JP3517871B2 - 箱形重量物の運搬方法および装置 - Google Patents

箱形重量物の運搬方法および装置

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JP3517871B2
JP3517871B2 JP33625998A JP33625998A JP3517871B2 JP 3517871 B2 JP3517871 B2 JP 3517871B2 JP 33625998 A JP33625998 A JP 33625998A JP 33625998 A JP33625998 A JP 33625998A JP 3517871 B2 JP3517871 B2 JP 3517871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は運搬方法および装置
に係り、箱形重量物を運搬するための方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】大規模な発電プラント、化学プラント、
鉄鋼プラント等の電気室には、プラントの稼働状態を制
御、記録するための電気盤や操作盤が多数密集して並ん
だ状態で設けられている。箱形の重量物である電気盤を
電気室に新設する際は、内部を空にした状態の電気盤を
搬入して設置し、その後に各種計器や器具を取り付けて
配線するので、搬入時の電気盤の重量は軽く、搬入作業
も容易である。
【0003】ところで、電気盤の定期点検時やプラント
の修理、増設時には、電気室に設置されている電気盤を
搬出し、あるいは搬入する作業が発生する。電気盤は、
大型のものでは、高さ約240cm、幅約180cm、
奥行き約90cmの大きさを持ち、その重量は600k
gに達する場合もある。
【0004】このような電気盤を電気室の外へ搬出する
ためには、搬出対象となる電気盤に隣接する電気盤をバ
ールなどを使ってわずかに移動して電気盤の間に間隙を
作り、搬出対象となる電気盤を手前に押し出し、ころな
どの上に載せて電気室の外に運び出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電気室の出
入り口は、人間が出入りするのに必要十分な大きさに作
られているが、大型の電気盤が出入りすることが考慮さ
れていない大きさ、つまり電気盤を起立したままの状態
で通過させるのには、出入り口の開口の高さが低すぎる
場合が多い。
【0006】そこで、このような出入り口において電気
盤を通過させるためには、出入り口の手前で電気盤を一
旦横倒しにし、そのままの状態で通過させ、通過後に起
立させる必要がある。しかしながら、前述のように非常
に重い電気盤をこのようにして通過させるためには、多
くの作業員を要し、また、危険を伴う作業となる。
【0007】そこで本発明は、上記従来技術の欠点を解
消するために、電気盤等の箱形重量物の運搬において、
既設の箱形重量物から各種計器や器具を取り外すことな
く、そのままの状態で迅速にかつ安全に搬出、搬入でき
る運搬方法および装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記の目的を達
成するために、走行自在とした台車に枢着されるととも
に、伸縮可能になされている支柱の先端部寄りに設けら
れたアームを前記箱形重量物の上部に係止し、前記支柱
を前記箱形重量物と反対側に傾動させるとともに、前記
支柱の基端部に設けた支持体を前記前面部の下端縁近傍
に当接させて、前記箱形重量物を前記下端縁を支点とし
て前傾させ、前記箱形重量物の重心が前記下端縁のほぼ
鉛直上方に位置した状態で前記支柱の傾動を停止し、前
記支柱を伸長させて前記箱形重量物を吊り上げ、前記台
車を走行させて前記箱形重量物を移送することを特徴と
する箱形重量物の運搬方法としたものである。
【0009】なお、電気盤等の箱形重量物の上面部に
は、吊り具が設けられている場合が多いので、アームを
この吊り具に係止するものとすることが望ましい。ま
た、箱形重量物を傾動し、または吊り上げる際に、台車
の後端部が床面から浮き上がらないように、これらの作
業開始前に当該部近傍に錘を載せる、あるいはあらかじ
め当該部に錘を設けておくことが望ましい。
【0010】また、上記の箱形重量物の運搬方法におい
て、前記箱形重量物の移送を、前記箱形重量物を吊り上
げた後に、前記支柱を前記箱形重量物と反対側に傾動さ
せて、前記箱形重量物を前記重心が前記下端縁のほぼ鉛
直上方に位置した状態よりもさらに前傾させた状態で行
うことを特徴とする箱形重量物の運搬方法としたもので
ある。
【0011】なお、箱形重量物をその重心がその前面の
下端縁のほぼ鉛直上方に位置した状態よりもさらに前傾
させるのに際しては、箱形重量物が電気室の出入り口を
通過できる程度にまで十分に傾動させることが望まし
い。なお、電気室の出入り口の高さは、最も低いもので
約180cmである。
【0012】また、走行自在にしてなる台車と、前記台
車に枢着されるとともに、伸縮可能にしてなる支柱と、
前記台車に設けられるとともに、前記支柱を傾倒起立さ
せる駆動機構と、前記支柱の先端部寄りに水平に設けら
れるとともに箱形重量物の上部を係止し、吊り上げ可能
にしてなるアームと、前記支柱の基端部に設けられると
ともに、前記台車が前記箱形重量物の前面部に正対して
接近した状態において前記前面部の下端縁近傍に当接可
能にしてなる支持体と、を有することを特徴とする箱形
重量物の運搬装置としたものである。
【0013】なお、台車については、電気室等の走行可
能な空間が限られることが多いため、その大きさは、支
柱およびアームで電気盤等の箱形重量物を吊り下げ、あ
るいは箱形重量物を載置して移送することが可能な範囲
において、なるべく小さなものとすることが望ましい。
【0014】また、支柱については、箱形重量物の吊り
下げ時に加わる荷重に対する強度を得るために、複数設
けることが望ましい。さらに、電気室の出入り口の高さ
は、前述のように最も低いもので約180cmであるの
で、大型の箱形重量物を前傾させて台車に載置した状態
において、床面から箱形重量物の最高部までの高さが1
80cm以内になるまで傾動するものであることが望ま
しい。
【0015】また、支持体については、箱形重量物を前
傾させた際に、箱形重量物を下方から支持するために設
けられるものであるので、箱形重量物を安定した状態で
支持するために、箱形重量物と当接する部分の面積は、
支柱の各種動作や作業者の作業を妨げない範囲において
大きなものとすることが望ましい。また、箱形重量物の
前面部は薄板で形成されたドアが設けられており、比較
的変形しやすいので、当該部を損傷しないように箱形重
量物と当接する部分には、ゴムなどの緩衝材を設けるこ
とが望ましい。
【0016】また、駆動機構については、箱形重量物を
吊り上げることを容易にするために、前記支柱を伸縮す
るための駆動源とすることが望ましい。また、箱形重量
物を前傾する際に、箱形重量物に当接する部分について
は、前述のように、その前面部は薄板で形成されたドア
が設けられており、比較的変形しやすいので、当該部を
損傷しないように、ゴムなどの緩衝材を設けることが望
ましい。また、箱形重量物の前傾、吊り下げ作業時に、
電気室の天井にアームが衝突しないように、当該吊り具
とアームとの距離は小さいものとすることが望ましい。
また、上記箱形重量物の運搬装置において、前記アーム
には、当該アームを貫通する支持棒が設けられ、前記支
持棒には、吊り具を係止させる部分である一対の吊下げ
板が前記支持棒上を摺動可能に設けられていることを特
徴とする箱形重量物の運搬装置としたものである。
お、アームについては、箱形重量物の上面部には、通
常、吊り具が当該部の4隅近傍に4個設けられているの
で、アームはこれら4個の吊り具を係止可能な形状であ
ることが望ましい。さらに、4個の吊り具の間隔は、箱
形重量物によって異なるので、当該間隔に応じて、前記
アームの当該吊り具を係止させる部分の間隔が自在に変
更できる構成、例えば伸縮機構を有するなどでも良い
また、上記箱形重量物の運搬装置において、前記アーム
は、支柱に対して回動するように回転体が設けられてな
ることを特徴とする箱形重量物の運搬装置としたもので
ある。 なお、アームに箱形重量物を吊り下げて所定の場
所に置く作業などにおいて、作業者の作業を容易にする
ために、箱形重量物を吊り下げた状態において、例えば
箱形重量物を回転させる、前後左右に僅かに水平移動で
きるなど、箱形重量物を動かすことが可能な構成、例え
ば吊り具を係止する部分とその上方の部分の間にベアリ
ングを介在させる、あるいは吊り具を係止する部分をそ
の上方の部分に対して前後左右に摺動可能とするなどの
構成でも良い。
【0017】
【作用】本発明は上記のように、走行自在とした台車に
枢着されるとともに、伸縮可能になされている支柱の先
端部寄りに設けられたアームを前記箱形重量物の上部に
係止し、前記支柱を前記箱形重量物と反対側に傾動させ
るとともに、前記支柱の基端部に設けた支持体を前記前
面部の下端縁近傍に当接させて、前記箱形重量物を前記
下端縁を支点として前傾させ、前記箱形重量物の重心が
前記下端縁のほぼ鉛直上方に位置した状態で前記支柱の
傾動を停止し、前記支柱を伸長させて前記箱形重量物を
吊り上げ、前記台車を走行させて前記箱形重量物を移送
することを特徴とする箱形重量物の運搬方法としたの
で、箱形重量物が互いに当接するほど密に並んで設けら
れていても、搬出対象となる箱形重量物を前傾させて吊
り上げることにより、箱形重量物の列から容易にかつ迅
速に抜き出すことができ、前傾させたままの状態で移送
できる。なお、この方法と各手順が逆の順番になる方法
にすると、箱形重量物を元の位置に戻す場合などにも応
用できる。
【0018】また、前記の運搬方法において、前記箱形
重量物の移送を、前記箱形重量物を吊り上げた後に、前
記支柱を前記箱形重量物と反対側に傾動させて、前記箱
形重量物を前記重心が前記下端縁のほぼ鉛直上方に位置
した状態よりもさらに前傾させた状態で行うものとした
ので、前記箱形重量物の高さに対して、電気室の出入り
口の開口の高さが低すぎる場合でも、箱形重量物の最高
部の高さが出入り口の高さ以下(約180cm以下)に
した状態で移送可能であるので、出入り口を容易に通過
させることができる。
【0019】また、走行自在にしてなる台車と、前記台
車に枢着されるとともに、伸縮可能にしてなる支柱と、
前記台車に設けられるとともに、前記支柱を傾倒起立さ
せる駆動機構と、前記支柱の先端部寄りに水平に設けら
れるとともに箱形重量物の上部を係止し、吊り上げ可能
にしてなるアームと、前記支柱の基端部に設けられると
ともに、前記台車が前記箱形重量物の前面部に正対して
接近した状態において前記前面部の下端縁近傍に当接可
能にしてなる支持体と、を有することを特徴とする箱形
重量物の運搬装置としたので、箱形重量物が密に並んで
設けられていても、搬出対象となる箱形重量物を前傾さ
せて吊り上げることにより、箱形重量物の列から容易に
かつ迅速に抜き出すことができ、前傾させたままの状態
で移送し、さらに、電気室の出入り口を容易に通過させ
ることができる運搬装置を提供できる。また、箱形重量
物を電気室に搬入して、箱形重量物を抜き去った空間に
設置するためにも利用可能な運搬装置を提供できる。
た、前記アームには、当該アームを貫通する支持棒が設
けられ、前記支持棒には、吊り具を係止させる部分であ
る一対の吊下げ板が前記支持棒上を摺動可能に設けられ
る構成であるようにすることで、吊り具の間隔が異なる
様々な大きさの電気盤に対応可能となる。 また、前記ア
ームは、支柱に対して回動するように回転体が設けられ
てなるようにすることで、台車を電気盤に正対した状態
で接近させることが困難な場合でも、台車を斜め(正対
していない)の状態のまま電気盤に接近させ、アームを
適宜回転させて電気盤を吊り下げ板に係止し、電気盤を
吊り上げた後に台車に載置可能なように、電気盤を回転
させてその向きを変更するなど、作業の自由度を向上す
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的な実施形
態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
発明の実施形態の使用状態図である。また、図2は、支
柱を傾動させる状態を示す図であり、(1)は傾動の途
中の状態を示す図であり、(2)は傾動し終えた状態を
示す図である。また、図3は、本発明の別の実施形態の
左側面図であり、さらに、図4は、その正面図であり、
図5は、その平面図である。また、図6は、アーム部分
の別の実施形態を示す斜視図である。
【0021】本発明の電気盤の運搬装置1は、図1に示
すように、大別して、車輪23を有し、作業対象となる
電気盤9を移送可能な台車2と、台車2の前端部に基端
部を枢着され、台車2の後端部側に傾動可能で、かつ先
端部を上方に伸長可能な支柱3と、支柱3の先端部に設
けられ、電気盤9の吊り具91を係止することにより電
気盤9を吊り下げ可能なアーム41と、からなってい
る。
【0022】台車2は、前端寄りと後端寄りとに1対ず
つ4個の車輪23を有し、後述するように、支柱3とア
ーム41とによって前傾状態で吊り下げられた電気盤9
の移送手段となる。また、支柱3とアーム41とを作動
させる油圧シリンダ22の駆動源となる油圧ポンプ(図
示せず)が載設される。また、台車2の後方の錘載置位
置24は、後述の方法により電気盤を持ち上げる際に、
浮き上がらないように錘等の重量物を載せる場所とな
る。
【0023】なお、車輪の数は、電気盤の移送が可能で
あるならば、4個に限らず、台車にかかる荷重等に応じ
て適宜4個以外に変更しても良い。また、台車が走行す
る電気室等の走行可能な空間が限られることが多いた
め、その大きさは、電気室の出入り口を通過し、支柱お
よびアームで電気盤を吊り下げ、あるいは電気盤を載置
して移送することが可能な範囲においてなるべく小さ
く、例えば車長170cm前後、車幅80cm前後とす
ることが望ましい。また、錘載置位置24にあらかじめ
錘を設けたものとしても良い。くわえて、車輪を回動さ
せる駆動機構を設けて台車を自走可能なものにしても良
い。
【0024】支柱3は、下部支柱31とこれに一部挿入
された状態で設けられる上部支柱32とからなる。くわ
えて、上部支柱32は、油圧ポンプ(図示せず)により
上下動するので、支柱3は全体として伸縮可能である。
よって、上部支柱32に付設されたアーム41の高さを
調整することが可能である。また、アーム41に吊り具
91を介して係止された電気盤9を前傾させた後に、支
柱を伸長させて電気盤を吊り上げできる。さらに、後述
するように、アーム41が電気盤9に係止された状態に
おいて、油圧シリンダ22の作動によって台車4の後端
部側に回動して倒れるので、電気盤9は前面部の下端縁
近傍93(図2(2)に図示)を中心に前傾する。電気
盤9が一定程度前傾したところで、支柱3を伸長させれ
ば、電気盤9は床面から離れてアーム41に吊り下げら
れた状態になる。さらに、支柱3を傾動させれば、電気
盤9を台車2上に載置することができる。また、下部支
柱31の基端側には支柱3を直立させた状態において、
斜め前方の床面に向かって突出する支持分32が設けら
れている。この支持部32は、電気盤9を台車2に載置
した状態において、電気盤9の前面部に当接する部分と
なる。また、この前面部には、通常、薄板で出来たドア
が設けられており、比較的変形しやすい部分であるの
で、支持部32には、当該部を損傷しないように緩衝用
ゴム33が張り付けられている。同様に、上部支柱32
にも当該部と当接する受け板45(図2(1)に図示)
が設けられているが、この受け板45にも緩衝用ゴム4
6が張りつけされている。
【0025】なお、電気盤は、その高さが最低で約17
0cm、最高で約240cmあるので、支柱の長さは、
アームの高さが最低で約170cm、最高で約240c
mに吊り具およびシャックルの長さを加えたものになる
ように調整できることが望ましい。また、前述のよう
に、電気室の出入り口の高さは最低で約180cmしか
ないので、電気盤を台車に載置して電気室外に搬出する
際に、図2(2)に図示する電気盤の最高部分94が1
80cmよりも低くなることが望ましい。また、この実
施形態の支柱は、伸縮可能な2本の棒状のものとしてい
るが、電気盤の荷重(最大で600kg)を支持するこ
とが可能であるならば、2本以外の本数としても良い。
また、その一部または全部を板状体としても良い。
【0026】アーム41は、図2(1)に示すように、
電気盤9の上面部に設けられた吊り具91にシャックル
92を係止して、さらにシャックル92をアーム41の
その係止孔411に係止させる。このようにして電気盤
9をアーム41に吊り下げ可能な状態で係止する。な
お、電気盤をアームに係止する手段としては、2つの閉
空間(孔)を貫通して連結することができ、かつ電気盤
の荷重に耐えられるものであるならば、シャックル以外
のものでも良い。また、電気盤の吊り具は、電気盤の大
きさにより相互の間隔が異なるので、アームの係止孔
は、一定間隔で多数設けておくことが望ましい。さら
に、電気室の天井と電気盤の上面との距離がさほどない
場合があるので、電気盤を係止したときのアームと電気
盤の上面との距離は、なるべく短くなるような構成であ
ることが好ましい。
【0027】次に、この実施形態による電気盤の移送の
具体的な手順について述べる。最初に、図1に示すよう
に、電気盤9に電気盤の運搬装置1を正対させて矢印A
の方向に接近させる。次に、図2(1)に示すように、
アーム41と吊り下げ具91とをシャックル92を介し
て係止する。次に、錘載置位置24に錘等の重量物を載
せる。次に、油圧シリンダ22を作動させて支柱3を台
車2の矢印Bの方向に傾動させて行く。支柱3の傾動に
つれて電気盤9は前面部の下端縁近傍93を中心として
回転しながら前傾して行く。電気盤9の重心の位置が前
面部の下端縁近傍93の直上まで移動したら、支柱3の
傾動を停止し、支柱3を伸長して電気盤9を吊り上げ
る。
【0028】次に、図2(2)に示すように、さらに支
柱3を矢印Bの方向に傾動させると、電気盤9の重心が
前面部の下端縁近傍93よりも台車2側に位置するの
で、容易に前傾させることができる。電気盤の最高部分
94が電気室の出入り口を通過できる高さまで低くなっ
たら傾動を停止する。最後に、台車2を電気室外に移動
させることにより、電気盤9を搬出することができる。
【0029】また、上述の一連の手順を逆に実行するこ
とにより、電気盤を電気室に搬入して、所定の位置に設
置することにも応用することができる。さらに、図3、
図4および図5に示す別の実施形態について説明する。
この実施形態においては、図3および図4に示すよう
に、上部支柱32は、下部支柱31と回転軸37によっ
て回動自在に設けられており、その回動は、油圧シリン
ダ35を伸縮させることにより自在に制御できる。さら
に、アーム41も上部支柱32と回転軸38によって回
動自在に設けられており、その回動は、油圧シリンダ3
6を伸縮させることにより自在に制御できる。
【0030】このような構成にすることにより、アーム
41の可動範囲が広がり、各種の作業が容易になる。な
お、シリンダ35およびシリンダ36は、シリンダ22
と同様に油圧ポンプ25により作動するものとすること
が望ましい。
【0031】また、アーム41と関連する部分の構成に
関しては、図5に示すように、2本のアームをそれぞれ
貫通する支持棒42が2本設けられており、さらに、こ
れらの支持棒42のアーム41よりも外側の位置には、
吊り下げ板43が1枚ずつ設けられている。なお、支持
棒42の両端部には、吊り下げ板45が脱落しないよう
にストッパ421が設けられている。また、吊り下げ板
43は、支持棒42上を摺動可能な状態で儲けらてお
り、同時に、吊り下げ板43の下部には、図4に示すよ
うに多数の係止孔431が設けられているので、吊り具
の間隔が異なる様々な大きさの電気盤に対応可能とな
る。
【0032】なお、アーム41に関連する部分の構成に
ついては、さらに別の実施形態として、図6に示すよう
な構成にしても良い。これは、アーム41と上部支柱3
2ととが直接固着された構成とするのではなく、上部支
柱32に対して回動するようにしたものである。具体的
には、受け板45が上部支柱32(図6では図示せず)
と電気盤を吊り下げに耐える構造で連結されているもの
とし、受け板45にその前方に向かって突出する支持棒
47を設け、その先端付近にアーム41の回動を支持す
る支持突起48を上方に突出して設け、これに2本のア
ーム41の間に設けられた回転体49を枢着するもので
ある。回転体49とアーム41とは一体に設けられてい
るので、回転体の回動によってアーム41と、これに一
体に設けられている支持棒42、吊り下げ板43が矢印
Cの方向または反対方向に回動自在となる。
【0033】なお、アームを回動可能とする構成はこれ
に限られるものではなく、例えば、ベアリングやより戻
しを利用して、アームがそれを支持するまたは吊り下げ
て保持する部分に対して回動可能になされていれば他の
構成でも良い。
【0034】このような構成にすれば、例えば、台車を
電気盤に正対した状態で接近させることが困難な場合で
も、台車を斜め(正対していない)の状態のまま電気盤
に接近させ、アームを適宜回転させて電気盤を吊り下げ
板に係止し、電気盤を吊り上げた後に台車に載置可能な
ように、電気盤を回転させてその向きを変更するなど、
作業の自由度を向上することができる。また、アームに
ついては、電気盤の上面部に5個以上の吊り具が設けら
れている場合、それらのすべて、または安全に吊り上げ
可能であるならばそれらの一部を係止可能な形状になし
ても良い。
【0035】以上のように、上記の実施形態において
は、従来、作業者が行っていた作業のほとんどを実施形
態に係る電気盤の運搬装置で行うことができるので、作
業の迅速化をはかることができる。また、電気盤の分解
や、搬送対象となる電気盤に隣接する電気盤を事前に動
かすなどの前作業のほとんどが不要になる。さらに、作
業者の安全を確保することができる。また、電気盤の再
設置や新設にも利用可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、走行自
在とした台車に枢着されるとともに、伸縮可能になされ
ている支柱の先端部寄りに設けられたアームを前記箱形
重量物の上部に係止し、 記支柱を前記箱形重量物と反
対側に傾動させるとともに、前記支柱の基端部に設けた
支持体を前記前面部の下端縁近傍に当接させて、前記箱
形重量物を前記下端縁を支点として前傾させ、前記箱形
重量物の重心が前記下端縁のほぼ鉛直上方に位置した状
態で前記支柱の傾動を停止し、前記支柱を伸長させて前
記箱形重量物を吊り上げ、前記台車を走行させて前記箱
形重量物を移送することを特徴とする箱形重量物の運搬
方法としたので、箱形重量物の移送に係る作業を安全に
かつ効率的に行うことができる。
【0037】また、上記の運搬方法において、前記箱形
重量物の移送を、前記箱形重量物を吊り上げた後に、前
記支柱を前記箱形重量物と反対側に傾動させて、前記箱
形重量物を前記重心が前記下端縁のほぼ鉛直上方に位置
した状態よりもさらに前傾させた状態で行うことを特徴
とする箱形重量物の運搬方法としたので、箱形重量物が
設置された、あるいは箱形重量物を設置する電気室の出
入り口の高さに左右されることなく、かつ作業者を危険
にさらすことなく、箱形重量物を電気室の内外に移送す
ることができる。
【0038】また、走行自在にしてなる台車と、前記台
車に枢着されるとともに、伸縮可能にしてなる支柱と、
前記台車に設けられるとともに、前記支柱を傾倒起立さ
せる駆動機構と、前記支柱の先端部寄りに水平に設けら
れるとともに箱形重量物の上部を係止し、吊り上げ可能
にしてなるアームと、前記支柱の基端部に設けられると
ともに、前記台車が前記箱形重量物の前面部に正対して
接近した状態において前記前面部の下端縁近傍に当接可
能にしてなる支持体と、を有することを特徴とする箱形
重量物の運搬装置としたので、箱形重量物の運搬装置の
作業の効率の向上可能な運搬装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の使用状態図である。
【図2】支柱を傾動させる状態を示す図であり、(1)
は傾動の途中の状態を示す図であり、(2)は傾動し終
えた状態を示す図である。
【図3】本発明の別の実施形態の左側面図である。
【図4】本発明の別の実施形態の正面図である。
【図5】本発明の別の実施形態の平面図である。
【図6】アーム部分の別の実施形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 電気盤の運搬装置 2 台車 21 台車枠 22 油圧シリンダ 23 車輪 24 錘載置位置 25 油圧ポンプ 3 支柱 31 下部支柱 32 上部支柱 33 支持部 34 緩衝用ゴム 35 油圧シリンダ 36 油圧シリンダ 37 回転軸 38 回転軸 41 アーム 411 係止孔 42 支持棒 421 ストッパ 43 吊り下げ板 431 係止孔 44 ブラケット 45 受け板 46 緩衝用ゴム 47 支持棒 48 支持突起 49 回転体 9 電気盤 91 吊り具 92 シャックル 93 前面部の下端縁近傍 94 電気盤の最高部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 喜久雄 東京都豊島区北大塚1丁目13番4号 日 本生命大塚ビル 株式会社日立プラント 建設ソフト内 (56)参考文献 特開 平9−110391(JP,A) 特開 平2−163296(JP,A) 特開 平2−175598(JP,A) 特開 平11−268893(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/00 - 11/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行自在とした台車に枢着されるととも
    に、伸縮可能になされている支柱の先端部寄りに設けら
    れたアームを前記箱形重量物の上部に係止し、 前記支柱を前記箱形重量物と反対側に傾動させるととも
    に、前記支柱の基端部に設けた支持体を前記前面部の下
    端縁近傍に当接させて、前記箱形重量物を前記下端縁を
    支点として前傾させ、 前記箱形重量物の重心が前記下端縁のほぼ鉛直上方に位
    置した状態で前記支柱の傾動を停止し、前記支柱を伸長
    させて前記箱形重量物を吊り上げ、 前記台車を走行させて前記箱形重量物を移送することを
    特徴とする箱形重量物の運搬方法。
  2. 【請求項2】 前記箱形重量物の移送を、前記箱形重量
    物を吊り上げた後に、前記支柱を前記箱形重量物と反対
    側に傾動させて、前記箱形重量物を前記重心が前記下端
    縁のほぼ鉛直上方に位置した状態よりもさらに前傾させ
    た状態で行うことを特徴とする請求項1に記載の箱形重
    量物の運搬方法。
  3. 【請求項3】 走行自在にしてなる台車と、 前記台車に枢着されるとともに、伸縮可能にしてなる支
    柱と、 前記台車に設けられるとともに、前記支柱を傾倒起立さ
    せる駆動機構と、 前記支柱の先端部寄りに水平に設けられるとともに箱形
    重量物の上部を係止し、吊り上げ可能にしてなるアーム
    と、 前記支柱の基端部に設けられるとともに、前記台車が前
    記箱形重量物の前面部に正対して接近した状態において
    前記前面部の下端縁近傍に当接可能にしてなる支持体
    と、 を有することを特徴とする箱形重量物の運搬装置。
  4. 【請求項4】 前記アームには、当該アームを貫通する
    支持棒が設けられ、前記支持棒には、吊り具を係止させ
    る部分である一対の吊下げ板が前記支持棒上を摺動可能
    に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の箱
    形重量物の運搬装置。
  5. 【請求項5】 前記アームは、支柱に対して回動するよ
    うに回転体が設けら れてなることを特徴とする請求項3
    または請求項4に記載の箱形重量物の運搬装置。
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