決する
ものであり、この発明の燻煙乾燥処理装置では、前記乾
燥室には、前記原木に熱水又は蒸気を噴き付け可能な加
湿装置が配管されていればよい。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明の燻煙乾燥処理方法
によれば、燃焼室で燃焼されて発生した煙は、乾燥室に
流入されると、乾燥室の下部に配設された煙道を通って
乾燥室内を対流した後、乾燥室の上部に配設された煙突
から外部に排出される。つまり、煙突から煙を外部に排
出することによって、乾燥室の下部に流入されている煙
は、下部から上部に移動して乾燥室内での煙の流れを作
ることとなる。
【0020】一方、乾燥室には、煙道上に多数の原木が
上下左右方向に載積されていることから、乾燥室内で対
流される煙は、上部に配置された原木、下部に配置され
た原木とも煙で燻されることとなって、収納されている
全ての原木が均一に乾燥される。
【0021】しかも、燃焼室と乾燥室とは左右方向に並
設されていることから、地面を掘削して施工することな
く廉価な費用で本装置を製作することができる。
【0022】また、燻煙処理に必要となる燃料は、製材
時に発生する木屑や端材を利用できる。さらに燻煙処理
製品自体が廃棄される場合も、燃料としての再利用が可
能である。これらの燃料は化学薬品処理を施していない
ため、有害な煙を発生することがない。従って、資源の
再利用や、有害物質廃棄の防止等の環境問題を解決する
ことができる。
【0023】さらには、燻煙処理を行なうことにより、
防腐・防カビ・防蟻対策にも役立つことができる。
【0024】また、請求項2記載の発明の燻煙乾燥処理
装置によれば、燃焼室と乾燥室との間に隔壁が設けら
れ、燃焼室で発生した煙は、隔壁の下部に形成された煙
通路から、乾燥室の下部に配置された煙道に流入する。
一方、乾燥室には、煙道の上方に原木収納室が設けら
れ、原木収納室には仕切り板上に原木が載積されてい
る。
【0025】煙道に流入した煙は、乾燥室の上方に配置
された煙突が、煙を室内から室外へと流出するように設
けられていることから、原木収納室内で煙が対流を起こ
しながら煙突内に流入することとなる。従って、載積さ
れた原木は、上部に配置された原木・下部に配置された
原木とも煙に燻されることとなって、全ての原木が均一
に乾燥されることとなる。しかも、燃焼室と乾燥室とは
左右方向に並設されていることから、地面を掘削して施
工することなく廉価な費用で本装置を製作することがで
きる。
【0026】しかも、請求項1による効果と同様に、燻
煙処理を行なうことから、製材時に発生する木屑や端材
を燃料として利用できるとともに、化学薬品処理を施し
ていないため、廃棄時においてもこれらの燃料から有害
な煙を発生しない。従って、資源の再利用や、有害物質
廃棄の防止等の環境問題を解決することができる。
【0027】さらには、燻煙処理を行なうことにより、
防腐・防カビ・防蟻対策にも役立つことができる。
【0028】請求項3記載の発明の燻煙乾燥処理装置に
よれば、乾燥室内に配置された少なくとも1本の煙突
が、燃焼室を通って外部に突出されていることから、乾
燥室内で対流する煙の一部は、温度の高い燃焼室内を通
ることとなって、乾燥室内の煙を牽引する力を増加させ
る。このことは、乾燥室内での煙をさらに積極的に対流
させることとなって、乾燥室内における上下左右の温度
を均一化する効果を発生していることから、原木収納室
内の全ての原木をさらに均一に乾燥させることができ
る。
【0029】請求項4記載の発明の燻煙乾燥処理装置に
よれば、前述の燃焼室内を通る少なくとも1本の煙突に
装着する吸熱用板によって、煙突の表面積を増やすこと
となることから、この煙突から排出される煙がさらに加
熱されて排出速度を増すこととなり、原木収納室内の対
流をさらに向上させることができる。
【0030】請求項5記載の発明の燻煙乾燥処理装置に
よれば、乾燥室内の仕切り板が、煙の流入する方向に向
かって徐々に開口量を増加するように開口部を形成して
いることから、燃焼室から煙道に達した煙が原木の長手
方向に沿って煙道から上方に移動することができるとと
もに、煙道の奥側に達した煙の量を増加できることとな
って、均一に煙を燻すことができ乾燥させることができ
る。
【0031】請求項6記載の発明の燻煙乾燥処理装置に
よれば、開閉装置を開放することによって、乾燥室内の
煙をより多く煙突から外部に排出させることができ、そ
の結果燃焼を促進させることができて目標温度に早く達
することができる。また、乾燥室内の温度が目標温度に
達すると、開閉装置を絞ることによって、燃焼室の燃焼
スピードを抑えることができ、その結果、乾燥室内の温
度を目標温度で維持して長時間の乾燥処理を行なうこと
ができる。従って、燃料を過剰に消費することなく効率
的な燃焼を行なうことができる。
【0032】請求項7記載の発明の燻煙乾燥処理装置に
よれば、燻煙乾燥処理中に、原木に熱水又は蒸気を噴き
付けるための加湿装置を配置することによって、表面が
より乾燥しかけてきた原木に再度水分を付与させる。こ
れを繰り返し行なうことによって、原木表面の急激な乾
燥を防止できる。従って、原木の表面と内部の含水率差
が拡大することから発生する表面割れを防止することが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0034】実施形態の燻煙乾燥処理装置(以下、処理
装置という。)Mは、図1〜4に示すように、耐火煉瓦
で形成されて下部に隔壁3を間に配置して燃焼室1と乾
燥室2とを水平方向に並設して構成されている。隔壁3
の下部には、燃焼室1で発生した煙が乾燥室2に流入す
るために開口された煙通路31が形成されている。
【0035】燃焼室1は、耐火煉瓦11で囲まれた燃焼
炉12と、燃焼炉12の周りから乾燥室2に向かって配
置される第1の煙道13と、を備えて構成されている。
燃焼炉12で燃焼される燃料は製材時に発生した大量の
木屑や端材を利用することが望ましく、燃焼室1の上部
の一部に形成された投入口14に開閉可能に配置された
投入扉15を開けてから燃焼炉13内に投入される。
【0036】乾燥室2は、上下方向を2分割するように
支持された仕切り板22を配置するとともに、隔壁3の
反対側には、原木5を載積したトロッコ6を搬入・搬出
するための搬入搬出扉23が配置されている。そして仕
切り板22の下方に第2の煙道24を形成し、上方に原
木収納室25を形成している。そして、外部から原木収
納室25内に搬入されたトロッコ6は仕切り板22上で
支持されることとなる。
【0037】仕切り板22は、隔壁3の煙通路31の上
方から煙を斜め下方に誘導するためのガイド部22aを
形成するとともに、第2の煙道24と原木収納室25と
の間で煙を流通するための、複数の開口部26が形成さ
れている。開口部26は第2の煙道24に流入した煙
を、上下左右に載積された原木5に向かって下方から万
遍なく燻すとともに、原木の長手方向に沿って均一に燻
すことができるようにするため、図2に示すように、隔
壁3側の開口部26から搬入搬出扉23側の開口部26
に向かって、徐々にその数を増加させるようにして形成
している。なお、仕切り板22の右端は、第2の煙道2
4内を流通する煙のうち仕切り板22の開口部26を通
過しない煙が原木収納室25内に流入するための通路2
6aが形成されている。
【0038】そして、乾燥室2の上部には、図1または
図3に示すように、複数の煙突27が配置されている。
少なくとも1本の煙突27aは乾燥室2から燃焼室1を
通って屋根から外部に突出するように配置され、他の煙
突27bは、搬入搬出扉23側における搬入搬出扉23
を間にして両隅部辺りに配置することが、煙を乾燥室2
内でバランスよく対流させるために望ましい。
【0039】各煙突27には、図5〜6に示すように熱
と煙との吐出し量を調整する開閉装置28がそれぞれ配
置されている。開閉装置28は、煙突27内の煙の通路
を開閉できるものであればその構成について限定するも
のではないが、本実施形態では、煙突27内に水平方向
と垂直方向に傾倒可能に配置される円板状の開閉プレー
ト29と、開閉プレート29に連結して煙突27の外周
面に配置される連結プレート30と、連結プレート30
に形成されたガイド溝30aに沿って揺動可能な開閉レ
バー31とを備えて構成され、燃焼時においては、開閉
プレート29を垂直状態に傾倒させ、乾燥室2内の室内
温度が目標温度(120〜130℃)に達すると開閉プ
レート29を水平方向に向かって傾倒させて開口を小さ
くするように作用される。
【0040】乾燥室2から燃焼室1を通って上方に突出
する煙突27aは、燃焼室1内で加熱することによっ
て、煙を積極的に外部に排出でき、乾燥室2内の煙の対
流を向上させる。
【0041】なお、燃焼室1を通る煙突27aには、図
7に示すように、煙突27aの外周に円環状の吸熱用板
32を複数装着してもよい。吸熱用板32を煙突27a
の周りに、例えば溶接して取り付けることによって、煙
突27aの表面積を増やすこととなって、煙突27aの
加熱速度を高めることになる。従って、煙突27a内を
通って排出する煙の排出速度を高めて、乾燥室2におけ
る原木収納室25内の煙や熱の対流をさらに向上させる
ことができる。この吸熱用板32の数あるいは取り付け
ピッチ等は図例に限定するものではない。
【0042】さらに、乾燥室2内には、加湿装置33が
配置されている。加湿装置33は、室外に配置された図
示しないボイラーから配管された配管部材34と、配管
部材34の各所に形成されて原木5の各部に向かって熱
水または蒸気を噴き付ける複数の噴出し口35を備えて
構成されている。そして、原木5の表面が完全に乾燥す
る前に、再度蒸気又は熱水を噴きつけることによって原
木5を加湿させて、原木5の急激な乾燥による表面割れ
を防止するようにしている。
【0043】この配管部材34の装着位置は、特に限定
するものではなく、載積された原木のすべてに噴き付け
ることができるように、原木5の周りに、乾燥室2の外
周壁に支持されて複数配置されることが望ましい。ま
た、配管部材34に熱水を送給する手段としては、前述
のボイラーではなく、例えば、燃焼炉12で加熱された
タンクから送給されるものであってもよい、いずれにし
ても、熱水を送給するタイミングは、別に装備する操作
手段により操作することが望ましい。
【0044】次に、上記のように構成された処理装置M
の作用について説明する。
【0045】まず、乾燥室2の搬入搬出扉23を開け
て、トロッコ6に載積した原木5を原木収納室25内に
搬入した後、搬入搬出扉23を閉じて乾燥室2内を密閉
する。そして、製材時に発生した大量の木屑や端材を投
入口14から燃焼炉12内に投入して燃焼する。
【0046】燃焼室1内の温度が120〜130℃にな
るまで燃焼を続けると、燃焼炉12から煙が発生して燃
焼室12内を充満する。煙は熱とともに第1の煙道13
を通って隔壁3の煙通路31から乾燥室2内の第2の煙
道24に導入される。
【0047】第2の煙道24は、乾燥室2における仕切
り板22の下方に配置されていることから、第2の煙道
24に導入された煙と熱は、仕切り板22に形成された
開口部26及び仕切り板22の右端の通路26aから仕
切り板22の上方に配置されている原木収納室25に向
かって上昇する。
【0048】この際、第2の煙道24は、仕切り板22
の長手方向に沿って配置されていて、第2の煙道24の
元部側24aと先端側24bとは、距離の差が生じてい
ることから煙や熱は元部側24aに貯留しやすい。とこ
ろが、煙突27から室外に熱が排出されることによって
煙や熱は煙突27に向かって流動するとともに、仕切り
板22に形成された開口部26は、第2の煙道24の元
部側24aから先端側24bに向かって、順次開口量を
増加するように形成されていることから、煙や熱は、仕
切り板22から長手方向に沿ってほぼ均一な量を維持し
て原木収納室25に上昇移動することとなる。このこと
は、原木5の長手方向に沿って均一に煙と熱で燻すこと
となる。
【0049】原木収納室25内に移動された煙や熱は、
乾燥室2の周辺に配置された複数本の煙突27から内気
が室外に排出されることによって、乾燥室2内での対流
が生じて、仕切り板22上に載積されている原木5を煙
によってほぼ均一に燻し、また熱によって均一に乾燥す
ることとなる。
【0050】特に、1本の煙突27aは乾燥室2から燃
焼室1を通って室外に突出することによって燃焼室1内
の高い温度で加熱されている。加熱されて高い温度とな
った煙突27a内を通る煙や熱は、外気に向かって加速
して排出されることとなって、乾燥室2内の煙と熱を室
外に引き出すことになる。これによって、乾燥室2内の
煙と熱をさらに勢いを持って対流させ、上方の原木5、
下方の原木5を均一に燻して乾燥することになる。
【0051】また、複数の吸熱用板32を周りに装着し
た煙突27aであれば、さらに煙と熱の排出速度を増し
て乾燥室2内の対流を向上させる。
【0052】さらに、乾燥室2内の温度を目標温度に達
するまでには、煙突27(27a・27b)には位置さ
れた開閉装置28の開閉プレート29を、開閉レバー3
1の操作で垂直方向に傾倒させる(開状態)。これによ
って乾燥室2内の煙と熱は、排気スピードを上げること
となって、燃焼室1の燃焼スピードを速めて乾燥室2内
の室内温度を早く目標温度に達成させる。
【0053】そして、乾燥室2の室内温度が目標温度に
達成すると、開閉装置28の開閉レバーを操作して開閉
プレート29を水平方向に傾倒させる(閉状態)。これ
によって、煙突27から排出される煙と熱が抑えられ、
燃焼室1内の燃焼スピードを抑えることができる。従っ
て、乾燥室2内の室内温度が目標温度を維持した状態で
燻煙乾燥処理を持続させることができる。
【0054】なお、乾燥室2の室内温度を維持させる際
には、複数の煙突27のうち、乾燥室2から燃焼室1を
通る煙突27aだけ、開閉装置28を半開状態にして、
燃焼室1を通らない煙突27bの開閉装置28を閉状態
にしておくことが、乾燥室2内の煙と熱の対流を妨げな
いことから望ましい。
【0055】上記のように、実施形態の処理装置1は、
燃焼室1と乾燥室2とを隔壁を間にして左右方向に配置
する左右並列方式に構成することにより、燃焼室の上方
に乾燥室を配置した上下配列方式の欠点であった地面を
掘削するような莫大な費用のかかる施工をしなくてすむ
ことになり、また、乾燥室2内に導入した煙や熱を、乾
燥室2の下方に配置した第2の煙道24に移動させて上
昇させるように構成することによって、上下配列タイプ
の利点である燻煙処理方法を行なえることとなる。
【0056】さらに、乾燥室2の上部に配置する煙突2
7の配置によって、乾燥室2内の煙と熱の対流を向上さ
せて上方の原木と下方の原木とに万遍なく煙と熱とを行
き渡らせることによって、すべての原木を均一な温度で
乾燥させて品質を向上させることができる。
【0057】又、燻煙処理に必要となる燃料は、製材時
に発生する木屑や端材を利用できる。さらに、燻煙処理
製品自体が廃棄される場合も、燃料としての再利用が可
能である。これらの燃料は、化学薬品処理を施していな
いため、有害な煙を発生することがない。従って、資源
の再利用や、有害物質廃棄の防止等の環境問題を解決す
ることができる。
【0058】さらには、燻煙処理を行なうことにより、
防腐・防カビ・防蟻対策にも役立つことができる。
【0059】また、処理装置1によれば、乾燥室2内に
配置された少なくとも1本の煙突27aが、燃焼室1を
通って外部に突出されていることから、乾燥室2内で対
流する煙の一部は、温度の高い燃焼室1内を通ることと
なって、乾燥室2内の煙を牽引する力を増加させる。こ
のことは、乾燥室2内での煙をさらに積極的に対流させ
ることとなって、原木収納室内25の全ての原木5をさ
らに均一に乾燥させることができる。
【0060】さらに、燃焼室1を通る煙突27aに吸熱
用板32を取り付けることによって、煙突の表面積を増
やすこととなって、煙や熱の排出速度を増ことができ
る。そのために、乾燥室2内における原木収納室25の
対流をさらに向上させることができることとなる。
【0061】しかも、実施形態の処理装置1によれば、
乾燥室2内の仕切り板22が、煙の流入する方向に向か
って徐々に開口量を増加するように開口部26を形成し
ていることから、燃焼室1から第2の煙道24に達した
煙が原木5の長手方向に沿って第2の煙道24から上方
に移動することができるとともに、第2の煙道24の先
端側24bに達した煙の量を増加できることとなって、
均一に煙を上昇させて原木5の長手方向に沿って燻すこ
とができる。
【0062】また、煙突27に配置された開閉装置28
操作することによって、乾燥室2の室内温度を目標温度
に早く達するようにしたり、また、室内温度を目標温度
に維持したりして、燃料を過剰に消費することなく効率
的な燃焼を行なうことができる。
【0063】さらに、本処理装置1によれば、燻煙乾燥
処理中に、原木に熱水又は蒸気を噴き付ける加湿装置3
3を配置することによって、表面がより乾燥しかけてき
た原木に再度水分を付与させて、原木の急激な乾燥を防
止できる。従って、原木の表面と内部との含水率差が拡
大することにより発生する表面割れを防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態の燻煙乾燥処理装置を示す縦断
面図である。
【図2】図1における仕切り板を示す平面図である。
【図3】図1におけるA矢視図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1における開閉装置を示す簡略断面図であ
る。
【図6】図5におけるB矢視図である。
【図7】図1における煙突に吸熱用板を装着した形態を
示す簡略図である。
【図8】従来の燻煙乾燥処理装置を示す簡略図である。
【符号の説明】
M 処理装置(燻煙乾燥処理装置) 1 燃焼室 2 乾燥室 3 隔壁 5 原木 12 燃焼炉 22 仕切り板 23 搬入搬出扉 24 第2の煙道 25 原木収納室 26 開口部 27 煙突 28 開閉装置 29 開閉プレート 32 吸熱用板 33 加湿装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 21/00 F26B 21/00 P 23/02 23/02 A Fターム(参考) 2B230 AA01 AA05 BA01 EB15 EC24 3L113 AA01 AB02 AC03 AC27 AC43 AC45 AC46 AC50 AC54 AC67 AC74 AC75 AC79 BA05 CA04 CB18 CB23 DA09 DA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質燃料による煙で燻しながら乾燥させ
    る燻煙乾燥処理方法であって、 煙を発生させる燃焼室と原木を収納して燻煙乾燥処理す
    るための乾燥室とが隔壁を間にして水平方向に並設され
    るとともに、前記乾燥室の上部には、室内から室外に向
    かって煙突が配設され、前記乾燥室の下部には前記燃焼
    室から連通する煙道が配設され、 前記燃焼室から発生する煙が、前記燃焼室から前記乾燥
    室内の前記煙道に流入した後、前記煙道から上昇し、前
    記煙道の上方で対流して、前記煙突から外部に排出する
    ように流れることを特徴とする燻煙乾燥処理方法。
  2. 【請求項2】 木質燃料による煙で燻しながら乾燥させ
    る燻煙乾燥処理装置であって、 煙を発生させる燃焼室と原木を収納して燻煙乾燥処理す
    るための乾燥室とが隔壁を間にして水平方向に並設さ
    れ、 前記隔壁の下部に、前記燃焼室と前記乾燥室とを連通す
    る煙通路が形成され、 前記乾燥室には、上部に前記原木を載置する原木収納室
    が配置されるとともに、下部に仕切り板を間にして前記
    燃焼室から流入する煙が流通する煙道が配置され、 前記原木収納室には、煙の対流を促すための煙突が、前
    記原木収納室から外部に向かって配置されて、 前記燃焼室で発生する煙が前記煙通路から前記煙道に流
    入され、さらに前記煙道から前記原木収納室内を対流し
    て前記煙突から外部に流出するように構成されることを
    特徴とする燻煙乾燥処理装置。
  3. 【請求項3】 前記乾燥室内に配置される少なくとも1
    本の煙突が、前記乾燥室から前記燃焼室を通って室外に
    向かって突出するように配置されていることを特徴とす
    る請求項2記載の燻煙乾燥処理装置。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1本の煙突が吸熱用板を
    装着していることを特徴とする請求項3記載の燻煙乾燥
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記乾燥室内の仕切り板には、前記隔壁
    側から反隔壁側に向かって、開口量が増加するように開
    口部が形成されていることを特徴とする請求項2,3又
    は4記載の燻煙乾燥処理装置。
  6. 【請求項6】 前記煙突には、熱と煙の吐出し量を調整
    する開閉装置が配置されていることを特徴とする請求項
    2,3,4又は5記載の燻煙乾燥処理装置。
  7. 【請求項7】 前記乾燥室には、前記原木に熱水又は蒸
    気を噴き付け可能な加湿装置が配管されていることを特
    徴とする請求項2,3,4,5又は6記載の燻煙乾燥処
    理装置。
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