JP2001170909A - 木材の燻煙方法 - Google Patents

木材の燻煙方法

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JP2001170909A
JP2001170909A JP35930599A JP35930599A JP2001170909A JP 2001170909 A JP2001170909 A JP 2001170909A JP 35930599 A JP35930599 A JP 35930599A JP 35930599 A JP35930599 A JP 35930599A JP 2001170909 A JP2001170909 A JP 2001170909A
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wood
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smoking
steam
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JP35930599A
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Yoshiro Ohara
儀郎 大原
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IKEGAWA MOKUZAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の木材の燻煙装置では、煙を発生させる
燃焼室と蓄煙室、燻煙室が横並び状態で設置されていた
ので設置場所が広く占有されていたので、狭い場所での
燻煙装置の出現が待望されていた。 【解決手段】 燻煙を発生させる燃焼室1を最下部に設
け、燃焼室の上部に水蒸気発生装置9を設けて水蒸気1
0を発生させ、水蒸気発生装置9の上方に蓄煙室4を設
けて煙3と水蒸気10を混合させて最上部の燻煙室5に
導入して各室を積層した燻煙装置とし、燻煙室5で縦並
びの状態の木材7を燻煙する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材の燻煙方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、木材の燻煙方法として、燻煙炉内
に木材を入れ、焚口の木材等の燃料材から発生させた煙
で燻煙する方法が一般的であった。この木材の燻煙方法
は、構造が簡単であり、設備費は大して必要とはしなく
比較的小規模な木材の燻煙方法であった。大量の木材を
一括して燻煙処理する方法として、煙を発生させる部分
と燻煙する部分とを分離独立させた方法があった。これ
は、木材等を燃焼させて煙を発生させる燃焼部と、煙を
導入して燻煙処理する燻煙部とを分離させた方法であ
り、燃焼部と燻煙部が併設する設備となる。そこで、燻
煙処理する木材を通常は収納具等に横積みし、収納具ご
と燻煙部に格納して燻煙処理を施す方法であった。図1
に示す燻煙装置は従来の実施例であり、煙を発生させる
燃焼室(1)を設け、ここで燃料材(2)を燃やして発
生させた煙(3)を蓄煙室(4)へ導いて安定させ、こ
の煙を燻煙室(5)に送り収納具(6)に搭載される木
材(7)を燻煙する装置であり、かなり大型の装置とな
る。以上のような燻煙方法が木材の燻煙処理方法として
周知となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術のよ
うに、燻煙炉内に木材を入れ、焚口の木材等の燃料材か
ら発生させた煙で燻煙する方法は、燻煙炉に焚口が接続
されるので、装置としては比較的小型であり小規模な燻
煙処理手段である。一方、煙を発生させる燃焼部と燻煙
処理を行なう燻煙部を分離した方式において、燻煙部に
材料を収納具等に入れて搬入するので燃焼部及び燻煙部
は大型になり高効率の燻煙処理が可能となる一方で、設
備が大掛かりにならざるを得ないという点が問題になっ
ていた。敷地が充分にある平地であればよいが、燻煙処
理は木材の伐採地の近辺である場合は、平地より斜面が
多い場合もあるので敷地面積を充分に確保できないとい
う条件下で燻煙処理する設備が必要であった。又、収納
具に搭載する木材は横積み状態であるが、この理由は、
材木を積層させる際は縦積みよりは横積みする方が容易
であることと、縦積みにすれば燻煙部の天井を高くする
必要が生じ建築上の観点から横積み方式は採用されてい
た。しかし、煙は木材と木材の間の隙間を流れるので、
木材を横積みにする場合は、通常は桟木を間に入れて相
互に密着しないように注意を払っている。大きい木材で
あれば、この密着防止の木材は少なくても良いが、小さ
い木材を燻煙する場合には多数の桟木が必要となり、こ
の桟木を敷く作業量も無視できないものがあった。以上
のように、燻煙装置の敷地面積の軽減と燻煙効率の向上
が課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、煙を発生させる燃焼部を最下部に設け、燃焼部の
上方に蓄煙室を設けて煙を溜め、更にこの上部に燻煙室
を設ける。この燻煙設備は、最下部に燃焼室、その上に
蓄煙室、そして最上部に燻煙室を縦に積層させた構造に
する。この方式は、敷地面積は少なくて良く、山間部の
斜面を有効利用することができる。又、燻煙方式におい
て、木材を縦並びとすると木材間の隙間は自然と確保す
ることができるので、隙間を煙が容易に流動することが
できる。この為に、木材間の隙間を確保する手段を軽減
することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の燻煙装置を図2で説明す
る。本図2では、最下部に燃焼室(1)を設け、燃焼室
(1)内に燃焼炉(8)とその上部に燃焼炉(8)の熱
を利用する水蒸気発生装置(9)を設ける。燃料材
(2)を燃やすと煙(3)が発生し、この時に発生する
熱で燃焼炉(8)上部に設置される水蒸気発生装置
(9)内で水蒸気(10)を発生させ、煙(3)と水蒸
気(10)を混合して蓄煙室(4)に開放する。煙
(3)と水蒸気(10)の混合気体(11)は、蓄煙室
(4)から燻煙室(5)へと移動する。燻煙室(5)内
では木材(7)は縦並びにされ、木材(7)間の隙間を
通って混合気体(11)は上方へと流れる。燻煙室
(5)の天井まで達した混合気体(11)は通路(1
2)を通って蓄煙室(4)へ戻され、更に新しい混合気
体(11)と混合され、蓄煙室(4)、通路(12)、
燻煙室(5)の間で還流する。そして、混合気体(1
1)の一部は蓄煙室(4)の下部の排気口(13)から
室外に出される。図3に本燻煙装置の透視図を示す。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を再度図2で説明する。本図
は、燃焼室(1)、蓄煙室(4)、燻煙室(5)を積層
した木材(7)の燻煙装置を図示している。先ず、最下
部の燃焼室(1)に燃焼炉(8)を設け、燃焼炉(8)
上部に密着して水蒸気発生装置(9)を設ける。燃焼炉
(8)に廃材等の燃料材(2)をそのまま入れて燃焼さ
せる方式でもよく、図1のように収納具(6)に搭載し
て収納具(6)ごと燃焼させる方式でもよい。燃料材
(2)は燃焼炉(8)の扉(14)を開けて入れる。扉
(14)に空気調整弁(16d)を設ける。燃焼炉
(8)から発生する煙(3)は排煙筒(15)から出す
が、排煙筒(15)の途中に流量を調整する煙調整弁
(16a)を設ける。燃焼炉(8)の上部に水蒸気発生
装置(9)を設け、燃焼炉(8)の熱で水蒸気(10)
を発生させる際に、水蒸気発生装置(9)の水位を一定
に保つ必要から、水蒸気発生装置(9)に給水槽(1
7)を接続する。給水槽(17)に定水位機構(18)
を設けて水(19)の量を一定にする。図2では定水位
機構(18)をボールタップ式としている。水蒸気発生
装置(9)から発生した水蒸気(10)は水蒸気筒(2
0)で送られ、水蒸気筒(20)は排煙筒(15)に接
続する。煙(3)の流量を調整するために煙調整弁(1
6a)が設けられるが、同様に水蒸気(10)の流量調
整用の水蒸気調整弁(16b)を水蒸気筒(20)と排
煙筒(15)との合流点より手前に設ける。更に、水蒸
気(10)で燻煙に使用しない余剰分は水蒸気排出筒
(21)から排出する。但し、大気中に放出するばかり
でなく、余剰水蒸気を加温等に利用することもできる。
水蒸気排出筒(21)に余剰水蒸気量を調節するための
調整弁(16c)を設ける。
【0007】混合気体(11)は蓄煙室(4)に導びか
れ、蓄煙室(4)の天井であり燻煙室(5)の床(2
2)でもある通気性がある床(22)を通して燻煙室
(5)に導かれる。燻煙室(5)の床下から混合気体
(11)が、収納具(6)に搭載される木材(7)と木
材(7)との隙間を上昇し燻煙する。燻煙室(5)の天
井まで上昇した混合気体(11)は通路(12)を下降
して蓄煙室(4)に入る。蓄煙室(4)には燃焼室
(1)から常に新しい混合気体(11)が供給されるの
で、蓄煙室(4)において燻煙室(5)から戻った混合
気体(11)と新しく供給された混合気体(11)が混
ざり合うが、混合効率を上げるために攪拌装置(23)
を設ける。燃焼室(1)から次々に新しい混合気体(1
1)が供給されるので、古い混合気体(11)を排気口
(13)から排出する。排気口(13)には排気筒(2
4)が接続し、排気筒(24)の開口上部に煙を集める
集煙部(25)を設け、更に木酢液を採るための冷却筒
(26)と煙突(27)を接続する。
【0008】図4は燃焼炉(8)と水蒸気発生装置
(9)を示す。燃焼炉(8)に燃料材(2)を入れる手
段として、燃焼炉(8)に直接入れる手段や、収納具
(6)に一旦入れてから燃焼炉(8)に入れる手段が考
えられ、どちらとも限定しないが、本実施例では燃焼炉
(8)の内部に扉(14)を開けて入れる。窓(28)
から種火を投げ入れて燃料に点火するが、専用のバーナ
ーを設置してもよい。燃料材(2)が燃焼始めると煙
(3)と熱が発生し、煙(3)は排煙筒(15)から炉
外に出される。燃焼炉(8)の上部に、燃焼炉(8)で
発生した熱で水蒸気(10)を発生させる水蒸気発生装
置(9)を設ける。水蒸気発生装置(9)内に水(1
9)を供給するために給水槽(17)を設けて導管(2
9)で水蒸気発生装置(9)と給水槽(17)を連結す
る。この給水槽(17)には、発生蒸気量を略一定に維
持する必要から、水蒸気発生装置(9)内部の水位を一
定に保つために定水位機構(18)を設ける。本実施例
では定水位機構(18)をボールタップ式とした。これ
で、水が水蒸気(10)となって水蒸気発生装置(9)
内部の水位が下がると、導管(29)で連結する給水槽
(17)の水位が下がり、ボールタップが働き新たに水
(19)が供給されて給水槽(17)の水位が元に戻
る。すると給水槽(17)の水は導管(29)を通って
水蒸気発生装置(9)に給水することで水蒸気発生装置
(9)の水位を一定に保つようになる。水蒸気発生装置
(9)の水面の上は空気室(30)があり、この空気室
(30)に水蒸気(10)が溜まり、水蒸気(10)は
水蒸気発生装置(9)上部に接続する水蒸気筒(20)
を通り煙(3)と合流し、蓄煙室(4)に開放される。
ここで、水蒸気筒(20)の途中に通過蒸気量を調整す
るために水蒸気調整弁(16b)を設け、同時に排煙筒
(15)に燃焼炉(8)から出る煙(3)の量を調整す
るために煙調整弁(16a)を設けて水蒸気(10)と
煙(3)の混合比と流量を調整する。又、水蒸気発生装
置(9)上部から一部の水蒸気(10)を水蒸気発生装
置(9)の外に排出する水蒸気排出筒(21)を設け、
これに排出蒸気量を調整する調整弁(16c)を設け
る。煙(3)と水蒸気(10)は本実施例では混合後に
蓄煙室(4)に導入したが、煙(3)と水蒸気(10)
を個別に蓄煙室(4)に導入したた後で攪拌混合する手
段でもよい。
【0009】水蒸気(10)と煙(3)が混合されて混
合気体(11)となり、蓄煙室(4)に溜まる。蓄煙室
(4)の天井であり蓄煙室(4)の上部に位置する燻煙
室(5)の床でもある、通気孔を有する床(22)から
混合気体(11)が燻煙室(5)に入る。燻煙室(5)
の内部に燻煙する木材(7)を収納する。本実施例で
は、この手段を収納具(6)に木材(7)を収納し一括
して炭化処理する。木材(7)を単体のまま燻煙室
(5)に入れてもよいが、作業効率を考えると、燻煙室
外で木材(7)を収納具(6)に搭載してから収納具
(6)を燻煙室(5)に搬入して燻煙する手段が能率的
で好ましい。
【0010】図5を説明する。本図は木材(7)を一括
収納する収納具(6)である。本発明では、木材(7)
を縦方向に並べて燻煙する。木材(7)を立位で並列さ
せることは、木材(7)が丸材である時に横積みより縦
列積みの方が木材(7)と木材(7)との隙間(31)
を煙(3)が通過し易いということが根拠となってい
る。図6でよく理解されるが、木材(7)と木材(7)
との隙間(31)が開いているので、この隙間(31)
を煙(3)が容易に通り抜けることが理解され、夫々の
木材(7)によく煙が当たることを意味し高い燻煙効果
を期待できる。
【0011】木材(7)の間を通過した混合気体(1
1)は燻煙室(5)の天井に達する。そして、混合気体
(11)は燻煙室(5)の通路(12)を通って蓄煙室
(4)へ戻され、蓄煙室(4)内の混合気体(11)と
混ざり合う。この時、蓄煙室(4)に攪拌装置(23)
を使用すると素早く混合される。こうして再度混ざり合
った混合気体(11)は、蓄煙室(4)から燻煙室
(5)へ進み、通路(12)を経由して再び蓄煙室
(4)に戻る。そして、更に蓄煙室(4)で混合気体
(11)と混ざり合い、先の経路を循環する。
【0012】燃焼室(1)では絶えず煙(3)と水蒸気
(10)が発生して蓄煙室(4)に供給されるので、古
くなった混合気体(11)を排出するために排気口(1
3)を設けて装置外に排出する。この排気口(13)先
に排気筒(24)を設け、排気筒(24)の先端を開口
にし、開口上方に煙を集める円錐形の集煙部(25)を
設け、更に煙を冷却する冷却筒(26)を接続し、最下
流に煙突(27)を接続する。
【0013】図7を説明する。本図は、排煙筒周辺の断
面図である。集煙部(25)は下方が開口する円錐形状
とし、煙を集め易くする。集煙部(25)の内部に折曲
げ(32)を設けて、液溜(33)とし、液溜(33)
に燻液取出口(34)を設ける。蓄煙室(4)から排気
筒(24)を通って導かれた煙(3)は、排気筒(2
4)の先端の開口から大気開放されて一次冷却される。
次に、煙(3)は円錐形の集煙部(25)に当たり冷却
筒(26)に至る。この冷却筒(26)はパイプ直径が
大きいためにパイプの表面積が広く、よく煙(3)の熱
エネルギーを放出することが出来る。集煙部(25)と
冷却筒(26)で煙(3)の成分が液化されて木酢液と
いう燻液となる。この燻液が冷却筒(26)や集煙部
(25)の内壁を伝って液溜(33)に溜まる。そして
液溜(33)の底の燻液取出口(34)から燻液を採集
する。図8は冷却筒(26)の代わりに冷却効率を上げ
る放熱板(35)を設けたものである。
【0014】図13を説明する。本図は、燃焼室(1)
の上方にあった蓄煙室(4)を省略した構造である。燃
焼室(1)の天井を充分に高くすると、混合気体(1
1)は高温であるから天井付近に漂う性質があるので、
燃焼室(1)の上方の蓄煙室(4)は不要となる。
【0015】本発明に使用する燻煙装置において、煙が
接触する部分は耐酸性の素材を使用することが望まし
い。特に、高温の煙が接触する箇所では、煙の酸化力や
活性力が強いために、セラミックス素材や、金属であれ
ば耐酸性ステンレス素材、そしてその他の耐薬品各種素
材を使うことが好ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので以
下の効果を奏する。従来の燻煙装置は図1のような装置
であった。燃焼室で煙を発生させて煙を蓄煙室に溜め、
この煙を隣接する燻煙室に導入し、燻煙する木材を収納
具に載せ、収納具ごと燻煙室に入れて燻煙していた。こ
の燻煙装置は、燃焼室、蓄煙室、燻煙室が一列に並んで
設営されているので、広い敷地面積が必要であり、通常
この燻煙装置は大型のシステムとなる。この広い敷地面
積を要する燻煙装置は、設置場所の敷地の制約から容易
に設置出来るものではなかった。そこで、この設置条件
を解決する手段は、従来では燃焼室、蓄煙室、燻煙室を
横一列に配置していたが、夫々の部屋を縦一列に積層す
ることで解決出来る。この考えが本発明の第一の特記す
べき要点である。従来の燻煙装置は平地に設置すること
を念頭に置いた設計思想であるが、本発明は広い敷地面
積を必要としない手段であり、斜面を有効に利用した手
段でもある。木材の燻煙は町中でするものではなく、近
くに住宅等が建っていない場所に設置されるが、材木を
切り出す山の麓での設置も多い。山の麓であれば、山か
ら切り出した材木を即刻燻煙することができる特長があ
り、燻煙材料としての木材を燻煙場所まで搬送する費用
と時間が不要となりコストの低減化が可能となる。又、
材木を切り出す山の麓は一般に過疎地であるので、燃焼
の煙等の公害対策も容易となる。そもそも木材を燻煙す
る理由は、木材は細胞の集合体であり、生木は細胞内に
様々な成分で満たされているが、乾燥させると成分が抜
けて空洞化現象が起る。木材の各細胞は、整然と且つ均
一な大きさであれば問題はないが、各細胞の大きさと配
列の段差から乾燥させると収縮度の違いで歪みが生じて
しまう。特に小さい角材や平板では歪みがひどく、乾燥
手段によっては歩留まりが50%程度となることもあ
る。木材業界では、この歩留まりを上げることに真剣に
取り組んでいるが、木材を単に自然乾燥や加熱乾燥する
よりは、燻煙乾燥させると歩留まりが上がることが解っ
てきた。事実、燻煙乾燥させると歩留まりが70%以上
は確保できることが解った。そして、燻煙処理した木材
には、割れにくい、歪みが少ない、釘を通しても割れに
くい、虫が食わない等の素晴らしい効果があることが解
ってきた。以上のように、燻煙装置の燃焼室、蓄煙室、
燻煙室を縦一列に積層した燻煙装置は設置場所の観点か
らは重要な長所が現れる。
【0017】従来の燻煙装置は図1のように横一列に並
ぶので、燃焼室で発生した煙は温度が高く蓄煙室の天井
近く充満する。この煙を燻煙室に導入する際には、煙を
燻煙室内の木材の下方に導入する必要があるので、送風
機構で強制送風すると効率が良いことは容易に理解され
る。しかし、この送風機構は絶対に必要というものでは
ない。これに反して、本発明の燻煙装置は図9に示すよ
うに、燃焼室、蓄煙室、燻煙室が縦一列に積層するの
で、燃焼炉で発生する煙は上に昇るという自然原理を利
用するものであり、送風機構は全く不要となるので機構
が簡単になるという特長が生ずる。
【0018】又、従来の燻煙装置は図1のように横一列
に並ぶので、煙の行程が長く煙の温度が下がり易いとい
う欠点があるが、本発明の燃焼室、蓄煙室、燻煙室が縦
一列に積層する燻煙装置では煙が一挙に燃焼室から蓄煙
室を経て燻煙室に昇るので煙の温度下降は少なく、高温
の煙で燻煙することが可能となり、燻煙効率と質の向上
が期待できる。
【0019】燻煙室で木材を燻煙処理する際に、従来が
木材を横積みにしていた。この状態を図10で示す。角
材を横積みにする場合は、角材と角材との隙間を確保す
るために桟木を使うが、煙は角材と角材の隙間をかいく
ぐって流れる。丸木を横積みにした場合の断面図を図1
1に示す。図11に示すように、丸木であれば他の丸木
との間の隙間は狭く、理想的な丸木であれば全く隙間は
生じないので煙の流れは良くない事が容易に理解される
であろう。しかし、図5に示すように、本発明のような
木材を縦並びにする手段であれば、丸木と丸木が接触し
ていても隙間(31)は確保されるので、この隙間を煙
が容易に下から上へ流れ得ることは理解される。図6は
丸木の木材(7)を輪切りにした状態図であり、丸木と
丸木の間の隙間(31)が広く確保されていることを示
している。この広い隙間(31)を煙が容易に下から上
へ流れることは、燻煙処理の高効率を約束することを意
味している。この木材を縦に並べた状態で燻煙すること
が本発明の第二の特記すべき要点である。図12は本発
明の燻煙装置が木材を燻煙している状態を示している。
【0020】図13のように燃焼室の天井を高くすると
混合気体は高温であるので天井付近に漂う性質があるの
で燃焼炉の近辺まで降りてくることはない。このよう
に、燃焼室の天井を高くすることで、燃焼室の上方に蓄
煙室を設けなくても充分に蓄煙室の代替となり得る。こ
の手段も燃焼室の機密性や断熱性を考慮しないと充分に
効果を発揮出来ないこともある。
【0021】蓄煙室(4)の排気口(13)から排出さ
れた混合気体(11)は、排気筒(24)の先端の開口
から大気開放されて一次冷却され、更に円錐形の集煙部
(25)に当たり冷却筒(26)で冷却されて木酢液と
なる。煙と同様に木酢液には、大まかに、プロピオン酸
等の酸類、メタノール等のアルコール類、クレゾール等
のフェノール類、吉草酸エステル等の中性物質類が多く
含まれ、主に殺菌殺虫効果はフェノール類が材木中の害
虫の駆除や雑菌や胞子等を死滅させる効果があり、農業
面で殺虫や殺菌効果を発揮するので広く使われている。
他に、含まれるエステル類は葉緑素を増やし葉をより緑
化し成長促進効果をもたらす働きがある。燻液には上記
成分の他に、ミネラルが多く含まれるので、バチルスや
放射菌等の有用微生物の増殖を助ける働きがある。又、
強酸性であるので、農薬をよく溶かすので、作物に浸透
させ易く、減農薬効果も生じる。
【0022】又、燃焼炉を炭化炉とすると、熱源として
燃料としてのみ利用していた木材(廃材)を炭という有
効資源に変化させ、土壌改良や環境浄化効果をもたらす
大変有効な天然素材の環境資材に変えることが出来る。
つまり、燃焼炉として燃料材を使用した場合は燃焼後に
は燃焼灰しか残らず、灰を廃棄するしか手段がないが、
炭化炉つまり炭焼窯とした場合には炭という有効資源に
変化させることができる特長が生じる。炭の周知の環境
資材であり、建物の床下に埋設するとシロアリの害はな
く、住む人の健康が増進されるとの報告もある。炭は農
業面では土壌改良材であり、無農薬栽培、害虫駆除効果
もあり、他に脱臭、河川の浄化、空気の清浄と、色々な
環境面で利用されていることは周知の事である。このよ
うに、燃焼炉では燃料としてしか利用しない木材を、炭
化炉に代えるだけで灰から素晴らしい環境資材の炭に替
える事ができるようになり、近年のエコロジーの観点か
ら特記すべき特長と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の実施例を示す全体図である。
【図2】本発明の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す透視図である。
【図4】本発明の実施例の燃焼室周辺を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の実施例の木材の燻煙状態を示す斜視図
である。
【図6】本発明の実施例の木材の燻煙状態を示す断面図
である。
【図7】本発明の実施例の集煙部と冷却筒周辺を示す断
面図である。
【図8】本発明の集煙部と冷却筒周辺の他の実施例を示
す斜視図である。
【図9】本発明の実施例の外見を示す斜視図である。
【図10】従来の実施例の木材の燻煙状態を示す斜視図
である。
【図11】従来の実施例の木材の燻煙状態を示す断面図
である。
【図12】本発明の実施例の燻煙状態を示す透視図であ
る。
【図13】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 燃料材 3 煙 4 蓄煙室 5 燻煙室 6 収納具 7 木材 8 燃焼炉 9 水蒸気発生装置 10 水蒸気 11 混合気体 12 通路 13 排気口 14 扉 15 排煙筒 16a 煙調整弁 16b 水蒸気調整弁 16c 調整弁 16d 空気調整弁 17 給水槽 18 定水位機構 19 水 20 水蒸気筒 21 水蒸気排出筒 22 床 23 攪拌装置 24 排気筒 25 集煙部 26 冷却筒 27 煙突 28 窓 29 導管 30 空気室 31 隙間 32 折曲げ 33 液溜 34 燻液取出口 35 放熱板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を燃焼させて煙を発生させる燃焼炉
    と燃焼炉の余熱を利用して水蒸気を発生させる蒸気発生
    装置とを燃焼室に設け、前記燃焼室の上部に煙と水蒸気
    を混合させる蓄煙室を設け、混合気体を最上部の燻煙室
    の床下から導入する燻煙室を設けて各室を積層し、該燻
    煙室内で立位の木材を燻煙することを特長とする木材の
    燻煙方法。
  2. 【請求項2】 燃焼室の天井を高くして蓄煙室の代替と
    して省略した請求項1の木材の燻煙方法。
  3. 【請求項3】 燃焼炉を炭化炉とする請求項1乃至2の
    木材の燻煙方法。
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