JP2007118330A - 原木燻煙乾燥装置 - Google Patents

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栄四郎 面川
Hirobumi Omokawa
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Abstract

【課題】 熱エネルギーを有効利用することができる原木燻煙乾燥装置を提供する。
【解決手段】 原木燻煙乾燥装置1の地下の基礎部分はコンクリートで形成された小部屋状のピット33がいくつか設けられており、地表の上主要部は、鉄骨にスチール製の耐火・断熱パネルを装着することにより構成される。上主要部は、概略、処理室70、燃焼室4、灰溜ピット7の3室からなっている。ピット33には、燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11が配され、また、燃焼室4と燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11との間は、燻煙循環ダクト12で接続され、装置内の燃焼ガスを循環できる構造となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原木丸太を燃焼ガスによって燻煙乾燥し建築材に加工する原木燻煙乾燥装置に関する。
木材の乾燥は、自然乾燥と人工乾燥とに大きく分類される。自然乾燥は、原料木材を日陰に置いて自然に乾燥させるものであり、乾燥後の変色は少ないが、表面割れは多く、かつ、仕上げ含水率のばらつきが大きい上、乾燥時間がときには数ヶ月と非常に長く、生産性が極めて低いために一部の工芸品を対象とした特殊原料を調製する場合を除いて工業的に大規模に適用するのは不向きであるという問題点を有している。
これに対して、人工乾燥は、原料木材を加熱処理して水分を強制的に蒸発させるものであるため、乾燥時間は自然乾燥に比べて格段に短縮され、生産性が著しく向上することから、建築材料等に用いられる木材のほとんどは人工乾燥に付されているのが一般的である。
このような人工乾燥の手法として、特許文献1(特開2005−283082号公報)には、耐火性を有し、廃材を燃料とする燃焼炉と、燃焼ガス、燻煙熱等の直焚きの熱エネルギーを通過させる為の開口を有する壁で接続され、耐熱又は耐火性を有する密閉乾燥処理場所とで構成され、処理窯内部の被処理物体の頂部又はその上部に燃焼ガスを直接導入することを均一乾燥の第1手段とすることを特徴とする燃焼ガス乾燥処理方式が開示されている。
特開2005−283082号公報
ところで、特許文献1に開示された発明では、燃焼炉で発生させた燃焼ガスを密閉乾燥処理場所に一度通過させるだけであり必ずしも熱エネルギーを有効利用する構造のものではない。また、燻煙熱等で処理された被処理体からは樹液が発生するが、特許文献1記載の発明では、この樹液の処理についてまで考慮されていない。また、密閉乾燥処理場所は、高温の燃焼ガス等が通過する箇所であり、定期的に保守点検をすることが望ましいにも関わらず、特許文献1記載の発明では、メンテナンス性のことが考慮されていない。また、特許文献1記載の発明は、必要な安全上の対策が全く講じられていない。
この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、原木丸太を燃焼ガスによって燻煙乾燥し建築材に加工する原木燻煙乾燥装置において、地下部分の基礎構造に設けられたピットと、該ピットの上部に設けられ、鉄骨の骨組みに耐火・断熱パネルが装着されてなる上主要部と、該主要部に設けられ、該原木丸太を収納し燻煙乾燥する処理室と、該処理室に燃焼ガスを送り込む燃焼室と、該燃焼室からの灰を受け止め、かつ該燃焼室に空気を導入する灰溜ピットと、該ピットに設けられた燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと、該燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと該燃焼室とに接続された燻煙循環ダクトと、を有し、該燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと該燻煙循環ダクトを用いて燃焼ガスを循環させることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の原木燻煙乾燥装置において、該処理室の天井部には、風向調整板が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の原木燻煙乾燥装置において、該処理室の床部には、作業員が該ピットに出入り可能な床下点検口が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該処理室には、該処理室に過大な圧力がかかり過ぎた場合に、該処理室内の燃焼ガスを放出する燃焼ガス放出装置が設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該燃焼室に燃料を投入するための燃料投入扉と、該燃料投入扉と該燃焼室との間に設けられた仕切扉と、を具備し、該燃料投入扉と該仕切扉との間には、該燻煙循環ダクトから分岐した分岐ダクトにより燃焼ガスを導入することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該処理室の一部には、深く掘り下げられた段差部を有することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該灰溜ピットには、新鮮な空気を導入するための給気ファン付きダクトと自然給気ダクトの2つのダクトが設けられていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該ピットの一つとして、原木丸太を燻煙・乾燥する工程で発生する樹液を受ける樹液ピットを有し、該樹液ピットから樹液を回収する機構を設けたことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置において、該燃焼室から該処理室へ通ずる間隙の、該燃焼室側の入り口付近にはプレートが配されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、燃焼ガスを循環させる構成が採用されているために、熱源の熱エネルギーを有効に利用することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、原木丸太の燻煙・乾燥の度合いを自由に調整することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、原木燻煙乾燥装置のメンテナンス性が非常に良いものとなる。
また、請求項4に係る発明によれば、処理室内の温度が急上昇すること等により、処理室に過大な圧力がかかり過ぎた場合、水蒸気爆発が起こる可能性が生じるが、そのようなことを未然に防止できる。
また、請求項5に係る発明によれば、燃料投入扉のダメージを低減することができる。また、仕切扉により設けられた空間により、燃料投入扉に伝わる燃焼室からの熱を下げることもできる。
また、請求項6に係る発明によれば、原木燻煙乾燥装置の処理室の段差部分を利用して長い原木丸太を収納することができるようになっている。
また、請求項7に係る発明によれば、給気ファン付きダクトの給気ファンの故障等のトラブルの場合、自然給気ダクトを非常時のバックアップとして用いられる。
また、請求項8に係る発明によれば、原木丸太を燻煙・乾燥する工程で発生する、経済的価値が高い樹液を回収することができる。
また、請求項9に係る発明によれば、原木端材・製材端材の燃えかすが処理室側に進入し、飛び火することを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る原木燻煙乾燥装置の断面図である。また、図2は本発明に係る原木燻煙乾燥装置を燃焼室側から見た図である。なお、図2において、地中部分は断面図にて図示する。また、図3は、本発明に係る原木燻煙乾燥装置の上面からみた断面を示す図である。図3は地表面で装置を切った断面を示す図である。
本発明の原木燻煙乾燥装置1の土台となる基礎部分は、コンクリート製で地面50より下に設けられており、ピット33、排液枡19等のいくつかの小部屋に仕切られている。原木燻煙乾燥装置1の地面50より上の主要部分は、骨組みとして用いられる鉄骨にスチール製の耐火・断熱パネルを装着することにより構成される。原木燻煙乾燥装置1の上主要部は、工場生産された耐火・断熱パネルを、現地にて鉄骨に組み付けていく、所謂工場生産現場組立パネル工法にて施工される。本発明の原木燻煙乾燥装置1は、スチール製の耐火・断熱パネルを用いているので、優れた耐火・断熱性能を有するものである。
原木燻煙乾燥装置1の床部には、ピット33に作業員が入るための床下点検口30が設けられており、本発明の原木燻煙乾燥装置1のメンテナンス性を非常に良いものとしている。
原木燻煙乾燥装置1の地面50より上の部分は、概略、処理室70、燃焼室4、灰溜ピット7の3室からなっている。処理室70は原木丸太3の燻煙乾燥を行い、燃焼室4では熱源を得るため燃料の燃焼を行い、灰溜ピット7は、燃料の燃えかすを受けるようになっている。処理室70には、材料となる原木丸太3を納めるが、装置断面図に示されるように、処理室70の中央付近の一部は、掘り下げられたような段差部を有しており、この段差部分を利用して長い原木丸太3を収納することができるようになっている。地面50と同じ高さの処理室70部分では、およそ6mの長さの原木丸太3を収納し、処理室70の段差が設けられている部分では、およそ8mの長さの原木丸太3を収納する。
原木燻煙乾燥装置1には、原木搬入・搬出扉2が設けられており、ここから燻煙・乾燥する原木丸太3を樹皮付きのまま装置の処理室70に納め、さらに燻煙・乾燥処理加工された木を取り出すようになっている。原木燻煙乾燥装置1の処理室70において、原木丸太3は、図示するように縦置きに据えられる。
燃焼室4は、耐火・耐熱性を有するスチール製パネルで構成されている。燃焼室4では、原木丸太3を燻煙・乾燥する煙及び熱を発生させるために、燃料投入扉6から投入された原木端材・製材端材41を燃焼させる。燃料投入扉6は、耐火性であり、さらに遮煙性能を有するものが用いられる。煙及び熱を発生させるための燃料となる原木端材・製材端材41等の木材類は、伐採現場、原木丸太3を造る時にでる、製品とならない端材(枝、芯割材、雑木)や製材工場において副産物としてでてくる端材、おがくずやチップ材が用いられる。
間隙74の入り口付近における燃焼室4の天井部や側壁部にはいくつかのプレート55が配されている。プレート55は、板圧2.3mmのスチール製の板を曲げ加工して作られたものであり、原木端材・製材端材41の燃えかすが浮遊し間隙74を通り、これによって処理室70側に飛び火しないようにするために設けられるものである。図示するように、いくつかのプレート55が間隙74の入り口を目隠しするように配され、燃えかすなどの物体の進入をし難くしている。
燃焼室4で発生する燃焼ガスは、燃焼室4と処理室70との間の設けられた間隙74から処理室70に導入される。燃焼室4上部の間隙74より導入された燃焼ガスは、処理室70の天井部に設けられた風向調整板28にあたり、下向きの風となる。それによって原木丸太3に燃焼ガスがあたり、原木丸太3に燻煙・乾燥を行うことができるようになっている。本発明の原木燻煙乾燥装置1には、このような風向調整板28が設けられているので、原木丸太3の燻煙・乾燥の度合いを自由に調整することができる。燃焼室4で生成された燃焼ガスの流れは概略a→b→cにより示されるものである。処理室70の床には、処理室床グレーティング10が設けられており、原木丸太3から発生する樹液と、ピット間の燃焼ガスを通過させる。
原木燻煙乾燥装置1の基礎部分であるコンクリートで構築されているピット33には、燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11が4系統設けられており、このパイプにより気流cに示される燃焼ガスを循環するように構成されている。燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11は、樹液の排液のためにも利用されるがこの点については後述する。燻煙循環ダクト12に設けられている循環ファン31を作動することによって、気流cは、燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11の開口部53から吸い込まれ、燻煙循環ダクト12を通して再び燃焼室4に導入されたり、或いは燻煙循環ダクト12から分岐した分岐ダクト13を通して空間56に導入されたりする。分岐ダクト13は、4系統の燻煙循環ダクト12のうちの2系統に設けられており、燃料投入扉6付近で燻煙循環ダクト12から分岐しており、空間56に冷却用の低温の燃焼ガスを送り込む。
燻煙循環ダクト12は、4系統設けられている燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11に対応するように4系統あり、図示するように縦に配置された4本のダクトからなり、各ダクトの通路の一部に循環ファン31が設けられている。燻煙循環ダクト12に設けられている循環ファン31が作動することにより、燃焼室内に気流f及び気流gとして示されるように燃焼ガスを循環させる。本発明の原木燻煙乾燥装置1においては、このように燃焼ガスを循環させる構成が採用されているために、熱源の熱エネルギーを有効に利用することができる。
燃料投入扉6と燃焼室4との間には、耐火仕様の仕切扉5を設けて、燃料投入扉6と燃焼室4と間をこの仕切扉5により仕切り空間56とし、この空間56に、分岐ダクト13から燃焼ガスh(約60°C)が取り入れられる構成となっている。仕切扉5と仕切扉5が取り付けられている枠との間には、およそ2cm程度の隙間が設けられており、この隙間から、空間56に取り入れられた低温の燃焼ガスを燃焼室4に導入することができるようになっている。さらに、仕切扉5は四枚の折戸となっており、この折戸の開き具合を調整することにより、空間56から燃焼室4に導入する低温の燃焼ガスの量を調整することもできる。本発明の原木燻煙乾燥装置1は、低温の燃焼ガスを燃焼室4に導入することによって、燃焼室4の温度を下げ、燃焼室4が過度に高温に傾くことを防止できるようになっている。仕切扉5の四枚の折戸は、原木端材・製材端材41投入時には全開とする。
原木燻煙乾燥装置1の燃焼室4は、通常500°C〜600°Cで運転されるが、時には800°Cに達することがある。このため燃焼室4に直接燃料投入扉6を設けるようにすると、燃料投入扉6の劣化が激しくなる。そこで、前述のように燃料投入扉6と燃焼室4との間に耐火仕様の仕切扉5を設けることによって、空間56に低温の燃焼ガスを導入することで燃料投入扉6のダメージを低減するようになっている。また、仕切扉5により設けられた空間56により、燃料投入扉6に伝わる燃焼室4からの熱を下げることもできる。
原木端材・製材端材41を燃焼した後の灰42は、燃焼室床グレーティング9より落下して灰溜ピット7に蓄積される。蓄積された灰42は、灰取り出し扉8より取り出すことができるようになっている。灰溜ピット7には、原木端材・製材端材41を燃焼させるための新鮮な空気が給気ファン付きダクト14から導入される。灰溜ピット7に導入された新鮮な空気(気流i)は、さらに燃焼室床グレーティング9を通じて燃焼室4(気流j)に導入される。
給気ファン付きダクト14は、燃焼用空気を取り入れるためのファン付き給気ダクトで、ダンパの開閉により取り込む空気量の制御を行うことができるようになっている。本発明の原木燻煙乾燥装置1には、燃焼用空気を取り入れるためのダクトはもう一つ設けられている。給気ダクト14’として示されているものがそれである。給気ダクト14’は、自然給気ダクトでダンパは常時閉状態となっている。給気ファンの故障等のトラブルの場合、手動にて開状態とし、臨時用として使用する予備のためのダクトである。
以上のように、処理室70→燃焼室4→処理室70と再循環する燃焼ガスもあるが、処理室70内に充満し、圧力により外部に自然と押し出される燃焼ガスの気流dもある。このような燃焼ガスの気流dは、処理室70内の2カ所に設けられた煙突15を通じて自然排煙される。煙突15には、陣笠18が設けられており、煙突内へ雨の進入が防止される。
本発明の原木燻煙乾燥装置1を市街地等に設置する場合には、除煙装置(スクラバ−)20を設けるが、この除煙装置(スクラバ−)20は必ずしも必須の構成要件ではない。除煙装置(スクラバ−)20を設けない場合の排煙装置は、煙突15のみとする。図示のものは、除煙装置(スクラバ−)20が設けられている本発明の原木燻煙乾燥装置1を表すものであり、煙突15には煙突ダンパ16が設けられる。煙突ダンパ16は、自然排煙以外に、除煙装置(スクラバ−)20を利用して排煙する場合、この煙突ダンパ16を閉鎖し、除煙装置20へと煙を導くものである。煙突ダンパ16の閉鎖後、煙はこの煙導ダクト17を通り、除煙装置20へと導かれる。除煙装置(スクラバ−)20は、煙導ダクト17の煙を通過させて煙の量を減らす装置であり、この除煙装置(スクラバ−)20は基本的には、市街地に原木燻煙乾燥装置1する場合や行政指導によって搭載が必要な場合に用いるものであり、伐採現場の山麓等に本発明の原木燻煙乾燥装置1を設置する場合は自然排煙でよい。
本発明の原木燻煙乾燥装置1には、煙突以外にも処理室70からガスを放出させる装置が安全対策上設けられている。通常、処理室70に充満した燃焼ガスは自然の圧力で煙突15から外部に放出されるが、処理室70内の温度が急上昇すること等により、処理室70に過大な圧力がかかり過ぎた場合、水蒸気爆発が起こる可能性が生じる。その様な爆発を未然に防ぐため、燃焼ガスを外部に放出するのが、燃焼ガス放出装置27である。この燃焼ガス放出装置27内のダンパは処理室70内の過大な圧力を検出することによって自動的に開くよう設定されている。
次に燻煙された原木丸太3から発生する樹液回収の仕組みについて説明する。本発明の原木燻煙乾燥装置1で原木丸太3を燻煙・乾燥する工程で発生する樹液は、所謂木酢液と呼ばれるものであり、この木酢液は、人体の皮膚に適用することによって皮膚の病気を治す効能や、植物に適用することよって植物の成長促進、病害虫を寄せ付けない、といった効果が期待されている。この他にも、木酢液には、防臭効果、土壌改質効果があると言われており、非常に商品価値が高いものである。このため、本発明の原木燻煙乾燥装置1では、原木丸太3を燻煙・乾燥する工程により得られる樹液も副産物として回収する仕組みを設けるものである。
原木丸太3を燻煙・乾燥する工程で発生する樹液は、処理室70の床に設けられている処理室床グレーティング10を通して、ピット33に落下し、樹液ピット52に溜まるようになっている。この樹液ピット52には、水中ポンプ21が設けられており、原木丸太3から樹液ピット52に落下してきた樹液を貯液枡19に汲み上げる。貯液枡19に汲み上げられた樹液は、貯液枡19に接続された燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11の開口部53から、燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11に進入する。燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11には、本発明の原木燻煙乾燥装置1の断面図に示されるような勾配が設けられており、この勾配によって、開口部53進入した樹液は燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11を通って外部排液枡51へと向かっていく。燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ11においては燃焼ガスと樹液の両方が通過するが、燃焼ガスの方は燻煙循環ダクト12へと、樹液の方は排液管23、封水装置26を通り、外部排液枡51へと導かれる。封水装置26は、燃焼ガスが外部に放出されることを防止するために用いられるものである。外部排液枡51に導かれた樹液は、外部排液枡51内に設けられた水中ポンプである樹液排液ポンプ24で不図示の樹液タンクに排液管25を通して汲み上げられ、回収される。
次に、本発明の原木燻煙乾燥装置1の運転制御について説明する。本発明の原木燻煙乾燥装置1には、図示しない制御装置が組み込まれており、当該制御装置により自動運転することができるようになっている。自動運転するために収集されるパラメーターは、処理室70内に設けられた複数の温度センサ、燃焼室4に設けられた複数の温度センサ、装置外に設置された外気温センサ、湿度センサである。これらのパラメーターに基づいて、給気ファン付きダクト14の給気ファン、燻煙循環ファン31の回転数を制御して、装置内の燃焼ガスを循環させると共に、燻煙・乾燥の温度、風量を自動制御する。また、燃焼室には、図示しない散水装置が設けられており、燃焼室内の燃料が必要以上に燃焼し、危険な状態、例えば温度が急激に上昇した場合などに、燃料の消火を行うべくこの制御装置による指令で散水装置の散水を開始するよう制御が行われる。
本発明に係る原木燻煙乾燥装置の側面の断面を示す図である。 本発明に係る原木燻煙乾燥装置を燃焼室側から見た様子を示す図である。 本発明に係る原木燻煙乾燥装置の上面からみた断面を示す図である。
符号の説明
1・・・原木燻煙乾燥装置、2・・・原木搬入・搬出扉、3・・・原木丸太、4・・・燃焼室、5・・・仕切扉、6・・・燃料投入扉、7・・・灰溜ピット、8・・・灰取り出し扉、9・・・燃焼室床グレーティング、10・・・処理室床グレーティング、11・・・燃焼ガス・樹液排液兼用パイプ、12・・・燻煙循環ダクト、13・・・分岐ダクト、14・・・給気ファン付きダクト、14’・・・給気ダクト、15・・・煙突、16・・・煙突ダンパ、17・・・煙導ダクト、18・・・陣笠、19・・・排液枡、20・・・除煙装置(スクラバー)、21・・・水中ポンプ、22、23・・・排液管、24・・・樹液排液ポンプ、25・・・排液管、26・・・封水装置、27・・・燃焼ガス放出装置、28・・・風向調整板、30・・・床下点検口、31・・・燻煙循環ファン、32・・・ピット床グレーティング、33・・・ピット、41・・・原木端材・製材端材、42・・・灰、50・・・地面、51・・・外部排液枡、52・・・樹液ピット、53・・・開口部、55・・・プレート、56・・・空間、70・・・処理室、74・・・間隙

Claims (9)

  1. 原木丸太を燃焼ガスによって燻煙乾燥し建築材に加工する原木燻煙乾燥装置において、
    地下部分の基礎構造に設けられたピットと、
    該ピットの上部に設けられ、鉄骨の骨組みに耐火・断熱パネルが装着されてなる上主要部と、
    該上主要部に設けられ、該原木丸太を収納し燻煙乾燥する処理室と、
    燃料を燃焼し該処理室に燃焼ガスを送り込む燃焼室と、
    該燃焼室から燃料の灰を受け止め、かつ該燃焼室に空気を導入する灰溜ピットと、
    該ピットに設けられた燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと、
    該燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと該燃焼室とに接続された燻煙循環ダクトと、を有し、
    該燃焼ガス・樹液排液兼用パイプと該燻煙循環ダクトを用いて燃焼ガスを循環させることを特徴とする原木燻煙乾燥装置。
  2. 該処理室の天井部には、風向調整板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原木燻煙乾燥装置。
  3. 該処理室の床部には、作業員が該ピットに出入り可能な床下点検口が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の原木燻煙乾燥装置。
  4. 該処理室には、該処理室に過大な圧力がかかり過ぎた場合に、該処理室内の燃焼ガスを放出する燃焼ガス放出装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
  5. 該燃焼室に燃料を投入するための燃料投入扉と、
    該燃料投入扉と該燃焼室との間に設けられた仕切扉と、を具備し、
    該燃料投入扉と該仕切扉との間には、該燻煙循環ダクトから分岐した分岐ダクトにより燃焼ガスを導入することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
  6. 該処理室の一部には、深く掘り下げられた段差部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
  7. 該灰溜ピットには、新鮮な空気を導入するための給気ファン付きダクトと自然給気ダクトの2つのダクトが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
  8. 該ピットの一つとして、原木丸太を燻煙・乾燥する工程で発生する樹液を受ける樹液ピットを有し、該樹液ピットから樹液を回収する機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
  9. 該燃焼室から該処理室へ通ずる間隙の、該燃焼室側の入り口付近にはプレートが配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の原木燻煙乾燥装置。
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